羞恥!温泉帰りの電子の妖精 本文
ホシノ・ルリは恥じらいながら歩いていた。
一見して、ごく普通に服を着ている。ボタン留めのシャツにタイトスカートを合わせた装いの、どこにもおかしな点はないのだが、まるで見られてはまずい何かがあるように、ルリは周囲の視線を気にしている。
ルリは温泉帰りであった。
肌に浸透した水分と、タオルで拭いたばかりの髪には、まだいくらかの水気が残っている。どことなく、しっとりとしているルリの、その胸元を凝視したなら、実は乳首が透けていることが伺い知れる。
はっきり見えるわけではない。
通りすがりの通行人から、ぱっと見てわかる透け具合では決してないが、突起による硬さが微妙に着衣を押し上げ、少しは主張を強めた部分に、気づかれる可能性はいくらかある。
ルリはノーブラなのだ。
それどころか、タイトスカートの中身に至ってはノーパンで、こうして歩いている最中、お尻の肌にはスカートの裏地が始終擦れて当たっている。
普段は下着に覆われている部分に、裏地が直接当たっていることの、慣れない感覚のせいもあって落ち着かない。
何故、ルリは下着を着けていないのか。
――盗まれたのだ。
露出目当てに混浴温泉に出かけたルリは、何人もの男の視線を裸体に浴びて、その帰り道にいるわけだが、着替える直前には驚愕した。
人のロッカーから荷物を漁り、下着を取って匂いを嗅いでいる男がいたのだ。
ルリはその男に声をかけ、下着を返してもらおうとしたのだが、すると相手の男は慌てて逃げ出し、そのまま下着も持ち去られてしまったのだ。
上下どちらも、ルリは失った。
ノーパンノーブラで出て行くより他はなく、そして慣れない感覚と、ひょっとしたら通行人に乳首を見られるかもしれない心許なさから、ルリは肩を縮め気味に、不安そうに歩いているわけだった。
歩いていることで、乳首には微かな摩擦が生じている。それが刺激となるおかげで、突起した状態が維持されて、この分では性感帯は鎮まらない。
アソコさえ、微妙に疼いているくらいだ。
(私……変態です……)
この状況に興奮している。
バレたくないが、バレてみたい、期待と不安の入り交じった思いを胸に、ルリは道のりを進んでいた。
歩道の上、向かいから歩いて来るサラリーマンの姿を見るなり、少しだけ強張るルリは、緊張感を抱きながらに、その男とすれ違う。
サラリーマンはルリに目もくれていなかった。
冷静に考えれば、乳首はじっくり凝視しなければわからない。スカートの中身も余計にわかりようがないわけで、気にしなければそれまでだ。
もっと何てことのない顔をして、不安も緊張も全て切り捨て、堂々と歩いていた方が、むしろ挙動不審のせいで人目を引く恐れがなくていいのだろう。
いちいち、気にしすぎだ。
そう思い、普通に胸を張って歩くことを意識する。
だが背筋を真っ直ぐ伸ばし、姿勢よく進んでいれば、布の伸び具合で乳首と裏地の密着度合いがその都度変わる。肌に張りつくたび、シャツから乳首の形が浮き上がっているはずだ。
やはり、腕でさりげなく胸を隠していなければ、気づく人は気づくのではないか。
(あ……)
また、新たにサラリーマンが歩んでくる。
次はどういう反応になるだろうかと、ルリはそのまま前へ進んでいくのだが、やはり相手は目もくれない。気づいた様子はどこにもなく、ごく普通にすれ違ったまま、サラリーマンはルリの後方へ歩み去ろうとしていた。
その時、ふっとルリは思いつく。
(そういえば、今なら誰もいませんね)
この閑散とした道のりには、あまり人を見かけない。
だとしたら、一瞬だけなら問題ないのではないか。
ルリは振り向き、遠退いていくサラリーマンの背中を見つめ、素早くシャツのボタンを外した。胸を露出するのにちょうどいい位置まで外した上で一瞬だけ、ほんの数秒だけ乳房を外気に曝け出す。
顔が赤らんだ。
屋内でもなければ、混浴温泉の中ですらない。頭上には青空の広がる外の空気が乳房に触れ、妙な解放感と同時に湧いてくるのは、急に振り向かれたらどうしよう、というリスクへのスリルと、そのまま視姦される状況が思い浮かんでの興奮だった。
すぐさま、ルリは着衣を元に戻した。
最後まで気づくことのなかったサラリーマンは、振り向く素振りすらなく、そのまま遠ざかっているのであった。
(……ふぅ、バレませんでしたね)
バレたくなければ、初めからこんな真似はしなければいいのに、我ながら何をやっているのだろうか。自分に対して呆れつつ、ボタンを元に戻したルリは、その次にはスカートに手をやって、どうせならアソコも露出してみてはどうかと、エスカレートした思いつきを浮かべてしまう。
躊躇いの宿った手で、タイトスカートをほんの少しだけ持ち上げて、けれどさすがにやめていた。
もう十分、そういうことは温泉の中でしたはずだ。
視姦されたい願望は果たしたばかりだ。
これ以上はよしておこうと、帰り道の方向へと、体を向け直した時である。
「……っ!」
ルリはぎょっとしていた。
回れ右をするはずが、その途中でそれを見てしまい、ルリの振り向く動作は中途半端な角度で停止していた。
少年が立っていたのだ。
車道の向こう側、歩道の白い線の内側に、衝撃でも受けたような、呆気に取られた顔をした少年が、次の瞬間にはみるみるうちに気まずそうな表情を浮かべていた。
(ま、まさか……)
今のが見られてしまった。
サラリーマンの背中に向かって乳房を出して、変態行為を楽しんでいた瞬間を、まさか目撃されてしまうとは、ルリの頭は真っ白に、目撃者である少年も呆然としたまま、お互いにしばらく見つめ合っているのであった。
*
ルリは逃げるように足を速めて、さっさと駅へ向かって進み出す。たった今の衝撃を振り切って、全てを忘れたいようにして、ルリは早歩きとなっていた。
(今のは本当に迂闊でした)
こんな青空の下で露出をしていては、言い訳のしようがないだろう。
混浴ならば、家の風呂が壊れた上で、他に近場の銭湯がなかったと、苦し紛れではあっても言い訳はできる。
だが、外だ。
晴れ晴れと清々しい空気の中で、自分の手でボタンを外し、乳房を曝け出していたのだ。
露出狂の変態かと、面と向かって言われたら、返す言葉は何もない。何も言われないうちに歩き出し、駅に着いたところでようやく足を緩めたルリは、ホームで静かに電車を待つ。
人が少ない。
曜日と時間帯のせいなのか、出勤時間帯ならもっと混み合う駅なのだが、今は閑散としていて物静かだ。他に電車を待っている人々は、そこに現れたルリには関心がなさそうに、ただ真顔で立ち尽くしていた。
(少々、やりすぎていますね)
混浴温泉に入っただけでも、かなりの冒険だったはず。まるで飽き足らずに次の行為に走ったようで、ルリは道端での行動を後悔していた。
ホームにアナウンスが流れて来る。
そして到着した電車は無人であった。他の車両になら乗り込んでいる人がいるようだが、ルリが乗った中には一人もおらず、人気の無さは予想以上だ。
ルリは座席に腰を下ろす。
この電車は発車までに数分待つので、それまではぼーっと、意味もなく天井を見上げていた。
そんな時である。
一人の乗客が乗り込んで、それが視界の片隅に入ったことで、ルリはそちらに目を引かれる。何気なく、意味もなく、何となく釣られて視線をやるなり、ルリは次の瞬間にはぎょっとしていた。
「あっ……」
思わず声を出したのはルリだけではない。
「あ……」
向こうの方も、似たような声を上げていた。
先ほどの少年が乗ってきたのだ。
人の顔を見て驚いている様子から、どうやら尾行してきたわけではなく、本当にただの偶然らしい。気まずいような困ったような、何とも言い難い顔をして、その少年も座席に腰を下ろしていた。
少し迷う素振りを見せてから、少年が座った位置は、しかしルリの正面だった。
(どうして前に……)
この車両は無人だ。
二人きりだ。
他にいくらでも空いている席がある中で、どうして正面に座るのか。
まもなく、電車のドアは閉ざされる。
ゆっくりと動き出し、窓の向こうの景色が横へ横へと流れ始めている中で、ルリは視線を感じていた。
じぃ……。
と、少年はルリのことを見つめてくる。
(なんでしょう)
ルリの方から少年に目を向けると、すかさず顔を背けてしまう。なので試しに俯いたり、横でも向いて過ごしていると、また視線をやってくるので、改めてルリの方から視線をやる。
ぷいっと、また逸らす。
その逸れた視線は、まただんだんと寄ってくる。
そして、逸らす。
同じことが繰り返されているうちに、少年がいかに人の体を見つめているか、さすがにひしひしと伝わってきた。
(あれを……目撃されてしまいましたからね……)
サラリーマンの背中に向けて、乳房を晒していた場面を見られている。少年はルリのことを露出狂か何かと思っているはずで、それをじーっと、まじまじと見つめているのは、果たして特別な期待があってのことなのか。
それとも、透けている乳首に気づいているか。
(どう、しましょう…………)
もう既に、今日は視姦され尽くした。またここで再びなど、考える必要もないはずだが、少年から向けられる視線を浴びれば浴びるほど、やはりもう一度肌を出してみたくなる。そうすれば少年は、一体どんな表情で視姦してくるだろうかと、我ながら痴女としか言いようのない好奇心が湧いている。
ルリは少しばかり、思い悩む。
もうやめておこうか、それとも――。
理性と欲望のあいだで心の振り子は揺れ続け、理性の方に答えが傾きかけたところで、改めて少年の視線を意識した途端、やっぱり欲望の方に傾き直す。
(決めました)
結局、自分はおかしな性癖を身に着けてしまっている。
ルリは思い切って口を開いて、少年に声をかけることにした。
「あの」
と、一声を発した途端だ。
「えっ」
まさか、声をかけられるとは思ってもみない、意外な状況に対するぎょっとした表情がそこにはあった。どうしよう、怒られると、焦ってもいそうな面持ちは、もしやジロジロとした視線について、クレームが来ると思ってのことなのか。
「見たいですか?」
「え……」
少年はますます固まっていた。
時間が停止したように、今度は表情がぴくりとも動かなくなっていた。
「ですから、見たいですか? はっきり言って下さい」
ルリは改めてそう尋ねる。
それから最初の数秒は、言っている意味がわからないとでも言いたげな、困惑を浮かべていたが、やがて頭がルリの意図を読み解いたのか。
「う、うん」
少年は恐る恐る頷いていた。
「そうですか。では仕方ありません」
ルリは思い切って脚を開いた。
どうせ、他に誰もいない。
興味津々の少年から、一体どんな眼差しを引き出せるか、どうしても試してみたいルリの心は、結局は欲望へ傾いていた。
「えっ、あぁ……」
少年が唖然としている前で、ルリは股をM字にしていた。靴を脱いでまで座席の上に足を上げ、下着のないアソコを剥き出しに、少年の視線を引き寄せていた。
動揺したような少年は、最初のうちは困ったような、見てはいけないものから目を逸らそうとする素振りとなるも、女体の魅力には抗いきれないものらしい。
すぐにでも、少年はじーっと、熱っぽい視線を真っ直ぐに送ってきた。熱中しきった眼差しで、ルリの性器を視姦して、だんだんと体は前のめりとなっていた。
アソコに視線が突き刺さる。
ルリはその状況に、膣壁のきゅっと引き締まる感覚を覚えていた。
本来なら、もっと混み合っていてもいい公共の場で、屋外の空気を性器の皮膚で感じ取る。前のめりになった少年の、その向こう側で車窓の景色が流れ続けていることで、自分は一体どういう場所で露出行為に走っているかの実感を強めていた。
興奮が高まる。
視線を浴びること自体によって、皮膚に刺激を感じている。少年の熱意ある眼差しから、性的な興奮が伝わってくることで、自分がどう見られているかの感覚が味わえる。
ルリは気づいていた。
少年が妙に膝を引き締めて、両手を内側に置いていることに。つまり、アソコの部分がどんな状態であるかを察して、一人の異性をこんな場所で勃起させてしまった背徳感すら、ルリは感じつつあるのであった。
そのうちにルリの手は、自然とアソコへ動いていた。
うずうずと熱っぽくヒクつくあまり、気になって気になって、指をやらずにはいられないような感覚に陥って、ルリはそのまま性器に触り始めていた。
「んっ……」
ワレメに指を置いた途端、ルリはぴくっと頬を弾ませる。
少年はごくりと息を呑んでいた。
ますます興奮しているのが伝わって、ルリはすぐにでも指で上下に擦り始めた。少年に自分のはしたない姿を見せびらかし、より大きな興奮を煽ってやりたくなっていた。
視姦の圧力を強めたいのだ。
シャワーの温度が足りないから、もっと熱いお湯を出したいように、ルリは少年をもっと興奮させようとした。浴びる視線の力を強めたかった。
アソコが濡れる。
摩擦をかけることに夢中になって、ふとした拍子に気づいてみれば、もう指には愛液が絡んでいた。指を上下すればするほどに、皮膚に粘液を塗り込んでいるような状態は、その滑りの良さでより強い刺激をもたらしていた。
視線を浴びることにこそ、最初は夢中のはずだった。
自慰行為を始めることで、少年の眼差しがより熱くなることで、皮膚に対して行われるレーザー照射の、出力が強まったように感じていた。
そんな視線によって皮膚を焼かれる感覚を味わっていたつもりが、自らの愛液に気づいた時から、ルリはもっぱらオナニーへと意識を切り替え、今度はそちらに夢中になった。
「あっ、んぅ……んぅあっ、あぁ…………」
甘く熱っぽい息を吐き出しながら、ルリは指の動きを活発なものへと変えていく。
膣口に指を入れ、出し入れを始めるまで、そう時間はかからなかった。
「んっあぁ……!」
ピストンをすることで、足腰に走る刺激は大きなものに、ルリは軽く前髪を振り乱す。
耳には水音が届いていた。
くちゅくちゅと、粘液の固まりをかき混ぜているような、粘っこくも水っぽい音がルリ自身の指から鳴り、やがてその瞬間である。
『間もなく、○○駅――』
車内にアナウンスが流れてきて、ルリはぎょっとしていた。
「あっ……!」
さすがにまずい。
電車の速度が緩み始めて、窓の景色も駅構内のものになった時、ルリは慌てて脚を閉ざした。スカートをしっかりと手で押さえ、ドアが開くよりも早くオナニーを中断していた。
ぷしゅっ、と。
何かを噴射でもするような音を鳴らして、電車のドアは左右に開く。
ごくりと、緊張で息を呑む。
誰か、乗ってくるだろうか。
たった今まで、人にオナニーを見せびらかしていたこの現場へと……。
ルリは肩越しに後ろを気にかけて、落ち着きなく人の流れを視界に捉える。
だが、乗ってこない。
他の車両はわからないが、どうやらこの車両に乗り合わせる人間はいないらしい。
ドアが閉まり、電車は再び発進した。
「再開、しますね」
そして走り始めれば、少年の顔には期待感が戻っていた。停車しているその間、慌てたような、落ち着かないような様子でいたのは少年も同じであったが、誰も乗って来なかった以上、どうやら続きが気になるらしい。
「……う、うん。お願い、します」
少年は深く頷く。
ルリは脚を上げ直した。
改めて作ったM字の中心に、まじまじとした視線を浴びながら、ルリは指をピストンさせる。それは少年の目で見れば、手の甲が前後し続ける光景のはずだった。
「んっんぅ……あっ、んぅ…………」
ルリはすぐまた、快感に夢中になっていた。見られている意識に沈み、そのピストンはしだいにペースを上げている。出入りすればするほどに、膣壁は柔らかにほぐれていき、愛液の滑りが刺激を増す。
「はぁ……んっ、はぁ……あっ、あぁ…………!」
いつしか周りが見えなくなった。
自分が一体、どんな場所でアソコを曝け出しているのか。誰に見せびらかしているのか。その全てを忘れて夢中になり、貪るばかりとなるルリは、ほどなくして絶頂へと向かっていた。
「あっ、あぁ……あっ、んぅ……!」
声は淫らに、浮かべる表情も悩ましげに、そんなルリの感じる姿は、少年をより一層のこと興奮させているのは言うまでもない。前のめりになった少年は、もはや瞬きすら忘れ、食い入るように凝視していた。
「あっ、いぃ……い……く…………!」
高みへと近づいて、ルリは不意に少年を思い出す。夢中になりすぎるあまり、自分自身の快楽の世界に溺れ、自分が一体どうしてオナニーを始めたのか、そのきっかけが意識の表面に蘇った。
イキそうになっていて、その時にこそ思い出した以上、ならば次にルリが考えるのはただ一つ。
「あっ、いっくぅ……見て………………!」
絶頂する瞬間を見て欲しい。
ルリはそうして、ビクっと肩を跳ね上げていた。頭を真っ白に染め上げて、しばらくは息さえ止まり、数秒以上の間を置いてから、ようやく呼吸を再開していた。
肩を大きく上下させ、ルリは目の前の床を見える。
「あっ、あぁ…………」
潮吹きの滴を撒いてしまった。
電車の中で、アソコを剥き出しにしたばかりか、性器から放出したもので床すら汚す。小便を垂らしたわけではないが、それほどにはしたない真似をしてしまったようで、アソコを見られることよりも、汚れを見られる方が恥ずかしいという、そんな感覚に陥っているのであった。
そして、少年も困った顔をしていた。
気づいてみれば、ぎゅっと脚を引き締めながら、股のあいだに両手を差し込み、何やら股間を押さえている。その尿意を我慢して見える姿から、ルリは察してしまっていた。
(これはもしかして……)
少年は勃起していた。
かなり、興奮していた。
それが今、こうも困った風な顔をしている理由といったら、もしやそういうことではないかと予感していた。
(ちょっと、やりすぎたでしょうか)
ルリは気にかけ、立ち上がる。
「あの」
声をかけた。
「大丈夫ですか?」
目の前まで近づくと、青臭いような何とも言えない匂いが微かにする。
これがもしや、その臭気なのだろうか。
「う、うん……だ、大丈夫……」
大丈夫ではなさそうな、引き攣った笑いで少年はルリを見上げていた。
「そうですか?」
「うん、うん」
少年は何やら必死に、力強く頷いている。こうも隠している以上、アソコの状態を見られたくないのだろう。
まもなく、次の駅へと到着する。
その停車でドアが開いた時、なおもアソコを押さえる少年を横目にして、ルリは電車を降りるのだった。
だが、それで良かったのだろうか。
きっとあの少年は、ズボンを人に見せたくない状態に陥っていて、その原因は自分にある。それを放って帰ってしまって、本当に良かったのだろうかと、後悔の念を引きずりながら、ルリは駅を後にするのであった。
それから、自宅への道のりでも、ルリは自分がノーパンノーブラであることを意識していた。温泉から駅までの道のりと違い、今度はアソコが愛液を纏った状態での、タイトスカートの内側に通る風が必要以上に気になる帰り道で、ルリはまた新たなサラリーマンとすれ違う。
ルリの何に気づいたわけでもない。
視線をやりすらして来ない、黙々と歩いて通りすがっていくだけのサラリーマンの背中を肩越しに見た瞬間、ルリは思わず振り向いてしまうのだった。