そうしているうち、どれだけ時間が経っただろう。
個室の外から、何度か男子の出入りする気配があった。いくらかが用を足しながら雑談を交わして、手を洗って外へ出て行く。それが音でわかる。
そんな人の出入りがあったことから、もうだいぶ時間が流れたと思うんだけど。
「ねえ、まだ終わらないの?」
透明な汁の量は増えているのに、白い液は一向に出ない。
「うん。どうやら僕は、手コキだけじゃイけないようだ」
その堪えるような表情からして、出すのをわざと我慢しているのは明らかだ。こっちの気も知らず、くだらない小細工をしてまで、内木はあたしとの時間を長引かそうとしている。
「そこで。咲夜たんにはやっぱり口も使ってもらおうかな」
はぁ? フェラなんてしてたまるか。
「嫌。手でイって」
そして二度と勃ちあがるな。
「駄目なんだお? 手では刺激の量が足りないから、他の部位を使うしかないわけだ。口が嫌な、オッパイとお尻と太ももという、他の三つの選択肢もあるお?」
そんなサイアクな選択肢があってたまるか。
だいたい出ないように我慢して刺激を足りなくしているのは、他でもないアンタ自身でしょうが。
「どれがいいか選んでお? でないと、咲夜たんは非協力的だったと報告せざるを得ないのだし」
待て、そうなったら生活指導の名目で本番まで……。
こうなったら、もう自分で一番マシだと思う道を取るしかないのか。
太ももに挟ませるのは、ついでに関係のない場所まで触られそうな気がして怖いし、肉棒がアソコやらお尻やらに擦れてきそうな予感がするから嫌だ。お尻を差し出すのも屈辱だし、何より背後のポジションを与えたくない。それから、口に入れるのなんていうのも、気持ち悪すぎるから駄目だ。
そうなると、残るは一つか。
これを使ってやるのだって充分に屈辱だし、気持ち悪いとは思うけれど。ごくごくわずか、ほんの少し程度はマシだよね。
「……胸にするわ」
「いいお? じゃあパイズリよろしく」
あたしは体操着を着た状態のまま、衣服越しに自分の胸を押し付けた。
今までの検査で散々裸体を見られ、触られまでしている。あたしとしてはもう二度と、誰にもオッパイなんて見せたくない心境なのだ。それはパンツや太ももにしても変わらない。
「いいねえ、体操着越しのパイズリ! 咲夜たんは結構わかってるんだな」
何がだ、見せたくないだけだ。
でも、このやり方が反面こいつの趣味に合うというのも癪な気がする。
あたしは胸の間に肉棒が来るよう、上手く身体を押し付け、両手を駆使して挟み込む。下着越しに性器の硬さを感じながら、乳房を上下させ続けた。
まったく、キモイ分際で。
女の子を従わせ、股間の元にオッパイを使わせている気分はさぞいいんだろうね。肉棒を食い込ませるために、体操着越しに胸の形が出ちゃってるから、それが自分のアソコで動いている様を見下せてたいそうご満悦に違いない。
「ねえ、さっさと済ませてよ」
「そんなに早く終わりたいの? 僕は出来るだけ長く楽しみたいのだが」
さらっと本音言いやがったな、こいつ。
「当たり前でしょ? こんなこと好きでするわけないんだから」
それにパイズリをしていると、どうしても自分で自分の胸を刺激せざるを得ない。性感検査ではローションまで塗られて揉まれ尽くしたから、乳房の中に快楽の余韻が残っていて、下着の内側で乳首が固くとがってしまう。
こいつの見てる前で感じちゃうなんて……。
屈辱感が膨張する一方なので、一刻も早く終わらせない。
あたしはそういう思いでいっぱいだ。
「じゃあノーブラで、なおかつ服の内側でしてくれたらすぐに出すお?」
「ううっ…でも……」
一刻も早く解放されたいあたしとしては、とっとと出してとっとと終わってもらいたいのは山々だ。けど、服の上から挟んでいたからこそ、胸に肉棒のあたる気持ち悪さを軽減できていた。それに、それでなくとも恥ずかしいのに、生胸との接触を許すなんてこともしたくない。
「それとも。ひょっとして、本当は咲夜たんもこの時間を長く楽しみたいなどと思ってる?」
「は? 何でそうなるわけ?」
「すぐに出してあげてもいい条件を提示したのに、咲夜たんはどうも乗り気でないみたいだから」
「ただでさえコレ気持ち悪いのに、生で接触したら余計に気持ち悪いから嫌なのよ!」
まったく、好き勝手な解釈しやがって。
「なれば、下校時刻ギリギリまで一緒に過ごしてもらうお」
「何それ、あと何時間あると思ってるのよ」
「五時間以上? まあさすがに途中で出てしまうかもしれないから、何度か休憩を挟ませてもらうが」
「何よ休憩って……」
そこまでして時間を引き延ばそうってのか、変態め。
採取にそんなに時間をかけたりしたら、内木自身は何も先生に咎められないのか。あたし達が不在のまま、教室ではホームルームはどうなるのか。他にも、もろもろの疑問はあったけれど、それでもこいつは有限実行しかねない気がする。
何というか、冗談で言っている気配でもないって感じがするし……。
「本当にさっさと終わらせてくれるの?」
「もちろんだお」
うぅっ…苦渋の決断だけど——。
「嘘だったら握り潰してやるから」
あたしは服に手を入れ、内側からブラの肩紐を下ろす。パカッと外れたブラを腰まで落とす。
「おー、してくれるんだね? 生乳期待」
「いい? 早く済ませてよ?」
あたしは内木からは見えないように気を遣いながら、下乳あたりまで体操着をたくしあげる。肉棒に谷間を乗せ、胸の間へと挟み込んでいく。しっかりと挟みきれたところで、乳圧をかけながら上下運動を再開した。
「中々良いぞ、咲夜たん」
「こっちはサイアクだっての」
しごき続けてるうち、胸の間にあの透明液のぬめりけを感じた。亀頭から漏れる先走り汁が、乳房の皮膚に染み込んでくる。
本っ当、気持ち悪い!
あたしは顔を引きつらせつつ、とにかくしごいた。
「出るときは言ってよ?」
肉棒は服の内側だから、もしもこのまま射精されたら、体操着が汚れてしまう。シャーレへの採取も完了できない。
「ああ、ごめん。生乳の感触が思ったより良くて、もう出ちゃうお」
「…………えっ?」
その瞬間——。
いや、絶句している場合じゃない! このままじゃ服の内側に出されちゃう!
あたしは大慌てで胸のしごきを中止し、乳房を引き上げる。
けれど——
ドピュウゥウッ!
あたしの顔面はどろりとした白濁に濡れ、頬や口元へこびりついた。
「な! 何やってんのよ!」
「大丈夫だお? ちゃんと採取する分は残してあるから」
憤りあたしを他所に、内木はドヤ顔でシャーレを手にし、その中にも精を放出する。
まさか、わざわざ顔射の分と採取の分と、二回分に分けて射精したとでもいうのか。ということは、内木は最初から服の内側に出すつもりがあったのではと、あたしはそう疑惑を抱く。
「最っ低!」
あたしはすぐにトイレットペーパーを取り、ついたものを拭き取り、丸めて内木に投げつけてやる。
さっさと個室を出て、女子トイレへ駆け込み、必死に顔を洗った。
もう何なの? 何でこんな目に!
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