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  • 妖精弓手の身体検査

    
    
    
     冒険者とは所詮、信用や信頼がなければ無頼漢に過ぎない。
     そして冒険者ギルドで扱っている商品とは、信用と信頼に他ならない。
     信用と信頼を得るために、ギルドがいかに冒険者を管理しているかのポーズがいる。
     それが定期の身体検査だ。
    「なッ、何よ! 男だけって!」
     信じられずに喚く声。
     検査対象は妖精弓手だった。
     しなやかな全身を狩人装束で覆い、背には大弓。
     見目も麗しい細見の女だ。
     その耳は、まるで笹歯のように長く伸びている。
    「女は担当から外れたのだ」
    「色々と都合というやつだ」
    「何、ただの検査だ。気にする必要はない」
     男達は二十人近い。
     別に妖精弓手がどうということではない。
     しかし、個人で力を持つ冒険者が、その気になって暴力で抵抗すれば太刀打ちできない。
     誰であれ、対策として人数を入れ、さらには依頼で雇った冒険者まで立ち合いにつける。
    「オルクボルグ! なんでアンタまでいるのよ!」
    「頼まれたからだ」
     こんな場所でも鎧を纏い、兜も脱がない男がそこにいる。
    「親切な俺がフォローするけど、こいつは昇級の査定に立ち会うと思っていたらしいぜ」
     この場で一番ニヤけている雇われ男は、女の裸目当てに依頼を受けた。
     信用や信頼を損ない、昇格の芽を失うが、雇われ男はそれでも裸を見たがる人間だった。
    「本当でしょうね?」
     疑いの眼差しを、妖精弓手はゴブリンスレイヤーに向ける。
    「以前。受付嬢に頼まれたからな」
    「ふーん? 一応信じてあげるけど、知り合いまでいるっていうのに……」
     身体検査においては脱衣が要求されている。
     巻尺で胸囲などを計測し、穴の中身を調べて、記録に書き込み書類を作る。
    「俺も知り合いに見られた」
    「オルクボルグも?」
    「受付嬢だ」
    「そ、そう……」
     諦めて脱ぐしかない。
     妖精弓手は背中の大弓と、腰の矢筒をテーブルに置く。
     首の結び目を解き、マントを外した。
     ブーツを片方ずつ、グローブも片方ずつ、生の手足が曝け出される。
    「お? お?」
     雇われ男は明らかに期待の眼差しを浮かべた。
     ここから先は、一枚脱ぐたびに露出度が上がっていく。
    「そんなに珍しい? これだから男って」
     妖精弓手は嫌そうな顔をする。
    「俺はアンタみたいな美人が来るって聞いて依頼に飛びついたぜ」
    「最低……」
     美人が脱ぐのに、注目しない男はいない。
     露骨にニヤけるのは雇われ男一人だが、この場の男達も内心期待を膨らませる。
     妖精弓手が衣服の丈を持ち上げ、脱ぎ去っていく瞬間を誰もが見逃すまいとする。
     視線の重圧をひしひし感じ、脱ぎにくくなる一方だ。
    「余計なお世話かもしれんが」
     ゴブリンスレイヤーが言う。
    「余計な口を開くべきではない。降格や依頼停止処分を受ける可能性がある」
    「へいへい。なら黙ってますよ。へへっ」
     ゴブリンスレイヤーのおかげで、雇われ男のお喋りはなくなるが、顔つきは同じ。
     ニヤニヤして、妖精弓手の脱衣に好奇心を膨らませている。
     一応お礼は言うけどと、ぶつぶつと呟きながら、妖精弓手はいよいよ脱ぐ。
     視線という視線の中で、だんだんと丈を持ち上げていく。
     上半身はブラジャー一枚となった。
    「別に大したことないわよ? どうせただの検査だもの」
     ベルトを外し、下も脱ぎ、妖精弓手は完全な下着姿。
     上下とも、下着は薄緑だ。
     頬に朱色が差し掛かり、それが耳にも広がっていく。
     声は少し震えていた。
    「こんなのさっさと済ませてやるわ」
     ブラジャーの留め具を背中で外し、妖精弓手は控え目な乳房を露出した。
    「~~~~~~っっっ!?」
     いざ晒せば、妖精弓手は想像以上に顔を歪め、赤面の色を濃くしていた。
    「大丈夫か。熱っぽいぞ」
    「うるさいわよ! オルクボルグ!」
    「すまん」
    「あなたも黙ってて頂戴」
    「そうしよう」
     ゴブリンスレイヤーは黙り込む。
     次が最後の一枚だ。
    「さ、さてっ、あとはこれだけねっ、これ脱いだらさっさと済ませて頂戴っ」
     そう言って妖精弓手は腰をくの字に、緑のパンツに指をかけるが、なかなか脱がない。
     いや、脱げないのだ。
     乳房を晒しただけでさえ、空気が丸ごと一変した。
     最後の一枚を失えば、男達の視線がより強く、雇われ男もよりニヤける。
     しかし、ここまで来て脱ぐに脱げず止まったままでは、余計に長引く。
    「ふん! どうってことないわよ!」
     そう主張する妖精弓手の頭は沸騰している。
     パンツを下げ始めれば、尻に視線が集中していく。
     腰をくの字にした脱ぎ方が、後ろに向かって少しずつ尻を見せているのだ。
     パンツが下がるにつれ、尻の割れ目の線が伸び、露出度愛が上がっていく。
    「さ、さあ! 脱いだわ! すぐ! さっさと済ませて!」
     完全な丸裸となり、妖精弓手の両手は自然に動き、大事な部分を覆い隠す。
     アソコを手の平にぴったり覆い、腕で乳房を力強く守っている。
     太ももまで強く引き締めていた。
     この中の誰か一人にでも、アソコを見られる可能性をなくそうとする。
     肉体がそのように動くのだ。
     強張った肩が高らかに持ち上がり、唇の周りにある表情筋肉が強く力む。
     頬も硬く、目は涙ぐむ。
     そして、赤く染まりり上がった首から上は、まるで生まれつき肌の色が違うかのよう。
    「隠していては時間がかかりますよ?」
     男達の中から、一人が言った。
    「わかってるわよ!」
     妖精弓手は自分の両腕を動かせない。
     隠そう隠そうとする思いは強く、体がなかなか動かない。
     ただ気をつけの姿勢を取るだけで、妖精弓手にとっては重労働になっていた。
    「これで文句ないでしょ!?」
     平らめの、控え目な乳房から乳首が尖る。
     あれほど隠したワレメの部分も、男達の視線の中に晒されている。
     妖精弓手は無数の視姦の中に放り込まれた。
     じいっ、じぃぃぃっ、じっ、じい、じぃぃ――二十人以上の目。
     ありとあらゆる視線が、妖精弓手の表情と身体を見比べる。
     乳房を眺め、アソコを見る。
     尻の丸みを観察する。
    
    *
    
     これからブラジャーが見えようというところで、その顔は赤らみ始める。
     腰はくの字に折れ、知らず知らずのうちに後ろへ尻を突き出してしまう。
     ――と、こういったことを彼は速記していく。
     検査の記録係なのだ。
     妖精弓手の言葉、表情、様子は何もかも書く。
     記録係のペンは踊るように走り抜け、妖精弓手の指先一つの挙動も見逃さない。
     面白い、楽しいに決まっているからだ。
     男の裸ばかりで飽き飽きしていた。
     そんな時、妖精弓手のような美貌の裸体に浮かれないはずがない。
     妖精弓手の裸体がいかに艶やかで良いものか。
     記入係は力の限り書き尽くす。
    「ああもう! 時間かけないでよ!」
     巻尺でスリーサイズを測ろうとする男に、妖精弓手は喚いていた。
     誰だって、この面白い時間を早急に切り上げるのは、勿体ないと思うはず。
     男はゆっくりとにじり寄り、胸に巻尺を巻き付けたあと、目盛り合わせに手間取った。
     わざと、手こずってみせているのだ。
    「こんなのいつまで……」
     巻尺によって隠れた乳首が、乳輪だけをはみ出させる。
     やっと数字が読まれると、記録係は当然書き込む。
    「――!?!?!?!? こ、声が大きいわよ!」
     バストサイズを大声で発表されたことで、目を大きく見開き、パチクリさせた。
     面白いくらいの動揺だ。
     続けてアンダーバストとウェストの計測。
     もちろん、若干手こずってみせている。
    「本当にいちいち……!!!」
     数字を読めば、そのたびに妖精弓手の顔は歪んだ。
     表情がコロコロと移り変わって、わかりやすく恥じらう。
     そんなもの、見ていて飽きないに決まっている。
     ヒップサイズを測る時だ。
    「――ひィっ!?!?」
     尻にぺたりと手を置く測定者の行動はナイスと思った。
     触られた瞬間の、何よりもびっくりした顔。
     それに、背筋を反らさんばかりにピンと伸ばす反応。
     傑作じゃないか。
    「ちょ、ちょ、ちょ、ちょっと……ッ!?」
     顔つきが慌てふためき、口を大きくパクパクさせる。
     尻をよく可愛がり、撫でている男の手つきの、なんとねっとり厭らしいことか。
     どんな感触がするだろか。
     きっと、とても柔らかい。
     こちらからは尻が見えないのが実に惜しい。
     が、指をぐにっと食い込ませ、揉むことまでしているはずだ。
    「いい加減に――」
     怒った妖精弓手が、咎める言葉を放ちかけると、その瞬間にすっと手が離れた。
    「むぅ……」
     何も言えなくなり、黙る妖精弓手の、ムスっとした顔の可愛さ。
     尻に巻尺を巻き付け、ヒップサイズを読まれる直前になると、妖精弓手は目を伏せる。
     ぐっと真横へ瞳をやり、俯いている妖精弓手は、まるで判決を下される前の罪人だ。
     大きな声で発表されることを覚悟していた。
    「――――っっっ!!!」
     そして、読まれた瞬間の、ぐっと唇を引き締めた顔もなかなか。
    「これでスリーサイズは済んだぞ?」
     と、ピシっと尻を叩かれると、いい音がここまで聞こえて来た。
    「やめなさいよ……ッ!?」
    「まあまあ。あとは乳首と性器と肛門の計測だけだ」
     妖精弓手には非情な宣告も同じだろう。
     そう聞かされただけで、うぐっ、と息を呑んでいた。
    「オルクボルグ! ここで見たもの聞いたものは全部忘れること!」
     矛先はゴブリンスレイヤーに向けられる。
    「善処しよう」
     彼はただ淡々と返すのみ。
     どうせ忘れやしないだろう。
     知り合いの裸を見て、記憶に焼き付けようとしない男はいない。
     記入係はぐっと期待を寄せ、さらなる計測の場面を待ち構えた。
     
          *
     
     測定者の男は定規を片手ににじりよる。
     物の長さを測るだけの道具。
     今の妖精弓手には、これが剣や弓のように恐ろしいはずだ。
    「や……嫌……」
     ともすれば、後ずさりをして逃げ出しそうな妖精弓手に興奮する。
     自分に怯える女の、なんといいことか。
     女を襲うやれ盗賊だのゴブリンだのは、きっとこんな気持ちに違いない。
     ある意味、冒険の方がマシではないか?
     こちらが野蛮な小鬼なら、向こうは好きに反撃すればいい。
     身体検査の場で、それはできない。
     逃げることもなく、戦うこともなく、定規を持つ男の接近をただ受け入れる。
    「測るぞ? 動くなよ?」
     ぺたりと、小さな胸に定規を当てた。
     薄らかな山が定規の形に沿って潰れ、乳輪の部分に目盛りが合わさる。
     ここまで迫れば、口付けさえできるほど、妖精弓手の顔は目前。
    「何よ……」
     顔を反らしきっている妖精弓手の、尖った耳の先っぽが、測定者を向いている。
     その「何よ」という問いに向け、測定者は乳輪の直径を発表した。
    「……ッッ」
     歯を食い縛っている様子がわかる。
     拳も握り締めていた。
     さらに乳首のサイズも測り、次は下の方の計測だ。
    「立ったままでは測りにくいな。テーブルで横になって、脚を広げるんだ」
    「んな……ッ!? で、できるわけ……」
     さらに追いつめられた顔をして、頬を引き攣らせる。
    「さっさと済ませたいんだろう?」
    「それは……そうだけど……」
    「やるしかないな」
    「あ、ははっ、本当に……最悪……ッ!」
     もう笑うしかないといった心境なのか。
     テーブルに乗り上がり、その上で仰向けになる。
     男達が総じて一歩距離を詰め、より見世物らしくなっていく。
     妖精弓手は両腕でがっしりと胸を隠す。
    「何よッ、いいでしょ別に!」
     測定者がその挙動を伺うと、こちらは何も言っていないのに喚いてきた。
     自分もテーブルに迫りつつ、わざと横へどいてやる。
     しっかりと閉じた脚が左右に開く瞬間を、みんなに見てもらおうという計らいだ。
     今、妖精弓手は再びアソコを隠している。
     足首がクロスのように重なり合い、その下に隠れて性器は見えない。
     一度視線から保護したものを、再び視姦に曝け出すのは辛いだろう。
    「何よみんなして。そんなに見なくてもいいじゃない……!」
     妖精弓手は目に恥辱を浮かべ、一筋の涙までこぼしていた。
    「早く済まそうじゃないか」
    「だから、わかってるわよッ!」
     見せればいいんでしょ! と、やけくそに開脚する。
     その解放の瞬間を大勢で目撃し、大勢の目がワレメを各々の記憶に刻む。
    「ところでオナニーをしたことはあるか?」
    「はぁ!?」
     目が大きく見開かれ、驚いた顔で妖精弓手は喚き散らす。
    「あるか?」
    「あるわけないでしょ! 何聞いてんのよ!」
     さて、この瞬間だ。
    「嘘だな」
     一人の男が言う。
     ここには《看破》を使う男もいる。
    「やめなさいよ! 奇跡をつかってそんな質問!」
    「これは面白い。ゴブリンスレイヤーとの性交を妄想してオナったのか」
     その小鬼殺し本人がいる中での暴露である。
     いっそ全員が見知らぬ他人であった方が、いくらかラクだったろうに。
    「いやぁぁぁぁ! 聞かないで! 聞かないでオルクボルグ!」
    「善処しよう」
    「兜の下の素顔を知っているらしいな。それで、エロい目で見るようになったか」
    「実は俺も見たことあるぜ。ゴブリン一匹、金貨一枚の後にな」
     雇われ男は実に久々に口を開いた。
    「なかなかの美形らしいな」
    「そりゃあ、妄想のネタの一つにもしようものか」
    「はははは」
     妖精弓手のオナニーを肴に雑談の輪が広まっていく。
     それでいて、足を閉じようとする気配があれば、必ず誰かが注意した。
     誰もがアソコを眺める。
     測定者だって眺めている。
     妖精弓手のこの性器が、まさにオナニーに使われたものだからだ。
    「いいから! いいから早く終わりなさいよ!」
     必死に喚いていた。
    「その通りだ」
     その時、ゴブリンスレイヤーが言う。
    「身体の計測と聞いている。オナニーについて尋ねるのは何故だ」
    「なあアンタ。あいつはお前でオナニーしてたんだぜ?」
     雇われ男がゴブリンスレイヤーの肩に絡んだ。
    「そうらしいな」
    「もっと知りたいとは思わないのかよ」
     悪ガキが優等生をイタズラに誘おうとする嫌らしい笑みそのもの。
    「何をだ」
     ゴブリンスレイヤーの表情はうかがい知れない。
     そもそも、素顔は兜の中にある。
    「は、何をって。指は挿れるのかとか、どんなプレイの妄想かとか」
    「性欲。好奇心。いいだろう。そういうものが俺にもあることは認めよう」
    「だろ?」
    「だが、今回の身体検査には関係がない。俺が受けた依頼は検査への立ち合いだ」
     淡泊な反応に、さすがの雇われ男も白けていた。
     それが伝染したように、他の男達も冷めていく。
    「さて。ま、続きといくか」
     気を取り直し、測定者はアソコのワレメを定規で測る。
     その数字を大きな声で発表する。
    「くっ――!!!!」
     それに妖精弓手は顔を歪める。
     今度は中身を開いた。
     なるほど、いい色合いをしている。
     綺麗なピンク色の中身は、膣の奥から滲む愛液で、キラキラと輝いている。
     クリトリスのサイズを測り、膣口の直径も読み上げた。
     性器について調べ尽くされ、妖精弓手の頭は沸騰している。
     検査マニュアルによれば、あとは穴の中にも――。
    
         *
    
     いやぁぁぁぁぁ! 指がっ、指が入って来る!
     濡れたアソコは簡単に指を呑み込み、きゅっと下腹部が引き締まる。
     ――そんなとこ、なにもないわよぉぉ……。
     膣内に収まる指の存在が、妖精弓手の意識をごっそりとかき集める。
     太く、立派で、関節が骨で膨らむ指だ。
     膣壁をなぞり、探られると、こんな大勢の中で妖精弓手は乱れかねない。
     お願い……やめて……!
     感じている姿を誰にも見られたくなんてない。
     妖精弓手のまぶたはぎゅっときつく閉じ合わさり、開く気配はどこにもない。
     しかし、クリトリスに指が当たった途端だ。
    「――ひっ」
     甘い痺れが弾け、驚いて目を開くと――。
    
     じぃぃぃぃぃぃ……じぃ……。
     ジィィィ――。
     じっ。じっ。じろっ。
     ジィィ――ジィ……じぃ……。
    
     たくさんの視線が、自分に降り注がれているのを目の当たりにした。
     テーブルで仰向けの、それも脚を開いた姿を、集まってみんなで眺める。
     覗き込んで来る顔という顔が、ニヤっと歪んでいた。
     私……こんなにたくさん見られて……。
    「よし、次だな」
     測定者が指をアソコから引き抜くことは、妖精弓手にとって救いにならない。
    「四つん這いになってもらうぞ」
    「~~~~~っ!?!?!?」
     頭が破裂するほど感情が膨らんで、妖精弓手は顔中から汗を噴き出す。
     顔の汗だけで、首から上の肌一面がまんべんなくしっとりしていた。
     赤面の生み出す熱が、どこか汗を蒸発させているようで、顔から蒸気が出て見える。
    「す、すぐ……すぐ……終わるっ、わよ……ね……?」
     どこか壊れた声を履き、妖精弓手は身体を返す。
     四つん這い。
     それも、胸と頭は低くして、尻だけを高くせよとの要求だ。
     ――こんなお尻見せびらかすみたいなポーズってある!?
     尻の割れ目が開け、肛門が丸見えとなる体勢は、そこに視線を集中させる。
     ――やだっ、お尻の穴が……!
     視線という視線の数々を感じれば感じるほど、妖精弓手の肛門はヒクっと動く。
     ぺたりと手の平が乗せられて、妖精弓手はぶるっと震えた。
     生温かい、測定者の手が、がっしりと尻肉を掴む。
     次にあるのは定規の固い感触と、そう来れば直径が発表された。
     ――お尻の穴まで測られて……もう死にたいわよぉ……!
    「最後に肛門の皺の数を数える」
    「な、何よそれ!」
     そんなっ、まだこの格好でいろって!?
     じょ、冗談じゃ……。
    「ゴブリンスレイヤー。しっかりと立ち合ってやれ」
    「わかった」
     冗談じゃないわよ!
     尻の真後ろの位置に、鎧を着込んだ気配が立つ。
     身内にさえ、肛門がよく見えている状態で。
    「一、二、三、四、五、六――」
     カウントが行われ、皺の本数まで知られることとなった。
    
         *
    
     オルクボルグは何もかも知っている。
     あの名も知らぬ男達も……。
     嫌、嫌すぎるわよ……こんな……誰か全員の記憶を消してよぉ……。