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  • エイダ ボディチェック後の生活

    
    
    
    
     こんなものに着替えろというの?
    
     更衣室の中、エイダ・ウォンは眉間に皺を寄せていた。
     潜入調査のため、FBIの偽装身分証により博士の護衛任務に就き、予定通りに研究施設に入り込んだエイダなのだが、ここは外部に対する警戒心が妙に強い。護衛という性質上、許可を得た武装は持ち込めるが、衣服は持ち込ませない方針で、必ず向こうが用意したものを着用しろとのことだった。
     そこまではいい。
     情報の盗み出しも何もかも、内部の構造やセキュリティなど、もろもろを把握してから行うつもりだ。衣類の中に物を仕込んで、それで任務をこなすことが出来ないのは、今はまだ気にしなくても構わない。
     問題なのは露出度だ。
    「こっちはまだ普通ね。だけど、こっちは……」
     タイトスカートが異常に短い。
     お尻がはみ出るのではないかと思ったが、着替えてみればギリギリで中身は隠れる。直立不動で過ごすのなら何とかなるが、数センチもずれれば見えてしまう。歩行の際の足の動きでチラチラと見えないものか気になる上、前屈でもすれば丸出しは間違いない。
    (とんだセクハラだわ。この実態でも外部に告発しようかしら)
     腹が立つあまり、エイダの脳裏にはそんな報復の案が掠めた。
     任務は基本的に退屈だ。
     護衛対象の博士は研究所に泊まり込みのことが多く、誰かに狙われる様子はほとんどない。任務をこなすポーズのため、自分以外にも何者かが潜り込み、博士の暗殺を狙ってはいないかも警戒するが、特別に動く必要はやって来ない。
     外部を行き来するために、同じ車に乗り込んで、背後霊のようにつかず離れず過ごし続けることはあっても、やはり何者の襲撃も起きはしない。
     出番がなければ、研究の手伝いが出来るわけでもないエイダには、他にやることはほとんどない。せいぜい、書類の整理を頼まれたり、コーヒーを煎れることがある程度で、あとは立って過ごす日々だった。
     だが、何よりの問題は退屈さなどではない。
    
     エイダには二人の監視がついていた。
    
     金髪男、茶髪男、二人組の黒いスーツを着こなす若者は、さながらアクション映画に登場するエージェントだ。外部の人間が余計な行動を取らないようにと警戒され、おかげでスパイらしい行動はできていない。
     それどころか、プライバシーの侵食までされるのだ。
    
    「おトイレの時間か?」
    「付き合うぜ?」
    
     トイレでさえも、監視の二人組はエイダのことを一人にしない。
    「いい気分でしょうね。変態さん」
     せめてもの思いで言葉を返してやるものの、二人組はニタニタとしているばかりで、何ら効いた様子はない。
     エイダは個室の戸を開き、二人組に振り返る。
    (人前でするだなんて……)
     短すぎるタイトスカートの中に手を入れて、ショーツを太ももまで下げていく。たったこれだけの、下着がスカートの下まで動いただけの光景が、どうしてそこまで面白いのか、二人組は既に随分と嬉しそうだ。
     人に用意されたものを穿くのも、下げたものをジロジロと見られるのも、いずれも不快でたまらない。
    (最悪の研究所ね)
     丈を捲り、生尻を便座に付けて座るエイダは、好奇心に満ちた視線に耐えながら、額の強張る顔で脚を広げる。アソコが見えるように、太ももに隙間を作るのだ。放尿さえも監視対象としているためだ。
     ただ小便を流すだけのことで、怪しい行動を取る余地もないというのに、これにはエイダも赤らんでいた。
     綺麗なワレメと、黒い陰毛の茂みは、嫌というほどに二人の視線を受け止めている。嬉しそうな顔つきで、ニヤニヤとした視線を浴びるだけでも、アソコがじりじりと時間をかけて焼かれていく心地がする。
     長時間の視姦を受ければ、皮膚が火傷していそうな気さえした。
    (どうせ出すのよ。早く済ませた方がマシ……)
     しかし、緊張のせいか、尿は奥に引っ込んで、先ほどまでの尿意にも関わらず出てこない。いつまでも出ないのでは、それだけ視姦される時間が延びてしまう。
     早く、出すのだ。
     早く、早く、早く――どうせ放尿を見せる羽目になるのなら、一秒でも早く地獄から脱出してしまいたい。
     出そう出そうと意識するほど、見せたいわけでも何でもないのに、こうも放尿の努力をしている自分は何なのだろうと、恥辱で頭がくらくらする。
     やっと、出た。
    
     チョロロロロロロロ――――
    
     黄色い水のラインが放出され、便器の水面を打ち鳴らす。
    「出たなぁ?」
    「おいおい、出し方を忘れたんなら、俺が弄ってやろうかと思ったのによォ」
    「ははっ、そいつは残念だったな」
    「ま、毎回面倒見るのも馬鹿馬鹿しい。赤ちゃんじゃねーんだから」
     人の放尿を眺め回して、話題に花を咲かせた挙げ句に、赤ちゃんなどという言葉までもが飛んで来る。
    (せいぜい、楽しめば見ればいいじゃない)
     そう強がることが、エイダにとって自分を保つことだった。
     数秒やそこらでは終わらない。意外に量が溜まっていたせいで、エイダの尿はいつ途切れるとも知れずに水音を立てている。睨み返していたいところだが、放尿しながら睨むなど、滑稽さを思って目を伏せた。
     その時だった。
    「さて」
     金髪はおもむろにビデオカメラを構えていた。
    「ちょっと!」
    「はいはい、オシッコしながら動く気?」
    「……ぐっ」
     エイダは歯を食い縛った。
     途切れてくれない尿のせいで、便座から身動きが取れない。動きたければ、撒き散らしながら動くしかない。いいように撮られる屈辱に奥歯を噛み締め、震えた拳を膝の上に置きながら、エイダは最後まで尿を放出した。
    「何も怪しい様子はなし」
    「健康的ないい色ですっと」
     尿の色合いまで話題にされ、二人を撃たずにいられる自分が不思議なほどの、たまらない屈辱に飲み込まれた。
    
         †
    
     風呂でさえそうだった。
     監視と称して脱衣所にまで入り込み、二人のニヤニヤとした視線が脱衣を眺める。タオルの内側で脱ぐようなことも許してくれず、せめて背中を向けてボタンを外す。スーツを脱ぎ、白いワイシャツの背を晒すと、次の脱衣に取りかかった。
    (最悪な上に、ろくな行動も取れないわ)
     ワイシャツを脱いでいくと、ブラジャーのみとなった背中に視線の圧が強まった。こうして一枚一枚脱いでいき、だんだんと裸になっていくのは、男にとってさぞかし楽しいショーなのだろう。
    (下らない)
     心の中では、気丈になって二人を馬鹿にしようとしていたが、どうしようもなく頬は桃色に染まっている。
    「ひゅー」
     口笛まで吹いてくる。
     こんなにも調子づいた奴らの前で丸裸になってやるなんて、たまらなく真っ平な気持ちでありながら、エイダはそれでもタイトスカートの留め金を外す。緩めたものを下げていき、下着姿になったところで、ブラジャーやショーツも脱衣カゴの中に放り込む。
     全てを脱ぎ、男二人の前で肌を晒して赤らみを強めると、次の瞬間にはさらなる衣擦れの音が聞こえてくる。シャツを脱ぎ、ベルトを外そうとする金具の気配に、エイダはぎょっとして肩越しに振り向いた。
    「……なんのつもり?」
     エイダは問う。
     二人組が脱いでいたのだ。
    「ああ、入浴も監視することになったんだ」
     茶髪はヘラヘラと答えてきた。
    「まったく、決めたのは俺達じゃないぜ? こんなに警戒するんだったら、最初から護衛なんて付けなければいいのになぁ?」
     金髪もニタニタしていた。
    「まさか、入ってくるというの?」
     エイダはぞっとしていた。
     ここ数日、短すぎるタイトスカートを気にしながら、トイレでは放尿を見られ、風呂場ではストリップを鑑賞される毎日が続いていた。しかし、浴室にさえ入ってしまえば、入浴中くらいは一人で落ち着いて過ごせたのだ。
     それが今、ゆっくりと静かに風呂を楽しむ時間にさえ、監視の目は及ぼうとしている。
     エイダは未だ、何らの情報を盗み出せてもいないのに。
    「俺達で洗ってやるよ」
    「嬉しいだろ?」
     最後の一枚まで脱ぎ捨てて、二人組は大きな肉棒を立てていた。思わず目がいってしまい、次の瞬間には目を背け、エイダはさっさと浴室へ入っていく。
     当然のようについてくる男を背に、エイダはキッっと睨み返した。
    「いい加減にして欲しいわね」
     さすがに反抗的な言葉を発していた。
    「おいおい、俺達だって命令されてやってるんだ」
    「そういうこと。クレームならもっと上の方に頼むぜ?」
     悪びれもせず、それどころかエイダの身体に手を伸ばし、シャワーノズルを回して石鹸まで泡立てる。まさか、本当に人の身体を洗う気かと、ますます赤くなるエイダは、ひたすら歯を食い縛り、屈辱感の中で背中にシャワーを浴びせられていた。
     座らされ、素手で身体が洗われる。
     泡立つ白い固まりが、素肌の表面で滑りを良くして、男の両手がするすると背中を撫でる。きめ細かな泡が広がっていき、肩甲骨から腰の下までまんべんなく包まれる。さらには腰のくびれから脇下にかけても上下にされ、エイダは目尻を震わせていた。
     人に体を洗ってもらうなど、気恥ずかしいというべきか、何なのか。触られたくもない男の手でされていて、恥辱を煽られているのは間違いない。
    「はーい」
     茶髪男は後ろから抱きついて、エイダの身体を引き寄せる。茶髪の胸を背もたれにする形にさせられて、前には金髪男が回り込む。
    「おっぱいも洗おうね?」
     金髪男は乳房に泡を塗りたくり、まんべんなく洗い始めた。
    「うっ、くぅ…………んっ…………っ、んぁ…………うっ…………」
     胸を弄られているうちに、乳首はしだいに突起していく。滑りの良さを駆使した表皮への刺激にも肉体を高められ、まだ一度も触れられていない秘所には、もう愛液の気配が滲み出てしまっている。
     やがて、手はアソコにやって来た。
    「あぅぅ……!」
    「どうした? 気持ちいいのか?」
    「うるさ――あっ、くぅぁ……!」
     ワレメをなぞるばかりか、すぐに指まで挿入され、エイダは乱されてしまっていた。金髪男は面白おかしく遊ぶ顔をして、だから玩具にされる感覚に惨めになる。
     床に押し倒され、つま先の指の隙間にかけてまで、細かく丁寧に洗われた。足の裏までやられるくすぐったさと、クリトリスまで丁寧に愛撫してくる刺激に悶え、最後には四つん這いで尻の穴にまで泡を塗られた。
    「くぅぅぅ…………!」
     たまらない屈辱だった。
     望みもしないのに、二人がかりで身体を洗われるだけでさえ、女として耐えがたいものがある。乳房にもアソコにも手が及び、ついでのように喘がされ、挙げ句に恥ずかしい部分のシワを丁寧に指でなぞられる。
    「なんか犬を洗ってやってるみたいだな」
    「ははは! 確かにそうだ!」
     頭がくつくつと沸騰して、どうにかなりそうな体験だった。
     明日も、明後日も、ずっとこんな生活が続くのだろうかと思っただけでも、眩暈がしてくるのだった。
    
         †
    
     唯一、就寝時だけは一人になれる。
     しかし、朝を迎え、任務の時間が近づくにつれ、いつも通りの監視の二人が顔を出し、エイダにつきっきりになってくる。トイレや風呂についてくることさえなかったら、まるでエイダの方が男に護衛されている状況だ。
     任務に就く前、着替えは必ず手渡される。
    「今日の着替えだ」
    「よろしく頼むぜ?」
     上等なスーツはいいのだが、タイトスカートの方はいつも短い。お尻がギリギリで収まる長さでは、ちょっとした姿勢の変化でずれただけでも、いつどこで中身が見えているかがわからない。
     しかも、問題はショーツだった。
    「……こんなものを穿かせるなんて」
     ショーツは精液に濡れ、青臭い香りが漂っていた。エイダが毎日穿いているのはこれなのだ。人が選んだ下着を着用するだけでも、何となく気持ち悪い気分がするというのに、精液濡れを穿かせるなどいい趣味にもほどがある。
     見るからに顔を顰め、引き攣りながら、エイダはそんなショーツを穿いて着替えを済ませる。
     そして、業務の時間だ。
    
    「ふーむ、道筋が見えてきたはずなんだがなぁ」
    
     テーブルにフラスコやビーカーの数々を並べ、試験管を持ち上げ中身を揺らし、液体を覗き込んでいるのは、初老の白髪の博士である。この博士こそが護衛対象であり、何者かに命を狙われているらしいのだが、そういった襲撃や暗殺の気配は未だにない。
     博士が日常的に飲むコーヒーは、いつもエイダが煎れている。
     置かれていた豆は早いうちに確かめたが、毒物の痕跡はなかった――といっても、監視二人を背にしながらのチェックで、あまり完璧にはこなせていない。見落としがあってもおかしくないのが正直なところだが、毒殺の様子はなさそうだ。
     エイダのように身分を成りすまし、博士に近づく侵入者がいないかの警戒もしているが、そういった様子もない。エイダについている二人組も、古参の職員であるらしく、身元のはっきりしている人物らしい。
     博士を狙う人物さえ捕らえれば、護衛という表向きの立場をそのまま利用して、何か良い情報を入手できるかもしれない。と、目論見こそ抱くものの、それを実行できるチャンスは気配すら訪れない。
     博士の研究資料も、あからさまに手にして読もうとすれば、二人組が阻止してくる。
     だから遠目にチラりと覗けた範囲でしか、エイダの頭には研究内容が入って来ない。直接尋ねたところで、はっきりと教えて貰えることもない。
    「あー君、コーヒーを頼むよ」
     博士としても、エイダはすっかりコーヒー係らしい。
    (とても私の仕事とは思えないわ)
     不満になりながら、表向きの役を演じてコーヒーを煎れに行く。豆を挽き、粉を入れ、コーヒーメーカーのスイッチを入れているおり――。
    
         *
    
     職員はニヤニヤとしながらエイダに迫り、本人が知らず知らずのうちに突き出す尻を間近に視姦する。あまりにも短いタイトスカートは、尻の高さにまでしゃがんで眺めれば、中身を覗き込むのは簡単だ。
     尻たぶを下から覗き上げ、白いショーツを確認した。
    (お? マジで濡れてやがる!)
     いいものを見たとばかりに男は喜ぶ。
     豆を挽いている最中の、後ろに気づくことのないエイダを覗き、この職員はさっそくのようにカメラをポケットから取り出した。スカートの中身を写し、素晴らしい宝物を手に入れた気持ちでそそくさと去って行く。
    (みんなが言ってた通り、本当に痴女みたいだな!)
     そんな勘違いが流行っていた。
     多くの職員は、エイダが精液濡れのショーツを穿かされていることを知らない。タイトスカートも、自分で選んで穿いているわけではないが、それをわかっているのは二人組の男や博士に加え、あとは上層の人間くらいだ。
     短いスカートでいつも下着を濡らしている。
     あらぬ誤解が広まっていた。
    
    
     また、とある職員などは、エイダの元にわざわざ近づき、堂々と尻を触ってタイトスカートを持ち上げる。
    「なにをするの!」
    「すまんすまん。手が当たっちまったか」
     悪びれもせず、彼はヘラヘラと笑っているだけだった。
    
         †
    
     そして、今夜の入浴時間だ。
    「頼んでないわ! やめて頂戴!」
     エイダは声を荒げていた。
    「まあまあ」
    「遠慮しないの」
     二人組はエイダを床に押し倒し、仰向けの上にシャワーをかけ、泡立てた手の平で全身をまさぐっていた。最初は茶髪が両手を押さえて金髪が洗う。やがて役目を交代すると、金髪はエイダを抱き起こした。
    「ほら、俺の胸板がスポンジ代わりだ」
     背中に胸を押しつけて、エイダは金髪の身体を背もたれ代わりにした形となってしまう。すると尻には極太の形が如実に伝わり、しかも同等のサイズを前からも押し当てられている。
    「よーく洗わないとな」
     楽しげな茶髪の方は、正常位でもせんばかりにエイダの脚を開かせて、ワレメに肉棒を密着させている。そのまま両手で腰を洗い、ヘソの周りに泡を伸ばして、いよいよ乳房を楽しみ始めた。
    「うぅっ、やめて……」
     前後から二本のものが押し当てられ、熱気がありありと伝わるのだ。肌中で鳥肌を立てるエイダだが、ぬりぬりと上下に擦られ、アソコは甘い蜜を出してしまう。乳首も嫌というほど突起して、男を喜ばせる反応ばかりしてしまう。
    (拒みたいのに、こんな反応をしなくてはいけないなんて……)
     自分自身の肉体さえ、恨めしくなってくる。
    「せっかくだ。セックスでもするか?」
    「お? いいねぇ!」
     二人組が良いことを思いついたように言い出した途端である。
    「や、やめなさい! そればかりはさせない!」
     さしものエイダも怒鳴っていた。
    「おーこわっ」
    「なら、代わりに奉仕してもらおっかな」
     怖いと言いつつニヤニヤと、ヘラヘラと、悪びれる様子などあろうはずもなく、勘弁して欲しければやれとばかりに茶髪は立ち上がる。エイダの口元にペニスを突きつけ、金髪も後ろから背中を押し、二人がかりで強要していた。
    「……冗談じゃないわ」
    「俺は別に、無理矢理ヤってやってもいいんだけど?」
     茶髪は涼しい顔でそう言った。
    (……本当に、一体なんなの?)
     男相手だろうと、そう簡単に負けるつもりのないエイダだが、金髪に密着されている状態で、それも密室で二人相手だ。筋力で勝てるわけではないのに、ここで無理に抵抗しても、もはや犯されるだけなのだろう。
     セックスと奉仕を天秤にかけ、エイダは震える唇を亀頭に付けた。
    「はむぅぅぅぅぅ…………」
     見るからに顔を顰めて、眉間に皺まで寄せながら、エイダは肉棒を口に迎える。存分に熱気を纏った石の硬さに頭を動かし、前後運動と共に舌を蠢かせる。
    「はぶっ、じゅるぅ……じゅっ、じゅずっ、ずずぅ…………」
    「上手いじゃないか。案外、経験豊富なんだろ?」
    (勝手な想像ね)
     仁王立ちの茶髪に膝をつき、奉仕しなくてはならない無念さに目を瞑り、尻には巨根が押し当たる。
    「じゅるるぅ――ずむっ、じゅぶ――すじゅぅぅぅ――――――」
     少しでも早く解放されようと、恥辱に過ぎ去って欲しい思いあってこそ励んでいると、金髪も金髪で、肉棒を使ってスリスリと尻たぶを撫でていた。
    (早く……せめて、早く出しなさい…………)
     そんな思いで睨み上げ、エイダは嫌々にも励んでいた。
    「はじゅっ――すじゅぅ――じゅっ、ずっ、りゅちゅぅ――――」
     やがては茶髪の手がエイダの頭を掴み、逃がさないように握力を込めてくる。口内で肉棒は跳ね上がり、青臭い精が放出された。
    「んっ、んぅ…………!」
     口を塞がれたままの放出に、屈辱の味と香りに瞳を震わせる。肉棒が引いていくなり、すぐさま吐き出していた。
    「あーあー」
     茶髪はあからさまに残念がる。
    「飲んで欲しかったのにな」
     金髪も後ろから、耳元に囁いてきた。
    「誰が……」
    「……ま、いいや。次は俺のも頼むぜ」
    「…………」
     エイダの意思など関係無く、茶髪と金髪はポジションを入れ替え始める。楽しみでならない顔の金髪が肉棒を突き出して、茶髪の方はエイダの背中に密着していた。
    
         †
    
     夜、エイダは寝室を抜け出した。
    (もう真っ平! こんな生活!)
     これではいつ犯されるかもわからない。
     真夜中の、誰一人の気配もしない、寝静まった中を散策し、エイダは今までの記憶を頼りに書類を探る。
     だが、見つかるものは、必ずしも研究に関係のあるものばかりでなかった。
    
    
    
    【生活日誌】
    
     エイダ・ウォンとかいう美人が博士の護衛についた。
     何度か狙われてきた博士だが、そのおかげか今は何も起きちゃいない。
     何者か知らないが、敵さんはよほどビビっているのか?
    
    
     エイダはいつも短いタイトスカートを穿いている。あんな長さじゃ、ちょっと前屈みになっただけでも、三角形の白い先端が見えようってもんだ。いつしか、そいつを覗いてやるのが俺達の楽しみとなった。
     ところで、下着が濡れていることが多いらしい。
     何故だ?
     あんなスカートを穿くくらいだから、友人どもは冗談めかして「痴女だからじゃねーか?」なんて言っていたが、案外冗談でもないかもしれない。
    
    
     俺は気づいてしまった。
     そう、本当に濡れているのだ。
     間違いない、エイダは痴女だ。
    
    
     仲間内で盗撮大会が始まった。
     誰が何枚、どれほどエロい写真を撮れるか。
     下らない大会だが、この鬱屈とした研究の日々を癒やすにはちょうどいい。
     俺も早速カメラを買って参加したが、鬱陶しい監視の二人組がいてやりにくい。あいつらの機嫌を取るか、ちょいとでも離れるチャンスを狙うか。
    
    
     撮れた撮れた。
     いいもんが撮れた。
     今日の優勝は俺に間違いない。
    
    
    
     知りたくもなかった。
     研究員の面々がニヤニヤと、しきりにいやらしい視線を送ってくるのは、あんなスカートだから仕方がないとは思っていた。
     しかし、仲間内でエイダのことを痴女呼ばわりして、盗撮まで……。
     一体、どれだけの写真を撮られているのか。それを肴に盛り上がり、楽しまれてしまったのか。想像もしたくないものが、それでも頭に膨らんで、エイダは身震いしてしまった。
     その時だった。
    
    「おやぁ?」
    「何してるんだ?」
    
     戦慄に振り向くと、そこには二人組の男が並んでいた。
    
         †
    
     ウイルスの証拠を掴みたかった。
     こんな生活から早く抜け出したいと思い、焦っての行動は、それこそスパイを炙り出す作戦だったのだろうかと、エイダは今更ながらに勘ぐっていた。
     エイダは寝室に戻されていた。
    「さてさて帰りましょうねぇ?」
    「いけませんよ? 夜歩きは」
     などと二人に肩を掴まれ、歩かされ、部屋に押し戻されただけなら良かった。
    「では怪しいところがないかを検査するので」
    「全部、脱いでもらおうか」
     二人組は楽しそうな笑顔を浮かべていた。
     エイダをスパイと気づいているのか、ただ女性に対する最低な実態があるだけなのか、わからなくなってくる。
    「……脱いだわ」
     ベッドを背に、二人組と対峙して、エイダは一糸纏わぬ姿で対峙した。
     疑われているのか、いないのか、それさえわからないままに、スパイとしての任務を真っ当するためにも、ボディチェックと称した痴漢行為に耐えるしかない。
    「お胸をチェックだ」
     茶髪は胸を揉み始める。
    「俺はこっちだ」
     金髪は後ろに回り、電車の痴漢のように尻を触って撫で回す。
     エイダはただただ顔を背けていた。
    「お? 乳首が立ってきたねぇ?」
     胸の愛撫はすぐにエスカレートしていき、突起した乳首を指先で攻め始める。上下に弾き、左右に転がし、乳輪をなぞり回す刺激に乳房は敏感になっていく。
    「はぁ……くぅ……」
     甘い声が漏れ始めるに、金髪はベルトを外し始める。後ろから抱きつくなり、尻に押しあてながらアソコの方に手を伸ばし、ワレメに指を絡めてなぞり出す。
    「あぁぁ……あっ、うっ、あぁぁ……」
     胸とアソコを同時にやられ、上下に走る快楽の痺れに翻弄される。本当に電流でも流れるように、太ももをガクガクと小刻みに震わせて、より一層の愛液を垂れ流す。
     指に絡んだねっとりとしたコーティングで、金髪の指は輝いていた。
    「そんじゃあ、本格的にやってやるか」
     金髪の言葉がきっかけに、二人組はエイダをベッドに押し倒す。
    「や! やめなさい! 怪しいところはないとわかったはずよ!」
     いくらなんでも、犯される危機にばかりは抵抗するが、男の力で始めから押さえ込まれた状態だ。あまりにも不利な立場で、手足は呆気なく封じられ、そのままバンザイの形を取らされた。
     茶髪の尻が乗ってきて、体重によってエイダの両手は封印される。
     座ってみせる方法での拘束だから、茶髪は両腕とも自由である。自由を活かしてエイダの脚を引っ張り上げ、まるで上からフックで吊り上げているように、強制的なM字開脚をさせていた。
    「よして! 本当に! これ以上はタダじゃおかない!」
     慌てふためいていた。
     仮にも普段のエイダを知る二人組は、クールな彼女からは想像も出来なかった声は表情を見るなり、かえって興奮を高めていた。
    「はい、お先にどうぞ」
    「へへへっ、悪いな」
     金髪は肉棒を当て、そのまま腰を押し進めた。
     
    「――あぁぁぁ!」
     
     エイダの中に、肉棒が収まった。
    「おおっ! いいじゃん! FBIのナカ!」
    (そんなっ、FBIって信じたまま? 完全にとうかしてる!)
     金髪は大胆なストロークを開始した。
    「あん! あ! あぁ! あっ! あ! あん! あぁん! あん! あっ! あっ!」
     こうなってしまえば、もう抵抗するも何もない。
     金髪は茶髪が抱えていた脚を受け取り、足首を掴んで一層のこと深く貫く。
    「あっ! あぁん! あぁん! あっ! あ!」
     操縦桿でも握ったように、好きなようにエイダを喘がせ、ピストンの衝撃に乳房は上下に震えている。貫くたびにせり上がる電流に、背中もリズミカルに跳ね上がる。
    「いいなぁ! 最高最高!」
    「あぁぁ! あぁん! あん! あん!」
     満面の笑みの金髪に対し、エイダは恥辱ながらに喘ぎ込む。
     そして――
     
     ――ドクゥゥゥ! ビュル! ビュル!
     
     エイダの身体は白濁に汚れた。
     腹にはコップの中身を少しこぼしたほどの水溜まりが、胸やその周りには指先ほどのプルっとした雫が散る。屈辱でならない、無念でならない顔で、エイダはぎゅっと目を瞑り、頭の中では激しく後悔していた。
    (軽率な行動だったの!? 冗談じゃない、いずれこうなったわ!)
     だから早めに動き出し、任務を切り上げにかかろうとしたのではないか。運命に対する必死な言い訳など、何の意味もあるはずがない。
    「ほら、お前もやるだろ?」
    「もちろん」
     金髪はまるで我が物を明け渡すようにどいてやり、入れ替わりに茶髪が肉棒を突き立てる。
    「くあぁ……!」
     エイダの身体はブリッジのように跳ね、さらなる快感の波に溺れていく。
    「あっ! あん! あん! あぁん!」
     茶髪のピストンによっても胸は揺れ、髪さえ激しく揺さぶられる。よがる両手はシーツを握り、もはや相方による押さえ込みの必要はなくなっていた。
    「あぅぅぅっ! あん! あぁん!」
    「ほーんっと、気持ち良すぎて笑えてくるわ」
    「んんぅ! んあ! あん! あぁん! あっ、あん!」
     エイダをよがらせる楽しさに腰を元気に振りたくる。エイダの身体はもう何度もビクっと震えて弾んでいる。いつしか、だらしないヨダレまで流れていることに、果たして本人は気づいているのか。
    「あぁああ! あっ! あぁぁん!」
    「さて、そろそろ」
     茶髪はピストンのペースを上げ、勢いのままに放出した。
    
     ――ドクゥゥ! ドピュッ! ドックゥ!
    
     エイダの腹部はさらに汚れ、乳房の上や周辺の付着も増えていた。体中が精液にまみれ、見れば肩や二の腕にまで及んでいた。
     二人組はそれぞれ一回ずつ射精したが、そればかりに留まらず、今度はエイダを四つん這いにさせ、前後から攻めさえした。金髪は口の中へと、茶髪は後ろから尻を打ち、二本同時の責め苦にさえ喘ぎ続けた。
    
         †
    
     もう限界だった。
     それから、毎晩のように犯され、研究職員からの盗撮も続いている。女の味方をする者など一人もいない、痴漢やセクハラの実態に満ちた研究所で、ひたすら任務に忠実な人間を演じ続けることに心労が重なった。
     そんなある日、護衛任務が終了した。
     突然だったが、博士を狙う一派が捕まったとのことだった。
     ウイルスについては――。
    
    『内部より告発があった。もう任務の必要はない。至急戻って来い』
    
     エイダは衝撃を受けていた。
     告発があったのはいい、ウイルスの情報が判明したのもいい。
     しかし、では一体、自分は今まで何のために……。
     
    
    
    


     
     
     

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  • エイダ・ウォン 完全ボディチェック

    
    
    
     某企業のエレベーターに、一人の女が乗っていた。
     黒髪の彼女は漆黒のスーツを身に纏い、腰のくびれたラインを如実に示す。スリット入りのタイトスカートは白い太ももを半分ほど露出して、尻はむっちりと膨らんでいる。目を凝らせば、タイトスカートの尻にはV字のような、薄らとしたラインが見える。ショーツのゴムが浮き出たパンティラインだ。
    (ここに細菌兵器が隠されているという情報、本当かしら?)
     エレベーターは地下に向かっていた。
     不思議なことに、ボタンは1Fから屋上にかけてのものしかなく、表向きには地下など存在しない。世間から隠された機密エリアに、彼女は足を踏み入れようとしているのだ。
    (不穏な噂は以前からあった。実際に機密エリアの存在が判明したのはここ最近。しかもアンブレラを退社した経歴の持ち主が研究をしているとなれば、怪しむのも当然といったところね)
     エレベーターが開いた先には、たった数メートルの一本道を進んですぐ、分厚い電子ロックの扉がある。彼女はまるでメンバーの一員であるように、当然のようにカードキーを通してロックを解き、開いた扉の向こうへ歩む。
     真っ白な壁、真っ白な床が長々と続く、やはり一本道を進む彼女の尻は、タイトスカートの内側でフリフリと左右に動く。
    (さて、ここからね)
     一つの部屋に辿り着き、彼女は初めて足を止めた。
     彼女はFBI所属ということになっており、何者かに命を狙われているという博士の護衛を行う。施設への侵入に成功したら、あとは護衛に従事しながら、密かに研究の秘密を暴いて証拠を持ち出せばいい。
     ここまでは順調だった。
     ただ、この地下研究所は外部からの出入りに対してチェックが厳しい。盗聴器を持ち込むのはまず不可能、紙やペンの持ち込みにも制限がかかっており、メモの切れ端一つを持ち出すことにさえ、詳しく理由を尋ねられる。
     ここで受けるボディチェックが一つの試練だ。
     彼女にとって、それ自体は問題じゃない。
     護衛任務の上で必要な拳銃、弾――必要な武器や道具の申請は行っており、許可を得た物品だけは持ち込める。大人しく指示に従い、きちんとチェックを受けさえすれば、侵入への支障はない。
     問題なのは、彼女が女性であり、人としての羞恥心を持ち合わせている点だ。
    
    「エイダ・ウォンだな?」
    
     一人の検査官が、彼女を待ち構えていた。
    「ええ、話は聞いているでしょう?」
     弱みを見せても仕方がない。
    「もちろんだ。アンタこそ、ギャーギャー言わないだろうな?」
    「当然よ。さっさとして頂戴」
     これから起きることなど、せいぜい蚊に刺される程度のことに過ぎない。そんな余裕の振る舞いを見せながら、彼女はテーブルに所持品を並べ始めた。
    
         †
    
     ボディチェックには二人の男がいた。
     テーブルに銃を置き、弾倉を並べていると、検査官に加えてもう一人が部屋に現れ、共に所持品のチェックを開始する。身分証やカードキーまで、一つずつ検めて、まず第一の段階を終了した。
    「問題ない。持ち込み可だ」
    「了解です」
     検査官の言葉に、もう一人の若い男は敬語で応える。
     さしずめ、彼は検査の補佐官といったところか。
    「次はボディチェックだ。詳しく調べさせてもらうぜ?」
     そう言ってエイダに迫る検査官は、ズボンの妙な膨らみを隠しもせず、股間の山をわざわざ目の前で触っていた。ズボン越しとはいえ、男性器に触れた直後の手で、検査官はエイダの身体に手を伸ばす。
    「どうぞ? お好きに」
     エイダは平静に振る舞う。
     まずは頭部のチェックであった。
     髪の隙間に何かがないか、頭皮に何か仕込んでいないかのチェックは手探りだ。頭を撫で、髪に手櫛を通していく。まるで診察の場でそうするように、まぶたの裏側まで確かめる。耳の穴をペンライトで照らして覗き、鼻の穴さえ確認した。
    「手を挙げろ」
     すっと、エイダは両手を上げる。
    「どんな気分だ?」
     検査官は両手でエイダの頬を包み込み、自分を向かせてニヤついた。明らかに下品な笑みで、舌なめずりまでして唇を光らせる。いやらしさを隠しもしない、高圧的な態度を前に、普通は誰もが顔を顰めることだろう。
    「手間がかかって、お仕事が大変そう」
    「確かに手間はかけさせてもらう」
     検査官の両手は耳へと移り、それぞれの穴に親指を入れて揉みしだく。唇を指で撫で、口を開けるように命じてペンライトで覗き込む。指を突っ込み、歯を一本ずつ触ることまでして、歯茎までなぞって確かめる。
     首から下へのチェックに移ると、まずは両手の上がった脇下を触り始める。手の平をべったり貼りつけ、揉むように確かめた。
     脇穴から肘にかけてを、それぞれさすった。
     両肩に手を置き、スーツ越しの肩肉を揉んで確かめ、二の腕をまんべんなく撫で回す。肘から手首にかけて触っていく。そんなチェックの数々は丁寧に行われ、部位とごとに撫でて揉み、ポンポンと叩くタッチも施され、やっとのことで両腕のチェックは済まされた。
    「ブーツと靴下を脱げ」
     検査官が命じると、エイダは黙々と黒いブーツのジッパーを下げ、靴下まで脱いだ素足を床につける。それらがテーブルに置かれるなり、検査官の目配せで補佐官は動き、物品検査に取りかかっていた。
     まるでブランドを確かめる鑑定のようだが、そうやって靴に何かが仕込まれていないか、衣類のどこかに妙なチップが隠れていないか、探り当てるプロというわけだ。
    「まだまだ続きがあるぜ?」
     検査官は腰のくびれを両手で掴む。上下にさすり、腰の両サイドから脇下にかけ、手の平を往復させ始めた。
     嫌に時間をかけていた。
     脇腹に食い込む両手は、揉みしだかんばかりに蠢き、脇に近づくにつれ、明らかに乳房に手の平を届かせている。脇下を確かめるフリをして、手のかかと、ともいうべき部位を横乳に及ばせ、検査官は乳房へのタッチを行っていた。
    「FBIにしてはオッパイがでかいな」
     ニタニタとした顔を浮かべて、検査官は真正面からじっくりと、スーツの膨らみを視姦していた。
    「FBIに胸の大きさが関係あるとは知らなかったわ」
    「うっかり乳首を立てないことだな。オッパイに盗聴器が隠れていると勘違いしちまうことになる」
    「心配ご無用よ」
    「だといいがな」
     検査官は挑発的な眼差しを向け、次に腹部を撫で回す。さらにその下へと、タイトスカートの太ももまで触り始めた。
     あからさまに味わっている。
     どうだ、触ってやっているぞと言わんばかりの、勝ち誇った表情を浮かべて、実にニタニタと太ももを揉む。
    「本当に丁寧ね」
     エイダは不快感を目に浮かべた。
    「そうだろう? ここも確かめないとな」
     検査官は何ら遠慮もなしに胸に触れ、鷲掴みに揉みはじめる。丹念に指は蠢き、その表情はますます勝ち誇ったものへと変わっていく。
    「何もないのがわかったかしら?」
     エイダは静かに目を瞑り、いかにも平静に、弱みなど見せるつもりはなく、平然とした顔を貫き通すつもりでいた。
    「そうだなぁ?」
     検査官は背後に回り、エイダの背中を調べ始める。肩甲骨に手の平を押しつけて、背骨をなぞり、腰回りもポンポンと叩く。ひとしきり撫で回し、彼は大きな尻に手を置いた。
    「……本当に、しっかりとやるのね」
    「当然だろ?」
     尻のカーブに手の平をまとわりつかせ、ぐるぐるとなぞって形状を確かめる。まずは右のしりたぶばかりを撫で回し、続いて左の尻たぶも、何周もかけて回していく。丹念に撫で尽くした上で、
    
     パンッ、パンッ、
    
     何度か叩き、衣服越しの打音が鳴った。
    (くっ、最低ね……)
    「何もなさそうだなぁ? ただ、いいケツだってのはよくわかった」
    「あらそう、済んだかしら?」
     エイダはいかにも飽き飽きとしてみせていた。
     小さく鼻を鳴らすや否や、尻たぶに指が食い込み、ぐにっと強く揉まれてしまう。内心では顔を顰め、それを本当の表情に出すことはなく、表面上のエイダはケロッとしていた。
    (下らない。可愛く嫌がれば満足なの?)
     いい加減にして欲しい気持ちが膨らむ。
     検査官は意地でもエイダから面白い反応を引き出したいのか、一度は離れていったと思いきや、一つの機材を握っていた。
    「金属探知機を使う」
     検査官は大きな虫眼鏡のような形の器具を用意して、黒いリングの部分をエイダの体中にかざし始めた。
    「飽きないわね」
     何の反応もするわけがない。
     今のところ、テーブルに並べた以上の所持品を本当に持っていない。必要な情報を突き止めたら、証拠品の持ち出しは後から計画するつもりだ。
    「おやぁ?」
     ところが、金属探知機は反応した。
     ブザー音が鳴っていた。
    「どういうこと?」
    「それはこっちの台詞だろ? オッパイに何を隠してる?」
     検査官はニタニタと笑っている――わざとだ。
     意図的に鳴らしたのだ。
    「何もないわ」
    「ま、誤作動ってこともあるが、念のためだ。脱げ」
     そう、そのためだ。
     きっと好きなようにブザーを鳴らせる仕掛けなのが、悪巧みの顔から伝わってきた。
    「呆れたわ。その探知機、後で調べたいわね」
    「後でな。まずは脱ぐんだ」
     検査官は強気になって、ニッタリと、優位の立場を楽しんでいる。
    (まずいわね……)
     エイダはスーツのボタンに指をかけ、上着一枚を脱ぎ去ると、上半身に白いブラウスの生地が輝く。脱いだものを受け取るため、補佐官がすぐ近くにまでやって来るので、仕方なく手渡した。
     今度はブラウス越しの胸に金属探知機がかざされて――ビィィィィ、と、ブザー音声は鳴り響く。
    「それもだ」
    (まったく、本当にまずいわ……)
     エイダはブラウスを脱ぎ始める。
     上から順に、ボタンを一つずつ外していると、検査官はそれをまじまじと眺めた。後ろでも向こうと思ったが、身動きの気配を出した途端に「そのままだ」と言ってくるので、見られながら脱ぐしかない。
    「もっとゆっくり脱いでもいい」
     ストリップを楽しんでいるのは明らかだ。
    「遠慮するわ」
     赤いブラジャーが覗けるまで、時間などかからない。エイダはさっさと脱いでみせ、実にあっさりと上半身はブラジャーのみに、ワインレッドの下着を露出する。
     単なる赤ではない。
     三原色の赤をわずかに暗くしたような、小さなアクセントのかかった色合いで、サテン生地の表面は滑らかな光沢を帯びている。そんなワインレッドをベースに、中央には黒いリボンが咲き、そしてより黒に近い、暗い赤色の刺繍によって薔薇の飾り付けが行われていた。
    (きっと裸にされる)
     エイダの抱く危機感はそれだった。
     今までけろっと、平然としてみせていたエイダでも、武器のない状態で、抵抗するわけにもうかない立場で脱がされるのは辛いところだ。FBIの身分でここにいて、厳しいボディチェックの内容にも合意した扱いで、下手に逆らうわけにもいのだ。
    「さて、これ以上鳴らないといいなぁ?」
     楽しくてたまらない表情で、検査官は金属探知機をタイトスカートにかざし始める。アソコにぐっと近づいて、脚もひとしきり調べられ、エイダは薄らと汗を浮かべる。
    (スカートは脱がずに済めばいいのだけど)
    「尻はどうかなぁ? 大丈夫だといいなぁ?」
     尻に金属探知機をかざし始めて、エイダの恐れたブザー音声はすぐさま鳴った。
    「あ、あら、おかしいわね」
    「ボタンとかチャックに反応してる可能性もあるからなぁ? だが、反応があった以上は調べざるを得ないよなぁ? こっちにゃあ、職務上の責任があるからなぁ?」
     つまり、脱げということだ。
     エイダは仕方なくタイトスカートの留め金を外し、自分が無防備になっていく感覚を味わいながら、下へ下へとやっていく。
     ショーツも同じくワインレッドで、黒いフロントリボンを縫い付けつつ、より暗い赤を使った薔薇の刺繍が飾り付けとなっている。刺繍の下にある生地は、やはり滑らかな光沢を帯びていた。
    「それで、ここまで脱がせてご満足?」
     エイダは気丈に振舞っていた。
    「どうした? 顔が赤いぞ?」
     そんなエイダを検査官は煽る。
    「気のせいね。大したことないわ」
    「だったら下着も脱いでみるか?」
    「あら、どうして?」
    「両手を上げろ」
     煽ってみても、どうしても涼しい顔を崩さない。頬が少しばかり染まった程度のエイダに対し、不満なような、関心した様子で、流れを切っても腕を上に上げさせる。
    「で? まだなの?」
     エイダの目は、早く終われと言わんばかりのものだった。
    「まったく、大したもんだなぁ?」
     わざとらしく褒めながら、検査官はエイダの胸を揉む。ひとしきり指を動かし、ほくそ笑む検査官に対し、エイダは睨まんばかりの眼差しを返している。
    「あなたに揉まれても、盗聴器なら出ないわ」
     遠回しに乳首は突起しないと、検査官の手では感じないと言ってのけ、そんなエイダの言葉が彼をむっとさせていた。
    「なるほど、少し待ってろ」
     検査官は急にエイダに背中を向け、この部屋から去って行く。
     一体、何を考えて出て行ったのか。
    (どうせロクなことじゃないわね)
     何があったところで、最後まで涼しい顔をしていてやろう。
     そう考えるエイダの前に、ようやく検査官が戻ってくると、彼は今まで以上に愉快でならない楽しげな表情を浮かべていた。
    「それで? なんだっていうの?」
     嫌な予感にエイダは眉を顰めていた。
    「薬物使用の疑いがある」
    「どういうこと?」
    「なんでも、麻薬捜査で浮上した情報が俺達の元に来ていてな。東洋人の女には気をつけなくちゃいけないらしい。アジア系は薬物検査必須だそうだ」
     本当だろうか。
     嘘の口実ではないかとエイダは疑う。
    「困った話ね。早く潔白を証明してくれる?」
     しかし、嘘を追求できる立場でもなく、エイダはそう言うしかなかった。
    「そこに両手を突け」
     検査官はテーブルを指す。
     言われるままに体重を預け、尻を突き出す。エイダは無防備な尻の向こうに男の気配を感じつつ、検査官からすれば剥き出しの背中がそこにある。ブラジャーがかかった白い素肌に連なって、くびれのカーブを成した腰から、大きな尻へと続いていく。
    「採尿だ」
    (やっぱり、最低ね)
     尻に手が置かれ、エイダは恥辱を顔に浮かべる。
     検査官はショーツの生地をよく味わい、滑らかなサテンが覆う尻を揉む。さらに生地をずらしてやり、生肌を剥き出しに、まるでTバックのように丸出し同然にしてしまう。大きな尻の谷間で紐のように細く絡まり、捻れたサテン生地の光沢は、美尻の良い飾りつけとなっていた。
    「いい肌だ。茹で卵が綺麗に剥けた時のようにツルツルに光ってやがる」
    「そ、それはどうも……」
     さしものエイダも、頬の染まりは桃色程度では済まなくなり、しだいにはっきりとした赤へと近づいていく。
    「なあ、お前もそう思うだろう?」
     検査官は補佐官に話を振っていた。
    「もちろん」
    「この美人から採尿するんだ。もっと見えやすいところに来たらどうだ?」
    「本当ですか? では遠慮なく」
     嬉しそうな若い声が近づくことで、エイダにとって尻の背後の気配が二つに増える。丸出しと変わらない尻に意識がいき、痛いほどの視線を感じた。
    「始めるぞ」
     検査官がしゃがむと、肌に感じる気配はより強まる。アソコのあたりに、大切な部分の布に指が来るなりエイダは強張り、身体中が警戒心を高めていく。
     布がずらされた。
    (まったく、こうなるなんて……)
     まるでレーザーに焼かれるような視線の熱を感じるエイダは、テーブルに置いた両手を拳に変えて握り締め、顔の赤らみを懸命に堪えていた。
    「ちゃんと見えるか?」
    「ええ、問題なく」
     脚のあいだに何かが添えられ、肌にぶつかる紙製品の感触は紙コップだ。しかも検査官は放尿を二人で楽しむため、自分の身体が邪魔にならないように、ポジションの調整までしているのだ。
    「さあ、出すんだ」
    (……冗談じゃないわ)
     誰が好きで放尿などするものか。
     しかし、そうせざるを得ない立場に歯を噛み締め、エイダは恥部に意識をやる。出そう出そうとは思ってみても、最後に水分を摂ったのはいつだったか。緊張で引っ込んでしまうせいもあり、なかなか出ない。
    (どうしてこんな恥を……)
     二人もの男に見守られ、放尿のために踏ん張るなど、こうも格好悪く情けない話があるだろうか。アソコを視姦されるだけでさえ、心が恥辱に締め上げられ、脳がどうにかなりそうだ。
    「どうした。FBIは小便の出し方も知らないか」
    「……っ! 急には出ないだけよ!」
     こんな形で煽られて、エイダは声を荒げた。
    「出ないなら出やすくするしかないなぁ?」
     その瞬間だ。
    「っ!」
     性器に指が伸びてきて、エイダは目を見開いた。
     検査官はワレメを撫でて、クリトリスへの刺激を始めたのだ。肉芽は少しずつ突起していき、性感をくすぐられたエイダは、しだいに尻を悶えさせ、感じた素振りを見え隠れさせていく。
     検査官の指には愛液がまとわりつくようになっていた。それが滑りを良くすることで、エイダが受ける刺激は強まり、快感を隠せなくなっていく。
    「気持ちいいのか? FBI」
    「べっ、別に……」
    「あ、耳が赤くなってますよ?」
    「ほーう?」
     気丈な振る舞いを許さないかのように、補佐官が嬉しそうに指摘して、検査官はお得な情報を知って満足そうな顔をしていた。
    「気持ちいいんでしょうねぇ?」
    「だろうなぁ?」
    (本当に……! この人達は……!)
     一体どれほど喜んだり、勝ち誇ったりしているのか、それを思うだけでも苛まれ、やり場のないも気持ちが心の中で暴れていた。
    「尿道はこのあたりか? ここを刺激してやんないとなあ?」
     ワレメに潜む尿道口を探り当て、そんなところまで指先で揉み始める。
    「あっ、くぅ……」
     声が漏れかけていた。
     エイダには決壊が近づいていた。引っ込んでいたはずの尿意が徐々に膀胱に膨らんでいた。
    「お? 糸が引いたぞ?」
     検査官は指とアソコのあいだに糸を引かせる。
    「引いてますねー」
     補佐官もまじまじとそれを眺めた。
    「くぅ……んぅ…………」
     感じているとも、屈辱を堪えているとも知れない、呻きか喘ぎかもわからない声が漏れていた。
    「出る時は、ちゃんと言うんだぞ?」
     ぺちんっ、と、そんなことを言いながら検査官は尻を叩いた。
     冗談ではない。
     自分の口から放尿を宣言して、しっかりと見てもらうなど、もはや重い軽罰だ。
    
    「……出るわ」
    
     しかし、エイダはそう告げる。
     その瞬間だ。
    
     ――チョロッ、
    
     少しだけ飛び出た黄金液が、何滴かコップの底に落ちたのをきっかけに、数秒後には放尿が始まった。最初はコップの底が水に叩かれ、溜まれば溜まるほど、水面を叩く音へと変わっていく。
    (……くぅっ、こんな……見られながらなんて……人生で始めてよ!)
     脳が沸騰せんばかりの激しい恥辱で、とうとう耳まで真っ赤に染まる。首から上が綺麗に赤面しきったことで、エイダは顔さえワインレッドと化していた。
     放尿が途切れる頃には、紙コップには十分な量が溜まっていた。
    「拭いてやるよ」
     この上、検査官はウェットティッシュを用意して、その手でエイダのアソコを拭く。排泄の世話を他人にされる屈辱で、エイダの顔はますます歪み、拳は固く強張っていた。
    「たっぷり出たな。気持ち良かったか?」
    「……そうでもないわ」
    「嘘をつけ、こんなに出たんだ。マンコだって、エロ汁で糸を引いていたじゃないか。感じまくっていたんだろ?」
     こんな言葉を聞かされながら、ウェットティッシュがワレメの部分に押し込まれ、前後に動き続けてくる。
    (こいつら……! 本当に、本当に……!)
    「最後だ。下着も全部脱げ」
     まるでトドメを刺されるかのようだった。
    「…………最低」
     小さな声で吐き捨てつつ、エイダは二人の男を振り向く。
     優越感に浸った満足そうな男に対し、エイダは真っ赤な顔を下に向け、固く歯を食い縛り、顎を力ませ震わせていた。
     背中のホックを外し、ブラジャーを脱ぐと、補佐官がそれを取り上げる。
     ショーツの方は検査官が取り上げた。
    「なるほどなぁ?」
     持ち主の目の前で、ショーツの生地を裏返す。検査官は手の平の上でクロッチをすりすりと可愛がり、宝物でも愛でるように摩擦した上、顔に近づけわざとらしく匂いを嗅ぐ。
    「衣類も検査する。別室へ持っていけ」
    「はい」
     ひとしきり楽しんだ挙げ句、検査官は補佐官にショーツを任せる。補佐官は他の衣服も全て畳んで一つにまとめ、この部屋の外へと持ち出していった。
     ブーツや靴下すらなく、完全な丸裸で、エイダはそこに立っていた。
    「お? もう少し早く突起していれば、盗聴器を疑ったのになぁ?」
     検査官は乳首に手を伸ばし、指先で悪戯する。
    「やめて頂戴。まだ終わらないの?」
     エイダはその手を払い退けた。
    「なに、次で最後だ。足を肩幅ほどに開き、自分で自分の足首を掴め」
     それは尻を高らかにして、恥部を曝け出すための、前屈に近いポーズである。身体を二つに折り畳み、床に頭を近づければ、下半身に強い視線を感じるのは当然だった。
     検査官がしゃがむなり、アソコと肛門のすぐ近くにまで顔の気配は迫る。至近距離からジロジロとした視線を感じることで、肌を炙られているような、火傷しそうな熱を味わい、さらには指で性器を開かれる。
    「小便したばかりにしては綺麗じゃねーか」
     検査官はまじまじと肉ヒダを眺め、指まで挿入して膣内の調査を始めた。
    「んぅ…………くぅ………………」
    「なんだ? 感じてるのか?」
     膣内に物を隠していないか、そのための挿入だったが、根元まで埋め込み何も出て来ないとわかるなり、悪戯目当てのピストンが行われる。
    「あっ、んぅ……そんなこと…………」
    「ははっ、気持ちいいくせに」
     指は引き抜かれていくが、本当の最後が残っている。
     検査官はガラス棒を用意していた。
    「ほら、もうちょっとだ。頑張れよ?」
     尻たぶに片方の手を置き撫でながら、検査官はジェル付きのガラス棒を突き立て挿入していく。肛門の中身さえ調べられ、エイダの抱える感情は言い知れない。
    (くっ、こんな……! こんなの……!)
     エイダは全力で目をつむっていた。筋力の許す限り極限の力でまぶたは閉ざされ、頬は面白いほどに強張っている。顎が震えるまで歯を強く食い縛り、自ら足首を掴む握力も、爪が食い込まんばかりであった。
    「終わりだ。良かったなぁ?」
     尻をペチペチと叩きつつ、検査官はガラス棒を引き抜く。
     ちょうど、補佐官が衣類を抱えて戻って来た。
    (まったく……やっと解放されるわ……)
     恥辱感を引きずりながら、テーブルに置かれた着替えに手を伸ばす。すぐにショーツを穿こうと思ってみると、妙な具合に顔を顰めた。
    「これは……」
     エイダは引き攣っていた。
     青臭い香りのする妙な液体が染み込んで、ショーツの裏地がまんべんなく湿っていた。べったりと貼りついた液体は、もう水分を吸収しきれなくなった布地の上に乗り、ぷるっとした白濁として揺れていた。
     精液だった。
     衣服を調べると言いながら、人の下着をこんな風に使ったのだ。
    「穿け」
     検査官の声に、エイダは彼を睨み返した。
    「……言い趣味。一生忘れないわ」
    「いいから穿くんだな。よく温まってるぞ」
     検査官はもちろん、こんなものを持って来た補佐官も、エイダにニヤニヤとした視線を送っている。白濁に濡れたショーツを穿く瞬間を、今か今かと楽しみに待っている。
     本気でわからない。
     排泄物に手を突っ込むのと、これを穿くのと、一体どちらがマシなことか、エイダには本当にわからない。
    「…………」
     無言のエイダは、静かに二人を睨む。
     ニタニタとした視線に見守られ、不快感に身震いしながら、エイダはショーツに足を通した。不潔なものを身につける拒否感で、肌中に鳥肌が立ち、こんなものを穿こうとしている指さえ震えた。
    
     にちゅり――
    
     と、穿いた途端に、ワレメの肌に白濁が広がって――
    
     ぞわぁぁぁぁ――
    
     毛穴という毛穴が広がった。
     全身、全ての体毛が逆立っていた。
     ショーツと肌の隙間で潰れ、白濁はアソコの表面に広がって、ねっとりとした嫌な温度が皮膚に伝わる。何人分ともしれない量は、ワレメの隙間から膣に入りそうな予感さえして、背筋に寒気も走っていた。
    「穿いたな? 着替えが済んだら通っていいぞ?」
    「次回もボディチェックを行いますので、そのつもりで」
     二人の男が浮かべる表情は、楽しくてたまらなかった、とても満足しきったもので、逆にエイダは屈辱と不快感を抱えながら、さっさと着替えてこの先へと進んでいく。ショーツの中身がいつまでもいつまでも気になって、いっそ脱いでしまいたかった。
    
     こんな状態で、エイダは博士の護衛という表向きの任務に就く。
     研究所の秘密を探るのは、半ば仕返しのような気持ちで取り組むこととなるのだった。
     
    
    
    


     
     
     

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