AKUMAとの戦いで疲労困憊、眠りから覚める様子のなくなったリナリーを前にして、探索部隊の男が劣情を膨らませる。


スリープリナリー


 ようやく小屋まで辿り着いた。
 気を失った人間を安全な場所まで運ぶというのは重労働だ。ここまで来るのに苦労して、ようやく彼女をベッドに寝かしつけると、彼はぐったりと床に倒れて、怠くなった手足に生気が戻るまで、ぼーっと天井を眺めていた。
 リナリー・リーが眠っている。
 戦闘で多数のAKUMAを相手して、辛うじて全滅させたはいいが、疲労困憊もいいところだろう。おまけに人を眠らせる能力の持ち主が混ざっていて、戦闘中はどうにか堪え抜いてくれたのだが、戦い終わって気も抜けて、眠気に勝てなくなるのも無理はない。
 そとには雪が積もっており、気温も低い。
 外に寝かせておくわけにもいかず、拠点の小屋まで苦労して運んできたwかえだった。
「とにかく、まずは連絡を……」
 彼は探索部隊のメンバーだ。
 世界中の情報を集中し、イノセンスが起こしたと思われる奇怪な現象を発見した時、現地でまず調査を行う。本当にイノセンスであると判明すれば、エクソシストを呼び寄せて、共に回収に当たるというのが職務である。
 怪奇現象はイノセンスの存在を示すわかりやすい目安だ。
 この土地には季節外れの冬が訪れており、暑い陽射しが差すべき時期に、雪の作り上げた真っ白な景色が広がっている。森の大地一面と、緑の生い茂る葉の全てが雪に飲まれて、異常気象はすぐさま報道されたため、探索部隊はすぐに情報を掴んで調査した。
 そして、エクソシストと共にイノセンスの回収に向かった結果が、彼の疲労感たっぷりの表情と、眠りの深いリナリーというわけだ。
 彼らは最初、四人だった。
 エクソシストはリナリーに加えてもう一人、探索部隊のメンバーは二名、計四名だったのだが、戦闘のどさくさではぐれたきり、二人は安否不明の状態に陥っている。
 イノセンスの回収を考えるのはAKUMAも同じだ。
 同じものを追いかければ、必然的に出会うことになり、だからエクソシストの同行もあったのだが、相手の規模が想定以上のものだったためにこの状況だ。危機は脱したからいいものの、新しいAKUMAが来ないことを祈るばかりだ。
「……よし」
 少し休んだところで起き上がり、無線機での連絡を試みる。
 そうしたところ、無事に通信は繋がって、あちらも空き家で休息を取っていることがわかった。お互いの状況を確認し合い、合流場所について相談して、通信を切ったところでようやく肩が軽くなる。
 ひとまず、これで安心か。
 イノセンスの回収は向こうの二人が完了し、そしてこちらは――リナリーはAKUMAを殲滅している。残るは帰還だけなのだが、リナリーがこの調子のため、出発は夜が明けてからにしようと伝えてある。
 つまり、今夜は二人きりだ。
「そっか。女の子と……」
 つい先ほどまで命からがらの状況で、連絡がつくまで仲間の生死もわからなかったので、気にするどころではなかったが、そういえばリナリーと二人きり、他の誰もここにはいない。やましい気持ちを湧かせるには十分なシチュエーションだ。
 それは良くないことだと、良心が訴えかけるが、ここまで運んで来た上に、ベッドまで与えているのだ。せめて寝顔を眺めるくらい、罰の当たることではないだろう。
 その程度の役得は欲しいと思い、彼はリナリーのベッドへ近づいた。
 とても綺麗な寝顔だ。
 長々としたツインテールの髪と共に横たわり、童話のお姫様を思わせる静かな顔でまぶたを閉ざしている。見れば見るほど、職人の仕立てた芸術的な人形に見えてきて、気づけば彼は髪の一房を持ち上げていた。
 とてもサラサラしている。
 それに何だか、この香りはシャンプーだろうか、香水だろうか。良い匂いが漂って、鼻孔に流れ込んでくるために、もっと嗅ぎたいとばかりにすーっと、彼は鼻で息を吸い上げていた。
「すごく癒やされる……疲れが消えそうだ……」
 うっとしとしているうちに、もっと濃密な癒しを求めたいような邪念が湧き、男は急に一人でそわそわする。
 今なら誰も見ていない。
 目撃される恐れなどないのだが、考えついてしまった内容は、やはり人には知られたくないものである。小心な彼の挙動は、いざ手を伸ばそうとした瞬間に、後ろから急に人が入ってくるのではと想像して、しきりに周囲を気にするものとなっていた。
 誰から見ても、今の男は挙動不審だ。
「落ち着け……落ち着け……」
 胸に手を当て、自分自身を沈めようとするのだが、なかなか動悸は収まらない。
 収まるどころか、逆にズボンの内側が膨らんで、下着を突き破らんばかりにまでなっていた。
「何を考えているんだ。俺は……」
 AKUMA達を前にして、リナリーがいなければ命はなかった。
 しかし、その戦いぶりを思い出すと、感謝の念と同時に邪念も浮かぶ。ああも強い少女が今は眠りに落ちたまま、目覚める様子がない事実は、たまらなく劣情を煽るのだ。
 もっとリナリーを味わいたい。
 いや、人としてそれはまずい。
 邪念と良心のせめぎ合いで、その落としどころとして彼はまず、せめてもっと顔をよく眺め、少なくとも寝顔くらいは楽しもうと迫っていく。頬や唇の質感を見ておこうと、顔を近づけた上で観察すると、見るからにツヤツヤの肌に、ぷるっと水気を含んだ桃色は、かえって邪念を膨張させた。
 邪念を沈めるどころか、逆に膨らんできてしまった。
「駄目だ。触ってみたい……」
 ロングコートから見える太ももの、黒い服とは対照的な美白ぶりは、ますます視線を引き寄せる。あまり厚着ではないものの、雪はやんでいるからと、薄手のコートにシャツを来ただけの格好で済ませたリナリーから、コートの丈さえずらしてしまえば、黒い靴とスカートのあいだにある眩しい領域が目を引いて仕方がない。
 その魅力に良心は薄れていく。
「少しだけ……一瞬だけ……」
 男は恐る恐る手を伸ばし、惹かれるように太ももへ手を置いた。

 ドクッ、

 と、触れた途端に心臓が跳ね上がる。
 まだ脚だけとはいえ、たった今この瞬間、犯罪に手を染めてしまったことの焦燥感と、それでも手の平が心地良く、もっと撫で回したいような衝動が同時に膨らむ。自分がどんな最低なことをしているか、その自覚はありながらも、もう手を引っ込めることができずに、男は太ももを揉み始めてしまっていた。
 これ以上はまずい。
 ここで手を引かなければ、もう己の暴走を抑えきれない。
 そうと自覚していながら、彼は止まることが出来ずに活発に撫で回し、徐々に目を血走らせていた。
「だ、だいたい――俺は童貞なんだ――――」
 だからどうした、理由にならない。
 三十半ばで、まだ一度も異性との経験がない男にとって、ひょっとすれば今この場で、眠ったリナリー相手になら、童貞を捨てられるかもしれない期待感は、途方もなく魅力的なものだった。
 セックスとはどれくらい気持ちいいものだろうか。
 他ならぬリナリーへの挿入は、どれほどの充足感を伴うものか。
 想像すればするほど、脳には欲望の電流が駆け巡り、良心は狂っていく一方だ。太ももに触っているだけでさえ、こんなにも心が震えるなら、その先へ進めば一体自分はどうなるのか。少しでも期待を膨らませれば、心の中でまた何かがが外れてしまい、もう自制心を保ってなどいられない。
「無理だ。我慢なんて……」
 もう堪えきれない、触ってやる。
 男は衝動に飲み込まれ、リナリーの頬に指先を触れさせていた。ぷにりとして、柔らかくツヤツヤと、あまりにも素晴らしい肌の質感が伝わってくる。首筋のラインをなぞり、肩に触れ、恐る恐るといった具合に胸のところに手を置くと、コートやその内側の衣服を介した感触は、途方もない魅力を持って手の平に跳ね返る。
 男はますます狂っていた。
 脳に走る電気はますます強力なものとなり、良心は壊れていった。
 もう自制心が働かない。
 ブレーキが外れたことで、もはや味わうことしか考えられなくなっていき、男はそのまま指を活発に蠢かせた。コートの厚みとシャツを介して、さらにブラジャーまで挟んだ胸は、それでも揉めば柔らかさが読み取れて、指がいくらでも暴走して踊り回った。
「こ、これがおっぱいか!」
 指を踊らせるだけでなく、表面を撫で回すようにしてみながら、皮膚感覚を駆使して形状を確かめることにも腐心する。
 そして、次に男が目をやるのは、黒い靴とその下に穿くソックスだった。
「そういえば、靴を履いたままベッドだなんて」
 今更になって気づいたように、男はブーツを脱がせにかかる。
 もちろん言い訳だ。
 ベッドを汚すだの、常識やマナーとしておかしいだの、そういったことは二の次で、男はただただ生足を見たいのだ。
 リナリーの武器であるイノセンスを引っ張ると、それまで隠れていたふくらはぎが剥き出しに、男はますます興奮して生唾を飲んでいた。
 どちらののブーツもソックスも脱がしきると、そんな趣味はなかったはずなのに、何故だか衝動的に鼻へ近づけ、匂いを確かめることまでしてしまっていた。人間の持つ臭気は、美少女だから良いものに変わるとは限らなかったが、それがリナリーのものだと思うと、不思議と堪能できてしまった。
 ここまで来たら、もうコートも脱がせよう。
「ゆ、雪だ。濡れていたことにしよう」
 言い訳を思いつき、手前のボタンを取り外す。
 閉じ合わさっていた部分へと、少しずつ隙間を作っているだけで、これさえどこか興奮する。コートのボタンを外す自体は、肌が見えるわけでも何でもないが、さらにその先まで脱がす予定のある男にとって、これはまず第一歩である。
「ほら、濡れてるから……ぬ、脱がないと……風邪を引くから……」
 言い訳を口ずさみ、外しきる。
 コート一枚ならいざ知らず、どうせ中身のシャツも脱がせる気でいるくせに、風邪も何もあるだろうか。などと思いこそしていても、とっくに自制心が麻痺しきり、暴走している彼の手は、止まることなどありえなかった。
 すぐに左右に広げてはだけさせ、内側のシャツを持ち上げると、白いブラジャーがあらわとなって、男は即座に顔を接近させていた。ギラついた眼差しで、ハァハァと犬のように荒っぽい息遣いで、ブラジャーの繊維の質感から、細やかな刺繍にかけてまでを目でなぞる。
 まるで記憶に焼き込んで、下着を性格に覚えておく義務でもあるように、男は必死に視姦していた。
 その熱っぽい息遣いが湿気を宿し、リナリーの皮膚にかすかな水分を与えていることに、彼自身は気づいていない。
 見るだけ見れば、当然次は揉むことを考える。
 男は夢中で揉みしだいた。
 胴に馬乗りになってまで、両手で激しく味わって、指が踊る分だけブラジャーは変形を繰り返す。
 一心不乱に揉んでいるうち、それがフロントホックであることに気づいたのは、乱暴なあまりのせいか偶発的に外れかけてのことだった。前で外れることに気づくなり、これ幸いと男はブラジャーのカップを解放し、内側に隠れていた美乳を解き放つ。
 見た瞬間、衝撃に打ちのめされた。
「綺麗だ……!」
 美麗な芸術でも前にして、問答無用で心を震わされたような感動に打ちのめされる。白雪の降り積もり、柔らかに形成された美乳の上に、綺麗な乳輪の広がる景色は、美術品の鑑賞をしている気にさせられる。
「こ、これを……触り放題…………」
 そう、誰にも咎められない。
 リナリーも起きる様子はない。
 美乳に直接手を重ね、生肌を揉みしだくと、衣類を介していた時とは違い、もっと心地良いものが手の平には返ってくる。もっちりとしているような、しかし表面はスベスベと、サラサラとしている感触がたまらずに、男は完全に鼻の下を伸ばしきり、夢中になって、血走った目で胸を揉む。
 撫で回すのは乳房だけに留まらない。
 ついでのように、腹や腰にも手を這わせ、せっかくだから色んな部位に手垢を残し、リナリーの感触を少しでも強く記憶に刻もうと努力していた。
 ああ、そういえば唇も可愛らしい。
 薄桃色の部分に惹かれ、男は吸い込まれるように指を運んで、潤いに満ちた部分を撫でてみる。たっぷりと水分を帯びた唇は、ほどよく水気を含んでふっくらしている。見た目だけでも美味しそうに見えるのに、感触まで優れた唇にますます惹かれ、男は衝動のままにキスをしていた。
 これがファーストキスだった。
 だが、眠っているリナリーにとって、これは起きていない出来事なのだ。
「そうだよな……」
 寝込みを襲っているに過ぎない自分は、リナリーの交際相手になれるわけではない。このたった一度きりのチャンスでしか、リナリーを味わう機会など得られようはずもない。
 だったら、この二度とないチャンスを活かし、最後の最後まで楽しんでやる。
 負の決意を固めると、口内に唾液を作りだし、わざわざ汁気を帯びさせた状態で、改めて口づけを行った。まずは軽く触れ合わせて、改めて味わうと、男の唇を介してリナリーの唇へと唾液の汁気は移る。
 唇を離して隙間を作れば、そこには微妙な糸が引いていた。
 リナリーに汚れをつけた。
 マーキングをしてやることの面白さに、男はさらに唇を押しつけて、今度は大口を開けて頬張り始めた。飲み込もうとする勢いで味わって、舌を差し込もうとまでして行うキスで、リナリーの唇の隙間へと、その通り男の舌先は侵入する。
 その一方で胸も揉む。
 上から覆い被さって、太もものあいだには自分の脚を絡め合わせて、口周りを蹂躙しながら乳房も味わう。気づけば腰も擦り動かし、股間を少しでも太ももに押し込んで、肉棒を介して肉体を感じ取ろうと動いていた。
 舌先で歯をなぞり、それをいいことに舌を伝って唾液を送り込み、リナリーの中へ自分の遺伝子を味わわせる。体内にまでマーキングをしたと思ったら、興奮はより一層のものとなり、男はたまらずズボンを脱ぎ散らかしていた。
「や、やるぞ……」
 最後までやってやる。
 AKUMAの力で眠ったのなら、そう簡単には起きないはずだ。
 男はリナリーのスカートに目をやると、丈を捲って白いショーツを確かめる。刺繍に彩られた可愛い下着を視姦して、興奮混じりにそれを脱がせる。下へと引っ張り、徐々に現れる下腹部を血走った眼差しで視姦した。
 そのためだけに、ゆっくり下げた。
 さっさと脱がせることもできるのに、少しずつ脱げていく有様を見たい思いで、彼は少しずつ少しずつ、ショーツを下へとずらしていく。やがて性器が露出しきって、ショーツが太ももを通過した時、そこで初めて男は一気に脱がせにかかった。
 その脱がせたばかりの下着を握り、両手の中で弄ぶと、脱ぎたての体温は当然味わう。
 しばしショーツを楽しんでから、男は改めて下腹部に視線をやり、可愛いワレメやささやかな陰毛を観察した。
 アソコに顔が近づく形で蹲り、できる限り接近させての視姦によって、最初のうちはもっぱら目だけで舐め回す。やはり乳房と同じく綺麗なもので、眺めるだけでも楽しめてしまう部分はあるが、彼はやがて指を置き、ワレメを上下になぞり始める。
「ほ、ほぐさないとな……」
 どうせ道を踏み外し、強姦に走るのだ。
 せめてもの良心として、男は指でワレメを揉み、膣を少しでもほぐしてやることにした。事前に揉んでおくことで、多少なりとも痛みが和らぐと思ったのだ。
 だが、童貞である彼には、生まれて始めて生の女性器に触れるというのは刺激が強い。
 何かとてつもない宝に触れてしまい、貴重な体験でもしてしまったような感覚に、酔いでもしたように頭が揺れる。自制心などとっくに壊れているから、ここまでの行動に走っているが、それにしたって理性を粉々にする威力があった。
 今からここに、自分のペニスを挿入する。
 その予行演習とでも思って、膣口を指で見つけて、試しに埋め込む。
 すると、膣壁の持つ温度が伝わって、男はそれに興奮しながら、最初は指の出し入れから開始していた。
「起きたらどんな顔をするんだか」
 当然、それは気が気でない。
 こんなことをしていながら、小心者でもある男としては、できれば最後の最後までバレることなく、何事もなかったように済ませたい。ここはリナリーが戦闘で抱えた疲労と、AKUMAの能力に期待しておこう。
 眠らせる能力で眠っているなら、普通の睡眠よりは起きにくいはずなのだ。
 そんな根拠があるわけではないのだが、男はそう固く信じていた。
「感じてるのか? 寝ながらでも」
 出し入れを続けているうちに、リナリーのアソコからは、何やら分泌液の気配が出る。最初に挿入した時点では、最低限の湿り気しかなかったところへ、少しずつ汁っぽさが滲んできて、指の抜き差しは活性油のおかげで少しずつスムーズになっていく。
 ぞくぞくしてきた。
 意識がなくとも肉体は反応して、外部からの刺激に対してアソコは準備を整えている。膣壁に加わる刺激によって、リナリー本人の知らないうちに、肉体的にはセックスの準備が整い始めている。
 あと、どれくらい指でしておくべきか。
 試しに一度抜いてみたなら、表皮にまとわりついた愛液で、男の指はぬらぬらと輝いていた。それを改めて挿入する時、最初に入れた時に比べてあっさりと、明らかにスムーズに沈み込むので、活性油がいかに役立つものかを実感によって思い知る。
 男は数分、刺激を繰り返した。
 さらにもう少しだけ愛液が出るのを待って、このくらいだろうかと思ったところで引き抜くと、指とワレメのあいだにつーっと、銀色の糸は伸びていた。
 出し入れだけには飽き足らず、中身を開いて見てみたいとも思い始めた。
 男はリナリーの顔の隣へショーツを置き、脚を持ち上げる作業に移る。寝ている人間の手足を動かし、姿勢を変えさせるのは労働だ。本人に姿勢を維持する意思などあろうはずもなく、持ち上げたものから手を離せば、浮かんだ脚はその場でシーツへ沈み直す。
 男はそんな両足をどうにか持ち上げ、リナリーの太ももの下へ、自分の脚を敷くことで、シーツへの落下を防ぐ。肩に膝を乗せてみて、担ぐようにしてみるなど、方法を模索しながらM字にさせ、ワレメにぐっと顔を近づけた。
 いよいよ中身を覗き込む。
「おおっ」
 桜色の宝石でも眺めるような色合いに感激して、興奮に鼻息を荒げると、男は口まで駆使してアソコへの刺激を始める。一心不乱に舐めしゃぶり、膣口に舌を押し込もうとしてみたり、クリトリスを舌先でつついたり、夢中になって刺激していると、舌には愛液の味が広がっていた。
 それにアソコの方も、愛液だけでなく、唾液によっても濡れている。
 さすがに準備万端だろう。
「よ、よし! やってやる! 入れてやる!」
 いよいよ先端をワレメに接触させると、男は改めて心臓の鼓動を早めていた。
 鼓動のあまり、男は手で自らの胸を押さえていた。
 だがもう、やはり自制心など働いていない。さすがにまずい、やめておこうと思う感覚が正常に働いていたのなら、始めから下着を脱がせなどしていない。
「やるぞ……!」
 もう止まらない。
 ここまできて、やめたりしない。
 ただ、こんな挿入している最中にリナリーが起きてしまったら、どう足掻いても言い訳は不能である。その恐怖を小心な彼は最後の最後まで抱えていたが、それがブレーキとして働くことはなく、まずは切っ先がワレメを割り裂いた。
 先端部が刺激で震える。
 まるで細胞の一つ一つが激しく振幅して、溶けるか沸騰をするように、切っ先が激しい何かに見舞われている。
「おっ、おぉぉ……!」
 なんて快楽だ。
 男は感激しながら腰を進める。
 その太さに対して、膣口はやや小さいが、構わず押し込んでいくことで、幅の微妙に足りない穴を拡張させる。閉じ合わさっていた膣壁は、進行に合わせて丸く広がり、たちまち亀頭まで飲み込むと、あとは一気につるっと滑り込むように、かえってあっさりと根元まで埋まってしまった。
 肉棒全体が熱っぽいぬかるみに包まれている。
 天国のような快感に、男は興奮に憑かれたように腰を振り、ベッドをギシギシと鳴らす激しいピストンを行った。
「はぁ……! はあっ、気持ちいい……気持ちいい……!」
 両脇には足を抱え、まるで椅子の肘掛けに腕を通しているような形となって、男は腰を振り込んでいる。
 無我夢中だった。
 眠っていても、肉体には反応があるせいか、リナリーの面持ちはどこか苦しげに見えてくる。息遣いを少しばかり荒くして、頬に赤らみを帯びさせた表情は、いかにも色気に満ち溢れ、ただでさえの興奮はさらに膨らむ。
「はっ、はあっ、はあっ、はぁ……はぁ……はぁ……!」
 男は改めて覆い被さる。
 リナリーの唇を頬張って、舌で激しく舐め回すと、口周りが唾液を帯びて輝いた。さらに乳首をしゃぶり回すと、どちらの乳輪もやはり唾液を帯びてぬらぬら光り、そのあいだにも腰は動かし続けている。
 愛液が増えているのか、結合部の音に意識をやれば、ぬちゃぬちゃと水音が聞こえてくる。
 射精感が迫ってきた。
 亀頭に至っては、もうとっくにカウパーを出している。その透明汁と愛液が混ざり合い、膣内で捏ね合わされて、既に泡立ってしまっている。
 堪えきれない。
 射精への衝動をどうしても抑えきれずに、しかし寸前のところで男は肉棒を引き抜いた。中出しだけはまずいと思う良心が、辛うじて残っていたのだ。
 引き抜いた瞬間の、表面がすっかりオイルを纏ったような、輝く肉棒がワレメの上に、リナリーの下腹部に乗せられる。

 ドビュゥ! ドクッ、ビュルン! ビュルルル!

 脈打ちながら精液を吐き出すと、その噴火が乳房や顔へ噴きかかる。下乳へ打ち込まれ、顎も撃つ上、頬や口周りに付着したばかりか髪すら汚れ、リナリーの体中が一瞬にしてべったりと、まんべんなく精液を纏っていた。
「はぁ……はぁ…………」
 気持ち良かった余韻の中で、男はそんな汚れきった姿を眺める。
 ああ、そうだ。
 そういえば、カメラを持っているはずだったと思い出し、ゆっくりとベッドを降りると、男は思い出の写真をデジタル内の記録に残す。顔も、胸も、アソコも収め、満足ゆくまで撮影したところで、やっと彼は精液を拭き始めた。
 頬には赤らみが残っている。
「感じてくれたのか……」
 胸が震えた。
 眠っているリナリーは、今まで犯されていたことなど、もちろん知りもしていないはずなのだが、自分の肉棒で快楽を感じていたのかと思ったら、満足感でたまらない。感じさせてやったのだという、手柄でも得たような気持ちになって、男は得意満面だった。
「さあ、綺麗にしてあげるからね?」
 リナリーはまだ起きない。
 タオルを用意した男は、まるで人形の手入れでもするような、大切そうにいたわってやる手つきによって、髪や顔を拭き始める。顔を綺麗にしてやると、次は胸の精液も拭き取るが、そのうちにまた揉みたくなり、男は少し乳房を触る
 だが、射精のおかげか、いくらかの理性は戻っていた。
 少なくとも、もう寝込みを襲った挿入はしない。性交という一線だけは越えないだけの理性が、既に事を済ませてしまった後になって戻っていた。射精で理性が戻るなら、オナニーでもすればよかっただろうかと、頭の片隅では思うのだが、罪悪感よりも良い体験をしたことへの思いが強く、そのせいか後悔も薄い。
 男は服を着せ直す。
 これで何事もなかったようになるはずだと、朝を待つため床の上で毛布に包まる。
 合流の時間を待って、帰還すれば任務は終わりだ。
 やってしまった以上、後悔する気はない。
 こんな、いつ死ぬかわからない仕事をしているのだから……。


コメント一覧

    コメント投稿

    CAPTCHA