ラ・プルマの魅力に心奪われたリン・ユーシャは、あれやこれやと画策してホテルに連れ込んでしまう。


黒髪に惑わされ


 リン・ユーシャがその黒髪のリーベリに心奪われ、どうにか手をつけてみたいと画策するようになったのは、ドッソレスで開催される大会の、本戦出場チームが発表された時である。
 一つずつチームが紹介されていく流れの中で、その容貌はどうしようもなく目を引いた。
 その時はチェンやエルネストが傍らにいた手前、何らの情動も表には出さなかったが、一目見た時からラファエラという少女の顔は目に焼き付いていた。
 自分でもおかしいとは思っている。
 同性の体に手を出して、味わってみたいなど、どうしてこんな衝動が湧いているのか。今まで同性愛者だった覚えなどないはずなのに、あのラファエラという子に触れてみたくて、どうも仕方がなくなっている。
 どうもあの少女には、自分の性癖をくすぐる何かがあるらしい。気をつけなければおかしくなると、リンは気をつけていたつもりだったのだが――。
 それが結局、ラファエラをホテルに誘うことになろうとは。

「ねえ、あなた」

 機会を見計らい、ユーシャはラファエラに近づいた。
 事件に一応の決着がついてから、浜辺に立ち尽くす彼女の姿を見かけた時、ユーシャは惹かれるような思いを抱え、やがて隣へ向かっていくと、気づけば声などかけていた。
「なぁに? あなたは……」
 少しの警戒心をラファエラから感じる。
 既に決着がついているとはいえ、兄であるエルネストと対立し、父であるパンチョとも敵対していた女に近づかれれば、身構えるのも仕方がない。
「いまさら事を構えるつもりはないわ。あなた、この町を案内してくれない?」
「どうしてわたしに頼むの?」
「どうもこうも、他に頼む相手がいないのよ。あいつとは間違っても仲良く観光なんて間柄じゃないし」
 ユーシャはその脳裏にチェンを浮かべる。
 まったく、どうして彼女と組む羽目になどなったのか。
 それもこれも、済んだ話なのだから、もういいのだが。
「だったら、お兄ちゃんに――」
「いいえ、あなたがいいわ。特に理由はないけど、まあ女同士の方が気安いからかしらね」
「……そう。別に、いいけど」
 警戒心は完全には解けていない。
 心の中には、まだ薄らと敵味方の線引きが残っているのだろう。
「決まりね。ゆっくり楽しむ暇もなかったから、どこか楽しい場所に連れて行って頂戴。どこでもいいから」
「うん。わたしの知ってる場所でよければ」
 話は決まり、ラファエラとユーシャで共に町を回ることになるのだが、やはりレストランやカジノが多い。山から見下ろす絶景、歴史ある寺、闘技場、意外にもわかりやすい名所はなく、しかしラファエラの案内で、せっかくなのでオススメの店を教えてもらい、そこで食事を共にする。
 スプーンやフォークを気まずそうに扱うラファエラと、黙々と味わうユーシャでは、傍から見ても、とても仲良しなどには見えなかったことだろう。
 初対面なら、この空気感も仕方のないものだろう。
(私はまったく、本当に何を画策しているんだか)
 自分で自分に呆れながらも、ユーシャはラファエラの顔を眺め、胸にまで視線を走らせる。
 服の内側を見てみたい。
 愛撫した時、一体どんな顔をするのかにも興味がある。
 つまり、体目当てとしか言いようのない、チャラついた男が行うナンパと変わりのない動機で、ユーシャはこうしてラファエラと過ごしてしまっている。
(まったく、本当に……)
 頭の中には、そのための作戦すら展開されている。
 この後は良いホテルを教えてもらい、一人では寂しいだの何だの言って、どうにか一緒に泊まってもらえるように口説き落とし、そして同じ部屋で一夜を過ごす。
 その時には……。
(はあ、私はいつからレズビアンになったのかしら)
 そんな性癖だった覚えがない。
 ありもしない性癖が唐突に芽生えるほど、ユーシャにとってのラファエラは、よほど特別な波長を持った人間らしい。そうとしか考えられない。
 声、顔立ち、仕草、その全てがユーシャの中にある何かをくすぐり、邪な感情を引き立てる。
 ユーシャはその思い描いた計画通り、事前に用意していた言葉でラファエラを言いくるめた。
 時間ならいくらでもあった。
 町を歩いている最中、食事の最中、ユーシャは脳内でシミュレーションを展開して、何通りものパターンを想定しながら、言葉を選んだ末に誘いに成功し、晴れて同じ部屋に宿泊せきることになるのであった。

     *

 そして、次に誘うのは風呂だった。
 さすがにこの都市のホテルだけあり、部屋の作りも、そこにあるベッドやカーテンに絨毯も、浴室も豪華なもので、さながら貴族が暮らす一室である。
 浴室だけでもワンルームほどの広さがあり、広々とした湯船の他にも、何やら壁にはマットが立てかけてある。ラブホテルではないはずだが、マットが何の用途であるかは、知識的には想像がつくのであった。
 まあ、それはともかくとして。
 ユーシャは艶めかしいリーベリの背中に視線を這わせ、手の平にはボディーソープの泡を育てていた。
(ここまで上手くいくなんて思わないじゃない)
 なるほど、同性同士であれば、友情で風呂に付き合う仲もあるのだろう。
 一緒に入ることをラファエラが受け入れたのは、きっとそういうことである。お互いの背中を流し合うほど、気を許し合った親友同士が世の中にはいるはずだ。
 ラファエラはきっと、友人同士のスキンシップとして受け止めている。
(とにかく、ここまできた以上は、触るしかないわね)
 ユーシャはその背中を前に膝立ちとなり、泡まみれの両手を近づけていく。
「ひゃっ」
 小さく可愛い悲鳴が聞こえた。
「あら、どうしたの?」
 あまりにも可愛い声を聞き、ユーシャは意地悪な笑みを浮かべつつ合った。
「す、素手なのかなって」
「別に仲良し同士ならおかしくないわ」
「でも、わたし達は会ったばかりだし……」
「だから、これから仲良くなりたいんじゃない」
 ユーシャは手の平全体を駆使して、その肌触りを味わっていた。泡の生み出す滑りを活かし、ぬるりと動く手の平で、脇から骨盤にかけてを撫でていき、肩や二の腕も可愛がる。
「なんか、くすぐったいよ」
「そう? でも、まだ洗い始めたばかりなんだから、もう少し我慢しなさい」
「う、うん。ユーシャさんって、強引だね。積極的っていうか」
 少しのテレを含んだようなその声に、ユーシャは心臓を弾ませる。
「可愛いじゃない」
 ユーシャは思わず抱きついた。
 すべらかな背中に自らの乳房を押しつけ、その上でラファエラの胸に両手を回す。指を蠢かせ、泡を塗りたくりながらも揉みしだき、ふんわりとした感触を味わった。
「あっ、ちょっと……む、胸は……!」
「だったらお腹は? 脚は?」
 ユーシャは少し調子に乗り、胸から腹へと右手を移し、左手は太ももに乗せてやる。両手によって味わいながら、やがて指では乳首を責め、左手ではアソコすら触り始める。
「あっ、あぁ…………!」
 小さな喘ぎ声を出し始める。
「あっ、だめ……だめだよ――こんな……」
「本当に駄目? あなただって、その気になってきてない?」
「そんなこと……ないもん……」
「でも、濡れてるじゃない。ここのヌルヌル、石鹸じゃないでしょ」
 ユーシャの左手には、愛液を絡め取ってのぬかるみが伝わっている。愛撫を続ければ続けるだけ、徐々に滑りは良くなっていき、果ては指まで挿入していた。
「ひゃっ! だからだめだよ……」
 震えきった弱々しい声で、しかし薄らとした色気と期待感も、その声色には含まれている。
「なにが駄目なの? このまま楽しめばいいと思うけど」
 ユーシャは右手の指遣いを活発に、突起した乳首を絡め取り、上下に転がし抜いていた。左手での指のピストンも行いながら、うなじに鼻を近づけて、ぺろりと舐めるような刺激まで与えていた。
「あっ、あぁ……な、何か……来ちゃいそう……!」
「だったら、イっちゃいなさい」
 ユーシャは構わず愛撫を続け、するとラファエラは次の瞬間、急にビクっと背中を弾ませる。その反応は、密着していたユーシャには如実に伝わっていた。
「あ……わたし……今のって――」
 放心気味の顔が目に浮かぶ。
「絶頂したようね」
「そっか……イっちゃったんだ…………」
 少しのあいだ、ラファエラの肩は大きく上下し、深い呼吸の音も続いていた。肩に顎を乗せるようにして、横顔を間近で覗くと、ぽーっとした顔がそこにはあった。
「ベッドに行かない?」
 耳元に向かって囁いてみる。
「う、うん……」
 緊張ながらに頷くところが本当に愛らしく、ユーシャは改めて両腕に力を込め、ラファエラのことを抱き締めていた。

     *

 風呂上がりのうるおった黒髪と、つるりとした柔肌を曝け出し、カーテンの向こうからの明るい陽射しを帯びたベッドにラファエラが倒れている。
 ユーシャはそんな彼女に覆い被さり、上からじっと、熱っぽい眼差しで視線を注ぐと、腰のくびれに手の平を当て、さーっと撫で上げていった。
 下から上へ、触れるか触れないかといった繊細な具合のタッチでゆっくりと、時間をかけてスライドしていく。脇下にまで到達すると、ユーシャはすぐさま乳房に指を絡めて、じっくりと味わうように揉みしだいた。
「あ……あぁ…………」
 浸ったような、甘く蕩けた目を薄める。
 そんなラファエラの反応に気を良くして、ユーシャの心の熱は徐々に温度を上げていく。
 揉みしだく指遣いは活発に、気づけばもう片方の手も使い、乳首への責めも意識しながら、実に丹念にかつ細やかにくねり動く指で愛撫する。
 風呂場の時から、ずっと突起し続けている硬い乳首は、ユーシャの手の平の中央を突いていたり、指で弾けば左右に転がる。
「んっ、あぁ……」
 乳首をやれば、ラファエラはますますの甘い眼差しと共に、感じた息遣いを披露していた。
「いい反応ね」
 ユーシャはすっかり気を良くして、何かに釣られたように顔を近づける。
 唇を重ねていた。
「ん――」
 ラファエラは少し驚いたように目を丸め、その一瞬だけ驚愕に固まるが、すぐにまぶたを閉ざしていき、ユーシャの唇を受け入れる。
 最初はそっと、優しく重ねるキスだった。
「ちゅっ、ちゅっ、ちゅっ」
 そして、そんなキスの雨を降らせることで、ラファエラの唇とその周りには、だんだんとユーシャの唾液が付着する。唇から皮膚へと移る程度の、少量の唾液が本当に少しずつ浸透して、やがて次の瞬間だ。
 ユーシャは大胆にも大口を開けて貪った。
「んぅぅ――――」
 ラファエラの驚く反応が伝わるも、ねじ込もうとしている舌に対して、その閉じた唇はゆっくりと、躊躇いがちに開かれていく。
 その隙間に入り込むなり、ユーシャの舌先がまず真っ先に捉える硬い感触は、前歯の歯並びだった。
 ユーシャはそのまま歯をなぞる。
 舌先の踊りを駆使し、歯茎のラインをさっとひと撫でしていって、次には歯と歯の隙間のラインをなぞる。上の前歯をひとしきり舐めた後、ユーシャは舌の歯までくまなくなぞり、唇の裏側の部分でさえも味わっていた。
「んじゅぅ――ちゅぅ――――」
 息継ぎのためであるように、数ミリだけ離した唇の隙間から、唾液の糸を短く引かせ、すぐにまた頬張り直す。ラファエラの唇を大きく開いた中へ収めて、また改めて歯茎や歯のラインをなぞっていく。
 さらに奥まで味わおうと、より密着度合いを上げていくと、歯と歯が触れ合うまでになり、ユーシャの舌はラファエラに対して、歯の裏側にまで到達していた。
 そのまま裏側をなぞる。
 上の歯も下の歯もそうしているうち、ラファエラの舌とも何度か触れ合う。
 ついにはラファエラの舌も動き出し、絡め合わせようとしてくる動きを受け入れると、今度はユーシャの歯がなぞられ、二人は長々と接吻を繰り返した。
 お互いの足を絡め合わせて、全身で揉み合うように身体をくねらせながら、ユーシャはラファエラからの舌使いに目を細め、その蹂躙を味わった。
 また唾液の糸が引き、長らく続いた接吻がようやく途切れる。
 その時にはユーシャの指がアソコに置かれ、ワレメをなぞる愛撫が始まっていた。
「あっ、んぅ……んぅ……」
 ラファエラは甘く乱れた息遣いで、少しばかりよがったように、顔をしきりに左右に動かす。
 感じた反応を見ることで、ユーシャの愛撫にも熱が入って、勢いのままに膣内へと侵入する。くねり動く巧妙な指遣いは、ラファエラの膣に対して程良い刺激をもたらして、最初のうちは加減の効いた刺激で責め立てた。
 だが、指のピストンは徐々に速度を増していく。
「んっあっあっ、あぁ――あぁ――――――」
 荒っぽい息遣いに可愛い声が入り交じり、髪を振り乱す仕草も増えて、両腕がよがるような動きを始めている。
「ラファエラ……!」
 ユーシャの腕はさらにもう少しだけペースを増す。
「んぁ……あっ、あぁ……あっ、んぅ…………!」
「あなた。本当に、可愛いわ――」
 すっかり夢中であった。
 ユーシャは今、その魅力に魂を取り込まれ、熱に満ちた視線を無我夢中で送り続けていた。指のピストンは無意識のものとなり、意識などせずとも勝手に指は出入りしていた。
 クチュ、クチュ、と、そんなピストンから水音は鳴っている。
 滑りが良くなっていく分だけ、ユーシャの指はあと少し、もう少しだけ速度を上げ――。
「あっ、また――わたし…………!」
 絶頂の予兆が現れ始めた。
「いいわ。イって頂戴」
 イク時の顔を見たくて見たくてたまらない。
 ユーシャは欲に駆られた衝動のまま、一心不乱に愛撫を続け、滴り溢れる愛液を掻き出した。指が濡れるのは言うまでもなく、拳の部分にまで愛液は付着して、いつしか流れ落ちたものがシーツにまで染み広がっていた。
「あぁ――あっ、あぁ――もう、もう――――」
 喘ぎ声のトーンが明らかに上がっている。
 そのままイってもらおうとばかりの思いで、ユーシャはさらに息を荒くしていた。まるで自分自身が性器を責められ、快楽を味わっているかのように、それは熱っぽい息遣いであった。
 そして、絶頂の時である。

「んぅぅ――――――」

 ラファエラがビクっと筋肉を弾ませながら、反射的のように肩を縮めて丸まった時である。
「え……」
 ユーシャは軽く驚いていた。
 そうか、リーベリという種族には、そういうこともあるのだったかと、今更になって思い出していた。
 膣の奥から、何かが出て来ようとしている。
 今までピストンをしていた指先に、そのぶつかってきた何かの感触はとても硬く、表面が丸っこい。しかし粘液を帯びてもいるために、だからヌルヌルとした感触に押されるように、だんだんと指を引き抜いていく。

 こっぽりと、卵が出て来た。

 親指よりも大きいか否かの、楕円形のそれが出て来た時、ユーシャの中でますます理性が揺らいでいた。
 こんなことをしている時点で、タガなどとっくに外れている。
 だが、まだ外れずに残っていたものさえ取れてしまったようにして、ユーシャはこの瞬間に次の衝動へ駆られていた。

     *

 ユーシャは自らの性器を擦りつけていた。
 ラファエラの片足を持ち上げて、身に抱き締めるようにして力強く抱えたまま、腰を前後にくねり動かす。散々に濡れたアソコから、ユーシャのアソコにも愛液は濡れ移り、滑りの良い二つの貝は、情熱的に絡み合っていた。
「はぁ……はぁ……はふっ、あぁ……あふぁ…………」
 その摩擦が刺激となり、ユーシャ自身にも甘い快楽がせり上がり、頭がぽーっとしたようでいて、責める動きに緩みの出る気配はない。
「あっ、こんなの……ほんとうに初めて……!」
「ラファエラ……!」
 ヌルヌルと滑りの良い貝合わせから、ユーシャ自身の愛液も分泌されて、両者の体液が擦り合わさり、混ぜられていく。
「んっ、あっ、あぁ……」
「あぁ……んぅ…………」
 どちらの息遣いも熱っぽい。
 ラファエラはシーツを握り締める一方で、ユーシャは抱き締める力を強め、どちらもアソコに甘ったるさを感じている。快楽という、目には見えない何かが広がることで、それが細胞を染め上げているような、不可視のものが膨らむ感覚を味わっていた。
 細胞が溶けてなくなるイメージの少しでも湧くような、しかし快楽に他ならない感覚に、ユーシャもラファエラもうっとりと、浸り込んでしまった眼差しだった。
「あっ、んぅ――」
 そのうち、ユーシャの中で何かが高まる。
 ゆっくり、じわじわと膨らんでいたはずの感覚は、まるで急速な膨張を始めたようだ。もっとゆっくり膨らむはずだった風船に、破裂しようとお構い無しの勢いで、一気に空気を流し込んでいるようだった。
 その一気に膨らむ感覚から、ユーシャは己の絶頂を予感する。
「えっ、うそ――また――――」
 その時にはラファエラも、何かに翻弄されたようにして、よがるように何度も何度も、しきりに拳の位置を変えながら、やたらにシーツを掴み直していた。

「んぅぅ――――」
「んぁぁ…………!」

 二人、同時に絶頂していた。
 どちらの頭の中でも電流が弾け、中身は一瞬だけ真っ白に、そして放心しきった表情を晒した時、再び卵は排泄されていた。
 性器の密着し合った状態から、ラファエラの膣から出て来たそれは、ものの見事に先端でユーシャのワレメを切り開く。粘液をまとって滑りが良く、なおかつユーシャ自身の膣内も濡れていたこともあり、それは挿入されていた。
 まるで人の手で卵形のピンクローターが押し込まれてくるように、ユーシャの中にはそれが入り込んでいた。
 受け取ってしまったのだ。
 誰の精子が入ったわけでもない、無精卵を下腹部に収めたユーシャは、生物としてよからぬことをしてしまったような、奇妙な背徳感に駆られていた。
 何か生まれるわけではない。
 しかし、愛しい相手の子種を受け取り、腹の内側に愛の結晶を収めてしまったような感覚が確かにあった。
「ねえ、まだ続けるの?」
 そして、そんなユーシャへと、まだ続けて欲しいかのような、求めんばかりの眼差しが向けられている。
「そうね。続けましょう」
 熱に満ち溢れた時間はまだ続く。
「ねえ、今度は……」
「なに?」
 何かを告げようとしてくるラファエラに、ユーシャはそっと耳を近づけ、可愛らしい声での囁きを聞き取った。
 そして――。

 ユーシャは四つん這いとなっていた。

 両手にシーツを掴んでの、頬を押しつけた尻の高らかな体勢で、ユーシャは下腹部を晒している。
「んっんっんっんぅぅ…………」
 今度はユーシャが責められていた。
 散々、自分がしてもらったのだからと、お返しがしたいというラファエラの望みを聞き入れて、その指遣いを受け止めているユーシャなのだったが、顔は必要以上に染まっている。
「ユーシャさんも、こんなに濡れていたんだね」
 関心したようなラファエラの声が、自身の尻の向こうから届いて来る。
「ねえ、恥ずかしいんだけど……」
 この姿勢では肛門まで丸見えなのだ。
 右手の指ではワレメをなぞっている一方で、左手は尻たぶに置かれた上、ぐにっと食い込みまでしているのだ。お尻の穴は当然のように見えており、視線も注がれていることだろう。
 上下の穴の、どちらも見られていると思うと、羞恥心を煽られてたまらない。
「えぇ、でも、いいでしょ? ユーシャさん」
 その甘えた声は凶器である。
 断れない。
「わ、わかったから……好きにしなさい……」
 観念したようにそう答えると、即座に指は活発化して、ワレメの上でくねり動いた。
「んっんぅ――――!」
 そして刺激が強くなる。
 きっと、このまま自分はイクのだろうと、ユーシャは予感しているのだった。
 イクだけではない。
 この絶頂で飽きることはなく、濃密に絡み合う時間は、まだまだ長らく続くのだと、そんな予感さえ胸にしているのだった。


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