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 どうしてこんなにムラムラするのかわからない。
 オナニーの経験は去年くらいからあったけど、さほど頻繁ではなくて、月に二回か三回程度しかしていない。
 一軒家に暮らす私は、何故だか今日は我慢ができなくて、とうとう勉強の途中でズボンを下げ、パンツも太ももの半分の位置までずらし、直接アソコを弄るオナニーで、まんべんなく撫でたり指を入れたりして過ごしていた。驚くほど愛液が溢れていて、クチュクチュと音が出て、中指で貫くたびに、快楽のあまりに脚全体がぶるりと震えた。
 そういえば、今日の帰りに何か他にも『宿題』が出ていなかっただろうか。
 なんだっけ……。
 まあ、ブレインリングを着けた時に思い出す。
 そんなことより、私はオナニーに夢中になって……。

 ――そうだ。オナニーの宿題だ。

 学校に到着して思い出す。
 性教育の一環として、オナニーを行い動画で提出。先生方に性の部分を把握して頂くことで、よりよい指導を心がけてもらうための教育方針の一部である。パンツを手渡すことが可愛いくらい、提出にハードルを感じるけど、やらなければ保健体育の成績に関わるので仕方がない。
「みんなセックスに興味はあるだろう?」
 授業時間。
 女子の保健体育を担当する男の担任が、黒板を背に教卓に両手をつき、ちょっと身を乗り出して熱弁を奮う。
「男女の仲が進めばそこに行きつく。当然、生物には性欲がある。男と女は遺伝子的にセックスを求めているが、もちろんそういうことはパートナーとしたいわけだな。ま、だから恋人がいなければ機会がないのが普通なんだが、いたらいつかはやるだろう?」
 先生の授業を私達は熱心に聞いていた。
 あの人は女子全員の裸を見て、お尻の穴すら拝んでいるんだって事実が突き刺さり、もう先生には顔が立たない。全ての弱点を握られた気分。ピッピッピッピッという電子音が私の身体に熱を入れ、今日もアソコがヒクっと疼く。
「学校としては、君達全員により実践的な授業を行い、セックスを事前に知ってもらう。授業の中でおチンチンとの触れ合いを学び、先生と学んだ経験を活かして、未来のパートナーと励んでもらいたい」
 だからオナニーの宿題が出ているんだ。
 アソコに指を入れたりして、事前に慣らしておくために……。
「昨日オナニーをした子は手を上げなさい」
 たぶん、全員の手が上がった。
 私も、躊躇って若干遅れたけど、一応上げた。
「よーし、偉いぞ? 君達には性教育センターでオナニーの動画を取り、それを学校に提出してもらうことになるが、これは研究機関にとってもとても役に立つことなんだ。少しでも現代の女の子について知り、心理研究に当てはめていくことで、脳波コントロールの技術を向上させていくわけだな」
 私はふと、ブレインリングに手を触れた。
 私達の脳に信号を送り、ひょっとしたら人格さえコントロール可能な――だけど、きっとただしい目的で使うのだろうし、もし悪用されたらという恐怖はない。今だって、私達にはオナニーの宿題が出されただけで、悪意あるコントロールを受けたという感覚は一切ない。
 まあ、オナニーの宿題を出された『だけ』っていうのもおかしいけど、ここが特殊な学校なのだから仕方がない。
「可能であれば、先生が君達全員とのセックスを担当したい。ま、俺一人じゃあ、スケジュール的にも人数的にも、無理が出る可能性は高いから、実際は何人か別の先生か、もしくは研究職員とすることになると思うが、いずれにしても、せっかく貴重な指導をして頂けるわけなんだから、それぞれ感謝の気持ちとマナーは忘れないように」
 その日の授業が終わり、放課後のロッカーでブレインリングを取り外す。
 私の中から、何かが消えた。
 しかし、日曜日に性教育センターに行き、そこで学校から出た宿題をやる。学校への提出はパソコンでその場所から出来るから、一旦家まで持ち帰り、改めて学校に持って行き提出などの手間はない。
 などなど、これだけの記憶が残っているから十分だ。

     ***

 表向きには――というか、実際に研究所の看板を掲げた施設が、私達の高校と契約している場所であり、同時に性教育センターも兼ねている。
 私は『宿題』のため、受付で学校名を告げて生徒手帳を提示すると、ここにもブレインリングがあるらしく、すぐに装着するように言われて手渡された。付ければ記憶は蘇り、私は自分がここにオナニーをしにきたのだと思い出す。
 すぐに案内の職員が現れ、その人の背中について廊下を進む。
 招かれた小さな部屋は、一軒家の私の部屋と同じくらいの広さだろうか。壁も床も天井も真っ白で、お洒落なポスターやぬいぐるみのような飾り気は一切なく、あるといったら観葉植物がさりげなく置かれているのと、ポスターはポスターでも人体の構造図を張ってあり、まるで病院の診察室のような雰囲気だ。
 ポツンとベッドが置かれ、よく見れば一応トイレとシャワールームもあるらしい。
 寝泊りを可能としているけど、宿泊用の空間という気がしない。地味で淡々とした何かをこなすため、とりあえず用意されたぐらいの感じ。
「私が撮影をやるので、オナニーを開始して下さい」
「はいっ。え?」
 若干、私は戸惑う。
 ああでも、他の人に撮ってもらう方が、きちんと私の姿が映っているかわかりやすい。かといって、男の人の前でオナニーとか、軽く写真撮影の時の嫌さ具合に匹敵する。
 ピッピッピッピッピッピッピッピッピッ――。
 私の脳に何か信号が打たれる時の電子音だ……あっ、身体が熱くっ、なんだか子宮の奥に火がついて、それがだんだん周りに熱を広げているみたいな、火照った感じが指の先にまで広がり続けて、ぽーっと顔も赤くなる。
 やばっ、乳首が立つ……アソコも濡れる……。
 ブレインリングのせいなんだろうけど、誰もなにもしていないのに、私が一人で勝手に興奮しているみたいで、カラダの感度が上がっちゃっているのがバレたくない。パンツが湿っているのを知られたら、今日こそはどこかから飛び降りる。
「まずは脱ぎましょうか」
 うぅぅぅ……嫌だけど……嫌だけど……。
 お忙しい中、私のために時間を割いて下さる職員さんには、感謝の気持ちを込めたストリップの披露がマナーであると学校で教わっている。なのでまずは、アルファベット入りのピンク色のシャツを、ちょっとゆっくりたくし上げ、お腹の肌をだんだんと見せていく。
 カメラを持つ男の人が、すごーくジロジロ見てる。
 これで脱ぐとか、嫌だというかキツイというか、とにかくハードルしか感じない。っていうかもう、お腹見せてるだけで恥ずかしくなってきた。顔から湯気が出そう。これでブラジャーを見せて私はまともでいられるんだろうか。
 一応、お尻の穴とか、アソコの穴を写真に撮られまくっているし、今頃になって下着を見られて死ぬなんてありえないとは思うけど……。
 私はシャツを脱ぎ去って、上半身はブラジャーのみに――カァァァァァッ、あれ? なんか私ますます赤くなってる? ブラくらいで騒ぐことないっていうのに、やっぱり動画撮られてるのに嫌すぎるっ!
 職員さんの視線は私の胸に集中した。
 乳房を真ん中にぐいっと寄せ、谷間を見せるタイプの純白ブラで、男の人が喜ぶにはいいチョイスをしたかもしれないけど、どうせなら地味で色気も控え目な下着を選べば良かったんだ。そうすれば……ちょっとくらいは……気休めくらいは色々と軽減できたのに……。
 今の私、耳まで真っ赤。
 首から上がトマトだよ……。
 こうも赤面っぷりが丸わかりだと――あっ、こいつ恥じらってるなって、ますます男が喜ぶから、それが私にとっては余計に辱めを招くというか。いっそ羞恥心を捨ててケロっとできれば楽なのに。
 次はジーパンだよね。
 と、とりあえずベルトの金具を――うっ、苦戦、緊張すると、こんなものでも手こずるというのか――なんとか外し、ジーパンの留め具を外してチャックを下げる。下がったチャックの分まで、白いパンツが見えている。
「あのぉ……」
 男の人が見て楽しめるのがマナーだし……。
「このまま前から脱ぐのと、お尻をだんだん見せるのって、どっちがエロいですか?」
 ああほんと、私、何を聞いてるんだろう。
 頭が沸騰して、なんか湯気とか出てそう……。
「そうですねー。お尻を出していこうか」
「はいっ、そうしますっ!」
 声がっ、声が上ずっててやばいっ、これじゃあ喋るのも恥ずかしいし。
 ともかく、だったら後ろ向きで脱がないと。
 ジーパンを両手で掴んで、少しずつ、少しずつ、本当にだんだんと、腰をくの字に折り曲げながら下げていく。躊躇いとか抵抗感で、手が止まろうとしちゃうから、脱ぐのも無駄にスローモーションになってしまう。
 じーっと、ガン見している気配がする。
 見せてるんだから当たり前だけど、視線をモロに浴びてると、なんか皮膚が炙られているみたいに感じる。私自身には見えないけど、ジーパン下げてるんだから、どういう光景になってカメラに映っているのか想像できる。
 お尻、半分まで出て、そのままもう少し――うっ、これでパンツの部分は丸出し、太もものところまで出して、膝の下までやって、脱ぎ切って、これで下着姿になってしまった。
 パンツとブラくらい大したことない――って言えてもいいくらいの体験をしたばっかりなのに、やっぱり十分恥ずかしい……。
「……ええっと、次、おっぱい見せますね」
 やっぱ声っ、裏返りまくっててやばい――職員さん、今度は胸をよく撮ろうと、カメラを少し近づけてくる。ブラのホックを外して、肩紐を一本ずつ横にずらすと、カップと乳房のあいだに隙間が広がり、あとははらりと落ちるだけ。
 でも、焦らそうなんて思ってなくても、落ちそうになったブラを私はほぼ反射的に抱き捕らえて、胸を隠してしまっていた。
 やっぱ見せたくないぃぃぃぃぃ……!
 嫌だよっ、嫌だけど、どうせオナニーまで見せなきゃいけないし……。
 だから私は、オッパイからブラを遠ざけ、だんだん少しずつ乳首が見えるようにした。そうしないと、私自身の頭が沸騰でどうにかなりそうで、段階を踏まずにあっさりと大胆に見せるだなんて不可能だった。
 職員さんの目がギラギラしてる。すっごい嬉しそう。こっちはオッパイまで視線で炙られてるみたいな感じ……。
 あとは最後の一枚。
「パンツ。濡れてますねー」
 ……バレてる。
 見ればわかるものね。
「………………濡れてます」
「濡れてるアソコを撮ってあげるから、最初は穿いたままオナニーして、途中で脱いでいきましょうか」
「そ、その方がエロいですか……?」
「エロいです」
「……わかりました」
 全身がカメラの餌食にされていく……。
 仰向けでM字開脚のポーズを取ると、カメラはソッコーでアソコに近づき、私の濡れているところを撮影する。こんなあられもない恰好で、しかも目の前にカメラがあるって、心理的には物凄い不安というか、辱めというか……。
 じわぁぁぁぁ……子宮の奥から、もっと大きな熱が生まれて、私のアソコがどんどん蜜を増やしていく。
 膣がヒクってなって、興奮しているのがバレバレなのが、また嫌で……。
「オナニー……します……」
 私はアソコを触り始めた。
 き、気持ちいい……! ヌレヌレになったパンツから、トロっとしたのが簡単に広がるっ、ぐるぐる撫でると気持ちいい……! でも、撮られて……職員さんも目が喜んで……私の感じた姿、楽しまれてる……!
 見ないで見ないで見ないで――私の心が同じ叫びを繰り返す――撮らないで! 撮らなきゃいけないことなんてわかっているけど、気持ちは撮らないでって叫んじゃう。
 あっ、いい……でも気持ちいい……見られて……嫌なのに、手、止まんない――パンツに手を入れちゃいたい――い、入れよう……ワレメを直接なぞって、もう片方の手でクリトリスも転がしまくって、どんどん快感を増やして……。
「あっ、あぁ……気持ちいい……!」
 喘ぎ声も抑え続けていられない。
「オナニーっ、気持ちいいです……! でも、見られるのは嫌だし、撮られるのも、物凄く抵抗あって、でも――なのに――それでもっ、わたしっ、感じてます……!」
 提出用の動画だから、採点してくれる先生に向かっても話さないと……。
「ごめんなさい……目の前で、撮って下さる職員さん……そのっ、どうしても、抵抗っていのは……だって、恥ずかしくて……」
 手がどんどん活発になっていく――私の手なのに、別の生き物みたく、指がグニグニ蠢きまくりで、手の平は完全に愛液まみれ……クチュクチュって音も出まくって、だんだんパンツを脱ぎたくなって……。
 これ脱ぐのも、カメラに入るんだ――無理っ、やだっ、やだけど――諦めて脱ぐしかないのはわかっているから、私はパンツも脱いでって……。
 生のアソコ、見られてる……。
「パンツ脱ぐのも、本当は無理無理無理って、心の中で連呼しちゃいました――アソコ撮られてるのも、指入れてるところも――で、でもっ、あっ、あっ、よくてっ、こんなの死んじゃうってくらいの気持ち――一応あるのに……指っ、止まんないです……!」
 いっぱい出てる……ピストンで泡立って、汚くなったのが指にたくさんつきまくり。クリトリスにも触っていると刺激が強くて、はぁっ、はあっ、はあっ、て、気づいてみたら、私って犬が興奮してるみたいな息遣いになってきている。
 カメラの動きも、なんか舐め回してくるみたい――顔に近づけたり、頭から足にかけて動いたり、アソコにぐーっと接近したり、お尻の穴まで映されてると思う。
 なんで私、こんな気持ちでオナニーとか続けてられるんだろう――このまま本当に顔から火が出ちゃったら、それでシーツに燃え移って、火事になっちゃう……大袈裟だってわかっているけど、普通にそれくらい――精神やばいっていうか――。
「あっ、あふっ、はっ――あっ、あぁ――あぅ……あっ、んっ、ん――んっ、んぅ……!」
 声もなんか、自分の声に思えないし。

 ――ツン。
 と、お尻の穴をつつくみたいに、職員さんはそっと指を当てて来た。

 無理無理無理無理無理無理無理!
 私は全力で首を振り、目で訴えて、やめて欲しいことを全身全霊で訴えた。だって、こんな耳だって沸騰して蒸発を始めてるんじゃないかって気になるくらいなのに、それでお尻の穴触られるとか、本当に無理! 無理だって!
「んっ、んあっ、あん! あん!」
 駄目っ、こんなエッチな声出してたら、拒否したって喜んで見える――嫌がってるって、これじゃあ絶対わかってくれない……。
 ぐにぐにって、マッサージみたいな感じになってきて、そんなことされたら、ますます顔が歪んできて、自分がどんな表情なのか想像もできない。映像の中にいる自分なんて、怖すぎて見れたもんじゃない。
「あぁぁ……やばっ、やばいです……! あっ、かっ、あぁ……!」
やばっ、なにか……なにか来る……!
 なんかオシッコ行きたいみないな――なんかアソコに集まって……今すぐこの手を止めないと、なんかやばいことに……!
 で、でも……止められない……!
「あっ! あん! や、やば……やば……!」
 やばいっ、やばいっ、やばいっ、来る……!

 そして、私の全身に雷でも落ちたみたいな刺激が広がって、腰から足まで痙攣みたくビクビク震えて、アソコから噴水を巻き上げていた。




 
 
 

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