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  • 羞恥 男女混合内定者健康診断「断ったら内定取り消し!」





    今作も恥じらいの仕草や表情でいっぱいでした。

     まず手始めに、男にじーっと見られながらストッキングを脱ぐこととなり・・・・・

      脱いでいる最中

     「ひゅ~♪」

      と、わざとらしい口笛を吹く通行人が通るのですが・・・

      大慌てで丈を下げ、隠そう隠そうと必死になっちゃう姿が拝めます。

      画像だからわかりにくいのですが、すごい反射的に隠していました。

      よーく注意してみたらわかったのですが、この序盤にあるシーン。

      慌てたこの子はまず、スカートの方を下げ直そうと急ぐのですが、

      焦るあまりに手こずったのでしょうか。

      結局はスーツの丈で頑張って隠しているのです。

       ***

      そして、次は体重測定にて脱衣が求められます。

    看護婦「ブラジャーとパンツだけになって下さい?」

      なんて指示が平然と出されるわけですが、
      果たして男性は何人いるでしょう・・・?

      ちょっと字が汚いですが、
      画面から見切れてるのをカウントすると、
      女の子が服を脱ぐ場所に居合わせている男性は15人はいますね。

          そして・・・・

     みーんなニヤニヤと眺めていますねぇ?

     画面にところどころ映る男達の顔・・・・

     その視線は確実に脱衣の瞬間を目撃している。

      そんな状況下で下着姿にさせられる気持ちは果たしてどんなものなのか。

     こういう遠くにいる男性陣もみんな見ている中なのに。

     男達はパンツが見えるたびに「おお~~~~~!!!」と歓声を上げたり、

     ブラジャーが取れた瞬間に「ぷりんぷりーん」なんて言葉を投げかけたりしています。

     スリーサイズが読み上げられても、

     やっぱりそのたびに「おお~~!!」「ほうほう」などなど。

     歓声によるリアクションが流れてきます。

     裸を見たコメントを呟く声が聞こえてきたり、いやらしさに満ちた表情の男がいたり、

     女性を恥ずかしい気持ちにさせる舞台装置は万全なのですね。

     好奇心に満ちた空気の中で、それでも脱がなくてはならない女性達・・・・・・

     身体測定の場面では、そんな雰囲気がしっかりと出ていたと思います。

     乳がん検診で乳を揉む際、みんなの方を向かされてしまったり

     四つん這いのお尻も見学されてしまいます。

     そして、肛門をチェックするシーンもあるので、
     登場女性全員の肛門の皺の本数や直径までわかっちゃいます。

     (無論、男達が見学している中で・・・・)

     いつも通り、興奮する内容でした。

     FANZAで購入

     


  • 一度はやりたい 女子高の健康診断医


     
     
     
          これは良い検査AV

      きちんと学校検査に徹していて、きちんとフェチマニア向けにできていました。

      医者の前で体操着をたくし上げ、触診で胸を揉まれる光景をたっぷりと楽しめます。

      この作品は7つのパートに分かれていました。

     ○着替え&身体測定
     ○健診パート①
     ○検尿パート①
     ○健診パート②
     ○検尿パート②
     ○健診パート③
     ○個別健診

      健診と検尿がそれぞれ①とか②とかに分かれていますが、
      女優が違うだけで診断方法の違いなんかはありません。
      人数が多いから、それぞれパートごとに区切りをつけながらやっているようでした。

      検尿パートは全てトイレで紙コップに出しているだけなので、
      医者の前で放尿みたいなことはありませんでした。
      (というか検尿③がなかった)

      では詳しいレビュー

      まずは最初の着替えシーン


      お喋りで騒がしい様子の教室で、女の子達が制服から体操着へと着替えていきます。
      何故か首から下ばかりが映っていて、個人の着替えをじっくり見せたり、
      顔が見えやすいようなアングルがなかったのが個人的には気にかかる。

      とはいったものの、ショーツの上にブルマが被さり、
      ゴムの端からプニっとお尻がハミ出るまでの一連の光景は、
      なんだかんだいって見ていて楽しい。



      ↓持ち上げる際にショーツがハミでる。
       でも直すというシーンも見れました。



      身長測っているシーンとかは、イメージ映像風に流れる程度。
      普通に体操着を着ているので、あまり力は入れていなかった感じですね。

      自分の身長聞いて
      「変わってなーい」とか
      「伸びた伸びた!」とか
      「え、変わんない」みたいな

      数字でいちいちはしゃいでいるノリは、学校らしさを出せていたと思います。



      本番は健診パートからですね。

      椅子で順番待ちの生徒が、服を脱がずにブラジャーを外すテクニックを使用。

      そして、医師の前に座るという流れ。



     1:首のリンパ触診
     2:おっぱいにメジャーを巻く
     3:聴診器を当てる
     4:おっぱい触診



      健診パートは全てこの流れです。

      上記で述べました通り、①や②に分けられているけど内容は同じです。

      サディスティックヴィレッジなら、もっとギョウチュウ検査やモアレ検査など、
      他の検査内容をやっているところなんですが、この作品は項目が少ないのが惜しいですね。

     
      とはいえ、おっぱいへの責めがその分なかなか執拗です。

       微妙に位置を変えながら押し込んだり、乳首を責めたりなどしています。




      触診では鷲掴みにして、乳首をつまんでみたり。
      指でさーっと撫でるような触れ方をしたり。
      時間をかけておっぱいを責めていました。




      聴診で1~2分以上
      触診で1~2分以上
      胸囲も何十秒かかけているので、

      全ての女の子が合計五分近くほどおっぱいを出し続けているわけですね。

      最後の個別診断では、気になった子を各自呼び出し。
      それぞれ詳しくチェックするというわけですが、
      ここで再登場するのは4人だけみたいですね。

       まずはおっぱい再チェック

       ショーツを脱いで・・・・・・

      

       四つん這いとなり・・・・・・

      

       丸出しのお尻を『診察』してしまいます。

      

     「お尻の穴見られるの初めて?」
     「……こんなところ見られるの初めてです」
     「じゃあなおさら診てあげないとねぇ?」

      と、羞恥を煽るやりとりがあったのもツボ。

      肛門に力を出し入れさせるプレイがあったのも最高です。

      動画じゃないとわかりにくいかもしれませんが、
      ギューっと力を入れ、そして力を抜いています。

          

      医師の手によってまで開閉されたり、
      じーっと観察されたりしてしまいます。



      恥ずかしそうに隠しているのも可愛らしい。


      この可愛さの子の肛門を観察したかと思うと得した気分になりますね。




      それによく見るとこの子、肛門にホクロあるんですねぇ?

       

      ちなみにこの葉山未来ちゃんだけにおまけセックスシーンがありました。

     FANZAで購入
     
     


  • 羞恥!新卒内定者入社前健康診断

      検査着の中はショーツ一枚という格好を強要

      男女混合でそれは非常に気になるため、当然「え?」ってなる。
      気になって気になって、つい尋ね返していた。

     「あのぅ、ブラジャー外すんですか?」
     「はい。外しますよ?」

      ものすごーくケロっと答える。
     
     

     
     
      みんな内心、そんなのは嫌だと思っている。
      どこか明るさのない着替えに・・・・。

      ストッキングを脱ぐ際は、みんな一旦タイトスカートを持ち上げるから、
      一瞬だけストッキング越しのショーツが見えるのがとても良かった。
      そして、黒いストッキングが剥けていき、生足が露出する瞬間のたまらなさがある。
      着替えシーンの収録はグッド。

      その次のシーンでは看護婦が検査着の中身をチェック。
      みんながきちんとブラジャーを外しているかの確認となる。
      約二名が、ブラジャーを付けたまま来てしまっていた。
     
     

     
     
      こんな人の通る場所で、ブラジャーを外すことを強要されてしまうことに。

     「安部乃さん。結構可愛いブラジャーしてますね」
     「そんなので検診に来たんですか」

      羞恥を煽る言葉をかけられ、元気のない顔になっていく一同。
     
     
     
     
      身体測定の場にも普通に男が。

      まずはバストとウェストのために上を脱がされ、
      ヒップを測るためにショーツまで下げられてしまう。
     
     

     
     
      男の視線のある中で見える尻がたまらない。

      検尿のためのオシッコシーン。
     
     

     
     
      レントゲンでも全裸にさせられボディタッチ。
      この辺を押し当てて、もうちょっとこの辺を!
      みたいにオッパイに触れたり尻に触れたり。

      「ここ!ここ大事だから!」

     というシーンは、アングル的に男の手が見えにくいのが残念
     叩かれてプルプルいっている尻が見えればよかったのに・・・。
     もっとも、パンパン音が聞こえてきて、表情を変える女性はたまらない。
     
     

     
     

     次の人が待ってるから、忙しいから、外で着替えてね?
     という可哀想な扱い。
     男全員の視線が着替えをジロジロ見ているのが良かった。
     
     

     
     乳がん検診ではこの状態で待たされる。
     

     ちゃんと調べてる感のある手つきは嬉しい。
     しかも、医師に背中を向けるせいで揉まれる胸が外から丸見え。
     
     


     
     
     ギョウチュウ検査は乳がん後。
     
     


     
     
     そのまま肛門を広げて肛門診察。


     
     
     1:46:50過ぎにあるお尻を叩くシーンも、黒塚的にはかなりツボだった。

     「わかりました」→ パン! →「はい。検査は以上でおしまいですよ」

     じっと下を向いたまま出て行く姿もたまらない。
     
     

     
     
     心電図。衝立こそあるものの、普通に隣から見えちゃう・・・・。

     


     
     
     隣に女性の方がいるのに男が裸を拝むのも、羞恥を煽っていますねぇ。
     
     

     性器検診では男の見学者がいっぱい(笑)
     視線の中でショーツを取られ、股を開く気持ちといったらないでしょうね。

     「健康ですねぇ?」
     と言いながら、指に絡んだ分泌液を本人に見せつける。

     あとは個人検診で一人ずつまた性器などを調べつつ、そこで本番シーン。

     いつも通り、なかなかのものでした。

    FANZAで購入
     
     


  • 羞恥!社内緊急OL健康診断2014編

    (どうやら販売ページから削除されており、FANZAからは購入できないようです。ご購入をお考えの方は、中古販売または別の販売サイトからお探し下さい)

    恥ずかしい内容の検査は行っています。

    ・尻を高く掲げてのギョウチュウ検査
    ・男性社員の見ている中での乳がん検査
    ・アソコの触診や経膣プローブの挿入

    などなど。

    あとは少し特殊というか見ない感じのネタだったのは、身長計で身長を測る際にストッキングを脱ぐというものです。

    体脂肪率を測る機能があるらしく、静電気が発生するからという理由で、看護婦のおばさんがストッキングを脱ぐよう指示。

    「え?ここでですか?」

    という反応を当然女子社員は行います。

    OLの履くタイトスカートは中高生の学校スカートと違ってお尻にぴったりしているので、 中が見えないよう気をつけて脱ごうとしても、どうしても手を入れる際にスカートが持ち上がる。 パンツに包まれたお尻が見えてしまうというのが良かったですね。

    ただ、Tバックを履いている女性が見受けられました。

    この作品はタイトルにも緊急とついている通り、下着を選ぶ準備もなくいきなり診断となっているので、 確かに地味なものを選んで恥ずかしくないようにしてくる、という対策は取れません。

    しかし、一般の女性は普段からTバックを履くのでしょうか?

    別にそういう統計を見たわけではないので、実際の割合はわかりません。 が、Tバックの女性が多いか少ないかと問われれば、普通は少ないと想像するのでは・・・。

    何故、そこをTバックにしてしまうのでしょう。

    もちろん尻たぶを拝めるという利点はありますし、好きな人は好きなのだと思います。

    それと、背景から鳴る電話の音がうるさい・・・・・・・・・・。

    仕事場に医師や看護師がやって来て、そこで診断ということなので、 女性が健康診断を受けている周りでは男性がデスク業務を行っています。 当然、電話が鳴ることぐらいあるでしょう。

    鳴りすぎなんです。

    ちょっとやそっと鳴るのではなく、普通に延々と、動画の再生時間中まるまる鳴り続けています。

    ・・・・・・・・・・・・・さすがに鬱陶しいのです。

    しかしまあ、もっと控えめにしておけば、周囲では仕事をしている! っていう雰囲気作りの役には立ったかと。



  • 羞恥 新入生 発育健康診断2014春

    これは素晴らしい羞恥作品です。

    何が素晴らしいかって、この表情です。

    診断系のAVとして、お約束の恥ずかしい検査を受けているわけですが、 きっちりと顔が歪んで恥ずかしがっている表情はたまらないものがあります。

    ↑こんなことをされたら恥ずかしいに決まっていますからね。

    このように、恥らっている気持ちを表現しようとする演技があったのが良かったです。

    空気を読まない肉棒やセックスシーンに邪魔される事なく(最後にオマケとして入っているだけ) 羞恥チックな検査に悶える女の子を存分に楽しめるようになっていて、おまけに恥らう表情まで作っているのですから最高と言わざるを得ません。

    この思いっきり目を瞑ってるところなんか、ツボをわかっていらっしゃるとしか。

    画像なので微妙な表情の揺れまでは伝わりませんが、この顔つきの変化を実際に動画で見ることの楽しさといったらありませんでした。


    行われた検査としては、身長計測、お尻の触診と注射、内科検診、乳がん検診、心電図、尿検査、ギョウチュウ検査、性器検査などです。

    また、お尻に体温計を挿入し、採便(ガラス棒挿入)を行うシーンもあります。(上の画像はそのシーン)

    周りの男子を気にする挙動、耐えるような喘ぎの声

    検尿シーンでは自ら壇上に上がっていき、放尿を見せるために下着を脱ぐ。

    その瞬間がたまりません。

    本当に羞恥マニアへ向けた一作でした。

    ところがFANZAのレビューでは

    「240分もあるのに絡みの無い女優がいるとか。 AVとしては見ないほうがいい。」

    と言っている方がいました。

    絡みが無いことを理由にしていることから、おそらく内容趣旨を理解せずに買ったと思われます。

    マニアからの視点を一切捉えていない批判なので、あれは参考にしないで下さい。

    まあ、評価なんて人それぞれですが・・・。

    明らかにマニア向けのものに対して、セックスシーンが無いor少ないなんて事で批判を述べる。

    さすがに気にかかったことがあるので、ここからはレビューとは関係の無い内容になりますが。

    この作品だけでなく、他の健康診断や身体測定系の作品においても、「絡みがない」といった理由で評価を低くつけてしまうユーザーがいます。そして、マニアでも何でもない人によってレビューの☆の数が少なくされているケースというものがあったりします。

    つまり、羞恥マニアではない人間によって、セックスシーンを期待している人間の手によって☆の数を低くされ、それが検索結果に繁栄されてしまうというケースが存在するのです。

    それがそのキャプチャです。

    こうして検索結果に出てくる評価を下げているのは、実は非マニアの人間かもしれない。

    そのレビュー内容に羞恥がしっかり表現されていたか、 健康診断ものとしてどうだったのか、 といった意見が含まれていない場合があるのです。

    羞恥マニアとしては、それでは参考になりませんよね。

    ここまで読んで下さった方々に呼びかけたいのは、

    DMMで羞恥系の作品を検索した
     ↓
    だけど評価が低いなぁ・・・・
     ↓
    じゃあチェックしなくていいや

    とはならないで欲しいということです。

    ・ちゃんとサンプルやあらすじ等から吟味した上で判断すべし。
    ・レビューで言っている意見が的を射ているかどうかには注意すべし。

    以上です。
     
     
    FANZAで購入
     
     
     


  • アソコも調べる! 文香の発育検査記録


     
     
    第1話「有明文香の性癖」
    第2話「下着を見せた体験」
    第3話「発育検査開始!」
    第4話「たまらなく恥ずかしい」
    第5話「検査後の夜」
    第6話「担任の企み」
    第7話「無神経な男子」
    第8話「発育調査面談」
    第9話「剃毛について」
    第10話「オナニーについて」
    第11話「自慰行為への言及」
    第12話「レポート提出」
    第13話「直腸検温」
    第14話「エロス三人衆」
    第15話「レポートとオナニー」
    第16話「いざ脅迫」
    第17話「全裸視姦」
     
     
     


  • 時槻雪乃の精密身体検査(中編)

    前編 後編

    
    
    
     十分だけの休憩時間。
     ひとしきりの測定のあと、雪乃はさらに医師から内科検診を受け、胸と背中に聴診器を当ててもらってからの休憩である。恥部まで見られた測定に比べれば、何でもないことに感じられたが、雪乃は常時視線に囲まれているのだ。
     聴診と、軽い視診、問診。
     眺めても面白くないではずの光景を、検診には絡まない残りの男性全員が、観賞していた。
     だから雪乃は、程度の違いはあれど、恥ずかしい思いを一切の途切れも無しに、常時感じ続けている。
     部屋全体の空気が変質して、それが原因だといってもいい。
     居るだけで心を羞恥の色に染められ、恥ずかしい気分にさせてくるような、視線に満ちた部屋の空気の影響。
     普通に生きていれば吸う機会などなかったはずの空気に、しばしは息苦しい思いをした雪乃だが、この空間で過ごすこと自体には慣れていた。
     正確には、諦めたともいえる。
     例え雪乃が抗議屋で、気に入らず、疑問のある事には反抗する生徒だったとしても、部屋の空気全てを入れ替えるなど不可能だ。諦めて、この空気を吸い続ける。それしか道がないせいで、雪乃の心はほぼ自動的に諦めへと誘導されていた。
     とはいえ、だ。
     部屋の空気を吸い慣れたからといって、雪乃の中から羞恥心そのものが消えてくれない。いっそ、こんな〝普通〟の女の子が持つような感覚は、消えてくれれば楽だと思う。雪乃にとって、煩わしいばかりの感情だが、いくら胸の中から追い出そうと気を張っても、深く根を下ろしたように離れてくれない。
     そうした中で内科医は、聴診を終えた最後に乳房を眺め、雪乃の二次性徴に遅れや異常はないかを視診した。この時の医師の視線は、例えるなら機材を点検する技師のような目つきだったが、それこそ、まさに調べられている実感が強まった。とても、恥ずかしかった。
     そうした内科検診を経て。
    
     そして、やっとの休憩なのだ。
    
     十分間は休んでいいことを告げられ、ようやく精神的に休めることを期待した雪乃は、直後に希望を打ち砕かれる。
     せめてその十分くらい、服で体を隠していよう。
     どうせまた晒すのに、無駄なのはわかっていたが、精神的な疲弊を和らげるにはちょうどいい気がしていた。
     そう思って、脱いだものを投げ込んである脱衣カゴから、服を手に取ろうとした時だ。
    「あ、衣服はこちらで預かりますので」
     職員が即座に現われ、脱衣カゴを抱えて、雪乃の目の前から服を持ち去ってしまったのだ。
    『残念だったわねぇ?』
    「……うるさい」
     雪乃は椅子に座り込み、なんとなく胸を腕で覆い隠して、不機嫌そうなむすっとした顔で過ごしていた。
     休憩中まで、ショーツしか身につけることを許されない。
     いや、それどころか。
     この分では、全ての検査が終了するまで、衣服が返還されることは期待できない。
     検査にかかる数時間ものあいだを、雪乃は丸々裸で過ごさなくてはならないのだ。
     今日の校舎には関係者しかいないというが、これで廊下に出る気には到底なれない。ここで過ごすしかない雪乃は、椅子に座って足腰を休める以外にやる事がなかった。
     大人達は思い思いに部屋の中をうろつき、雑談を交わし、廊下で外の空気を吸いに出ているのにだ。
     雪乃だけが、服を着ていない。
     休憩時間で雪乃がしたことは、この空気の中で単に座って過ごすという、本当にそれだけだった。
    
         †
    
    「ではショーツを脱ぎなさい」
     休憩終了後。
     すぐの言葉がこれだった。
    「…………」
     雪乃は何も言わない。黒いショーツに指をかけ、あとは下げるだけの体勢に入ったまま、静かに周囲を睨んでいた。
     立ち合いと称して、どうせ見学がしたいだけであろう教師陣。一応、担当する検査があるのだろうが、雪乃を辱めることに変わりの無い数人の医師。いる必要のわからない、スーツを着た年齢のバラバラな関係者達。
     その誰もが雪乃を包囲し、これから最後の一枚を脱ぐことになる雪乃を見守る。
     脱衣に関する配慮はない。
     彼らは無言で、みんなの見ている前でのショーツの脱衣を要求していた。
    
     じ――
     じぃ――
     じぃぃ――
     じっ――
    
     幾つもの視線が四方から、雪乃に刺さる。腰も乳房も、太もも、お尻、背中やうなじ。ありとあらゆる箇所を、まるでレーザー照射で焼かんばかりに眺めている。
     大量の視線に熱され、皮膚神経が焼かれるかのようだ。
     雪乃を恥ずかしい気持ちにさせ、屈辱感を浴びせるためだけの特殊な空気が、検査となった途端に濃度を増している。空気を注入される風船のように、ただここにいるだけで、羞恥と屈辱の感情がみるみると膨らんでいた。
     こうしてみると、休憩時間のいかに楽なことだったか。
    「……」
     雪乃は拳でショーツの両側を握り締めた。
     先程は脱衣カゴを持ち去られ、雪乃の衣服は手元にない。これを脱ぐということは、ショーツまでもが相手側の手に渡るであろうことを意味している。おそらく、最後の最後まで返却されないまま、終了時間まで全裸で過ごし続ける事になる。
     その上で、脱がなくてはならない。
     しかも、これから下腹部の検査を受けるための覚悟という、理不尽な決意が要求されている。
     雪乃はかなり、不服だった。
     不満だし、不愉快だし、恨めしい。
     しかし、これはそういう制度であり、規則だ。いくらおかしいとは思っても、こうして手筈が整っている以上、従うしか道はないのだと、雪乃は思っている。今まで同じ検査を受けた、過去全ての少女も同じだろう。
    
     ギロッ
    
     雪乃は周囲の男を睨んだ。
     この場で可能とされる、せめてもの抵抗だ。
     示すのだ。
     自分は好きで検査を受けているわけではなく、不本意でここにいると。できるなら、とっくに指示を無視したり、然るべきところへ抗議していると。
     従って当然。脱いで当然と言わんばかりの、恐ろしく腹の立つ大人に向かって、反抗心を丸出しにした。
     そして、いかにも態度の悪い顔つきで――。
    
     すっ、
    
     雪乃はショーツを脱ぎ始めた。
     だが、尻の割れ目がほんの少しだけ出たところで、雪乃はすぐに躊躇う。
    「……っ」
     やはり、恥ずかしい。
     もう一度は見られたあとだが、つまりは再び、さっきまでと同じ恥ずかしさを味わうということだ。固い鎖のような抵抗感が雪乃を縛り、締め付けている。
     こんな恥じらいは、普通の世界に生きる別の生き物達が持てばいいものだ。自分は安穏な生活を捨てている。化け物であるためには、必要ない。
     そんな気持ちで、雪乃は自分の羞恥心を自戒する。
     その反面、たかだかこんな奴らの前で脱いでやるなど、猛烈なまでに癪なのだ。
     そうした、胸の中でのせめぎ合い。
     少女としての恥じらいを切り捨て。<泡禍>を狩る怪物であろうとする心。ところが、怪物であるからには、〝普通〟の世界に生きる連中ごときに、裸を見せてやるたくもないプライド。
     雪乃の心はそういう風に入り組んでいた。
     その果てに、鎖を引き千切るくらいに気を張って、雪乃はさらにショーツを下げていった。
     ゆっくりと、重い動作で。
     こんなことを強要される、屈辱を噛み締めながら。
     皮を丁寧に剥くかのように、黒いショーツに隠れたお尻が、少しずつ肌色の面積を広げ、しだいに顔を出して行く。お尻の肉が出れば出るほど、尻の見える位置にある限り全ての視線が、糸を束ねたように集中する。
     出力が増しているといってもいい。露出が広がり、尻の割れ目が線を伸ばせば伸ばすほど、それを目に焼き付けようとする視線は強まる。そんな出力を増した視線に、ますます熱く肌を焼かれる心地がした。
     そうして、丸い尻たぶをまんべんなく丸出しにして、その下にある秘所はまだ見えない、といった位置まで下げたところで。
    
     ぴたり。
    
     そこで一瞬、雪乃は止まった。
     気づいたのだ。
     このまま、腰を折り曲げた前屈姿勢になっていけば、また秘所と肛門が丸見えになる。
     それは、嫌だ。
     確かに、どうせまた見られる。隠すだけ無意味だが、必要のないタイミングで、見せる秒数を増やしてやるほど、自分はサービスの良い女じゃない。その気になれば、ここにいる全ての人間を殺せるのだ。
     ここまでされながらも、一般人を相手に<断章>を使い出さないだけ、まだ寛大だと思って欲しい。
     それが雪乃の抱く、正直な感情だった。
     無論、彼らは<泡禍>や<断章>の事など知りもしないわけだが。
     ともかく。
     無駄に見せる時間を増やさないために、雪乃は床に膝立ちになる。腰をくの字に折るにつれ、お尻も同時に下げていくような形で、ショーツも一緒に下げていた。
     前が見えないように気を使って膝を立て、体育座りに近い姿勢で、足首に向かってショーツを進める。
     雪乃にとっては、プライドからなる行動。
     だが、この一連の行動は、どうすれば秘所が見えにくい脱ぎ方になるのか、試している光景そのものに見えた。
    「ふむ」
     誰もが事務的な顔をして、露骨な表情など一人もしていない男達だが、全員が正真正銘事務的なわけではない。本心ではいやらしい気持ちを抱き、好奇心から雪乃の体を目に焼き付けている男が、この中には一体何人か。
     そうした彼らにしてみれば、今の雪乃の脱ぎ方も、見ていて楽しい光景だった。
     そんな事を知ってか知らずか。
     何にせよ、脱いでやった。
     脱ぎ去った雪乃は、アソコを手で隠して立ち上がる。
    「それをこちらへ」
     一人の中年が雪乃の前へ歩みより、ショーツを手渡すようにと、手を差し出してきた。
    「…………」
     雪乃は無言で、出された手を睨む。
     そして、中年の男を睨んだ。
     股間に手を乗せ、耳まで赤いその顔で、雪乃はそれでも敵意を剥き出したような鋭い目つきを相手に送る。
    「さあ」
     圧力で押し潰してくるかのような、重い一言。
     だが、その態度に折れたから従うわけではない。自分の心を刻んで糧とするためだけに、雪乃はここにいる。
     それを示すように、敵意を表に出した睨み顔で、心の中ではふつふつと怒りを沸騰させながら、脱ぎたてのショーツをその手へ、ゆっくり差し出す。
     大切な下着を手放す、途方も無い心細さに襲われつつ、さらに熱い羞恥心で心を煮立たせた状態で、雪乃はショーツを手渡した。
    「黒だね」
     それはやけに重々しい、厳格な口調だった。まるで会社の重要な用件でもあるかのような、微塵のいやらしさもない事務的さで、わざわざ色を声に出す。
    「刺繍は華やかで、横を紐で結ぶのか」
     雪乃の目の前でぺろんと広げ、書類でも確認するような顔つきでショーツを眺める。
    「裏側はどうだ?」
     中年はさらに、ショーツを裏返し、股間の部分についているわずかなシミの痕跡に注目した。
    「……っ!」
     雪乃は強く、顎の力の限界まで歯を食いしばり、ぎしぎしと歯音を立てた。
     それはおりものの跡なのだ。
     衆人環視の中でショーツを脱がせ、自ら手渡す行動を指示した上に、それを本人の目の前で眺めてみせる。加えて、裏返してシミの部分まで見てくるのだ。
     所持品チェックの必要がある種類の犯罪者ですら、よしんば全裸検査があったとしても、本人の見ている前で脱がせたショーツを広げる真似はしないはずだ。
     つまりは、それ以下の扱い。
     中年はそのまま別の男へショーツを手渡し、雪乃にとって最後の衣服は、先の脱衣カゴ同様に部屋の外へと持ち出された。
     もう、雪乃自身では回収できない、場所もわからないどこかで、全ての衣服は管理されている。
     全検査の終了まで、全裸で過ごすことが確定した。
    
         †
    
     ショーツを取らせておきながら、次に行われるのは眼科検診や耳鼻科検診といった、下半身とは関係のない内容ばかりであった。
     その最中、胸とアソコを両方隠しても文句を言われないのは幸いだが、必要性もなかったのに、彼らは雪乃の全ての衣服を没収し、雪乃の手の届かないどこかへとやったというわけだ。
     もう、逃げられない。
     実はそういう逃亡防止策だろうかと、薄っすら思う。
     もちろん、好きで恥部を見られたいわけがない。もしこのままアソコの検査がないのなら、その方がありがたい。ただ、すぐにアソコを見るのから脱がしたのかと思いきや、まるで関係のない内容ばかりが続く。それはそれで脱がされ損で、何故そんな指示を出したのだ、という意味で腹が立つ。
     だったらこれらの検査を先にして、その後で脱がせてくれれば、それだけ裸でいる時間は減るというのに。
     無駄な引き伸ばしに思えて、不愉快だった。
     生尻で椅子に座って、鼻や耳、眼球を見てもらう瞬間の、自分の無意味な格好があまりに惨めでならなかった。
     この上、視力検査も行われた。
     右手で遮眼子を持ち、左手でアソコを隠し、カバーしきれない胸と尻を視線に晒しての視力検査は、ランドルト環の方向に集中しにくい。濁流のように押し寄せる恥じらいと惨めさの感情に頭が満たされ、視力なんかよりも、この状況をもっと憤りたい気持ちでいっぱいだった。
     そんな状態で、雪乃は検査をこなしていた。
     小さなランドルト環のわずかな隙間は、さすがに見抜きにくかったが、どうにか雪乃本来の視力を発揮し、結果が低くなるような事態にはならなかった。
     別に、視力で本来の結果が出なかったとで、何を困るわけでもなかったが。
    
    「ええと、次は心電図ですね。用意していたベッドで、横になって下さい」
    
     これも、ただの脱ぎ損の内容だった。
     指示通りに仰向けになった雪乃は、むすっとした顔で胸とアソコを隠していたが、すぐに手をどけるように注意が飛ぶ。両手を横へ下ろすことになるも、かといって秘所の付近に電極をつけるわけでもないらしく、無意味な露出だ。
     アソコと乳房が、理由もなく眺め放題になっている。
     そんな雪乃を見るために、当然、ベッド周りは男に囲まれ、彼らは思うままに雪乃の肉体を眺めていた。固く突起した乳首に目をやり、毛が茂っているアソコを視姦する。男達の視線を浴びるためだけの、仰向けという姿勢だ。
     医師は黙々と電極を取り付け、四肢と胸部から波形を取るための準備にかかっているが、どうでもいい。雪乃にとっては体を拝まれる続けるだけの、屈辱の時間に過ぎない。
     ――殺すわよ……。
     声に出すわけにいかない変わりに、心の中でそっと呟く。
     そして、自分を眺めるためだけに集まる、いる意味のない男達を、雪乃はやはり睨み返していた。顔の筋肉を限界まで強張らせた、雪乃にできる最大限の不機嫌な表情を、視姦者でしかない連中へ向ける。
     ただ、それだけが続く時間。
     見下ろす男性陣と、見上げる雪乃による、雪乃が一方的に不利なにらめっこ。雪乃の感覚的にはそれだけで時間は進み、その脇で進行する心電図の検査作業など、自分を見下ろす男達の顔が鬱陶しいせいで、意識の中心にはおかれなかった。
     睨み合うだけの、ある意味正真正銘の睨めっこで、雪乃に勝ち目はなかった。
     どんなに顔を不機嫌にして、鋭く睨む視線をしても、顔が始終真っ赤なまま色が引かない。常に羞恥心をくすぐられ続ける環境の部屋では、赤面した顔の色が決して引かない。あるとするなら、恥の程度によっては濃度が変わるくらいで、赤面自体が解けることはありえない。
     もし顔の色が戻るとしたら、全てが終わって衣服が返され、ここから解放される時だけだ。
     雪乃はつまり、ただ最後まで全裸でいるだけでなく、羞恥心の丸わかりな赤面すら直せない。その真っ赤な顔から、どれほどの感情量で恥らっているのかが、常だだ漏れになり続けるのだ。
     そんな雪乃が敵意や反抗心を表情に浮かべても、恥じらいがブレンドされ、純粋に反抗的な顔つきは作れない。羞恥と屈辱の表情、惨めそうな顔つきといった、必ず不純物が混入する。
     今の雪乃に純粋な敵意は出せなかった。
     それを眺めて楽しむ男達と、殺気を剥き出して出来るなら相手を萎縮させたい雪乃による、多数対一人によるにらめっこ。雪乃だけが一方的に屈辱へ沈んでいき、男達は最後まで優越感に浸っていた。
     そうした状況を背にして、医師達による心電図検査の作業は完了し、検査は次へ移っていく。
    
         †
    
     ぺた、ぺた、ぺた――
    
     それは廊下移動。
     次はレントゲンを撮るらしいが、肝心のレントゲン車はなんと校舎の外にあるという。
     雪乃はそこまでの移動を強要され、歩いていた。
     当然、全裸のままだ。
     レントゲンを担当するらしい医師と、立ち合いと称した職員の背中をたどる形で、ぺたりぺたりと、スリッパで廊下の床を打ち鳴らす。
    
     ぺた、ぺた――
    
     例え人がいないとはいえ、いつもなら生徒の往来している廊下で裸など、露出を強要されている気分だった。
     すーっと、空気が肌寒い。
     大気が肌を撫でるという、ごく当たり前の日常的現象に、全裸という理由だけでやけに意識がいく。すーっと、すり抜けるような風が乳首を掠め、秘所を丸出しにした股下を通過する。
     どうしようもなく、落ち着かなかった。
     例えるなら、クラスを間違えて教室に入ったり、学年の違う廊下を一人で歩くような場違いの気分。それをもっと、裸という理由で増幅させた落ち着かなさで、全身がそわそわした。
     第一、服を着ないで廊下を歩くこと自体が、捕虜か囚人の受ける扱いを連想させて、雪乃を一層屈辱に浸らせる。
    
     ぺた、ぺた――
    
     一体、何をしているのだろう。
     化け物であろうとしてきた自分が、屈辱でしかない扱いを受けている。
     捕まり、連行でもされる扱い。
     悔しくてたまらず、ただうな垂れて廊下の模様でも眺めているしかなかった。
    
     ぺた、ぺた――
    
     惨めで、悲しい。
     だが、心が折れてやるなど問題外だ。これしきで泣いたり、喚いたりするようでは、自分の目指すところの化け物が遠のいて終わりである。
    
     ぺた、ぺた――
    
     雪乃は屈辱を堪え、廊下を進み、階段を下りる。
     やがて外用のサンダルを出され、履き替え、下駄箱から校舎を出る。
    「~~~~~~っっっ!」
     裸体に日光を浴びた雪乃は、恐ろしく顔を歪めて俯いた。
    
     ドクン――ドクン――ドクン――
    
     早鐘のようになった心臓が小刻みに音を立て、鼓膜の内側がうるさいほどに、大きな鼓動を慣らしている。
    
     ドクン――ドクン――ドクン――
    
     自分で病気を疑いたいほど異常なまでに、雪乃の心臓は鼓動していた。
    「――――――!」
     声にならない心の悲鳴が、雪乃の顔面を満たしていた。
     もう、どうにかなりそうだった。
     屋内なら、着替えや入浴時に脱衣はするので、まだしも裸のありえる場所だ。もちろん廊下や教室で、ましてや不特定多数の人前で脱ぐなど非日常だが、例えどんなに恥ずかしくても、冷静さだけは保てていた。
     だが、外は違う。
     レントゲン車は校門の中までやって来ていて、桜の木や体育倉庫が遮蔽物となるので、なるほど一般人には見られない。しかし、外の他人に見られるかどうかの問題よりも、外で全裸でいる事実の方がよっぽどの大問題だ。
     おかしくない理由さえあれば、室内での着脱はありえるが、野外での全裸など何をどう間違ってもありえない。あるとしたら、せいぜい露出狂が裸で外に出たがる時だけだ。
     さしもの雪乃も、気が狂いそうなほどに動揺し、今までにない必死さで恥部を腕で覆い隠したまま、逃げるようにしてレントゲン車へと小走りした。
     そして、中へ入ると。
     まるで命からがら助かったかのようにホッとして、雪乃はようやく息を落ち着けていた。
    
     ――むすっ
    
     すぐに不機嫌な顔に戻った。
     何を慌ててしまったのだろう。
     どうせ、見られている対象は変わらない。新たに一般人が視姦に加わる心配などなかったのに、条件が同じなら、素肌に感じる冷たい空気が外か室内かなどどうでもいい。必要以上に焦るだけ焦っても、無意味だ。
     自分がいかに無様だったかを考えて、自戒した。
     ホッとしてみたところで、結局は全裸に変わりないことも含めて、自分を戒めた。
    「では撮影を行いますので、そこへ胸を押し当て、機材を抱きかかえるようにして下さい」
    「……はい」
     不機嫌に答えて、雪乃はレントゲン機に乳房を当てる。
     部屋が一時的に暗くされ、そのあいだにレントゲン写真は撮影されて、そう時間がかかることなく終了となる。
    「さて、戻りましょうか」
    「……はい」
     今まで来た道を、逆戻りだ。
     また廊下を歩くことに憂鬱になりつつ、雪乃はレントゲン車を出て校舎の中へ戻っていった。
    
         †
    
     次に行う内容。
     それは雪乃の全身という全身をくまなく視触診し、各部位の形状と触感について品評する。といった、極めて不快で気持ち悪い、屈辱的なものだった。
    「これは骨格や肉の付き方を調べるものです。皮膚の異常の有無、しこりの有無などを調査、健康を測るといった意味合いも含むものです」
     中年の職員が説明する。
    「体を触る内容ですが、指示のない限りは必要以上に動かないように。あまりに身をよじったり、万が一にも抵抗されては、検査の進行に支障が出ます」
     あらかじめ決めてある文章を、事務的に堅苦しく暗唱しているような、形式的な喋り方。
    「頭の後ろで両手を組み、足は肩幅程度に開き、背筋を真っ直ぐにしなさい」
     それも、形式的な指示。
     雪乃は不服そうな顔で従った。
    「さっさと済ませて下さい」
     自分を取り囲む医師達に向かって、雪乃はただそれだけ、いかにも不機嫌そうに言い放つ。
    「よし、じゃあ始めるか」
    「はいはーい」
     さあ仕事だ、とでもいったノリで、白衣の医師達は雪乃の視触診へ取り掛かる。
    「さて」
     まず雪乃の正面に立つ中年医師が、おもむろに乳房を掴む。
    「!」
     あまりにも当然のように揉み始めるので、雪乃は困惑気味に顔を歪めて、すぐに諦めに怒気と悔しさを含んだ表情になっていく。
     胸が堪能されていた。
     中年医師は機材の点検でもする顔つきだが、その手は乳房の表面をゆったり撫で、存分に形を確かめてから包み込む。
    「うーん」
     鷲掴みにして、まわすようにして揉みしだき、触り心地を確認している。探るような顔と手つきから、単に揉むのでなく、調べているのだろうことがよくわかった。
    
     モミモミモミモミモミモミ――
    
     乳肌の内側を探るべくして、指を躍らせ揉んでいる。
     やめて欲しい。
     そんな雪乃の本心などまるで無視して、ただただ、平然と揉み続ける。
    
     モミモミモミモミモミモミ――
    
     中年医師にとって、雪乃の体は故障の有無を確認すべき機材に過ぎない。機材をチェックする程度の気持ちで、まるで人格の存在など無視して、平気で乳房を『点検』する。
     品質チェックのような顔で、中年医師は手先で乳房を救い上げ、下からプルプル揺らしてみたり、乳首を摘んでその硬さを確認している。人差し指でプニっと押したり、何度も表面を撫で直し、繰り返しもみ続ける。
    
     モミモミモミモミモミモミ――
    
     雪乃は唇を結んで、グッと堪える表情で、内心では動揺しながら我慢していた。恥ずかしくて堪らないあまりに、目の前の男にビンタでもして怒鳴ってやりたい。暴力を行使してでも発散したい、悔しさからなる衝動を抑えている。
     あなたなんて、殺せるのよ。
     と、心の中で呟くために。
     <泡禍>とは関係ないという理由で、見逃してやるために、我慢していた。
    
     モミモミモミモミモミモミ――
     モミモミモミモミモミモミ――
     モミモミモミモミモミモミ――
    
     耐え続けた。
     おっぱいが恥ずかしいなんて理由で人を焼くほど、安すぎる怪物にならないために。
     ただそれだけのために、雪乃は全てを堪えていた。
    
         †
    
     乳揉みは一向に終わらない。
    「形はまあ美乳だし、普通に健康だね。柔らかくて、単純にいいオッパイだよ」
     と、中年医師。
     それはやはり、品質の点検をした結果を報告するような口ぶりで、いやらしいわけではない。ただ、デリカシーがないことに変わりはない。品質チェックのような、ある意味での物扱いもさることながら、健康なおっぱいと言いつつ、中年医師は揉むのをやめない。
    「もうちょっと乳首を調べようかね」
     指責めが桜色の突起へと集中し、雪乃は悶えた。
     硬く敏感になっている部分が、丁寧に指で捏ねられては、不本意な快感が乳房に満ちる。
     雪乃はそれすら、耐えなくてはいけなかった。
    「僕が後ろの方を」
     若手医師が雪乃の背中で、まずは雪乃の肩から二の腕にかけてまでを掴んで揉んでくる。やはり、探るような手つきで皮膚を調べて、チェックしている動作である。
    
     クリクリクリクリ――
    
     前では乳首を弄られながら。
    
     モミモミモミ――
    
     後ろから、肩と二の腕の肉が揉まれている。
     若手医師の手つきは、さわさわと表面を撫でるようなものへと変わり、くすぐったい感触がうなじへと動いてくる。背中にかかった髪をどかしつつ、首の骨にそって指を這わせ、さらに耳まで触ってきた。
    
     クリクリクリクリ――
    
     前で、乳首を弄られながら。
    
     若手医師は肩甲骨に手を這わせ、しだいに背骨にかけて背筋全体をマッサージして、上半身の背面を調べていく。
     生肌をこうして触られるのは、十分に不快で嫌なことなのだが、先により酷い目に遭っているせいで、相対的にどうでもいい。そんなことより、乳首を指で弾いたり、撫でたりされ続けているせいで、乳房に走る性感が気になって仕方が無い。
     いつまでそうする気でいるのか。
     こんな奴の手で、多少なりとも感じる体が憎いし、その原因となっている男も殴りたい。
     それを雪乃は堪えるのだ。
     本来なら背中の生肌も大事だが、悔しさや憤りを覚える対象としては、胸や乳首の方が遥かに優先だ。先によっぽど恥ずかしい目に遭っているので、背筋に指が張ってくる恥じらいなど心の中で置いてきぼりになっているほど、雪乃にとっては乳房の方が大問題だ。
     それでも、背中がくすぐったいのは事実で、加えて乳首が感じてしまう。
     雪乃はそれらを堪え、唇を固く結んだ歪みのかかった表情で世界の全てを睨み続けた。
    
     クリクリクリクリ――
    
     乳首を責められながら。
    
     さわさわさわさわ――
     腰のくびれを左右それぞれ撫でられながら。
    
     世界そのものを呪わんばかりの、何者をも殺しかねない凶眼で全てを睨み続けていた。
    
     それはやはり、恥じらいを混入させた赤面顔で……
    
    
    


  • メガネほむらのおっぱい検診

    
    
    
     私の心臓は、生まれつきとても血管が細い。
     だから、急激な運動をしたり、極度に緊張したりすると、胸がとても苦しくなった。
     いろいろな病院に入退院を繰り返し、恥ずかしい思いをたくさんしてきた。
     例えば、聴診器を当ててもらう時――。
    
    「はい、脱いでねー」
    
     上半身を脱ぐように医者に言われて、私は目の前にいる医者の視線を気にしながら、着ていたシャツをたくし上げた。
    
     ……見ないで欲しい。
    
     心の中ではそう思っていたけれど、それを口にする度胸なんて私にはない。せっかく診察してくれるのに、わざとらしく後ろを向いたり、脱衣場所を用意しろ、なんて事はとても言えずに、医者の視線を我慢しながら脱いでいくのだ。
     確かに、どうせ胸は見られてしまう。
     だけど、少しくらい配慮が欲しい。
     なのに医者のオジサンはぼんやりと私の脱ぐところを眺めていて、私としては視線が気になって脱ぎにくい。
     私はたどたどしくシャツを持ち上げ、服の中から首を出し、両腕を順々に抜いて、まずは一枚脱ぎ去る。そうして、上は下着姿になった。
     すると、看護婦の人が私の服を預かって、カゴの中へと畳んでしまう。
     なんだか、心細い。
     服を取られるということが、まるで自分を守る存在を失うことのように思えて、心細くて不安になる。
     それに、恥ずかしい。
     たった一枚脱いだだけでも、肌の半分以上が露出されるし、今日のブラジャーの柄も確実にチェックされてしまう。もちろん地味なものを選んできたし、医者がそんな目で私なんかを見ないとは信じているけど、恥ずかしいものは恥ずかしい。
     脱ぐという作業を見られるのも、なんだか気まずい気がするのだ。
     でも、脱がなくては検査はできない。
     私は背中のホックを外し、肩紐を下ろして、ますます心細い思いになりながら、看護婦にブラジャーを預けた。
     上半身、裸になった。
     やるのはただの診察だし、医者だって女の子の体くらい見慣れているのだと思う。何も恥ずかしがることはないと、わかってはいるのだけど、どうしても顔が赤く染まってしまった。
     診察は昔から受けてきた。
     だから、別に慣れてはいる。
     だけど、年を取るにつれ、だんだんと男の人に胸を見られるのは嫌だと感じるようになったのだ。
     私の中で何かが芽生えて、小さい頃にはなかった恥じらいが少しずつ成長して、今では赤面しやすくなった。この時間が一秒でも早く終わればいいと思うようになっていた。
    「はーい。じっとしててね?」
     医者は私の胸に聴診器をぴったり当て、心臓の音に神経を集中する。人のおっぱいなんて見ていなくて、耳に意識を集めて音を聞き分けることばかりに夢中になった様子だ。
     けれど、指は私の胸に触れかけている。
     ちょこん、と。
     聴診器を握った指が、私のおっぱいの端っこに乗っている。
     それがもう気になって気になって、指がどくように、体を動かしたくなってくる。
     もちろん、本当に動くわけにはいかない。
     医者が診察をやりにくくなる。
     だから、私は我慢するけど、胸の上で聴診器がぺたぺたと移動するたび、また別の場所に指の先端が触れてくる。おっぱいを離れたと思ったら、もう片方の胸に触れたり、乳房にべったり乗せられて、もっと乳首に近い位置までやって来た。
     もう、ドキドキした。
     聴診器のひやりとした感触が、私の胸の上を何度も動いて、指が色んなところに当たってくる。
     それが嫌で、我慢して、でもドキドキもした。
    
     超音波検査でも、裸になった。
    
     心臓に超音波を当てる方法の検査で、私はベッドで仰向けになる。
     もちろん、上半身は裸でだ。
     音波の通りを良くするという理由で、技師がジェルを塗ってくるのだけれど、そんな名目で私は胸を揉まれてしまった。
     ひんやりとしたゼリーを手に取って、技師はその塊を私の胸元へと乗せて、塗るように潰して伸ばし始める。すぐに乳房を手に包まれ、揉み始めて、私は本当にびっくりした。
     だって、ただ塗るだけだと思っていたのに。
     揉むだなんて……。
     だけど、強気になる度胸なんてない私は、ただただ時間が過ぎ去るのだけを待ち続けた。
    
     モミモミモミモミ……
    
     ジェルを塗るだけの淡々とした顔をしながら、手先ではきちんと胸を揉みしだく。
     乳首を指で摘んだり、乳輪の上を指先でグルグルと何周もし続けたり、また乳房を揉んできたり……。
     技師はなかなか、私のおっぱいから離れなかった。
    
     こういう体験ばかり、私はしてきた。
    
    
    


  • 真崎杏子 羞恥の身体測定

    
    
    
      童実野高校、教室。
     授業が終わり、教師が戸の向こうへ立ち去ると同時に、自分の席から勢い良く立ち上がる男子生徒の姿があった。
    「おう遊戯!」
     やけにニヤけた城乃内克也が、武藤遊戯の席へ飛んでいく。仕入れた話題を温め続けていた城之内は、この話を遊戯にしたくてうずうずしていたのだ。
    「なあ、お前知ってるか?」
     溜まりに溜まったお喋りへの欲求が解放され、城之内はまるでがっつくようである。
    「どうしたの? 城乃内君」
     あまりに鼻の下の伸びた顔つきに、遊戯は眉をひそめていた。
     なんというか、いやらしい。
     ボッキンパラダイスをこっそり貸し借りした時を思い出す。
    「いいか? 遊戯。これから身体測定の時期になるだろ?」
    「そうだね。身長、伸びてるといいんだけど」
    「んなこと気にしてる場合じゃねえ。こういうのってよ。男女別々になるよな? なんたって、検診で服捲るとかもあるんだからよォ」
    「そうだけど、そんな話しにきたの?」
    「そんな話じゃねーんだなぁ、これが。いいか? 遊戯」
     城乃内は遊戯の耳に顔を近づける。
     遊戯も、耳打ちの小声を聞き取ろうと首を傾ける。
     そして、城乃内は言った。
    
    「女子の身体測定ってよぉ、パンツ一枚らしいぜ?」
    
    「……え? 本当に?」
     遊戯は疑うような顔で城乃内を見つめ返した。
    「ホントもホントよ! このプリントを見てみやがれ!」
     そうして城乃内が手渡した一枚のプリントには、身体測定当日の予定や注意書きが書かれている。
     そこには確かに、あった。
    『衣服を脱いで下着一枚となり』
     という文脈からその日の段取りへと内容は流れていき、どんな検査や測定をどの順番でやるのかが、スケジュールがきっちり記されている。さらに注意が書かれている。
    『これはあくまで測定です。過剰に恥ずかしがって測定に支障をきたすことのないように』
     と、堅苦しく綴られていた。
    「城乃内君、これって……」
     遊戯は静かに城乃内を見つめ返す。
    「ああ、気になるよな? だが、よーく思い出してみろ。この予定のプリントが配られたその日、男女で別々のプリントが渡されていなかったか?」
    「そういえばそうだったっけ」
    「俺ら男子に配られたのは男子用で、女子にはこの女子用が配られたってわけさ」
    「……ということは」
    「ああ、女子はみんなパンツ一丁になるんだぜ?」
    「――ごくり」
     遊戯は息を呑んだ。
     つまり、真崎杏子もそんな格好となり、初々しく恥らうということなのだ。いつものこの学校で服を脱ぎ、肌を晒して過ごすこととなる。あの制服の内側にある以外にグラマーなボディが脳裏によぎり、遊戯はほのかに赤面した。
    「妄想が膨らむよな。こいつは」
    「う、うん。そうだね……」
     苦笑いする遊戯は、しかし一抹の不安を抱いた。
     もし、盗撮でもやらかす輩がいたらどうなるだろう。
     学校の女子生徒の裸がほとんど流出してしまう。
     自分の学校に限ってそんな事は起きないだろうが、もしかしたら、万が一、というのが気になり胸が騒いだ。
    
     ――杏子、なんともないといいけど……。
    
    
              †
    
    
     身体測定当日。
    
     真崎杏子は羞恥に激しく顔を歪め、奥歯が軋むほどに強く歯を噛み締めていた。
     ブレザーとワイシャツ、スカートを全て脱ぎ、パンツ一枚で乳房を晒すだけでも恥ずかしい。みんなで同じ格好をしているとはいえ、男性教師にそんな格好を見守られる。屈辱に耐えることを強要される悔しさがあり、それだけで嫌で嫌で仕方がないところをだ。
     杏子はセクハラを受けていた。
    (……くぅ! なによこのセクハラ教師は!)
     身長測定。
     身長計で背筋を伸ばしていた杏子は、さりげなくお腹を触られていた。
     この教師は女子一人一人が身長を計測するたび、いちいち人の腹部に手を置くのだ。さりげなく、実に何気ない動作を装って、乳房への接触ギリギリの位置まで手の平をスライドさせ、本当に触れることさえある。
     身体が身長計からズレないため、手で押さえてやろうという名目なのだろう。そんな建前で必要もないのに手を触れて、女子に不快な思いをさせている。既に順番を終えた生徒達は、測定を受けていた最中から終わった後の現在まで、みんなが嫌そうな顔をしている。
     そして、今は杏子の順番というわけだ。
     教師の名は藤砂津健吾。
    (うへへへぇ)
     ニタつきながら、思う存分に杏子の腹部を堪能している。無駄な上下反復で、肌触りを確かめている。
    「えーっと、身長はと……」
     藤砂津はバーを下ろす動作ものんびりだ。いかにもわざとらしいゆったりさで腕を動かし、バーを杏子の頭へ接近させる。その最中に意味もなく咳払いをしたり、あくびをするために手を離すなどして、何度も細かく時間を引き延ばしていた。
     もちろん、そんな事ばかりしていては時間が押す。ただの測定にそう何分もかけはしないが、その辺りまで考えて、時間が許容しうる絶妙な引き伸ばしをこの教師は心得ているのだ。
     引き伸ばしながら、その目で杏子の乳房を舐めるように視姦していた。藤砂津は杏子の乳首へ集中して、明らかにそこだけを眺めていた。
     胸が大きくお尻も丸く、グラビアアイドルと比較しても負けないスタイルをしているほどだ。そんな杏子が人一倍注目されるのは当然で、セクハラ教師にとっても最高の獲物である。
    (こいつ……)
     杏子は歯を硬く食いしばる。
     これはもう、諦めるしかないのだ。
     教室で服を脱ぎ、廊下へ並び、こんな格好で廊下移動を行うのは常識だ。
     納得はできないが、何十年も前から童実野高校ではパンツ一枚を当然としていて、それが身体測定での正装であるとさえ思われている。生徒の立場ではどうにもできず、受け入れる以外に道はなかった。
     だから杏子も泣きたい思いを堪えて諦めて、嫌々ながらも裸になった。担任の視線のある中で服を脱ぎ、全ての衣服を教室に置いたまま、屈辱に耐えながらパンツ一枚で廊下に並んだ。
     肌触りの優しい、手前に控えめな桃色リボンのついた、素材の柔らかい純白パンツだけが杏子の大事な部分を守っている。それは肌にしっかり密着し、下腹部の微妙な凹凸が見てとれるほどになっていた。
     心もとない姿で一列に並ばされ、廊下を歩かされ、こうしてセクハラまがいの測定を受けることにも、生徒はじっと堪えるしかなかった。
     乳房に手を当ててくるセクハラにも……。
    (もう! このクソおやじ!)
     杏子は激しく赤面した。
     べったりとお腹に張り付く藤砂津の手は、乳房に接触する位置の高さまで来ているのだ。丸い乳房を持ち上げて、その重量をわずかにその手に感じ取る。藤砂津は顔では知らぬ表情をしているが、心の中では杏子の胸を存分に楽しんでいた。
    (前からいいおっぱいだと思ってたんだよなぁ……)
     それが藤砂津の本音である。
     ごくさりげなくに過ぎないが、藤砂津はその手で乳房を持ち上げ、プルプル揺らす。遠目にはわからない程度のでも、杏子自身が振動を実感するには十分である。微妙な乳揺れをいいように楽しまれる不快さに襲われ、自然と表情が険しくなった。
    (や、やめなさいよ……!)
     杏子は肩を震わせた。
    (教師のクセに、一体生徒になにしてんのよ! あんたは!)
     声には出さなくとも、顔ではっきりと叱責する。
     だが、藤砂津はそんな杏子の表情を見てもニヤけるだけだ。
     恥ずかしげもなく乳房に視線を近づけ、藤砂津は丸みを確かめるようにじっくりと目で撫でる。肌の総毛立つような視姦で形も大きさもチェックされ、藤砂津の脳に焼き付けられていることなど想像するまでもない。
    「ほら、アゴ引いて」
     もっともらしい理由をつけ、杏子のアゴへ触れるため。
     藤砂津はたった一瞬だが、杏子の胸を鷲掴みにした。
    
    「……!」
    
     驚きのあまり、固まった。
     怒ったり、悲鳴を上げるよりもまず、困惑した。
    (……え? なに? 揉んだの? なんで触ったのよ!)
     ひと揉みした一瞬から、藤砂津はすぐに杏子のアゴの指を当て、顔の高さを調整させる。まるで今一瞬の出来事などなかったように。
     ――○○センチ。
     と、淡々と頭にバーを下ろして身長の数字を読み上げた。すぐ横にいるもう一人の教師が、その数字をボールペンで書き込んでいた。
    (やっぱり、いい感触だった)
     心の中で満足げになり、藤砂津は良い笑顔になっている。
     そして。
    「ほら、終わりだぞ」
     終わった杏子を手で追い払うかのように、しっし、と手を払う仕草を取った。
    (この変態教師は……!)
     途端に腹が立ってきた。
     胸を揉まれた挙句に用が済んだらさっさと消えろ。
     藤砂津が取っているのはそういう態度だ。
     そして、次の女子にも相変わらずセクハラを続けている。腹に当てた手を下へ動かし、小指でパンツの生地に触ったり、へその周りを撫でてみたりと、クラスの女子を一人残らず好きなように堪能している。
     許せない。
     ふつふつと怒りが湧くが、騒いでも意味はない。騒げば生徒が叱責される。
     理不尽でも、堪えるしかなかった。
    
    
     次の内科検診でも、杏子は怒りに震えていた。
     じぃ……。
     と、藤砂津は女子の体が見える位置に立ち、医師の診察を受ける女子生徒を思う存分に眺めた押しているのだ。軽い問診のあいだ、両腕で胸を守っているところ。聴診器を当てられて、深呼吸をするところ。
     そして、触診で乳房を揉まれるところをだ。
    (こいつ……)
     杏子は歯軋りした。
     医者の指示で頭の後ろで両手を組み、無抵抗に胸を揉まれている有様を、医師の横側という見えやすいポジションから拝んでいる。診察が終了するまで身動きできない杏子は、藤砂津の視姦にただただ耐えるしかない。
    (……いい眺めだ)
     藤砂津は大いににやけた。
     診察のつもりしかない医師は、それでも乳房をくまなく観察し、皮膚に異常がないかを見極めている。探るような手つきで揉み込んで、踊る指先が胸をぐにぐにと変形させ続けた。
     そもそも、揉まれること自体が嫌なのだ。男の指が食い込んで、乳房を深く押し潰してくる感触に体が震える。真剣な顔をして内部を探っている様子だが、胸なんかを調べられるなど、どこか心の秘密を狙われている心地がして落ち着かない。
     事務的な触診。
     医者に他意がないことは、藤砂津と違って事務作業をこなす顔しかしていないのを見れば理解できる。
     それでも、見知らぬ男に胸を差し出し、必要なだけも揉ませている状況に変わりはない。快く全てを受け入れ、はいどうぞという気持ちにはとてもなれない。
     どこか受け入れきれないまま、それでも杏子はもまれているのだ。
     藤砂津の視線を浴びながら……。
     それはただ揉むだけではなく、片手で乳房を持上げ顔を近づけて、至近距離からじっくりと観察してくる。乳首を摘み、くりくりとつねる。乳肌の表面にそっと手を這わせ、皮膚の触感を調べていく。
    「ん…………」
     淡い痺れが乳房を包み、杏子は女としての何かを堪えるような顔つきになった。唇を内側へ丸め込み、湧き出る何かを我慢している色っぽい表情だ。
    (ははっ、感じてやがる)
     藤砂津は悟り、杏子の良い顔を見れてご機嫌になる。
    (い、嫌……!)
     診察でこんな気持ちになっているなど、絶対に表には出したくない。悟られたくない。
     杏子は感じてしまった事実を押し隠そうと、必死に表情を硬くしている。それはくすぐりを受けて我慢をする時のように、内側から来るものをぐっと押さえる顔つきだ。
     それを見て、藤砂津は内心喜んでいる。
    (は、早く終わりなさいよぉ……)
     杏子は強く念じていた。
     悪くもない目の前の医者まで恨めしくなり、とにかくそればかりを念じ続けた。
    
     だが、内科を耐え抜いても次がある。
    
     スリーサイズの測定で、頭の後ろに両手を組んだ杏子は、胸にメジャーを巻かれていた。締め方に強弱をつけ、乳房に食い込んだり、緩めた途端にプルンと揺れるのを楽しんでいる。
     乳房に巻きついてくるものが若干食い込み、むにゅりと変形させてきたのが、途端に緩む。メジャーによる締め具合と、遊んでくる藤砂津の手つきは、嫌というほど乳房に伝わる。
    (この変態教師ぃぃ……!)
     杏子は顔を顰めた。
     藤砂津はわざとらしく乳房に触れる。目盛りを指で合わせるために、わざわざ手の平で包み込み、持上げるような触り方でで親指で目盛りを固定している。
     しかも、わずかに指に強弱をつけ、揉んでいた。男の手の生温かでゴツゴツとした感触が、杏子の乳房にはっきりと伝わっていた。
    (ひひひ……)
     藤砂津はニヤニヤしながら数字を読み上げ、次はウェストへ巻き付ける。さりげなく腰を撫られ、鳥肌が立って全身がざわついた。そんな杏子の反応を眺めてから、藤砂津はメジャーの目盛りを合わせた。
    (くぅぅ……)
     杏子は不快感に震えながら、事が過ぎ去るまでただ耐える。
    「○○センチ」
     数字を読み上げ、藤砂津はヒップの測定へ移った。
     やはり、ただ巻きつけるのではなく、メジャーを後ろへまわすおりにお尻に触る。お尻のラインにぴったり合わせ、ずれないように巻きつけるためだと言わんばかりに、べったりと手の平を這わせてスライドさせる。
     それは間違いなく痴漢行為だった。
     既に怒りと羞恥を覚えていた杏子は、さらにがっしりと尻たぶを掴まれた時、さすがに声を上げずにはいられなかった。
    「……! あ、あのっ」
     驚いた杏子は、怒ったようなビックリしたような顔で、お尻に食い込んでくる指の感触に対して反射的に動いていた。ほぼ咄嗟にお尻の手を振り払っていた。
    「ああ、失礼」
     藤砂津は特に悪びれもしないまま、そしてメジャーを巻きつける。杏子の秘所へ顔をぐっと近づけて、目盛りを読むフリをしながら肉貝の膨らみを眺め始めた。
    (うひっ、うひひひひ)
     藤砂津は杏子のその部分を透かさんばかりに眺め回し、布地の裏に隠された陰部の色や形を想像する。腰の横あたりに目盛りを合わせてもいいだろうに、わざわざ股間の方で合わせ、この教師は楽しんでいる。
    (うぅ……)
     杏子は耐えた。
     赤面しながら肩を震わせ、いやらしい目をただ堪える。
     それだけしかできなかった。
    
    
     モアレ検査。
     背骨に歪みが内科を調べ、側弯症を予防するための検査であるが、この検査方法とは背中の写真撮影なのだ。しかも、背骨から尾てい骨までを撮る必要があるため、履いているものを下げてお尻の割れ目を出さなくてはならない。
     もちろん、教師が見ている前でだ。
     藤砂津と、そして撮影担当者の前で背中を向け、指示通りにパンツを下げなくてはならない。しかも、事前に配られたプリントの指示では、お尻は全て丸出しにするよう書かれていた。少ししか下げようとせず、時間がかかる生徒が出ないようにという理由らしい。
     検査のために学校から呼ばれる担当者は仕方がないが、いやらしい視線を向けてくる教師がいるのに、それでもお尻を出さなくてはならない屈辱感に杏子は打たれる。
    (どうせすぐに終わるわ。こんなの一瞬よ! 一瞬!)
     杏子は自分に言い聞かせる。
     目を瞑り、歯を食いしばりながら、杏子はパンツのゴムに指をかける。意を決して、躊躇いを振り切って崖から飛び降りてやるくらいのつもりで、一気に引き下げた。
     すぐに終わる。
     写真を一枚か二枚撮り、はい終了。
     検査としてはそれだけだ。
     しかし。
    「おお……」
     藤砂津の関心したような声。
     プリっとした丸い尻たぶの厚みが目を引いて、それでなくとも卑猥な目をしていた藤砂津は、思わず食い入るように見つめたのだ。
     官能的なカーブを成し、綺麗な丸みを帯びたお尻と、その太ももの付け根に絡まる下着――。
     藤砂津はそれを視姦する。
     そんな教師の気配を背中で感じ、杏子は強く憤る。
    (……くぅっ、アンタに見せるためじゃないんだけど)
     怒りと恥ずかしさで、頭が沸騰しかけていた。自分の顔が赤いのは、果たして羞恥と憤りとどちらが上か。どちらの感情が勝っているのか、それとも二つの気持ちは同等なのか。そんな事は杏子自身にもわからない。
     ともかく、お尻が丸出しになった状況に耳まで染まった。
     尻たぶの丸みが全て露出しているということは、前の部分を丸見えということだ。今、藤砂津はお尻ばかりを見ているが、万が一にも前面が見える位置へ来ようものなら、下の毛の生え具合や秘所の形を何もかも知られてしまう。
    
     ――スサッ、
    
     人の動く気配を感じて、杏子は固まった。姿勢を真っ直ぐ保つ杏子にとって、あくまで背中でなんとなく感じ取った気配に過ぎないが、藤砂津が前を見に来る可能性を覚えて青ざめたような焦ったような、恐怖とも焦燥ともつかない感情が沸く。ただ間違いないのは、これが女性器までもを見られる事に対する一種の危機感だということだ。
    (――は、早く撮りなさいよ! それで終わりなんでしょ?)
     藤砂津の移動する気配に、杏子は心の中で大きく叫ぶ。
     そんな杏子の背後で、撮影担当者は呑気にピントを調節している。さほど時間をかけているわけではないが、こんな状況の中にいる杏子にとって、ほんの一秒や二秒でさえ、本来よりも長く感じるのだ。
    (もう……! いつまで待てばいいの?)
     お尻とアソコが大気に触れ、
     中履きが床を叩く足音が、すぐ肩の横辺りまで迫ってくる。
    
     ――パシャリ。
    
     そこで鳴るシャッター音が救いに思えた。
     これですぐさまパンツを履き直し、少なくともアソコは見られずに済むと思って、そのことだけは安心した。
     ――パシャリ。
     もう一度なるシャッター音。
     それは杏子の丸出しの背中と、お尻を同時にフィルムに含めているものだが、顔が写ることは決してない。検査目的に使われるにすぎないものだ。
     撮り終えるや否や、杏子は即座にパンツを持上げ履き直した。
     間一髪、アソコが藤砂津の視界に入る直前に……。
     どうにか隠し切れて、安堵した。
    
     だが……。
    
    
         †
    
    「あなた! 最低よ!」
     翌日の放課後、杏子は進路指導室で怒鳴っていた。
     教師として、何か話があると藤砂津に呼び出され、恐る恐るそこまで行き、テーブルを挟んで向き合いながら椅子に腰を下ろした時だ。
     藤砂津がテーブルに並べた写真を見て、杏子はいきり立っていた。
    「こんなことをしていただなんて!」
     そこに並べられたのは、盗撮写真だった。
     どこにカメラがあったのか。女子の測定を隠し撮った杏子の写真がずらりと並び、そこには身長計で気をつけをする杏子の姿や、検診で胸を触診されている時の写真があった。
     そして、モアレ検診での写真――。
     藤砂津は自慢の一枚を手に持って、さぞかしご機嫌に見せびらかす。
    「杏子ちゃんのお毛けはこんな風だったんだねぇ?」
     その盗撮写真は、パンツを下げた杏子の体を前から映したものである。どこにどうして、どうやって盗撮カメラを仕掛けていたのか。本当にわからないが、とにかく杏子の全裸が収められ、見られずに済んだはずだったアソコが写されていた。
    「う~ん。可愛いマンコだ」
     杏子の目の前で、藤砂津はわざとらしく写真を眺める。
    「返しなさいよ!」
     顔を赤くしてひったくろうとするが、藤砂津は手を引っ込めてそれをかわした。
    「バラ撒かれたくないよなァ?」
    「なんですって? アンタ――脅迫する気?」
    「そうだよ? こいつをバラ撒かれたくなかったら、どうするべきかわかるよなァ?」
    「あ、あんた……」
     杏子は屈辱に震えた。
    「さ、脱いだ脱いだ。さっそく気持ち良くしてやっから」
     ニヤニヤとして、脱衣を要求してくる藤砂津。
     その明らかな性犯罪を相手に、なす術はない。ここで抵抗して言う事を聞かないことはできるが、そうすれば写真はバラ撒かれ、もうまともな学校生活を送れない。警察で彼を訴えたとしても、写真の流通自体は防げない。
     詰んでいた。
     杏子に選べるのは、写真をバラ撒かれない変わりに言う事を聞くか。撒かれる覚悟で抵抗して、警察へ行くか。どちらの選択肢にも最悪の要素が含まれている。
     ならば、どうするか。
    (……ごめんね。遊戯)
     例え写真をバラ撒かれてでも、こんな男を野放しにはできない。きっと遊戯達にも写真を見られ、杏子の学校での私生活は終わりを告げるのだろうが、杏子はそれでも警察へ行くことを心に決めた。
     きっと、過去にも同じ被害者がいるかもしれない。
     あるいは、これから同じ被害者が出るかもしれない。
     それを防げるのは自分だけだ。
     そんな悲しい決心をした時――。
    
    「ほう? アンタ、教師のクセにそんな下らないことをしていたのか。呆れた奴だな」
    
     突如として聞こえる男の声。
    「!」
    「――っ!」
     藤砂津と杏子は同時に声の方向を向き、するとそこにはドアに背をよりかけた武藤遊戯の姿があった。
     いつもの遊戯とは違う。
     もっと凄味のある、悪魔が邪悪な笑みを浮かべたかのような闇の深い表情。
     杏子の知る武藤遊戯とはまるで別人のような雰囲気をもった同一人物。
     それはもう一人の遊戯であった。
    「アアン? 遊戯か。オメェ、今の話をどこまで聞いていたかは知らないが、余計な格好つけならやめとくんだな。杏子ちゃんのためにならないぜ?」
    「そいつはどうかな」
    「何?」
    
    「さあ、ゲームの時間だ」
    
    「何ィ? ゲームだと?」
    「アンタが勝ったら、何も見なかったことにして黙ってここを去ってやるよ――ただし、負けた者には運命の罰ゲームが待っている。闇のゲームさ」
     邪悪な遊戯の告げるゲームのルール。
     それに乗る藤砂津。
     その結末は……。
    
    
     その翌日、一人の教師が二度と学校へは顔を出さなくなった。聞いた話によれば、精神の病気で入院したという事だそうだった。
    
    
    
    
    


  • 人型エコー検診アンドロイド

    
    
    
     この春、私は新しく開発された医療器具のテストを受けることになった。
     ネットで募集されていた一日限りの仕事で、エコー検査に使う最新マシンが実用に足るものかをテストするらしい。これが結構な報酬で、たった一回被験者になるだけで五万円だ。とても美味しい条件だ。
     今は思うようにお金に余裕のできないご時勢だし、稼げる時に稼いだ方がいいに決まっている。募集条件には女性限定とあったから、もしかしたら恥ずかしい検査もあるんだろうけど、きっとオッパイを見せる程度のことだろう。
     別に誰にでも平気で見せるわけじゃないけど、検査ということなら我慢ができる。病院でも必要な場合はブラまで取るんだし、医者の前でなら慣れっこだった。
     私は無地のシャツとゆったりとしたスカートを履いて、指定の病院へ向かう。受付を通ってしばらく待つと、番号札を通して呼び出しがされた。
     そして、いよいよ診察室へ……。
    「どうも美香さん。今日はよろしくお願いします」
    「はい。お願いします」
     私は医師へ軽く会釈して、そこに置かれていたロボットに目を向けた。
     アシモくん?
     では、ない。
     デザインはちょっと違うけど、それに似た形状のロボットが医師の隣には立っていた。股間部にはペニスを思わせる棒が取り付けられていて、それがどうにも気になってしまう。
    「あの、それは?」
     私はロボットについて尋ねる。
    「ああ、これが最新の医療器具です」
    「器具って、ロボットですよね。それ」
    「そうなんです。最近ではロボットに医療を行わせようという試みがありまして、その試作機がこちらなのです」
     医師は大仰な身振り手振りで語りだした。
    「は、はぁ……」
    「彼はベータ君というのですが、エコー検査のための超音波機能を搭載しております。エコー検査についてはご存知ですか?」
    「一応、知ってます」
     身体へ超音波を当てることで、体内の状況を画像として映し出す。医師はその画像を見て病状の有無を確認できるというわけだ。
    「ベータ君は女性患者にエコー検査を行い、それを背中にあるモニターに映し出します。ごらんください。画面が付いているでしょう?」
     医師は覗いてみるようにと促してくるので、私はベータ君の背後へまわってみた。確かにモニターが背中に搭載されていて、しかもその下にはディスクの挿入口まである。
    「もしかして、録画もできるんですか?」
    「はい。必要しだいではエコーから取る超音波動画を録画して、あとから確認をすることができます」
    「うーん、そうですか。でも、エコー検査って普通に手で持てるサイズの器具があるじゃないですか。あっちの方が使いやすそうな気がしますけど?」
     私は心底そう思った。
     わざわざ人型ロボットにしたって、これは効率が悪い気がする。コストだって無駄に高くなるだろうし、メリットが少ないことは素人にも丸わかりだ。
    「ですから、これはほんの入り口なのですよ。将来的により便利な医療マシンを開発するため、自律型ロボットにどこまで検査機能を積み込めるかの実験が行われているわけです」
     そうか。
     何もベータ君を医療現場に導入しようという話ではない。ロボットに検査をやらせるということからスタートして、だんだんと発展した機械を作ろうということか。
    「わかりました。それで、私はどうすればいいですか?」
     尋ねつつ、私はベータ君の股間から生えたスティックを気にかけた。どう見ても男性器を思わせる形状をしていて、検査内容にちょっと不安を覚える。
    「少々お待ちください」
     医師はベータ君のスティックにコンドームを取り付けた。
    「あのぅ、それって……」
    「これは感染症を防ぐための対策です。こうすることで細菌の付着を防ぎ、使いまわしをしやすくするのですよ」
     細菌の付着を防ぐ。
     使いまわし……。
     ということは、私が受ける検査ってやっぱり……。
    「では美香さん。これを口に咥えていただけますか?」
    「え!? 口ですか?」
    「はい。脳の診断画像を取る検査をするため、口内へエコー器具を挿入して頂きます」
    「でも、それはちょっと聞いていないんですけど……」
    「美香さん。検査内容には女性にとって恥ずかしい内容もあるとはお伝えしてあるでしょう」
    「それはそうですが……」
     オッパイを見せれば済むだろうな、程度に考えていた。
    「すみませんが、ここまで来たのです。たったの数時間で五万円という破格の給料なのですから、どうかご協力下さい」
    「……わかりました」
     面接時に契約を結んでいるので、駄々をこねるわけにもいかないだろう。
    「ではベータ君。座りなさい」
     医師はベータ君の後ろに椅子を置き、リモコン操作なのかポケットから取り出した器具で操作をする。
     ウィーン、と機械の間接音を立てながら、ベータ君は着席した。
     やや背中を仰け反らせ、足のあいだにいる女を見下ろすような格好になっている。私としてはいい気分がしないのだけど、その足のあいだに入ってスティックを握った。
     うわぁ、ゴムっぽい材質……。
     しかも、意外と太さがある。
     私は口を大きく空けて、スティックを咥え込む。ロボットに見下ろされながらフェラチオまがいのことをするなんて、すごく嫌な気分だ。
    「頭を前後させてください」
     医師の指示なので従っておくが、これでは本当にフェラチオじゃないか。
     まあロボットを気持ちよくしてやる必要もないだろうし、だから舌は使わない。私はただ淡々と頭を動かしていく。
     そのままベータ君の顔を見上げれば、機械の顔面とばっちり目が合う。
     ああ、嫌だなぁ。
     それでも私は頭を振り、検査を終了させた。