前の話 目次




 拘束が変化していた。
 ユミルは思いついたように魔法を切り替え、二人の拘束をロープに変える。両手はもちろん後ろ手に縛って封じつつ、全身にも亀甲縛りと呼ばれるような、特殊な結び方で形成された六角形が乳房を強調していた。
 胸の周りに、その生え際の部分にロープが食い込み、ぷにりと押し出されるようにして、ただでさえ目立つ巨乳がさらに強調された上、尻の割れ目にもロープは入っている。さらには固い結び目をアソコに当てて、それが膣の入り口に入っている。
 魔法道具を転移によって呼び寄せて、さらに呪文を重ねることで一瞬にして縛り付けての事実上の拘束魔法は、ロープに宿された効力で二人の魔力さえ抑え込む。王族ほどの魔力があれば、魔封じの力は完璧には働かないが、出力が低下するだけでも十分だった。
 ただでさえ、ユミルのバックには大量の奴隷という燃料がある。
 人一人が持ちうる魔力の限界を遥かに超え、王族を同時に二人も相手にしながら、しかも辱める目的で弄ぶ。
 これはもはや、力の誇示に他ならなかった。
 これだけの真似ができれば、王族の権威を失墜さえ、ユミルこそが王に成り代わることも不可能ではないはずだ。
「そんな……こと……!」
 そこに思い至ったことで、絶対に負けられない思いをアリシアは抱く。
 腕が使えずとも、呪文を唱えることは自由だ。
 なおも抵抗を試みて、今度はユミルを氷付けにでもしてやろうと唱えるも、ユミルが咄嗟に唱える反魔法で呪文そのものが打ち消される。何事も起きずに終わった挙げ句、逆らおうとした罰であるように、ユミルは呪文を繰り返した。

「んあああああああ!」

 快楽電流が迸った。
 ユミルがアリシアに手をかざし、すると上がってくる悲鳴は、傍から攻撃魔法に見えそうなものではあるが、実際には性魔法だ。
 相手の体内で快感を爆発させ、たちまち絶頂させてしまう。
 そんな効果の魔法をかけ、呪文一つでアリシアは絶頂したのだ。
 ぐったりと座り込み、股のあいだから地面へと、お漏らしであるように愛液を垂れ流し、水分の円を広げていく。
「アリシア……!」
「娘の心配をしている暇などないぞ?」
「んっ、いや! あぁあああああああ!」
 マリエルもイった。
 同じく、べったりと座り込み。おびただしい量の愛液を広げていた。
「無様なものだな。王族よ」
 ユミルの言葉に、アリシアがキッと睨む視線を返した瞬間、またも性魔法の呪文が唱えられ、絶頂へと導かれる。思いのままにイカされて、アリシアの脳で快楽が激しく弾けると、その背中は大きく仰け反っていた。
「まったく、いい胸だ。羨ましいことこの上ないが、こんな風に観衆の前に出ているところはみっともないぞ? 実にだらしがない。その股も、小便を漏らしたようにしか見えん。一体どれだけはしたない姿を晒せば気が済むのだ?」
 自分でこんな仕打ちをしておきながら、そんな侮蔑をしてくるユミルに憤りの情を爆発させ、アリシアはなおも反撃を試みた。
 マリエルも同じであった。
「許しません!」
 娘と共に、マリエルも攻撃呪文を唱えるが、二人がかりで飛ばした光弾は、ユミルの展開する結界にあっさりと弾かれる。王族の持つ魔力を宿った光弾が、二つも飛んで来たのでは、まともな魔法力なら結界で弾くことなど不可能なはずなのだが、今のユミルにとっては造作もなくなっていた。
「面白いものだ。どんなに立派な人格を持ち、崇高な志を持っていようと、所詮は力及ばなければ、こういうことになるのだからな」
 次にユミルが使うのは浮遊魔法であった。
 親子の身体が宙に浮かび上がっていくだけでなく、さらにはポーズまで取らせている。魔法力で姿勢を操作して、無理にでも開脚を強いることで、M字開脚が浮かび上がって、アソコも肛門も丸見えとなっていた。
 ロープがかかってはいるものの、皺の窄まりがはみ出ている。ワレメも魔法で開いているため、肉ヒダの赤みも見えている。乳房に加え、残る二つの恥部も衆目に晒されて、二人の羞恥心は加速度的に膨らんでいた。
 さらにユミルは無数の羽根を呼び出した。
 呪文によって転移させ、呼び寄せた羽根の数々は、しかし魔法道具というわけでなく、全てが単なる羽根である。
 だが、それで十分だった。
 乳首やクリトリスに肛門など、性感帯をくすぐって刺激するのに、もはや魔法道具の特別な力など必要ない。オイルが十分に染み込んで、媚薬成分の効果が出ている肉体は、どんな愛撫であれ激しくのたうちまわるはずだった。
「んぅっひぁぁ……!」
 アリシアはよがっていた。
「あぁっ、やっ、やめなさい……!」
 マリエルも髪を激しく振り乱す。
 いくつもの羽根先が魔法による操作で動き、二人の乳首をくすぐっている。先端を上下に擦りつつ、乳輪をなぞる羽根もぐるぐると周回を繰り返し、性器にも複数の羽根が群がっていた。
 クリトリスを虐めている。膣口の周りや肉貝の部分を弄っている。肛門をくすっている。わかりやすい性感帯以外にも、うなじや背中、脇までくすぐり、二人揃ってそれこそ全身を責められていた。
「んあああああああ!」
「あっ! あぁぁぁぁ!」
 揃って絶叫した。
 潮吹きの滴が撒き散らされ、そのイった様子に歓声が巻き起こる。
「ははははは! いい絶頂ぶりだ! なんとはしたない! なんと惨めな! これが王族の姿とは笑わせてくれるではないか!」
 ユミルは完全に見下して、楽しそうに嘲笑っていた。
「せっかくの無様な姿だ! もっと見て貰ったらどうだ!」
 映写魔法を駆使して、より大きな映像を作り出す。その中継画面は大人を数人は寝かせたほどのサイズに至り、二人の姿が丸ごと実物以上となって、そんな大画面の中で喘ぎ回る。
 何度も絶頂していた。
「んぅぅぅぅぅぅぅぅ!」
「あっ、だめぇ! だめぇ!」
 休む暇を与えることなく、何度でも絶頂の高みへ連れていき、そのたびに潮が撒き散らされる。二人の真下はパラパラと、多量の水滴をバラ撒いたような細かな染みの数々が広がって、それは今なお増え続けていた。
「んああああ!」
「いやああああ!」
 繰り返し繰り返し、何度イカせてもまだ楽しみ足りないように、ユミルは狂気の眼差しで多数の羽根を操り続けた。
 その陵辱劇の果てにぐったりと、もはや完全に体力を失った二人から、やっとのことで浮遊魔法を解除したのは、一体何十分後のことか。それまで二人がイった回数は、もはや数えきれないまでに至っていた。
 そして、地面に二人が倒れた時、ユミルはその背中を踏みつけながら宣言する。

「私の勝ちだ!」

 決闘法に準じた勝負で、王族が負けた。
 この報せは、後日国中を震撼させ、あらゆる貴族が仰天してひっくり返ることになるだろう。しかも映写魔法を使って記録まで取られており、それがひとたび放映されれば、この場に集った客だけでなく、他の貴族や国民までもがこの一連の姿をそのまま拝むことになる。
 王族にとって、致命的な状況だった。
 この状況を覆し、ユミルの台頭を阻止するには、何らかの方法で記録を奪ったり、破棄させる意外にない。
 しかし、そのユミルが絶大な魔力を誇っているのだ。
 二人にとって、おそらくは暗い未来が待っている。
 だが、これからのことを考える余裕もなく、疲弊しきった二人は虚ろな眼差しで空を見上げて、今しばらくはぼんやりと過ごしていた。目が光を取り戻し、敗北の屈辱に打ちのめされるのは、もう少し後のこと。

 ユミル! ユミル! ユミル! ユミル!

 観衆達が熱狂の声を上げている。
 客達は全て、ユミルを慕う支持者達なのだった。



 
 
 

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