G陵辱体に嬲られるクレア




 シェリーを探して下水道を突き進む。
 漂う臭気に顔を顰め、尻まで濡れる水面の高さに足を取られる。
 歩行によって揺れる水面は、太ももが前後に動くに伴いかき混ぜられ、絶えず尻を見え隠れさせ続ける。短パンデニムに包まれた巨尻である。一体、その中身はどれほど肉厚で、プリプリとしたお尻の肉を包んでいるのか。見る者を欲情させるには十分すぎる。
 それでなくとも、布地を大きく膨らませるボリュームだ。
 それが水を吸い込んで、余計に肌に張り付くことで、短パンデニムはより一層のこと尻肉の厚みに沿っている。
「シェリー……ああもう……!」
 彼女は悪態をついていた。
 はぐれた少女を探すため、こんなところを歩き回っている彼女は、ぴっちりと布地の張った巨尻を揺らしつつ、上にはノースリーブの赤いジャケットを纏っている。白い肩を剥き出しに、シンボルマークを刺繍している背中には、GM79という名の銃器を背負っていた。
 さらにはSLS60――リボルバー式のハンドガンを握り締め、いつどこから敵が現れても構わないための警戒心を抱えて歩んでいく。

 彼女はクレア・レッドフィールドという。

 ラクーンシティを訪れたことで、ゾンビの溢れる大規模災害に巻き込まれ、脱出を試みて行動をしていた際、その道中で出会ったのが金髪の女の子――シェリー・バーキンという少女を放っておけず、関わり合いになっていた。
 それが今は、離れ離れだ。
 シェリーを見つけるために下水道を歩き回って、かれこれ何十分が経過した頃だろう。
 水の重さが負荷となり、さすがに脚の筋肉にも消耗を感じてくる。
「ベンチでもあればいいけど」
 などと、あろうはずもないものを思い浮かべて、休憩の欲にかられるクレアは、頭の中に焼き付けた地図を思い浮かべて、脚を休めることを考え始める。
「少し休んで、すぐに冒険再開ね。シェリーを見つけなくちゃ」
 シェリーの安否もある。
 そう長々とは休んでもいられない。
 一体、何分ほど休み、すぐさま探索を再開しようかと考え始めた時、クレアは気づいていなかった。
 この下水の水中に、一体何が潜んでいるのか。
 そして、何がもうすぐそこまで迫っているのか。

 突如、水面が盛り上がった。

 まるで山が生えるかのように、急に目の前で持ち上がる。おびただしい水量が表面を流れ落ち、その醜い姿を現すなり、クリーチャーの出現とみたクレアは、反射的にハンドガンを構えていた。
「何なの!?」
 驚愕しながら、引き金を引く。
 発砲の音と共に弾は放たれ、そのクリーチャーの表面から、実にささやかな血飛沫を上げはするも、意に介する様子もない。
 ただ、皮膚の破れた赤い弾痕からは、シュゥゥゥゥゥ――と、スプレーの噴射音にも似た音を立てながら、桃色の煙を噴き出していた。体液が気化する理由でもあるのか、何なのか、銃創がそのまま煙の噴出口になっていた。
 きっとロクなものではなく、できることなら吸いたくない。
 どこかの資料で見た記憶がクレアの脳裏に浮かび上がった。
 これはG成体だ。
 人間の背丈よりも大きな怪物は、とても人とは思えない姿をしているも、右半身の手足が人間の形に近いことにさえ気がつけば、これでも元は普通の人間だったのだろうかと思わせられる。
 左半身は異常に発達しており、肩から巨大な岩を生やしたかのような、ありえない左腕の太さである。一歩ずつ歩む動作は、さながら重すぎる自分自身の肉体を引きずって見えながら、巨体が迫る恐怖は拭えない。
 顔も人間の形をしていない。
 強いて例えれば、甲羅から首を伸ばした亀に近い。
「こっちに来ないで!」
 クレアはすぐさま後方へと、視線と銃口は前にしたまま下がり始める。
 後ろ歩きで距離を開いていきながら、残る四発を撃ち尽くし、G成体の胴や手足からは四発分だけ血飛沫が散るものの、やはり効いた様子もなく迫って来る。
 意に介した様子はなくとも、やはり弾が肉に食い込むことで生まれる赤い穴から、桃色の煙は噴き出ていた。それはしだいに濃くなって、G成体の姿を隠していき、まるで霧の塊が歩いて来るかのようだった。
「くそっ!」
 新しい弾を入れる時間も惜しみ、クレアは武器を入れ替えた。
 背中のGM79――グレネードランチャーを向け、装填していた硫酸弾を放つ。激しい発砲音と同時に、まるでバケツの水をかけたかのように、全身に硫酸を浴びるG成体は、蒸気のようなピンクの煙を上げて怯んでいた。
 そう、ピンクなのだ。
 漂う範囲が広がって、やがてはクレアの元にも及んでくる。
 しかし、危険性の有無がわからない煙より、明確な危機の塊といえる目の前のクリーチャーを倒すのが、クレアにとって優先度は遥かに高い。
「少しは効いたみたいね」
 ならばと、クレアは新しい弾を込め、再び硫酸弾を撃とうとする。
 その瞬間だった。

「っ!」

 後ろ歩きのクレアは、かかとで何かに躓いた。
 そもそも、汚い水の水底が目視できるはずもなく、そこにどんなものが沈んでいても、クレアにはわかりようがない。何があったかもどうでもいい。肝心なのは、ふくらはぎまである大きさの何かにかかとがぶつかり、後退を邪魔されたことだった。
 わずか数秒、その隙が命取りだった。
 その短い間にも、G成体は再びクレアに迫り始める。クレアにとっては無慈悲なほどに、早々に持ち直した上、怒りのせいか迫る足も速まっていた。
 それだけではない。

 ――きゅっ、

 と、こんな時に下腹部が切なく疼き、引き締まり、クレアは目を見開いていた。
「な、なに!?」
 戸惑う間にも、体中に甘い痺れが生まれては拡散して、頭の上からつま先まで、両手の指先にかけてまで、うずうずとした奇妙な感覚は充満していく。まるで体内で何かが分泌され、それが甘い痺れを生み出すかのように、体内でその密度は増しているのだ。
 それも、乳房や下腹部が中心だった。
「なんなの!? どういうこと!?」
 クレアは狼狽した。
 こんな時に、目の前に生命の危機が迫っていながら、はしたない気分になる理由がわからなかった。どうしてセックスのことが頭をよぎり、この状況で誰かと絡み合いたい欲望が湧いてくるのか、まるで理解ができなかった。
 そして、迫るG成体は、クレアの目前で頭部を開いた。
 つぼみが開き、花びらが広がるかのようにして、G成体の頭部がぱっくりと、四つの花弁に分かれて花開いたのだ。
 頭全体がそのまま口腔でもあるのか。
 そんな肉の花弁で噛みつこうとしてくるG成体に、クレアは咄嗟に両腕で身を守る。両手で握る銃身を盾に、必死で押し返そうと抗うも、怪物の力に叶うはずもなく、そこから吐き出されるおびただしい量の体液を頭から被せられた。
 バケツいっぱいに白濁を入れ、それを頭から被せたかのように、クレアは白い粘液に濡らされた。
 ツンとした青臭い香りが漂い、髪を濡らす白濁は、顔中をべったりと、赤いジャケットや短パンデニムのいたるところにも付着した。
 それは全身に精液を浴びた卑猥な姿としか見えなかった。

 きゅぅぅぅ――――

 そして、下腹部が引き締まる。
 うずうずと、激しく反応する。
「やぁ……………!!!」
 頭の中で電流が弾け、クレアは咄嗟に太ももを引き締めていた。まるでそうしなければオシッコでも漏れるかのようにして、両手をアソコにやりながら、必死になって押さえるものの、ワレメの奥で広がる爆発的な快楽は止められなかった。
「――――っ!?」
 クレアは絶頂した。
「そんな――どうして――――」
 脚が絶頂の余韻で震え、膝から力が抜けている。疲弊感に腰が折れ、逃げることもままならずに、クレアは辛うじてGM79の銃口を向けようとしていた。両手で持ち上げ、狙いを定めようとするものの、息が大きく乱れるのにつられ、狙いがまったく定まらない。
 いいや、標的は目前だ。
 それに的は大きい。
 どんなに銃口がぶれていても、きっとどこかに当たるはず。
 このまま撃てば、硫酸が自分の身に跳ね返って来そうなものでも、命を落とすことよりは、リスクがあろうと引き金を引こうとする。指に力を入れ、G成体にもう一度だけ硫酸弾を浴びせてやろうとするものの、しかし撃つことはできなかった。

「きゃあ!」

 悲鳴。
 クレアはバンザイをしていた――まさか、自ら銃を落として、降参とばかりに両手を上げるはずもなく、何かの力によって瞬間的に、強制的に腕を持ち上げられていた。

 触手であった。

 リレーバトンほどの太さの、表面に粘液をたっぷりとまとったぬかるみの触手が、クレアの手首にそれぞれぐるりと巻きついている。そんな二本の触手に吊り上げられ、まるで天井から吊り下げられたように腕が引っ張られているクレアは、必死になって身を捩らせ、ふりほどこうともがいていた。
 しかし、水中でも触手は巻きつき、両足さえも封じられ、さながらX字の形にクレアの手足は固定されてしまっていた。
 そして、それら全ての触手はG成体の身体から飛び出たものだった。
 クレアは知らない。
 いや、それどころか、Gウイルスの研究に関わった人間でさえ、このような変種の存在を知ってはいない。ラクーンシティが死の町と化し、下水道にはG成体が闊歩している中で、初めて変異を完了させた新型の亜種である。
 さしずめG陵辱体とでもいうべきか。
 人間の女性に対する性欲を持ち、さらには個体ごとの性癖の違いまである。研究者さえ残っていれば、興味深い特徴をいくらでも持つ存在は、しかし誰に知られることもなく、人知れずクレアを陵辱しようとしていた。
「いや! 離して!」
 必死になるクレアのもがきが、まるで意味を成していない。
「くそっ! なんとかならないの!?」
 ナイフの存在が頭を掠め、しかし肝心の両手が使えない。どうにか武器を握るチャンスはできないか。足でどうにかしようにも、足さえ動かすことはできないのだ。
 身動きのできない獲物へと、G陵辱体の体表からは、さらに二本の触手が伸びた。
 やはり、リレーバトンのような太さだが、先端の形状だけは花のつぼみの形に膨らみ、クレアの乳房に近づいていく。ノーズリーブジャケットの膨らみに迫っていき、粘液の糸を引かせながらも、花開くように口を開け、一気に乳房に吸いついた。
「んんぅ!」
 クレアは正直、もっと他のゾンビのように、身体を食い千切ろうとしてくる恐怖を感じていた。自分がエサにされる焦燥で汗を噴き出し、戦慄していたのが、実際には胸を揉みたいかのように吸着しただけなのだ。
 今さっきまでの恐怖からすれば、ずっと軽い事態だろうか。
 だが、そうも言っていられない。
「ああぁっ、あっ、やめ……やめなさい……!」
 気持ち良いのだ。
 花弁が閉じ開きしようとする力で、不本意に胸を揉まれて、乳房には快楽が広がっている。衣服の内側で乳首が突起して、花弁から染み込む液体が皮膚に浸透することで、ますます感度は上がってしまう。
「あっ、んぅ……ばっ、化け物のくせに…………!」
 人間でない存在が、明らかに性的な目的を持っている。
 さらに触手が現れた。
 今度は胴体にぐるりと巻きつき、ヘビのようにゆっくりと這いながら、渋さに向かって上がって来る。乳山の狭間に収まると、今まで吸いついていた二つの花弁は、乳房を中央に寄せ始める。
 パイズリさえ知っていれば、真っ先にそれを連想することになる。
 今度は背後で水音が、それは水面から新しい触手が出て来た音とわかると、すぐさま尻に先端が擦りついてくる。さらにまた触手が現れ、デニム越しの股間に擦れつく。何本もの触手に絡まれながら、痴漢行為を受けるクレアは、身悶えしながら甘い息を吐き散らす。
 眼前にも触手は迫って来た。
 今度の触手は今までと形状がことなり、人の親指ほどもあればいい程度の、随分と細いものだったが、みるみるうちに先端が膨らんでいる。先端から何センチか、十センチほどの部位だけが太さを増し、しだいしだいに形状を変えていく。
 それはペニスに酷似していた。
「最悪……」
 クレアの表情には色濃い不快が浮かぶ。
 まるで口紅を塗りつけようとしてくるように、クレアの口元に先端は迫って来る。それを嫌がるクレアは首を振り、顔を左右に振りたくり、逃れようとするものの、胴体にも巻きつく触手と、そして手足を縛る触手とで、そもそもこの場を離れられない。
 どうにか身を捩りつつ、首を振ること以外には、クレアにはペニスの接触を逃れる術などありはしない。
 いつまでも続かない。
「んっ、んぅ……! んあっ、あぁ……!」
 全身に与えられる快楽で、尻が気持ち良くなっていく。デニム越しであっても、染み込む粘液がアソコの皮膚に到達しで、甘い電流が量を増す。やがてはクレア自身が蜜を出し、自分の下着を濡らしていた。
 一生懸命に首を振っていたクレアだが、ついに限界がきた。
「あぁ……!」
 喘いでしまった瞬間だ。

「――んむっ!」

 隙を狙い澄ましていたように、触手ペニスは開いた口に入り込み、クレアはとうとう咥えてしまったのだ。
「んっ! んぐっ、んっ! んんぅ!」
 クレアの口内に押し入って、触手ペニスは出入りする。
 真っ当なフェラチオなら、女性の側が頭を動かし舌を使うが、G陵辱体が主動で行うイマラチオは、クレアに苦しげな表情を浮かべさせていた。
 やがて、口内で触手ペニスはビクついて、熱い白濁を解き放つ。
 精液としか思えない、青臭い香りのものを飲まされて、クレアは眉間に深い皺を刻んだ険しい顔で、口から触手ペニスが抜けると同時に咳き込んだ。いくらかが喉に入り込んでしまったものの、できるだけ吐き出していた。
 ドロりとした粘液が、ねばっこくクレアの唇から垂れ落ちて、それが下水の汚い水面に消えていく。
「……最っ低」
 クレアは憤った。
 こんな目に遭わされて、屈辱を晴らしたいとばかりにG陵辱体を睨み返す。
「くそっ! 腕さえ動けば!」
 もがいてももがいても、手足に巻きつく触手は離れない。

 巨大な目玉が開いていた。

 クレアから見た右側の、岩を生やしたとさえ言えるほどまで肥大化した肩から、オレンジ色の目がくっきりと開いている。
 ……弱点だろうか。
 しかし、手足の拘束だけでなく、頼るべき銃器も水底に沈んでいる。
「……チャンスよ。チャンスを待つしかない」
 陵辱が目的なら、少なくとも殺されはしない。
 それだけを希望にして、辛抱強く耐え抜く決意を固めるクレアだが――。

 水面が何カ所も何カ所も、そこからタワーでの伸びるかのように盛り上がり、触手という触手の数々がクレアを包囲していた。

 そのことごとくが、先端をペニスの形状にしていた。
「負けない。きっと大丈夫」
 何本もの触手ペニスが、四方八方から中心へ向かってクレアに迫る。
 それがより激しい陵辱の幕開けだった。

     ***

 クレアは全裸となっていた。
「んっ! んぁ! あぁぁあ!」
 そして、M字開脚の姿で宙に浮き、いよいよ性器を直接愛撫されている。強制的な開脚により、開かされている股にあるのは、触手ブラシともいうべき形状の、触手からまた触手が生えたものだった。
 イソギンチャクのように蠢く毛先がワレメをなぞり、表面に纏う粘液がクレアの身体に染み込むにつれ、ますます感度は上がっていく。
「あぁぁ……!」
 服は溶かされたのだ。
 始終、服の上からクレアを辱めていたG陵辱体だが、人にゲロを吐きかけるかのようにして、再び体液をかけてくる。すると、衣服がシュウシュウと煙を上げ、まるでフライパンで水が蒸発するかのような音と共に、ジャケットや下着だけが綺麗に消えていき、クレアは丸裸になったのだ。
 こうなればもう、ナイフでさえも水の底だ。
 一糸纏わぬ姿になり、その上にクレアは持ち上げられ、身動き一つ取れずにM字開脚をさせられている。
「んはぁ……はぁ…………」
 もはや全身、クレアはどこに触られても反応する。
「ひあっ!」
 つー、っと、腰や背中を撫でられてさえ、必要以上に身体をビクつかせる。太ももをさすり、うなじを撫で、耳を愛撫する触手という触手の数々に、クレアは絶え間なくビクつき続け、喘ぎ散らしているのだった。
 とうとう、ペニス型の触手が膣へと迫る。
「やっ! やめ……なさ……!」
 当然のように両手も封じられているまま、抵抗できるはずもなく、突き立てられた亀頭がそのまま入り口に埋まっていく。

 ずにゅぅぅぅぅ――――

 クレアの膣内にそれは入った。
 長い竿が膣の奥まで到達して、子宮の入り口を着かんばかりに、早速のようにずぷずぷと出入りは開始していた。
「あっ! くっ、くあ! あぁん!」
 リズミカルなピストンが刺激を与え、クレアはそれに悶えている。絶えず電流を流され続けているように、痙攣を続けるように腰を震わせ、髪を激しく振り乱す。

 じゅぷっ! ずぷ! にゅぷ! にゅず! じゅぷ!

 触手ペニスの執拗な貫きは、表面にまとった粘液によって滑りが良い。しかも浸透すればするほどに膣壁を熱くまろやかに痺れさえ、クレアの脳は快感に染まっていく。
「あっ! あっ! ああっ、あん! あぁん! あっ、ああっ!」
 クレアの肉体はしだいに高まっていた。
 一突きごとに順調に、理性が快楽の中に埋没していき、触手に巻かれた手首はビクビクと反り返る。
「あっ! あぁ!」
 絶頂の予感が迫るにつれ、クレアの声は高まっていた。

「あぁ――――――――――っ!!!」

 全身を痙攣させ、背中を大きく反らしながら、クレアはイった。
 と、同時に。

 どくっ、ビュック――ドクっ、ビュル――――――

 触手ペニスも精液を吐き散らし、全てを放出しきったところで膣口から抜けていく。亀頭が外に出た途端、切っ先とワレメのあいだで白濁が糸を引き、膣口からは白濁が垂れていく。長い長い糸を引きながら、ようやく千切れた白い滴が水面に落ちていた。
 ごっそりと体力を削り落とされ、どこかぐったりとするクレアは、これで陵辱は終わったのだろうかと敵を見やった。

 ……まだ、続ける気だ。

 その証拠のように、いかにもムラムラとした様子で、G陵辱体は両足のあいだから、男性が本来生やしているべき股の位置から、雄々しい肉棒をそそり立てていた。山のように膨張した左腕や頭部が目立ち、太い肉棒でも小さく見えるが、並みの男性よりも立派なものを生やしていた。
「大丈夫……きっと大丈夫…………」
 クレアは自分に言い聞かせる。
 必ず、隙を突くチャンスは来る。
 両腕は今や手錠をかけたかのような形に封じられ、両足にも自由はない。とても抵抗など不可能だが、触手が緩む瞬間はきっと来る。
 チャンスを待つしかない。
 チャンスを、チャンスを――。

 そんな辛抱強く粘ろうとするクレアを動かして、G陵辱体はバック挿入のためのポーズを取らせていた。

 両手を壁に突かせつつ、足首に巻き付けた触手によって、肩幅程度に開かせる。太ももに巻きつく触手で、胴体にもぐるりと巻いた触手で、尻を後ろに突き出させる。

「んぐっ!」

 さらに、触手ペニスがクレアの口腔に潜り込んだ。
「んんぅぅぅぅ!」
 口を塞がれ、苦しげに目を細めるクレアの腰へと、後ろからも挿入が行われた。尻を突き出す態勢のために、下へと垂れ下がっている乳房には、吸盤のような触手が吸いついた。
 G陵辱体が腰を振る。
「んっ! ん! んっ、んぅっ、ん! ん!」
 巨大な身体が覆い被さり、傍からではクレアの姿が見えもしない。一人で勝手に腰を振って見える存在は、確かにクレアの膣壁を抉り抜き、その快楽によって喘がせている。口腔を塞がれている喘ぎ声は、息の詰まったものとなっている。
「んんっ、んぐぅ! んむっ、んっ! んぐふぅ!」
 強引な出入りを行う触手ペニスは、その激しいピストンによる見え隠れで、唇から抜け出るたびに唾液を身に纏っている。
「んんん! んっ! ん! ん! ん!」
 G陵辱体が行う腰の叩きつけは、クレアの身体を大きく前後に揺らしている。

 ぱん! ぱん! ぱん! ぱん! ぱん! ぱん! ぱん! ぱん!

 クレアの尻を打ち鳴らし、そんな音が鳴り響く。
「んぐっ! んっ! ん! ん!」
 そして、息苦しさと快楽に呻くクレアは、乳首を愛撫してくる吸盤触手の刺激にも身体を震わせている。乳房からも走る快感の電流で、肩の筋肉まで痙攣のようにぶるりと震え、背筋も反り返ろうと動いていた。

 ぱん! ぱん! ぱん! ぱん! ぱん! ぱん! ぱん! ぱん!

 延々と、単調に鳴り響く。
「んん! んっ! んぐっ、んん!」
 クレアの喘ぎも、同じく響き続けていく。

 ぱん! ぱん! ぱん! ぱん! ぱん! ぱん! ぱん! ぱん!

 いつ終わるとも知れない陵辱だった。
「むっ、んぐぅ! ん! んっ、ん! んっ、んっ! ん!」
 永遠に続くような気さえするほど、耐えることなく続いていくピストンに、触手ペニスの口腔への出入りと、吸盤触手による乳首の愛撫は、クレアのことをこのまま快楽死させようとする勢いだ。
 身体が気持ち良くなったまま、セックスによって体力を削られ続け、性交の中で殺されてしまいそうな予感さえ、クレアの中には沸き上がっていた。

 ぱん! ぱん! ぱん! ぱん! ぱん! ぱん! ぱん! ぱん!

 一体、自分が何十分もかけて犯されているのか。
 あるいは何時間。
 クレアには知りようもなく、とっくに半日以上が経っている気さえしていた。

 ぱん! ぱん! ぱん! ぱん! ぱん! ぱん! ぱん! ぱん!

 ピストンのままに、腰振りが止まることのないままに射精され、膣内が白濁に溢れながらも、それがそのまま肉棒によってかき回される。膣内では愛液と白濁が混ぜ合わされ、その混じり合ったものが内股を伝って流れていく。

 ドクゥゥゥ! ドクッ、ビュックン!

 三度目の射精により、膣内で肉棒がビクついても、なおも陵辱は続くに違いないと、クレアはそう感じていた。
 底知れぬ体力で、このまま犯され続けるに違いない。
 そんな不安と恐怖をクレアは抱えていた。
 しかし、その時だった。

 唐突に、手首を締め付ける触手が緩み、膣から肉棒が引き抜かれた。

 もう満足したというのか。
 わからないが、とにかく胴体や足首に巻きついていたものまで緩み、触手の支えを失うクレアはぐったりと水面に身を落とす。
 たまたま沈めてしまった手が、偶然にもナイフを握っていた。
 警察署で何度も使い、刃こぼれによって使い物にならなくなっても、同じ種類のものを手に入れゾンビを切り裂いた。今の今まで使い慣れてきたナイフの柄は、クレアの手によく馴染んでいた。
 肩越しに振り向く。
 G陵辱体はまさに隙を見せている。
 満足しきったせいなのか、ゆったりと肩を揺らしてその場に佇み、何をするでもなくぼうっと、クレアに巻き付けた触手もますます緩めてしまっていた。
「……神様がくれたチャンスね」
 きっと、そうに違いない。
 肩に剥き出しに開いたオレンジの眼球に狙いを定め、ナイフを握る手に力を込め、クレアは一瞬にして飛びかかる。本当なら、そんなクレアの抵抗を抑え込んでも良さそうな触手の数々だが、クレアに対して反応が遅れていた。
 獲物に抵抗力はないと判断していた油断のためか、はたまたは体液を放出しての疲弊か、撃ち込んでいた弾が本当は効いていたのか。理由などわからずとも、とにかく振り上げたナイフの切っ先は、オレンジの眼へ迫っていた。
 逆手に持ったナイフを突き刺して、オレンジ色の液体が飛沫となって周囲に散る。
 G陵辱体が悲鳴を上げていた。
 暴れもした。
 しかし、クレアは夢中になって、負けじとナイフを引き抜くなり、再び眼球に突き刺しオレンジの飛沫を周囲に散らす。何度も何度も、眼球を突き刺し続け、ついにG陵辱体はぷっつりと、糸が切れたように動かなくなっていた。
 G陵辱体は倒れた。
 まるで押し倒すかのようにして、共に水面に沈んだクレアは、すぐさま立ち上がっては手で汚れを払い退け、髪に染み込んだ汚水に顔を顰めた。
「……最悪。けど最高ね。目にもの見せてやったわ」
 G陵辱体の死体を見下ろし、クレアは言う。
「けど、新しい服を探さなくっちゃ」
 犯されたことを、もちろん気にしていた。
 気に病んでいても仕方がないと、自分に言い聞かせながら進むクレアは、どこかで服を見つけてそれを着ようと、できればタオルも欲しいと、努めて考えるようにするのだった。