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  • 士堂瑠璃の内科検診

    
    
    
     この殺しは二段構えだった。
     まず、何も知らずに患者としてやって来るターゲットに、診察上の何かしらの理由を付けて注射を刺し、睡眠薬で意識を奪って殺害する。実にシンプルなやり方だが、勘のいいターゲットは直前に気づいて抵抗するかもしれない。
     勘の鋭い標的だと聞いている。
     そこで、別の闇狩人が様子を伺い、状況によっては『彼女』が背後から手を下す。
    
    「最近の調子はどうですか?」
    
     内科医である太山康夫は、にこやかな表情で問いかける。
    「はい。最近は調子がよくて」
     嬉しそうに答える中年の、痩せっぽいこの男は、見たところ盗みや暴力とは一切無縁の、むしろ不良に絡まれることの方を心配したいほどには、気弱な感じもある人物だ。悪事を働く勇気はなく、万引きもできない性格というのが、持病を持つ彼に対して、何度も診察上向き合ってきての印象だった。
     だが、こうも何もできなさそうな男でも、殺人を犯している。
     確か、こういう話だった。
     彼は中学生の娘を持つ既婚者で、妻とは長年連れ添ってきたが、ある時に若く綺麗な女性と出会い、その愛情は新しい女へと移ってしまった。熱愛のあまりに彼は妻に離婚を持ちかけ、たちまち口論となった末、ついには殺人計画を実行した。
     再婚の邪魔になる妻を始末したかったわけだ。
     しかも、中学生の娘も話を知るなり母親の味方に回っており、二人がかりで父親をなじるという状況だった。だから彼にとっては娘の存在さえも疎ましく、妻に加えて娘でさえも殺してしまったのだ。
     母と娘が二人で出かける予定を利用して、乗用車に細工を施し、事故に見せかけしなせている。
     そして、依頼者は彼の親族。
     最初こそ、依頼者自身も単なる事故と考えていたが、母と娘からの相談によって、離婚話で揉めていることは知っていた。別の女と結婚するための障害が、とてもタイミング良く取り除かれたことに対する不審な気持ちは元から抱いていたという。
     彼に落ち込んでいる様子はなく、むしろ晴れ晴れとした様子でいることが気にかかり、興信所の真似事をして身辺を調べていると、偶然にも不審な話を聞くことになった。
     喫茶店でデートをしている二人の近くにこっそり座り、聞き耳を立てていると、『上手くいった』『これで結婚できる』『前から鬱陶しかった』など、計画殺人を匂わせる発言が節々から出て来たとか。
     それから、闇狩人の噂を知っていた依頼者は、彼を始末して欲しいと持ちかけてきた。依頼を受けた闇狩人達は、早速のように調査を始めて裏を取り、彼は本当に計画殺人を行っていたのだという事実を突き止めた。
     真実は簡単に確かめることができたと聞く。
     最近、若い新人に読唇術を使う少女がいて、望遠カメラで部屋を覗き見た結果、新しい妻との会話で明確に殺人を口にしていた。人目のある喫茶店では直接的な言葉を出さなくとも、二人きりの場では存分に自慢をして、いかにして母娘を消してやったかを、まるで仕事で大手柄をたてた自慢のように語っていたとか。
     すなわち、太山の目の前に座る患者は、殺されても文句の言えないような人間だと、きちんと確認できている。
    「では聴診をしていきます」
     聴診器を手に取って、太山は男の胸にぴたりと当てる。
     心音を聞きながら、つくづく思う。
     心臓が悪いという理由で以前から通い詰め、定期的に顔を出してくれていた常連が、まさか非道な殺人を行っていたのだ。
     人間、誰がどんな人物か、まるでわかったものではない。
     そもそも、太山自身でさえ、闇狩人として殺しをやっている。
    
     ――妙に勘がいいそうです。
    
     数日前、電話越しに聞いた情報を思い出す。
     相手は若い弁護士で、確か秋月という名前だったか。
    
     ――他の闇狩人が接近を行い、背後からの殺害を試みますが、直前で気づいた彼は慌てふためきながら逃げ出します。驚くほどに逃げ足は速く、そうしたことが三回も続き、幸い、誰も顔は見られていないのですが、本能的な勘は妙に鋭いというわけです。
    
     そこで、表向きには内科医をやっている太山のところに話は舞い込む。
     日常的に男の診察をしているのだから、彼も油断しきっているだろう。まさか、いつもの医師が自分を殺すとは夢にも思わないはずである。と、そういうわけだ。背後から忍び寄る驚異は察知できても、いつもの医者に殺されるとは思わないだろう。
    「今日はちょっと注射しましょうか」
     太山は専門知識の限りを尽くし、できる限りそれらしい理由をこじつけ、注射が必要であることを唱えてみせる。
    「……え?」
     困惑気味だった。
     いつもはしない措置をしようとしているのだから、当然の反応に過ぎないはず。太山は男に腕を出させ、睡眠薬入りの注射針を近づけた。
     これさえ打てば――男の右腕に手を添えて、太山は注射の針を迫らせる。あと一センチまで針を接近させ、これなら無事に打てるだろうと安心した途端である。
    
    「待て! 何の注射だ!」
    
     男は急に慌てふためいていた。
    「な、なにって、ですから薬を……」
    「嘘だ! 最近、ヘンなことばかりだ! 誰かに狙われている気がする! まさか! まさかお前も僕を殺そうっていうのか!」
     普通に聞けば、おかしくなった男が放つ狂言である。
     妄想に溺れて吐き散らす妄言としか思えない内容も、闇狩人である太山にとっては笑えない。
    「何をおっしゃって――」
    「くそ! こんな病院には二度と来ない! 今日はもう帰――――――」
     突如、ビクっと、男の首に何か電流でも走ったように、頭が一瞬だけ揺れていた。痙攣めいた一瞬の揺れを最後にして、途端に男は動くことが無くなっていた。目がみるみる虚ろになり、腕はだらりと垂れ下がり、力なく倒れていく。
    
    「古くなった家族を捨てて――」
    
     ばったりと、前のめりに倒れて胸を打ち、顔を打ちつける男の口から、だらしのないヨダレが溢れて床に広がる。
    
    「――新しい家族に取り替える」
    
     男の背中に隠れていた一人の少女が、太山の目の前には立っていた。
     コートを纏い、リボンをなびかせ、カラスロを手にした彼女は、覚めた視線で足下の死体を見下ろしている。
    
    「まるで買い物ですね」
    
     冷気が漂うかのように、空気が冷え切っていた。
    「君が、士堂瑠璃しどうるりさん。助かったよ」
    「いえ、注意を引きつけて頂いたおかげです」
     そのための二段構えだった。
     太山の行う殺しを悟られても、乱心した男の意識は太山に集中して、さすがの勘の鋭さも背後には及ばない。その隙を見て忍び寄り、別の闇狩人が殺害を実行する。今回のこのやり方は見事に決まったというわけだった。
    「家族なんて、家具と同じなんでしょうか」
     死体を見下ろす瑠璃の視線は、氷のように冷え切っていた。
    
         ***
    
    「あ」
    「あ…………」
    
     再会はそれからだった。
     南町学園高等学校において、内科検診は上半身裸での実施となっている。その理由は皮膚の状態や発育が十分であるか、脊柱は四肢を見ることで骨格に異常はないか、より正確に調べるためである。
     プライバシーを確保するため、衝立を並べるととで周囲の視線を遮るように、診察用のスペースを作っておく。さらに脱衣用のスペースも備えておき、そこで事前にブラジャーを外しておき、医師の前に出たところで体操着を脱ぐという手順だ。
     検診は体操着と短パンでの実施である。
     内科医である太山康夫は、何人もの上半身を立て続けに調べていき、健康状態を一人ずつ明らかにしている最中だった。
     まさか、つい先日の闇狩人と鉢合わせるとは――。
    
     ――士堂瑠璃。
    
     闇狩人の新人が女の子で、高校生であることは知っていた。
     お互いに顔も知っている状態だったが、黒縁眼鏡をかけた今の瑠璃は、闇狩人の瑠璃とはまるで別人のようである。どこにでもいる地味で素朴な、しかし十分に可愛らしい彼女は、とても殺しの世界に関わる人間には見えない。
     もっとも、表向きには知り合いということにはなっていない。
     知り合い同士が偶然出会った反応があってはおかしい。
     いや、誰も目撃者はいないのだから、声さえ抑えれば問題はないのだが。
    「よ、よろしくお願いします」
     どこか白々しく、軽い会釈をする瑠璃は、初めて出会ったつもりになりきっていた。
     どこか慌てた風に丸椅子に腰を落ち着け、瑠璃は目の前で体操着をたくし上げていく。すぐにでも脱ぎ始めている瑠璃は、頬を少しばかり赤らめつつも、豊満な乳房を生やした素肌を晒し、白い体操着は脱衣カゴに置いてしまう。
    
     どくっ、
    
     ズボンの内側で、股間が跳ねた。
     会ったのは一度きり、それから再び会う予定などなかった。もしも再び会うとすれば、それは仕事の現場だろうと思っていた。実際にそうなる可能性は低いもので、二度と会わない可能性の方が高いとさえ思っていた。
     あれっきりのものだと思っていた。
     それほど、薄い関係でしかないとはいえ、瑠璃は間違いなく顔見知りだ。
     医師として、ただただ義務的に裸を『診て』いた太山の中に、急に邪な感情が湧いていた。少しばかり話しただけの、知り合い未満の関係でも、まったくの他人よりは知っている女の子の乳房の方が貴重に思える。
     正直に言って、太山は興奮してしまった。
     ネット画像で見る乳房、診察で診る乳房より、友達や知り合いなど、少しでも関係のある人物が出す乳房にこそ価値を感じているのだった。
    「最初はまぶたの裏を確認するから、一旦眼鏡を外してね」
     貧血のチェックを行うため、太山は瑠璃の顔に手を伸ばし、まぶたの裏の色合いを確かめる。特に疾患はなく、健康であることを確認しつつ、次は聴診器を手に乳房を見た。
    
     ――巨乳だな。
    
     胸からメロンをぶら下げていると言っても過言ではない、豊満かつ瑞々しい果実から、桜色の可愛い乳首まで咲いているのだ。それ自体なら、巨乳は何も瑠璃一人ではなく、魅力的な乳房は他にも見たが、他人の乳房に対しては『仕事』という気持ちしか沸いてこない。
     太山にとって、これは『闇狩人の乳房』である。
     あの時、カラスロの先端で正確な点をつき、頸椎の隙間に切っ先をねじ込んで、手際良く骨を外してみせた流麗な殺しの技と、死体を見下ろしていた冷たい視線。まさに魔の住人がふらりと人間界に舞い込んで来たような、よく似合ったコートと長いリボンは印象的だった。
     ただの高校生としての瑠璃に、あの闇夜の住人であるようなオーラはない。地味なオタク女子と言われれば、誰もが信じるおかっぱ頭のルックスだ。別の名前を名乗られて、別人と言い張られてしまったら、それで納得しそうなところである。
     ここまで印象が違っていれば、同一人物とは気づかずにやり過ごした可能性も、あるいはあったかもしれない。
     しかし、それでも知っている人間の乳房だ。
     闇狩人の乳房だ。
     鼻息が荒くなるのを懸命に抑え、いかにも事務的な表情を装いながら、聴診器を胸の中央へ近づけていく。
    「…………っ」
     ちょっとした身じろぎの反応を瑠璃はした。
     大きく丸い乳房のあいだで、どんなに指を小さく縮めておこうと思っても、皮膚を掠めるように当たってしまう。金属がひんやりしただけでなく、接触のせいで強張ったのかもしれない。
    (デカいものなぁ)
     耳に意識をやりつつも、視線は乳房から外すことなく、仕事に真面目な医師という顔つきは崩さないままに視姦していた。
     聴診において、聴診器は肋骨のどの位置に当てるべきか。上から何番目の骨の、およそどの辺りを狙うべきかが頭には入っている。皮膚の向こう側にある骨を透かして見るためと、自分に言い訳をしながら乳房を網膜に焼き付けていた。
     何度か聴診器の位置を変え、気管支の状態や心音を確かめる。心雑音を聞き取って、異常の有無を判断する。
     顔はほんのりと赤いようだが、過剰に恥じらう気配はない。
     学校の決まりとなってしまっているせいで、乳房を出すことは諦めてしまった表情と言えるだろうか。眼鏡のレンズを介した奥の瞳は、少しばかり悲しげなような、何故だか申し訳なさそうな色さえ感じる。
    「後ろ向いて」
     背中を向けさせ、そこにも聴診器を当てていく。
     綺麗な背筋だ。
     さすがに隠れてはいるものの、もしもバンザイのポーズで両手を上に上げさせれば、乳房の大きな円が胴体からはみ出て見えるだろう。そんな横乳を見てみたくて、こっそりと上半身を左右に動かし、覗き込もうとしてみると、横乳はどうにか伺えた。
     いや、動きを怪しまれてもまずい。
     すぐに太山は正常な診察に戻った。
    「深呼吸。吸って? 吐いて?」
     と、いった具合に、合図を与えて肺の音を聞き取ると、これといった異常な雑音は特になかった。
     あとは皮膚の状態を見て、発育を確かめ、骨格も検査する。
     その際、触診も行うことになる。
     乳房への接触を想像しただけで、股間に血流が集中していた。みるみるうちに膨らむズボンの中身を隠さんばかりに、太山は脚をモゾつかせてしまっていた。
    
    
    
     腋窩リンパの触診がある。
    『窠』とは『あな』という読み方をする漢字であり、つまり脇の穴ということは、脇下にあるくぼみの部分ということだ。そこにはどんな神経が詰まっていて、筋肉はどんな形をしているのか。太山の脳内には図面が浮かぶ。
    「リンパ節の触診をするので、脇の下を失礼するね」
     と、断りを入れる。
     これまで胸へ向かって手を伸ばしてきて、ぐっと警戒心を高める女子がいた。明らかに強張る女子がいた。緊張をしている女子。泣きそうな女子。それぞれの反応はあったのだが、士堂瑠璃の場合は警戒心が薄いだろうか。
    「は、はい……」
     少しばかり、恥じらう気配があっただけの、手が近づくことは受け入れる様子である。四本の指はくぼみに入れ、親指は手前に出して触診を始めると、ふんわりとした皮膚の触り心地が手に広がる。
     乳房にも手は当たった。
     リンパを揉んでいるだけなのだが、あまりにも大きい胸のため、手の平の下側が横乳と触れ合っている。手のかかと、とでもいうべき部位で、むにむにと揉んでしまっている。どうせ当たってしまうなら、いっそうのこと意識的に揉んでやろうと、太山は精力的に触診を行った。
     プルプルと揺れていた。
     中央へ寄せるかのようにして、内側へ向けて揉む手つきで、瑠璃の乳房は左右に乳揺れしながらプルプルとした振動を小刻みに帯びていた。
     瑠璃は何も言わない。
     静かに、じっと我慢をしている。
     太山は乳房の上に指を置き、あらゆるポイントに押し込む触診を開始した。下の位置から、上の部分から、乳首の近くから、皮膚に指を置いてはぐにっと押し、跳ね返る感触をチェックしていく。
     観察もしっかりと行って、血色の良さを見た。皮膚の疾患がないかを見た。乳房の大きさに左右差はないかを見た。いずれも問題がないことを確かめつつも、指先では乳房の感触を覚えていく。
     揉みしだいてみたい。
     しかし、あからさまに揉むことはできない。
     そこまで医療から逸脱することは考えられず、せめて他の子よりも長めに触ってやることで堪えていた。
     指先で掬い取り、四指で持ち上げるかのようにプルプルと上下に揺らす。風船が震えるような振動を披露して、瑠璃はぐっと目を瞑る。
     最後に乳首をつまんだ。
     乳頭分泌液が出て来ないかの、乳がんを調べる触診の一部にある方法で、つまんで引っ張るというものがある。だから医療を逸脱してはいない。太山は自分自身に対してそんな言い訳を唱えつつ、引っ張っていた。
    「……っ」
     肩が強張り、内側に縮むような、高く持ち上がるような反応を見せていた。
     もっと遊びたい。
     もっと悪戯したい。
     衝動をぐっと抑え、太山は次の内容へと頭を切り替える。
    「最後に側わん症を確かめるので、立って後ろを向いてもらうよ」
     瑠璃の腰が持ち上がり、直立した身体がくるりと回る。
     背中が向いてきた瞬間に、まず太山の視線を引きつけるのは、短パンを大きく膨らませている巨尻であった。中身にはどれほどの肉が詰まってか、大きな丸いカーブがこちらに向かって突き出ていた。
    
     ……ごくり。
    
     と、太山は生唾を飲んでいた。
     触りたい。
     だが、そんなわけにもいかない。
     ただ、側わん症において骨格の歪みを確かめるには、尾てい骨から背骨にかけてとされている。逸脱しすぎず、できるだけありえる範囲の中で、少しでも多く楽しむには、他の生徒にはしていなかった指示を出すしかない。
    「士堂瑠璃さん。お尻が半分見えるように、下げてもらえるかな」
    「お、お尻ですか……?」
    「尾てい骨が見えるところまででいいからさ」
    「あ、はい。必要なら、仕方ありません…………」
     どことなく不本意な気持ちを滲ませながら、瑠璃は自らの短パンとその内側にあるショーツに指をかけ、少しばかり下げていく。露出するのは半分にも満たない、お尻の割れ目が数センチでも見えればいい程度のものだったが、尾てい骨の部分はしっかりと目の前に現れた。
     ゴムがお尻の柔らかさに食い込んで、ぷにりとした横のラインが出来ている、
     太山はそんな少しでも露出した生尻を目に焼き付け、指示を出す。
    「では前屈を」
     すると、瑠璃は両手の平を重ね合わせて上半身を倒していく。前屈の姿勢が出来上がっていくにつれ、しだいにお尻は突き出され、まるで目の前に差し出されているような構図に太山は興奮していた。
     駄目だ、触ってはいけない。
     自制しながら、太山は肩甲骨の高さを見る。肩の高さに左右差はないか、目視による検査で確かめた。
     ……問題ない。
     となると、心惜しいが、もうここで終了しなくてはならない。
     本当に残念だが、何十人もの順番待ちが控えており、一人にかける時間が長すぎては、後々に支障が出てしまう。
    「はい。いいよ」
     名残惜しさを胸の中に抱きつつ、太山は瑠璃を解放した。
    「ありがとうございました」
     律儀にお礼を言ってくれる瑠璃の背中を見送って、次の生徒の相手をする。
     もう別の女子とあっては、瑠璃に感じたほどの興奮は湧かなくなった。
     元々、医師として人の裸体など見慣れており、男女問わずに胸に聴診器を当ててきた。乳房を視触診することなど、機材を点検するのと同じ気持ちで行える。
     闇狩人のおっぱい。
     士堂瑠璃のお尻。
     それが、全てと言えた。
     まったくの赤の他人には燃えないものの、たった一度でも顔を合わせて口も利いたことのある相手なら、いくらか興奮の余地はある。まして闇狩人同士となれば、たまたま知り合いの女性が診察を受けに来た時よりも興奮は倍増だった。
    
     闇狩人のおっぱい。
     この体験を、太山は永遠に忘れない。
    
    
    
    
    
    闇狩人
    
    
    


     
     
     

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  • 士堂瑠璃 悪徳医師に診察される パート3

    前の話 目次

    
    
    
     医師としての良心が今更ながらに働いて、内科医はビニール手袋を取り外す。性器を弄るのはここまでにしようと決めつつも、しかし最後の遊びを閃いた。
    
     待てよ?
     座薬でも入れてやるか。
    
     そうと決まれば、早速のように薬を用意して、内科医は改めてビニール手袋の装着を行っていた。
    「今から座薬を入れるよ。効き目が早いからね」
    「座薬ですか? あ、ありがとうございます」
    「じゃあ、ちょっとヒヤっとするからね」
     ポーズの変更はさせていない。
     M字開脚の腰が浮き、反り上がっているだけでも、お尻の割れ目は左右に開き、肛門はよく見えるようになっている。
     内科医はそこに目をやって、指先に取ったジェルの流布を行う。
    「んっ」
     肛門を触ったせいか、ひんやりとしたせいか、両方か。
     瑠璃は肩を縮めるような反応を示していた。
     お尻の穴をぐるぐると、周囲をなぞらんばかりにジェルを塗り伸ばしていきながら、グニグニと押し込む力を加えて揉んでやる。
     ひとしきりほぐしてから、座薬を手にして先端を肛門に宛がった。
    「では、入れるよ?」
     人差し指で押し込んで、ロケットにも似た形状の白い座薬は肛門の皺へと入り込み、やがて最後まで埋まっていくと、そのまま指の腹を押し込んだ。勢いのままに指さえ挿入しながら、なおも奥まで座薬を押した。
    「君に入れた座薬は飛び出やすいから、こうして指で押さえていた方がいいんだ。薬が溶けるまで、一分くらい待つからね」
     そんな説明を行うと、第二関節までを肛門に埋めた指先は、そのまま座薬が出てしまわないための栓としていた。
    「一分もですか」
    「うん。一分」
     というのは、単なるイタズラ目当てだ。
     内科医は人差し指に肛門の締め付けを感じつつ、指先は腸粘膜のぬかるみに包まれている。
    
     やっぱ、気が変わった。
     クリトリスも触っとくか。
    
     もはや診察など関係なしに、空いている左手は性器に伸ばし、親指でワレメをなぞり上げ、愛液でよく濡れているから表面がよく統べる。そのまま他の指ではクリトリスを刺激して、肉豆の突起を可愛がる。
    「あっ、あのっ、そこは………………んぅ………………!」
     瑠璃は全身をモゾモゾと蠢かせ、肛門にもキュっと締め付ける反応を示しつつ、目尻や眉間を歪ませる。
    「大丈夫。だいぶ薬は溶けてきたからね」
    「は、はいっ…………んっ、んんぅ…………! んっ、んぁ…………んぁ…………」
     しだいに声は荒っぽく、かつ淫らに熱っぽい。
     ここまで来ても、未だ医師の指示に対して律儀に従い、M字開脚を維持したままの、両手できちんと自分の膝を抱える瑠璃の素直さにニヤニヤと頬が緩んで、内科医はより技術を駆使してクリトリスを刺激する。
    「あっ……! あ、あのっ、それ……! んっ、んぅ……! んぁ……!」
    「どうしたのかな」
    「そ、それ…………! そのっ、すみませっ…………よ、良くて…………だから…………んぁ……! んぁっ、んぅ……!」
     声はより激しくなっていた。
    
     ははっ、もう少しか?
     もうちょいだよなぁ?
    
     キュッ、キュッ、と、感じるにつれて肛門もヒクヒクと反応し、リズムでも刻まんばかりに人差し指を締め付ける。
    「あぁぁ……! あっ、あふぁ……!」
     親指でワレメをなぞり、小指と薬指をクリトリスに使う。器用な両立によって二箇所を責め、それが瑠璃を喘がせる。
    「あぁぁっ! あっ、あのっ! 本当に――す、すみませっ、おねが――やめ――!」
    「大丈夫大丈夫」
     とっくに一分など過ぎていた。
     それでも、内科医は構わず愛撫を続けていく。
    「あぁぁ! あぁっ、あっ! あっ、んっ、んっ、んっ!」
     来る。
     もうすぐ、来る。
     そう感じた内科医は、トドメのつもりでクリトリスに指を集中させ、すると瑠璃のモゾつきも激しくなる。見れば足首がよがり反り返り、肩も強張りを繰り返す。前兆が現れている肉体に、クリトリスへの刺激をより強めた。
    
    「あぁぁぁぁぁぁぁぁぁ――――――――――――――!」
    
     瑠璃は激しく痙攣した。
     痙攣じみて腰全体をびくつかせ、ちょっとした噴水のように何回か、愛液を噴射してシーツを汚す。
    
     へっ、イカせてやったぜ!
     どんな気分だよ。
     ええ? それとも、こんなことは知ってたか?
    
     どうして羞恥心が薄かったか。
     露出慣れの理由でもあったのか、とっくに性交経験済みの少女だったのか。
     いや、処女膜の気配はあったので、未経験だと思うのだが。
     まったくもって、無頓着な理由はわからないが、内科医にとってはどうでもいい。期待外れと思いきや、やっぱり十分に楽しめて、盗撮カメラを仕掛けた分だけ得られた収穫は大きいものだと感じていた。
    「はぁ…………はぁ……………………」
     瑠璃はぐったりとしていた。
     肛門から指を引き抜き、クリトリスへの愛撫もやめると、心ここにあらずといった放心ぶりで足を投げ出し、しばしは起き上がる気力もなさそうだった。
    
     それから、しばらく――。
    
     数分も休めば起き上がる気力を取り戻したようで、瑠璃は診察台から身を起こす。
    「さあ、降りて」
     降りるように促すと、瑠璃は床に置いていた靴を履く。全裸に靴下、そして靴まで履いた姿にフェチなものを感じつつ、内科医はベッドシーツを指して言う。
    「見てごらん?」
     黒縁眼鏡のレンズから、その瞳が内科医の指す場所へと移っていくと、瑠璃の表情にはさすがの羞恥が浮き上がっているようだった。
    「ご、ごめんなさい!」
     瑠璃はすぐさま頭を下げた。
     全裸の女子高生が自分に頭を下げることの優越感にニヤけつつ、改めて内科医自身も目を向ける。
     そこにあるのは、白いシーツの上に広がる愛液の染みだ。コップの水でもこぼしたように濡れた生地には、噴射によって出来た細かな飛沫の痕跡も見受けられる。オシッコというわけではないが、自分のアソコから出た液体が人のベッドを汚した事実は、さぞかし恥じらいを刺激するものであろう。
     目の前の医師に、ベッドの持ち主に、とても顔向け出来ないかのように俯く瑠璃は、腹の当たりで両手の指を絡め合わせてモジモジといじらしく萎れている。不安そうな上目遣いがレンズ越しに向いてきて、それは許しを請うかのような目つきであった。
    「大丈夫。お漏らしくらいは許してあげるよ」
     内科医はわざとそんな言葉を選ぶ。
    「お、お漏らし……」
     瑠璃は恥辱に引き攣った。
    「そう。君はお漏らしをして、病院のシーツを汚した。だけど問題ない。君は病人としてここに来たんだ。座薬がすぐに効くと思うけど、三日分の薬も出すから、あとは処方箋を貰って、薬局に行って、おうちでゆっくり休むことだね」
    「はい……すみません………………」
     恥じ入るような、どこかに消えてしまいたそうな声を聞き、今頃になって興奮してきた内科医は、ふと意地悪な提案を思いつく。
    「ま、どうしても申し訳ないっていうなら、お尻ペンペンでもさせてもらうけど?」
     お漏らしをしてしまい、そのお仕置きとしてスパンキングである。そんな体罰を受けた経験のある子供は、今の時代にいるものだろうか。いなくとも、お尻を叩くという趣味趣向の存在くらいは、知っているものかもしれない。
    「それは……その………………」
     お尻など叩かれるのは、いくら無頓着でも抵抗があるだろうか。
     かといって、シーツを汚してしまったことへの気持ちもあり、瑠璃の視線はしきりに愛液の染みを気にしている。迷い続けている瑠璃は、しどろもどろになりながら、とうとう自ら観念してきた。
    「本当にすみません。でも、できればあまり強くしないで頂けると…………」
     不安そうな上目遣いを向けて来る全裸女子高生。
     ますます興奮する内科医は、ゲスな心が表情に浮かばないように気をつけながら、ゆっくりと指示を出す。
    「いいかい? なら、僕が膝を立てるから、君は足の上に腹這いになるんだ。四つん這いみたく、お尻を高くして、お仕置きしやすいように」
     内科医に従って、瑠璃は素直に指示通りに、床に座した立て膝の太ももに腹を置く。靴と靴下だけは履いた全裸が四つん這いに、まさに手元でお尻を掲げる。安産型の豊満なヒップが部屋の照明に輝いて、白く眩しく見えてきた。
    「いくよ」
     内科医が言う。
    「は、はい……」
     不安な声が返ってくる。
     内科医は腕を振り上げ――――――
    
     ぺちん!
    
     大きく音が鳴るように意識して、強すぎず弱すぎず、絶妙な加減を狙って叩く。実に良い打音と共に、プルっとした振動が尻肉を揺らしていた。
    
     ぺちん! ぺちん!
    
     音を鳴らすことが肝心だと思っている。
     より大きく響くことこそ、相手にスパンキングの気持ちを与える気がする。自分はお尻を叩かれているという実感が音として鳴り渡り、その顔が恥辱に濡れるような気がする。
    
     ぺちん! ぺちん! ぺちん!
    
     アザを作るわけではない、ただヒリヒリと痺れはするであろう力で、音の出やすい位置や手の形を探り探りに、内科医は腕を振り上げ叩き続ける。
    
     ぺちん! ぺちん! ぺちん!
     ぺちん! ぺちん! ぺちん!
    
     叩かれている瑠璃の気持ちを想像する。
     あれほどまでに無頓着で、れっきとした診察と思い込んだ少女である。叩かれる分には何も感じていないだろうか。
    
     ぺちん! ぺちん! ぺちん!
     ぺちん! ぺちん! ぺちん!
    
     叩くたび、叩くたび、プルっとした振動が魅惑的に尻肉を揺らしている。
    
     ぺちん! ぺちん! ぺちん!
     ぺちん! ぺちん! ぺちん!
    
     これだけ叩いた内科医は、いい気になって尻を掴んで撫で回す。ほのかに赤らみ、ヒリヒリとしてきたであろう尻肌へと、産毛を辛うじて撫でるタッチで、手の平全体を使ってくすぐらんばかりにしていくと、瑠璃のお尻は強く大きくモゾついていた。
    「どうだい? 気分は」
    「反省が身に染みました」
    「痛かったかな?」
     ぐにっと、尻肉をしっかり掴み、内科医は揉み回す。
    「……いえ、ちょっぴりしか痛くなかったので」
    「なら加減は間違っていなかったようだ。安心したよ」
     そう言いながら、尻肉を指で味わい、ひとしきりの欲望を満たしてから、ようやくになって瑠璃のことを解放する。
     着替えを許して、元の格好に戻させて、改めて診察の終了を告げる。
    「ありがとうございました」
     軽い会釈の角度で頭を下げ、瑠璃は最後にお礼を言って立ち去った。
     あとは受付で処方箋を貰い、薬局で代金を支払い、薬を受け取り、真っ直ぐ家に帰るだろう。
    
    「さて、と」
    
     まだまだ患者は来るかもしれない。
     それら患者はうら若き女性ばかりでなく、特に見たくもない男性や、さらに老人達がいくらでも来る。どうでもいい連中を映すつもりはないので、暇のあるうちに盗撮カメラの録画を停止させていく。
     容量やバッテリーは十分だが、映像時間が長大になりすぎると、何台ものカメラから編集するのは手間になる。
     やがて、さらに数人ほどの患者の相手をして、内科医は仕事を済ませた。
    
     ――その晩。
    
     暗がりの部屋で、内科医は高級なソファに腰を沈めて、大画面のモニターに映し出される映像編集を行っていた。
     ある意味、創作趣味だろうか。
     何台ものカメラ。ありとあらゆる角度から患者を映した幾つもの動画ファイル。
     この数多くの素材をつなぎ合わせて、より見ていて楽しい内容へ編集しつつ、長いばかりではない、序章からゆっくりと起承転結の承を重ねて、満を持して見所となるような、楽しい構成に向けて切り貼りを行っていく。
     無編集にも『需要』はあるので、単に無意味な時間を切り捨てただけの、味気ない動画も作っておくが、あまり内科医の趣味とはいえない。
     やはり、素材の活きる編集をするのが楽しい。
    「特に、絶頂シーンとスパンキングは最高だよな。川でマグロが釣れたくらいの大収穫じゃねえかよ」
     内科医はお尻を叩いた場面を再生した。
    
     ぺちん!
    
     自分自身では見ることのできない角度から、腕を振り上げ叩いた瞬間を鑑賞した。
     まるで正面に撮影する人間がいたかのようなアングルで、内科医自身の片膝を突いて座った姿が映し出され、脚に腹這いとなっている瑠璃は、尻を高らかに掲げている。
    
     ぺちん! ぺちん! ぺちん!
     ぺちん! ぺちん! ぺちん!
    
     白いお尻が衝撃に揺らされて、プルプルと振動を続ける有様までもしっかりと、モニターの中には映っていた。
    「これらを高く売って――へへっ、へへへ――――――――」
     その瞬間だった。
    
    「――――――――――っ!」
    
     突如、うなじに何か静電気の弾けたような、鋭く鈍い衝撃が伝わって、内科医は一瞬にして目を血走らせる。眼球が飛び出そうなほどに大きく見開き、ぱっくりと開いたまま閉じることのなくなった口からよだれが垂れる。
    「いくらなんでも、おかしいです」
     聞こえて来た女の声。
     自分の背後に、いつからか何者が立っていて、その仕業でうなじに何かの衝撃が走った。何かの凶器で刺されたのだと理解はしたが、それを最後に内科医の意識は途切れた。もう二度と目覚めることのない、永遠の闇の中へと沈んでいた。
    
         ***
    
     依頼内容は少女連続行方不明の犯人を始末すること。
     その依頼者は、父と母。
    
     行方不明の情報を集めるうち、とある病院に通った十代から二十代までの患者が、実に半数以上の割合で失踪していることを掴んだ。
     依頼を受けることで殺しを引き受け、悪党を消し去る闇稼業の者に取っては、たまたま体調管理を怠って、病院へ行く羽目になるというのは、タイミングが良いといえば良い話だ。
     患者が消えることまではわかっていた。
     その可能性は五割から六割ほどで、必ずしもは消えていないが、何か病院に裏があることは間違いなかった。
     実際、診察を受けてわかった。
    
    「患者の盗撮です」
    
     セーラー服の士堂瑠璃は、駅に設置されているベンチに腰掛け、隣に誰が座っているでもないのに話していた。
    「彼は盗撮した映像を売っていました。買い手も誘拐や脅迫を行う犯罪グループで、買い取った動画をそのまま脅迫の材料に使ったりしていたのでしょう」
     瑠璃の座るベンチというのは、背中合わせの形で後ろ側にも、同じくベンチが置かれている。あいだに看板を挟みつつ、瑠璃の他には誰も座っていないと思いきや、そちら側には一人だけ、眼鏡をかけた若いスーツの男がいた。
    「彼は誘拐や強姦に直接関与したわけではない。しかし」
    「黙認していました。自分が脅迫材料を提供しているのも、わかってやっていたんでしょう」
    「ところで盗撮映像ですが、警察が押収し、アップロードされてしまったものに関しても、サイト運営者に警告の文書を送るようです。もっとも、海外にサーバーが置かれたものが消えるかはわかりませんが、まだ流出していなかった映像がこれからアップされることはないってことですね」
    「そうですか。それはよかったです」
    「誘拐・脅迫グループも、謎の怪死を遂げて原因不明。事件と事故の両面から調査を行うそうです」
     電車の時間が近づいて、間もなくやって来るというアナウンスが流れてくる。それを聞くなり瑠璃はベンチを立ち上がり、決して振り向くことはないまま、背後へ向けた言葉を去り際に放っていた。
    「じゃあ普通の高校生に戻ります」
    「はい。私も弁護士の務めに戻りますよ」
     言葉通りに、お互いにただの一般人として、瑠璃はホームで電車を待ち、開いたドアの中へと消えて行く。男もやがて、乗車予定の電車を迎えて消え去った。
    
          †
    
     利己的あるいは理不尽に命を奪い、法の目を逃れたり、法で裁ききれない悪党はいにしえより存在する。そして残された人達の真摯な願いと、精一杯の報酬で、そいつらを始末する者達も存在する。
     名を変え、形態を変え存続する。
     その者達の現在の通り名は――――
    
     闇狩人やみかりうど
    
      
    
    
    


     
     
     

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  • 士堂瑠璃 悪徳医師に診察される パート2

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     内科医は存分に乳首を責める。
    「神経を刺激することで、何かおかしな痛みはないか、とかを調べるからね。普通でない感じがあったら教えてくれる?」
    「はい、んぅ…………」
     乳首をつまむ指先に強弱をつけ、揉んでいるうちに、瑠璃の肩はモゾモゾと動いている。胴体がかすかにくねり、乳輪をなぞっていると小さいながらも声が聞こえる。
    「ん………………んっ、う………………んぅ………………………………」
     大した喘ぎとは言えないが、反応は現れていた。
    「どうかしたかな?」
     わざと尋ねる。
    
     さすがに恥じらうだろう?
     感じてんだもんな?
    
     そんな目論見を持って、乳首をクリクリと弾いてやりながら、瑠璃の答えを待ちわびる。
    「ええと、その……」
     よし、恥じらいが出た。
     ようやくだ。長かったものだ。
    「うん。どうした?」
     内心の期待を表情には出さないように、内科医は改めて尋ねてみるも、やはり瑠璃が返す反応は、普通の女の子に比べてずれたものだった。
    
    「いえ、どうもすみません。感じてしまっただけです」
    
    「ええ?」
     表情には出さないが、内科医は内診で引き攣った。
    「診察にもかかわらず、変な気持ちになって申し訳ありません。触られているうちに、気持ち良くなってしまって、誤解のある反応をしてしまいました」
     感じたことを白状する恥ずかしさより、医師に対して紛らわしい反応を示したことを申し訳なさそうにしている。首の会釈で謝りさえしてくる瑠璃には、もはや花も恥じらう乙女の顔など期待しない方がいいのだろうか。
    
     ったく、しょうがないな。
    
     せっかくの巨乳女子高生だというのに、期待に比べて収穫が物足りない。期待値の半分以下といったところか。
    「性感帯が働くのは、ただの正常な反応だよ。気にしなくていいからね」
     このままでは納得がいかない。
     だったら――。
    「もう少し確かめておきたいから、そこのベッドで横になってくれる?」
     内科医は診察用のベッドを指す。
     就寝用ではないベッドは、ベンチの座板より少しばかり面積が大きい程度の、ただ大人が横たわるためだけのサイズしかないものだ。そこに清潔なシーツをかけ、白い枕を置いてある。
    「わかりました」
     瑠璃は疑いもなくベッドに上がり、仰向けに横たわる。
    
     ま、オッパイがすげーのは確かだ。
     これだけは特したな。
    
     もはや瑠璃の反応はわかっている。
     自重で少しばかり潰れた乳房を見て、内科医はおもむろに両手を伸ばすが、揉んだところで瑠璃の瞳には疑念の色は浮かんで来ない。黒縁眼鏡をかけたレンズの向こうから、内科医に返ってくるのは、ただただ患者が医師の指示を待つ以外の何でもない。
    
     ――おっぱい揉まれて、何とも思わないの?
     ――え? 診察ですよね?
    
     こんなやり取りが簡単に想像できた。
     だったら、好きなだけ揉ませてもらう。
     ふっくらとした感触を手に味わい、揉みしだいているうちに乳首も弄り、刺激に刺激を重ねていく。
    「んぁ…………ふっ、ん、ごめんなさい…………」
     瑠璃の口から出てくるのは、またしても紛らわしい反応をしたことに対する謝罪である。
    「大丈夫だから、次はお腹を押したりするよ。で、やっぱり痛みとか違和感があったら教えて欲しいんだ」
     内科医はそう言って次の触診に移り、指先を束ねて腹部を押す。臓器に損傷の一つでもあれば、押すと痛い位置というものがある。今までの遊びを誤魔化すために――といっても、この子は平気だろうが、ともかく真面目にやっておく。
     へその周り、へその位置から右下や左下、下腹部に近い部分など、あらゆる位置に指を押し込むものの、違和感などはないという。
    「お腹の締め付けがちょっと邪魔だね。スカートも脱がせていいかな?」
    「スカートもですか? まあ、必要なら」
     一体どこまで無頓着なのか。
     内科医がホックを外すと、瑠璃は協力的に尻を浮かせる。おかげで簡単にスカートを脱がせてしまい、こうなると瑠璃が身につけているものは、ショーツと靴下だけである。
    「恥ずかしいよね」
    「大丈夫ですよ? 私のなんて、見てもつまらないと思うので」
     もう駄目なのだろうか。
     恥じらわせることは、できないのだろうか。
    「まあまあ、とにかくやってくよ」
     腹の下側をショーツの上から押してやり、同じように痛みや違和感について尋ねてみるも、特に何もないとの返事てある。白いショーツの生地に触られて、そのことに対する反応は何もなかった。
    
     最後の手段としちゃあ、パンツまで脱がせることか。
     いけるか?
     いくらなんでも、あとで問題にして騒がないか?
    
     ここまでいける女の子が、まずそうそういないものである。疑いや警戒心というものがそもそも足りない、そんな思春期の少女がどれほどいるか。
     だが、逆に言えば、ここまで可能性のある女の子は他にいない。
    
     ……賭けだな。
    
     リスクはあるが、試してみよう。
    「学校で熱は測ったっていうけど、もう少し正確な体温を測ろうか」
    「測り直すんですか?」
    「直腸検温っていってね。お尻の穴に体温計を入れるんだけど」
    「お、お尻の穴…………」
     さすがに表情が引き攣っていた。
     いや、普通なら、もっと早い段階から、その程度の恥じらいは引き出せるはずである。普通の女の子でいうのなら、パンツが見えて恥ずかしい程度の反応だ。肛門を出せと言われてようやくこれとは、珍しいにもほどがある。
     しかし、羞恥心が本当にゼロというわけではなかったか。
    「やっぱり、抵抗あるかな」
    「抵抗というか、お見苦しいのでは……」
     恥ずかしがる気配はあるが、それ以上に強く見受けられる反応は、そんな汚い場所を見せてしまっていいのだろうかというものだ。
    「見苦しいかどうかは関係無いよ。医者なら何だって見ないと」
    「そうですか……。でしたら、お見せしにくい場所ですが……」
    「うん。脱がすからね」
     内科医は優しく断りを入れながら、仮面の裏側に隠れた表情は、いかにも下品にヨダレを垂らした邪悪な顔となっている。
     それは決して、現実の表情として現れることはない。
     どこまでも仮面の裏側だけで牙を剥き出し、獲物を前にじゅるりとヨダレの音を鳴らすのだ。
    
     へっへっへ!
     ま、なんだかんだ収穫だ!
     女子高生のオマンコを見てやるぜ!
    
     内科医はショーツに手をかける。
     すると、瑠璃はご丁寧にも再び尻を浮かせてくれた。おかげで簡単にショーツを下げ、最後の一枚を手にすると、脱衣カゴに置くフリをしつつも、少しのあいだ生地に残った体温を楽しみ弄ぶ。
     何食わぬ顔で振り向き、今度は瑠璃のアソコに視線をやった。
     長く伸びた様子の毛は、一本一本が細く薄い。色合いの薄らとした灰色の草原が三角形に広がりつつ、その下にある性器のワレメは、まるで穢れを知らないように真っ白で、生まれたてのように初々しく見えてしまう。
    「なるほど、綺麗な生え方をしているし、ワレメも若々しくて可愛いと思うよ。いいアソコをしているんじゃないかな?」
     性器を褒め称えるような、非常識な言動を内科医は行った。
     こいつなら平気だろう。
     そんな気持ちから放った言葉であった。
    「お見苦しくは……」
    「そうでもないね。ま、性器が見苦しいくらいだったら、手術なんて一生かかってもできやしないよ」
    「はあ、それもそうですね」
     気のない返事だが、少しは表情に歪みが現れ、恥じらってはいるらしい。性器のことを話題にして、外見を声に出して指摘した成果はあった。
    「じゃあ、ちょっと恥ずかしいんだけど、足を開いてもらえるかな。しっかりと広げて、自分で自分の膝を抱える感じで」
    「……こうですか?」
     一瞬だけ躊躇う間があるも、結局はあっさりと脚を動かし、大胆なM字開脚によって瑠璃は自らの膝を手で抱える。膝が脇にくっつくほどに折り畳まれ、こうなると腰が上向きに曲がってお尻の角度も上がってくる。
     肛門が丸見えとなり、皺の窄まりに目がいった。お尻の穴が見えるに加え、性器も乳房も見える状態は、三つの恥部を全て好きなように鑑賞できるポーズと言えた。
    「体温計。入れるからね」
     粘膜の損傷を防ぐため、先端に活性油を塗り施した体温計の用意をして、内科医は覗き込むようにしてお尻を見る。
     お尻の割れ目は、ポーズのために左右に広がり、だから肛門は隠れない。普通なら割れ目の奥に潜んだ皺の窄まりは、その黒ずみをあらわにして、放射状の皺の形をくっきりと見せてくれていた。
     肛門に狙いを定め、先端を当てて押し込んでいく。
     深々と埋め込んだところで、お尻から体温計を生やしたような固い尻尾の伸びた状態が完成した。
    「ついでにアソコを確かめるよ。性器の中を触っても、何か異常な反応が出る場合もあるからね」
     内科医はビニール手袋を嵌めながら、指先に専用のジェルをまぶしていく。
     もちろん、不要な行為だ。
     内診の知識は揃っているが、産婦人科医ではないので実際にやる機会はない。ただの好奇心で性器をほじくり、指を出し入れするつもりでいる。
    「さ、さすがに恥ずかしいですね」
     やっと、瑠璃はそう言った。
     苦笑しながら、半笑いの表情で、その程度しか恥じらわないのはおかしいだろうに、瑠璃は内科医を何も警戒していない。元々が単なる診察であり、従って当然としか思っていない無頓着さで、こんなことまでしなければ羞恥心の存在を確認できない。
    「ではいくからね」
     右手の指を性器のワレメに近づけて、指先で擦っては膣口の位置を探り当て、ジェルの滑りを利用しながら徐々に内部へ埋め込んでいく。医療用のビニール手袋を介した感触は、そのままの指を入れた場合と差異が少なく、生温かいぬるりとした肉の感じがよく伝わる。
    
     へへっ、何だかんだいって、女子高生のマンコだ。
     じっくりイタズラして、特をさせてもらうからな。
    
     最初は内診の作法でもって、左手で腹を押しながら行った。子宮や卵巣の位置を指で確かめつつ、膣に挿入した指でも内部を探る。完全に婦人科検診のやり方だが、瑠璃ならば先ほどの腹を押したりしていた触診の延長だと思ってくれるだろう。
     熱い感触に指は包まれ、やがて内科医はピストン気味に手を動かす。
    「それにしても、お尻の穴には体温計、アソコの穴には指ときているけど、さすがに辛い思いをさせているよね」
     気遣う言葉を使いつつ、内科医は左手を腹から離し、乳房へと移して揉みしだく。
    「必要なら仕方ないですし」
    「ま、そうだけどね」
     左手に伝わる乳房の感触はもっちりとして、深く指を押し込めば、五指の隙間からいくらでも肉が盛り上がる。揉みしだき、さすり回し、乳首をイタズラしてといった具合に、思うように乳房を楽しむ。
     その一方で右手は膣壁の感触を確かめて、指の出し入れに努めていた。しだいにクチュリとした水音が鳴り始め、愛液の気配が現れ始める。
    「んっ、んぅ…………んっ、んっ、んぅ…………うっ、んぅ………………」
     少しずつ瑠璃の息は乱れていた。
     それでなくとも、高熱で火照っていた顔は、わずかに赤みを増している。
    「また気持ち良くなってきた?」
    「すみません。紛らわしくて」
    「いいや、大丈夫だよ」
     無理のないペースで始めたピストンは、愛液の様子を見ながら段階的に活発さを上げていき、ゆったりとした振り子のような速度で責め立てる。
    「んぅ…………んっ、あっ、んぅ……………………」
     気持ち良くなるにつれ、瑠璃は全身をモゾモゾとさせていた。腰がモゾつき、脚ももぞつき、感じれば感じるほど目尻が歪む。
     軽いデコピンで、乳首を不意に攻撃した。
    「あっ……!」
    「今のところ、感じるのは性的な快感だけかな?」
     そう尋ねると、瑠璃は一瞬だけ目を見開き、次の瞬間にはどことなく泣きそうな申し訳なさそうな顔を浮かべていた。
    「あぁっ、んぅ……ほ、本当に……すみませっ…………んっ、診察なのに……こんな…………はしたないですよね………………」
    「気にしない気にしない」
     内科医は単なる手マンを続けていき、左手での乳揉みも意欲的にこなしていく。
    
     考えてみりゃ、これはこれで面白い反応だな。
     最初はキレそうになったけど、ここまでくればレアな女だ。
     へっ、得したもんだぜ。
    
     くちゅっ、クチュ、ちゅくっ、クチュリ――ピストンに伴い、いやらしい水音が鳴り響き、それが瑠璃の表情を歪めている。診察の場で、せっかく丁寧に見て下さっている医師の前で、はしたない気持ちになって申し訳ないとばかりの顔を浮かべて、そんな自分を気に病みながら、瑠璃は喘いでしまっている。
    「あぁ…………んっ、んぅ………………んっ、ふぁ………………ふっ、ん、んふぁ…………あ、あふぅ…………んっ、ん…………ん…………ん………………す、すみませ…………」
     瑠璃はすっかり感じていた。
     感じる自分を気にしていた。
     そんなところで体温計の音が鳴り、内科医は手マンをやめて肛門からそれを引き抜く。数字を見れば、やはり高熱になっている。
    
     うーん、まあ十分に楽しんだ。
     熱のある体だし、遊ぶのはここまでにしてやるか。
    
    
    
    
    


     
     
     

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  • 士堂瑠璃 悪徳医師に診察される パート1

    目次 次の話

    
    
    
     スマートフォンのアラームが鳴り響く。
     畳の床に放っておかれたスマートフォンは、午前の七時を示しているが、そのすぐ近くに投げ出され、ぐったりと伸びている白い手は、一向にアラームを止めようとしていない。音量が足りないのか、よほど深く寝入っているのか。
     そこにはだらしのない少女がうつ伏せに眠っていた。
     アラームの音声をものともせず、未だに眠り続けるおかっぱの髪型をした少女は、ショーツを丸出しにしながら上も薄手のシャツ一枚と、とても人前に出る服装をしていない。夏の暑さからズボンもスカートも投げ出して、極めて適当な格好と言えるだろう。。
     一人で過ごしていたからいいものの、家族や同居人でもいようものなら、どんなに呆れた顔をするかもわからない。
     見れば少し離れた位置の机に、何枚もの原稿用紙やGペンが置かれている。ペン類に使うためのインクはフタが開けっぱなしになっている。定規やコンパスに、消しゴムなど、いくらかの文房具も散乱して、徹夜で漫画を描いていた様子が見受けられた。
     夜中まで原稿用紙と格闘して、その末にとうとう眠気に負け、布団も敷かずに畳の上に直接倒れ込み、少女は寝入ってしまったわけだった。
     士堂瑠璃しどうるりというのが少女の名だ。
     やっとのことでモゾモゾと動き出し、スマートフォンに手を伸ばす。一度は顔を持ち上げて、画面のタップでアラームを止めはするものの、そのまま再びぐったりと、顔を畳に落として二度寝の世界に入ってしまう。
     うつ伏せに眠った瑠璃は、そんな背中側から眺めて見ても、どれほどの巨乳であるかが見てとれる。うつ伏せの姿勢のために、畳の上に潰れた豊満な乳房は、まるでボールかパン生地が圧縮されるかのように広がって、身体からはみ出た横乳が後ろからでも伺える。
     お尻は安産型だった。
     白いショーツはどうしてか、片方の生地が割れ目の中へとずれ込んで、右の尻たぶが丸出しとなってしまっている。だらしなくも大きな尻山が聳え、そのプリプリとしたお尻を目の前にする男がいようのなら、一瞬にして食らいつき、揉みしだきたい衝動に駆られるはずだ。
     まだしもショーツの布がかかった左側の尻たぶも、わずかにサイズが合っていないせいなのか、ゴムの部分で皮膚がぷにりと潰れている。ショーツの大きさよりも、いくらか大きいお尻のボリュームを収めきれずに、外側へはみ出ようとする尻肉が、そんな風にゴムのラインに沿って潰れながら、ぷにっとした凹みからなるはみ出た肉のラインを成していた。
     瑠璃はうとうととしてしまっている。
     二度寝の世界に意識を引きずり込まれていき、しっかりと目も瞑り、よもやこのまま目覚めることはないだろう。
     と、思われた時だった。
    
    「はっ!? 学校!」
    
     突如として、瑠璃は起き上がっていた。
     大慌てで着替えや朝食に取りかかり、慌ただしく登校の準備をして、漫画家になる夢を持つ瑠璃は、玄関を飛び出していくのだった。
    
     慌てるあまり、本人は自覚していない。
    
     季節は夏。
     薄着で眠っていた間中、日中の暑さに反して夜間は冷え込み、そして太陽が顔を出すなり気温は猛暑日のそれへと近づいていく。冷え込む時間に薄着のショーツ丸出しで寝ていたこと、大きな気温の変化が自室神経を乱したこと。
     さらに加えて、長時間同じ姿勢で座り続けるというのは体に悪い。尻への圧迫で決行は悪くなり、肩も凝りやすくなっていき、健康にはとても悪い。
     免疫低下の理由が積み重なっていた瑠璃は、実のところ体調を崩していた。
    
    「大丈夫? うわっ! すっごい熱!」
    「保健室行きなよ! 今日は早退しなって!」
    
     何回かの授業を受けるうち、さすがに体調不良を自覚していた瑠璃は、友達にも保健室や早退を勧められ、今日のところは早めに学校を後にした。
     その足で、しかし直帰はせずに、家とは異なる方向へと進んでいく。
     目指すのは病院だった。
     お医者さんに見てもらい、薬を貰い、早めに治そうと思っての、早退するなり即座の病院への直行だった。
    
         ***
    
     内科医の男は各所にカメラ設置の確認を行っていた。
     受付に訪れてきた今日の患者は、うら若き女子高校生であると知るなり、待合室でしばらくは待たせるあいだに、壁やベッド周りや天井の点検に務めている。棚や机の中にも、ペン型カメラやモバイルバッテリーに見せかけたカメラなど、見た目ではそうと見えないカメラを各所に仕掛け、壁紙の裏側にも小型カメラを隠している。
     ポスターの裏側にも、観葉植物の葉の中にも、そこにカメラは隠れている。
     このようにして、ありとあらゆる角度から、患者の撮影を可能としている。
     それら全てを録画状態に切り替えて、そんな大切な準備が済んでから、内科医はようやく患者を診察室へ迎え入れた。
    
    「名前は士堂瑠璃さん、か」
    
     お互いに丸椅子に座って向かい合い、いかにも熱っぽい表情をした少女は、黒縁眼鏡をかけた地味な印象のおかっぱ頭だ。ぱっと見ただけでは暗く見えるが、それほど悪い顔つきはしていない。いや、むしろ可愛い方だ。
     何よりも胸が大きい。
     一体、何カップとも知れないボリュームが、白いセーラー服を丸々と押し上げている。布地が前に突き出るせいで、腹と布とのあいだに何センチの空間があっても驚かない。メロンを服の中に隠して持ち歩こうとしたような、素晴らしい巨乳と言えた。
     ごくりと、内科医は生唾を飲む。
     上玉だ。
    「夏風邪かな?」
     表面上は真っ当な医師として振る舞う内科医の、本当の腹の内側に、果たしてこの子は気づいていない。
    「はい、たぶん。学校で保健室へ行って、測ったら三十八度もあって……」
    「そんなんでよく学校なんて行ったね? 朝は平気だったの?」
    「それが、寝坊で慌ててしまって、朝は自覚がなくて、それでそのまま…………」
    「そっかそっか。ええと、熱は三十八度ということで、では吐き気や下痢なんかは?」
    「吐いたりはしてませんけど、何となく吐きそうな気持ち悪さはあって、あとはだるいです。下痢はしていません」
     必要な情報を問診から聞き出しながら、内科医は画策していた。
     女性患者とあらばカメラをフルに稼働させ、無数の盗撮レンズで取り囲み、少しでもいいから肌を撮影してやるのが、この内科医の趣味である。できる限り理由をつけて、面白い映像を残したい。
     なるべく、上半身は裸にしたい。
    
    「では脱いでくれるかな?」
    
     きっと、まずは躊躇うだろう。
     世の中には衣服の上から聴診器を当てる医師がいる。ブラジャーの上からという医師もいるものの、乳房を出させる者はなかなかいない。無理に下着を外させようとすれば疑われ、患者は二度とこの病院に来ないかもしれない。
     そんな危機感をリスクに抱え、それでも欲望を満たしたい内科医は、どうにか脱衣の指示に従わせるための交渉の言葉を脳裏に並べ、いかにして説得してみせるかの構えを心に取る。
     まずは脱いで欲しい理由をいくらでも並べ立て、正当性を盾に追い詰めて、じわじわと脱がせてやろうと、内心では獣のように舌なめずりをしているのだった。
     獲物を狙う猛獣になりきって、専門的な言葉の数々を牙の代わりに、目の前の少女から衣服を奪い取るつもりでいた。
    「あ、はい」
    「………………ん?」
     思わず、内科医はきょとんとした。
     この瑠璃という少女は、何の疑いや躊躇いの様子もなく、言われた通りに赤いスカーフを抜き始める。いとも簡単にセーラー服を脱ぎ始め、瑠璃の上半身は早速のように白いブラジャー一枚のみとなっていた。
    「あれ? 恥ずかしくないの?
     内科医は思わず尋ねていた。
    「え? 診察ですよね?」
     逆に不思議そうな顔をして、瑠璃はそう返してきた。
    「ああ、恥ずかしがる子もいるからね。気にしないでくれるなら、こっちとしても助かるよ」
     苦笑しながら言ってみせる内科医だが、心の中では舌打ちしていた。
    
     チッ、もっと恥じらえよ。
     恥ずかしそうに脱いで、診察だから仕方なさそうな表情を見せろよ。
    
     それが内科医の性癖だった。
     医療的な理由を並べ立て、さも正当性のある指示であるように説得しながら、着実に従わせてブラジャーまで外させる。どことなく不安そうな、恥ずかしそうな、初々しい思春期の表情こそが好物なのに、この瑠璃という少女はそれを見せない。
    
     まあいい、かなりの巨乳だ。
     まずはオッパイから楽しんでやる。
    
     内科医はブラジャーに包み込まれた乳房に目を向けて、深い谷間に目を引かれる。肩紐がどうにかカップを吊し上げ、乳房を持ち上げているものの、二本の紐はいつかは重量に負けて千切れそうなほどにピンと張り、そしてカップの中から少しだけ乳肉がはみ出ている。
     ブラジャーのサイズが一センチか、何ミリか、少しばかり合っておらずに、乳房のボリュームを内側に収めきれない。そのせいではみ出ようとする肉が、わずかにプニリとなって外へ漏れ出している。
     巨乳を窮屈に閉じ込めている痕跡に飾られて、深々とした谷間のラインはますます吸引力を増している。
     ブラジャーの上半身を眺めるのも、もちろん楽しい。
     しかし、それはカメラが収めてくれている。
    「ブラも外しちゃおうか」
     乳房を露出することになってしまえば、さすがに恥じらいも強いだろう。
    「あ、すみません。邪魔ですよね」
     軽い会釈を交えて謝りながら、瑠璃は躊躇いなく背中に両手を回していき、ホックが外れて緩んだブラジャーを脱いでしまう。恥じらいながら脱ぐような風情はなく、まるでそれが普通だから脱いだだけでしかない様子に、内科医は僅かな苛立ちを覚えていた。
    
     おい、丸出しだぞ!
     羞恥心がなさすぎるだろ!
    
     怒鳴りつけたい声は心の中にしまっておき、表面上は朗らかで接しやすそうな、優しそうな顔立ちを営業のためにも作っている。
    「まずは聴診からしていくので、恥ずかしくてもちょっと我慢ね」
    「はい。大丈夫です」
     瑠璃の顔が赤いのは、あくまでも体調不調の熱にすぎない。高校生の年頃が持つ羞恥心を置き忘れ、高熱さえ除けば平気そうでいる瑠璃は、内科医の手が近づいてさえ、強張る様子もなければ不安がる様子もない。
    
     くそっ、それでもオッパイは眺めておくか。
     こんだけでかいんだからな。
    
     内科医は乳房の中央に聴診器を当てるなり、ひとまずは必要な音の情報を聞き取って、あとは真面目なフリでもしながら乳房を眺める。
     実に大きい。
     メロンほどもあろうかというボリュームで、プルっと手前に突き出ながら、桜色の乳首を添えている。揉めばさぞかし柔らかいであろう、ふんわりとした丸っこさは、窮屈なブラジャーから解放されて涼しげだ。
    「触診するけど、大丈夫かな?」
    「胸を、ですか?」
     さすがに抵抗感を抱いたか。
     ならば、嫌だけれど仕方なく我慢している顔を見せてみろ。
    「そうだね。我慢できそう?」
    「ええ、必要なら仕方ないので」
    
     けっ。
    
     何も頓着していない顔で、きっと瑠璃が抱いた抵抗感は、わずかに薄らとしたものにすぎない。ここに来ても、内科医の性癖にあたる反応を引き出せない。
    「それじゃあ、失礼」
     両手を伸ばし、乳房に指先だけをかすかに押し込む。触診を装うための、症状を探す手つきでタッチを施し、下弦から始めてC字のように外側をぐるりと、だんだんと上を目指して皮膚を揉む。
     内科医から見た右側の乳房を済ませ、すると今度は左側も、下弦に指先を差し込んだ。
    
     しっかし、デカいよな。
     Fか? Gか?
    
     皮膚の表面を押すだけの手つきを使い、指先だけで乳房を調べて、下弦から少しずつ外側へと、さらに上弦まで触診を行った。
     胸を触ってなお、少女らしい恥じらいの顔が出ない。
    
     いっそ、経験済みか?
     非処女だから平気なのか?
    
     これほどの巨乳である。寄りつく男もいるだろう。
    「どうも大きいね。もう少しきちんと揉まないとわからないんだけど、やっても大丈夫?」
    「どうぞ?」
     瑠璃は躊躇いなく答えた。
    
     ええい、もういい。
     触るだけ触って楽しんでおこう。
    
     もはや好みの反応を引き出す試みは捨て、内科医はただただ乳房を揉み始める。手の平では包みきれない大きさは、片方の乳房を覆いきるにも両手がいる。そんな豊満なサイズ感の両方を同時に揉む。
    
     すっげえ、ふっくらだな。
     柔らかいし、もっちりしてんじゃねーか。
    
     真正面から手の平を当て、シンプルに指に強弱をつけて揉み込むも、包みきれない乳肉はこれでもかというほど余っている。下弦の方に手を移し、持ち上げんばかりの触れ方で揉んでみたなら、今度は上半分が丸ごと余る。
     乳房の触り方は心得ていた。
     強く揉めば痛みを与えてしまうから、ほどよく優しく、ほどよく活発に、上手い具合に捏ねてやれば、すぐに乳首も大きくなる。さすがの瑠璃も血流が一転に集中して、小さかった乳首は小指の先ほどの大きさへと成長を遂げていた。
     性感の高まった乳首をつまみ、軽く弾いてやる。
    「…………んっ」
     薄い反応だが、肩が内側に縮まった。
    
     よし、ちっとは女の子らしい顔をしたみたいだ。
     このまま、やってみるか。
    
    
    
    
    


     
     
     

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  • 士堂瑠璃 悪徳医師に診察される


     
     
     ある時、夏場に体調管理を怠った少女・士堂しどう瑠璃るりは、向かった先の病院で変態の悪徳医師の診察を受けることとなる。羞恥心というものに欠けていて、どこか無頓着である瑠璃は、あまり恥じらうことなく脱衣に従い、上半身を曝け出すが・・・・・・

     
     
    (全3回) 
    パート1(おっぱい触診)
    ●パート2(おっぱい触診、直腸検温、膣内触診)
    ○パート3(クリ弄り、絶頂、スパンキング)
     
     
     
     
     
    闇狩人
     
     
     

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