美少女連続失踪事件をきっかけに、シエスタは一人の怪しい男を見つけ出す。
 その様子を窺い、とうとう接触を図ったところ、一体何をされたのか、突如として体の力が抜け、意識さえも失ってしまう。
 目が覚めた時にはベッドの上で拘束されており――。


とある男を尾行して監禁された名探偵


 美少女連続失踪事件が起こっている。
 この事件は《SPES》絡みの可能性有りとして、シエスタはいくつかの現場を見て回った。
 第一の失踪現場は路地裏。
 目撃者の証言によれば、会社からの帰宅途中、急に悲鳴が聞こえたために気になって駆けつけると、そこには女性向けのデザインと思わしきバッグだけが残されていたという。
 第二の現場は通学路。
 中学生がいつものように家を出て、いつものように学校へ通ったはずが、無断欠席の連絡が教師から保護者に届く。一向に帰って来る気配がなく、とうとう警察に話したところ、やはり学校には顔を出さず、通学途中で失踪していたことがわかった。
 第三の現場は別の学校の同じく通学路。
 今度は一日学校で過ごした放課後、夜中になっても帰って来ないために両親は警察に通報。調査によって、途中までは友達と一緒に帰っていたが、その先で失踪したと判明する。
 四人目や五人目は、習い事の帰り道で消えたという。
 十代半ばを中心にした連続失踪。
 この事件を調査するにあたって、シエスタはまず時間帯に注目した。
 失踪した少女達は、いずれも朝や夜など、失踪時間そのものはバラバラだが、被害者は全員が中高生だ。
 被害者達に共通点はなく、学年も学校も習い事も全てバラバラだ。教師が自分の生徒を狙うのでも、習い事の講師が狙うのでもなく、部外者による犯行の可能性が極めて高い。
 では外部の人間が獲物の物色を行い、気に入った標的に狙いを定めているのではないかと考え、シエスタは登校や下校時間帯に焦点を当てたのだ。
 犯行のタイミングを伺うには、まずは標的が決まっている必要がある。
 ではどこで獲物を選んでいるのか。
 中高生が多く出歩き、あの子は可愛い、この子も好みだ――と、選びやすい時間といったら、登下校の時間帯ではないかと考えたのだ。
 その時間帯中、いかにも怪しい目を向けている男でもいようものなら、それが怪しいわけである。
 警察もこれと同じ考えであり、私服でのパトロールを増やした人海戦術で、少しでも様子の怪しい人間がいれば、手当たり次第に職務質問をして回っている。
 だが、シエスタが各学校の通学路を歩くのは、ただ現場の確認をしたり、人海戦術の一員となるためだけではない。
 自分自身を囮にするためだ。
 狙いが狙いなら、犯人はシエスタに興味を示す可能性もあるだろう。餌にかかった相手を吊し上げれば話は早い、そんな作戦なのだった。
(あれだろうね)
 シエスタはとある一人の男の様子に気づく。
 人気の少ない街中で、傍から見れば明らかに少女を尾行している怪しい背中を偶然にも目撃した。
 偶然なのだが、男の顔には見覚えがある。
 シエスタは既にいくつもの通学路を見回っており、そこで複数回にわたって見かけた顔なので記憶していた。容姿や服装そのものにこれといった特徴はなく、とても印象に残りにくいが、シエスタの中では目立たないこと自体が印象的だった。
 透明人間ほどではないが、目立たない、だから怪しまれないというのは、職務質問を受けたり、誰かに通報される可能性を減らせるアドバンテージだ。
(確定ではないかな。でも可能性は高そうだ)
 少女を尾行する男のことを、さらにシエスタが尾行する。
 このまま現行犯を押さえられるか、容疑を確定させる情報が出て来るかによって、一連の事件が収束するか否かが変わってくる。
 もし彼が犯人でなければ、調査はまた振り出しだ。
 それにしても、気になるのは犯人の目的である。
 人身売買か、それとも《SPES》が心臓や肉体を求めての犯行なのか。後者であれば、被害者の生存は望めない。あるいはもっと、わかりやすい欲望のためなのか。
 男が足を速めた。
(おっと、まずいね)
 尾行がバレないように、身長に距離を開いている。かなり遠巻きにして追っているので、急に走られでもすれば見失いやすい。
 シエスタも同時に足を速めた。
(現行犯になるかな?)
 男が少女へと、徐々に距離を縮めているが、肝心の少女は後ろからの接近に気づいていない。
 だが、男も男でシエスタに気づいていない。
 獲物に焦点を合わせた猛獣は、少女ばかりに気を取られ、身の周りに警戒が出来ていない。
 すぐ真後ろにシエスタがいるとも知らず、男は少女に腕すら伸ばし始めている。その手で腕でも掴んで引っ張って、乱暴を働くつもりか。
 動くなら、ここだ。

「君、待ちたまえ」

 シエスタはそこで飛び出し、男の手首を掴んでいた。
 少女へと伸びかけていた腕を止め、男の犯行を食い止めた上でその目を見据える。
 相手が人造人間なら、何か反撃があるだろう。
 そうでなくても、確保さえしてしまえば、取り調べによって一連の犯人か否かは確かめられる。
 よしんば無関係だったとしても、少女に手出しをしかけたのは確認している。
 どちらにせよ不審者だ。
「名探偵か」
 男がそう口にした瞬間だ。
「!」
 シエスタはすぐに身構え、マスケット銃を抜こうとした。
 相手はこちらを知っている。
 ならば油断ならない。
 しかし、急に体中から力が抜け、シエスタはその場に膝を突く。くらっと頭が揺れたかと思いきや、何故だか足腰に力が入らず、まともに動けなくなっていた。
 さらには意識すら朦朧とする。
 頭に何かが侵食してくるように、みるみるうちに脳が蝕まれ、次の瞬間にシエスタは意識を失っていた。




 目が覚めた時、シエスタは素早く状況を確かめる。
 目で見える限りのものを見て、肌で感じ取れる限りのものを感じ取り、自分がベッドに寝かされていることを知る。
 服はそのまま、グレーと黒を組み合わせたジャケットにスカート姿から変わっていない。ただ、さすがに靴だけは脱がされているようだ。
 腕には手錠がかけられて、バンザイのポーズでパイプの骨組みに鎖を通され、両腕に自由はない。
 それに、体に力が入らない。
「厄介だね。これは困ったものだよ」
 あの瞬間、男は一体どうやってシエスタの意識を奪ったのか。詳細はわからないが、相手に制約をかける能力なのだろう。意識活動を締め付けられ、気を失い、目覚めてみれば四肢の筋力すら低下している。
 その元凶たる男はそこにいた。
「おはよう。名探偵」
「人の寝顔を今まで眺めていたのかな? デリカシーの欠片もない、君は無神経な男というやつか」
 シエスタは顔を歪めた。
 みすみす捕まってしまった不覚もあるが、こんなベッドの上で二人きり、今の今まで過ごしていたと思うと気持ち悪い。寝ているあいだに胸でも触られていないかと考えたら、体中に虫唾が走る。
 想像だけで身震いするのに、男の手は今まさに伸びてくる。
 シエスタはさっと身構え、直ちに男を蹴り飛ばそうと思ったが、男は両脚に跨がっていた。正座の膝に挟まれ封印される形となって、シエスタの足は動かなかった。
 何の抵抗もできず、スカートが捲られていた。
「黒ストの内側に白なんだねぇ?」
 猫なで声だった。
 男が視姦しているものは、黒い繊維の網目に覆われた白なのだった。
「……気持ち悪い」
 シエスタの顔には嫌悪と赤らみが浮かんでいた。
「へへっ、綺麗な脚だぁ。可愛いパンツだぁ」
「うっ、うぅぅ……!」
 男はショーツにぐっと顔を近づけて、至近距離から視線を注ぎながらに、両手を太ももに這い回らせる。ストッキング越しの脚を味わい、目でも存分にショーツを楽しむ男への、おぞましいものに対する気持ちが吹き荒れた。
 ゴキブリが体にたかり、体表を這い回ってくるような気持ち悪さだ。
 鳥肌が広がっていく。
 拒否感が滲み出て、激しく引き攣る表情で、シエスタはこの恥辱を堪えていた。
「スベスベだぁ! キレーなパンツだぁ!」
「とてつもない変態のようだね。君は――うぅ……!」
 おぞましさで肌中が震えてたまらない。
 視線も注がれ続けている。
 高熱のレーザー照射でもしてくるように、焼き切らんばかりの勢いで、鼻息も荒くしながら数センチの距離で下着を視姦し、男はストッキングやショーツの繊維を観察している。
 その恥ずかしさに赤らみが広まって、シエスタの頬は朱色によって侵食される。
「次はオッパイかなぁ?」
 男はおもむろに体を起こした。
「き、君はっ、こういうことを続けているのかな?」
「どうかなぁ? どうかなぁ?」
 男は前に移動してきた。
 今まで膝のあたりに尻を置き、その両脚のあいだにシエスタの足をロックしていたが、今度は骨盤より少し上、腹のあたりに跨がってきたかと思いきや、すぐにその両手を乳房に絡みつかれてくるのであった。
「な……!」
 シエスタは動揺した。
 男の目的がこういうことなら、乳房に触れられるまでそう時間はないとわかっていたが、いざ揉まれればショックを受け、シエスタは引き攣りながら目を見開く。
 その大きく見開いた目を細め、いかにも無念そうに瞳だけを横へと背ける。
「大きいねぇ? 君のオッパイ! シエスタのオッパイ!」
 男は無我夢中になって指を踊らせ、五指を存分に食い込ませる。そんな両手の指により、シエスタの着るグレーのジャケットには皺が刻まれ、衣服もろとも変形を繰り返す。
「私の名前を知っているようだね」
「大きいねぇ? 柔らかいねぇ?」
「その会話が成立しないのはわざとかな?」
「いくつ? サイズいくつ?」
 指が踊れば踊るほど、乳房は捏ねられたパン生地のように形を変え続け、衣服も皺を踊らせている。
「乱暴だよ。痛いばかりだ」
 シエスタは懸命に自分を保っていた。
「え? 痛い? 痛い? ごめんね? ちゃんと気持ち良くしてあげるからね?」
「手を離して欲しいね」
 声音では平静を装うものの、本当は動揺している。
(助手…………)
 力が出ない。拘束もされている。
 迂闊にも囚われて、みすみすこんな目に遭っている自分自身の情け無さ。このままでは体中をいつまでも好きにされ、恥辱ばかり味わうであろう危機感。一刻も早くこの状況を脱出しなくてはいけない焦燥にも煽られて、シエスタの静かな声音は、どこまでもフリでしかない。
 本当に、何もできないのだ。
 頭上の両手を暴れさせ、がちゃがちゃと手錠や鎖を引っ張っても何にもならない。そもそも、何か見えない力に筋力を抑制されて、本来の腕力も脚力も出せずにいる。今のシエスタはどこにでもいるか弱い少女と変わらない。
「中身が見たいなぁ? ねえ、いいでしょ?」
「くっ!」
 恐ろしいほど醜い顔がそこにはあった。
 ルックスそのものはいたって平凡、良くもない悪くもない、何の特徴もない顔つきだったはずの男が、おぞましい顔で鼻の下を伸ばしきり、舌なめずりによって唇に唾液を塗り伸ばす。
 欲望にまみれた獣の顔は、こうまで人を豹変させるのかと、見ていて恐怖しかないくらいだ。
「脱がすよ? 脱がすね?」
「やめて欲しいね。君に見せるようなものは何もない!」
「だーめっ、だめぇ!」
 男は首のリボンを乱暴に引っ張り抜き、体中を撫で回すような手つきでジャケットを掴み左右に引っ張る。グレーのジャケットがはだけられ、内側の黒いシャツもたくし上げられ、シエスタの白いブラジャーがあらわとなる。
「こっ、この……!」
 ショーツに続き、ブラジャーまで見られてしまった。
 屈辱と恥ずかしさで顔を赤らめ、赤面しきった顔で、シエスタは男のことを睨み返した。
「いいねぇ? 可愛い目だねぇ?」
「……っ!」
 怒りの情を抱くシエスタに対して、煽るような言葉をかけてくる男に、頭の血管が切れそうだった。力さえ発揮できれば、どんな衝動的な振る舞いに至っていたか、本人にもわからなかった。
 だが、現実には揉みしだかれる。
「いいオッパイ! 本当にいいオッパイ!」
 男は大興奮の顔で揉みしだき、今度はブラジャーを変形させる。その活発に揉み潰す指遣いは、シエスタの乳房に痛いほどに食い込んで、何度か走る痛みに歯を食い縛った。
「ぐっ、やめ……」
「あれ? ホックが手前にあるね? ちょうどいいや!」
 次の瞬間、ぷるっと飛び出す。
 瑞々しくも豊満な乳房を生で見られて、シエスタはますます赤らみながら、こんな男なんかに揉まれる状況に苦悶する。
 最初は乱暴さが入り交じり、たまに痛いほど食い込んできていたのが、しだいに手つきが良くなっていく。みるみるうちに乳首が突起して、じんじんと何かが疼く。
 ぷるぷると揺らされた。
 下乳を指で下から弾き上げ、人の乳房を玩具のようにして遊んでくる。その風船が震え続けるような光景に、男は大いに喜び鼻の下を伸ばしていた。
「最低だね……」
 その一言にあらゆる感情が入り交じる。
 目の前の男に対する嫌悪、身体の一部を好きに扱われている屈辱は言うまでもない。加えてあるのは、やはりみすみす囚われて、こんな目に遭っていることの無念であった。
「味わっちゃおうかなぁ? ねえ? シエスタちゃん」
「……ぬっ! やっ、やめっ」
 シエスタはひどく引き攣った。
「ちゅっ、ちゅぅぅ――――」
 吸いついてきたのだ。
 まずは右の乳房へと、おもむろに顔を近づけ先端を頬張って、吸い上げんばかりの力をかけてくる。
「ちゅっ、ちゅっ、ちゅっ、ちゅっ――――」
 表皮にキスをしてきての、吸引からの音が鳴り続け、その分だけ乳首や乳輪には唾液が染み込む。
「くぅぅ……!」
 猛烈な拒否反応があった。
 両手さえ自由なら、今すぐにでも男のことを突き飛ばし、そしてどこまでも吹っ飛んでもらいたい。壁に穴を空けながら、その向こうに消え去って欲しいと本気で願うほどだった。
「ちゅっ、ちゅっ、ちゅっ、ちゅっ――――」
 しかし、どうにもならない。
 シエスタにはやはり、手錠をガチャガチャと鳴らしてみる以上のことができない。
 そして、抵抗できずにいればいるだけ、今度はもう片方の乳首にも吸いつかれ、乳房の先っぽがどちらも唾液塗れにされていく。おぞましいものが表皮に染み込み、細胞を汚染されているような嫌悪で顔が引き攣り続けていく。
 スカートにも手が伸びてきた。
 既に最初に捲られて、丈が腹部を包んだ下の、剥き出しの部分に手が来ると、とうとうアソコまで指に触れられ、シエスタの体中に何かが駆け巡るのだった。
「ちゅっ、ちゅっ、ちゅっ、ちゅっ――――」
「くっ、うぅ――――――――っ!」
 嫌悪、拒否感。
 激しい電流の勢いで、凄まじく駆け巡り、体をぴくりと跳ねさせさえするものは、およそそういった種類のものだ。その心理的な反応が神経の中に現れ、全身に行き渡ったかのように、頭のてっぺんから爪先まで、シエスタの全身にはまんべんなく鳥肌が広がっていた。
「さい……ていだ…………!」
 二箇所への刺激が行われる。
「ちゅっ、ちゅっ、ちゅっ、ちゅっ――――」
 口では交互に乳房へ吸いつき、唇の内側に含まれた部分が下で転がされている。舌先で乳輪をぐるぐるとなぞられもして、その何周もかけて回る舌先は、乳首のいわば側面、柱の周りに何度でも掠めてきた。
 黒ストッキングのアソコは指に捏ねられている。
 ワレメへのフィットを狙ったように、肉貝に埋まろうとしている指は、イモムシじみてくねり動き、そのダンスがアソコに刺激を与えている。
「なっ、何……これ……し、知らない……!」
 シエスタはより狼狽する。
 刺激が続いているうちに、嫌悪感とはまた別の、異質な何かを感じ始めた。
 それは性的快楽だった。
 先ほどから硬く突起し続けて、神経に快楽信号を送り続けていた事実に、徐々に薄らとした自覚をする。アソコにすら気持ち良さのようなものを感じて、シエスタは混乱さえしかけていた。
「なんで……なんなの……!?」
 自分が何故、どうしてこんなものを感じるのか。
 まったくわけがわからない。
「気持ちいいんだね? 感じているんだね?」
「なっ、何をっ、そんな――――」
「こうしてあげるよ」
 ショーツとストッキングの内側に手が入った。
 男は乳房に夢中なまま、あくまで吸いついてきながらに、右手ではストッキングのゴムを探ってずり下げて、指先を駆使して潜り込む。
 右手が侵入したアソコの部分は、手の甲の存在によって内側から押し上げられ、ショーツもストッキングもまとめて同時に盛り上がっているのであった。
「やっ、やぁ――あぁ…………!」
 それは悲鳴なのか、喘ぎ声なのか。
「ちゅっ、ちゅっ、ちゅっ、ちゅっ――――」
「くっ、あぁ……あぁぁ……!」
 どちらにしても、シエスタのアソコには指が直接蠢いている。先ほどまではストッキング越しだった指のダンスは、肉貝に直接触れてのものとなり、ミミズが全身を駆使したようにワレメの部分を捏ねている。
 ストッキングとショーツの内側で、そうして右手が動けば動くほど、盛り上がった繊維が上下左右に動いている。
「ぐっ、んぅ――」
 シエスタはより焦る。
 一刻も早く脱出しなければ、何か取り返しがつかなくなるような危機感に煽られていた。
「なんだ……この感覚は……!」
 アソコが濡れ始めている。
 少しずつ、薄らと汗ばんできたような水気がかすかに染み出て、それが男の指に付着している。
「んっぐぅ――」
 愛撫が続けば続くだけ、その付着量は増えていき、上下に擦れる際の滑りも良くなっていく。
「濡れてるねぇ?」
 男はその時、おもむろに体を起こした。
 今まで吸い続けた乳房から離れていき、今度はショーツの方に目をやると、その両手で脱がせ始める。
「やっ、やめ――やだ……!」
 シエスタは一気に耳まで赤らんだ。
 脱がせきる気はなかったらしい、アソコさえ見えれば十分だった男の手は、そのショーツとストッキングのセットを、太ももの半ばあたりでぴたりと止める。
「うんうん。可愛いアソコだねぇ? シエスタちゃぁん?」
「くぅ……!」
 煽る言葉をかけられて、顔から火でも噴き出そうに恥じらうシエスタの様子を見て、男は満足そうにズボンを脱ぐ。
 その瞬間、シエスタは一変して凍りついた。
「なっ、何を――」
「何って、決まっているよね」
「だ、だから――何を――決まってるって…………」
 それは果たして、混乱や焦りから来るものなのか。
 ベルトを外し、ズボンを脱ぎ、トランクスの中身を解き放つ男に対し、目の前で何が起こっているのか、どうして肉棒など出しているのか、まるで理解できていない、ただただ絶望の入り交じったような驚愕じみた表情ばかりを浮かべていた。
 そんなシエスタの反応は、いっそ性知識のない無知が故のものにさえ見えてしまう。
「それじゃあ、本番いこっか」
 男はシエスタの両脚を持ち上げる。
 もちろん、シエスタは抵抗して、足をじたばたと暴れさせるが、男の腕力には叶わない。手こずらせることはできても、男のやろうとしていることを阻止はできず、結局はM字開脚の形に押し上げられた。
 ストッキングもショーツも、途中までしか脱がせていない。
 太もものあいだでは、そんなゴムの部分がピンと真っ直ぐに張っており、男はその下へ、可愛らしく閉じ合わさった白い肉貝に亀頭を押し込む。
 そこはもう、存分に濡れていた。
 当たってきた亀頭に愛液を付着させ、挿入をあっさりと受け入れてしまう程度には、活性油の量を用意していた。
「あっ、がぁ――――」
 だが、やはり最初は痛みに呻く。
 シエスタの膣口は、まだ男を知らなかった。太いものを受け入れる柔軟性も、緩さも持たない部分にあるのは、引き裂かれるような痛みであった。
 みちみちと音がするようで、肉が裂けてはいないかと恐ろしい。
 そんな痛みで熱が広がり、シエスタは脂汗を一気に噴き出し、その汗ばみによって額に前髪を張り付けていた。
「あ……あぁ…………」
 痛みと屈辱で涙が涙が滲み出た。
 膣口が肉棒の太さに合わせて丸く広がり、ついには根元まで収まっての、よりにもよってこんな男との一体感を味わう状況に、体の芯から拒否信号が放たれている。
「可愛いねぇ? いい顔だよぉ?」
 涙目となったシエスタの顔に興奮して、男は早速のように腰を振り動かした。
「あぁ――――――!」
 シエスタにはもう、自分がどうして声を上げているのかもわかっていない。痛いのか、道具のように使われる屈辱なのかもわからずに、しかし確かにピストンが始まった事実に対して声を吐き出していた。
「あっ、あぁ――あぁ――あぁぁ――――――」
 膣内で動いている。
 それも激しく、勢いよく打ちつけるようにして、肉棒の出入りが膣壁を抉ってくる。
「あっぐっ、んぅ――んぐぁ……あっ、あぁ……!」
「出る! 出るよぉ!」
「や、やめ――だめ――!」
 シエスタは無意識のうちに、反射的に喚いていた。
 一体何を出すというのか、股の痛みや激しい屈辱の方に夢中でわかっていない。わけもわからず、ただただ反射的な拒否感だけを口にしていた。
「あっぐぅ――んぅぅ……!」
「出るよぉ!」
 そして、本当に何かが出てきていた。
 熱っぽいものが股の内側に広がって、シエスタが浮かべるものは激しい戦慄なのだった。
 しかも、止まらない。
「へへっ、もう一回! 何度でも出してあげるね?」
 一回の射精だけに飽き足らず、男は楽しげにピストンを続行している。嬉しいあまりに口角が吊り上がり、人を性処理道具と見做した顔で、シエスタの表情を鑑賞しながら快楽を味わっていた。

 ドクッ、ビュルゥ――!

 また出ていた。
 それも今度は出しながら、ピストンは止まらない。
「いや――いやぁ…………!」
 さらに戦慄を増すシエスタへと、男は一向に止まる気配もなく、莫大な燃料でも燃やし続けているように、がむしゃらに腰を叩きつけていた。
「あっがぁ――ああぁ…………!」
 そのピストンからなる胴の動きは、ショーツとストッキングの真っ直ぐピンと張った部分にぶつかって、繰り返し凹ませては弾力で跳ね返したようになり続けていた。

 ビュルゥ! ドクッドクゥゥ!

 また放出。
 そして、腰はまだまだ止まらない。
「い、いつまで――あっ、んぐぁ…………!」
 シエスタにとって、これは長い地獄となった。
 果たしてあと何回射精すれば気が済むのか、一向に終わりの見えない交わりに、心が泥沼に沈むかのようだった。


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