頭が重く、思考がぼんやりとしている。
眠り落ちそうでありながら、決して意識は途切れない。目覚めそうな感覚がありながら、頭がすっきりするわけでもない。朦朧としているうちに、ふと自分の名前さえも思い出せないことに気がついた。
……あたしは誰だっけ。
心に疑問を浮かべると、答えが頭の内側に滲み出る。
――空閑、旭姫。空閑旭姫……。
自分の名前を脳内で何度も何度も繰り返す。
親からもらった大切な名前を……。
そうしていなければ、またどこかへと薄れて消えていきそうで、きちんと抱き留めていようと繰り返すのだ。
空閑、旭姫。
現実での自分は亡くなっているはずらしい。
あの日のゲームオーバーが自分にとってはつい昨日の出来事なのに、本当は六年もの月日が流れている。しかし、自分はこうしてここにいる。たとえログアウトできなくとも、空閑旭姫がここに存在するのは間違いない。
スバルの仲間とも再会できた。
陽翔に咲月、貴法、希、クライブ、かつてパーティーを組んでいたみんなが集まって、それなのに旭姫は仲間と離れ離れにここにいる。
あの時、誰一人としてグノーシスの力に敵わず、自分の身を差し出すことでしか仲間を守れなかったから……。
旭姫はグノーシスに着いていくことを選び、そしてこの中に浸かっている。
培養液の詰まったカプセルの内側だ。
自分が息をしているのかどうかもわからない。苦しくはない。周囲の様子が見えてはいるが、液体の色を通したせいで、世界が色つきのフィルム越しのようになっている。
この粘液のせいなのか、指先の動きが重い。
どろりとしたスライムほどの、粘り気の強い粘液は肌中にへばりつき、意識をすると感触がわかってくる。
指にも、腕にも、胸にも……。
身じろぎするたび、肌に粘液が粘液に擦れてくる。
全身が浸されている以上。つま先から頭のてっぺんにかけてまで、意識さえすれば全ての肌から、どろっと、ひんやりとした感じがわかる。粘り気のせいで大した水流にはならないが、旭姫自身の動きが粘液をかき混ぜて、かすかな摩擦は確かに生まれているのだった。
「……えっ」
意識は唐突にはっきりした。
「あれ? は、裸!?」
自分が一糸纏わぬ姿であることに気づいて、旭姫は真っ先に混乱した。服を脱いだ覚えなんてどこにもない。どうして自分が裸なのかがわからない。
ちょっとしたパニックに陥っていると、まさにその最中に男達の声が聞こえてくる。
「おやおや、お目覚めですか」
「意識がはっきりとしているようですな」
「調子はどうかな? 空閑旭姫ちゃん」
三人の白衣の男達が次々と、この部屋に入って来るなりカプセルへと回り込み、旭姫の前に並び立つ。
「なにこれ! なんで裸なの!?」
旭姫は悲鳴のように叫び、さっと勢いよく大事な部分を隠していた。左腕が乳房を守り、右手はアソコに、手の平が性器をぴったりと余すことなく覆いきっている。
「装備データはきちんと残っているよ?」
「もっとも、衣類は全て預かっているがねぇ?」
「今更隠したところで、我々はもうとっくに君の全てを確かめている」
そんな旭姫の肢体を研究者達は視姦した。あからさまに舐め回す視線を送り、ニヤニヤと口角を釣り上げる。おぞましい視線を浴びて、旭姫の全身に鳥肌が広がっていく。
「全てって……」
旭姫の中で不安が膨らむ。
意識がぼんやりとしていたあいだに、とっくに体中を見られているのだろうか。ゲームにおけるアバターの体とはいえ、心も感覚もここにある。現実に肌を晒すのと変わらない羞恥心が湧いてくるのは当然だ。
「ではご覧になってはいかがかな?」
「あなたがここに連れて来られてから」
「その後、何が起きていたのかをねぇ?」
研究者の一人が指をパチリと鳴らした時、旭姫の目の前には映像が出現した。ホログラムが生み出す画面によって、その向こう側に立つ三人組は、旭姫の視界からは覆い隠され、映像だけが目に飛び込む。
「嘘……やだっ、なにしてるの!?」
旭姫は肌中が泡立つ感覚を覚え、怖気に全身を震わせた。
映像の中には他ならぬ旭姫自身がいた。
今ここで培養液に浸された旭姫の目の前で、映像に映る旭姫はショーツ一枚のみの姿である。虚ろな瞳で心の存在を感じさせない、ぼんやりとしきった状態で、旭姫は丸椅子の上にちょこんと座り、しっかりと膝を閉じている。
そんな旭姫の目の前に、白衣の研究者もまた座っていた。
研究者の両手が旭姫の胸へと、無防備に晒された乳房へと向かっていく。
「やめて! 触んないでよ!」
叫んでも意味はない。
そこに映し出されているのは、既に起きてしまった出来事だ。
旭姫の叫びなど関係なく、映像の中の男は乳房に触れ、まるで触診であるかのように淡々と揉みしだく。両手でまんべんなく包み込み、指に強弱をつける景色は、旭姫にとって耐えがたいことこの上ない。
一瞬、両手で顔を覆い隠そうとしていた。
しかし、そうすれば今ここにある裸体が晒され、目の前の三人に視姦されることに気づいて、腕を動かすことはできなかった。その代わりのように、旭姫がぎゅっと目を瞑り、自分の胸が揉まれる光景を見るまいとした。
旭姫が文字通りに現実から目を閉ざしても、映像の中では延々と揉まれている。
「おっと、せっかくだから見て欲しいねぇ?」
研究者の一人が旭姫へと手をかざす。
「うっ、やぁ…………」
旭姫のまぶたが少しずつ開き始めた。
力に抗い、まぶたに力を加えるも、それ以上の見えない力に操作され、旭姫は自分自身の裸を嫌でも拝むことになる。
乳首がつままれていた。指にあいだに挟み込み、強弱をつけて刺激を与え、さらには乳輪をなぞり始める。
「なんでこんなことするの!? きもちわるいよ!」
「これは傷つくなぁ」
「エッチ! 変態!」
つたない語彙で罵られても、大人にとっては可愛いもので、三人組の研究者達は嘲笑うような微笑ましいようなものを見る目で、馬鹿にしつつも愛嬌を感じている様子である。
そんな三人組の様子に、旭姫は憤りを覚えていた。
それに、恐怖もだ。
自分の胸が既に存分に触り尽くされ、乳首でも遊ばれているが既に恐ろしい。だったら、他にも色々とされているかもしれない。
そして、小学校で行われた性教育で、子供の作り方を知っている旭姫は、胸やパンツばかりでなく、アソコも性の対象であることを知っていた。
それはある種、本能的なものである。
心は小学生なのだ。
あの日を最後に時間が止まり、目覚めたら六年が経っていた。陽翔がリユニオンにログインして、宝箱を開けるその瞬間まで、ずっと意識は停止していた。そんな旭姫の精神は、さほど当時からは変わっていない。
具体的なセックスを絵でも動画でも見たことがない、過激な描写を知らない旭姫は、言ってみるなら知識不足だ。
性教育を受けてはいても、保健の教科書に載っていたのは露骨な性描写の絵などではない。もっと図解的な解説だ。極めて簡略化された図で子宮や膣が表され、精子が入れば受精すると知ったにすぎない。
射精や受精などの用語はわかっていても、はっきりとした性交まではわかっていない。そういったことにピンと来ているわけではない。
思春期の中学生という期間を経ての蓄積がない旭姫は、そんな部分でも幼かった。
ただ本能的に薄らと、パンツやオッパイを見たがるように、男はアソコにも興味を示すとわかっている。
自分の知らず知らずのうちに、とっくに大切な部分まで見られ、触られているに違いない予感に、旭姫は恐怖に引き攣りつつあった。
「まだまだこんなものじゃないんだよ?」
「せっかくだから、最初から見てみようか」
「君のハレンチな姿をねぇ」
全身に鳥肌が広がっていく。
映像が切り替わり、今度の旭姫は服を着ていた。
しかし、そこに手を伸ばす男により、いいように触れられながら、頭をぼんやりとさせるばかりでロクな反応も示さない。されるがままの自分自身の姿を、今ここにいる旭姫はただただ見ていることしかできないのだ。
*
第一者セトの力を前に、スバルの面々はまるで歯が立たなかった。
仲間を守るために空閑旭姫が選んだのは、自分の身を差し出す道である。グノーシスの『狭間』に連れて来られた後、旭姫は第二者ナハシュの洗脳を受け、意識を朦朧とさせられた。
この『狭間』とは、開発陣が実験のために使うワーキングスペースの通称であり、ここではプログラミングの試験が行われる。旭姫のセンスを利用して、未来をコントロールするためにも、ここで旭姫の解析が進むこととなる。
三人組の白衣の研究者は、そのために選ばれた開発スタッフであり、リユニオンを開発した企業の社員でもある。彼らは現実でナハシュのセンスを受け、洗脳された面々ではあるが、本人には操られている自覚はない。
ただセトの目的に叶う研究を行うため、研究室の中に旭姫を招き、その肉体を調べ尽くそうとしているのだ。
「この肉体には今まで成長してきたデータが詰まっているわけだ」
「肌を晒し、手を触れて、直接確かめる許可は頂いている」
「まあ、あくまで研究ですが、そこそこに楽しもう」
三人の男達は実に似通った顔立ちをしていた。
双子というわけでもないのに、三人揃って瓜三つの、しかし眼鏡の色が違うおかげで、傍からも一応の区別はつく。
「ではまず基本的な反応から」
銀縁眼鏡の男が旭姫の前に立ち、手を伸ばす。
目に魂が宿っていない、虚ろとした旭姫の状態は人形だ。立てと言えば立ち、座れと言われれば座る。試しのように頬に手を触れ、手の平でその柔らかさを感じながら、親指で唇を撫でてみる。
「無反応だね」
と、黒縁眼鏡。
「ナハシュ様の力がかかっているんだ。当然といえば当然だが」
赤縁眼鏡の男はそう語る。
彼らはナハシュのセンスを知らされてはいるが、洗脳の自覚もなく、実のところ自分達がグノーシスの思惑を逸脱できない、思惑の範囲でしか行動できない自覚もない。
ただただ、与えられた職務を真っ当するため、今この状態となった旭姫から、いかなる反応が返ってくるか、検証を行っている。
「胸はどうかな?」
銀縁眼鏡は乳房へと両手を移し、衣服越しに揉みしだく。
もちろん、性欲あってのやり方ではあるが、やはり立派な検証だ。
「性的な接触でも嫌悪感を示さない、か」
黒縁眼鏡は生真面目にホロスクリーンを手元に浮かべ、映し出される波形を睨み、顎に指など当てている。
「脳波からも、特に感情の揺らぎはない。意識が朦朧とするあまり、自分が何をされているのか、どういう状態にあるのか。そういった自覚がないようだ」
赤縁眼鏡も、旭姫の状態について見極めている。
「座れ。立て、座れ、立て」
試しに銀縁眼鏡が命じると、ぼんやりとしたまま腰を下ろして、体育座りとなるいや否や、直立不動の姿勢に戻る。
「右手を挙げ、下げる。左手を前に突き出す。戻す」
といった言葉にも反応して、旭姫の身体はそう動く。
「命令系統には反応するわけだ」
「いずれも感情的な反応はない」
このように、三人組は旭姫にあらゆる刺激を与えていた。デコピンや皮膚をつねる程度の痛みを与える。冷たいものを当てる。熱いものを当てる。『この状態での旭姫』に、どこまで覚醒の恐れがあり、どこまでの刺激なら無反応なのか、そういったレポートも含めた検証なのだった。
「スバルの仲間が助けに来たぞ?」
そんな言葉をかけてみるのも、仲間達を思わせる言葉に対し、脳の反応をチェックする作業の一つ。
「おや」
「覚醒状態に近づいたね」
黒縁眼鏡が感嘆して、赤縁眼鏡がそう述べる。
「ならば、スカートをたくし上げろ」
銀縁眼鏡は性的な命令を下す。
普通ならば拒否するはずの、一方的な命令に対して、旭姫の両手はスカートの丈を握り締め、ゆっくりと持ち上げていた。その下にある白い下着があらわとなり、桃色のレースで花飾りを添えた華やかなデザインがあらわとなる。
「おっと、この反応は羞恥心だ」
黒縁眼鏡が言う。
「仲間が来たかのように伝えると反応があった上、その直後に下着が見えると、意識は覚醒しないまでも、無意識のうちに恥じらっている」
赤縁眼鏡の語る言葉は、まるで課題のレポートをまとめるような、研究の一環にすぎないものだったが、とはいえ自由に触れても構わない女体には一応の興味を示している。
自分も試しに触ってみようとばかりに、背後から尻を触った。
スカート越しの、幼い尻の膨らみを手の平に味わいつつ、ホロスクリーンに現れる波形のチェックは忘れない。
「嫌がったのでは?」
波形を見るに、黒縁眼鏡が問う。
「だろうね。今の旭姫ちゃんの状態は、無意識の反応でごく薄らと感情を出し、痴漢されれば嫌悪するし、パンツが見えれば羞恥心を働かせる。はっきりとは覚醒していないままだから、自分の状態を本当には自覚していないだろうね」
「スカートをたくし上げたり、尻を触られている感覚は発生。自分の状態を脳がキャッチしていても、意識がはっきりしない分、恥じらいとか嫌悪感は、何となく無意識のうちに示す反応でしかない」
「スバルが駆けつけたら、目を覚ます可能性がありそうだね」
二人の会話がそんな結論に行き着く。
それを前にして、銀縁眼鏡は思案めいた顔をしていた。
「現在の状態で抵抗を示すか。命令を拒むことがあるか。試してみようか」
そう銀縁眼鏡が提案すると、二人は特に異論もなく、むしろ乗り気になって頷いた。
「では――裸になれ」
黒縁眼鏡が命じる。
「………………」
言葉による反応はなく、旭姫は唇さえも動かさない。
しかし、本当に少しだけ、ともすれば見逃しかねないほどにわずかな頬のひくつき、薄らとした頬の赤らみから、羞恥心の発生は確認できる。
旭姫は物言わぬ人形として、淡々と脱ぎ始めた。
衣装を締め上げるためのベルトに指をかけて金具を外す。ベルトが無造作に床へ落とされ、腰で衣類が緩んでいた。
旭姫は肩を剥き出しにする装備を身につけているが、一枚目の衣類は襟の形がセーラー服に酷似している。もっとも、その全体像は制服とは異なっている。上着のように上から身につけ、前を締めこそするものの、長い丈が左右に分かれ、スカートや脚は露出している。
それを脱いだ時、その下から現れるのは、スカートと上下一体のキャミソールだ。
両手のグローブを外していく。二の腕にあるリングの装備を解除する。ブーツを脱ぎ、ソックスを脱ぎ、装備が外れれば外れるほど、他に脱ぐものはなくなっていく。上下一体のそれを脱ぐしか、選択肢はなくなっていく。
もうキャミソールしかなくなると、旭姫の頬に浮かんだ赤らみは、少しばかり濃くなっていた。
しかし、命令に抗うことはなく、キャミソールさえも脱いでしまい、下着姿にまでなっていた。
背中に両手を回し、ブラジャーが外される。
このアバターは小学六年の肉体を元にしているが、それにしては大きめの、かといって巨乳と呼ぶには物足りない、薄らとしたお椀ほどの膨らみから、桜色の綺麗な乳首を生やしていた。
「羞恥反応は確かに上がっているね」
赤縁眼鏡が言う。
「さて、パンツは脱げるのかな?」
黒縁眼鏡は旭姫の脱衣に目をやった。
旭姫は何の言葉もなく、やはり人形のように動いてショーツのゴムに指を入れ、あとは引き落とすのみとなる。
「………………」
だが、手が止まっていた。
「ほう? 恥ずかしいか」
銀縁眼鏡が関心する。
どうやら、無意識下における羞恥反応から、ショーツを脱ぐことへの抵抗が生じたらしい。自分が下着一枚になっている自覚はないだろうに、無意識の反応だけで拒否感を抱き、これ以上は聞けないと手を止めている。
羞恥心が一応の機能を果たしているのだ。
「このあたりで接触に対する反応を観察しては?」
赤縁眼鏡が提案する。
「では現実の肉体も映しておこう」
黒縁眼鏡がホロスクリーンを出現させると、そこには旭姫のベッドに眠る裸体が映し出されていた。アバターではない、現実の肉体も、ログアウト中のスタッフが衣服を取り去り、ショーツのみを残している。
旭姫は死んでいない。
表向きには死亡したことになっているが、実際にはグノーシスが身柄を確保し、死亡を偽装したというのが真相だ。世間はおろか、両親でさえも娘の死亡を信じており、当然のように戸籍にも存在しない。
その頭部にはエンセロファンを装着している。ヘルメット状の機材からは、ディスプレイをゴーグルのように目に被せ、顔の半分近くを隠している。現実の旭姫からは、表情の変化は伺いにくいが、周辺スタッフからのメッセージに目を通すと、現実でも朱色への変化が見受けられるという。
「ゲームでの出来事がどこまで現実に反映するか。解析がてら見ていこう」
銀縁眼鏡は目の前の旭姫に指示を出し、椅子の上へと座らせる。何らの遠慮や躊躇いもなく、その乳房に手を伸ばした。
この銀縁眼鏡は天理のセンスの持ち主だ。
旭姫がこれまで天羽陽翔や他の仲間達と共に戦い、成長してきたデータを分析し、解析するため、こうして旭姫の肉体に手を触れている。
もちろん、それ自体は乳房でなくとも可能である。
性的な好奇心から乳房を揉むという方式を選んでいるが、ゲームで与えた性的反応は果たして現実にも反映されるか。この研究には二次的な目的も含まれている。
「どうかな? 感触は」
黒縁眼鏡が問う。
「当たり前だが現実と同じ感触だよ」
銀縁眼鏡はニっと笑う。
若く幼い弾力に満ち溢れ、指を簡単に押し返す新鮮な果実は、しかし指を押し込む際は弾力と相反するように柔らかい。
ここにいる三人は、現実の肉体にも触れたことがある。
研究の名の下に、自由に手を触れても良い立場で、当然のように乳を確かめ、処女膜や肛門さえ記録している。このアバターにも、現実の性器や肛門を反映している。それらの真実を知らない方が、本人には幸せだろう。
揉んでいるうち、手の平の中央に乳首がぶつかる。固い突起につつかれて、乳首への攻めに切り替えると、呼吸が少しばかり荒くなる。
「そちらはどうかね」
赤縁眼鏡が現実空間のスタッフに尋ねる。
『こちらでも乳首が突起しています』
ホロスクリーンの内側では、現実の肉体を見守るスタッフにより、乳首への接触確認が行われていた。
「そうかそうか」
報告内容に満足しながら、銀縁眼鏡は乳首をつまみ、指先で上下に転がす。
改めて揉みしだき、天理による解析を行った。五指を存分に踊らせながら、じっくりと旭姫のデータを読み解いて、旭姫固有のセンスを見極める。未来改変がいかに成長し、どこまで目覚めているか、その記録を作成した。
「では立って頂いて、後ろを向いて貰えるかな?」
旭姫がすくっと指示に従う。
銀縁眼鏡に対しては長い髪のかかった背中が向き、赤縁眼鏡とは正面から向かい合う。そんな形となって、今度は二箇所へ同時に接触が行われた。
銀縁眼鏡は尻を触り、赤縁眼鏡は胸を揉む。
小さくも可愛らしい丸尻を撫で回す銀縁眼鏡の手つきは、いかにも可愛らしいものを愛でるものである。赤縁眼鏡の手つきも軽やかで、柔らかな指遣いで乳房を揉みしだいていた。
「空閑旭姫ちゃん。あなたは今、お尻とオッパイを同時に触られている」
黒縁眼鏡が耳元へ語りかける。
「どうだい? 恥ずかしいとは思わないかい? 嫌だとは思わないかい?」
ホロスクリーンをチラチラと確認しながら、反応を見逃すまいと意識しながら、耳に息を吹きかけて、いかにもいやらしいタッチで二の腕を撫でる。
波形の上ではこの状況を嫌がっている。
だが、意識の覚醒には程遠い。
「ところで解析から判明したが、旭姫ちゃんはオナニーを覚えているよ」
銀縁眼鏡がおもむろに口にした。
「ほう?」
「詳しく聞きたいね」
赤縁も黒縁も、それには同時に関心を示す。
「まず旭姫ちゃんだけがログアウト不可。仲間とは会えない時間、宿やアジトといったセーフルームに身を隠す。そこで好奇心から自らの肉体に手を触れて、胸やアソコから快感が発生すると学んでいるようだ」
銀縁眼鏡は尻揉みの手を止めず、感触を味わいながら、天理の解析で得られるログの内容を声に出して語っている。
「せっかくだ。日頃どんなオナニーをしているのか見てみたい」
そう言って、赤縁眼鏡は乳揉みを中断する。
「確かに、少しばかり余興を挟むのも面白いね」
銀縁眼鏡も賛同して、最後にもう少しとばかりに尻を揉みつつ、その両手をショーツのゴムへと移していく。指を入れ、下げ始めると、何らの抵抗も示さない旭姫の尻が、アソコが、いとも簡単にあらわとなっていた。
「では空閑旭姫ちゃん。いつも一人でしているエッチなことをやってみなさい」
命令に応じる旭姫は、うつらうつらとした様子でベッドへ上がり、ゆっくりと横たわる。
三人組の見守る前で、抵抗反応を示してか、すぐさまには始めなかった。
しかし――。
「やりなさい」
語彙を強めて命令を重ねれば、やがてオナニーは始まるのだった。
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