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 ちゅっ。
 亀頭の唇と優奈の唇が触れ合った。不慣れな優奈はすぐさま口を離してしまうが、すぐに再び近づけて、ほんの先っぽを唇でかすかに食む。唾液を帯びたふんわりとした温もりが、そのまま亀頭の約半分を飲み込んで、唇周りの筋肉を持って圧してくる。
「うぉぉぉ……」
 言い知れぬ何かが迸り、それは肉棒の芯を通って根元へ溜まる。優奈は唇だけを使ってパクパク齧り、亀頭を食べるかのようにしていった。それはまるで、魚が口をパクパクと開閉しながら食事をするシーンのように、差し出されたエサを優奈は齧り続けている。
 まだ咥えてもおらず舌も使われていないが、それでも俺の亀頭は唾液にまぶされていき、ぬらりと光を反射する。
「どう?」
 優奈の上目遣いが俺を見た。
「すっごくいいよ。特にいいのは、優奈が俺の息子を世話してるっていう優越感」
「むー……屈辱……」
 じっと俺を睨み上げ、それから口淫を再開する。今度は舌を真っ直ぐに伸ばして亀頭の先端をちょんちょん突き、優奈は味を確かめる。チロチロと舐め始め、俺の亀頭先端は集中的に刺激され、亀頭の口だけがみるみる疼く。
「こ、これは……」
 気持ちいいような、苦しいような。尿道口を通じた芯が熱く疼いて、舌先から塗られる唾液がさらにまぶされ水分が増えていく。じわりじわりと肉棒が内側から熱される快感に襲われ、なんだか脚までムズムズしてくる。
「何? たまんなそうな顔しちゃって」
「いやぁ、ジンジンするもんで」
 俺が答えるなり優奈は俺のを握ったままにんまりして、なにやら満足げな表情を浮かべてくる。
「ふーん? そうなんだぁ」
 悪者が何かをたくらむ顔である。
「スイッチでも入ったか?」
「かもね。なんか私もゾクゾクする。これ、歯を当てないようにすればいいんだよね」
「そうそう。歯が当たったら絶対に痛い――と思う」
 過去に経験があるわけではないのでなんともいえないが、肉竿は男にとってこれ以上ないほど大切な器官だ。傷ついたり、ましてや歯で皮を食い切られたらと考えると、それだけで恐ろしくて縮み上がる。
「ま、やってみるよ。私にこんなことをさせるんだから、アンタは本当に私に忠誠を誓ってくれないと困るんだからね」
「もちろんですとも、女王陛下」
 ペニスなぞ出しながら格好はつかないだろうが、俺は冗談めかして紳士的な騎士を演じてみせる。
「ふふっ、ではそなたに褒美を与えようぞ」
 優奈は大きく口を開き、口腔へ俺の肉棒を受け入れる。口内の強い湿気と熱気に包まれて、唾液でぬめりとする舌が裏筋へぴったり触れる。右手で根元を握った余り、肉棒の約半分を口内へ覆い込み、優奈は唇を丸くして竿を締め付けた。
「んじゅ……んっ……んも……もっふ……」
 頭が前後へ動き出し、口腔のぬめっとした生温かさが肉棒をまんべんなく撫で始める。前後運動に合わせて、裏筋に張り付いた舌がぬめぬめと這い、肉棒全体が優奈の唾液にまみれていく。
「ふっむ……むふっ……はふ……はふっ、んちゅぱ……」
 その快感を例えるなら、肉棒が丸ごと灼熱に包まれて、性感という名の炎で皮から内側の芯までかけて焼け爛れていくようなジンジンとした気持ち良さだ。俺の肉棒は優奈の口内でビクンビクンと何度も跳ねて、早くも射精感が込み上げていた。
 やばい、快感に焼かれているといっても過言ではない。
 生理的な気持ち良さもさることながら、さらに俺を心地良くされるのは、女に自分の一物をしゃぶらせているこの状況そのものだ。仁王立ちする俺の股元では、当然優奈の頭が前後に動いているわけで、上から見るとその往復運動による頭部の動きがよくわかる。つむじの見える頭が前へ後ろへ交互に動き、この俺へ一生懸命ご奉仕をしてくるのだ。
「す、すごい……フェラチオがこんなに良いとは……」
「ちゅぷ――へ、へえ? そんなにいいんだ?」
 嬉しそうな、照れたような顔を優奈はしていた。
「すっごくいい。こっちを見ながらやれるか?」
「え? いいけど」
 優奈は俺のを咥え直し、今度は顔をこちらへ向けながら、俺と視線を交わし合いながら頭を動かす。他でもない俺の一物を含んだ顔を見ると、まさにこの女は自分に尽くしているのだという実感がみるみる沸き、所有欲求が満たされる。
 ニヤけてしまう。
 ただエロい夢が実現している嬉しさだけではなく、女という生き物に対する征服欲求が叶ええられている事への喜びが顔に出て、頬や口元が緩んで俺の表情に出てしまう。あまりに感情が溢れるため、ポーカーフェイスは気取れなかった。
「ばーか」
 そんな俺を見て、優奈は可愛らしく言葉を投げてきた。さしずめ、俺を自分の物としなければ、ただただ征服されるのは気に喰わないという気持ちからなのだろう。
 それは一瞬。
 とりあえず一言だけ発しておけば満足だったようで、あとは言われた通りの咥え方を実行する。頬の火照った照れくさそうな表情が、俺のを含んだまま前後する。
 ペニスを肉棒全体をジンジンと焼き尽くす快感が、根元を通じて内股の周囲にまで広がって、脚の痺れさえも強くなる。
「んちゅぱ……ちゅちゅ……んっ……んっふ……ふふぁっ……」
 水音を立て、口が塞がっている分だけ鼻息の音を立てながら、優奈は懸命に俺の表情を伺っている。どうなの? イクの? まだ出ないの? と、そういった挑戦的な言葉が目から発され、俺はそれに表情で返してやる。
 ――もう出るかも。
 ――嘘っ。
 視線だけのやり取りで、そんな会話が成立した。
「え、えと――じゃあ、どうすんの? ティッシュ? それとも……」
 これは判断を俺に委ねているわけか。
「飲んでもらってもいいですか」
「うーん……どうしよう……」
 優奈は迷う。いきなり、慣れないうちから精液を飲むのは抵抗が強いだろうか。
 しかし、唸った挙句に腹を決め、優奈は言う。
「いいよ。飲んであげる」
「ありがとうございます」
「はいはい。とっとと済ませて私に順番を回してね」
 優奈は咥え込み、拙いなりにも十分に頭を振る。
「ふっ――んっ――むふっ――」
 その刺激で、もはや俺の肉棒は溶けていた。実は優奈の口内で快楽のあまりに溶解して、とっくに液状化してエグいことになっているのでは。なんて有りえない想像をさせてくれるほど、この快感は堪らない。
 そして、俺は達した。

 ――ドク! ドクドク! ビュルン!

 俺は射精した。
「ごくん」
 それを優奈は飲んだ。
 一体、どんな気持ちなのだろう。
 俺のは優奈にとってどんな味がしただろう。

「次、私の番だよね」

 そして優奈は、靴を脱ぎながらにったりほくそ笑んでいた。
「そのようでございますね。女王陛下」
 やはり足を舐める羽目にはなるらしいが、まあいいだろう。要するに主従は交代制で、俺が尽くす時と優奈が尽くす時がある。
 それだけの事なのだ。
 やはり足を舐める羽目にはなるらしいが、まあいいだろう。要するに主従は交代制で、俺が尽くす時と優奈が尽くす時がある。  それだけの事なのだ。 



 
 
 

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