前の話 目次




 この一方で、マリーサに付いた客は、なんとケビンであったという。
 さらにはアリッサに二人目の客が来た時、今度はジョージの相手をすることとなり、マリッサはゴルディの相手をした。
 このような体験を経たアリッサは、さすがに全てが吹っ切れていた。
 あるいは投げやりになったのか。
 町で一番大きな露天風呂に足を運んで、そこが全裸可の店であったため、マリーサを巻き込んでの入浴で注目を浴び尽くした。まるで示し合わせたように、エリックが、ケビンが、ゴルディが、四人もの顔見知りの視線が集まり、見知らぬ男の視線もまた集中して、全身を視姦される時間を過ごしてから、二人は町を発つことになる。

 ……エリック、言わないわよね?

 脅しはかけてある。
 そこに口止め料を上乗せして、アナルを犯された件もわざわざ不問にしてやったのだから、少なくとも表立って言い触らすことはないだろう。
 しかし、人の口に戸は立てられない。
 口の固い、秘密を守る者同士でなら、周りにバレることなく、密かに仲間内のみで真実を共有できるだろう。食い止めようのない形で広がって、屋敷の中にアリッサの性の乱れが伝わりはしないものかと不安があった。
 アリッサの心配した通りの状況は、果たして出来るか否か。
 いずれにせよ、その後のエリックの部屋には、タンスの中に密かに隠されている物がある。あの町で購入した裸婦像の、手で持ち歩ける程度の小型タイプが、引き出しを開ければ姿を現し、胸とアソコと肛門の三つの恥部を同時に晒す。
 エリックがそれを買っている事実は、アリッサには伝わっていない。



 
 
 

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