目次 次の話




 自分がどんどん変わっていく。
「――ずりゅぅぅぅぅ……ずっ、じゅむっ、ちゅるるるるっ!」
 それは校長室での一幕だった。
 以前、校長と交わした取引により、有村沙弓は恋人とのセックス禁止を持ちかけられた。最初は一年と言われたところ、もっと短ければ乗るとして、最終的には三ヶ月で話は決まり、それと引き換えに更新はしない約束をしてもらった。
 性指導制度で指名された中高生に対しては、一年という期限のあいだ、性的指示に法的な拘束力が伴い、逆らえば女の子の方が法律違反ということになる。
 期限の切れ目が近づけば更新も可能だ。
 その更新を決してしないと、確かな書類上の約束をしてもらう代わり、校長の独占欲に付き合い三ヶ月は恋人とセックスできない。もしこっそりしてしまい、発覚した場合、沙弓達の方が不利になる。
 その期間も残り一週間となり、いよいよセックスの解禁は近づいている。
 期限終了までのあいだ、校長から性交指示を出される可能性はいつまでも付きまとうが、自由な時間に恋人と交わっても、もう問題はないことになる。
 ただその一週間後には、性教育における実践指導を行うと、校長は宣言していた。
 沙弓の肉体を教材に、生徒達に愛撫を行わせ、そのテクニックを沙弓に評価させようというものだ。独占期間が終わると同時に、そんな授業を仕掛けてくる校長は、一体どこまで底意地が悪いのか。
「ずりゅっ、ちゅぅぅぅ……じゅっ、じゅむっ、じゅむっ」
 沙弓は今、その校長に奉仕していた。
 床に膝をつき、仁王立ちする校長に向かって、沙弓は懸命なまでに頭を前後させてしまっている。
「いいよ? もう少し頑張ったら、シてあげるからね?」
 などと校長は頭を撫でてくる。
 その手を振り払ってやりつつも、沙弓は奉仕に励んでいた。
 口内に肉棒を押し込んで、ポニーテールの髪を振り乱し、一心不乱に頭を前後させている。ベロベロと亀頭を舐めまわし、たっぷりと唾液を塗りつけて、玉袋も口に含めて快感を与えている。
 そんな沙弓のスカートの中身は、ショーツに愛液が滲んだ状態だった。
(なんであたしは……)
 校長に奉仕することで、その成果としてアソコに挿入をしてもらえる。沙弓にも快楽が与えられると、心のどこかに期待感が湧いている。散々に快感を教え込まれて、校長の肉棒を見ただけでスイッチが入るパブロフの犬となり、触れてもいないアソコが敏感になっている。
「ちゅぅっ、ぢゅぅぅ……ぢゅぅぅ……ぢゅむっ、ずぅ……」
 フェラチオもすっかり身について、沙弓は自然と舌を使いこなす。玉揉みの好きな校長のため、空いている手は睾丸に添えてやり、唇の力を駆使して締め付けながら、懸命にカウパーを吸い上げる。
「ふひっ」
 出てくるタイミングまで読めるようになっていた。
 校長が醸し出す気配一つで、何となく察することができてしまう。唇の力を強め、口から溢れ出ないように気をつけながら、沙弓は口内に白濁を受け止めた。青臭い味が舌に広がり、飲み込むことで食道を伝って流れ落ちて来ることさえ、沙弓は慣れてしまったのだ。
(最初は平気じゃなかったのに……)
 好きでもない、まして最低の男に奉仕するなど、怖気が走ってたまらないのが正常な感覚だ。気持ち悪くて吐き気がして、心がどうにかなるはずなのだ。なのに最初は感じていた嫌悪感も、最近は薄れてしまっている。
 正常な感覚が失われつつあるのだろうか。
(……あたし、変わってきてる)
 ちゅるちゅると吸い上げる音を立てながら、ゆっくりと頭を引いていき、亀頭にキスをした形を作る。さらに唇を離していくと、精液と唾液の混ざった糸が引き、アーチとなって垂れ下がる。
「さあ、シてあげよう」
「…………」
 沙弓は無言で一度は俯き、楽しみにしてしまっている自分への戒めを思い起こした。
 冗談じゃない、どうして嬉しいものか。
 心の中に正常な感覚を蘇らせ、まだ処女だった頃の精神をどうにか維持してみせようと、己の内側から嫌悪や拒否感を引きずり出す。自分は嫌がっているはずだ。こんな男とのセックスなど、気持ち悪いだけのはずだ。
 どこか自分に言い聞かせるかのようにして、沙弓は過去の自分を呼び起こそうと、そんな心のコントロールに苦心した。
(無理、気持ち悪い、最悪、早く終わって欲しい――)
 頭では数々の言葉を並べ立て、沙弓は床から立ち上がる。
 校長が望むであろう体位のため、テーブルに上半身を預けて尻を突き出す。すると校長は背後に迫り、すぐさまスカートを捲り上げ、白いショーツを丸出しにした。
 未経験の頃なら、たったこれだけで存分に赤らんだはずだ。
 しかし、羞恥心さえ失われ、下着を見られることは日常の一部と化している。校長がショーツを下げて、アソコに肉棒を突き立ててくる流れにかけてさえ、これまでの経験則で事前に頭に浮かんだくらいだ。
 今日はどんな風にセックスを進めたがっているか、言葉がなくとも少しくらいはわかるようになっている。そんな自分の変化を思えば思うほど、自分は校長に染められてはいないかと恐ろしくなってくる。

 ずにゅぅぅぅぅ………………。

 肉棒が入って来る。
(あっ、来た……! 太いの、気持ちいいのが……!)
 悦びかける自分に気づき、沙弓は直ちに首を横に振り、自分自身の中から歓喜の心を振り払う。校長なんかに挿入されて、悦ぶことなどあってはならない。ちっとも嬉しくない。これは地獄を味わっているに過ぎないのだ。
「んっ、んぁっ、あっ、あぅっ、あぁっ、あっ、あ! あぁ……!」
 ピストンによる摩擦によって、膣の内側から生まれる刺激で太ももがくねくねとよがり動いて、尻や腰がリズムに合わせて力んでいる。校長の身体がピストンによってぶつけられ、その衝撃と共に軽く仰け反り続けることで、ポニーテールがゆさゆさと揺れている。
「あっ! くぅぅ――――」
 簡単にイカされた。
 足腰がピクピク震え、校長の思い通りに絶頂した上に、そのまま後ろから突かれ続けて、沙弓はひとしきり性処理道具として扱われた。



 
 
 

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