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  • 第5話「おパンツ鑑賞」

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      決意を込めた栗木が、スカートに向かって手を伸ばしてくる。
     明日美は反射的に後ずさるが、すると背中に葉山の体が当たってきた。逃げ場を与えないように、背後に回りこまれたのだ。
    
     ち、畜生! こんな奴に!
    
     明日美は強く歯を食いしばった。
     こんな豚程度の男を蹴飛ばしてやることなど、本当なら簡単だ。ぶっても叩いてもいい。踏みつけてもいい。いつもの明日美であれば、こんなことをされようものなら、すぐにでも暴力に打って出ているところだ。
     しかし、今はそれを堪えなくてはならない。
     でなければ、余計に恐ろしい罰則が発生する。
    
     く、くそ! 冗談じゃねえ!
    
     とうとうスカート丈を掴まれて、捲り上げられる寸前だ。ゆっくりと持ち上げられ、少しずつ太もも露出面性が増えていき、明日美はただ受け入れることしか許されない。抵抗を抑え込み、懸命に我慢した。
    
     畜生! 畜生! この豚野郎が!
    
     スカートは持ち上がり、朝も晒された紫色のパンツが栗木の目を奪い、明日美は下腹部を凝視された。
    
     ――――――くぅっ!!!
    
     予想以上の恥ずかしさだ。
     朝と比べればマシな状況のはずなのに、今まで苛めていた奴に捲られているかと思うと余計に屈辱感が増幅して、膨れ上がる羞恥が苦しい。頬が一瞬にして加熱され、耳まで熱く染まり上がり、激しい恥じらいに耐えながら、それでも栗木を睨み返す表情となっていた。
    「どうです? 栗木君、気分が良いとは思いませんか?」
    「え、その……」
     葉山の問いに、栗木はしどろもどろになる。
    「あなたを今まで苛めていたこの子が今、こうしておパンツを曝け出しています。栗木君自身の手でスカートを捲って、ですよ? 気分が良いとは思いませんか?」
    「は、はい。その……。悪くないです」
     栗木は珍しいものでも観察するかのように、まじまじと明日美のパンツを見つめてくる。紫色の生地にかかったパンツの柄を、栗木は目でなぞっているのだ。あるいはアソコのシワにラインでも浮かんでいて、そこに注目しているかもしれない。
     明日美はすぐに耐えかねて、隠したい思いで自分の持ち上げられたスカートに触れる。
    「駄目ですよ? 明日美さん。きちんと見せてあげないと」
     葉山に即座に注意され、明日美はすぐに手を引いた。
    「もういいだろ? 十分じゃねーか」
    「そうおっしゃるのでしたら、次に移りましょう。栗木君、お尻を叩いてあげてください」
     再びスパンキングを持ち出され、明日美はぎょっとした。
     朝の屈辱が蘇る。
    「お、おい! あれはもういいじゃんかよ。わかった! パンツぐらい見せるからよォ、いくらでも拝んでいいから、ケツは勘弁してくれよ」
    「できない相談ですね。パンツはいくらでも見せるべきですし、お尻叩きも受け入れて下さい」
     葉山の無情なまでの命令に、明日美は必死に食いつくも、一切の意見は受け入れられない。結局机の上に乗り、朝と同じような四つん這いでパンツに包まれたお尻を丸出しにされた。
     畜生、結局こうかよ。
     今ならクラスメイトこそいないが、栗木ごときにお尻を差し出している。腰を突き上げた情けないポーズを取らされているだけあって、捲られる以上の恥ずかしさだ。
    「い、いいんですか?」
     栗木は明日美よりも葉山に確認する。
    「ええ、是非とも。あなたの手でやってください」
     体は明日美のものなのに、葉山によって許可が出された。
    「そ、それじゃあ――」
    
     ペチッ
    
     く、くそ!
     遠慮のこもった弱弱しい一撃だが、明日美を屈辱に濡らすには十分だ。見下していた男に叩かれたというだけで、舌でも噛みたい気持ちになる。
    
     ペチッ
    
     か弱いビンタに尻たぶを打たれ、明日美は一瞬キレかかった。栗木ごときが調子に乗るなど許せない。今すぐにでも起き上がり、後ろに向かって殴り返してやりたい気持ちにかられた。
     だが、直後に頭を押さえられる。
    「駄目ですよ?」
     机に頭を押さえ込まれ、抵抗を封じられた。
    「あ、あたしは何も……!」
    「明日美さん。あなたは今、反射で抵抗しようとしていました。まあ体が勝手に動いたようなものでしょから多めにみますが、二度はありませんよ? さあ続けて下さい。栗木君」
    
     ペチッ、ペチッ、
    
     今度は二発連続だ。
     明日美は涙目になりかける。
    
     ペチッ、ペチッ、ペチッ、
    
     しだいに女の子をこんな風に扱う面白さに気づき、調子づいていったのだろう。弱弱しかった栗木の手つきはどんどん元気になっていき、リズミカルに左右の尻たぶを打ち始める。警戒な肌の音と共に柔らかな尻肉は波打って、プルプル震えて弾んでいた。
    「叩くって、いいものですね」
    「でしょう? もっと叩いてあげてください」
    「はい!」
     栗木はスパンキングを楽しみ始め、より小刻みなタップで明日美を苛めた。ドラマーがドラムを叩くようなハイリズムで、夢中になって振動させる。あからさまにリズムを取った叩き方に屈辱感は大きく膨らみ、明日美は自分がオモチャにされた気持ちを味わっていた。
    
     冗談じゃねーよ!
     こんなのって、ゼッテーおかしいだろ!
     なんで……。
     なんであたしが栗木ごときに! こんな豚みてぇなクズ野郎に!
     畜生!
    
    
    
    


     
     
     


  • 第3話「公開スパンキング」

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     葉山は言った。
    「さあ、栗木君。あなたにはイジメっ子に対する報復権が与えられ、それを行使する義務が与えられます。仕返しの機会を与える事によって、苛める側と苛められる側、双方の心を入れ替えることができるという考えなのです。苛める側は自分の行いを後悔し、苛められていた側は仕返しによって自信をつけ、引っ込みがちだった性格に強みを持たせる目的です」
     これから行うことに対する意味合いを語っていき、彼は栗木の肩に手を置いた。
    「ほら、目の前で野之宮明日美が四つん這いです」
     栗木は緊張で汗をかく。
     高く突き上げられたスカートのお尻が、栗木の目の前にそびえている。短めのスカート丈が垂れ下がり、太ももは大きく露出している。生足は丸見えで、少し腰を低めればパンツも見えることだろう。
    「叩くのはあなたですよ?」
     葉山は遠慮なく、さも何でもないようにスカートを捲り挙げ、紫色のパンツが露出する。模様の派手めな、一枚の布の上へ柄を縫いつけたような明るいパンツだ。生地のせいか蛍光灯が反射して、どことなく光って見える。
    「さあ、叩いて下さい」
    「え、あの……」
     叩けと言われても、いきなりできるわけがない。
     相手は明日美だ。
     しかも、背後にはクラスメイト。
     叩こうものならみんなにどう思われるかわからないし、後でどんな報復が待っているかと思うと恐ろしい。出来る事と言ったら、せいぜい自分ではなく葉山の手によって丸出しにされたパンツを凝視するくらいだ。
     動くに動けない栗木を見かねてか。
    「仕方ありませんね。あなたにはまだ早いようですので、わたくしがやりましょう」
     葉山が変わって慣れた手つきで手を乗せて、お尻をまんべんなく撫で回す。
    「くっ……」
     明日美が悔しそうに歯を食いしばるのが、全身がビクッと固まる挙動だけでも良くわかった。
    「あなたのこのお尻、栗木君の目に焼き付けられていますよ? この派手な紫がね。さて、どんなお気持ちですか?」
    「どうもこうも、パンツぐらいなんともねーよ」
     声が震えている。
    「なんともありませんか。では一発」
    
     パァーン!
    
     手の平で、葉山は明日美の尻を打ち鳴らした。
    「て、てめぇ……!」
    
     パァーン!
    
     二発目。
    「どうですか?」
    「どうじゃねーんだよ変態が! これで満足か?」
    「満足じゃないんですよ。あなたに反省を促すための体罰なのですよ?」
     葉山は大胆なスイングで、まるで太鼓でも叩くような気持ちで明日美のお尻を連打した。肌の打ち鳴らされる打撃音が教室に響き、明日美は今にも屈辱に震えている。全身を硬くして、尻肉を打たれる度に肩をビクビク揺らしている。
    「さあ反省するのです。さあさあ!」
     楽しげなスパンキングで、明日美のお尻は揺らされていた。皿に出したゼリーでも揺らすように、プルンプルンと尻肉は弾み、波打っている。栗木はその光景から目が離せず、すっかり釘付けになっていた。
    「誰がこんなもんで……。あたしは負けねーぞ!」
    「反省はしないという意味ですか? 罰則が長引きますよ」
     今度は両手を使い、左右の尻たぶを交互にタップする。
    「ざけんな! こんなのねーだろ。どこの変態が作った法律だよ」
    「賛否両論ありますが、可決したものは仕方がありません。わたくしは法に基づいて仕事を行うまでですよ」
     左右の尻たぶが交互に打たれ、右左右と、リズム良く波打つ振動を見せる。
    「何もクラスの前で……」
    「明日美さん。あなただって、クラスメイトに聞こえる形で栗木君のありもしない事実を吹聴したでしょう。あなたには今、イジメによって受けるとされる羞恥と屈辱をご自身で体験して頂いているわけです」
    「あたしはなにもここまで……。ちょっとからかっただけじゃねーか」
    「わたくしとて、少し悪戯しているだけですよ? あなたと気持ちは変わりません」
     クラスメイトの視線の中で、明日美はお尻を叩かれ続けた。
     この日は欠席者はいなかった。
     男子に見られるのは当然のこと、いつもつるんでいる友達にもこの痴態は見られている。担任も教室の隅にひっそり佇み、この光景をニヤリとして楽しんでいた。
    「可哀想……」
    「まあ、しょうがないよね……」
     それが女子生徒の声だった。
     今まで明日美が痴漢をでっち上げれば、「ほんとかな?」「でも栗木君ならやりそうだよね」といった具合に、そもそも嘘か本当かも関係なく引いていたくせに、こんな事態になった途端に態度を切り替え、明日美を悪者として見始めた。
     なんという手の平返しか。
     女子というものは恐ろしい。
    「さすがにマジで可哀相じゃない?」
     という、良識的な反応も多くあったが。
    「いいねいいね」
    「ざまみろよ。ひゅー!」
     日頃から態度の不良じみた明日美に対して、軽い反応しか示さない生徒も多くいる。素直に目で楽しむ者、口では良識的な反応をしながらも、結局はチラチラお尻を気にする者と、それぞれだ。中には目を瞑ったり、逸らしたりしてあげている者もいはしたが、ほんの二人か三人程度に過ぎない。結局のところ、明日美の痴態を大なり小なり拝んでいる生徒が半数以上を占めていた。
    「ま、そろそろ時間です。今はこのくらいにしましょうか」
     葉山がスパンキングを終了すると、明日美は即座にスカートを直して教卓を飛び降りる。
    「もう終わりだよな?」
     明日美は反抗的な口調で噛みつく。
     強きな態度を見せてはいるが、顔は真っ赤で目は涙目だ。
    「放課後、空きの教室で更生指導を行います。あなたは随分前からイジメをやっていたでしょう? ですから、当分は罰則に付き合ってもらいます」
    「冗談じゃねーよ。なんとかなんねーのか!」
    「反省しだいですよ。詳しいことはまた放課後説明しますので、サボらずしっかり授業を受けてくださいね」
     葉山はにったりと嗤いを残して、一礼を交えながら教室を後にする。
     更生指導とは何だろう。
     もしかして他にも、明日美にとっては恥ずかしい罰が用意されているのだろうか。
    
    
    


     
     
     


  • イジメっ子にエッチな体罰!

    第1話「イジメ撲滅委員会」
    第2話「イジメの糾弾」
    第3話「公開スパンキング」
    第4話「放課後」
    第5話「おパンツ鑑賞」
    第6話「虐げられる明日美」
    第7話「チャンス」
    第8話「しゃぶられた乳房」
    第9話「使われた乳房」
    第10話「奴隷宣告」
    第11話「犬奴隷の散歩」
    最終話「明日美の末路」


  • 第14話「窓越し戦争」

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     意地悪、しすぎたかな?
     一時は日和の方が機嫌を損ねていたのだが、仕返しのあまりに今度は晴美の方がヘソを曲げる結果となった。
     さすがに申し訳なくなった。
    「あのさ、ごめんね?」
     教室に着いてから、日和は晴美の席まで言って一言謝る。
     しかし。
    「ふんっ」
     プイっと顔を逸らされて、悪いと思っていた気持ちが一瞬にして反転する。素直に謝っているのに機嫌を直してもらえない。日和は意地になって顔を背けた方向へ回り込み、顔を覗き込むようにして強引に謝る。
    「ねえ、ごめんね?」
    「ふん」
     それでも、逆方向へ逸らされる。
    「ごめんねってば」
    「ふーんだ」
    「ねえねえ」
    「知らなーい」
     何度謝ろうとしても、晴美はどうしてもそっぽを向く。こうなっては日和も唇を尖らせて、ぷんすかと怒り始めた。
     そんな態度を取るのだったら、もう知らない。
    「こっちこそ知らないよ。ばーか」
    「ふん。ばーか」
     仕方がないので日和は自分の席へ戻っていき、機嫌の悪そうな顔をしながら本を読む。教室の中で、とっくにクラスメイトが集まっている時間帯にこのやり取りだったので、さすがに多少は目を引いてしまったのが気まずかった。
     付き合い始めてからは、お互いそういう事をおおっぴらに話すタイプではないので、周りには自分達の関係は喋っていない。隠そうというわけではないが、気恥ずかしい恋愛話をする相手がいないので、話題にする機会がなかった。
     それでも二人で図書室へ行ったり、何かと喋ることが増えたので、最近の二人は仲良しだなと感じているクラスメイトは十分いる。中にはもしや付き合っているのでは、と勘ぐる者もいるが、好奇心からぐいぐい迫って関係を聞き出そうとするタイプの人間は、幸いこのクラスにはいなかった。
     なので、付き合ったからといって、その件についてクラスメイトに絡まれたことは、現時点では一度もない。とはいえ、今の一連の痴話喧嘩によって、二人の関係を怪しんでいたクラスメイト達の中では、疑惑が確信に変わっている。ああ、こいつら付き合ってるな。と、少しでも敏感な人間はみんな感じ取っていた。
     ただ、それだけ。
     気づかれたからといって、特に何も起こらない。
     二人に対して、特別に踏み込もうとする者は特にいないのだ。せいぜいひっそりと陰で噂になるか、付き合っているらしいよと、本人達の知らないところで密かに話題の種にされる程度で終わるだけで、何らの害は発生しない。二人が付き合っている事実など、クラスにとっては数ある話題の種の一つで終わるだけのものだ。
     親しいグループ同士でなければ余計な干渉はしてこない。クラスのそういう体質は日和には有り難い。良く言えば平和で静か。悪く言えば冷たいクラス。晴美との関係が出来上がるまでは寂しい日々を送っていたが、それはそれで楽な部分もあり、孤独感と付き添いながらも一人で過ごす時間は嫌いじゃなかった。
     だが、晴美との時間はもっといい。
     二人で過ごす時間。一緒にどこかへ出かけたり、窓越しに話をしたり、登下校をするのはそれだけで幸せな気持ちがする。とても嬉しいことなのだ。だからこそ相手を思い通りにしてみたくなって、好きなように幸せを貪ろうと人前でのキスをせがんだのかもしれない。それをしてもらえていれば、それが晴美の自分に対する気持ちの強さを証明する事になっていた。
     思い通りにならなかったので、腹いせをした。
     すると、晴美が拗ねて怒り出した。謝っても無視されて、中々許して貰えない。
     考えれば考えるほど、元はといえば自分が悪い。
     だけど、謝ったのに許してくれない。
    
     うん! 晴美だって悪いもん!
    
     そう結論に至った。
     そして学校終了から帰宅、夕食と入浴を済ませた夜。
     窓を開いてみれば、晴美側の窓はカーテンと共に閉ざされていた。それ自体なら、別に二十四時間いつでもカーテンを開けているわけではないので、問題じゃない。ただ、身を乗り出してノックをしても返事がないのは問題だ。
     コンコン。
    「もしもーし。留守ですか?」
     帰ってくるのは静寂だ。
     単に部屋にいない可能性もあるのだが、晴美のいつもの生活リズムであれば、基本的には顔を出し合う頃合いだ。
     なのに、返事がない。
    「出直そう」
     日和は諦めて窓を閉じ、後でまたと思ってカーテンも一緒に締める。
     すると、だ。
     コンコン。
     と、窓を拳で打ち揺らす音が聞こえてきた。
    「晴美? なんだ。いるんじゃん」
     ちょっぴりむくれて、日和は窓を開け直す。
     しかし。
     確かにノックが聞こえたはずが、にも関わらず晴美の窓は閉まっている。たださっきと違うのは、カーテンの端っこが窓の隙間からはみ出ていることだ。つまり晴美は日和の窓をノックした後、急いで隠れたというわけだ。
    「ピンポンダッシュならぬ、ノックダッシュ?」
     なんてやつだ。腹立たしい。
     よし、仕返しだ。
     日和は手の平でバンバン叩き、素早く自分の部屋へ引っ込み締め直す。するとカーテンを閉ざした向こうから叩き返され、ムキになった日和はさらにその仕返しをしようと窓を開く。
     バンバン。
     窓を叩いて揺らす。一応、割れないようにと加減は念頭に置いているが、なるべく音の出る叩き方を意識した。
     今度は逃げない。
     晴美が仕返しのために顔を出すのを待ち伏せし、窓が開く瞬間を狙い……。
    
     ――ガラッ
    
    「パンチ!」
     額の下、目と目のあいだの日和の鉄拳が直撃する。
    「いったぁー! なにすんのさ!」
     そして、晴美は大きくむくれた。
    「だってムカついたんだもん」
    「それは、日和が無茶言うからだろ? 人前でキスとかさ」
    「いいじゃんケチ!」
    「ケチとかじゃないしー。見せびらかしたくないだけだしー」
    「そんな事いって、本当は度胸がないんでしょ? わかるんだからね」
    「なんだって? じゃあ日和には度胸があるの? どれくらい?」
    「それは……わ、私から晴美にキスできるくらいはあるよっ」
    「本当に?」
    「本当だもん!」
    「証明できる?」
    「ううー……」
    「できないよね。そんなに目立つの好きじゃないよね。お互いそのはずだったけど、どうしてあんなこと言ったの?」
    「それは……」
     言えない。
     好かれている実感欲しさだったなど。ましてや、ちょっと意地悪をしてやろうと迫ったことなど打ち明けられない。
    「あんなに言ってくるんだもん。ほんと焦ったよ」
    「だから謝ったのに」
    「わかってるよっ。じゃあ、おやすみっ」
     晴美は一方的に窓を閉め、自分の部屋へ戻ってしまう。
    「馬鹿バカばか。ふーんだ」
     日和も腹を立てて窓を閉め、布団に潜り込んでさっさと寝た。
    
    
    


     
     
     


  • 第13話「喧嘩なような」

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      その日は着替えを覗かせないようにして、閉ざしたカーテンの内側でパジャマを脱いで制服を着る。
    「ふふんっ」
     あえて覗きをさせなかってことで、日和は一人でご機嫌になった。
     日和は決して、晴美を嫌ったわけではない。むしろ、好きだからこそ望みを聞いてもらえないことにムッとして、だったら意地悪でもしてやろうとカーテンを閉ざしておいた。こうしてやれば、きっと晴美は驚くだろうという悪戯心からでもあった。
     嫌われたと思わせて、残念な思いをさせられた仕返しをする。
     日和がしているのは、要するにそういうものだ。
     子供じみているとは日和自身思っているが、それでもやらずにはいられなかった。
    「……お、おはよう」
     玄関を出た先、出迎えに待っていた晴美が不安そうに挨拶する。やりにくそうな、気まずいようなといった顔つきだった。
    「ふーんだ」
     日和はわざとそっぽを向き、すたすたと早足で進んでいく。
    「ねえ、なんか機嫌悪い?」
     晴美も早足になり、小走りで日和の隣へ追いついて、不安そうに恐る恐る尋ねてくる。
    「別に?」
    「でも、なんか怒って見えるし……」
    「別に? なんでもないよ?」
    「本当に?」
    「本当だけど?」
     日和はそっけなく返し続ける。言葉の上では否定していても、その語尾の上向いた不機嫌な気持ちの篭った喋り方では、逆に機嫌の悪さを肯定している。日和の目論見通り、この一連のやり取りを通して、晴美の表情はみるみるうちに不安の影へと染まっていた。
    「ねえ、まだ怒ってるの? 昨日のこと」
    「べつにー?」
    「絶対怒ってるよ!」
    「ぜんぜーん?」
     煽れば煽るほど、晴美は面白いように不安がる。よっぽど、晴美が自分を好きでいてくれている証拠のように思えて、こんなことが少しばかり楽しく思えた。
     意地が悪いだろうか。
     ほんのりと自覚しつつも、ここまできたらやめられない。
    「ねえ、どうすれば機嫌直るの?」
     無視して、歩みを速めて晴美を引き離す。
    「ねえってば!」
     慌てて追ってくるところにキュンときた。まるで子犬が飼い主に置いていかれまいと、必死に足元まで着いてくるような愛らしさを感じて胸が引き締まった。
     やめられない、止まらない。
     本当にどうしよう。
     ――このままいっちゃえ!
    「教えて欲しい?」
     日和はにやりと笑みを浮かべる。
    「うん!」
     晴美は即座に、かなり反射的に、大きく首を縦にして頷いた。まるで主人に尻尾を振る、可愛い子犬だ。
    「じゃあ、ここでキスして?」
     ――ふふっ、できまい。
     日和か腹黒くほくそ笑んだ。
     人目のある場所でのキスを要求したら、昨日は散々に抵抗をしめして結局は最後までしてくれなかった。クラスメイトがいつ通るかもわからない通学路では、抵抗感はさらに一段と強まるはず。
     できないであろうことを要求して、晴美を大いに困らせる。
    「うぅ……」
     躊躇い、途方も無く困り果てる晴美の顔が面白かった。
    「できないの?」
     意地悪く追求してやる。
    「だ、だって……」
    「ねえ、してよ。キス」
     晴美が視線を逸らすのを見て、日和はすかさず詰め寄った。晴美はますます困り果て、困らされることによって追い詰められる。
    「……こんな場所だよ?」
     晴美は許しを請うような上目遣いまで向けてきた。
     だが、許さない。
    「してくれないと、私の機嫌は直りませーん」
    「そんなこと言われても……」
    「ほらほら、ここだよ?」
     日和は自分自身のぷっくりとした唇を指し示し、強気なまでに晴美を挑発した。晴美の視点からすれば、日和の唇はそれだけで魅惑的な色香を発しているはずだった。
    「でもぉ……」
    「いいの? 私とこのままで」
    「よくないけど……」
     やはり、道の真ん中だ。
     同じ生徒やクラスメイトこそ見かけないが、一般の通行人が立ち止まっている二人の横を通過する。その際に、痴話喧嘩の様子をちらりと気にして、横目で一瞬だけ二人の顔を見ていたことは、日和にも晴美にもよくわかった。
     同じような通行人が、二人を横切るたびに現れる。
     そんな環境下でキスをするなど、やはり晴美には耐え切れないらしい。
    
    「もう! 日和の馬鹿!」
    
    「……あっ」
     追いつめ過ぎてか。
     逆に晴美の方が言葉を吐き捨て、日和を置いて走り去ってしまうのだった。
    
    
    
    


     
     
     


  • 第12話「キスしてよ」

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     その日も日和をデートに誘って、晴美はなんとなく町をブラブラしてまわっていた。映画はもう見たばかりなので、今回はお金をかけずに本当に散歩だけだが、それでも日和は嬉しそうに笑っている。
    「ふふーん。ふふーん」
     よっぽどデートが嬉しいらしい。
     ご機嫌に鼻歌まで歌っていた。
     しかも街中だというのに、日和は晴美の腕を掴んで縋りついているのだ。
     人目のある中であからさまにイチャイチャするなど、今にもすれ違いにチラチラ視線を寄越される気がして気恥ずかしい。
    「ねえ、こんな場所だよ?」
     なので晴美は、そんな遠慮したい気持ちを遠回しに伝えた。
     接触したいのは山々だが、日和は今にもぷるんと揺れそうなほどの胸をしているのだ。腕へくっつかれると乳房が肘に当たって、街中で股間が反応しそうで困ってしまう。せめて手を繋ぐだけで勘弁してもらいたいのが本心だった。
    「いいじゃん別に」
     軽く横へ流された。
    「いやそんな……。だって、今日は地元なんだよ? 遠くじゃないんだよ? つまり、知り合いに見つかる可能性もあるわけだし」
     晴美は言い訳のように述べるのだが、日和はそんな事情などお構いなしだ。
    「気にしない気にしない」
    「僕が気にするから……」
    「いいじゃん。それより、キスしない?」
    「なんでそうなるの……」
     街中、人ごみの中でキスをするカップルがいるだろうか。
    「いいじゃんってば」
     日和はむくれる。
    「……良くないよ?」
    「ねー。お願い」
    「駄目」
    「お願い」
    「駄目だから」
    「お願いってば」
     日和は執拗に食い下がってくる。
    「駄目駄目」
     晴美はあくまで断った。
     キスそのものはまんざらでもない。むしろ、砂糖の溶けるような甘いキスなら何度でもしたいほどだが、静かに落ち着いて過ごしながらのキスだから美味しいのだ。人目につく場所でするなど真っ平である。そんな目立つところでするよりも、きちんと二人きりで濃厚な口付けを交わしたかった。
     それが普通の気持ちだと思うのだが、果たして日和は違うのだろうか。
    「だったら、どこならいいの?」
    「家とか」
    「それじゃあ、つまんない」
    「そう言われても、だったら日和はどこでしたいの」
    「人前」
     日和は不機嫌気味にそう答えた。
    「……なんでなの」
    「私のこと好きなんでしょ」
    「それはそうだけど」
    「好きならできるでしょ?」
    「だから、何故そうなるのさ」
     こうした人目につく場所での口付けなど、当然目立つ。
     お互い大人しい者同士、他人の目に晒されるなど落ち着かなくてそわそわするものだと思うのだが、どうして日和がそんなことを言うのだろう。晴美は二人きりで落ち着いていられる時こそベタベタしたいが、日和は果たして違うのだろうか。
     どうして、落ち着かない状況でイチャイチャしなくてはいけないのか。
     二人の世界に浸れる時が一番ではないのだろうか。
    「好きだったら、どこでもキスできるはずだと思います」
     日和は強く主張してきた。
    「好きだからこそ、二人きりがいいと思います」
     晴美も負けじと言い返す。
    「なんで?」
    「なんでって、普通そうでしょ?」
    「そう?」
    「そうだよ!」
    「そうかなぁ?」
     日和はあからさまに首を傾げた。
     こちらもきっぱり言うしかない。
    「そうだって。人前なんて恥ずかしいし、抵抗あるし、見せびらかすみたいでなんか嫌だ。二人の時じゃないとキスなんて出来ないよ」
    「いくじなし」
    「あ、そういうこと言う? でも、そんなこと言っても駄目だからね。キスは二人きりの時にしかしないからね」
    「ふん。じゃあいいよー」
     すると、日和はそっぽを向いてすたすたと早足で進んでしまう。
    「あ、待ってよ!」
     晴美は慌てて追いかけるが、日和が足を緩めることは一度もなかった。
     四六時中、微妙に不機嫌で根に持つような顔をしたまま日和はい続け、この日は最後の最後までなんとなく居心地の悪い気分で過ごしていた。
     そして……。
    
     翌朝、いつもなら開いているはずのカーテンが閉ざされていた。
    
    
    
    


     
     
     


  • 第11話「それからの朝」

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     日曜日の朝だった。
     眠気からゆっくりと目覚めつつあった仁藤晴美は、自分の身体を圧迫する温かな重量感にぎょっとして覚醒した。仰向けの晴美に重なる心地良い柔らかさは明らかに女の子の感触で、目覚めた矢先に人が自分の上に乗っているなど、普通に生活する分には到底起こりえない事態に心臓が飛び出そうになっていた。
    「うわっ!」
     思わず悲鳴を上げてしまった。
     自分の状況に対し、ただちに連想されたのは幽霊である。昔見たテレビの心霊特集で、旅館に泊まったある男が、腹のあたりがずっしり思いと思ったら、恐ろしい顔をした女が自分の上に座っていたという話を思い出した。
    「えへへ、びっくりした?」
     戦慄していた晴美は、その正体にすぐさまホッとしたため息をつく。
     相手は佐藤日和だったのだ。
    「ほんとビックリしたよ……。窓の鍵、開いてたっけ」
    「開いてたよ。だから来ちゃった」
     まさか忍び込まれるとは予想外だが、驚く晴美の顔に日和はくすくす喜んでいる。よほど人を脅かしたかったようである。窓から窓へなど少々危ない気もするが、さほど距離が遠いわけでもないので良しとした。
     そして、パジャマ姿の日和が同じベッドにいるとわかるや否や、今度は股間が反応した。日和は掛け布団の内側に潜り込み、仰向けの晴美の上にべったり重なっているのだ。シャンプーの甘い香りが鼻腔をくすぐり、色香と興奮に息が乱れる。
    「……悪戯しちゃうよ?」
     晴美は背中へ手を回し、指先でうなじをくすぐる。
    「んにゃぁ……」
     日和はくすぐったそうに肩を縮めた。
    「可愛い」
     頭をくしゃくしゃ撫で回すと、日和は身を任せるようにうなだれる。晴美の顔横へ頭を落として、衣服を掴んでしがみつき、離れまいとがっしり晴美を包んでいる。そんな日和の耳やうなじや背筋を撫で、指をそっと這わせるたびに、日和はくすぐったそうに身悶えしていた。猫がじゃれてくるかのようで、愛らしくてたまらなかった。
    「ねえ、朝でしょ?」
    「朝だね」
    「なにかやることがあるよね。晴美」
     日和は期待に満ちた顔を向けてくる。
    「やること?」
    「わからない?」
     日和はやけにニヤニヤしている。
    「朝やることって、歯を磨くとか着替えるとか? うーん。そんなんだよね?」
    「そういうのじゃないよ?」
    「じゃあ、どういうの」
    「どういうのでしょう」
    「うーむ……」
     答えを求めても教えてくれる様子は一切なく、あくまでも晴美が言い当てなくてはいけないようである。難問を前に晴美は唸り、頭を捻って答えを搾り出そうと思考を巡らす。こうして当てさせようということは、日和は晴美に何かをさせたいのだ。
    「当てないと離れてあげなーい」
     日和は肩を握ってしがみつき、胸板に頬ずりしてくる。
     可愛らしい。
     このままくっついてくれていても結構だが、本当に磁石のように引っ付かれたままでは、いずれ親も起きてしまう。
     部屋には鍵がかかっているので、勝手に出入りされる心配はないが。
     朝食も取れないのでは困ることに気づいて、晴美はどうしようもなさに苦笑した。
    「もう、どうすればいいのさ」
    「ヒントはおはようの何かだよ」
    「おはようのねぇ……」
     迷いに迷った挙句、ピンとくる答えが浮かんだ。
     ただ、それを実行する前に日和と上下入れ替わり、晴美が上から覆いかぶさる形となって日和の頬の両手を当てる。
    「こういうこと?」
     晴美はゆっくり、顔を近づけた。
    「うん。へへっ」
     日和は照れ気味に笑い、瞳を閉じた。
     晴美はその唇へ顔を下ろしていき、そっと、自分の唇を重ね合わせた。ぴったりと触れ合わせたまま目を瞑り、唇の触感を長く長く堪能し、唇を離したあともそのまま抱き合う。日和の唇は蕾のように柔らかく、ふんわりとして心地が良い。
    「二回目、しちゃったね」
     日和は照れたような喜ぶような顔で笑った。
    「もう一回してみない?」
    「うん。もう一回」
    「んちゅぅ……」
     再び唇を重ね合わせ、とろけ合う。
    「晴美ぃ、もっとぉ……」
    「ちゅぅ……」
    「もっともっと!」
    「舌入れちゃうよ」
     晴美は唇へ貪りつき、舌を捻じ込みながら日和の口を食していく。相手の舌に自分の舌を絡ませ粘膜を味わい、舌先で互いの口内を舐め合って、晴美は唾液を流し込む。
     日和は晴美の舌を伝って流れる唾液を受け取り、抵抗無く自分の舌へ滲ませ飲み込んだ。
     舌を絡め合う心地の良さは、まるで甘いチョコレートが口の中で濃厚にとろけ、舌全体に味が広がるような甘味がある。
     心がとろける気持ちがする。
     きっとこのまま、自分の心と日和の心がとろけ合い、癒着してしまうのではないだろうか。
     通じ合える喜びに晴美は浸った。
    「はい、お終い」
     日和はポンと肩を叩いて、そろそろどくようにと合図してくる。
    「うん。じゃあ、また後で」
     晴美は日和の上から体をどかし、すると日和は窓を開いて自分の部屋へ飛び移る。
    「後でね。じゃあ、着替えるから」
     などと言いながら、日和はカーテンを閉めることなくそのまま着替えを始めてパジャマを脱ぐ。今日のブラとパンツを見せてもらって、それから晴美も着替え始めた。
    
    
    


     
     
     


  • 第10話「ファーストキス」

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     甘くとろける。
     こんな野外でノーパンになって、お尻に股間をあてがわれ、いやらしい状況に身を落としながらするオナニーが気持ちいい。官能的なとろけた痺れが全身に回り、日和はしだいに牝の表情になっていた。
    「だ、駄目ぇ……」
     温もりにアソコが疼き、秘所はもうぐっしょりだ。
    「そういいながら、自分でオナニーしてるよね?」
    「だってぇ…………」
     耳元で指摘され、日和の手はますます活発になった。膝が緩んで姿勢が崩れ気味になっていき、日和の腰はくの字に折れる。晴美の股元へ向かって余計に尻を押し出す形になり、既にこれ以上ないほど股間は密着していたが、さらに日和の側からも密着のために力が入り、お尻と股間はますます親密に押し合った。
     日和自身も、いつしか腰を動かし始めた。
     秘所の方では手淫を活発に行いつつ、晴美の股間を味わおうと腰が左右に動いてしまう。押し付けてくる晴美の力に応えるように、日和からも押し返し、密着状態のお尻を振った。割れ目に挟んだ股間を左右に動かしてやらんばかりにずり動き、晴美の肉棒を思い描いて日和はクリトリスを弄り回した。
    「日和のお尻って、大きくてふわふわってしてるんだよね。こうしていると柔らかい二つの山にギュゥってきつく包まれてるみたいで、すっごく心地がいいよ」
     晴美は堪能するように腰を動かし、上下にずるずると往復のスライドをする。お尻は大きな餅のように変形を繰り返し、晴美の股間へ圧迫感を与えていく。
    「晴美のが……晴美のが……」
     強い押し付けとその摩擦で、日和は肉棒の形状をこと細かに感じ取った。ズボンとトランクスを挟んで布越しではあるわけだが、それでも勃起の熱さが通じてくる。尻肉がブニブニと股間を包むだけに、それはどれほどの大きさで、どんな太さをしているのか。自分のお尻に対してサイズのほどが理解できた。
    「どうしよう……私……晴美の……知っちゃったよぉ……!」
     すごく、プライベートな秘密を勝手に握ったような気持ちになり、そんな情報を得てしまった日和は赤面した。もちろん正確なサイズとは到底いえないが、少なくとも割れ目にぴったりと合うだけの長さはあるし、自分の指でいうと何本分の太さなのかもイメージできた。とてつもない情報を握ってしまった気分になり、日和はオロオロするのだった。
    「随分、神経を集中したんじゃない? でなきゃ、わかんないでしょ」
    「そ、そんなこと……」
    「日和って、僕のこんなところに興味があったんだ」
    「違うもん……! そんな……」
    「あったんでしょ?」
    「………………はい」
     否定しかけた日和だが、すぐに認めた。
     どうしてなのか。日和の心は晴美に対してどこか跪いていて、日和はおかしなほどに従順に頷いてしまっていた。
     支配されかかっている。
     日和という存在が、心身ともに晴美のものになりかかっている。
     そのことを日和自身が強く自覚し、それが妙に怖く思えた。このまま、きっと日和はどんどん晴美を好きになり、のめりこんで、晴美の言うことなら何でも聞くようになっていく。いつしか従順な召使いと化し、何を言われても逆らえない自分が完成する。エッチな言うことは何でも聞かされ、性奴隷となってしまうのだ。
     そんな自分の未来が見えた気がして、少しばかり怖くなった。
     きっと、対等の関係というよりも、自分は晴美の所持品と化す。信頼しあうパートナーと言うには微妙な関係になってしまう。そういう気がした。
     ――どうしよう……晴美君……。
     日和自身ではどうにもならない。
     日和はもう、従順になりかかっている。
    「ねえ、日和」
     晴美は言った。
    「大好きだよ?」
     ――ドクン!
     いきなり言われて、心臓が跳ね上がった。
    「大好き、大好き。すっごく好きだよ。愛してる」
    「そ、そんなこと言われたら……私……」
     ますます好きになっていき、一生晴美から逃れられなくなってしまう。
    「本当に好きだから、僕の存在も日和のものだよ」
    「……私の?」
    「そうだよ。日和は僕のもので、僕は日和のものだよ」
    「そっか」
     優しく言われて、日和は儚く微笑んだ。
     晴美の存在だって、日和のもの。
     それなら、いいかもしれない。
    「晴美ぃ……そっち向かせてぇ……」
    「はい、いいよ」
     腹に巻きつく腕が緩んで、日和はそのあいだに正面へ向き直る。胸へ縋りつくようにして晴美を見上げ、上目遣いでオナニーを続行した。
    「可愛いよ。日和」
    「そんなこと……」
    「今の日和の顔、すっごくエッチだよ? 甘くとろけた感じになってる」
     晴美は日和の頭を優しく撫でる。
    「恥ずかしいってば」
    「日和のアソコがクチュクチュいってるのが聞こえるよ?」
    「うぅ……」
    「もっとよく聞かせて?」
     日和は秘所の愛液を掻き回し、泡立てるようなつもりで指を回す。粘液が糸を引くクチュリとした音が立ち、一層晴美の耳を楽しませた。
    「すごいクチュクチュいってるね」
    「それは……晴美のせいだもん」
     日和が口を尖らせた。
    「え、僕?」
    「だって、ドキドキしちゃうから……。今だって、いい台詞言って……」
    「そんなにいいこと言ったかな」
    「うん。言った」
     日和は晴美の胸に顔を埋め、頬ずりして顔を擦り付ける。猫が飼い主にじゃれるかのように頭を何度も押し付けて、晴美の腕に包まれながら温もりにどっぷり浸かった。じゃれつかれた晴美も、猫を可愛がるようにして頭を撫で、頬を撫でた。
    「可愛い。日和可愛い」
    「好きって言って?」
    「うん。大好き。愛してる」
    「それじゃあ……」
     日和は晴美に顔を向け、求めるような表情で上目遣いをじぃっと寄越した。そのままゆっくりと瞼を閉じ、顔を差し出すようにして首を上げ、つま先立ちで背伸びする。
     その意味を理解した晴美は顔を近づけていく。
     そして……。
    
     唇を重ね合わせた。
    
     日和のふんわりとした桜色の部分に自分の唇を重ね合わせ、そのまま長い長い時間を口付けの中で過ごしていた。
    
    


     
     
     


  • 第9話「お尻ずりずり」

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     日和は秘所を弄り続ける。
     身体の密着で腕が動かしにくかったが、包まれる温かさがそれ以上に心地良い。この中で快楽に浸かれることで、そんなことは気にならなかった。そんなことより、いつまでもこの温もりの中でうっとりしていたいくらいだった。
    「日和……」
     晴美も興奮している。味わうように日和の背中を撫で回し、腰に、うなじに、べったりと手を這わせた。温かい手に撫で上げられ、くすぐったいような感覚に背筋がゾクゾクして日和もしだいに興奮する。
     顔を首筋に埋め込まれ、すーっと、匂いを嗅がれた。
    「はうぅぅ……」
     日和はますますゾクゾクして、興奮で火照っていく。
     何よりも日和の気持ちを刺激するのは、抱き合うせいで当たってくる硬い突起物の気配であった。それはちょうどお腹の下、下腹部の付近へと押し付けられる。オナニーをする日和の腕には、当然、それがぶつかっていた。
     腕を上下にするたびに、きっと肉棒に摩擦がいっている。
    「日和……日和……」
     耳元で息を乱しているところから、晴美がそれに興奮していることなど容易に理解できた。
     気持ちいいのだ。
     オナニーのために動く日和の腕が、股下を擦る感触に晴美は快感を覚えている。
     ただ自分自身の快楽だけでなく、もう晴美に性感を与えてしまっているのだ。自分がそんなことをしている事実を思うと、日和は余計に赤面した。
    「向き、変えてくれる?」
    「……うん」
     日和は晴美に背中を向け、すると晴美は背中に密着するように抱きついた。背中全体に胸板をべったり押し付けながら、日和の腹へ腕を巻きつけ、首筋に顔を当てて匂いを嗅ぐ。これだけでも、日和はもうどうにかなりそうなくらいドキドキしたが、その上お尻に当たるべきものが当たってくるのだ。
     男の硬い硬い突起物が、日和の尻に押し当てられる。
     これがもう、効いていた。
     自分がこれから、どんな風にされるのか。どれくらい、晴美にカラダを食べられてしまうのか。不安なようでいて期待感もあり、日和は大人しく晴美のされるがままとなっていた。晴美の男としての欲望を受け入れるために。
     腹に巻きつく腕が、上へ上へとスライドした。そのまま乳房を持ち上げられ、ドキっとするような接触に身を竦める。
    「スカート。後ろの方を全部捲って?」
     耳元で囁かれた。
     お尻を全て出せというのだ。この、硬いものを押し当てられた状況で。
    「うん。こうかな……?」
     日和は恐る恐る後ろへ手をやり、丈を掴んでずりあげる。生の剥き出しになったお尻に向かって、肉棒が途端にぐいぐいと押し付けられる。
    「あっ……」
     享楽の声が上がった。
     晴美は押し込まんばかりに強く押し当て、腰をずり回して尻と肉棒の摩擦を作っている。さながら腰を振るようにしてみたり、押し当てたまま左右にぐにぐに動いたり、要するに股間を使って日和の尻を撫で回す。
     お尻が使われている。
     割れ目や尻肉に向かって如実に伝わる肉棒の形に、日和はいいようのない緊張を覚える。これが電車の痴漢だったなら確実に不快で気持ち悪いが、相手は晴美だ。想いの相手に自分を味わってもらえていると思うと、恥ずかしいようで、ちょっぴり嬉しい。だからなのか、こんなことをされて喜んでいる自分がいた。
     むしろ、晴美のものに興味すら沸いている。ふつふつと静かに煮えるような緊張があるものの、お尻に感じる肉棒の形に意識がいく。そこに神経を集中し、晴美の一物はどんな形状をしているのか、細かなフォルムまで想像しようとする自分がいた。
     自分はエッチな子だろうか。
     なんて、想像を巡らせる自分に対して思ってしまう。
    「向こう向いてみよっか」
    「え、あっちって……」
     晴美に体を動かされ、身体の向きが変えられる。
    「ほら、向こうには普通に人が歩いているよ」
     茂みの奥で見つかりにくいとはいえ、ただでさえあった緊張感がこれ以上ないほどに増幅して、日和の表情は石のように硬直した。仮に通行人がこちらをちらりと覗いたところで、確かに二人がなにをしているかなどわかるまい。カップルが密着して、愛し合っているようには映るだろうが、まさかノーパンのお尻にぐりぐりと押し当てられているなど、到底見ただけではわからない。
     だから、ばれないといえばそうなのだろう。
     しかし、日和にとってこれはばれるばれないの問題じゃない。それでなくとも野外なのに、こうして道行く一般人の姿を見せられれば、自分たちがいったいどんな場所で行為に及んでいるのかという事実を嫌というほど思い知らされる。
    「僕達って、すごいいけないことしてるよね。もし警察にばれたりしたら、これって捕まったり補導されるようなことだよね――たぶん」
     性に対する背徳感。罪の意識をほじくられる。
    「うん……そうだよね……」
     ぺろり。
    「――あっ」
     耳を舐められ、小さな鳴き声をあげた。
    「いけない子だね。日和って」
     腹に巻きつき、乳房をさりげなく持ち上げている腕の一本が、右手が日和の唇へと運ばれた。瑞々しい桜色の膨らみを撫で、口内へと指を差し込む。こうして伸びている腕は、やはりさりげなく乳房を潰していた。
    「私……いけない子……」
     だから、いけないお仕置きをされるのだ。
    「胸も、お尻も、大きくてたまらないよ」
     そんな言葉を囁かれ。挿入された指で口の中を犯される。日和はその二本を重ねた指を自ら舐め返し、火照った顔で目を細めながら咥え込んだ。
     そして、日和は再び秘所へ手を伸ばす。
    「うぅぅぅ…………」
     スカートの中をなぞり上げ、背中をゾクっとさせるような快感に肩を震わせた。
    「えっちな日和。このお尻はとってもすごいよ? ほら、割れ目に沿って腰を持ち上げるように動かすとね。一人のお肉がたぷんとくっついてくるんだよ」
     耳元で、晴美はお尻の感想を述べてくる。
    「ほら、わかる?」
     晴美は強く腰を押し当て、割れ目に沿って力強くスライドさせる。
    「こうすると、密着してるからお尻の肉が持ち上がるんだよ? でね、割れ目の中にぎゅうって包まれていくのがすっごく気持ちいい。日和のお尻、最高」
    「――うううっ、駄目ぇ……」
     自慰の手が激しくなり、日和は淫らに息を乱した。
    
    
    


     
     
     


  • 第8話「オナニープレイ」

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     晴美は胸に日和を抱き締め、人目も憚らずに背中を撫でる。胸板に向かって豊満な乳房が潰れてきて、ゴムボールのような弾力を意識せずにはいられない。この密着感と温もりを味わおうと、腕の中により強く締めつけた。
    「人前だね」
    「……うん」
     人通りの中で抱き合うなど、晴美自身周りの目を意識しないわけではない。ちらちらと背中に視線を向けられているようで気になるし、もしも知り合いにでも見られたらと想像すると気が気でないところはある。
     もっとも、元の町からは一駅分離れたここで知り合いが通るなど、さほど起きやすい事例とはいえないが、完全には安心できない気持ちだった。
     なのでそのままベンチの裏側へ、茂みへ移動してからその背中を撫で回す。
    「……ねえ、晴美君」
    「なに?」
     日和は恥ずかしそうに、ほっそり言う。
    「履いてないのに一人になるのは怖いから、私から離れるのは禁止だよ? 私の手の届かないところへ行くのは駄目」
     そう言って、まるで人形を手放そうとしない子供のように、日和は晴美の背中へ回したでて強く衣服を握り締めた。
     ドキっとした。
     健気に離れまいとするか弱い挙動に心臓が跳ね上がり、晴美はその体を大切に抱き締める。
     日和の言いたいことはよくわかった。
     欲望のままに乳房へ触れてしまい、てっきり不快な思いをさせてしまったものかと猛反省するところだったが、あれは嫌だったから上げた悲鳴などではない。ただ、おさわりを受け入れる心の準備が出来ておらず、日和自身でも準備不足が自覚できていなかっただけの話だ。
     そう示したいがために、埋め合わせをしたいがために日和はパンツを脱いでいる。
     自らをノーパンという状況に落とし、変わりとなるプレイをさせてくれようということだ。
     おかげで佐藤日和という人間が少しずつわかってきた。
     日和は根は普通の女の子で、人並みの恥じらいこそ持ってはいるが、マゾスティックで見られたがりな性癖を抱えているのだ。だから一度スイッチが入ったり、心の準備が整っていれば下着姿は見せられるし、手で大事な部分さえ隠していれば全裸にさえなってしまう。
     基本的には平凡な少女。
     ただ、少し変わった部分がある。
     それだけ――というには色々と体験しすぎているが、言うなればそういうことだ。
     晴美が相手だからこそ、日和はこうして健気に体をくれているのだ。
     ならば、自分も日和だけを見ていなくては――と、晴美は密かに気持ちを固めた。
    「僕には日和だけだから、日和に色々させてもいいかな」
    「いいよ。なんでも聞く」
    「スカート、たくし上げて? くっついていれば誰にも見えないでしょ?」
    「――う、うん」
     日和は明らかに耳を染め上げ、恥じらいからくる躊躇いを見せていた。いくら人から見えないとはいえ、密着度合いから晴美にすら中身は覗きようがないといっても、こんな一般人のいるような野外でスカートを持ち上げるなど恥ずかしくてたまらないはず。
     それを、やらせる。
     まるで小動物でも苛めるような快感を覚え、晴美は悪魔的な嫌らしい笑みをニヤニヤとこぼさずにはいられなかった。
     ――ああ、僕ってSなのかな。
     我ながら自覚していた。
    「じゃあ、やるね?」
     日和は随分とやりにくそうに、抵抗ありありながらも、晴美の望みを忠実に守って、身体の密着しあった狭間でミニスカートをずりあげた。
     これで、生のアソコが晴美の体に接触していることになる。
    「私……丸出し…………」
     声が震えている。
     羞恥心が高まると、人はこんなにも声色が変わるものなのか。声帯からぶるぶる震えた声が出るものなのかと、どうでもいいところに関心してしまうほど、日和の声は恥ずかしさの色に染まっている。
    「そうだね。こんな場所でアソコ丸出しだね」
     晴美はわざと、日和の耳元へ恥ずかしい言葉を囁いた。
     もちろん、間違っても無関係な一般人には聞こえないよう声量には気を遣うが、悪魔ぶった囁きで意地悪を言ってやるには、これだけ密着していれば小さな声で十分だ。
    「そんな……」
    「ねえ、毛は生えてるの?」
    「そんなこと、こんなところで……」
    「教えて欲しいな。今、こんな場所で」
     日和の表情は本当に、歪んだ。ここまで豊かに表情筋は動くのかと、またも関心してしまいほどに日和は羞恥で顔を歪めて、いかにも恥ずかしそうに頬を赤く染めている。
    「…………………………………………生えてる」
    「ん?」
    「生えてるよ」
     震えた声で、無理をして平然さを装っているのがなんとも意地らしくてたまらなかった。
     可愛い、クラクラする。
     ただ異性の肌が密着しているだけでも、男が興奮するには十分だ。それでなくとも、実は下半身に血流が集まっているところを、日和の仕草一つで、声色一つで、果てには顔を見るたびに胸がきゅっと引き締まり、息苦しさに体力を奪われる。
     それだけ、晴美の目には日和が可愛らしくてたまらない存在として写っていた。
     もう駄目だ。
     もっと、色々しないと気がすまない。
     この子猫のように可愛い自分の彼女を、もっとたくさん苛めてあげたい。
    「オナニーしよっか」
     晴美は意地悪く囁き、そして――。
    「――え?」
     日和は目を丸めていた。
    「だから、オナニーだよ」
    「え、でも……。こんな場所で……」
    「こうしていればバレないでしょ? それに、やっぱり外じゃできることなんてあまりないし、頼めることなんてこれくらいしかないよね」
    「そ、そうだろうけど……」
    「そうなんだよ。わかっているなら、やってみよう? ね、日和」
     要求する内容はそれなのに、しかし晴美は、まるで大人が子供を諭すような口調を使って優しげに強要している。
    「…………うん。でも、ついちゃう」
     日和が気にするのは、単なる恥ずかしさ以外にもそれがあった。
    「ついちゃうって、なにが?」
    「わかってるくせに……。その……私の…………エッチな汁が…………」
    「愛液がついちゃうかもね」
    「そ、そう。だから……」
     さすがに嫌だろうか。
     それとも、苛めて平気だろうか。
     どうしたものかと読みかねる。
    「……どうしても、して欲しい?」
    「――うん」
     日和の方から聞き返され、流されるように頷いた。
    「じゃあ、してあげる」
     日和はもぞもぞと腕を動かし、密着した身体の隙間に腕を滑り込ませる。手の平をアソコへやり、ずり上がったスカートの中を弄くり始めた。
    「始めた?」
    「……うん。私、こんなところで……。こんな……オナニーしちゃってる……」
     声が震えていた。
     触っているのだ。
     日和は自らの秘所へ指をやり、縦筋を上下になぞっている。腹に当たってくる腕の動きでその様子は生々しく想像できた。
    「恥ずかしい…………」
     真っ赤な顔を肩へ埋めて、日和はアソコを貪り続ける。
    「気持ちいい?」
    「……うん」
    「どれくらい?」
    「…………すごく」
    「もう濡れてる?」
    「………………うん」
     日和は恥ずかしそうに頷いて、自分の秘所の具合を小声で伝える。
    「蒸れるぐらいに濡れてきて……それで……表面に触ると、もうヌルヌルしてるぐらいに濡れてきてるよ」
    「じゃあ、そのまま続けて」
    「うん……」