宝石商に生まれた光津真澄は、小さい頃から色んな宝石を見て育っているので、宝石に関しては人一倍詳しいし、好きでもあった。
だから、使用するデッキもジェムナイト。
瞳と宝石はどこか似ている。
光の反射で輝いて、人それぞれ彩りの違う網膜は、まさしく宝石特有の光沢に近い。
だから、だろうか。
瞳の輝きを見ることで、不思議とその人の心がわかる。
あの日、真澄には理解できた。
柊柚子の瞳はくすんでいた。
LDSと遊勝塾で三本勝負のデュエルをする時、二回戦目で真澄の相手となった柊柚子は、心に何かの迷いを抱えてデュエルをしていた。
迷いのあまりに瞳は曇り、アクションフィールドの虚像に惑わされ、Aカードと取り損ねた柚子は、モンスターのダイレクトアタックを防ぎきれずに敗北した。
あれは、瞳がくすんでいたことによる敗北。
だったら柚子は、どんな瞳をしていたのだろう。
興味が沸いた。
柚子の本当の瞳なら、果たしてあの場を切り抜けたのか。本当はどんな輝きを持った目をしていたのか。柚子に対する興味が不思議と沸いて、ずっとずっと気になっていた。
そして、舞網チャンピオンシップ――。
アクションデュエルの最終局面で、お互いに一枚のAカードを狙った時、柚子の披露したダイビングキャッチに度肝を抜かれて敗北した。
もう、瞳はくすんでいなかった。
アクシデントで高所から落下しかけた真澄を助けた時、柚子の瞳には以前はなかった力強い輝きが宿っていて、宝石好きな真澄が思わず見惚れてしまうほどの美麗さを放ったのだ。
反射的に顔が赤らみ、あの時は目を背けてしまった。
――ドクン。
胸が強く引き締まった。
この感情は何だろう?
柚子の笑顔が頭に張り付き、心の中がみるみるうちに彼女のことばかりで満たされていく、この感じは――。
真澄は自覚してしまった。
初めて柚子とデュエルをしてから、一体自分が今までどんな気持ちを抱き続けてきていたのかを……。
そうとわかった真澄は、夕方に柚子を待ち伏せた。
会場の外で、他の塾生の仲間と共に帰り道を歩んでくる柚子の姿を見止めた時、真澄はすぐに柚子の元へと駆けつけた。
「――柊柚子!」
呼び止めるようにして、真澄は柚子の前に出た。
「真澄……!」
「あなた。私に勝った以上は、このままずっと勝ち続けなさいよね!」
「……えっ?」
「優勝も出来ない相手に負けたなんて、私絶対に我慢できないから!」
驚く表情の柚子へ詰め寄って、真澄は言う。
「……だから、これ」
そうして、一枚のカードを柚子に差し出した。
例えるなら、点数の悪いテストを親に見せる時の気まずさと不安を束ねたような口ぶりと、しぶしぶ渡すかのような挙動を合わせて――。
しかし、もっと切ない感情を柚子に抱いて、形に残る品物を柚子に持って欲しいというそれ一心で、真澄は自分のカードを柚子に託した。
「これって、クリスタル・ローズ? なんで?」
「今日のデュエルであなたが見せてくれた輝きには、このカードが必要なはずよ」
自分の与えたものが柚子の強さに磨きをかけ、より素晴らしい瞳を見せてくれるのなら、それが真澄にとって一番の望みといえる。
紅い薔薇の花言葉は、愛情、情熱。
その一枚に真澄が込めたメッセージには、別に気づいてくれなくても構わない。
柚子はどうせ、遊矢あたりが好きなのだろうから――。
だから、その夜――。
その晩、真澄は自分一人で、秘め事に打ち込んだ。
「…………柚子」
あの顔を思い浮かべて、自分を助けたあの優しさを想像しながら、真澄は秘所に指を這わせる。
あの子なら、どんな風にしてくれるのか。
そんな事を考えながら、柚子のするであろう指遣いを想像しての触り方で、真澄はそーっと、表面の産毛を撫でるかのようにして肉貝を指で往復した。
「柚子ぅ……」
切なげに目を細めて。
あの瞳に自分の姿が映し出されることを想像して、甘い想像に浸りながらしているうちに、真澄の瞳はどんどん熱くとろけていき、胸の鼓動も激しくなった。
「柚子……あなたの瞳…………」
手が、活発になった。
スイッチが入ったかのように、真澄は存分に秘所で快楽を味わい始め、愛液を指に絡める。
くちゅり。
膣口から糸が引き、ねばっけある水音が鳴った。
クリトリスは突起して、秘所全体も敏感さを増していく。甘い痺れが下腹部を丸ごと支配して、真澄はうっとり、完全に瞳をとろけさせていた。
「あなたの瞳、とても輝いているわ」
柚子のあの手を想像しながら、真澄はどっぷりと快楽に浸って夢うつつのようになったまま、長く長く秘め事に打ち込み続けていた。
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