大学生の蒔絵ユカは裸でベッドに横たわり、眼鏡をかけた男性の、コンドームを装着した肉棒を受け入れる。
「ん…………」
とても、太い。
穴を内側から押し広げられている感覚に、少しばかり苦しげな色を浮かべるユカは、しかし自分がすぐに快楽に浸ることを知っていた。もう何度目かになるセックスで、この男の一物に慣らされて、苦しいのは入れ始めだけなのだ。
根元まで入った時には、あまりにも早く馴染んできて、ピストンさえ始まればすぐに気持ち良くなる自分の状態を自覚していた。挿入前の愛撫は丁寧で、十分に濡らされたアソコであることは、とても大きな要素といえた。
「ではユカさん。今回のはイボイボ付きのコンドームで、イボが膣壁を引っ掻くことで、それが刺激となって気持ちいいという商品になります。イボの固さや材質については、いくつかパターンを用意してありますので、その都度付け替えていくことになります」
枕に頭を沈めるユカは、そんな男の説明を聞きながら、アソコの中に入った肉棒の感触に意識をやる。両手が乳房に伸びてきて、おもむろに揉み始めるが、裸の仕事とあっては異議を唱える気にはなれなかった。
これは高額バイトなのだ。
田舎から東京に出て、一人暮らしの生活費を稼ぐため、バイトと勉強を両立するも、バイトを増やせば勉強や遊びの時間が失われる。勉強に集中するにも、バイトの時間がネックとなり、だから短時間で高額を稼げるという条件は、ユカには魅力的なものだった。
何より、体は売っても風俗ではない。
コンドームモニターのバイトなのだ。
実に抵抗は強かったものの、田舎で両親が事故に遭い、医療費のために仕送りが出来なくなるという連絡を貰ってから、生活費の問題が切実になるにつれ、こういうバイトもやむを得ない状況になっていたのだ。
「それではね。動いていきます」
男が腰を振り始めた。
「んっ、んう……はっ、くぁ――…………!」
膣内に出入りするのは、イボと言われた通りに肉棒全体が突起物を纏ったもので、それが内側を引っ掻いている。
ちゅくり……ちゅくり……と、出入りの際に、粘液を捏ねる水音が聞こえて来る。
……気持ちいい。
「んっ、んぁっ、あっ、あふっ♥ あふぅ♥ あぁん♥ ああん♥」
動きが活発になるにつれ、大きく声が出てしまう。
イボが膣壁を引っ掻く勢いは、決して負担をかけてくるものではなく、むしろほどよいザラつきとなって内側を磨いてくる。
しばらく激しく動いた男は、数分ほどで動きを止めた。
ベッド横に置いたキャスター付きのワゴンの上から、タブレット端末を手に取るが、それは電子書類への記入を行うためだと知っている。撮影されるわけではないので、ユカも決して焦りはしない。
「さて、どうでした?」
「そうですね。イボは柔らかめで、引っ掻くのも優しい感じで、表面にジェルがあって滑りもいいので、ザラザラっとしてくるというか」
「ほう。ザラザラですか」
「ほら、このイボって、先っぽが丸いですよね。先端が鋭いと痛いんでしょうけど、形がしっかりしていて、気持ち良くなりやすいんだと思います」
「ふむふむ。なるほどねぇ、先っぽの丸さに、材質の柔らかさと……」
男はタブレットの画面に専用のペンを叩きつけ、どうやら書き込みを行っている。タッチ画面用のペンで液晶を引っ掻く音は、文章を手早く書き込んでいるものだとわかる。
ひとしきりの記述を終え、肉棒を引き抜くと、新たなコンドームに付け替えて再び挿入を行った。
「んぅぅ……! い、いた…………!」
根元まで埋まった時点で、入り込んでくる際の、先端が鋭く材質も固いイボにより、膣壁を引っ掻くように削られたような感じがした。まるで穴の内側にひっかき傷を作ろうとしてくるようで、こちらは気持ち良くなれそうにはない。
「痛いですか?」
「は、はいっ、今度のは……固いというか、イボの当たり方が…………」
「でしたら、十秒か二十秒くらい動いて、短いピストンで済ませようと思いますが、どうしても痛ければすぐに言って下さい」
「はい……っ」
「では……」
「うっ、んうぅ……い、痛い……これ……駄目だと思います…………」
「わかりました。これはやめにしましょう」
肉棒を引き抜いて、やはり次のコンドームに付け替える。イボ付きコンドームを発売するため、似たようなもののバージョン違いをいくつか作り、イボの材質や柔らかさもそれぞれ変えているという。
今日のセックスは、つまりどのイボが一番気持ちいいかというものだった。
イボの存在が負担にしか感じられないもの、サイズが小さいあまりにイボの存在を感じられないもの、痛いもの、気持ちいいもの。痛いものはどうして痛いか、気持ちいいものは何が気持ちいいか、そういったことを少しでも説明的な言葉に変えていく。
ユカが述べた感想や意見の数々は、商品を紹介するための説明文として、ひょっとしたら使う可能性があるのだとか。
「では最後に、一番気持ち良かったと思うゴムを使って、私の射精までお付き合い頂きたいと思います」
風俗嬢になったわけではない。
しかし、体を売ってはいる。
そんなバイトであるからには、最初に付けたコンドームを指定して、あとはただ気持ち良くなるためのセックスを開始する。
「あぁぁぁぁぁぁぁ…………♥」
ユカはよがった。
正常位で覆い被さり、目の前の視界を逞しい胸板に塞がれて、ユカは自然と男の肩に両手をかけ、足をビクつかせながらよがっていた。
「あっ♥ あっ ♥ あふっ♥ あっ♥ ふあっ♥ ひあっ♥ ああっ♥」
男の肉体がさらに重なり、その体格によって乳房が潰れるほどの密着が行われ、ピストンのために弓なりとなる腰と股のあいだだけに、活発な動きに応じた隙間がリズミカルに開いては閉じている。
そして、絶頂した。
足首を痙攣のように震わせながら、全身をビクつかせ、ぐったりと果てたユカの膣内ではコンドームが精液で膨らんだ。それが引き抜かれても終わりではなく、新しいゴムに付け替えた男は、次の体位を指示して来るのだ。
「バックからいきましょう」
「は、はいっ♥ お願いします♥」
あまりにも気持ち良かった。
薄らと残る理性で、何を淫らになっているのか。みっともなく尻を差し出し、まるで犬が尻尾を振ってみせるかのように振りたくり、挿入を今か今かと待ち侘びてなどいるわけか。自分がいかに快楽に染まっているか、心のどこかで自覚しながら、一度入ったスイッチは、興奮が静まるまではどうにもならない。
「あぁぁああ♥ あ♥ いい♥ いいのっ、ああん! う、後ろから♥ あっ、イイ♥ これ大好き♥ 大好きです♥」
すっかり性の虜になって、ユカの尻には男の腰が打ちつけられる。
パン! パン! パン! パン! パン! パン! パン! パン! パン!
腰を両手で捕らえた男の、実に逞しいグラインドが、ユカをいくらでも鳴かせていた。
「あぁ♥ あふぅ――んぅ――んぁぁ――――――」
相手の姿が見えない位置から、背中と尻を上から眺められている状態での、支配権を与えてしまったかのような性交は、ユカを大いに興奮させた。
やがて絶頂を迎え、このコンドームの内側にも精液が溢れかえる。
三回戦目はどうするか尋ねられ、ユカの答えは「少し休憩してからお願いします」というものだった。
――後日。
『想像以上の気持ち良さで、すぐにイってしまいました。しかもその日は体力が十分に余っていて、何回でも求めることが出来たので、ついつい次を求めてしまい、最終的にはゴムを使い切ってしまいました』
というコメントをユカは書き、これがホームページの商品紹介ページで実際に使われるのだという。声に加工を行い、顔にはモザイクをかけるとはいえ、インタビューで感想を述べる動画まで作成して、女性にも好評だったことを売りにしていく戦略らしい。
「では今日のコンドームですが――――」
そして、また次の開発商品がユカを待つ。
もちろん、最後には濃密なセックスを行った。
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