子供に弄ばれるアイム




 銀河の輝きを背に、広い宇宙を漂う赤い海賊船があった。
 大きく帆を張る海賊船は、漂うように目的地となる惑星に迫っていき、やがて森の広がる地上へと降りていく。碇を下ろした海賊船から五人の男女が降り立つと、彼らは真っ先に町を目指した。
 
 ──お宝。
 
 それこそが彼らの目的。
 この星にあると言われる秘宝を探し求めて、しかしそこに待っているのは決して夢と冒険のロマンばかりとは限らない。
 
 今、恥辱の物語が幕を開けようとしていた。
 
     †
 
 それは地球を訪れるよりも以前のこと。
 五人それぞれで手分けをして、この星に眠ると聞き及んだ秘宝について、町で情報を集め始める。
「とても豊かな星です」
 中でもアイムは、町の発展具合に興味を示していた。
 レンガ造りの道なりには、皮のテントを張った数々の露店が並び立ち、そこかしこで質の良いフルーツや綺麗なアクセサリー、美味しそうな肉、きらびやかな衣服がやり取りされ、しかもそれらの値段は安い。
 良いものを庶民の手に行き渡らせることができるほど、きっとこの星は資源に溢れ、平和で充実した生活が広がっている。広場では大道芸が盛り上がり、酒場の前では楽しくはしゃぐ男達がテーブルで飲み交わす。
 だが、賑わう街を離れていくと、寂れた民家に行き着いた。
「どうやら、格差はあるようですね」
 いかにも安い木造だらけの、道行く人々の服装も街に比べて貧相なものだった。酒瓶を片手に道端に藁を敷き、外で寝ている老人達の姿を見て、ホームレスというものがわからないアイムは首を傾げる。
「しかし、どうして外で眠るのでしょうか」
 本気で疑問を抱いていた。
 家を持てない、あるいは持てなくなった者の存在など、この豊かで平和な星では簡単には想像できなかった。
 そんなアイムの歩く姿を見て、快く思わない者もいるらしい。
「街の奴がこんなところに何の用だ?」
 綺麗な身なりに対して、どこか敵意ある言葉を投げつける者がいた。嫌味を隠しもしない態度を取られ、軽くショックを受けたアイムは、あまりここにはいない方がいいだろうかと、街の方へ戻ろうとした。
 その時だった。
 
 民家の一つが爆炎を上げ、粉微塵に砕け散った。
 
 一軒だけではない。
 また一軒、さらに一軒、中に爆弾でもあったかのように、内側からの炎の膨らみが木造の壁と屋根を破裂させ、燃える木片を撒き散らす。
 すぐに人々は逃げ惑った。
 パニックで慌てふためく老若男女がつまずきながら、転びながら必死になって、驚愕に立ち竦むアイムにぶつかりながらも走り去る。
「いったい何が──」
 アイムの前で男が転ぶ。
 手を貸そうと、助けに駆け寄ろうとした途端、その男を追うようにずかずかと、早足で現れた一人の怪人が、彼の背中を踏みつけていた。
「さあ、お前はどうだ。この星のお宝について知っているか?」
「し、知らない!」
「隠してもためにならんぞ?」
「知らない! 知らない!」
 必死になって男は答える。
「なら死ね!」
 しかし、価値のない男を生かしておくつもりはなく、怪人は剣を振り上げていた。そのまま男の首に振り下ろし、頭を転がすつもりに違いなかった。
「やめなさい!」
 アイムはすぐさま変身した。
 
「ゴーカイチェンジ!」
 
 レンジャーキーの力を使った桃色の戦士、ゴーカイピンクとなって剣を片手に駆けていく。互いの刃で切り結び、剣劇の末に怪人の体を断ち切った。
 
     †
 
 先程の怪人も、アイム達と同じく、この星に眠る秘宝の噂を聞きつけていたらしい。助けた男の話によれば、見境なく暴力を奮ってまわり、情報がなければ破壊活動を始めるようなことを吹聴した上、ついには本当に破壊を行った。
 支配によって住民をいいように使い、情報を集めさせようとしたのだろう。
 その怪人もいなくなり、もうこれ以上の破壊の心配はなくなった。
 だが、町の惨状には心が痛む。
 あの攻撃で何人の人が家を失い、何十人が怪我をしたことか。
「あれは……」
 泣いている子供を目にして、アイムはすぐに近寄っていく。
 潰れてしまった家の残骸の、木片という木片と、燃え尽きた家具が散らばる前で、小さくうずくまっている一人の女の子が泣きじゃくり、嗚咽を上げていた。
「どうしたのですか?」
 放っておけず、アイムは声をかけていた。
「こわかった……こわかったの……!」
 あんな風に家を破壊され、破片も飛んで、こんな小さな女の子が一体どんなに怯えたことだろう。
「大丈夫ですよ。もう悪いやつは倒しましたから」
「うん、みてた。おねえちゃんのおかげでたすかったもん。お礼がしたいな」
「そんな、お礼だなんて……」
「こっち。来てくれたら、秘宝の言い伝えをおしえてあげる」
 女の子は涙を拭いて立ち上がり、アイムの袖を掴んで引っ張る。
「わかりましたわ」
 腕を引かれるまま、アイムは女の子についていく。破壊の痕跡をあとにして、しばらく進んでいるうちに、民家を外れた小さな畑の、藁の屋根をした小屋にまで連れられた。
「こっち!」
 女の子は急にアイムの袖を離して、一人先に走って行ってしまう。
「あ、待って下さい!」
 アイムはすぐに追いかけて、女の子が飛び込む小屋の扉に手をかける。ぎいっ、と、軋んだ音が鳴り、乱暴にすれば壊れそうな弱々しさに、気をつけながら入っていくと、しかし中には誰もいない。
 今にも穴の空きそうな木張りの床に、隙間のあいた木の壁と、とても快適とは思えない安っぽい内装には、アイムはかえって関心する。
「こうしたところに暮らす人々もいらっしゃるのですね」
 それにしても、女の子はどこに消えたのか。
「どちらへ行かれたのですか? 隠れていないで、出てきてはくださいませんか?」
 きっと、そこにある大きな壺や、子供なら入れる木箱など、どこかに身を潜めているのだろう。かくれんぼのつもりかもしれない。女の子からの返事もなく、ならば探してみようと思ったアイムは、まずは後ろを振り向いた。
 もしかしたら、開くドアの影に隠れて、アイムの後ろの壁に張りつき、じっと息を殺しているのかもしれない。そんな悪戯心を働かせ、楽しく笑っているのかもしれないと、確かめてみるなりアイムは驚愕した。
 
 ──ガタイのいい男の子がいた。
 
 幼い顔でニッと笑い、すかさずスプレーを向けてきて、頭のくらつくような奇妙な香りの何かを噴射してくる。驚いた隙を突かれたせいで、避ける反応も出来ずに浴びせかけられ、気体を大胆に吸ってしまったアイムは、直ちに全身の火照りを感じていた。
「な! なにを──あなたは……!」
 シュゥゥゥゥ──と、さらにスプレーを噴射され、どんな成分かもわからない白い煙を余計に吸わされ、アイムはしだいに立っていられなくなっていく。
「なん……ですか……これ、気分がっ、はぁ……はぁ……」
 全身が熱くなり、アソコが疼く。息は乱れて、まるで全力で走った疲弊のように肩が上下に動いてしまう。甘いおかしな痺れで腰はガクつき、スカートの内側ではショーツまで湿らせて、アイムは座り込んでしまっていた。
 脚に、膝に、力が入らない。
 ブラジャーの中で乳首が突起し、カップを内側から押し上げようとする感覚に、何か肉体を興奮させる薬を使われたのだとアイムは気づく。
「おっしゃぁぁ!」
 男の子は大いに喜び始めていた。
「ナイス!」
「さっすが兄貴!」
 いつの間に潜んでいたのか、さらに二人の男の子が、ドアの向こうからやって来るなり、床をみしみしと軋ませる。
「あたしに感謝してよね」
 先程の泣いていた女の子は、なんと天井から降ってきた。壺でも箱でもなく、上に潜んでいたのだ。
「ミキ、シャッタを呼んで来い」
 ガタイのいい男の子が、女の子に命じていた。
「いいけど、あたしの友達もみんな呼ぶわよ? 同性が辱しめを受けるとこ、見てみたいっていうから」
「ああ、好きにしろ」
「オッケー。じゃ、待ってて」
 ミキと呼ばれた女の子は、さっと素早く外へ駆け出し、あっという間に消えてしまう。
 アイムただひたすら動揺していた。人を騙し、計画的に連れ込む。そんな真似をこんな子供が? 女の子まで力を貸して、どうしてこんなことを?
 ともかくアイムは、子供がこんな真似をすることに対して整理がつかず、自分の状況を受け入れられない。
「な、なにを!? あなた達はどうしてこのような!」
 荒い声で問いかける。
 すると、リーダー格と思わしき男の子は、ニカニカと笑いながらしゃがみ込み、アイムの顔を覗き込む。
「なかなかの器量良し。つーか、アンタって賞金首の海賊だろ? 手配書で見たことあるぜ?」
「わたくしを突き出すために?」
「ちがうね。金が欲しけりゃ、もっといい手がある。こんな風にな」
 その瞬間、男の子はアイムを押し倒した。
「やっ!」
「お前ら! 手伝え!」
 取り巻きらしい二人も加わり、血走った目でアイムの衣服を引き裂かんばかりにして、乱暴に引っ張ってきた。抵抗して暴れるが、いつもに比べて力が入らない。腕で押し返そうにも、脱がされる服を掴んで離すまいとしても、腕力と握力は驚くほどに弱々しくなっていた。
「や! いやです! やめてください! いやっ、いやぁ!」
 それでも暴れ、アイムは無我夢中になって男の子達の顔を引っ掻き、腕に噛みつき、ますます乱暴に押さえ込まれた。ビンタまでされ、怒鳴られて、そのうちアイムは泣きながら許しを請うていたが、あえなくショーツ一枚の姿にされてしまっていた。
「なに? カメラまだなのに、もう始めてんの?」
 先程の女の子が、ミキが、呆れた顔をしながら、さらに四人の子供を引き連れていた。ミキの後ろに三人の少女が加わり、ビデオカメラを手にした男の子までやってきて、アイムは撮影される恐怖と羞恥に、一生懸命になって胸を隠していた。
 両手でそれぞれの恥部を覆い、足腰が立たないアイムは尻で壁際まで後ずさるが、勝ち誇った様子のリーダー格は、余裕の態度で一歩ずつにじりよる。
 その隣に控えるカメラ持ちのレンズと目が合って、撮られていることを意識したアイムは、しだいしだいに赤らみ顔を背ける。みんなが服を着ている中で、しかも子供を前にして、自分だけが靴下すら履かずにいることの惨めさに締め付けられる。
「なあ、これって売れんの?」
 嬉々とした優越感に満ちた面持ちで、リーダー格はピンクのレンジャーキーを見せびらかす。
「そ、それは! 大事なものです! かえして下さい!」
「ねーちゃん強いんだろ? 取り返してみろよ」
 実にニヤニヤとした顔で言われて、アイムは深く俯いた。仮にも戦いで慣れた体である。こんな子供達を相手に負けるはずはなかったが、肝心の力が出せなければ抵抗できない。薬のせいで筋力は衰え、だから抵抗しても衣服は全て奪われてしまった。
「俺はタキだ」
「タキくん、ですか……」
「で、ケイにヒロ。カメラのやつがシャッタだ」
 リーダーは次々と自分の子分を紹介していく。
「ミキだ」
 と、アイムを騙し、ここまで連れてきた女の子を指しながら。
「ユキ、サキ、マキ」
 さらにもう三人の女の子達を指していき、その名前を口にする。
「そして、アンタは?」
 タキは最後に尋ねてきた。
「……アイムです」
「へえ、女王様?」
「っ!」
 素性に触れられ、アイムは引き攣る。
「お姉さん。俺達、困ってんだ。エロいもんさえ撮らせてくれりゃ、みんなまともな飯が食えるんだよ。元女王様なら、かなり稼げる。人助けと思ってAV女優になっちゃくれねぇか?」
「なにをそんな……おっしゃることがわかりません……」
「撮らせてくれなきゃ、このさっき変身に使ってた道具を売り飛ばす」
 タキはレンジャーキーを盾に脅してきた。大事なものを失うわけにはいかず、しかも今の状態ではまともな抵抗もできないアイムだ。
「こんなこと……間違ってます……」
「関係ないね。ま、最初はインタビューといこうか」
 タキの言葉と共にますますカメラが迫ってくる。爪先から頭にかけ、じっくりと舐め回すように映されていき、アイムは全身を強張らせる。
「アンタはオナニーとかするか?」
「な、なにを……」
 それでなくとも横へ背けて、カメラを直視できずにいたアイムは、ますます視線を遠ざけようと首を回した。耳がタキへと向いていき、アソコや胸を隠そうとする力はより強まる。
「答えれば、こいつは返してやる。もっとも、撮影が終わった後だけどな」
 力ずくで襲われれば犯されるしかない立場で、タキやその仲間達を刺激することは出来ずに、アイムは震えた声で答える。
「…………ます」
「聞こえないな」
「……します」
「カメラに視線合わせて、もっとはっきり答えてくんない?」
 ニヤニヤとした目付きで強要され、アイムはたどたどしく視線を向ける。シャッタという男の子の、輝くカメラレンズを真正面から目にすると、こんな撮影されながらの告白をするかと思うと頭がどうにかなりそうだった。
「……オナニー……したことあります! だから返して!」
「どんな風に?」
「どんなって……」
「普段どれくらいするんだよ」
「普段はしません!」
 堪えきれずに力強く顔を背けて、その勢いで髪まで乱れる。
「普段は?」
「…………」
 もう何も答えたくないとばかりに、アイムは強く歯を噛み締め、唇まで隙間なく結んでいた。余計に背けられた顔は肩越しに壁を振り向くほどに角度を変え、髪から覗ける耳は真っ赤に染まっていた。
「かんわいー」
「からかわないで……」
 酷く震えた声だった。
「普段はしない? ならどれぐらいする? 答えないと、このキー売り捌くぞ」
 レンジャーキーを盾にした脅迫が改めて行われ、アイムは顔を背けたまま、肩に顔を埋めるようにして俯いた。こんな悪ふざけの過ぎた子供に、本来の力が出せれば負けるわけのない相手に抵抗できない歯痒さに、悔しさでたまらなくなってくる。
「はしたないことですから、普段は我慢していて……」
「へえ? 我慢ってことは、普段からオナりたい欲求はいっぱいなんだ」
「……っ」
 意地の悪い解釈をされ、頬から火が出た勢いで赤らみが増す。
「で、なら一度始めたら凄いんじゃないの?」
「そんなこと……ないです……」
「本当に?」
「…………」
「売っぱらうか」
「ほ、本当に……たまにで、日頃我慢している分、いっぱい…………」
「へぇぇ?」
 こんな受け答えをさせられる屈辱に顔が激しく歪んでいき、鏡を見たらどんな表情が映るかも想像がつかない。
「もう! もういいでしょう!?」
 オナニーの話だけではない。こんな辱しめ自体が十分なはずだろうと、アイムは叫び散らしていた。
「やっていいぞ」
 タキは無情だった。
「おっしゃあ!」
「太っ腹だせ兄貴!」
 二人の子分が一斉に襲いかかった。
「いやぁ! いやです! やめてください!」
 アイムは手足を暴れさせ、押し返そうともしているが、吸わされた薬の浸透が進んでいるのか、さらに力は弱まっていた。手首を掴まれれば簡単に腕の動きを操作され、閉じようとしている脚も簡単に開かれる。
「やっ! だめ!」
「さあ、どうしたどうした? 怪人をやっつけた時の強さは俺も見てたぜ! ゴーカイピンクっていうんだろ? その強い強い姉さんが、さーて俺らみてーなガキに無力化されている! ははっ、動けなくなっちまったな?」
 タキは実況を始めていた。
 そして、その最中にもアイムの両腕は後ろに回され、背後からがっしりと両手に掴まれる。いつもなら簡単に振りほどけそうな、たかが子供の力任せの拘束から、アイムは逃れられないのだった。
「いまだ! ヒロ!」
「おっさきぃ!」
 ヒロが胸を揉み始める。
「ひゃあん!」
 信じられないほどの刺激が入り、アイムはカッと目を見開いた。一瞬、電流でも流されたかと勘違いするような、鋭くも激しい快感だった。
「いい声が聞こえたなぁ? 薬は効いたか? スプレータイプの媚薬でよ、既におわかりの通り筋力も弱らせる。二十四時間くらいは効果が続くし、もしかしたら変身してもそこらの大人に負けるかもな?」
「へへっ! やっぱ大人のおっぱいってすげーや」
 こんな状況でさえなかったら、やっていることがこんなことでさえなければ、表情だけはお菓子が美味しくて喜んでいる無邪気な子供だ。可愛らしくてたまらない、見ていて微笑ましいはずの笑顔で、アイムの乳房を揉みしだき、乳首にまで刺激を与える。
「ひゅー。ヒロの巧みなタッチに翻弄され、全身がくねくねと動きまくっていらっしゃる。おまけに乳首も感じやすいか? 表情がいい感じに色気たっぷりになってるぜ?」
 タキに聞かされる言葉の数々も、アイムには十分な辱しめだった。胸で感じていることを声に出されて、身体の反応もまで面白おかしく実況され、屈辱で泣きたくなる。
「あっ! あっ、いやぁ……!」
「ほーら、普段はオナニーを我慢しているアイムお姉さん? 気持ち良すぎて、今まさに気分になってくるんじゃないか?」
「そんなわけ──あぁっ──」
「お? 気分だとよ」
 楽しそうにケラケラと笑うタキの後ろで、四人並んだ女の子達までニヤついている。アイムの辱しめを受ける姿に目が喜び、頬は紅潮していた。
「気分なんて──」
「んじゃあ、俺がイカせてやるよ!」
 背後に密着している男の子が──ケイが、アイムのアソコへ手を伸ばす。ショーツの中に手を入れて、ワレメをかきあげ、クリトリスにも触れてくる愛撫に、たちまち腰が震え始めた。
「あぁぁぁ! いっ! やぁ……!」
「ほらほら、シャッタもきちんと撮っとけよ? 気持ち良すぎて体が丸くなっちゃってるいい姿をよお!」
「わかってますよォ!」
 シャッタは全身を使って撮影していた。上からのアングルのために背伸びをして、角度を変えるために地べたに伏せ、いたる位置から撮ろうとその都度動く。
「あっ、ううう!」
「お? イクか? イクか?」
 タキが期待を高めている。
「そんなこ……と……!」
 アイムは堪えた。
 こんなにも貶められ、尊厳を踏みにじられて、その上さらにイカせてやった喜びまで与えることへの抵抗だ。
「おい! そろそろ変わってくれよ!」
「ちぇっ、しょうがねーなー」
 今度は押し倒された。
 仰向けで両手は上に、頭上でケイに手首を押さえつけられ、ヒロの方はアソコを責めようとショーツをずらす。湿ったワレメを剥き出しに、中指を挿入していくと、愉悦に満ちた顔でヒロは言う。
「お姉さん。俺、めっちゃ上手いから安心してよ」
 指のピストンが始まった。
「あぁぁぁぁ……! あっ! あっ!」
 アイムは大きく喘いだ。声が出るのを抑えられずに、口はだらしなく開いてしまい、唇の端からヨダレが垂れる。髪を左右に振り乱し、感じてやまない乱れきった姿は言うまでもなくカメラに収まり続けている。
「おう? 今度はイクんじゃないか?」
「あ! あっ! イク……なんて……!」
 アイムは耐えようとしていた。
 堪えに堪え、せめて絶頂の屈辱だけでも避けようと、脚に強い力を込める。筋肉がまともな反応をしてくれず、もはや立ったり走ったりできるのかもわからない。そんな状況になりながら、それでも入る限りの力で強張らせる。
「我慢してるぜ? どうするよ!」
「へん! 生意気だな!」
「あっ! あぁぁぁぁ! そ、そこだめ!」
 もう一方の指がショーツ越しのクリトリスをこすり始めて、アイムはますますよがり狂い、腰を大胆にくねらせる。背中を反らし、腹を浮かせ、両足も床のいたるところをタップしている。
「なんだぁ? そのダンスは? 気持ち良すぎてギャグみてーな面白い動きになりまくってんぞ?」
 タキの言葉の通りだった。
 仰向けのままにのたうち回り、珍妙な踊りのように腰は上下左右に動き続ける。首の動きに髪も激しく振り回され、実況通りの自分を痛感する。からかわれている通りの動きをやめたくてもやめられない悔しさと恥ずかしさに涙が浮かぶ。
「そろそろ俺に返せよ」
「えー」
「俺なら確実にイカせるね」
「けっ、ちゃんとまた交替しろよ?」
 そうして、二人は悪こそがアイムをイカせると、交替でアソコを責めるようになっていた。前後をしきりに入れ替わり、一人が上から押さえるあいだ、もう一人が下半身にまわっている。
「いやぁぁぁ! やめて! もう! もうやめて!」
 アイムは始終声を上げ、喘ぎながら滑稽なダンスを披露した。
 脚をM字にさせられて、四つん這いにさせられて、横寝の姿勢でも指のピストンをされ続け、ショーツはとっくの昔のようにびしょ濡れだった。布が吸い込んだ水分が染み渡り、お尻にまで及ぼうとしていては、それも冷やかしのネタになるのも当然だった。
「やだぁ、おもらしみたーい」
「かわいそー」
「さっさとイっちゃえばいいのにね」
「我慢するから」
 女の子四人は一様に、まるでドン引きのようでいて楽しんでいる、愉快そうな哀れむような眼差しでアイムを見る。ケラケラと指差し笑い、アイムが喘げば喘ぐほど、面白がっているようだった。
 同性ですら、アイムのことを見世物として楽しんでいる。
「しょうがねぇ、俺がやってやる。そいつのケツを貸せ」
 タキが立ち上がった瞬間だ。
「うっす!」
「頼むぜ兄貴!」
 子分はタキには媚びへつらい、アイムの姿勢を力ずくで変えさせる。
「おら動け!」
「四つん這いだ!」
 荒っぽく怒鳴られながら、叩かれながら、重労働のように腰を持ち上げられ、床に肘をつく四つん這いにで両手は押されられ、左右から二人がかりで身動きを封じられる。
「こんなこと……いつまで……」
「さあ、いつまでだろうな」
 ぱん! と、叩くように手を置かれ、尻に手の平の感触が染み付いた。人にお尻を向ける格好のはしたなさと、びしょ濡れのアソコを見られる恥ずかしさで、耐え難いものがふつふつと沸きたって、脳が溶けそうになってくる。
「我慢してたけどよ。気持ち良かったろ?」
「そんなはずありません」
 ぺん!
 答えた瞬間に叩かれた。
「気持ち良かったろ?」
 改めて聞かれる。
「…………」
 ぺん! ぺん!
 無言でいるとさらに叩かれ、惨めなお仕置きを受ける屈辱にアイムは震えた。
「まあいい。すぐにでも認めさせてやるよ」
 タキはそして尻を叩き始めた。
 
 ぺん! ぺん! ぺん! ぺん!
 ぺん! ぺん! ぺん! ぺん!
 
 左右の尻たぶを交互に叩き、そのたびに振動を帯びるお尻はプルっプルっと震えている。脳に惨めさと屈辱感を注ぎ込まれて、かき混ぜられる感覚に、アイムは激しく顔を歪めていた。
「はーい。お顔ちょうだーい」
 シャッタは正面に回り込み、アイムの頭にカメラを近づける。
「おら」
「向け!」
 髪を掴んで顔を上げさせ、強制的にレンズと向き合いさせられて、アイムの羞恥に濡れた表情は否応なしに撮られていく。
 
 ぺん! ぺん! ぺん!
 ぺん! ぺん! ぺん!
 
「いいよいいよ? お尻も映ってるからね?」
 顔とお尻が同時に収まっていることを伝えられ、目尻が震えた。赤くなりきった顔のいたる部分が強張って、表情はこれでもかというほどに歪んでいる。
「どんな気分よ」
 タキは急に叩くのをやめ、変わりにべたべたと触って撫で回す。ショーツの内側がひりひりと赤らんで、敏感になったところを軽やかなタッチで責められると、アイムの腰は震えてしまう。
 ぴくぴくとしきりに動き、それを女の子達はからかう。
「叩かれて感じたんだ」
「マゾじゃん」
「気持ちよさそー」
「もうイッちゃえば?」
 言葉の責め苦に苛まれ、体というより心の方に、恥辱の拷問を受けている感覚がした。羞恥と屈辱によって刻まれて、みっともなくてならない気持ちが胸中では嵐となって吹き荒れていた。
「ほら」
 その瞬間である。
 
「──ひあっ!?」
 
 不意討ちのようにアソコにタッチされ、アイムは鳴きながら仰け反った。腰がブルっと震えると同時に、アソコの奥で何かが弾け、たちまち余韻が広まった。
 
 ──そんな……わたくし…………。
 
 処女のアイムは、人から責めを受けた経験はこれまでなかった。絶頂をしたこともなく、イクという感覚がどんなものかも知らずにいた。
 しかし、実感した。
 今のが…………。
 
「おっと? 残念ながらイカせらんなかったか」
「え……」
 
 アイムは目を見開いた。
 確かに、イッてしまったのだ。それをタキはわざとらしく、実にニヤニヤと、駄目だったように言い出していた。
「おい、一番最初にイカせたやつが優勝ってことにしようぜ!」
 競争のネタにされるアイムにとっては最悪な、やる方にとってはさぞかし楽しいであろう提案に、子供達は大いに盛り上がる。
「俺! 俺先!」
「ジャンケンだろ?」
 そんな風にアイムを物扱いして、勝った方からアソコを責める。
「おっさきー!」
「あっ! あん! だめ!」
 アイムは先ほど以上に敏感だった。
 いとも簡単にイカされて、全身がビクビクと震えると共に愛液が床に散る。
「交代だろ?」
 入れ替わるなり、すぐにアソコへの愛撫が始まり、しばらくすればアイムの腰が弾んで太ももまで痙攣する。愛液がちょっとした水鉄砲のように噴射され、床に飛び散り、明らかに絶頂しているはずだった。
「あっちゃー。ダメだったわー」
「ああ、ダメだったな。今度こそ俺がイカせてやる」
 わざとらしく、イカせられなかったことにしていた。
 そんな風に競争の形を装い、取り合いのようにせっせとアイムのアソコを責め、お尻の方を撫で回す。全身がくねり動くアイムの身体は、いとも簡単にイキ散らし、徐々に体力を奪われつつあった。
 イカされることで疲弊して、これでは快感がそのまま拷問だ。
「も、もう……おねがいします……やめてください……」
 アイムは懇願を始めていた。
「ダメだね」
「まだイカせてないんだから」
 二人組の男の子は、やはりアイムのアソコを取り合い続け、好きなように穴に指をピストンさせる。クリトリスを弄り回して、パン! と尻を叩くことまである。
「あぁ! あぁぁあああ!」
 ビクっと背中が震えた。
 もう、何回イカされたかもわからなかった。
「い、イキました! もうイってます! さっきからずっと! だからもうやめてください!」
 恥も捨て、アイムはそんな懇願さえ始めていた。
「なんだって? 聞こえねーな」
 タキがにじり寄った時、ヒロとケイはさっと左右にどいていき、アイムという名のディナーをすぐさま明け渡す。
「立て」
「立ったら……終わりにしてくれますか……」
「いいから立て」
 言うことを聞かされて、アイムはどうにか立ち上がろうと、姿勢を変えて足腰に力を込める。ただ立とうとするだけで信じられないほど体が重く、いかに筋力が奪われているかを改めて実感した。
「いいケツだなぁ?」
 タキは後ろから尻を掴んで撫で回す。
「ひゃっ!」
 すぐにショーツを掴み引っ張り始めた。
「あっ、あぁぁ……! だめっ、やめて……!」
 愛液をよく吸い込んでいるびしょ濡れのショーツは、実に滑りが良くなっていた。尻側の布を繰り返し引っ張ることで、アソコに食い込んでは緩み、食い込んでは緩み、それがさながらロープをワレメに擦りつけているかのようになる。

「あぁぁぁぁ――――!」

 そして、またしてもアイムはイった。
 腰がガクガクと震え、ビクつき、力が抜けたアイムはその場に膝を折り曲げて、大胆に尻を落としてしまう。
「やめねーよ? 俺らが飽きるまで遊んでやるから、覚悟しておけよ」
 タキはニカっと笑っていた。
 押し倒そうと迫る子供相手に、本当なら恐れるはずのない、いくらガタイが良いとはいえ、年齢からしてまだまだ背の低い男の子に、アイムは必死で後ずさった。立てない足で、尻だけで後ろに逃げて、目で許しを求めていた。
「やっ、や……そんな……」
 じゅるり、と。
 舌なめずりをするタキの手に押し倒され、アイムは全身を撫で回された。胸を揉まれ、乳首を責められ、アソコへの愛撫で執拗なまでにイカされる。
「や! やだ! もう、わたくし――――」
 タキは時折子分に明け渡し、二人の男の子にひとしきり責めさせて、しばらくすれば再び我が物として遊び始める。
「もうイってます! イってます!」
 アイムは必死に叫んだ。
 やめてもらうために、恥ずかしいことをわかっていながら絶頂を白状する。
「やだー」
「はずかしー」
 それを女の子達はくすくす笑った。
 アイムは笑いものであり、玩具であり、そして撮影された映像も、子供達の手で商品にされてしまう。
「なあ、AVが売れたら宇宙船を買おう! このAV女優を連れて旅に出て、いたるところで売りさばくんだ! 客を取らせて、いっぱい稼がせてやろうぜ!」
 タキが高らかに行う宣言は、アイムにとって絶望的なものだった。
 アイムのことを宇宙の彼方に連れ去って、金儲けの道具として使い倒そうとする考えが、しかもこんな子供の口から出て来ている。
 あどけない顔立ちの子供のことが、邪悪の塊のように見え始めていた。
「だめ……いけません……かんがえ……なおして…………」
 小さな声は誰の耳に届くこともなく、子供達はパーティーのように盛り上がり、稼いだ金でああするこうすると、未来のことを語り合う。アイムの気持ちを少しでも汲み取ろうとする考えは、ここには存在していなかった。
 その時だった。

「邪魔するぜ?」

 まるで遠慮なく、ドアが蹴破られた。
 民家の破壊を悪びれもせず、ずかずかと床を踏みつけながら、肩を揺らして踏み込むのは、赤い上着を羽織った船長だった。
「マーベラスさん……!」
 彼の登場には誰もが騒然としていた。
 仲間がアイムを助けに来たと、すぐさま理解してのことなのか。リーダー格のタキが真っ先に体当たりで突っ込むが、マーベラスはそれを軽々と押し返す。ただの片腕だけで突き飛ばされて、みっともなく尻餅まで突いていた。
「おいガキども、うちの仲間が世話になってるようじゃねえか!」
 マーベラスはカメラを持つ子供に目をつけた。
 シャッタはビクっと固まって、次の瞬間には凄まじい勢いで回れ右して逃げだそうとしていたが、マーベラスはシャツを掴んで強引に食い止めながら、実に乱暴にカメラを引ったくる。床に叩きつけ、踏み潰していた。
「おら、とっとと着ろ」
 服を見つけるなり拾い上げ、アイムの方へと投げ寄越す。
 
「ガキども、ゲンコツぐれぇじゃすまねぇぞ!」
 
 戦々恐々とした子供達が、何の報いもなく済まされるはずはなく……。
 
     †
 
 アイムは助かった。
 しかし、膝を抱えてうずくまり、何日も暗く沈んでいたことは言うまでもない。この時からトラウマを抱え、子供の涙を信じることができなくなっていた。



 
 
 

0