しばらくすると、二人の男はサリアのバイブを抜き取っていた。
まずアソコから引き抜けば、長い長い糸が引く。大量の愛液が出ていた分だけ、どこまでも長く伸びるだけの質量を持って、実に二十センチ以上ものアーチが出来上がる。糸そのものの長さでなく、バイブとアソコの開いた距離がそのくらいなのだ。
ならば、重力によって下垂している糸の長さは、さらにそれ以上のものとなる。
それだけ長い糸を引いても、伸ばし続けていけばやがては切れて、弾けたように消え去った。その直後にポタポタと、バイブの先端からは何滴もの滴が垂れて、その一滴ずつが砂を水分で固めていた。
「はぁ……はふぁ……はぁ…………」
サリアには余裕がなかった。
何十回もイカされ続けた余韻のせいで、アソコの中には未だにバイブが入っているような感覚がしているのだ。しかも、引き抜く際の摩擦でさえも気持ちよく、大きな声が出そうになっていたのだ。
肛門から引き抜くにも、それ相応の刺激が走るに決まっていた。
「こっちも抜くぜ」
ヴィーヴルの男は肛門のバイブをつまみ、引っ張り始める。
「ぬくぅぅ……! くっくぁぁ……!」
その刺激一つでサリアは喘ぎ、苦悶の表情を浮かべていた。
パシャッ、パシャッ、
それが面白くてか、フェリーンの男はシャッターを何度も鳴らし、サリアの表情をメモリーの内側に収めていく。先ほどまで撮っていた動画も合わせて、一体どれほどの記録が収まってしまったか、考えたくもないのだった。
さらにはローターも取り外す。
テープによる固定は、肌が汗ばんでいたせいか、粘着が薄れてあっさり取れた。テープが剥がれると同時に股へと落ちて、そのまま地面に転がっていた。
「じゃあよ。バイブなんかより、もっといいもんをくれてやるぜ」
ヴィーヴルの男はベルトを外し始める。
「ま、待て…………」
サリアの声は、実に弱々しいものだった。
「あん? 聞こえねぇなぁ?」
「やめろ…………」
「聞こえねーっつってんだろ?」
疲弊しきった声量は、本当に小さなもので聞き取りにくい。
しかし、男のニヤついた態度さえ見ていれば、どんなに大きい声であろうと関係がないのは明白だった。
ヴィーヴルの男は大きなペニスを露出していた。
それを見るなり固唾を飲み、サリアは胸中で覚悟を決める。手錠や足の拘束で、そもそも身動きが取れないのもあるが、加えて絶頂の連続により疲弊が重なり、サリアにはもう覚悟をする程度のことしかできなかった。
男がペニスを突き立てる。
「いいねいいねぇ!」
それをフェリーンの男が横から撮る。
「んんん!」
今度は生挿入により、サリアは歯を食い縛った。
「また声を抑えてるのか? どうせ最後はアンアンいうんだろ?」
「だっ、黙れぇ……! んぅ……!」
「ほらほら、もっと感じちまいな」
「んっ、んくぅ……!」
サリアはきつく歯を噛み締め、最初のうちこそ声を抑えた。
しかし、どちらの男も、その耐えているサリアの顔に対して、それはそれで悪くないかのようにニヤニヤと、楽しそうに眺めてくる。
(こいつら……!)
憤りが膨れ上がった。
こんな奴らのために、やはり激しく喘ぎ散らす無様など、晒してやりたくなどなかった。我慢している様子が面白かろうと、それ以上に面白いであろう光景だけは、せめて見せないつもりでいた。
今度こそ、という気持ちを込めて、サリアは全身を強ばらせる。
「んっ、んぅ……!」
それでも、足首がしきりに反り返る。髪を振り乱してしまう。胴体がくねくねと、ピストンに合わせて動いてしまう。体中の至る所に反応が現れて、サリアがいかに気持ち良くなっているかは一目瞭然なのだった。
「撮ってるからねー?」
フェリーンの男はカメラの存在を見せびらかし、そんなお前の様子を記録してやっているぞ、とでも言わんばかりに、誇らしげにしてきていた。
「んぅぅ…………!」
最初の数分は、どうにか堪え続けていた。
「んぁぁ……!」
だが、ほどなくして男の言う通りになってしまった。
「あっ! あん! あん! あん! あん! あん! あん!」
「さっきよりも早かったなぁ?」
ヴィーヴルの男は背もたれに両手を伸ばし、倒れないように引き寄せながらも腰を振る。大胆に打ちつけるストロークは、その一発ごとに稲妻でも駆け巡るような多大な刺激をサリアの四肢にもたらしていた。
「んぁあ! あっ、んっ! あん! んぐっ、ぐあぁぁ!」
サリアは激しく髪を振り乱す。
「うっほぉぉ! めっちゃほぐれてるぜ? トロトロで出入りがスムーズっつーの?」
ヴィーヴルの男は興奮のあまりに饒舌となる。
「マジか? 早く俺に変わってくれって」
「待て待て、今外に出すからよぉ」
そう言って、ヴィーヴルの男はピストンに集中する。
「あぁぁ――! あっ、あぁぁ――――!」
より激しい快楽に襲われて、サリアは絶叫で喉を痛める勢いだった。翻弄されるままに首を振り、そうやって振り乱した髪が頬や額に貼りついている。ピストンによって愛液はかき混ぜられ、玉袋とアソコのあいだに絶えず糸が引き続けていた。
睾丸と膣口が触れ合って、ピストンのたびにその都度生まれる銀色の糸は、男の腰振りが激しいだけに、一瞬ずつしか現れない。たった一瞬、まばたきほどのあいだだけ姿を現し、そして腰を打ちつける動作によって、直ちに押し潰されている。
壁と壁の隙間に磨り潰されるかのように消え、しかし睾丸は新しく愛液を付着させるので、何度でも新しく糸を引き続けていた。
その果てにサリアは絶頂を迎えていた。
「んあああああああああ!」
M字の先にある足首が反り上がり、指まで開いて震えていた。
潮吹きはそのまま陰毛やその周囲に付着して、ヴィーヴルの男もちょうど良く射精のタイミングを迎えていた。
そして、ヴィーヴルの男が肉棒を引き抜けば、次は自分とばかりにフェリーンの男がズボンを脱ぐ。イったばかりの温かい膣口へと、二度目の生挿入がサリアを襲う。太ましい逸物が膣壁を大胆に抉り抜き、激しいストロークによって膣奥を貫くピストンに、サリアはやはり絶叫めいた喘ぎ声を上げていた。
「おあああ! おあっ、あがっ、ぐっ、ぐおぁっ、あぁぁ……!」
雄叫びのようですらある。
もはや獣じみてすらいる声を吐き散らし、快楽に翻弄されるままと化したサリアへと、フェリーンの男はなおもカメラを向けていた。よがり狂う姿を是非とも映像に収めておこうと、彼は腰を振りながらもカメラを片手に、動画撮影を行っていた。
「おあっ、あぁ! あん! あぁん!」
サリアはただ、喘ぐだけだった。
真っ白になりきった頭の中には何もなく、強いていうなら快楽の渦が巻いているだけである。ものを考え、人間らしい言葉を放つことなどできる状態になく、サリアはただただ、快楽に対して喘ぎ続けるだけの存在と化していた。
「さぁて、それじゃあ俺もそろそろ」
フェリーンの男は射精感が上がったところで肉棒を引き抜いて、サリアの腹部に射精する。白濁を撒き散らし、胸や腹を汚していく瞬間も、当然のようにカメラを回し続けていた。
汗と精液と愛液の香りが混ざり合い、臭気となって辺りを漂う。
その匂いに鼻をヒクヒクとさせながら、満足そうな顔で二人して、男達はズボンを穿き直す。
「気持ち良かったぜ?」
「お礼にバイブは入れ直してやるよ」
「テープは?」
「ないな。ま、ローターは仕方ない」
お礼と称して、一度は抜いたバイブをわざわざ入れ直し、バッテリーの切れる様子がない、まだまだ振動を続ける二本のそれが、再び二つの穴に収まっていた。
サリアはまだ、長らくのあいだ刺激に晒され続けることとなる。
膣と肛門を責め立てる振動に、また改めて息遣いを荒っぽくしながらも、サリアは虚空を見つめて放心していた。
*
その後も、何人かの男は現れた。
喘ぎ声を聞きつけたのか、何なのかはわからないが、最初の二人が消えてしばらくすると、こっそりと様子を窺うようにして、腰の引けた男が現れていた。その男は何をするでもなく、ただサリアのことを視姦するだけして立ち去っていた。
さらにその次に現れた男は、精液濡れのサリアにカメラを向け、何枚かの写真を撮って去っていく。
またさらにその次は、物珍しいものに驚く顔をしながらも、サリアの乳房にそーっと手を伸ばし、揉み始めていた。その感触に感動して、夢中になって指を使い、味わうだけ味わったら去っていく。
それらのあいだ、サリアの放心はいつまでも続いていた。
視姦されようとも、写真を撮られようとも、果ては触られようとも反応を示す気力もなく、サリアはただただぐったりとし続けていた。
ことりと、アソコからバイブが抜け落ちる。
愛液で滑りが良くなって、そのおかげで排出されやすくなっていたのだろう。ヴィーヴルの男の入れ直しが雑だったのも合わさってか、しだいしだいに外へと飛び出し、やがて地面に転がっていた。
振動するバイブに反応して、無意識に力んでしまう下腹部の筋肉が、だんだんと押し出していった結果であった。徐々に這い出ていくように、上下左右にくねくねと動きながら出ていって、その最後には転がったわけだった。
やっとのことで、サリアは薄ら思う。
アソコへの刺激が無くなって、快楽地獄が少しは薄れた。ついでに肛門からも抜け落ちて欲しかったが、下の方はなかなか抜け出てくれそうにはない。試しに肛門括約筋に力を入れても、ただバイブを締め上げるだけだった。
肛門からの刺激は止まっていない。
そのせいで、放心から徐々に立ち直ってきたサリアは、だからこそ自分が快感に晒されていることを思い出す。どんなに疲れたと思っても、止まってくれることのない振動に、サリアはいよいよ参り始めていた。
そんな時、また人が通りかかってくる。
(何人も何人も……)
放心の最中に来ていた男も、薄らと記憶には残っている。わざわざ人数など数えていないが、これがもう何人目かになる男である一点だけはわかっていた。
駄目で元々、また試しに言ってみようか。
助けてくれないか、せめて肛門のバイブだけでも抜いてはくれないか。
「事情はわかりませんが……」
幽霊のような男だった。
蒼白な顔立ちに生気がなく、魂の宿っていない人形だと言われれば、うっかり信じてしまいそうなものがある。最初の二人組と同じくして、やはり着ている服は粗末なもので、こんな廃都市を拠点とする住人は、まともな場所では暮らせない事情の持ち主というわけなのだろう。
そんなこの都市の住人と、サリアが今まで関わってきた武装集団には、何か関わりがあるのだろうか。
それはドクターや他のオペレーターが解き明かしてくれるだろう。
(そういえば、私は囮なのだったな)
自分の役目を思い出す。
思い出してみてわかるのは、快感のあまりにそんなことさえ忘れていた自分であった。快感のせいで何もかも吹き飛んで、頭の中から肝心なことまで消えていたのに、今になってサリアは気づいていた。
「落ちていますよ?」
その言葉に、サリアは信じられない顔をした。
なんと、その男はバイブを広い上げ、持っていた水で洗い始めた。ボトルの蓋を取り外し、その中身をかけることにより、表面に付いた砂を落とし始めたのだ。
「ああ、気にしないで下さい。川や湖が近くにあって、井戸も掘れて、幸い水はそこまで貴重ではないんです。まともな服とか、電子機器なんかは、貴重なんですがね……」
バイブを洗い終わるなり、男はサリアのアソコに入れ直そうとしてきていた。
「ま、待て……」
「そういうプレイなのでしょう?」
「違うぞ。わざわざ入れ直さなくていい!」
「そうは言いましても、あなたの状況はあまりにも特殊です。何か普通ではない性癖を満たすため、こういうことをなされているのでは?」
「いや……違う……違うぞ…………」
否定の言葉を口にしながら、サリアは薄ら寒さを覚えていた。
そして、戦慄していた。
わ、私が変態に見えているのか?
考えてもみれば、当たり前の話だ。
サリアがここでこうしている事情を知っているのは、サリアに手錠をかけた例の男に、ドクターやオペレーターをはじめとした作戦に関わる人物達だけである。あのフェリーンとヴィーヴルの二人組にしても、ただ女がここにいると教わっていただけで、細かい事情まで教えられているとは限らない。
今の今まで、サリアの元を訪れて、写真を撮るなりしてきた面々の、全てがサリアについて誤解していたかもしれないのだ。
この女は変態だ。
という風に。
そう気づいてしまった瞬間から、サリアの瞳は戦慄に震えていた。。
「さあ、入りましたよ」
男はサリアのアソコにバイブを入れ直す。
まったくの親切心で、しかも特殊な変態性癖に理解を示そうとまでしながら、この人物はバイブを入れ直してくれたのだ。勝手気ままに欲望を満たすのでなく、一人の変態女に気を遣い、バイブが抜け落ちていることを気にしてくれたのだ。
「ところで、あなたの趣味趣向はどこまでのものでしょう」
彼は尋ねてくる。
何らの悪意もなく、ただの純粋な疑問として。
「見るのは問題ないのでしょうか? お嫌でしたら立ち去りますが、私も男でして。あなたの迷惑にならない範囲で構いませんので、少しばかり楽しませては頂けないかと……」
実に申し訳なさそうに、腰の引けた風に頼んでくる。
相手が変態である上に、現に裸で脚まで広げているのだから、普通の女性相手なら失礼な頼み事も、目の前の相手に対してなら問題ないと、そう判断してのことに決まっていた。
「違うんだ……本当に違うんだ……」
「はて、では誰かに暴力を受け、辱めを受けた結果が今のあなたの状態なのですか?」
そうだと、答えたかった。
囮は囮といっても、辱めを受けた過去さえなければ、そんな作戦は立っていない。ある意味では間違いないのだが、相手は何も知らない一般人なのかもしれないのだ。
ここに住み着いている住人と、武装集団との関係をサリアは知らない。
何か癒着があるのか、そうでないのか。
何もわからないのに下手な情報を喋ることは憚られ、サリアはつい口を閉ざしてしまっていた。
「ご希望なら、もちろん拘束を解いてみますが、足にあるのは手錠ですよね。ああ、ですがアーツを使えば、あるいは外せるかと……」
サリアの拘束を解き、自由にしても構わないとまで言ってくる。
だが、サリアにはわからないのだ。
肝心の作戦がどこまで進み、どんな状況になっているのか。丸裸で持ち物の一つもなく、あるのはバイブやローターだけだった。仲間達の情報など入ってくるはずもなく、今ここで助けを求め、本当に拘束を解いてもらってしまっても良いものか、まったく判断がつかなかった。
だいたい、作戦内容に合わせるなら、オペレーターの助けが来るまで、サリアは囮のまま待機ということになっている。
だったら、こう言うしかなかった。
「すまない……放っておいてくれ……」
そう答える以外にないのだった。
「そうですか。何か事情があると察します。それでは、私はこれで……」
ただの善良な男だった分だけ、心が痛い。
勝手に触ったり、勝手に写真を撮ったりしてきた男がいた中で、この男の場合は単にサリアの性癖を誤解して……。
いや、今までも、そうだったのではないか?
サリアは急にそう感じ始めていた。
あの最初の二人は、女をヤれてラッキーといった程度の連中だったが、他の全員が全員とも、あれと同じだったのだろうか。変態女が変態欲求を満たしている。ここはその手伝いでもしてやろうと、そういう考えだった男がいなかった保障はない。
もちろん、答えなどわからない。
単に己の欲望のためだったのかもしれないが、少なくともサリアのことが変態に見えていたのは確かだろう。
サリアは立ち去る男の背中を見送りながら、心をどっと沈めていた。
「違う……私は、変態などでは……」
否定したくてたまらなかった。
だが、それでもサリアは、今は待機に徹していた。
「あれ? あれあれ?」
「これってどういうわけ?」
「どうぞ私を犯して下さいってか?」
次に現れる三人組の男達は、間違いなく犯しに来る。
それに対して、今のサリアにできるのは、やはりただ覚悟を決めることだけだっt。あ
*
朝になり、サリアは気でも失ったようになっていた。
意識は不明瞭で、声をかけても朧気な反応しか返さない。そんな状態のサリアを回収するにあたって、ドクターはそこで起きたことを察していた。
大量の精液が付着して、その乾燥によって髪が固まり、肌がカピカピとなっているところを見れば、むしろ察せないはずがなかった。
「…………」
医療班が担架に乗せて運搬していく。
そんな毛布のかかったサリアを見送りながら、ドクターは後悔の念を抱いていた。
武装集団は現れなかった。
廃都市に住み着いていた住民から話を聞けば、見知らぬ男が数名ほど現れたことはあったそうだが、それ以上の特別な接触はなく姿を消している。
ただ、電子機器の提供があったらしい。
それは主に、カメラが中心だったとか。
(ただの辱めが目的だったのか?)
ドクターは疑問を胸にする。
あのメッセージがロドスに対する挑発であり、挑戦でもあるというのは、ただの深読みだったとでもいうのだろうか。
その後、新たに動画が流出していた。
そもそも、あの口約束によって動画を破棄したり、流出はしないつもりが本当にあったのか。
数週間後の、事業目的で訪れた移動都市で、販売されていたアダルト映像から発覚した。公園の中心で椅子に囚われ、来る人来る人に辱めを受ける映像が、そういう企画のAVとして売られていたが、映っている女はどこからどう見てもサリアであった。
(辱めを介した資金源の確保か?)
挑戦や挑発というブラフを読まされ、まんまと出し抜かれてしまった結果、サリアには一体どんな言葉をかければいいか。思いつく謝罪はしてみたものの、それ以上のことは何もできずに、サリアとは気まずくなった。
きっとサリアの映像は、今から販売中止に追い込んでも、既に誰かは購入済みだ。その購入済みの層がわざわざ手放すとは限らず、ましてロドス職員内にも、密かに所有している者がいないとは限らない。
一体、これはどうしたものか。
さしものドクターも頭を悩ませていた。
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