そして、下半身の検査をすると告げられて、アリッサは少しばかり焦っていた。
(困るわね……)
何が困るかといったら、アソコがどういうわけか疼いていて、おそらくは愛液の気配が出てしまっている。怒ったり苛立ったり、恥辱を感じてばかりのはずが、どうしてか下腹部には疼きがあるのだ。
(変態、じゃないっていうのに……)
このままアソコを探られて、指で触れられでもしたら、一体どうなってしまうのか。
検問所では絶頂を味わう羽目になった。
もしかしたら、ここでも……つい、想像してしまい、その直後にアソコがきゅっと引き締まる。何故だか期待してしまう。それと同時に、自分には変態の素質があるのではないか、そんな恐れが膨らんでいた。
「ではあちらのテーブルで仰向けに、お二人とも脚を開いて頂きます」
医師が空きテーブルを指す。
当然、検査には関わりのない、この五人の男達も、鑑賞のために取り囲み、余計なコメントを飛ばしたり、ニヤニヤと視姦をするのだろう。
(冗談じゃないわよ。本当に……)
そうは思いつつも、アリッサはテーブルに上がっていく。
遅れてマリーサも続いてきて、隣で仰向けとなっていた。
「大丈夫なの?」
「大丈夫……」
「やめた方が良かったんじゃないの? お姉さん」
「でも、アリッサと……」
「うっ、そう」
そこまでして、実際にこんな辱めを受けてまで、単に自分とディナーを共にするだけの時間を求めているとは、そうまで慕われて悪い気はしない。
アリッサとマリーサは共に開脚した。
自分で自分の膝を抱え、しっかりと左右に広げたはしたないポーズにより、アソコが最大限に目立ってしまう。しかも、尻はテーブルの端、尻肉が板から少しだけはみ出る位置にある。肛門を覗き見ることも簡単だ。
「さぁて、今回はマリーサちゃんからいきましょうか。ねぇ?」
いかにも楽しみそうに、ご機嫌この上ない医師が椅子を動かし、マリーサの真正面に腰を下ろして診察を開始する。
マリーサの様子を見れば、白かった耳がみるみるうちに赤く染まって、恥じらいの熱気がもろに伝わる。まるで熱湯の近くに顔をやったかのように、もわもわとした熱が肌に当たってくるようで、アリッサ自身も不思議と赤くなってくる。
(もう、診られているのね。中身とか……)
ワレメにも、クリトリスにも、触られているに違いない。
人の陰毛などあまり見ていないが、マリーサとて脱毛処理はしていない。少なくとも、依頼を受けると決めてからこの時までは、皮膚に余計な魔法薬品は使っていない。アリッサにほど近いほど、陰毛は長く伸びきっているはずで、医師の指はそれを掻き分けている。
「んっ、んぅ……」
喘ぎじみた声が漏れ聞こえた。
「はーい。挿入しますよ?」
「んぁぁぁぁ…………」
見るまでもなく、診察の様子は如実に伝わる。
今までワレメを指で開いていたのが、膣への指挿入へと移り、中身に触れての触診が始まったのだ。医師は指を出入りさせ、マリーサはそれに感じて熱っぽい息を吐く。
「んっ、んふぁ……あっ、んぁぁ…………」
アリッサにとって、そのマリーサの様子は自分自身の未来でもある。
(マリーサ……)
同性愛の気など持っていない、単に家族か何かのように好いているだけのアリッサは、心配そうな目で見守るだけだ。
「肛門の方はですね」
医師の声と同時に、マリーサは一瞬だけ安心していた。
そうか、指が抜けたのかと、アリッサにはすぐに伝わる。
「一、二、三、四、五、六、七……」
(な、なに!?)
アリッサは困惑する。
「八、九、十、一一、一二――」
そのカウントが意味するところがアリッサにはわからない。一体、何を数えているのか。肛門と言いながら、マリーサは何をされているのか。不安と心配が一気に膨らみ、さすがに医師に尋ねようとした。
今に口を開き、マリーサに何をしているのか、一体何なのか、白状させるつもりの強気の台詞を吐き出しかけていた。
「肛門の皺、一二本!」
だが、アリッサは声を出すことなく、代わりに驚愕した。
(肛門の皺!?)
意味がわからなかった。
身体的な特徴なら、ホクロの位置や胸の大きさなど、文面によるメモを取った上、さらにはスケッチまで取っている。身長、体重、スリーサイズまで測っていながら、肛門の皺まで数える意味を理解できなかった。
「では指を入れますよ」
「んぅぅぅぅ………………!」
「ジェルを使っていますが、魔法性の薬品ではありませんので、魔素による影響については心配いりませんからね」
そんな説明を加えつつ、医師はマリーサの肛門を調べているのだろう。挿入した指を使って、内部の様子を窺っているのだ。
「んっ、んぅ……」
そこにある横顔は、色っぽいような苦悶しているような、苦しげに見えて官能的でもある表情だった。
「マリーサ……」
これが、自分の未来。
マリーサへの検査が終わり、自分の順番が回ってくれば、すぐさま迎えることになる近い未来の出来事なのだ。
「ではアリッサちゃん」
医師が横へと椅子を動かし、アリッサの正面へと位置を変えていた。
「……さっさと、しなさいよ」
口では強気にしてみせるが、今のアリッサは警戒心が強まっていた。
うずうずとした熱気がより高まり、見て確かめるまでもなく、間違いなく愛液が出てきているのだ。きっと、まだ外側から見る分にはわからない。しかし、膣の中には滲み出て、指が入ってくれば、すぐにでも医師に愛液の存在は伝わってしまう。
気持ち良くなってしまえば、周りの男達がどんなにか楽しむだろう。
「では……」
アリッサは身構える。
「ひっ!」
指が茂みを掻き分けて、陰毛に隠れたワレメに触れた途端、ぴりっとした電気が弾けたような快感にアリッサは声を上げていた。
「おやぁ?」
医師は勝ち誇った笑みを浮かべてくる。
「な、なによ! さっさと済ませたら?」
「ええ、そうですねぇ?」
ワレメをなぞるための指先は、伸びきった茂みの中に隠れている。触れるか触れないかといった具合の絶妙なタッチを施すことで、上下に動く指に伴い、指の動きに引っかかる毛がモゾモゾとしているのだった。
「んっ、んぁ……」
「触診ですからね。我慢して下さいねぇ?」
「んっ、んっ、んひっ!」
急にクリトリスにタッチされ、脚がピクっと弾んでしまう。
「あっ、あぁっ、ちょっと……んぅぅ……!」
「おやぁ、気持ち良さそうですなぁ?」
「あぁっ、あっ、良さそう……じゃなくて……」
指の腹がクリトリスを擦り続け、甘い痺れが迸る。電流で弾けるように、ピク、ピクっと、脚が反応を繰り返す。
「入りますよー」
膣に指を突き立てられ、あっさりと根元までもが入り込む。
「おっ、んんぅ……!」
「感じちゃってますな」
「色っぽいねー」
「興奮しちゃうよー」
「んんんっ、う、うるさい……わよ……!」
声を荒げアリッサだが。
「んんんん!」
自分自身の喘ぎで、それ以上の言葉は続けられない。
「うーん。問題なさそうですねー」
医師は指先で膣を探り、感触を確かめながら、やがて引き抜く。ワレメと指のあいだに太い愛液の糸が引いたのはいうまでもない。
「アソコは問題なし。次は肛門だからね?」
医師は布で指を拭き取り、今度はアソコの下にヒクつく肛門に狙いを定める。日頃からアナルオナニーを行い、肛門の感度が高いアリッサは、これから触れられる予感だけでも十分に疼いていた。
尻に手が触れ、それだけで肛門はピクっと収縮する。
「一、二、三……」
肛門の皺のカウントが始まった。
(嫌ぁぁ……! 何よこれ! 恥ずかしすぎるじゃない!)
「四、五、六……」
指先で一本ずつ丁寧に、ぐにっと押し込み外側へと線をなぞって、カウントを声に上げている。
「七、八、九……」
羞恥心が膨らむあまり、顔が燃えているとさえ言えた。自分でも知るはずのない、そもそも形を拝むことさえ、やろうと思ってもやりにくい、そんな場所についてが明らかにされているのだ。
「一七本!」
本数が発表される頃には、肛門だけで愛液が増え、皮膚の表面を伝ったぬかるみで皺まで光沢を帯びていた。愛液を吸い込んだ尻毛は肌に張り付き、トゲのような形に固まっていた。
「さすがにアナルパールを使っているだけあって、通常とは異なる形に変化しています。といっても、まあ縦割れっぽい形なだけですがね」
皺の形状についてまで言葉にされ、男達へと発表される。
それがさらなる集中を煽り、脳が加熱されるかのようだ。
「もう……! いいから、早く……!」
アリッサは訴えかける。
「では穴の中も調べさせて頂いて」
ずにゅぅぅぅ──と、指が深くに入り込み、ますますの快感がビリビリと拡散する。肛門に生じる快楽が大きな電流となって爪先にさえも流れていき、下半身全体が気持ちいいほどになっていた。
「んんんんんんんんんん!」
そう時間はかからなかった。
アリッサは絶頂していた。
「おや?」
「イキましたね?」
「はははっ、そんなに気持ちよかったかー」
人の絶頂を見て喜ぶ声に、しかしアリッサは興奮を覚えてしまう。さっきまでなら怒ったろうに、何かのスイッチが入ったように、むしろ言われれば言われるほど嬉しい自分がいた。
(私って、やっぱり……こういうことで興奮するような……)
アリッサは自分の性癖を薄らかに認めつつあった。
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