本文 ストリップから始まる乱交
倉庫街。
その廃墟となって久しい場所に男達は集っていた。ある物は刃物を弄び、ある物は銃の手入れをしている。様々な武器を持ち、ナイフをダーツの矢の代わりとして遊んでいる強面もいる中で、さらには名詠に使用する触媒さえも大量に揃えている。
彼らは武装集団だ。
テロ行為によって目的を叶えようとする危険極まりない存在だが、実際には既に半分以上のメンバーが捕まっている。多数の名詠生物を扱い、破壊活動を行った時、かの『祓戈の到極者』にその全てを返されて、仲間の半分近くを失うきっかけになった。
「クラウスめ……」
一人の男が忌々しげにその名を口にする。
壁に背中を預け、腕を組んでいるこの男は、ケンという名の武装集団リーダーだ。
クラウスが憎い。
奴さえいなければ、こんなことには……。
その時、突如として扉が開き、ずかずかと早足で歩み寄る一人の青年の姿があった。
「ボス!」
「どうした? タロス」
「クラウスの野郎ですが、腹いせにちょうどいいネタを見つけましたぜ」
タロスは一枚の写真を持っていた。
受け取れば、トレミア・アカデミーの制服を着た少女が映っていた。赤銅色の肌を持ち、祓戈を抱えた女の子の正体は、確か奴めの娘だったか。
「こいつがどうした」
「それがですね。どうも校外授業とやらで、ここいらの近くに来るみてーで、ちょいと遊んでやるってのはどうっすかね?」
悪巧みの笑いを浮かべるタロスを見て、ケンもまた同じような表情に染まっていく。見ればケンやタロスだけでなく、他の男達さえ楽しみができて嬉しい顔に変わっていた。
……なら、やるか。
まずは現場を下見して、計画を練らなくては。
†
……まさか、人質なんて。
「武器を捨てろ」
武装集団のリーダーに命じられ、エイダ・ユン・ジルシュヴェッサーは握力を緩めていく。弱まる指から祓戈がこぼれ落ち、地面にぶつかる金属音が鳴り響いた。
見事にしてやられた。
校外学習で学校から遠く離れて、機関車で町に出てからというもの、自由時間の途中でエイダは殺気を感じたのだ。何者かに狙われていることを悟り、同じグループで行動を共にしていたクルーエル達には適当なことを言って誤魔化し、エイダは単身で追跡した。
気配はせいぜい数人、自分の腕なら一人で捌ききれる範囲内。
だが、まんまと罠に嵌められた。
殺気をあえてチラつかせ、エイダのことを誘い出した武装集団の行動は、始めから計画的なものだったのだ。
そうとも気づかず、倉庫街で人影を追い、逃げ込んだと思われる倉庫へ突入すれば、クラスメイトの男子を簀巻きにした男という男の数々が、ニヤニヤといやらしい笑みを浮かべながら待ち構えていた。
何人もの人質に、銃やナイフが向けられている。
武装した男を前衛に、触媒を握っていつでも名詠を行う準備のある男も後衛に並んでいた。
数の利も、人質という優位も揃えた集団とあっては、いくらエイダでも手出しできない。これで武器を捨てろと言われては、さしものエイダも祓戈を手放すしかなかった
「……で、あたしに何の用なわけ?」
わざわざ人を誘い出し、人質まで使ったからには、何かの理由でエイダ個人を狙っていたのだろう。
……こんな知り合いいないし、何の用なのかさっぱりだけど。
「クラウスを知ってるな?」
「あたしの父親だね。それが何?」
「ま、ただの憂さ晴らしさ。お前が言うことさえ聞いてくれれば、こいつらはもちろん、お前自身の命も保障してやる」
ということは、父に恨みを持つ連中か。
「要求は?」
大金を持っているわけでも、テロリストが欲しがるような何かを持っているわけでもない。一般市民を人質にしたのなら、そのまま活動を行えばいいところ、あえてエイダを誘い出す理由がわからない。
「服を脱げ」
「は?」
いざ要求を聞いた途端、エイダは見るからに引き攣ってきた。
「もう一度言うが、こいつは単なる憂さ晴らしでな。特別な意味なんざなんもねー。お前の親父さんへの恨みを娘で晴らそうっつー、ただそれだけの話よ」
「そいつはゲスな話だね」
「いいから脱げ。でないと……」
リーダー格思わしきその男は、顎で手下に命じると、その手にあったナイフが男子の喉元へ迫っていく。単なる脅し、ちょっと傷をつけてみるだけの行為であったが、男子自身は本気で殺されると思い込み、恐怖したらしい。
「ひゃああ! や、やめて!」
みっともない悲鳴が上がった。
「はっはっは! 聞いたか?」
「ああ、最高の悲鳴だったな!」
「うーわ、だっせー!」
「こーんな声を女の子に聞かれちまったら、俺なら生きていけねーよ」
誰も彼もが男子の恐慌を笑い飛ばしていた。
……許せない。
こんな邪悪を前にして、エイダの心は震えていた。
「別にいいんだぜ? 人質を見捨てて逃げるってんならな」
リーダー格がせせ笑う。
「……いいよ。脱いでやろうじゃん」
クラスメイトを見捨てることはできない。
シャツのボタンを外し始め、その隙間からまずは手始めにブラジャーの白がちらつく。普段は同じ教室で授業を受ける男子の目に、エイダは徐々に赤らんでいた。
「せっかくクラスの女子が脱いでくれてんだ」
「目を逸らしたら、殺すぜ?」
エイダのストリップをしっかりと拝むように強要して、命の懸かった男子達は、申し訳なさそうにエイダを見る。恐怖に駆られた目つきで、それでも生唾を呑んだ様子で凝視してくるところに、男の本能を感じてしまう。
当然、武装集団の視線も突き刺さっていた。
……こんな大勢に見られながらなんて。
エイダはシャツのボタンを外しきり、羞恥を堪えた歪みきった表情で脱いでいく。白いブラジャーの上半身を曝け出すと、小麦色の肌に対して対照的に、純白は輝いて見えていた。
「おー? 肌が焼けてるねぇ?」
「ブラが目立つぜ?」
男達の煽りに胸を抉られ、心が掻き回されるかのように痛い。
スカートを脱ごうとして、エイダのその手は止まっていた。見知ったクラスメイトにも、見知らぬ男達にも下着姿を見られることへの抵抗で、どうしても手が震える。
……あ、あたし、びびってるのかな。
以前、灰色の真精を前にした時でさえ、こんな気持ちにはならなかった。いいや、そもそも強力な真精がいるなんて理由では、この気持ちは湧いて来ない。
赤らんだ顔が熱を上げ、このままいけば最後には溶け始めてしまいそうな予感など、こんなことでもなければ抱くはずがなかった。
「どうした? 早く脱がないと……」
リーダー格が手で合図を下す。
「ひっ!」
すると、手下がナイフの切っ先を当て、青ざめた男子は悲鳴を上げていた。
「や、やめろ!」
「なら早く脱げよ」
リーダー格は煽らんばかりの目を向ける。
「へへっ、よっぽど恥ずかしいんだろうぜ?」
「男を知らない乙女かな?」
「まだ青臭い学生だもんなぁ?」
口々に煽り、嘲る男達に、エイダはきつく歯を食いしばる。
「いいよ。脱いで……あげるよ……」
怒りに、恥ずかしさに、震えきった声で答え、エイダはスカートの留め金を外す。ジッパーを下げ、顔の温度が上がっていくのを感じながらも、はらりと落とす。
「ひゅー」
下着姿に、口笛が聞こえた。
「……脱いだけど」
視線の数々が痛い。
ニヤニヤとした男達に、複雑な興奮で気まずくしている男子達。全員の目が向けられ、ここから消えたい思いが膨らむ。
「まだ下着が残ってるだろ?」
「下着って、まさか全部……」
「そうだ。脱げ」
楽しげに命じてくるリーダー格に、エイダは青ざめていた。
しかし、顔が青いのは一瞬。
見る間に赤く染まり直して、下着さえ脱がなくてはならない恥辱に全身を震わせる。
「絶対、みんなに手出ししないでよね」
エイダは恥を堪えて背中に両手を回していき、ブラジャーのホックを指先で探り始める。ぱちりと外し、胸のカップが緩んだ後は、肩紐を一本ずつ下へとずらす。乳房を露出する瞬間が迫れば迫るだけ、赤面しきった顔の温度は上昇していた。
……み、見せなきゃ、みんなが。
人の命が懸かっている。
みんなを守る使命感から、ブラジャーを手放した。
かぁぁぁぁ……!
とっくに赤らんでいる顔なのに、まだ赤みを濃くする余地があったかのような、染まり変わっていく感覚が走る。
「ヒュー」
口笛が羞恥を煽る。
「なかなか可愛い胸だなぁ?」
リーダー格の言葉にも、より一層のものを煽られる。
……こんなに恥ずかしいなんて。
下着一枚になっただけでも、顔から火が出ているような感覚がしてしまう。これで丸裸など耐えきれない。
だが、躊躇えばクラスメイトを傷つけられる。
……脱ぐしか、ないんだ。
エイダはショーツに指を入れ、下ろそうとするのだが、その瞬間に肩から指先にかけてが固く強張る。鈍った腕はなかなか動かず、まるで反発作用のように脱ごうとする気持ちや動きは押し返される。
「へへっ、いつまで手こずってるんだ?」
「やめてやれよ。ウブな少女なんだからよォ」
「だが、あんまり時間かけてると……」
またしても、男の一人がナイフを近づけ、今にも危害を加えそうな素振りを見せる。
「やめて!」
「なら、早くしたらどうかなぁ?」
リーダー格はあからさまにエイダを嘲っていた。
「わかってる……から……」
ようやく、エイダのショーツは下がり始める。
「いよいよ素っ裸だなぁ!」
大きな声で煽られた。
「どんなアソコしてんだ?」
「いい肌してるよなァ?」
男という男の投げかける言葉がエイダの心を抉り取る。羞恥心はますます膨張して、太ももに絡んでいるショーツの、そのゴムにかかった指は震えていた。
白い布は膝を通り抜け、足首を目指していく。
ついに足を片方ずつどかしていき、完全な裸となったエイダは、恥ずかしさのあまりに両手で大事な部分を隠していた。胸もアソコも、腕と手の平でがっしりと、固く覆い隠したまま、腰もくの字に折れ曲がり、へっぴり腰のようになっていた。
「おおっとぉ? 手が止まってるぞぉ?」
「やっぱり、お恥ずかしいのかな?」
「女の子だもんなぁ?」
隠しているせいだろう。
ニヤニヤと楽しげに、男達はそれぞれのナイフの刃や切っ先を喉に当て、男子達を恐怖させている。
「見せればいいってわけ……」
エイダは腕を下ろした。
「とうとう全てを晒しちまったなぁ?」
もう、胸もアソコも隠していない。
小麦色に焼けた肌の、しかし短パンやタンクトップなどで日頃は隠す部分だけは白い、そんなエイダの恥部は視姦されるままとなり、全身に痛いほどの視線を感じる。
「なるほど?」
「よく鍛えられたいい体だなぁ?」
「さすが、ジルシュヴェッサーだ」
男達の嬉しそうなニヤついた顔が向き、男子達も申し訳なさそうなものを醸し出しつつ、目を逸らせずにいる様子だ。
「……脱いだよ。早くみんなを解放してよ」
顔が燃え、脳が沸騰しているような感覚に見舞われながら、エイダは震えた声でそう言った。
「オナニーしろ」
しかし、リーダー格の言葉はそれだった。
「え……」
「聞こえなかったか? オナニーだ」
「そんな……だって……」
恥ずかしさも忘れ、赤面から一変してエイダは逆に青くなる。
「裸ぐらいで人質を放すわけないだろ? 俺達には色々と活動があるんだからよォ」
危険を食い止め、仲間を守ろうと思っての行動から、まさか自分自身がこんな目に遭わされるなど、エイダは思ってもいなかった。
……これじゃあ、あたしも人質にされて、それで。
それで、どうなるのだろう。
ただ身柄が囚われるだけでなく、好きなように弄ばれ続けていくのだろうか。
*
リーダーのケンは大きな満足感に浸っていた。
有利な状況を駆使して言うことを聞かせ、全裸に剥いた挙げ句に自らの秘部へ指をやる。
あのクラウスの娘がだ。
最初は遠慮がちに、小さくかしこまった動作でワレメをなぞるが、こちらの脅しを気にしてか、徐々に活発になっていく様が見ていて楽しい。
「これでみんなを離して欲しいんだけど……」
どこか遠慮がちに、エイダはそう言った。
「駄目だ。まだまだやってもらう」
「…………」
エイダはケンから顔を背け、立ち姿勢のままに膣へ指を入れ始める。こんな状況でも、触っていれば濡れるのか、指の出入りはスムーズに見えた。
「へっ、気持ちいいみたいだな」
どんどん愉快になってくる。
名詠生物を使った活動をクラウスにことごとく阻止されて、メンバーの半数近くが捕まってから、思い出すたびに憎しみを積もらせていた。心の中に延々と雪が降り続けるように、ただ嵩が増す一方だったものが、今になってようやく晴れている。
「んっ、んぅ…………」
快楽の気配がエイダの表情に浮かんでいる。
……こうも馬鹿正直に従ってくれるとはな。
もっとも、何人ものクラスメイトの命が懸かっていては、無理もないというわけか。
「そうだ。おい、お前らも楽しんだらどうだ?」
ケンは男子達に提案する。
「俺らみたいのに捕まって、このままじゃあ損しかしてないだろ? せめて、クラスの女子の胸揉んだり、ケツ触ったりするくらいの得があってもいいんじゃないか?」
男子達がケンに返す表情は、戦慄のような気まずさのような、実に何とも言えないものだったが、エイダの方はもっと明確に引き攣っていた。
「ま、待って……そんな……」
絶望さえ浮かべた様子に、ケンはますます優越感を高めていた。
「いいのか? 人質の命が懸かってるってのに」
「それは……」
「お前らも、わざわざ殺されたくないよなぁ?」
と、男子を脅す。
武器で脅迫されて、仕方がなく、という免罪符を与えられ、少年達は果たしてどのような心境か。心の底では幸運に喜ぶ奴が一人でもいるだろうか。堂々とは喜べずとも、欠片の喜びも湧かないなどということはないはずだ。
「揉め、触れ。エイダを辱めろ」
ケンははっきりと命じた。
「ま、待って……」
命乞いのような眼差しに、少年達は動くに動けずにいる様子だ。部下達がナイフで縄を切り、拘束を解いてやっても、エイダに近づこうとする気配を見せない。
「死にたいか?:
きっちりと脅してやれば、たどたどしく迫っていった。
「みんな……」
エイダの絶望に引き攣った顔がたまらない。
「……ごめん」
「俺、死にたくないから」
「僕も……」
……ま、本気じゃあ拒めないよなぁ?
エイダにしてみれば、自分の動き一つでクラスメイトが死ぬかもしれない恐怖は言いようのないものがあるだろう。
いい、いいぞ?
抵抗するわけにはいかない状況で、他ならぬクラスメイトが一歩また一歩と迫ってくる。何もできず、ただ辱めを受けるしかない女の顔は実に可愛いものじゃないか。
「そいつらに怒ったりするのは筋違いだって、それはわかるよなぁ?」
愉快だ。
本当に愉快だ。
「少年ども、しっかりやれよ。でないと後ろから刺されるか、それか撃たれるんだからよ」
改めて脅しておく。
そうしなければ殺される恐怖を煽り、なおかつ目の前には小麦色の裸がある。手を伸ばさずにはいられない少年と、それを拒むに拒めないエイダとで淫らなショーは始まった。
「へへっ、揉んでやんの」
一人の少年が両手を伸ばし、エイダの胸を真正面から鷲掴みに指を動かす。
「うっ、こんな……」
抵抗するわけにもいかず、エイダは反射的に押しのけようとする自分自身の動きを健気にも抑えている。
他の男子達も手を伸ばし、それぞれの思う場所を触っていた。
まるで集団痴漢の現場である。
一人の少女を取り囲み、思い思いに撫で回し、尻たぶにも指が食い込む。太ももが執拗に、乳房にも指が絡みつき、少年達は息を荒げてエイダを味わう。
……そうだ。媚薬があった。
「せっかくだ。エイダ、お前も楽しめるようにしてやる」
ケンが錠剤を用意すると、何かよほど怪しい薬に見えたのか、見るからに恐怖を浮かべて後ずさる。
「や、やだ……」
「なに、怖い薬じゃあない。媚薬さ」
ケンはエイダに迫っていく。
少年達もケンが怖くてか、寄っていくなり散り散りにどいていき、エイダのことをケンに明け渡していた。
「飲め」
錠剤を手渡す。
「でなきゃ――」
「わかった! わかったから……」
エイダは恐る恐る受け取って、死を覚悟したような血の気の引いた顔で口元へ運んでいく。本当に媚薬だというのに、きっと毒でも飲まされるような気持ちでいるのだろう。
だが、どうやら意を決して飲み込んだ。
「効果が出れば、もっと気持ち良くなれるぞ?」
「別にそんな……」
「お前ら、続けろ」
少年達に命じると、再び集団痴漢が始まった。
思い思いに指を食い込ませ、口の中まで触り始める周囲の男子に、一体エイダはどんな感情を抱いていることか。
「うっ、そ、そこは…………」
秘所に指が来たのだろう。
さすがに駄目だと目で拒んでいる。
「続けろ。でないと殺す」
そこで、すかさず部下が脅すと、その少年は膣への攻めを続け始めた。
「あっ、くぅ……こんな…………くぅぅ…………」
エイダは耐える。
「んっ、んぅ……」
まだ、媚薬の効果は現れない。
しかし、この眺めを楽しんでいるうちに、エイダは少しずつ感じ始めていた。少年達がコツを掴んできたとも、エイダが純粋に高ぶってきたとも言えるだろうが、全身をモゾモゾと切なそうに動かして、髪も振り乱している。
「んぁぁ……! あっ、あぁぁ…………!」
時間が経てば経つほど、感じた様子は明らかになっていた。
少年達はポジションを入れ替わり、まるでエサを分け合うように数分ごとに別の場所を攻めるようになっていた。最初に胸を揉んでいた男子は、いつの間に尻を撫で回すようになっていて、逆にアソコに指を入れているのは尻を撫でていた奴だ。
「おい」
ケンはふと声をかけてみる。
全員がビクっと肩を弾ませていた。
「そうビビることはないだろう。本番をやれ」
さしもの少年達も、唖然とした顔で振り向いた。もちろんズボンの中身は膨らみ、勃起していることは明らかだが、さすがにそこまではできない理性が、まだ残っているというわけだ。
「また脅し直せばいいか? なんなら銃が本物だって教えてやろうか?」
ケンが顎で命じると、リボルバー式を手にした男がニヤニヤと銃口を向け、わざとらしく引き金に指を添えていた。
「やります! やりますから!」
「撃たないで下さい!」
少年達は必死だった。
殺されないため、命惜しさにエイダのことを押し倒す。その乱暴さに、エイダも反射的に手足を暴れさせ、覆い被さってくる男子を押しのけようとしていたが、やがて思い出したように全身から力を抜いていた。
「こんな形で……」
諦めきっていた。
もう、ここで貞操を守ることなど叶わず、黙って処女を喪失するしかない。悲しくてならない涙の気配を目に滲ませ、大人しく両手を広げて脱力しきっているエイダだが、少年達はそんなエイダの腕を押さえ込んでいる。
そして、一番にエイダを押し倒した奴こそが、そのままの流れにベルトを外し、ペニスを出してワレメに近づける。
「…………」
ぐっと、全身が強張る気配がした。
……こいつはいい。
人を恐怖でコントロールする快感もさることながら、やはりクラウスの娘が友達に犯され、処女を失う瞬間に立ち会えるなど、まるで豪雨が急に爽やかな青空に変わっていくかのように気持ちがいい。
ケンを含めて、彼ら自身は学生の肉体に興味はなかった。
だが、見て煽り、視姦してやることで、反応こそを楽しんでいた。
「みっともなく泣き喚いたっていいんだぜ? エイダちゃんよ」
「だれが……」
「おいガキ、手こずってるのか? せっかくの機会だ。穴の位置くらい覚えとけ?」
膣口に上手く切っ先を合わせられずに、どうにも苦戦している様子の少年は、やっとのことで亀頭をフィットさせたらしい。
腰を押し込み始めた。
「あっ、ぐぅ……」
エイダの悶絶が上がる。
……ははっ! 面白い! いい光景だ!
腰が最後まで押し込まれ、広がる両足がビクっと弾ける反応で、初めてだというのに感じてしまった様子が見て取れた。
媚薬が効き始めているらしい。
「おら! 動け動け! 喘がせてやれ!」
言葉による鞭打ちで、少年は従う馬のごとくせっせと動く。
「あっ! あん! あん! あぁん! ああぁっ、あぁぁ……!」
エイダは感じていた。
「す、すごい……エイダ……!」
少年は夢中になり、周りなど忘れて快感を貪り始める。自分がどんな状況で性交に至ったか、脅されている恐怖でさえも忘れた一心不乱のピストンで、エイダの足首がよがり続ける。見れば髪を激しく振り乱し、唾を吐き散らす勢いで喘いでいた。
「あぁぁ! あっ、あ! あ!」
「エイダさん! 俺もう……!」
こうも早く限界らしい。
ここまで必死に腰を振り、それでも最後の理性は残っていたようで、直前になって引き抜き射精する。エイダの小麦色の肌に白濁は降りかかり、そして少年は放心してへたり込む。
「おら、まだ次がいるだろ? 誰でもいいから続けやがれ!」
もう楽しくてたまらない。
言葉一つで少年が動き、命乞いというわけではないが、死なないためにも必死になって挿入して腰を振る。
「あぁん! あん! あん! あん!」
エイダはまたも喘ぎ散らし、どれだけ唾を飛ばしているかもわからない。
媚薬が効いていた。
初めてのくせによがり狂い、状況など忘れて快感に溺れている。二人の少年がものの一分で射精に至ると、エイダは戸惑いをあらわにしていた。
「なにこれ! なんでこんな──」
悦んでいる自分自身に対する驚きがよくわかる。
……ま、本来の反応じゃねーからな。
媚薬によって生まれた感覚は、その人本来のものではない。本来を遥かに超えた快感に襲われて、初めてのはずなのに、ここまで気持ちいいことへの動揺があるはずだ。
「あ、あたし……うそ……」
三人目の少年がズボンを脱ぐ。
すると、エイダは期待の色を浮かべ、自然と股を広げかけ、そんな自分に気づいてまた驚く。挿入に取りかかると、複雑そうな顔で受け入れ、そのままピストンに合わせて喘ぎ出す。
「あぁぁ! あん! あぁん!」
エイダが喘げば喘ぐほど、どんどん心が晴れていく。
「この光景見たらクラウスの野郎はどんな顔すっかねぇ?」
「ああ、まったくだ」
確かにそうだ。
あいつの娘をこんな目に遭わせてやってる快感で心が震え、このままエイダが壊れるところまで見たくなる。
いっそ、自分達も陵辱に参加するか。
十代半ばの肉体に興味の湧かないケンではあるが、まさか勃たないということもない。娘を味わってやれば、ますます良い気分に浸れるはずだ。
男子全員が一度ずつ挿入を済ませた頃合いを見計らい、ケンもいよいよズボンを脱ぐ。
「次は俺だ」
よほどケンのことが怖いのか、今まで興奮しきっていた少年どもは、思い出したように青くなり、さっと散り散りに離れて行く。
「四つん這いになれ」
命じると、エイダの尻が持ち上がる。
小麦色の尻肉に挿入するため、膝立ちとなって亀頭を迫らせるケンは、汗ばんだ全身から漂うムラムラとした淫気を感じていた。
「何を待ち侘びてやがる?」
切っ先でワレメを掻いてやると、尻がぴくっと反応を示す。
「なにを……待ち侘びてなんて……」
「ふん。堕ちたな」
ケンは肉棒を押し込んだ。
……はっ、ははっ!
肉棒に感じる快楽は言うまでもなかったが、それ以上に心が満たされる。抉られた傷がみるみるうちに塞がっていくような、心の曇りも完全に晴れやかとなっていく爽やかな気分が込み上げて、ケンは一心不乱に腰を振っていた。
無我夢中で快楽を味わい尽くし、血走った目で注ぎ込む。
エイダの中に精子を注いでやった喜びに鼻息を荒げ、一度では足りないようにまたしても腰を振り、そしてエイダは絶叫のように喘ぎ続けた。
*
一人の少年が一年生校舎の屋上を目指す。
彼は人質にされた生徒の一人で、あれから武装集団達は男子勢やエイダを置いて、急に慌てて駆け去っていた。あの時の様子を思い返せば、見張りが警察隊の気配を嗅ぎつけて、大急ぎで報告に来ていたと思う。
人質を抱えて移動する余裕もなく、速やかに退散するしかなかったのだろう。
助かったのはいいのだが、脅されてのこととはいえ、エイダを散々に辱めた。他ならぬクラスメイトを酷い目に遭わせ、恨まれていてもおかしくない。
そのエイダからの呼び出しに、一体どんなことを言われるのか、少年は内心ビクビクしていた。
しかも、朝の六時。
呼び出すにしても、どうしてこんな早朝の、しかも場所は屋上なのか。
螺旋の非常階段を上がり、やっとのことで屋上に辿り着くと――。
「あ! あん! あぁん! いいっ、いいよ! 最高!」
少年は目を丸めた。
「……え」
まず、呆然とした。
そこにある光景は、何人もの男子達が――あの時、一緒に人質となっていた仲間達がエイダを囲み、性交しているものだった。
一瞬、ゾっとした。
形はどうあれ、エイダのおかげで助かったようなものなのに、そのエイダを再び陵辱するなど、人の心を感じない悪魔の所業に思えたからだ。
だが、それにしては様子がおかしい。
「あぁん! いい! いい!」
……どうして、喜んでるの?
気づいてみれば、エイダの体位も騎乗位だ。仰向けになった男子に跨がり、自分から上下に弾んで快楽を貪っている。
上下運動によって乳房が揺れ、プルプルと動いている光景と、自分自身の動きで膣穴を掻き回し、肉棒を感じ取ろうとしている腰使いが艶めかしい。
「ああっ、き、来たんだね! んっ、んああ! あっ、はやくぅ……こっちにぃ……!」
まさか、媚薬?
あの時、リーダーと思わしき男は、媚薬だといってエイダに薬を飲ませていた。もしその効果が未だに残り、快感の依存症なのか何なのか、とにかくエイダをセックスの虜にしているとしたら……。
……していいんだ。
さしもの少年も、理性が薄れていた。
あれは薬のせいであり、医師に相談するなり、治療なりといったことを考えるべきなのだと、頭の片隅では思っている。ここでエイダとの乱交に参加するのは、きっと良くないことなのだと、心の中の道徳心は訴えるが、それ以上の魅惑にあらがえない。
性欲を突かれ、自分も再びエイダと交わってみたい欲求がどうしても優先され、少年はフラフラと放心しきった眼差しのままに近寄っていく。
いつしか、順番が回って来た。
服を脱ぎ、裸で待機していた少年は、仰向けの姿勢を言い渡されて、今までの男子がそうしたように寝そべった。するとエイダが上に跨がり、今度は自分の上で弾み始める快感に、すぐにでも射精感は込み上げた。
「あん! あぁん! あっ! あっ!」
エイダは喘ぐ。
肉棒が熱い肉ヒダに締め付けられ、絞り抜かれるような快感に、少年は一分と持たずに放出の予感に駆られる。まるでタイミングがわかっていたように、エイダはすぐさま腰をどかして、天を目掛けた放出を全身で受け止めていた。
「いっぱい出たね」
「え、エイダさん……俺……」
「まだ時間はあるし、もう一周行こうか」
きっと、一番最初に交わった男子に順番が戻ったのだろう。
少年と入れ替わり、また別の男子が横たわると、エイダは必ず射精直前に腰をどかして、身体で精液を受け止めていた。
……わかるんだ。
男子達の肉棒を、その太さや長さを把握して、自分にとってもっとも心地良い擦れ方をするように動いている。射精の予兆を読み取って、正確なタイミングで中出しは避けている。始めは気づかなかったが、エイダの巧妙な腰使いがやがて少年にはわかってきた。
一ミリにかけてまで、自分達の肉棒を把握しているのだ。
ジルシュヴェッサーが祓戈の重さやリーチを正確に掴み、自分の体の一部となるまで鍛練を積み上げると聞くように、肉棒を膣で読み取り、それぞれの形状に合わせて寸分違わず正確に上下している。
エイダ自身にとって、一番気持ちいいポイントにぶつかるように……。
何周も、何周もかけて交わった。
やがては体位が変わり、バック挿入を受け入れ始めたエイダは、後ろからの腰振りに上半身を揺らされながら、少年の肉棒を咥えていた。尻にぶつかってくる腰の勢いを、エイダはそのまま利用して、巧みなフェラチオの舌使いで刺激を与え、少年の肉棒は簡単に射精に近づいてしまっていた。
エイダはそれを飲んだ。
少年が堪えきれずに放出すると、すかさず唇の力を強め、喉を鳴らし始めたのだ。
そして、少年の射精が済めば、順番待ちの他の男子が肉棒を差し出しエイダに与え、エイダはまるでエサを待っていたように咥え込む。
いつしか、また順番が回って来た時、次に挿入するのは正常位だった。
「はあっ、あん! あっ、じ、自分でも、おかしいってわかってるけど――」
少年が腰を振る前で、エイダは両手に肉棒を握り、顔の左右で手コキをしながら快楽を味わっている。
「きっと、はぁ……! あっ、あの薬のせいで……!」
左右からの射精がエイダの顔面を白濁に汚し、少年の射精もまたエイダの身体に精液の色を増やす。
こんな『集会』は、何度も何度も開催された。
エイダの呼びかけに男子が集まり、媚薬のせいで生まれたらしい疼きを解消する。交わらないことには、自分自身ではどうにもできないという欲望を、このような形で発散しないとやっていられないという話だ。
……いつまで、集会は続けられるんだろう。
いつかは媚薬の効果も切れ、エイダもあんな真似をせずとも普通の私生活を送れるようになるはずだ。
そんな日が、来ないで欲しい。
欲望のせいで抱く願いを、少年は胸にしているのだった。