オズムンド・サドラーの目的は己の力を世に示すこと。
 ならば、アメリカはいい宣伝になる。
 大統領の娘を拉致し、『種』を植えつけ返してやれば、さぞかし賑わうことだろう。その前に交渉を行い、少しばかりお布施を頂くのもいい。教団の運営にも、何かと金はかかるものである。
 野望の達成を思い浮かべてほくそ笑み、そんな未来を楽しみにするオズムンドは、まるで生け贄に捧げるかのように、祭壇の元へと迫っていく。青い炎に取り囲まれた中心には、石造りの円形台が照らし出され、そこには金髪の女が横たえられていた。
 そんな祭壇と四つの青い炎の、さらに周囲を取り囲むのは、黒ずくめの邪教徒達によって織り成す大きな輪だ。これほどの大人数に囲まれて、ただの女に逃げ切る術などありはしない。
 これから、大切な儀式を行う。
 例の娘たるアシュリー・グラハムは、価値ある人質としてまさに大切に扱うことになる。村人達には注射器で済ませたことを、オズムンド自らの肉体でもって行う。これ以上ないほどの特別扱いをしようというのだ。
「弱き人間よ」
 教団のカリスマがこれから教えを説こうとするような、信者達に教え聞かせてやらんとする語りの声を放ちつつ、オズムンドはローブをはだけ落としていく。そこから現れる裸体を見て、アシュリーは恐怖に引き攣りながら喚いていた。
「来ないで! あっち行って!」
 件の大統領の娘、アシュリー・グラハムである。
 アシュリーは縄で両手を縛られて、手錠がかかったように抵抗を封じられている。
 しかも、丸裸なのだ。
 下着の一枚も身につけない、生まれたままの姿でいて、拘束までされている。こんな状況で男が迫って来ることには、背筋の凍る恐怖しか感じられない。逃げようとしたところで、邪教徒による包囲の輪がそれをさせまいとしていることも、アシュリーの戦慄と絶望を煽っているはずだった。
「我が力を授けよう」
 オズムンドがそう口にした途端、股にぶら下がるふにゃりとした逸物が、さほど大きくは見えなかったものが、みるみるうちに膨らみ始める。風船に空気が注入されていくかのように、ほっそりとしていたはずがしだいに太く、さらには長さも伸ばしていく。

 にじゅっ、じゅくっ、

 何か水気のあるものを潰しているような、粘液が泡として弾けているような水音が、オズムンドの肉棒から聞こえている。勃起とは血流の集まりによって成されるものだが、オズムンドのそれは人間の勃起と何かが違う。もっと別の体液が一点に集まって、肉棒に逞しさを与えているのだった。
 皮膚が青白く変色している。皮の裏側に真珠でも埋め込んだかのように、ぶつぶつとしたものが膨らんでいく。亀頭の色も人間的なものではなくなり、鈴口からチロチロと、蛇が舌をちらつかせるかのように触手を見え隠れさせていた。
「お前だけは特別な方法で『種』を与えてやる」
「やめて……!」
 アシュリーの叫びなど届きもしないようにして、オズムンドは祭壇へ上がっていく。覆い被さろうとした時、縛ってある両手によって、それでもオズムンドの身体を押し返そうと抵抗するも、か弱い力で男の屈強な体重を撥ね除けることなどできはしない。
「すぐに快楽の虜になる」
 オズムンドはアシュリーの腕を掴んだ。叩きつけんばかりに押さえつけ、右手の力を押しつけているだけで、縄に繋がれているアシュリーの両手とも、そこに固定されてしまう。
 邪教徒達が呪文を唱える。
 これから、大いなる力が与えられ、娘の肉体に宿ろうとしている。神聖なる瞬間を称えるための、そして無事に種を植えつけるための、この儀式に捧げる呪文である。意のままに動く彼らの呪文を背景に、オズムンドは肉槍の狙いを定める。
「いや! そんなの無理よ! 本当にやめて!」
 アシュリーはじたばたと脚を暴れさせ、オズムンドのことを蹴ろうともしていたが、彼女の足があたったところで、たとえ睾丸を蹴られたとしてさえ、所詮は弱々しいものでしかない。
「安心しろ」
 にじゅりぃぃ……と、硬いはずの逸物が柔らかいカーブを成し、まるで舌でペロリと舐めるかのようにして、亀頭の先から溢れる体液を擦り付ける。オズムンドの肉体から分泌され、アシュリーのワレメに浸透していく成分には、女を狂わす媚薬効果が含まれている。
「あぁぁ……! な、なんで……!」
「言っただろう? すぐに虜になると」
 オズムンドの肉棒は粘液をまとっていた。さながらローションをよくまぶし、何ミリもの厚い粘膜の層を作ろうとしたように、媚薬成分を含んだ体液によってべったりと濡れている。毛穴から分泌され、滲み出ている成分は、接触どころか気化したものが皮膚にあたっただけでも女の感度を高めてしまう。
 今、アシュリー自身の愛液さえ溢れ出て、ほのかに湿り気を帯びていた。
「さあ、受け入れるのだ」
「いや……!」
 最後まで拒もうとしたアシュリーは、次の瞬間に目を見開き、そしてすぐさま始まるピストンに驚愕していた。
「あぁ! あっ! あ! あ! あ! あっ! あっ!」
 アシュリーは喘いでいた。
 その驚きは手に取るようにわかる。
 生まれて初めて性交しているはずなのに、それもこんな形で無理矢理犯され、どうしてそれで気持ち良くなってしまうのか。少し結合部を覗き見れば、出入りする逸物には、破瓜の血がこびりついていた。あるはずの痛みを無視して快楽を与え、だからアシュリーは喘ぎ散らかし全身をビクつかせる。
「あっ! あ! いや! なんで! なんでよ! なん――あぁ――!」
 きっと、二つの気持ちが綯い交ぜなのだろう。どうしてこんなに感じるのか、こんな目に遭わなければいけないのか。
「さすがは大統領の娘の肉体」
「あぁ! あん! あん! あんっ、あっ、あん!」
「こうして犯した上で返してやる。大統領がどんな顔をするのか見物だが、世界を我が物とした暁には、お前を再び飼ってやろう」
 オズムンドは大胆に腰を叩きつけ、そのたびにアシュリーの脚は弾んでいる。足首にかけてまで電流が行き渡り、指先さえもビクっと反応をし続けている。思い通りの反応を示す姿に、こうして女体を貪ることが楽しくなる。
「あぁぁ……! あぁっ、あんぅ…………!」
「着実に染まりつつある。お前の脳は快楽に塗り潰される」
「あっ、ああ……! あっ、あんっ、あんっ、あぅ……!」
 アシュリーの頭を快楽に染め上げることは造作もなかった。犯される恐怖も、望まない性交をさせられる恥辱も、もうアシュリーの中には残っていない。快楽の奔流が頭の中から不純物を押し流し、純粋に気持ち良くてたまらない、無我夢中でセックスにのめりこむ心だけが残されている。
「さあ、受け取るがいい」
 オズムンドは射精を行う。
 しかし、それは体液の放出というよりも、体内に埋まっていた物体が移動して、体外に出ていこうとするものだった。ホースの中にボールを通すことが出来たなら、その部分だけが丸く膨らんで見えるかのように、オズムンドの肉棒は膨らんでいた。
 尿や精液の通り道であるはずが、まったく異なるものが出ようとしている。オズムンドの体内に飼われた異物が、こうしてオズムンドの意志により、アシュリーの肉体に居着くために移動している。
 肉棒の根元に現れた膨らみが、アシュリーの膣に埋まった先へ先へと、竿の内側を通り抜け、ついには亀頭の外へ生まれ出る。
 寄生虫、プラーガの卵がアシュリーの中へと入った。
 やがて孵化して成長が進んでいけば、プラーガは宿主の肉体をコントロールする。そのプラーガをオズムンドが支配する。他ならぬアメリカ大統領の娘に種を植えつけてやった満足感に、オズムンドは剛直を引き抜いた。
「ははははははっ」
 優越感に浸っていた。
 それ相応の身分にある娘を好きなようにしてやった快感は、オズムンドの精神をいくらでも高揚させる。肉棒は未だ収まりがつかないまま、太く逞しい勃起を維持している。そんな大きな先端を再び押しつけ、むにゅりと、挿入した。
「楽しむがいい。これからの下僕よ」
 オズムンドは腰を振り、その気持ち良さにほくそ笑み、アシュリーもまた喘ぎ続ける。
 これが、儀式という名の行いなのだった。
 



 
 
 

コメント一覧

    コメント投稿

    CAPTCHA