後編 鈴峰彩花の痴漢AV?

 絶頂後のディープキスを最後にして、映像は少しずつ暗転していく。
 だが、動画としては、時間が半分しか経っていない。
 まだ続きがあるはずだと待ち構え、やがて次の場面が現れた時、映し出されたのはベッドに横たわる彩花であった。
 ただの仰向けなどではない。
 膝が大きく持ち上がり、左右に広がるM字の股へ肉棒が当たっている。コンドームを被ったものの先っぽがワレメを擦り、今にも膣へ潜ろうとしているのだ。
「う、うそ……」
 少年は呆然とした。
 仮にも憧れた彩花の、まさかセックスシーンがあるとは思わなかった。これが既に起こり終えた出来事である以上、彼女がもう処女ではない事実に軽いショックを受けるのだが、元よりチャンスなどないと思っていた少年は、すぐにそんな事より挿入に興味を持った。
 もうこうなったら、彩花が犯される場面を見たくて見たくてたまらない。
『や、やめて……それだけは…………』
 カメラに向かって懇願していた。
 挿入しようとしているのはカメラマンだ。彼女の周囲に膝や腕がちらっと映り込み、周りに銀髪や茶髪がいる事が窺える。
 そんな中、黒髪が画面に顔を飛び込ませた。
『だーめ』
 彩花に対して隣から、ニッコリと一言呟いた。
 カメラが三人の男を捉えた以上、カメラマン自身を除いて他に、誰も挿入可能な位置にいない。
『あっ……』
 カメラを握った腕が結合部に迫ってか、亀頭がワレメへ沈む瞬間が拡大された。
『お願い……それだけはおねが――あっ! あぁぁ――――』
 槍が彼女を貫いた。
 ずん!
 と、力強く、思い切った勢いで肉棒は入り込み、激しいピストンが彼女の体を揺らし始めた。
『あぁぁ! あ! あん! あっ、いやっ! あん!』
 本当にずんずんと貫いている。
 勢いを帯びたピストンで、画面の下部に腹がチラチラと映り込み、その突き上げるパワーが胴に振動を与えている。

 ぷるんっ!

 と、乳房が揺れていた。
 衝撃を受けた巨乳がぷるぷると上下に弾み、その上では顔が左右に振られている。首の活発な動きで髪は乱れて、大きな嬌声と共にシーツを掴んだ。
『あぁっ! イヤッ! あぁぁ――――っ!』
 まるで何かにしがみついていないと耐えきれないようにして、顔の両側に置かれた拳がシーツを固く握っている。その両腕もピストンに合わせて小さく動き、今や頭のてっぺんから爪先まで、彩花の全身が快楽に反応していた。
『あぁ――あっ、い、イク…………!』
 絶頂まで宣言していた。
 無意識に口走ったのかもしれないが、彼女が自らそう口にした瞬間の、少年の胸に溢れた興奮といったらない。
 彩花はビクビクと震えていた。
 握ったシーツを急に内側へ引き寄せて、その拳を耳に触れさせながら痙攣のように震えていた。

『あぁぁぁぁぁぁぁ――――――――――ッ!』

 本当に絶頂している。
 見ればピストンは止まっているのに、まるで素早く小刻みに突かれ続けているように、彩花の体は上下に蠢いているのであった。
『はぁ……はぁ……はぁ……はぁ…………』
 その震えが抜けた途端、今度は息が上がっている。
『イっちゃったの? 彩花ちゃん』
『イクほど気持ち良かったんだねぇ?』
『君って結構セックス好きでしょ』
 大きな呼吸で胸を上下させ、そんな彩花に向かって口々に、男達はからかうような声をかけている。
『そんな……ち、違います! もう帰して下さい! こんなっ、こんな事までして……あっ……!』
 まるで口を封じるように、彩花の胸に向かって左右から、茶髪と黒髪の頭が現れる。同時に乳首へ覆い被さり、ちゅぱちゅぱと音を立て始め、その刺激で喘いでいた。彩花自身の吐き出す声が言葉を中断させてしまっていた。
『あぁぁ……っ! あっ、んっ! んっんっ!』
 その喘ぎ声すら塞がんばかりに、今度は銀髪の男が画面に現れキスをする。唇が頬張られ、乳首もしゃぶられ、男の顔が三つも同時に女体を責める光景に、あの鈴峰彩花がこんな目に遭っていた事実に、少年は動揺ながらの興奮で魅入っていた。
 カメラマンがピストンを再開する。
 ゆさゆさと突き上げる腰使いの果て、やがて達してか途中で肉棒を引き抜くと、被ったコンドームが精液によって膨らんでいた。
 それが交代の合図であったようにして、カメラマンは彩花の体から遠ざかる。
『彩花ちゃーん?』
『次は俺達だからさ』
『ちょーっと、四つん這いになってくれる?』
 銀髪が、黒髪が、茶髪が、爽やかな笑顔で口々に、姿勢を変えるように迫っていた。
『もう……いやです………………』
 涙ぐんだ表情の、震えた声で彼女は拒むが、直後に彼らは腕を伸ばした。一人が二の腕を掴み、一人が頭の下に手を差し込み、仰向けの体勢から無理にでも引き上げていた。
 体を起こされただけなのだが、もうそれで諦めるしかないと悟ったように、彩花はシーツに両手を突き刺す。四つん這いになった時、その背後に着くのは黒髪の男であった。
 彼の肉棒が真っ直ぐお尻へ向かっている。
 丸く綺麗なカーブに突き立てられ、そして徐々に埋まりゆく肉棒が根元まで収まると、黒髪の男は両手でがっしり腰を掴んでピストンを開始する。
『あっ! あん! あん! あん! あん! あん!』
 彩花はたちまち喘ぐばかりか、よがった勢いで頭を上下させていた。刺激のせいで仰け反ってしまうようにして、微妙に胴が曲がって上向きに、彼女の顔は上へ下へと振りたくられ、前髪が額の上で暴れている。
『あぁぁ……! あっ、いやぁ……!』
 バック挿入を横から撮った映像は、乳房のぷるぷるとした揺れも見物であった。お尻にぶつかる男の腰で、衝撃を帯びた胴の下、姿勢のために垂れ下がった双乳は前後に蠢いていた。
 まるで皿を激しく揺らした際のゼリーだ。
 あまりにも柔らかに、そして大胆にぷるんぷるんと揺れ動き、少年は結合部だけではなく、そんな乳房の暴れようにも見入っていた。
『あぁぁっ! あっいやぁ! あっやん!』
 大きな嬌声と共にパンパンと、お尻に打ちつける音がリズムを刻む。
『あっ、いやぁ――い、イク――――――』
 また彼女は、絶頂について口走った。
 次の瞬間だ。

『――あああぁぁぁぁぁぁああああぁぁああああぁ!』

 雄叫びのように一際大きく喘いだ上、急にがくりと姿勢を傾けていた。真っ直ぐだった腕が肘を突き、まるでしがみつくようにシーツへ額を押しつけて、ぷるぷると肩を揺らして痙攣していた。
「また……イったんだ……」
 少年は無意識に呟く。
 そこで黒髪の男は射精したのか、静かに肉棒を引き抜いて、すると糸がつーっと伸びていた。コンドームを被った切っ先とワレメの間で、最初の数センチは真っ直ぐ繋がり、定規一本分の長さを超えたところで下垂を始める。
 ゆうに三〇センチに至ってなお、まだ千切れない透明な蜜糸は、下垂によるカーブを合わせて、実際のところ何十センチに至っていただろう。
 カメラマンが下垂を追いかけ、シーツに出来上がる灰色の薄らとした線が少しの間、アップで舐め回すように映される。
『彩花ちゃん? 次は俺だよ?』
 すぐにカメラの向きは変わった。
 銀髪の男がずっしりとベッドに横たわり、天に向かってそそり立つ肉棒にはコンドームを被せていた。
『ほらほら、彩花ちゃん?』
 そして黒髪の男は背中へ抱きつき、後ろから回した腕で無理にでも彼女を持ち上げる。どこか観念した風に、されるがままに移動させられ、銀髪に跨がる形で膝立ちになった時、彩花は自らの性器を亀頭に被せ、腰を沈めていくのであった。
『あぁん! あん! あん! あん! あぁん!』
 騎乗位による激しい絡みだ。
 それも今度は男の腰使いにやられているのでなく、彩花が自ら上下に弾んでいる。一心不乱に快楽を貪る腰使いで、乳房をぷるぷると揺らして悩ましげに、首を上下左右に振りたくった姿の艶めかしさといったらない。
 始めのうちは横から映し、引き気味の画面の中心で彩花は弾み続けていた。
『あっ! あっ! あっ! あっ!』
 彼女は時に背中を反らし、仰け反り気味に現状を見上げている。そんな反れた背中でなお弾み、しばしの果てにまたビクっと胴が反応した時、今度は逆に猫背となって、まるで勢い余って前へ倒れかけていた。咄嗟に出した両手を銀髪の腹へ置き、腕の柱で体を支えていた。
『あぁ! あんっ! あっ! あっ! あぁん!』
 延々と弾む映像で、動画の再生時間は数分ほど進んでいく。しばらくはアングルを固定していたカメラは、やがて不意に位置を変え、彩花の体を正面から映し始めた。
 カメラマンと彩花の体が向かい合わせに、視聴者に向かって弾み続ける表情が艶めかしい。悩ましげに快楽に浸ってしまった眼差しで、淫らに髪を振り乱している姿は、もはやセックスの虜にしか見えなかった。
 様々な体位が披露されていた。
 騎乗位による絡みが終わると、次は茶髪の男の番となり、彼との絡みは立った姿勢のものとなる。ベッドから壁際へと場所を移して、彩花は壁に背中を預ける形となった。
 片足立ちだった。
 一方の足を高く持ち上げ、その膝の下へと茶髪の腕が通されると、立った姿勢での結合が行われる。壁に向かって腰を振る形となり、彩花の艶めかしい反応も、後頭部を後ろへぐりぐりと押しつけるものだった。
 テーブルに両手を突いてのバック挿入が行われた。
 床で足を左右に開き、胴体を宙に寝かせた彼女へと、パンパンと激しく打ち鳴らすピストンが繰り出される。それが最初は横から撮られ、胴が前のめりになるたびに、お尻から抜け出る肉棒の見え隠れが延々続く。
 それが正面からのアングルに変わった時、彩花は手前に向かって前後していた。打ち鳴らす力強さで胴が前へと弾むので、その勢いで前髪も跳ね上がり、もちろん乳房もぷるぷると、視聴者に向かって前後してきた。
 さらにその次は側位であった。
 場所はベッドへ戻って横向きに、左半身をシーツに埋めた姿勢で貫かれる。カメラへ向いた胴体で、重力のために少しだけ垂れた乳房がやはり揺らめき、片足を高くした股の中には激しいピストンによる出入りが行われた。
『あぁ……! あっ、あぁぁぁ…………!』
 何度も体位を変えて突かれている。
 休みなく延々と喘がされ、絶頂も繰り返した体から、しだいしだいに体力が削り抜かれているのだろう。あるいは喉すら疲れているのかもしれない。
 その側位での性交が終了して、ぐったりと仰向けに傾いた時、彩花は数十分ぶりに懇願の言葉を口にした。
『許して……もう、限界で…………これ以上は…………』
 本当に体力が辛いのだろう。
 だが男達は、ただ勘弁する事はなかった。
『そうだね? もう疲れてきたもんね』
 銀髪の男が言う。
 その瞬間、彩花の表情がパっと変わった。明らかに解放を期待していたが、それはまた次の一瞬で呆然としたものへと切り替わる。
『フェラ、やろうね』
 茶髪がそんな事を提案した。
『そうそう、アソコは休ませてあげるよ。アソコはね』
 黒髪もニヤニヤと意地の悪い笑みを浮かべて、対する彩花は完全に引き攣っていた。

      *

 椅子に座ったような姿勢で、カメラマンが自分自身の股へとレンズを向ける。少し広がる膝の間に映ったものは床ではなく、そこに正座した彩花の顔や乳房だ。
 彼女は亀頭と向き合っていた。
 こんな真似をしなくてはいけない事の、眉がハの字の悲しみを帯びた表情で、彩花は躊躇いがちに唇を近づける。
 ちゅく、と触れた。
 口付けによって、そのまま先っぽに被せていき、亀頭の本当に頂点だけを咥えた彩花は、最初のうちは本当に浅く出入りさせていた。前後の動きで唇の隠れる面積は、半分にも満たないものだった。

 ちゅく、ちゅく、ちゅく、ちゅく――。

 だが前後が続くうち、しだいしだいにもう少しだけ、またもう少しだけ深く咥え、唇がカリ首に引っかかる程度には、顔が前に出るようになっていた。
「鈴峰さんのフェラ………………」
 少年はその映像に見入る。
 肉棒と唇で触れ合って、彩花の美麗な顔はカメラ目線となっている。男を見上げたいかにも許して欲しそうな眼差しで、まだ躊躇いを残して活発になりきれずに、緩やかな奉仕を続けている。
 たまらない映像だった。
 あの鈴峰彩花の唇が肉棒に触れている場面など、こんな秘宝を拝める瞬間が自分の人生にあるとは思っていなかった。どうせ自分に彼女とどうこうなるチャンスなどなかった以上、この映像に出て来た三人の男達やカメラマンには、感謝しなくてはいけないくらいだ。
「ずむぅぅぅ…………」
 さらにもう少し深く咥え、竿まで唇の中に隠れ始める。
「ずぅぅ……ずむっ、ずぅぅう……ずぅぅ…………」
 唇の被った部位が現れる時、その表面は唾液を纏っていた。彩花の顔が後退するたび、ぬらぬらとした光沢が画面に映り、そのいかにも唾液の纏わり付いた部分に少年は惹かれていた。

 ちゅく、ちゅく、ちゅく、ちゅく――。

 この奉仕がしばし続いていった果て、彩花を待つのは再びの本番地獄だ。
 何度も何度も体位を変えて、三人の男達が代わる代わる彼女を犯し、時にはカメラマンの肉棒さえも収まっている。
 その最後の映像は、本当に体力を使い果たして、もう起きる事も出来なさそうな、全身をぐったりとさせた姿であった。ベッドの上で四肢を投げ出し、すっかり息の上がった彼女の様子もまた艶めかしいものだった。
 それがゆっくりと暗転していき――。
 唐突に、オークションサイトの宣伝が行われた。
 なんと電車の中で切断したり、脱がせた下着や制服が視聴者に販売されるという。そんな告知が映像の最後に入っていたので、そのアドレスを入力して、少年は試しにそこへアクセスした。
「はは……」
 乾いた笑い声がでた。
 まったく、本当に笑えるほど値段が吊り上がっている。
 切断しながら脱がせたために、制服やスカートは綺麗な状態ではないのだが、それでも相応の入札が行われ、さらにショーツに至っては、そこまでして欲しがる気持ちが本当に理解できないほど、無駄に桁数が並んでいるのだ。
 愛液が染みていたからだろうか。
 そんなショーツに並んで人気があるのは、なんと彩花の個人情報である。住所や学校、スリーサイズや電話番号にSNSのアカウントなど、あらゆる情報を網羅したセットすら出品され、随分な入札競争が行われている。
 よほどの金持ちがアクセスしているのだろうか。
 もはや呆れるしかない金額に、そんな事を思ってみた少年の脳裏に浮かぶのは、自分にディスクを手渡してきたあの女性だ。そもそも、あの急に現れた謎の人物がいなければ、少年は鈴峰彩花の映像にありつく事などなかったのだ。
 本当に犯罪を犯して撮った映像など、きっと普通の合法的なAVと同じ値段では買えないだろう。どこでどのようにして売られ、どうやって買うかの想像はつかないが、とにかくきっと高いだろうと少年は想像していた。
 学生の自分では、本来入手できないものではないか。
 金持ちでもなければ、この映像を視聴する事はありえないのだろうと考えると、見ていて眩暈がするほどの入札価格にも合点がいく。
 自分も金持ちだったら、試しに入札していただろうか。
 いや、待て。
「これって……」
 少年は眉を顰めた。
 出品商品の一覧には、不可思議な力が宿るというスマートフォンが並んでいた。試しにクリックしてみれば、これはオークションのものではなく、どうも抽選で一名に、無料でプレゼントするもののようで……。
 これへの応募で住所を入力するなど、怪しげな犯罪集団に個人情報を差し出すようなものではないか。妙に怖い気もしていながら、なのにどうしても、少年はそのスマートフォンに好奇心を煽られて……………………。