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  • 第5話「おパンツ鑑賞」

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      決意を込めた栗木が、スカートに向かって手を伸ばしてくる。
     明日美は反射的に後ずさるが、すると背中に葉山の体が当たってきた。逃げ場を与えないように、背後に回りこまれたのだ。
    
     ち、畜生! こんな奴に!
    
     明日美は強く歯を食いしばった。
     こんな豚程度の男を蹴飛ばしてやることなど、本当なら簡単だ。ぶっても叩いてもいい。踏みつけてもいい。いつもの明日美であれば、こんなことをされようものなら、すぐにでも暴力に打って出ているところだ。
     しかし、今はそれを堪えなくてはならない。
     でなければ、余計に恐ろしい罰則が発生する。
    
     く、くそ! 冗談じゃねえ!
    
     とうとうスカート丈を掴まれて、捲り上げられる寸前だ。ゆっくりと持ち上げられ、少しずつ太もも露出面性が増えていき、明日美はただ受け入れることしか許されない。抵抗を抑え込み、懸命に我慢した。
    
     畜生! 畜生! この豚野郎が!
    
     スカートは持ち上がり、朝も晒された紫色のパンツが栗木の目を奪い、明日美は下腹部を凝視された。
    
     ――――――くぅっ!!!
    
     予想以上の恥ずかしさだ。
     朝と比べればマシな状況のはずなのに、今まで苛めていた奴に捲られているかと思うと余計に屈辱感が増幅して、膨れ上がる羞恥が苦しい。頬が一瞬にして加熱され、耳まで熱く染まり上がり、激しい恥じらいに耐えながら、それでも栗木を睨み返す表情となっていた。
    「どうです? 栗木君、気分が良いとは思いませんか?」
    「え、その……」
     葉山の問いに、栗木はしどろもどろになる。
    「あなたを今まで苛めていたこの子が今、こうしておパンツを曝け出しています。栗木君自身の手でスカートを捲って、ですよ? 気分が良いとは思いませんか?」
    「は、はい。その……。悪くないです」
     栗木は珍しいものでも観察するかのように、まじまじと明日美のパンツを見つめてくる。紫色の生地にかかったパンツの柄を、栗木は目でなぞっているのだ。あるいはアソコのシワにラインでも浮かんでいて、そこに注目しているかもしれない。
     明日美はすぐに耐えかねて、隠したい思いで自分の持ち上げられたスカートに触れる。
    「駄目ですよ? 明日美さん。きちんと見せてあげないと」
     葉山に即座に注意され、明日美はすぐに手を引いた。
    「もういいだろ? 十分じゃねーか」
    「そうおっしゃるのでしたら、次に移りましょう。栗木君、お尻を叩いてあげてください」
     再びスパンキングを持ち出され、明日美はぎょっとした。
     朝の屈辱が蘇る。
    「お、おい! あれはもういいじゃんかよ。わかった! パンツぐらい見せるからよォ、いくらでも拝んでいいから、ケツは勘弁してくれよ」
    「できない相談ですね。パンツはいくらでも見せるべきですし、お尻叩きも受け入れて下さい」
     葉山の無情なまでの命令に、明日美は必死に食いつくも、一切の意見は受け入れられない。結局机の上に乗り、朝と同じような四つん這いでパンツに包まれたお尻を丸出しにされた。
     畜生、結局こうかよ。
     今ならクラスメイトこそいないが、栗木ごときにお尻を差し出している。腰を突き上げた情けないポーズを取らされているだけあって、捲られる以上の恥ずかしさだ。
    「い、いいんですか?」
     栗木は明日美よりも葉山に確認する。
    「ええ、是非とも。あなたの手でやってください」
     体は明日美のものなのに、葉山によって許可が出された。
    「そ、それじゃあ――」
    
     ペチッ
    
     く、くそ!
     遠慮のこもった弱弱しい一撃だが、明日美を屈辱に濡らすには十分だ。見下していた男に叩かれたというだけで、舌でも噛みたい気持ちになる。
    
     ペチッ
    
     か弱いビンタに尻たぶを打たれ、明日美は一瞬キレかかった。栗木ごときが調子に乗るなど許せない。今すぐにでも起き上がり、後ろに向かって殴り返してやりたい気持ちにかられた。
     だが、直後に頭を押さえられる。
    「駄目ですよ?」
     机に頭を押さえ込まれ、抵抗を封じられた。
    「あ、あたしは何も……!」
    「明日美さん。あなたは今、反射で抵抗しようとしていました。まあ体が勝手に動いたようなものでしょから多めにみますが、二度はありませんよ? さあ続けて下さい。栗木君」
    
     ペチッ、ペチッ、
    
     今度は二発連続だ。
     明日美は涙目になりかける。
    
     ペチッ、ペチッ、ペチッ、
    
     しだいに女の子をこんな風に扱う面白さに気づき、調子づいていったのだろう。弱弱しかった栗木の手つきはどんどん元気になっていき、リズミカルに左右の尻たぶを打ち始める。警戒な肌の音と共に柔らかな尻肉は波打って、プルプル震えて弾んでいた。
    「叩くって、いいものですね」
    「でしょう? もっと叩いてあげてください」
    「はい!」
     栗木はスパンキングを楽しみ始め、より小刻みなタップで明日美を苛めた。ドラマーがドラムを叩くようなハイリズムで、夢中になって振動させる。あからさまにリズムを取った叩き方に屈辱感は大きく膨らみ、明日美は自分がオモチャにされた気持ちを味わっていた。
    
     冗談じゃねーよ!
     こんなのって、ゼッテーおかしいだろ!
     なんで……。
     なんであたしが栗木ごときに! こんな豚みてぇなクズ野郎に!
     畜生!
    
    
    
    


     
     
     


  • 第3話「公開スパンキング」

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     葉山は言った。
    「さあ、栗木君。あなたにはイジメっ子に対する報復権が与えられ、それを行使する義務が与えられます。仕返しの機会を与える事によって、苛める側と苛められる側、双方の心を入れ替えることができるという考えなのです。苛める側は自分の行いを後悔し、苛められていた側は仕返しによって自信をつけ、引っ込みがちだった性格に強みを持たせる目的です」
     これから行うことに対する意味合いを語っていき、彼は栗木の肩に手を置いた。
    「ほら、目の前で野之宮明日美が四つん這いです」
     栗木は緊張で汗をかく。
     高く突き上げられたスカートのお尻が、栗木の目の前にそびえている。短めのスカート丈が垂れ下がり、太ももは大きく露出している。生足は丸見えで、少し腰を低めればパンツも見えることだろう。
    「叩くのはあなたですよ?」
     葉山は遠慮なく、さも何でもないようにスカートを捲り挙げ、紫色のパンツが露出する。模様の派手めな、一枚の布の上へ柄を縫いつけたような明るいパンツだ。生地のせいか蛍光灯が反射して、どことなく光って見える。
    「さあ、叩いて下さい」
    「え、あの……」
     叩けと言われても、いきなりできるわけがない。
     相手は明日美だ。
     しかも、背後にはクラスメイト。
     叩こうものならみんなにどう思われるかわからないし、後でどんな報復が待っているかと思うと恐ろしい。出来る事と言ったら、せいぜい自分ではなく葉山の手によって丸出しにされたパンツを凝視するくらいだ。
     動くに動けない栗木を見かねてか。
    「仕方ありませんね。あなたにはまだ早いようですので、わたくしがやりましょう」
     葉山が変わって慣れた手つきで手を乗せて、お尻をまんべんなく撫で回す。
    「くっ……」
     明日美が悔しそうに歯を食いしばるのが、全身がビクッと固まる挙動だけでも良くわかった。
    「あなたのこのお尻、栗木君の目に焼き付けられていますよ? この派手な紫がね。さて、どんなお気持ちですか?」
    「どうもこうも、パンツぐらいなんともねーよ」
     声が震えている。
    「なんともありませんか。では一発」
    
     パァーン!
    
     手の平で、葉山は明日美の尻を打ち鳴らした。
    「て、てめぇ……!」
    
     パァーン!
    
     二発目。
    「どうですか?」
    「どうじゃねーんだよ変態が! これで満足か?」
    「満足じゃないんですよ。あなたに反省を促すための体罰なのですよ?」
     葉山は大胆なスイングで、まるで太鼓でも叩くような気持ちで明日美のお尻を連打した。肌の打ち鳴らされる打撃音が教室に響き、明日美は今にも屈辱に震えている。全身を硬くして、尻肉を打たれる度に肩をビクビク揺らしている。
    「さあ反省するのです。さあさあ!」
     楽しげなスパンキングで、明日美のお尻は揺らされていた。皿に出したゼリーでも揺らすように、プルンプルンと尻肉は弾み、波打っている。栗木はその光景から目が離せず、すっかり釘付けになっていた。
    「誰がこんなもんで……。あたしは負けねーぞ!」
    「反省はしないという意味ですか? 罰則が長引きますよ」
     今度は両手を使い、左右の尻たぶを交互にタップする。
    「ざけんな! こんなのねーだろ。どこの変態が作った法律だよ」
    「賛否両論ありますが、可決したものは仕方がありません。わたくしは法に基づいて仕事を行うまでですよ」
     左右の尻たぶが交互に打たれ、右左右と、リズム良く波打つ振動を見せる。
    「何もクラスの前で……」
    「明日美さん。あなただって、クラスメイトに聞こえる形で栗木君のありもしない事実を吹聴したでしょう。あなたには今、イジメによって受けるとされる羞恥と屈辱をご自身で体験して頂いているわけです」
    「あたしはなにもここまで……。ちょっとからかっただけじゃねーか」
    「わたくしとて、少し悪戯しているだけですよ? あなたと気持ちは変わりません」
     クラスメイトの視線の中で、明日美はお尻を叩かれ続けた。
     この日は欠席者はいなかった。
     男子に見られるのは当然のこと、いつもつるんでいる友達にもこの痴態は見られている。担任も教室の隅にひっそり佇み、この光景をニヤリとして楽しんでいた。
    「可哀想……」
    「まあ、しょうがないよね……」
     それが女子生徒の声だった。
     今まで明日美が痴漢をでっち上げれば、「ほんとかな?」「でも栗木君ならやりそうだよね」といった具合に、そもそも嘘か本当かも関係なく引いていたくせに、こんな事態になった途端に態度を切り替え、明日美を悪者として見始めた。
     なんという手の平返しか。
     女子というものは恐ろしい。
    「さすがにマジで可哀相じゃない?」
     という、良識的な反応も多くあったが。
    「いいねいいね」
    「ざまみろよ。ひゅー!」
     日頃から態度の不良じみた明日美に対して、軽い反応しか示さない生徒も多くいる。素直に目で楽しむ者、口では良識的な反応をしながらも、結局はチラチラお尻を気にする者と、それぞれだ。中には目を瞑ったり、逸らしたりしてあげている者もいはしたが、ほんの二人か三人程度に過ぎない。結局のところ、明日美の痴態を大なり小なり拝んでいる生徒が半数以上を占めていた。
    「ま、そろそろ時間です。今はこのくらいにしましょうか」
     葉山がスパンキングを終了すると、明日美は即座にスカートを直して教卓を飛び降りる。
    「もう終わりだよな?」
     明日美は反抗的な口調で噛みつく。
     強きな態度を見せてはいるが、顔は真っ赤で目は涙目だ。
    「放課後、空きの教室で更生指導を行います。あなたは随分前からイジメをやっていたでしょう? ですから、当分は罰則に付き合ってもらいます」
    「冗談じゃねーよ。なんとかなんねーのか!」
    「反省しだいですよ。詳しいことはまた放課後説明しますので、サボらずしっかり授業を受けてくださいね」
     葉山はにったりと嗤いを残して、一礼を交えながら教室を後にする。
     更生指導とは何だろう。
     もしかして他にも、明日美にとっては恥ずかしい罰が用意されているのだろうか。
    
    
    


     
     
     


  • 第2話「イジメの糾弾」

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     翌朝、担任がいつものようにホームルームを開始して、席についた生徒の点呼を取る。手はずは整っているという話だが、本当に何かが起きるのだろうか。
    
    「それでは、今日はイジメ撲滅委員会の方から派遣された葉山純一さんを紹介します」
    
     担任が言い出すなり、教室の戸が開く。
     現れた男は、昨日栗木の前に現れたスーツの男性その人だった。
    「初めまして、イジメ撲滅委員会の葉山純一です。ご存知の方もいらっしゃるでしょうが、近年になってイジメ対策にまつわる法案が可決されました。イジメって軽い響きですが、深刻なものになると本当に大変でしょう? 被害者は自殺し、加害者はその後ものうのうと生きていくなんてケースはザラにあります。そうした事態を防ぐため、わたくしには大きな権限が与えられているのです」
     葉山は一通り説明口調で語ってから、一人の生徒を指した。
    「野之宮明日美さん。あなたは栗木健太を対象にイジメを行っていますね?」
    「はぁ? 遊んでやってるだけだよ」
     容疑者に指名されるなり、明日美はほぼ反射的に言い返した。
    「イジメをしている人間はみんなそう言います。悪ふざけ、遊んでいただけ、といった言い訳をなさりますが、わたくしが出てきた以上はそうした言い訳は通用しないとお考え下さい」
    「っるっせーな。ふざけはんぶんでも小突いたりくらいすんだろ。そんなのイジメ認定してたら世の中イジメっ子だらけになるじゃねーか」
    「もちろん厳正な判断は必要ですが、今回は確実に調べがついています。でっちあげの痴漢を言いふらす行為、自分のゴミを捨てさせる行為。紙ゴミの投げつけ、教科書への落書き、顔写真のインターネット上へのアップロード等々。他にもネットコミュニティを利用して、本人の実名をあげて悪口をつぶやく、書き込むといった行為を繰り返しています。全て調べはついているわけですが、その上で言い訳をする場合は、こちらも相応の対応をするとお考え下さい」
    「だからやってねーって!」
     明日美はあくまで否定する。
     葉山は嗤った。
    「もう一度言いますが、イジメ撲滅委員会には高い権限が与えられており、被害者に罰則を課すこともできるのですよ。素直に謝罪をして、謝るのでしたら今のうち。しかし、反省の色が見られない場合は相応の対応を取らせて頂きます」
     目の前で起きている展開に、栗木は空いた口が塞がらずにいた。
     葉山は本当に学校に現れ、イジメ対策を行使しようとしている。みんなの前で明日美の罪状をあげつらい、本人に反省を求めている。同時に自分が受けた仕打ちが晒されているのと同じだったが、あまりの衝撃に栗木はそんな事など気にしていない。むしろ明日美が一体どうなるのか。栗木の関心はそこだけに集中した。
    「へいへい、すみませんね」
    「本当に反省していらっしゃいますか?」
    「してるしてる。ごめんな? 栗木」
     悪びれもしない、いつもの口調だ。
     そんな明日美を見て、葉山はニヤリとする。
    「残念ながら、野之宮明日美が自分の行いを反省しているとは判断できません。よってイジメ撲滅委員会として、あなたに罰則を命じます」
    「はぁ? 今謝っただろうが!」
    「口先だけでは反省とはいいません。あなたは何も罪悪感を感じていないのでしょう? 今まで挙げた以外にも数々の行いをしてきているというのに、これっぽっちも反省の色がありません」
    「うるせーな。だったらコイツのキモさなんとかしろよ」
     明日美は栗木を指す。
    「苛められる側にも原因がある。という主張ですね。確かに被害者には気の小さい傾向などが見受けられますが、だからイジメはしてもいい。という話にはなりません。あなたにはこの場で罰則を受けてもらいます」
    「何が罰則だよ。あたしは受けねーからな?」
    「逆らっても構いませんが、わたくしは法律に基づいて動いています。もし罰則事項を守らない場合は刑事罰を行使して、あなたに懲役を科すことにもなりまねませんよ?」
     すると、明日美はさーっと青ざめた。
    「は、はぁ!? なんだよ懲役って!」
    「最近の法律はご存知ありませんか? 実際に条文にきちんと記されている内容です。なんでしたらこの場で暗記した内容を言っても構いませんが。さて、わたくしに権限が与えられているという意味は理解できたでしょうか」
    「ちっ……」
     明日美は舌打ちする。
    「では明日美さん。教卓の方へ来て下さい」
    「はっ、なにやらせよーってんだ?」
     明日美はずかずか進んでいく。
    「栗貴君も、前へ」
    「は、はい!」
     何だろう。
     明日美への罰で自分が狩り出されるなど、一体どういう内容なのだろう。
    
     ――あなたのイジメにエッチな報復を致しませんか?
    
     昨日の言葉が頭をほぎる。
     まさか、明日美はこの場で卑猥な目に遭うとでもいうのだろうか。
     この、全生徒が見ている前で……。
    
    「ではこれより、スパンキングの刑を行使します。明日美さんのお尻を叩くのは、被害を受けていた栗木君です」
    
     スパンキング?
     いやまさか。
     本気で言っているのだろうか。
     さすがに冗談では? と思うのだが。
    「明日美さん。教卓の上に上がって四つん這いになりなさい」
     確かにそう命令している。
    「は、はぁ? ざけんなよ! 何がスパンキングだ! 受けねーぞそんなもん!」
     明日美はそれに声を荒げていた。
    「今お尻を叩かれるのと、刑事罰で懲役を受けるのと、どちらがよろしいですか? 懲役になると最低でも三年は出られません。わたくしとしてはスパンキングの方がおすすめなのですが、どうなさいますか?」
    「て、テメェ……! 本気か?」
     法律を盾にされ、明日美はそれ以上口答えできない。ただ葉山を睨みつけ、栗木に凶眼を向け、従うでも逆らうでもなく、ただただ冷や汗を流してその場に立ち尽くしていた。
    「本気も本気、大真面目です。我々には実際にそうした命令権が与えられているのですが、どう致しますか?」
    「くっ、糞が……」
     さすがに懲役の方が恐ろしいと判断したのだろう。
     明日美は屈辱を飲み込みながら、栗木を睨みつけながら、上履きを脱いで教卓にのぼる。
    「さあ、お尻は向こうです」
     クラス全員にお尻を向けた四つん這いを前に、栗木はごくりと息を呑んだ。
    
    
    


     
     
     


  • イジメっ子にエッチな体罰!

    第1話「イジメ撲滅委員会」
    第2話「イジメの糾弾」
    第3話「公開スパンキング」
    第4話「放課後」
    第5話「おパンツ鑑賞」
    第6話「虐げられる明日美」
    第7話「チャンス」
    第8話「しゃぶられた乳房」
    第9話「使われた乳房」
    第10話「奴隷宣告」
    第11話「犬奴隷の散歩」
    最終話「明日美の末路」


  • 催眠セックスの実験

    
    
    
     性交指導実施のためにある指導室には、面談用の机やソファーの他にも、ベッドや浴室まで完備されている。バイブやローターにローションから、ソーププレイ用のマットさえ置かれているが、俺が行うセックスは仕事でもあるのだ。
     この高校は研究機関と契約を結んでおり、ブレインリングの装着データを絶えず提出し続ける対価として、多額の費用を援助してもらっている。それらの金は修学旅行の予算や部活動の部費といった形で生徒にも還元され、ほぼ全員が漏れなく恩恵を受けているといってもいい。
     ブレインリングは催眠、洗脳、常識改変といった力を持つ機械の首輪だ。
     今回俺が行うのは動作確認。
     個人の脳に直接的な影響を与え、催眠や常識改変にあたって情報を流し込む関係上、開発当初から脳や精神に障害が残る可能性が心配されてきた。十年以上の研究により、そうした障害の危険性は取り除かれ、全ての改変行為は操作一つで気軽に解除可能になってはいるが、バージョンアップの際に不具合が出ていないかはその都度テストすることになる。
    
     姫川椎名――17歳。
     彼氏持ち。
    
     どことなくお嬢様っぽい、おしとやかで優しそうな顔立ちの椎名は、とても真面目で非行などには縁がない。
     担任をやっている俺でもあるが、今のところ遅刻は無し。休み時間中は大人しく本を読み、たまに友達と喋っているが、大きな声で騒いだり、走り回ったりする姿は一度として見たことがない。
     極めて大人しいタイプだが、一年生の頃に告白され、他クラスの男子と付き合っているようだった。
     まず行うのは、俺のことを彼氏と誤認させた状態でのセックスである。
    「えっへへ。勇樹くん。目がエッチになってる」
     俺は既に椎名を全裸にさせ、肉棒を握らせていた。
     いや、積極的に手コキをしてくれているのだ。シャワーを済ませた後、椎名の待つベッドに上がるなり、腰に巻き付けたタオルの中身に興味津々といった顔をして、自分から肉棒の世話を始めてくれたのだ。
     ブレインリングを使えば肉体関係の有無を聞き出すのは造作もなく、交際半年で処女を捧げたという椎名は、機会を見つけては彼氏と交わり合っているそうだ。
     学校内のベッドを使用することには疑問を持たせず、さらに椎名の目には、俺の本来の顔が映っていない。個人の体臭や肌に触れた感触に至るまで、全てが中田勇樹という恋人のものに変換され、椎名の中では完全に、彼氏と行う甘いセックスの時間ということになっている。
     つまり、俺が見ている椎名の姿は、彼氏以外の男には決して見せない女の顔だ。
    「こんなに硬くしちゃってー」
     俺が仰向けに横たわると、椎名は俺の顔を追うように倒れてきて、下の方では手コキを続けながらも、耳元に唇を接近させる。
    「キスしていい? っていうか、するよ!」
     実に楽しそうに、嬉しそうに、ご馳走の香りによだれを垂らした表情といっても過言でない顔をしながら、椎名は恋人の唇を貪った。手でのしごきは活発に、キスにも力を尽くして何度も啄み、俺の口内に舌まで入れた。
    「ねえねえ、今日はいかがなさっちゃう? なんでもするよ? この前みたいに、ご主人様って呼ぼうか?」
     椎名の彼氏はそんなことをさせているのか。
    「それとも、私が責める?」
     勇気という少年は、SとMの両方の気質を持ち合わせているのだろうか。少なくとも椎名は攻めにも受けにもまわるらしい。
     俺はご主人様のおチンポに目一杯のご奉仕をさせることにした。
    「かしこまりました。ご主人様」
     椎名はすぐに俺の脚へ移動して、仰向けである俺の肉棒に四つん這いで食らいつく。両手で茎を立たせてしゃぶりつき、淫乱としか思えない積極ぶりで、じゅるじゅると音を立てるようなフェラチオを始めたのだ。
    「はじゅぅぅぅぅぅ――ずっ、ずずぅぅぅ――ずっ、じむっ、ちゅるっ、ちゅっ、じゅむぅぅぅぅぅ……じゅりゅぅぅぅ……」
     口内の温かさに肉棒を包み込み、舌も使って奉仕してくる後頭部が、俺の股で上下に振りたくられている。見れば向こう側に聳える尻も、ご主人様への奉仕が嬉しくてたまらないかのように、左右にフリフリと動いていた。
     しかし、この子は決してビッチではない。
     ブレインリングから得られた情報は、スマートフォンによく似たタッチ画面式のデバイスで確認できる。そこで愛情値の表示を見れば、平常時は90だった数字が、現在は最大値の100を示している。
     交際関係であったり、あるいは結婚している夫婦における愛情値の平均が、90前後という数字になる。
     椎名の発情値は愛情値の増加と比例しており、一言でいえば彼氏だから興奮している。
     よく尽くし、そして甘い時間を大切にしたがる傾向にあるというだけで、淫乱値に関しては平均より低い。ブレインリングの設定では、淫乱値とは、常日頃から股でものを考えたり、誰にでも体を許す可能性の高さという定義としてあり、なので一般的な女子は、発情値が上昇しても淫乱値が上がるわけではない。
    「ご主人様のおチンチン……じゅっ、じゅむっ――とても、美味しいです……ずずっ、ずむっ、はぷっ、ちゅるぅぅぅぅ……ずずずっ、ずりゅぅ……」
    根本から先まで舐め上げ、側面の部分にも唇をよく這わせる。周りに唾液を塗りつけていく表情は、美味しいものを口にして幸せそうにしているそのものだ。そんな椎名と目が合うと、より嬉しそうに微笑んで、今一度咥え直して激しいフェラチオに励んでいった。
     俺は予告なしに射精した。
     ほぼ直角の、天に向かった肉棒から、白い噴火の精を放つと、椎名は「んっ!」と、驚いた呻き声を上げてから、すぐさま唇に力を入れた。全力で締め上げながら、喉奥に触れんばかりの奥まで咥え、どうにか受け止めようと頑張る姿は、本当に健気というより他はない。
     それでも、急に出した精液は、飲もうとしても飲み干しきれず、竿を伝って陰毛の中に紛れてしまう。
     ごくりと喉を鳴らした椎名は、すぐに俺に謝罪した。
    「も、申し訳ありません! ご主人様! 直ちにお掃除致しますので!」
     一体、勇樹はどんな仕込み方をしたというのか。
     陰毛の茂みに吸い付いて、ペロペロと舐め取ろうと、吸い上げようと努力する。竿の部分にも舌を這わせ、亀頭にかけて掃除に励み、俺の肉棒と陰毛には、唾液で濡れた痕跡以外は綺麗に取り除かれていた。
     そして、四つん這いで尻を向けた。
     まるで本当に罪を償いたくてたまらないかのように、土下座のごとく額を下につけ、尻だけは高く掲げる。
    「ご主人様。椎名のイケナイおマンコに、どうかご主人様のおチンチンでお仕置きをして下さい……」
     もちろん、俺はコンドームを付けるなり挿入した。
     肉棒をギュっと圧する膣の力が、とろけるような刺激を与え、俺の根本から先端にかけてが天国に連れていかれた。
    
     パン! パン! パン! パン! パン! パン! パン! パン! パン!
    
     俺の腰と、椎名の尻がぶつかり合う。肌と肌の打音が響き、そのたびに尻肉はプルプルと、ゼリーやプリンに振動を加えたように震えている。肛門がキュ、キュ、と窄められ、初めは俺が腰を振っていたものの、いつの間にか椎名の方から振りたくり、もはや俺が動くこともなくなっていた。
    「あぁぁぁん! あっ、あん! ご主人様! ご主人様ぁぁ! 気持ちいいです! わ、わたしっ、すごく幸せ――あん! あぁっ、あん! あん! あん!」
     射精が近いことを告げると、今度は逆に、力の限り尻を押しつけ、コンドーム越しの精液を膣内で受け止めようとまでしているのだ。
    「あぁぁ……! 出てますっ、でてますねっ、ご主人様ぁっ、すごく熱いですぅ……」
     幸せそうな声を出し、俺の射精が終わると、次にはコンドームを外しにかかり、それを縛ってシーツに放ると、四つん這いでのフェラチオに移っていた。
    「まだ元気だな。勇樹、もっとする? あ、まだご主人様って呼んだ方がいい?」
     ともかく椎名はエロかった。
     学校生活での様子からは想像もつかないほど、心は一途だが、恋人に対してはどこまでも一生懸命に奉仕をする。淫らになってたくさん喜ぶ。勇樹も大人しい性格と聞いているが、二人きりの時なら、教師やクラスメイトが知らない別の顔を持っているのかもしれない。
    
         *
    
     性交指導の名目により呼び出し、担任である俺とのセックスを義務付ける。
     そのような設定を入力して、正常位での挿入に至る俺だが、先週の『勇樹』とのセックス比べ物にならないほど、椎名は静かに耐え忍んでいた。
    「んっ、あぁぁ……ゆう……きぃ……」
     肉棒を根本まで押し込むと、椎名の顔はみるみるうちに罪悪感に満ちていき、俺とのセックスを明らかに我慢していた。
     今回の設定において、貞操観念に対する影響は一切与えていない。たとえ義務付けによって仕方がないことだと割り切っても、恋人に操を立てたい女子であればあるほど、自分は彼氏に対して申し訳ないことをしているのだと、悲痛な顔を浮かべるのだ。
     俺に対する愛情値が低下している。
     さらに、性感値を先週のセックスと同等の数字に引き上げても、椎名の顔から罪悪感が消える様子はない。こういう義務が存在することに、不満さえ隠せない、どこか不機嫌でもある表情で、目が何かを言いたげだった。
    「んっ、あ……あぁ……んぅ…………ふっ、あ、ふぁ…………うっ、んぁ…………」
     喘ぎ声も静かなもので、ブレインリングの効果に反している。感度操作に不具合の可能性があるのかと思いきや、快楽の度合いに関して答えさせると「物凄く気持ちいいですけど?」と反抗的に返してきた。
     嘘をつかせない効果に関して、不具合の報告はされていない。
     つまり、これが椎名自身の、好きでもない男で感じていることへの、純粋な反応らしい。
    「彼氏とはどうやって出会った?」
     ピストンを止め、俺は尋ねる。
     他人の肉棒が入っている状態で、本命との馴れ初めについて話すのは、乙女にとっては果たしてどんな気持ちであろうか。
    「本を読んでいたら、自分も同じのを読んでるって、声をかけられました。勇樹は何となく雰囲気が綺麗で、大人しそうで、私もちょっと気になっていたので、向こうから声をかけてもらえて舞い上がっちゃいました」
    「それで、お喋りをするようになって、仲良くなった?」
    「そうです。アドレスも交換して、いつの間に電話もするようになって、そしたら急に映画に誘われました。嬉しくて、初デートだと思って出かけて行って、それから何度か一緒に出掛けましたけど、ちゃんと告白されたのは初デートから一か月後くらいです」
    「へえ?」
    「告白されて、嬉しくなって、目を瞑りました。で、キスしてくれました。あとは、何か月かしたらセックスもするようになって、時間がある時はエッチしながら、普通に恋と勉強を両立しています」
    「先生と彼氏。どっちのおチンチンが大きい?」
    「……せ、先生ですけど? 大きかったら何だっていうんですか」
     愛情値がないと、こういう具合か。
     軽く揺すってやるように、ゆさゆさとまろやかなピストンで刺激を与え、椎名の膣はヒクヒクと反応する。気持ち良さを我慢している表情は、硬くなった乳首に指を絡めてやると、より頬を強張らせて耐え忍ぶ。
    「先生の方が気持ちいいだろう?」
    「だっ、んぅ……だから……なんですか……かっ、関係っ、ないです……」
     喘ぎ交じりにつっかえながら、反抗的な態度は変化しない。デバイスのタッチ操作でもして、ブレインリングの力を借りれば、椎名の頭の中を俺に染めることなど容易いが、そんなことをしなくても俺は色んな生徒で楽しめる立場にある。
     俺が姫川椎名一人に固執する理由がないのは、彼氏さんにとっては不幸中の幸いだろうか。
    「……ゆっ、んんっ、ゆ、勇樹のっ、おチンチンが入ってるとっ、繋がってるってだけで……楽しいんですからね? そりゃ、最初は――で、でもっ、んっ、あんっ、すぐっ、上達してぇぇぇ……くっ、んはぁっ……はあっ、私の弱点がわかったとか、コツがわかったとか言って意地悪な感じで責めて来るようになってきたんです!」
     快感については否定できない。
     しかし、それでも彼氏とのセックスの方が楽しいことを、椎名は殊更に主張していた。嘘を付かせない効果をかけているので、その一つ一つの言葉の全てが、椎名の一途で情熱的な部分を証明していく。
    「なるほど。ちゃんと好きな人とするセックスは楽しいだろうね?」
    「そうです! だ、だからっ、本当にっ、はっ、ああっ、あん! 早くぅっ、くぅぅっ、済ませて下さい! 彼氏いるんで!」
     俺は腰を振りながらも、椎名の顔の横にデバイスを置き、画面上にあるものを表示するように設定した。
    
     なんで! なんで先生なんかで気持ちよくならなきゃいけないの?
     別にこんな上手じゃなくていいのに……。
     性交指導ってだけで最悪なのに、勇樹以外で感じるとか、本当にありえない……。
     やだもうっ、早く終わって?
     あっ、んん!
     感じなきゃいけないなんて……困るよぉ……!
    
     ブレインリングには装着者の心の声を取得する力があり、それを次々と文面に表示することが出来る。
     そして、仮に椎名本人が画面を見ても、誤認催眠で俺を恋人と思い込んでいたように、都合の悪い情報は視覚からカットされ、真っ暗な画面にしか見えないのだ。
    
     あっ、あふっ、むっ、ムカつく!
     勇樹より上手なのが否定できない――気持ちいいの否定できない――。
    
     俺はより大胆なグラインドで抉り抜き、背中が丸く反り返るまでに喘がせた。
    「あぁぁぁ! あっ、あ! あ! あ! あっ、あん! あん! あん!」
     快楽が大きくなればなるほど、より多くの文面が画面を流れる。
    
     な、なんでこんんなにいいの!? こんなの知らない!
     本当に勘弁して! 勇樹以外で喘ぎたくないの!
     いいから! こんな気持ちよくなくていいから!
     ――頭真っ白になりそう――ダメダメダメ!
     勇樹ぃぃぃぃぃ――せ、せめて勇樹の意地悪な声だけでも聴きたいよぉ……!
     あ、あれさえあれば、勇樹に「お前すっげー感じまくりじゃん? どうしちゃったの?」とか「顔がエロエロになってんな?」とか言われながらセックスしてる妄想してイケるのに!
    
     流れ続ける文面を見るに、どうやら自分のセックスを自分で盗聴して、あとで彼氏の好きな台詞を聞いて楽しめるようにしているらしい。特に意地の悪い言葉攻めが椎名の好みで、スマホにもMP3で入っているとか。
    
     い、イカされる! やだ! やだやだ!
    
     椎名は髪を振りたくり、快楽を拒みたがる様子を強めていた。
     その必死に首を左右に動かし、よがりながらも顔を顰める姿さえ眺めていれば、文章など見なくても絶頂直前にあることはよくわかった。
    
     気持ちいいだけでも嫌なのに!
     先生でイク必要なんてないし!
     ヤダっ、やだぁぁっ、なんでイカなきゃいけないの?
     もう無理っ、無理っ、ごめん勇樹!
     イクの我慢できない!
     げ、限界……!
    
     椎名は絶頂した・
    「ひぐぅぅぅぅ!」
     何も知らない人間に声だけを聞かせれば、何の悲鳴かと勘違いさせかねない。どこかおかしな声を上げ、極限まで背中を反らした椎名は、上半身の綺麗なアーチで、ビクビクと痙攣じみて震えていた。
     スイッチでも切れたようにぐったりした後、いかにも悔しげな、不満げな表情で、俺から顔を背けてしまう。
    
     最悪……イカされた……。
     イカされたくなかったのに……。
     しかも、まだピクピクいってて元気だし……。
     気持ち悪い……気持ちいいのに気持ち悪いっておかしいけど、なんかやだ……。
     口直しじゃないけど、アソコ直ししたいな。
     勇樹でイキたい。
     いつまで入れてるんだろう。
     終わったなら抜いて欲しいな。
     それとも、まだ続けるのかな。
     やだなぁ……。
     
     何というか、イカせてもなお、俺に対する感情が淡泊なのは、別に寝取りたかったわけでもないのに、若干落ち込みたくなってくる。
     まあいい。
     ブレインリングはシステムのバージョンアップを行ったが、特に不具合なく動作して、心の声を文章表示する機能もスムーズに動いている。
     しかし、個人的にもう少し楽しみたいな。
     ええい、愛情値を弄ってしまえ。
    
     あれ? なんか急に楽しくなってきた? なんで?
     ま、まあいいや。つまんないよりはマシだし。
     勇樹の方が楽しいけどさ。
     おチンチン。入れっぱなしにするなら早く動かせばいいのに。
     でもまたイカされちゃったらどうしよう。
    
     明らかに反応が変わっていた。
     一回、二回と、ほんの軽いピストンで、試しに少しだけ突いてみたところ、ヒクヒクと締め付けるような膣圧が帰って来た。
    「……す、するならすればいいと思います」
     今度は動かないことが不満であるように、椎名はボソっとそう言った。
    
     う、動いた!
     気持ちいいな……声も出そうになってくるし……。
     でも、勇樹ごめん……なんで先生とセックスして楽しいのか私自身さっぱりわからないけど……。
    
     そりゃ、感情指数をタッチ操作一つで弄られたからとはわからないだろう。
     俺は体位を変え、四つん這いの尻に腰をぶつけた。
     きゅっとくびれた腰を片手で掴み、右手では画面をチラチラと伺いつつ、シーツを両手で握り締め、あんあん喘ぐ姿を目で楽しむ。
    「あっ、あん! あん! あっ、せんせっ、いいっ、いいです! あっいい!」
     尻を鳴らす音がパンパン響き、そのうち椎名の方から前後に身体を揺すり始めた。
    
     これ、好きっ、勇樹もよく後ろから、お尻ペンペンしながらしてくれるっ。
     先生は叩かないんだ……。
    
     叩いてみるか。
     俺は左手を振り上げて、尻たぶをぺちんと打ち鳴らす。
    
     うそっ、してくれた!
     ドSモードの勇樹みたいで興奮する!
    
     勇樹みたいで、という条件込みで興奮するあたり、さすがは一途といったところか。
     ペチペチと叩いていると、締まりがよくなり、肉棒が搾り潰されそうな快感に見舞われ、射精感が込み上げる。
    
     あはっ、どうしよう!
     勇樹だったら、このあと仕返しって言って私がお尻叩いてあげて、私がドSになる番だったりするんだけど、先生相手じゃ、ちょっとまずいかな。
    
     カップルで性癖の範囲が広いのは恐れ入る。
     残念ながら、俺がM側に回ることは遠慮させて頂くが、代わりにゴム越しだが射精でもくれてやろう。
    
     ああっ、出てる! 熱いの来てる!
     ――あっ!
     か、軽くイっちゃった……。
     そうだ……お礼しなくちゃ……。
    
     お礼だと?
     俺が肉棒を引き抜くと、すぐに椎名はこちらを向き、コンドームを外しにかかる。精液のよくこびりついた肉棒を舐め始め、せっかくのお掃除フェラを俺は仁王立ちで味わった。
     れろぉぉぉぉぉぉ……と、根本から先端にかけて舐め上げる時、生え際に唇を近づけようとするあまり、椎名の顔面に肉棒を乗せてしまったようになる。根から亀頭へ這った舌先が、チロチロと鈴口をくすぐって、今度は横の生え際に吸い付いた。
     ハーモニカを加えるように、唇に挟んで上下に擦り、ちゅうちゅうと汚れを吸っている。右側を舐め上げている顔が、俺に視線を合わせると、ニカっと可愛く微笑んだ。そして左側も同じように吸い上げて、舐め取って、亀頭のまわりもペロペロと舐め回す。
    
     先生のおチンチンも悪くないな。
     まあ、好きな人が一番だけど。
     先生のことも嫌いじゃないし、楽しい時間になってよかったよかった。
    
     かなりの心変わり。
     いや、俺が書き換えたわけだが。
     面白いのでもっと色々試してみよう。
    
         ***
    
     彼氏への愛情値を消し、代わりに俺への愛情値を最大にした状態。
     ついでに淫乱値も上げている。
    
    「いっぱい奉仕してあげますね! 先生!」
    
     俺がベッドの横から脚を下ろし、そのあいだの床に座らせると、椎名は楽しそうに嬉しそうにパイズリをしてくれた。豊満な乳房で圧をかけ、ヨダレを活性油にしてよくしごき、自分の谷間に顔を埋めるとペロペロと舐めてもくれる。
    「んっ、じゅっ、じゅむっ、ずむっ、じゅっ、ずずずずっ」
     とても頑張っている椎名が、どんな心の声を放っているか確かめた。
    
     先生のおチンチンすごく元気だっ。
     私だって元気になっちゃう。
    
    「勇樹くんはいいのか?」
    「勇樹? えっと、誰でしたっけ?」
    
     これはこれで彼氏が可哀そうなので、後でこの改変は解除してやるが、今ばかりは俺の女として扱わせて頂こう。
    「先生っ、私は対面座位を希望します」
    「いいだろう。自分で跨ってみろ」
    「はい! お任せ下さい!」
     椎名は大喜びで俺に跨り、自分から肉棒を受け入れると、ずっぷりと下の口に咥えて上下に弾み始めていた。
     明らかにキスを求めた表情で、わざとらしく目を瞑り、唇を差し出さんばかりに顎をくいっと突き上げる。そんな椎名の唇を貪ると、向こうから舌を差し出し、だから俺も自分の舌を絡めつけ、ディープキスを楽しんだ。
    
     楽しいっ、楽しいっ。
     ずーっと一緒にいたいな。
    
     俺の背中に腕を巻き付け、強く抱き着いてくるものだから、俺の胸板で乳房が潰れる。ゆさゆさとした上下の動きが、肉棒に刺激を与え、射精感が天へと向かう。
    「出ます? 出ますか?」
     期待に満ちた上目遣いがそこにはあった・
    「ああ、出るぞ?」
    「いっぱい出して下さいね? 出したらお掃除しますからね? 元気があったら二回でも三回でもしましょうね」
     甘えた声で言われると、俺はますます興奮して――。
    
     どびゅッ、どく、ドクドク――びゅるぅぅぅ――。
    
     コンドーム越しの精液で、俺は椎名の膣内を温めた。
     そして、ウキウキとした様子でお掃除を始め、余裕のあった俺の様子に、椎名の方から二回でも三回でも求めて来た。
    
         ***
    
     心のない人形状態でのセックス。
    
    「………………」
    
     さすがに無反応。
     生きているだけで、何の個人的な性格や表情を持ち合わせない。命じれば動くだけの人形に騎乗位をやらせてみると、仰向けの俺に静かに跨り、極めて単調な弾みを見せた。激しさもなく、淡々としている上下の動きで、乳房はプルプル揺れてはいるが、あのはしゃぎっぷりと比べてギャップが凄い。
    「あっ、あぁ……あ……あぁ……あぁぁ……あ……あっ……」
     一応喘いでいるのか。
     実に静かなものだ。
    「気持ちいいか?」
    「はい……気持ちいいです……」
     これもこれで面白いか。
     しかし、タッチ操作一つで設定を切り替え、俺を恋人だと思い込んでいる状態に変更。
    「あぁぁん! 先生! 先生!」
     まさしくスイッチの切り替えだけで、椎名は激しく腰を揺さぶって、キスを求めて自ら前に倒れて来る。俺の胸板に乳房を潰し、ディープキスで舌を貪り、それでいて尻が大胆に弾んで水音がグチュグチュ鳴る。
     ――人形に戻す。
    「………………」
     簡単に目から光が消え去った。
     一度始めたディープキスは、それでも継続されていき、俺の唇を椎名はベロベロと美味しそうに舐め回す。重ね合わせて舌を差し込み、前歯や歯茎を撫で回し、こちらからも舌を出せば絡め合わせる。
     結合部はクチュ……クチュ……と、ゆっくりと持ち上げた尻を、脱力によってすとんと落としてしまう動きが、単調な機械も同然に繰り返される。
    
     恋人モード。
    
    「あぁぁん! せんせっ、先生っ」
    
     人形モード。
    
    「……………………」
    
     ひとしきりの切り替え遊びを楽しんで、俺はたっぷりと射精した。
     十分遊んだし、そろそろ返すか。
    
    
    
    


     
     
     


  • 女レッド 犬のお散歩

    
    
    
    
     真昼の街中、犬の散歩をする光景があった。
    
     犬といっても、それは人間の首にリードを繋げたマニアプレイの光景である。
     しかも、特撮番組に出るような戦闘員が、赤いタイツの女を引き連れている。
     赤タイツのデザインには装飾が施され、言ってみれば格好良いスーツとなっている。戦隊番組のレッドを彷彿させるものだった。
     マスクは外され、凛々しく見える素顔が丸出しだ。
     そんなレッドが四つん這いで歩いており、戦闘員がリードを握っている。
     まさしく、敗北したヒーロー屈辱的な姿――。
     そんな光景が街中にあった。
    「くっ……!」
     レッドは歯噛みする。
     全身を包む赤タイツは、肌にぴったりとフィットして、その体つきを如実に浮かせている。しかし、一部分が切り取られ、丸い尻だけは綺麗に露出していた。
     四つん這いの足が動くたび、そのお尻は左右に振れる。
     プリッ、プリッ。
     と、大きな桃の膨らみは揺れており、そのボリュームと柔らかさがよくわかる。
    「いやぁ、いいケツっすねぇ?」
     尻を眺めて、戦闘員が言う。
    「だ、黙れ!」
    「ははっ、まさか子供一人の命くらいで、本当にこんなことするだなんてねぇ? さすがヒーローッスよ!」
     悪の組織の手先であり、町の小学生を捕えた張本人が、その正義の魂をわざとらしく褒め称える。
    「卑怯者……!」
     レッドは肩越しに戦闘員を睨みつけ、歯が砕けんばかりの歯軋りで音を鳴らした。
     それだけなら、十分な凄味があった。正義感からなる怒りの眼差しには、しかし敵を容赦なく食い殺さんとする、激しい炎を宿している。目つき一つで敵を萎縮させ、弱気な者など一瞬で退散させかねないほどの凶眼だった。
     そんな凄味ある目つきにしても、戦闘員の視界からすれば、丸出しのお尻とセットである。
     しかも、彼女は抵抗をしない。
     反抗的態度こそあれ、悪の組織が子供を人質にしている以上は手出しができない。もし彼女が反撃でもしようものなら、ただちに人質が殺されるという状況下なのだ。
     子供の命という盾。
     そうやって武力を封じられているレッドが、切り取られたスーツからお尻を丸出しにして、そんな有様でありながら肩越しに睨んでくる。首輪が巻かれ、リードで繋げられていることまで考えれば、とても愉快な光景だ。
     睨みつけ、反抗的な言葉遣いをする。
     たったそれだけの抵抗しか、今のレッドにはできないのだ。
     その事が大いに実感できて、戦闘員は実に愉快で楽しげな表情になっていた。
    「どうした? 早く歩けよ」
    「うっ……! 畜生……!」
     屈辱を堪え、レッドは進む。
     人口の多い街中ということもあり、当然、老若男女多くの人が行き交っている。散歩の老人、OL女性、学生服を着た男女のグループや、大学生と見られる若者。
     多くの通行人が行き来する中、レッドはこんなことをさせられている。
    「おい、見ろよ」
    「嘘……! あれレッドだよね?」
     注目が集まっていた。
    「レッド……」
    「本当に負けたのか?」
     犬の散歩を目撃した通行人らは、ぎょっとして立ち止まり、レッドの歩くお尻を見届ける。一人で外出していた者は、ただ呆然とする。仲間同士のグループは、ヒソヒソと声を合わせて目の前の光景について語っている。
     そして、戦闘員が言葉を投げかける。
    「ほーら、みんな見てるぜ?」
    「……くっ、くぅぅっ!」
     まるで体が痙攣して見えるほど、レッドは屈辱に肩を震わせていた。
     パシャッ、パシャッ。
     それはシャッター音声。
    「ははっ、撮ってやがんの」
     人々の無情な行いを見て、戦闘員はますます愉快に笑う。
     彼女は今日まで、人々の自由と平和のために尽くした戦隊の一人である。数々の怪人を打ち倒し、既に数え切れないほどの被害者を救済した英雄だ。
     しかし、そんなヒーローの無残な姿を見て、人々の取る行動は写真を取ることだった。何人もの若者がスマートフォンを彼女に向け、それぞれのシャッター音声を鳴らしてお散歩姿を保存する。
     ツイッター、フェイスブック、2ちゃんねる。
     ヒーローの姿はいたるところに晒されて、それが瞬く間に拡散したネット上では、話題と議論が巻き起こされる。晒し行為を叩く声もあれば、それを正当化する声も、開き直って堂々とエロスを嗜む歓喜の声もある。
     いずれにせよ、この場にいる限りの人々だけでなく、もっと不特定多数が彼女の画像を既に見て、使っている。それはおそらく、日本の人口の半数近くにも上っていた。
     画像どころか動画モードの者すらいて、貴重な映像を撮ることに腐心していた。
    「ほら、見ろよ」
     戦闘員はスマートフォンの画面を出し、ネットの現状を見せつける。
    「……!」
     レッドは顔を歪めた。
    「お前の守ってきた人々ってのはさ、まあ所詮こんなもんなんだよね。よく正義感とか燃やせるよねー。ご苦労ご苦労」
     正義を馬鹿にする言葉をかけ、戦闘員は尻を叩いた。
    
     ペチ、ペチ、ペチ、ペチ――
    
     尻を楽しげにタップしながら、実に愉快に語っていた。
    「せっかく今まで戦ってきたのに、やってらんないねぇ? お前が過去に救った人々も、みーんなこの画像見てるよ? この呟き見ろよ。お前のケツでオナニーしたってさ」
     レッドはうな垂れた。
    
     ペチ、ペチ、ペチ、ペチ――
    
     尻をペチペチ揺らされながら、そんな言葉を聞かされる。やりきれない思いのレッドは、人質さえいなければ、と。猛烈な歯がゆさに苛まれながら、視姦と尻叩きと、それが晒されている現状を胸で堪えた。
    「どうなの? お前、こういう奴ら守るの?」
     ぐにっ。
     戦闘員は両手で尻たぶを掴み、ぐにぐにと捏ね始める。
    「おーい! 住民のみなさーん? 今日はこの女レッドが、日本の人類のために肛門を晒してくれるそうですよー?」
     その場にいる人々に呼びかけて、戦闘員はスマートフォンを片手にする男を寄せ集めた。ほとんどの、会社員や学生を含めた、この場にいた限りの男が尻に群がり集合し、一目覗き見ようと顔を寄せる。
    「……くっ! くぅっ、うぅぅ……!」
     視姦という名の、それは苦痛に耐える呻きであった。
     人々の目という目が、両手で開かれた割れ目に注目し、桜色の雛菊皺を観察する。痛いほどの視線が突き刺さり、まるで肛門を焼き尽くされる心地に、羞恥と屈辱に悶絶した。
    「うっ、うあぁぁ……!」
     心理的苦痛に対する、低い低い悲鳴。
     だが、人々はお構いなしだ。
    「さあ、みなさん! 拝めるのは今だけですよ? 後悔しないように撮影しちゃって下さい!」
     その瞬間――
    
     パシャ! パシャ! パシャ! パシャ!
     パシャ! パシャ! パシャ! パシャ!
    
     何度も何度も、執拗なまでにシャッター音声が響き始めた。ありがちなシャッター音声から、メロディーじみた音まで混ざり合わさり、お尻が磨り減って思えるほど、レッドの肛門は撮り尽くされた。
    
    
    
    


     
     
     


  • 犬伏文音の受ける罰

    
    
    
     犬伏文音がしくじるたびに、厳しい大叔母は文音を叱責する。
     罰を受ける事を覚悟をして『箱』を持っていかれた事を告げると、いつものようにスリッパを用意し、こう言ってくる。
    「尻を出しな」
     文音が四つん這いで臀部を向けると、年頃の少女に対して大叔母は容赦がなかった。何の躊躇いも見せずに、まるでそれが当たり前であるかのようにスカートを捲り上げ、白いショーツが露出する。
     屈辱だった。
     小さな子供ならまだしもとして、とても文音の年頃で受けるような罰ではない。
     ずるり、と皮でも剥くように勢い良く、色白の生尻が丸出しにされる。
    
     パァン!
    
     スリッパを叩き付けられ、文音の尻たぶはほのかに赤みをおびた。真っ白な桃に桜色を振りまぶした色合いは、まさに白桃を連想させる。
    
     パァン!
    
     柔らかな肉はプルンと弾み、皿に出したプリンをつついた時のような小刻みな振動を波打たせる。叩かれるたびに赤みは色を増していくが、腫れぼったい痛みなどより、こんな罰を与えられる屈辱の方が遥かに文音を苦悶させていた。
    
     パンパンパンパンパン――
    
     大叔母の手首がしなり、肌を打ち鳴らす打撃音は一定のリズムを刻み始めた。
     左右の尻たぶを交互にだ。
     右と左は順々に、規則正しくプルプル揺れる。
    
     パンパンパンパンパン――
    
     文音はただひたすら耐えていた。
     老齢の大叔母の後継者として、この程度の屈辱に耐える精神がなければ修養が甘いと見做される。単なる罰というだけでなく、正しく強い精神を身に付けているかを試す一種のテストも兼ねていた。
     拳を強く握り締め、力の余りに爪が食い込む。唇を噛み込み、こぼれる涙さえ瞳の中に封じながら、恥辱に震える身体を抑えてただ終わりの時を待っていた。
    
     パンパンパンパンパン――
    
     待ち続けた。
     若かりし頃の大叔母も同じ罰を受けていたのか、犬伏では伝統的にこうした罰が受け継がれたのか。将来後継者を決めるほどの歳を取った時、自分も弟子に同じ罰を与えるのか……。
     屈辱感を紛らわすように思いに逃げ込み、懸命に耐え続けた。
    「……まあ良い。このくらいにしよう」
     ようやく尻叩きの連打が止み、文音はショーツに尻をしまい直した。
     これが失態を犯した文音の受けるいつもの罰であった。
    
    
    
    


  • 時槻雪乃とエロマッサージ 中編

    前編 後編

    
    
    
      苦痛。恐怖。憎悪。悲嘆。かつて遭遇した<泡渦>の中で焼印のように心に焼き付いた感情を汲み出すことが、自分の中の悪夢の<断章>を紐解く最初のプロセス。日常というぬるま湯に漬かることなく、孤独の中で過去を反芻し、ただひたすらに自分を切り刻み続けることが、化け物と戦う化け物であるために、雪乃に必要なことだったのだ。
    
     ――しかし、こんな苦痛。
    
     雪乃はおっぱいを攻められていた。
     上半身を起こされて、胡坐をかいた雪乃の背中は、斉藤の胸に密着して預けられている。背後からの乳揉みに囚われて、数分以上も揉みしだかれた上、さらに乳首まで刺激され、雪乃はその快楽をどうにもできない。
    「気持ちいいでしょう?」
    「うるさい……!」
    「これはねぇ? 一応、ちゃんと効果があってね。こうして乳首の血流を活性化させることにより、バストアップの効果が出るんだ」
    「……興味ないわね」
     美容など考えもしない雪乃には、本当にどうでもいい知識だが、斉藤はお構いなしに雪乃の乳首を苛めている。
     クリクリと、コリコリと。
     アイマスクの分だけ皮膚感覚に意識のいく雪乃には、ただでさえ強い刺激がより如実で、ともすれば指の動きが正確にイメージできる。指の腹でプレスして、その強弱によって乳首を摘み続けてから、左右に弾くような刺激を行い、軽く引っ張る真似もする。乳輪を延々となぞり続けもする。
    「ん……くふぅ……ぅ…………」
     せめて声だけは抑えていた。
    「我慢しないで、もっと大きな声で鳴いてもいいのに」
    「ふざけないで…………」
     何も知らなかった雪乃の身体は、大人の指に快感を教え込まれて、いいように敏感にさせられている。もっと早くに疑っていれば、こんなことにはならなかったかもしれないが、後悔してももう遅い。
     気持ちいいことによって息は乱れて、歯を食い縛っていなければ、どれほどみっともない声が漏れていくことか。
    「そう言わないで鳴いてごらん?」
     アソコへと手が伸びるに、紙ショーツに潜った指がクリトリスを見つけると、静電気が弾けるような快感に雪乃は激しく身をよじった。
    「…………あっ!」
     背中が斉藤に密着しきり、中年の胸板が壁となって、仰け反りようがないにも関わらず、それでも仰け反ろうとした雪乃の身体は、背中を強く押し付けた。
    「ほら、可愛い声だ」
    「この……ぉっ、あ……あぁ……!」
     腕が二本ともアソコへ群がり、クリトリスにも膣口にも指が取り付くと、肉芽への攻めと指のピストンが雪乃を襲い、雪乃はさらに身をよじる。
    「もっともっと鳴いていいんだ」
    「あぁ……ぅ……ぁ……んっ、んぁ……!」
     首でも仰け反り、雪乃の後頭部が斉藤の肩へと押し付けられる。背中ももっと、それ以上は増しようのない密着度合いをそれでも増そうと動いている。
    「雪乃ちゃんは完全にオジサンのコントロール下にあるんだからね」
    「コントロールって……!」
    「ほら」
    「……あん!」
     雪乃は悟った。
     まるで楽器でも奏でるように、この男は自在に雪乃を喘がせている。太い指の出入りが緩く、まだ手加減されているうちだけは、声を我慢することが許される。
     屈辱。羞恥。快感。
     雪乃の感情に新しい焼印が与えられ、「――あ! あっ、あん!」と、さも弦を奏でるつもりのような指先が、雪乃から鳴る音色を自在に引き出す。
     ……悔しすぎる。
     自分はいつ死んでも構わないし、自分の<断章>は不測の戦いにも向いている。<騎士>として戦い続けた自分が、こんな形で辱めを受けているなど最悪だ。どんな憎悪や恐怖も糧としてきた雪乃には、これまで積み上げてきたプライド全てが汚されているも同然だった。
    「……うっ、あっ、あくぅぅっ」
     そして、雪乃はここに来て、これまでにないほど必死に耐えた。
     何かが――来る気がした。
     全身に張り巡らせてある神経が、ある一点に信号を集めていき、それがいつしかアソコの中で爆発する予感に見舞われ、初めての体験に何がなんだかわからない雪乃は、とにかく必死に我慢をした。
     太ももから足首まで、筋肉が完全に強張るまでに力を入れ、腹にもぐっと力を込める。必死の必死に歯を食い縛り、我慢に我慢を重ねる雪乃のアソコから、たった一度だけ手が離れる。もちろん愛撫をやめてくれるわけではない。雪乃の足を持ち上げて、M字開脚のポーズに変えるためだった。
     足を左右に投げ出して、誰がいるわけでもない壁に秘所を見せ付ける。
     情けないとも卑猥とも言えるポーズのアソコは、女を知り尽くした指に蹂躪され、穴もクリトリスも嬲りつくされ、ついに雪乃の我慢の限界を突破した。
     ――来る!
     来る、来る、何か――。
    
    「――――――――っ!」
    
     声にもならない、絶叫に近い喘ぎ声。
     この時、時槻雪乃は生まれて初めての絶頂を味わった。
    
         ***
    
     イクことを覚えても、敏感になった肉体はまるで静まろうともしていない。触れればそこで快楽の電気が弾け、肩に触れても足に触れても、ビクっとした反応を雪乃は示す。そんな自分の反応を、今しばらくのあいだ雪乃は自覚していない。
     頭が真っ白になった余韻から、だんだんと脳を離れた意識が戻り、自分の置かれた状況を明確に思い出す。
     そうだ。
     こいつは性犯罪者で……。
    「どうだい? お尻も気持ちいいだろう?」
     いつの間に自分が四つん這いになっていることを自覚して、おまけにショーツまで脱がされていることに気づいた雪乃は、ハっとした反応で惨めな姿勢を変えようと試みた。
    
     ぺちん!
    
     雪乃の取ろうとした行動を、その一撃は完全に先読みしていた。
    「な……!」
     そして、雪乃は驚愕した。
    
     ぺち、ぺちっ、ぺちん!
    
     お尻を叩かれている。
     痛いわけでも何でもない、ただ尻肉をタップして、平手で振動を与えたいだけのスパンキングに過ぎないが、幼い子供が親にお仕置きを受ける時を覗いて、人がこんな体罰を受ける機会はどれほどあるか。いや、だいたい、親によるお仕置きだろうと、こんな形で子供を教育するのがどれほどいるか。
    
     ぺち! ぺち!
    
     生まれて初めて、雪乃はお尻を叩かれていた。
    「ふ、ふざけないで!」
    「雪乃ちゃんが勝手にポーズを変えようとした罰なんだけどね」
     斉藤は両手で尻を鷲掴みに、好きなように揉みしだき、撫で回す。敏感になった雪乃の皮膚神経は、いやらしい手つきを存分に感じようと、雪乃の過去や今の気持ちに関係なく、尻揉みのマッサージを味わっている。
    「何が罰? 性犯罪者がよくも――」
    
     ぺちん!
    
     また、手の平が良い音を打ち鳴らし、言葉による反抗も、勝手にポーズを変えようとした気持ちも、何もかもが一撃だけで封印される。
    「お尻を叩かれて悦んでいるのは誰かな?」
    「馬鹿馬鹿しいわ! 喜ぶわけ――」
    
     ぺちん! ぺちん! ぺちん!
     ぺちん! ぺちん! ぺちん!
    
     二つの尻たぶが交互に打たれ、プルプルと振動するに、雪乃はどこか身動きが封じられた思いでスパンキングを続けてもらう。
    
     ぺちっ、ぺちん! ぺちぺち!
     ぺちぃっ、ぺちん! ぺち!
    
     こんなことをされながら、雪乃は自分が本当に喜んでいることを自覚する。本当に軽い力に過ぎないが、こんな扱いを受ける苦痛に、精神的な痛みに心が喜び、もっと叩いてもらおうと体が後ろへ動いていた。尻を少しだけ突き出して、自らお仕置きをねだっているのに、雪乃は自分で歯噛みしていた。
     これも<痛み>だ。
    「……いいわ」
     こうした屈辱から生まれる憎悪でさえも、雪乃は復讐の糧にしようとしていたのだった。そのことに気がついて、明確に自覚した瞬間から、どこかで何かが吹っ切れて、そのうち辱めに泣いたかもしれない自分のことを鼻で笑う。
    
    「好きなようにして頂戴」
    
    「おや?」
    「どんな形だって構わないわ。屈辱ぐらい望むところよ」
     死んでも構わない覚悟をしておきながら、お尻を叩かれるのは嫌など通らない。
    「何か気が変わったみたいだね。じゃあ――」
     斉藤は考えている。
     次はどうやって雪乃を辱めるのか。
     断じて期待しているわけではない。本当の意味で喜びなどしない。ただ心を刻み取る何かがある限り、<断章>の痛みを忘れない。自分のことを憎しみに浸すための、ただただ糧を取り込むためのプロセスだ。
    
    「お尻の穴を見てあげるよ」
    
     ぐにぃっ、と。
     二本の親指によって、閉じ合わさっていた尻の割れ目が開帳され、その奥に隠されていた皺の窄まりが中年男性の視界に現れる。
    「うぅ……ぅ……」
     これまでにないほど、雪乃の顔は赤く染まった。色白だから赤面がわかりやすい、雪乃の首から上だけを見る分には、いっそ肌の色が別の人種に変わったまで例えられる。
    
     じぃぃぃぃ――。
    
     皮膚を焦がさんばかりの視線照射が、肛門目掛けて浴びせられていた。
    「君の肛門の皺の本数を数えているよ?」
    「……変態ね」
     そう返すのがやっとのように、雪乃はそれだけの不機嫌な声を返した。
    「知りたいかい?」
    「どうでもいいわ」
    「○○本!」
    「だからどうでもいい!」
     怒鳴ってから、雪乃はぐっと歯を噛み締めた。肛門などをジロジロと視姦され、皺の本数まで知られるなど、いかに<泡渦>と戦う人生であれ想像もしなかった。
    
         ***
    
     肛門視姦をたっぷりとされた後も、雪乃の全身はこれでもかというほど愛撫され、乾いてきたオイルを改めて塗り直す。身体を火照らす効果がさらに染み込み、全身熱く疼いた雪乃の肉体は、指を触られても気持ちいいほどにデキ上がっていた。
    「あぁ……あ……あう……んぁ……あぁぁ……ぁ……ふぁ…………」
     太い一本の指が、雪乃のアソコに出入りしている。自然と足は開いていき、言われたわけでもないのにM字開脚となった雪乃は、快楽に溺れないことだけを意識していた。
     自分は憎むべき犯罪者の辱めを受けているのだ。この憎悪を糧としなければならない。気持ち良さに夢中になり、ただただ喘いで終わるのは違う。みっともなく、惨めな扱いを受けていようとも、せめて心だけは<騎士>でいるのだ。
    『そうよ。それが正しい食べられ方。可愛い雪乃には、優しい王子様に抱かれる甘い初めては似合わないわ』
     ……でしょうね。
     と、心の中だけで受け止めて、雪乃は気持ちよさを我慢する。
     浸ってはならない。くつろいでも、癒されてもいけない。そんなものは自分には必要ない。
    「あふぅ……んぅ……んっ、あっ、あぅ……あぁぁ…………」
     たったの指一本だけに、雪乃の全身が支配されていた。
     暴れようとも思っていないが、仮に暴れて抵抗しようにも、全身を甘く解かされた今の肉体では何もできない。こうして指のピストンだけで、脳まで快感に貫かれ、意識していなければとっくの昔に溺れ喘ぐだけの乱れた女と化していた。
     何度もイカされた。
     絶頂の予感がするたびに、天国が近づくにつれて斉藤の指は活発化して、ピストンの激しさが愛液を撒き散らす。
    
    「あ……う……うぁ……あぁ! あ! ああ! あぁぁ! あああん!」
    
     喘ぐ声のトーンが上がり、絶頂に朽ち果てると、一度は指が抜かれるが、やはり火照った全身の熱が冷めるわけではない。まだまだ体力を残した身体が、次の快感を求めてしつこいほどに疼いており、すぐに愛撫は再開される。
     自分はさしずめ、横たえられた玩具に過ぎない。斉藤は有り余る技巧で好きなように雪乃で遊び、雪乃の喉から聞きたい声を絞り出す。
     斉藤はご丁寧なことに、イクたびに数分くらいはインターバルを挟んでから、一度だけ水分補給のドリンクまで持ってきた。「エッチなお汁がたくさん出たから」と、わざわざ嫌な言い方をしながらも、唇に当たったストローから雪乃は水分を取り込んだ。
     そんな愛撫が止んでいる最中さえ、雪乃の恥ずかしいポーズは持続していた。いつ再開しても構わないため、アソコを嬲ってもらうため、秘密の部分を解放したままでいる自分をいつしか自覚して、雪乃はもうそのままであり続けた。
     十回もイった頃には、膣に指が入っていなくとも、まだピストンが続いているような余韻が残り続ける。思考が弾けて頭が真っ白になる際の、アソコの中で一気に跳ね上がる瞬間も、膣壁の神経が覚えている。
    
     アイマスクが外された。
    
     中年の顔と目が合うと、斉藤は既に施術用ベッドに乗り上がり、見ればズボンを脱いで出すべきものを露出している。
    「はぁ……はぁ……ぁ……ふぁ……あぁぁ…………」
     雪乃はすっかり息が上がっていた。
     もはや手が触れていなくとも、余韻が残っているだけで気持ちいいアソコは、そのワレメの奥から欲望の汁を滲ませている。
    「さぁて、雪乃ちゃん」
     ぺったりと、ワレメの線に沿うように、アソコに肉棒が乗せられた。その未知の存在感が猛烈な勢いで意識を引き摺り、全ての集中力がアソコへ行って、肉棒から発せられる熱気を感じ取ろうと神経が必死になった。
     こんな男に挿入されるだなんて――自分の中に、レイプを拒む気持ちが残っているのを確認すると、雪乃はそんな自分の気持ちを大事に抱えて肉棒を意識した。他の男を知らない雪乃は、今自分に当たっているのが大きいのか小さいのかわからない。わからないにせよ、きっと太くて長い方に思えるサイズだ。
     ムラムラと滲み出る淫気というべきか。ありていに言えばオーラが出ていると、稚拙に例えてしまえば済むかもしれない、肉棒から絶えず放出され続ける何かが、アソコの触れている部分からだんだん奥へと染み込んでいく。
     股間の筋肉が意識せずとも反応して、膣肉がヒクヒクと蠢いていた。
    
    「オジサンとセックスしようか」
    
     雪乃は静かに中年を睨んだ。
    「……すればいいじゃない」
     誰からも不機嫌とわかる眼差しが、憎しみと敵意を含んで細められ、眉間にも眉の寄せられた雪乃の顔は、明らかにセックスに合意していない。心だけは堕ちていない証拠が、気持ちという目には見えないはずの証拠品が、表情さえ見ればありありと浮かんでいた。
     それでいて乳首は突起していれば、クリトリスも勃っているのだ。
     合意がなくても気持ちよくなる状態が、気持ちの上では憎悪さえ吹き荒れていながらも、それでも快楽が溢れてしまう肉体が、とっくの昔から完成していた。
    「雪乃ちゃんは初めてだよね? 初めての体験を忘れないように、じっくりゆっくりと、オジサンのオチンチンを感じてごらん?」
    「ふん。気持ち悪い」
     にべもない雪乃。
     だが、斉藤の腰が動いて、肉槍の切っ先がワレメをなぞると、生まれて挿入される瞬間がこうして一秒ずつ近づいていることを、雪乃は存分に感じ取る。
    
     ヌルゥゥゥゥゥ……。
    
     オイルにも愛液にも塗れ、十分すぎるぬかるみを帯びた雪乃のワレメで、亀頭が上下に動いて感触を擦り付ける。腰を前後に動かすことで、またアソコに竿が乗るように、そして形や長さを教えるようになすり付け、雪乃は無言でそれを感じる。
     圧迫感があるほど腰を押し付け、竿の側面が密着すると、自分のアソコに対してどの程度の太さなのかが嫌というほど雪乃に伝わる。勃起というものが、肉棒をどれほどの硬度にするのかも、果てはどれくらいの長さなのかも膨らんで、雪乃の頭の中には少しずつ、斉藤の持つ肉棒の正確な形状が作られていた。
     ただでさえ、純粋な施術による血行の効果も出て、今の雪乃には活発に血が通っている。必要以上に敏感になり果てた神経が、見えない手で包んで測定しているように、ちょっとした反りや血管の浮き出た具合まで、何もかもを知ろうとしてやまなかった。
    「これから雪乃ちゃんの中に入るのは、どんなオチンチンかわかったかな?」
     そう、わかっていた。
     直接は目で見ていない、にも関わらず想像力だけで限界まで正確に、雪乃はこの男のペニスを知っていた――否、挿入前の予習のように教え込まれた。
    「時間の無駄よ。さっさと挿れたらどうなの」
     変態じみた問いかけを、雪乃はそうして突き放す。
    「そうだねぇ? そろそろ、味わってもらおうかなぁ?」
     もうそこには、第一印象にはまだあった穏やかさが欠片もない。おぞましいほどに唇の変形した微笑みが、元の顔立ちの良さを台無しにして、ルックスではそうでもなかった中年が、気持ち悪いだけのオジサンにしか見えなくなった。
     また亀頭がワレメをなぞり、膣口に狙いを定める。
    
     私にはお似合いの初体験ね。
    
     自嘲的になる雪乃の脳裏には、一瞬だけ白野蒼衣の顔が掠めて、どうしてあんなヘラヘラとした男がと、「ちっ」と雪乃は舌打ちする。
    
     ずにゅぅぅぅぅぅぅぅ…………。
    
     想像以上にゆっくりと、根元まで押し込むのに何分かける気でいるかもわからないスローペースで、中年による挿入行為は開始された。
    「――ぐっ、うっ」
     穴の幅よりいくらか太い、それでも散々にほぐされたおかげで痛みが最小限の膣口は、その太さによって拡張されていく。ワレメの皮膚ばかりが覚え込んでいた肉棒の形状が、今度は膣壁の神経を通しても脳に伝わり、その一ミリの進行ごとに雪乃の中で、肉棒の存在感は拡大していた。
     亀頭の先が、半分が、そしてカリ首まで収まると、先っぽの形が細やかに感じられる。膣の筋肉にヒクヒクと力が入り、締め出さんばかりに力んでしまっても、肉棒はたった一ミリとて後退したりなどしない。余りある滑りの良さが、膣肉による圧迫などまるで無視して、どれだけ膣圧があろうと数ミリずつ、ゆっくりゆっくりと、雪乃の穴へと収納される。
     そうやって力が入る分だけ、膣壁と肉棒の密着度は最大限になっていた。
    「くっ……あ……あぁ……あぁぁ……あぅ……んぅ……んぅぅ…………」
     四分の一――さらに数ミリ。数秒間もかけてやっと何センチか入っていき、三分の一、そこからさらに数秒かけ、やっと半分までが入っていく。
     十秒でも二十秒でも、何十秒でもかけるつもりの腰の動きで、本当にやっとのことで、ようやく根元までが入っいた。
    「ほら、全部入った。感想を教えて欲しいな」
    「……別に……んぅ……あなたを殺したいだけよ」
     敵意。憎悪。殺意。およそ黒いといえる感情ばかりが表情から噴き出て来て、睨み殺さんばかりの眼差しで睨んでいる。普通の感覚をしていれば、誰であれ恐れるほどの目付きであれ、もう挿入を済ませてしまった斉藤には、毛ほどの恐怖にもなりはしなかった。
     レイプの犯人を呪いたくもなるなんて、女としても、まして時槻雪乃という少女の感覚からしても、当たり前すぎるものだった。
    
     ――殺す。
    
     そんな言葉が、嵐の勢いで表情から吹き荒れる。
    「はい」
     それほどの表情でさえ、斉藤が乳首をタッチしただけで、若干の色気を含んで歪み、そのまま快楽に染まりかねない顔が、ほどなくして憎悪のものへと立ち戻る。
     右手でも左手でも、雪乃の乳房を包み込み、丁寧に撫でては指先で乳首を苛める。その技巧が雪乃の口から淫らな吐息を引き摺り出し、どう控え目に見積もっても、感じている女のそれでしかない乱れた呼吸の音が響き渡った。
    「はぁ……ぅっ、ぁ……あぁ……はぁ……ふはぁ…………」
     息遣いだけが興奮しても、もう簡単に表情は変わらない。
     ただ、耳まで朱色に染まっているだけだった。
    「ほーら、動いちゃうぞ?」
     ニタァァ……と、おぞましく変形する表情は、誰しもを戦慄させかねない恐怖を孕む。
     その恐怖にこそ、雪乃は身を浸していた。
    「さっさと動けばいいじゃない」
     殺意を増してさえいる雪乃の声。
    
     だが、身体は肉棒のピストンを待ち侘びていた。
    
     中年の腰振りが開始され、ゆさゆさとした動きで膣壁を抉り抜くと、想像以上の快楽電流がせり上がり、雪乃はその激しすぎる気持ちよさに目を見開いた。
    「あぁぁ――!!」
     大きな喘ぎ声が天井を貫いた。
    
     ――じゅぷっ、ずぷっ、にゅぷ! つぷ! じゅぷ! じゅぷん! じゅぷん!
    
     ピストン運動の腰がぶつかり、肉棒の根元にある陰毛と、雪乃の股にあるオイルに愛液が衝突するたび、ねっとりとした水気の捏ね合わさった水音が鳴り響く。
    「あ! ぐっ、うっ、うっ、ぐっ、あぁ! あっ!  あっ!」
     快楽が凄まじすぎた。
     ピストン運動がそのまま快楽発電であるように、無尽蔵に生まれる電気は決して体外に逃げてくれることはなく、溜まるだけたまって快楽の密度を上げる。脳まで染まりそうなほどの激しさに喘ぎ、鳴き散らしながらも自分を保ち、最後まで斉藤を睨み続けている決意で、雪乃はシーツ代わりに敷かれているタオルを鷲掴みにした。
    『そうよ。あなたは堕ちてはならない。獲物を求める狩人は可愛い雪乃の方なんだから』
     風乃の声が聞こえてくる。
     頭が痺れるなどというものではない。雷を絶えず落とされ続けて思える刺激の強さに、いつ意識が飛んでもおかしくなかった。
    「あぁぁ……! がっ、がぁっ、んんんん! んん! んあああ!」
     歯を食い縛っていることも許されない。
    
     男は射精するんでしょう!?
     それさえ済めば話は終わるわ! それだけ! それだけよ!
    
     暴風雨の激しさに晒され続け、懸命に自分を保つ雪乃の目は、このまま絶頂を迎えても相手を睨み続けていた。
    「イったねぇぇぇぇ!?」
    「っさい! うる――さっ、あぁ! あぁ……! あぁぁ……!」
    「ほーら、また次の絶頂が待ってるよぉぉ?」
    「うるさい! うるさ――いぁああ! ああああ! んん! んが、あぁぁああああ!」
     ピストンに合わせて背中が弾み、リズム通りに反り返った背筋が施術ベッドに打ち付けられ、それが一切のリズムを変えることなぬ何分間も、五分以上も続いていく。その五分間だけでも五回はイキ、別の体位を求める斉藤は仰向けに寝そべった。
     騎乗位となった雪乃の肉体は、自分で弾む義務などないのに、自ら上下に跳ね回り、快楽を貪っていた。
    「殺す! ころ――こっ、ん! んん! ああん! あん!」
     コントロールされているのだ。
     下から突き上げる腰使いに雪乃の肉体は反応して、意のままに操られ、十分に誘導したところで肉棒は動きを止める。結果として雪乃は自分で弾んでいるのだった。
     イったと共に雪乃は倒れ、その乳房を中年の胸に押し当てる形となって、抱擁に迎え入れられ密着し合う。そうして上半身が捕らわれてなお、尻だけは上下に弾み続けて止まらずに、雪乃は自分自身を狂おしく呪っていた。
    
     私が求めてるなんて!
     私が――私が――!
     自分から動いているなんて!
    
     自分をそのようにした元凶に、そのような憎しみが新たに沸き、それが睨む視線を辛うじて保たせていた。
     バック挿入に変わると、自分からは男の顔が見えない状態で貫かれ、腰と尻のぶつかり合う打音がパンパンと鳴り続ける。
    
     パン! パン! パン! パン! パン! パン! パン!
    
     初めは斉藤だけが動いていた。
     腰のくびれを両手で掴み、雪乃のことを逃がさないようにしたピストンで、さらに三回の絶頂を体験させる。
     しかし、途中からは棒立ちで、むしろ雪乃の身体が前後していた。
    
     パン! パン! パン! パン! パン! パン! パン!
    
     同じ音でも、微動だにしない男の腰に対して、雪乃の尻が積極的にぶつかっていき、自分で自分の動きを抑えられない雪乃にとって、自らの肉体が忌まわしい。初めてセックスしている中で加減がわからず、肉棒の長さに対して前に出すぎて、抜けてしまうまで何分間も、雪乃の前後運動は続いていた。
     そして、肉棒が抜けてしまったことで、また入れ直してもらえることを体が望み、自分がいかに乱れているのかと自覚しながら仰向けとなり、挿入を求めるサインとして、入れてもらうためにM字開脚のアソコで誘った。
     挿入したら殺す顔をしていても、肉棒はあっさりと雪乃の穴に入り込む。
    「あん! あぁん! あっ、あぅ――うぁぁ……! あぐっ、んんぁぁあああ!」
     何度絶頂を味わったか。とても数える余裕はない。単に物凄い回数をイったことしか理解できずに、実に二時間近くも性交を続けてから、やっとのことでピストン運動の停止する休憩時間が挟まれる。
     抜かれるようなわけではなく、根元まで肉の栓がハマったまま、激しさがやんだ分だけ肉棒の存在を意識しやすい。未だにピクっと、血管が脈打っているのが膣壁に伝わって来る。雪乃のアソコは肉棒を握り締めようと、ヒクヒクと力を加え、その強弱によってマッサージまでしているのだった。
    「初めてなのにいっぱい気持ちよくなれて嬉しいねぇ?」
     もはや当然でしかないように、また胸に斉藤の手が置かれた。
    「はぁ……あぁ…………はぁ…………」
     激しかった余韻はアソコどころか、気持ちよすぎて痙攣した脚の筋肉にも、つま先にも、真っ白になりかけた脳にまで残っている。それでいて、この肉棒がもう一度ピストン運動を始めるだけで、また同じ激しさに呑まれるのだ。
    『……うふふふふふ。最低で、愚かで上手な狼さんね』
     耳元で囁く、恐ろしく純粋な、硝子のような悪意の笑い。
     その耳に流れ込む声の、あまりにも透明な悪意と凶器に心が引っ掻かれて、雪乃の感じる空気の温度が一気に低下した。
    「…………!」
    『この何も知らない愚かな狼さんに教えてあげましょう? 自分が、燃え盛る篝火をつついているのだと』
    「……」
     その亡霊の声を、雪乃はただ黙殺する。
    「気持ちよすぎて声もでないかなぁ?」
    「……るさい」
     どちらに対して言ったのか。
     確かに、この男を焼き尽くしてしまえば、犯された復讐心は晴らせるだろう。
     そんな自分の心の声と、風乃の言葉を、雪乃は共に黙殺する。自分に言い聞かせる。『話つぃの目指す化け物は、そんな安いものじゃない』、と。
    「………………別に」
    「初体験でいっぱい気持ちよくなれたねぇ? 嬉しいねぇ?」
    「嬉しくないわ」
     これだけ精神が堕ちてもおかしくない陵辱の中でさえ、そんな風に返せる自分がこうして残されている。<神の悪夢>の次に憎い、破滅ばかりを囁く亡霊への感情も、雪乃を支え抜いた一つに違いはなかった。
    「これからプレゼントをしてあげるよ」
     斉藤の腰がまた動く。
    「んっ……んぅ……んふぅ……ふあっ、あぅ……ふぁ……あぁ……」
     まったりとしたピストンで、先程までの激しさがあるわけじゃない。緩やかな刺激であれ、快楽漬けとなった肉体では、息を荒く乱したような喘ぎぐらいは出してしまう。
     プレゼント?
     想像がつかなかった。
    「ん……ぐっ、は……ぅ…………んぅ………………」
     これなら唇を噛み締めて、声を抑えていることは出来そうだった。
    
     こんな奴に気持ちよくさせられている。
    
     憎むべき、忌まわしい事実に身を浸し、雪乃はこうして自分を刻む。
    ここまでゆったりしていても、手足が溶けているような、それとも熱に溶かされやすい甘い何かに肉が変質しているような心地良さに支配され、気をつけなければすぐにでもうっとりと目が細くなりそうだ。
     中年の老獪な手つきが、ピストンと共に乳房を揉み続け、時折乳首も苛めているのが、心地の良さに拍車をかけた。
    「ねえ、このままオジサンのペットになろうよ」
    「……っ! ふざけているの?」
     口を開けば乱れた息を吐き出しそうで、そのことに顔を顰めた雪乃は、喋ってすぐに唇を引き締めた。
    「気持ちいい思いを何度も何度もさせてあげるよ」
    「……ひっ、必要ないわ……あっ、さっさと済ませて……ぅ……さっさと……ぁっ、か、帰らせて……もらえないかしら」
    「でも、雪乃ちゃんは結局はペットになる」
     完全にふざけている。ここまで憎しみを保った雪乃のどこに、心を捧げてペットとやらに成り下がる要素があると思っているのか。雪乃には本気でわからなかった。
    「そろそろだ。プレゼントを出してあげる」
    「……出す?」
     ここまで、雪乃の理解は遅れていた。
     快楽に漬け込まれた脳のおかげで、判断の速度が鈍っていたことも、それに性交経験が一度もなく、そういうことに慣れてもいないから、なかなか発想が出なかったのだ。
     出すとはもしかして――。
    「ま、待ちなさい!」
     雪乃は心の底から焦り始めた。
    
     出すとは、精液のことではないか?
    
     そう気づいた雪乃を逃がさないかのように、ピストンのペースが途端に速まり、自分が何をされるかわかっていながら、雪乃には逃げることもどうすることもできなくなる。感じて喘いで睨む以外、あらゆる抵抗の手段が快楽によって潰されていた。
    「……あっ、あぅ! ん、んくぅっ、んん、んぁっ、あ!」
     みるみる早まるピストンが、その予感を雪乃の中に膨らませる。
     そして、とうとうペニスは脈打った。
    
     ――ドクン! ドク、ドクン! ドクドク! ビュックン! ビュルルゥゥ!
    
     白濁の熱い汁が、熱気が膣に広がって、おそらくは子宮にも染み込んでいる。肉壷には入りきらない精液は、肉棒と穴の狭間から吹き零れ、その熱さは膣壁全体にも浸透した。
    「そんな………………」
     膣内射精。妊娠の恐怖。
     雪乃の表情には絶望の色が見え隠れして、そんな雪乃を満足そうに眺める斉藤は、実に楽しかったように肉棒を引き抜いた。その開いた穴の中から、肉栓が抜けたことにより、さらにいくらかの量が流れ出し、それがタオルに染みを広げる。
    「事後避妊薬があれば赤ちゃんはできないけど、欲しい?」
    「…………」
     そういうことだったのだ。そうしてこいつは、人をペットにするつもりだ。
    「あとね。ここ、隠しカメラがあるから動画もあるよ?」
    「…………最低ね」
     中年の性犯罪者を本気で軽蔑している雪乃の目など、気にも留めずに雪乃の裸に腕を回して抱き起こす。
     そして、斉藤はベッドに乗り上がり、雪乃の目の前で仁王立ちになった。
    「で、避妊薬だけど、欲しい?」
     眼前にまだ勃起している肉棒を突きつけ、今までまともに目で見ていたわけではなかった雪乃は、初めて見せ付けられて反射的に顔を背ける。
    「…………」
     黙して、雪乃は斉藤を睨み上げた。
    「いらないとは言えないよねぇ?」
    「で、欲しかったら何をしろって言い出すわけ?」
    「フェラチオだよ」
     冗談じゃなかった。
     男の手で被害に遭わされ、合意無しに犯されていたのと違い、こちらから奉仕の行動を取るなど考えたくもない。
     しかし、雪乃は考える。
     受精はしてしまったのだろうか。赤ちゃんが出来るのだろうか。犯罪者の子供を絶対に生みたいとは思わない。だいたい、腹が大きくなったら学校は、それから伯父夫婦にも何をどう話せばいいのか。
     何よりも<泡渦>との戦いは……。
     ありとあらゆる不安が駆け巡り、こんな男一人のために、雪乃のこれまでのあり方が、音を立てて崩れ落ちていくかのようで、それでなくとも憎い男が、余計に殺してやりたくなった。
     本気で震えた。やりきれない怒りが全身の筋肉に伝わって、痙攣のようにピクピクと、プルプルと震えを起こして、握り締めた拳には爪が喰い込む。
     歯茎が壊れるほどに歯を食い縛り、かつてないほどの凶眼で斉藤を睨んだ。
    
    「……いつか殺すわ」
    
     本物の殺意。
     いずれ本当にこいつの焼死体を作ってやりたい、本気でそう思えてならない、呪いたいし殺したい憎悪の膨らみが、睨んでも睨みきれないほどに視線を鋭く研ぎ澄まし、そんな雪乃の形相さえも、中年はニタニタと見下ろしていた。
    「で?」
     改めてペニスを突きつけ、雪乃の凶眼はその切っ先に向く。
     この男の象徴が、これが雪乃の中に精液を……。
     そう思うと、こんな目に遭ったからには自然な感情と言えた。世の全ての男がこんなわけではない。犯罪に走る方が少数だ。理屈的なことがわかっていても、急速に膨らむ心の中では明確に、一つの思いが芽生えていた。
    
     男性そのものへの憎しみと、男を象徴する男性器への殺意。
     こんなもの、本気で焼いてしまいたい。
    
    
    
    


  • パトレン3号 明神つかさ 羞恥と凌辱 後編

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     戦いはすぐに始まるわけではない。
     きっと盗撮されているのだろう風呂に入れば、シャワーのあいだに脱いだ下着は持ち去られ、代わりに黒いブラジャーとTバックが置かれていた。敵の趣味に合わせた下着など、真っ平と言いたいが、他の洋服も全て消え、他に着るべきものがないので、着なければ全裸で出て行くことになるだけだ。
     しかし、乳首がギリギリで隠れる布面積しかないブラジャーに、紐が尻の割れ目に埋没して丸出しと変わらないショーツを着用すると、まるでこんな破廉恥な下着を選ぶ痴女として扱われているようで屈辱だった。
    「何故こんなものを! まともな服はないのか!」
     浴室のすぐ外に立つ、脱走防止の見張りに声を荒げる。
    「ボスの命令でね」
    「パジャマなら部屋に置いてある」
     戸の向こうから返って来る、二人の見張り男の返答はそんなもので、つかさが抗議をしてもまともに取り合う意思は見せなかった。
     そして、部屋に移動するのも、やはり抵抗や脱走防止の手錠をかけられ、強制連行のように腕を掴んで強引に歩かせるのかと思いきや、その掴んでくる場所は尻だった。
    「やめろ! 触るな!」
    「お前こそ騒ぐのはやめたらどうだ?」
    「まだ人質を解放したわけじゃないんだぞ?」
     二人の男はニヤニヤと、勝ち誇った顔で言い伏せて、黙るしかないつかさの尻を遠慮もなく揉み続ける。こんな形でグニグニと、尻を掴まれながら歩かされ、元の部屋まで連行されていくつかさの後ろには、そんなつかさを撮影するためのカメラマンがついて来ている。
     延々と廊下を歩かされ、建物内の道順や構造を覚えようとはしてみるが、自分がどこのどんな土地に囚われているのかは検討もつかない。
     部屋に戻され、鉄の扉に鍵をかけられ、監禁されたつかさへと、見張りの男がかける声はこうだった。
    「オナニーしたら覗いてやるよ」
    「いつでもしなよ?」
     そんな風につかさのことをせせ笑った。
     置かれていたパジャマに着替え、どうにか眠りにつこうとするつかさは、知らないうちに充満している媚薬ガスの効果で眠れない。妙なムラムラに肉体を支配され、疼いて疼いて、誰かに触れられたくてたまらない欲望が膨らむと、本当にオナニーをしたくなり、ついついアソコに手をやりかける。
     ――覗いてやるよ。
     男の言葉が蘇り、さらにこの部屋には隠しカメラがあることも思い出す。オナニーすれば、それをネタにして散々にからかい尽くし、度の超えたセクハラによって辱めを与えて来ることは明白だ。
    (お、オナニーはしない……)
     つかさは自らを制し、頑として胸すら触れまい心で踏ん張る。自分の腕を封印するため、力強くシーツを掴み、やがて睡眠欲が性欲を凌駕するまで耐え忍ぶ。眠りさえしてしまえば、ひとまずオナニーはしなくて済むはずだった。
    
     ――眠れなかった。
    
     アソコが悶々とするあまり、一生懸命に太ももを擦り合わせ、股を締め付け、オナニーをしないからこそ膨らんでゆくお預けという苦しみに、全身でよがっていた。駄目だ駄目だと言い聞かせ、何分も何十分も、ついには翌朝の時間を迎えたらしく、他の男と交代して、よく眠っていたらしい見張りの男二人が、爽やかな笑みを浮かべて踏み込んできた。
    「おはようございまーす」
    「昨日は眠れましたか?」
     わざとらしい敬語であった。
    「おかげ様でな」
     ブッブー!
     男の手にはボイスレコーダーに酷似したあの機器が、ハズレを告げる効果音と共に赤いランプを点滅させた。
    「眠れなかったって?」
    「ひょっとしてオナニーしたくて眠れなかった?」
    「馬鹿か! ありえないだろう!」
     ブッブー!
     赤いランプが点滅する。
    「へえ? そうだったんだ」
    「こいつは失敬。そうそう、支給品があるから、使いたければ使うといい」
     男が部屋に持ち込んで来るものは、ピンクローターに太いバイブと、つかさにオナニーを促そうとするものだった。はしたない道具がテーブルに置かれると、それを使ってみたい欲望に駆られてしまい、つかさは咄嗟に首を振り、自分の考えてしまったことを必死に恥じる。
    「おや? 使ってみたいと思いましたか?」
    「ちが……! うぅ……」
     ブッブー!
     嘘を暴かれることはわかっていたが、つい反射的に否定してしまった。
    「ところで、おトイレの世話をしないとなぁ?」
     そうだ。
     つかさにはトイレに行く自由もなく、放尿は必ず撮影される。大便でさえ、スカトロシーンは撮らないとはいえ、用を足したあとの肛門を男の手で綺麗に拭かれ、清潔となった皺の窄まりにカメラレンズを近づけられる。
    「今日は全裸にならないとトイレに行けません」
    「というわけで、ストリップをして下さい」
     すぐにカメラマンが入って来た。
     カメラを担いでニヤける男が、つかさの生脱ぎをしっかりと撮影するため、レンズを一切ブラさないように静止した腕で構えている。
     やむなくつかさは、パジャマのボタンを外していく。
     乳首しか隠していない恥ずかしいブラジャーが、ボタンが一つ外れるごとに見えていき、やがては上一枚を脱ぎ去った。ズボンを脱げば、やはりTバックの恥ずかしいショーツがあらわに、こちらは前から見てもアソコを隠すための布面積がやけに小さい。もしも剛毛を伸ばし放題にしていれば、間違いなく毛がハミ出ていたところだろう。
     ブラジャーを外し、ショーツを脱ぐ。
    「ぐっしょぐしょだー!」
    「よっぽど『寝汗』をかいたんだねぇ?」
     男二人は大喜びでショーツを拾い、一晩かけて染み込んだ愛液による湿気の具合を、わざわざ寝汗と言い換えつつも、明らかに膣分泌液のことを言ってセクハラな言葉を繰り返す。
     全裸で廊下を歩かされた。
     通りすがる男の誰しもが、わざわざ立ち止まってはニヤニヤして、中にはつかさのトイレシーンを鑑賞しようとついて来る者までいた。
     昨日と同じくM字開脚の形に抱き上げられ、尿瓶をアソコに押し当てられ、衆人環視の中でジョロジョロと放尿する。
     大便をするのにも、便座に座っている姿をまじまじ見られ、撮られ、お尻を拭いてもらうためには両手をついて腰を突き出すポーズを強要される。トイレットペーパーを介した男の指の感触が、尻穴の周りをよく拭き取り、綺麗にして、清潔になった肛門を撮るために、指でグイグイ広げてカメラレンズを接近させる。
     そんな扱いを受けることがわかっていても、便意や尿意に耐え切れなければ、トイレの無い部屋で垂れ流すしかなく、そのような品の無い行動を取れないつかさは、泣く泣くチャイムを押して人を呼び、同じ目に遭うべくしてトイレに連れて行ってもらう。
     屈強漢の言う決闘は明日だと聞かされた。
     すると、あのムラムラしてたまらない夜をもう一晩、つかさは耐え抜かなくてはいけない。
     いや、今日は何の撮影もしてこなかった。
     昼から夕方まで、そして夜まで、媚薬ガスの漂っている部屋で過ごすつかさは、オナニーがしたくてしたくて震えていた。
    (どうせここまで辱めを受けているんだ。オナニーぐらい見られても……)
     そんな考えが沸いて来るほど、つかさの身体には媚薬効果が浸透し、吸収され、隅々まで循環して全身の感度が上がっている。気づけば服が肌に擦れることさえ快感で、オナニーを我慢する代わりに、太ももや腰の周りを手で擦り、その摩擦がやけに気持ちいいことだけで耐えようと、忍耐力の限りを尽くして我慢していた。
     オナニーしたい、オナニーしたい、オナニーしたい――。
     テーブルに置かれたピンクローターが、太いバイブが目にチラつき、手に取って触れてみたいと思ってしまう。だが、そうすれば我慢できずに使ってしまう予感があり、つかさは必死にそれを見ないように目を逸らす。
     じわぁぁぁ……。
     と、そこまで我慢していても、だからこそアソコの奥が、性的刺激を求めてつかさの理性に訴えかけ、愛液を漏らしてショーツを汚す。朝のショーツが濡れていたので、新しいTバックに変えられたが、それも恥ずかしい蜜を吸いつつある。
     一時間、二時間、三時間……。
    (お、オナニーしたい……オナニー……オナニー……)
     まだ耐える。
     四時間、五時間。
    (み、見られたっていいだろう。だって、どうせ、でも……)
     より心が傾いていく。
     外ではやがて日が沈み、夜を迎え、つかさはとうとうローターとバイブを手に持ち上げ、エッチな玩具がどんなものかを眺めていた。
    
     ――そうだ。パンツ、濡れてるから……。
    
     どこか言い訳めいて、つかさは下半身裸になる。
     いざ服を脱いでしまったことで、やっぱり盗撮されていることを思い出し、これからオナニーしようとしている今この瞬間を、誰かが見ているに違いないと、つかさはみるみるうちに赤らんだ。
    「だ、駄目だ!」
     急に自制心を取り戻し、せっかく脱いだ下着とズボンを穿き直す。
     こうして、つかさは耐え抜いた。
     そして、オナニーを我慢しすぎたことで、溜まるだけ溜まった体で、つかさは屈強漢との戦いを迎えることになる。
    
         ***
    
     警察チェンジ!
     パトレン3号!
    
     明神つかさが連れて来られたリングは、プロレス会場のようにリングロープに囲まれた試合の観戦施設であった。もっとも、おそらくは地下に作られ、金持ちの権力者が非合法な娯楽を楽しむために存在している裏の格闘技上といったところか。
     そのリング上でパトレン3号に変身して、屈強漢の登場を待つ彼女は、一人の男がマイクを片手にリングに上がり、質問をしてくることに強張った。
    「パトレンジャーの明神つかささんですね?」
    「そうだ」
    「ギャングラーとの関与を疑い、犯罪組織の捜査をして囚われる。その後、様々な仕打ちを受けてここに立っているわけですが――今オナニーしたい気持ちはありますか?」
    「い、今だと!?」
    「そうです。今ここでオナニーしたい気持ちはありますか?」
    「あ、あるわけが…………」
     だが、そこには嘘発見システムが握られている。
     男の唐突な質問に、会場にはざわめきが広がっていた。
    「実はこの子。敵地でオナニーしたんです! それがこの映像です!」
     リングの真上。
     遠くの席でも戦いが見えやすいため、天井から吊るす形で設置され、それぞれ4方向に向けられている4つのモニターに、明神つかさのオナニー映像が流された。
    「や、やめろ! 何を流している!」
     映像の中。
     M字に立てられた脚の向こうに、たっぷりと愛液を纏ってヌラヌラ輝くアソコが移り、それがつかさ自身の指に慰めを受けている。おぞましいほど指は蠢き、愛液を塗り広げ、ついには穴に指を突き立てピストンを開始する。
     くちゅり、くちゅりと、水音が大音量で、何百人とも知れない観客に向けて流され、つかさはかつてないほど狼狽していた。
    「ふざけるな! こんな真似! こ、こんな! 今すぐやめろ!」
    「オシッコの映像もありますよ? あと、トイレのあとお尻の穴を拭いてもらっているところとか、屈強な男の膝に座ってイカされまくる映像なんかも!」
    「黙れと言っている!」
    「お? イってますねぇ?」
     モニターの中にいるつかさは、指を活発に抜き差しして、その挙句に腰をビクビクと弾ませながら、潮を吹いて絶頂している。
    「私と試合をやるんだろう!? か、関係ないだろう! こんなもの!」
     しばらく果てていたつかさは、体位を変えて四つん這いで、カメラに向かって惜しみなく尻を向けたスタイルでオナニーを再開する。あの時はバック挿入のことを妄想して、頭の中では背後から貫かれていた記憶が蘇り、それがますます羞恥を呼び、パトレン3号の脳髄は完全に沸騰している。
    「やめろやめろやめろ!」
    「今ここでオナニーしたい欲求はありますか?」
    「あるものか!」
     ブッブー!
     ハズレの効果音。
    「……ち、違う! 私は本当に……そ、それがインチキなんだ!」
    「はーい! こちらにありますのが、嘘発見用の機器でありまして、イエスかノーで返答可能な質問をすれば嘘を見抜きます! つまり明神つかさ――パトレン3号さんは、こんな衆人環視のど真ん中でオナニーをしてみたい気持ちがあるわけですね?」
    「あるわけない! 本当に、本当にそんなこと……!」
    「図星の慌てっぷりですねぇ? してもいいんですよ?」
     客席から笑いが起こった。
     まるで面白い漫才でも見たように、ここまで狼狽しているパトレン3号に向かって、あっけからんとオナニーを進める男の言葉が大いにウケ、こんなにも笑われていることに、もはやパニックを起こしているのと違いがないほど羞恥の感情は膨らんでいた。
    「ではこのオナニーしたい女! パトレン3号!」
     それが異名であるように言い――。
    「対するはこの男!」
     ようやく、あの屈強漢が入場して、リングロープを掴んでよじ登る。パトレン3号の前に立つタフな肉体は、外見だけなら肩幅も広く、身長もきっと2メートル前後はあり、丸太のように太い手足が放出している覇気は、パトレンジャーに勝てるといっても説得力を感じさせる。
     もちろん、変身スーツを着た人間に、いくら鍛えていても普通の人間に勝ち目はない。
     しかし、仕掛けは十分なのだ。
     いかにも顔を真っ赤にしている様子が、マスクで顔が見えないことなど関係なしによくわかる。狼狽しきったパトレン3号は、しかも媚薬ガスの効果を我慢したまま、ここまで性欲を溜め込んでおり、睡眠時間も足りていないのでコンディションは整っていない。
     加えて屈強漢の肉体には、実は超人血清を打ってある。
     生身の肉体で変身スーツや怪人との戦いを可能とする、犯罪組織所有の血清は、変身無しで戦う不利を埋め合わせるには十分なものである。
    
     ――勝負は一瞬だった。
    
     咄嗟に銃口を向け、脚を狙って自由を奪おうとするパトレン3号は、脳が煮え立つほどの感情の中でまともに狙いを定められるわけがなく、そもそも勝負開始の合図と共に銃を抜けただけでも、かなり冷静な行動が取れたと言える。
     屈強漢は引き金が引かれるよりも素早く間合いに立ち、回し蹴りでパトレン3号の武器を蹴り飛ばし、あとは組み技で押さえるだけだった。変身有り無しの差さえ埋まっていれば、あとは男女の筋力差で圧倒するのみ。
     冷静な状態で、コンディションも抜群なパトレン3号なら、警察として格闘技の訓練も受けている。屈強漢の立ち回りに対応できたことだろう。何ら実力を発揮できず、いとも簡単に組み倒され、そうなってはもう凌辱劇になるだけだ。
    
     パァン!
    
     パトレン3号はお尻を叩かれていた。
     膝の上に腹ばいにされ、尻を高らかにした姿勢を取らされ、そのピンク色のスーツをプリっと膨らませている丸みに平手がぶつかる。波打つようにプルっと揺れ、音響が良い打音を響き渡らせ、女を辱めるためのスパンキングショーが始まっていた。
    
     パン! パン! ぺチン!
    
    「おおっと! パトレン3号! お尻を叩かれている! 警察でありながら、犯罪者からお仕置きを受ける気分はいかがなものか! 気持ちを想像すると興奮する!」
    
     パァン! パン! ペン! ペン! ペン!
    
    「まあでも、リング上でオナニーしたいと思ってる女ですからねぇ? ひょっとすれば、喜んでいるということもあるのでは?」
    
     パン! パン! パン!
    
    「では聞いてみましょう! お尻を叩かれて嬉しいですか?」
    「そんなわけ……」
    「ブッブー! 嘘つきです! 嬉しいのに否定しました! 本当は嬉しいもよう!」
    
     ペン! ペン! ペン! ペン!
    
    「さぞかし嬉しいでしょうねぇ? しかも警察ですよ? 警察が犯罪者にお尻を叩かれて大喜び! よく考えたら、それってとんでもないマゾじゃないですか!」
    
     尻を打たれるたび、その衝撃が子宮の奥まで届いたようで、パトレン3号のアソコはヒクヒクと引き締まる。観客の歓声を聞き、人のこんな姿を見て喜ぶ人間が、こんなにも大勢いることをひしひしと感じ取りながら、彼女はスパンキングに身を任せた。
     少しばかりヒリヒリと傷んできて、スーツの中ではきっとお尻が赤らんでいる頃合いに、屈強漢の手の平はすりすりと、やけに優しく撫でて来た。
    
         ***
    
     お尻をすりすりと可愛がられるパトレン3号!
     屈強なる男はその技巧を持って、触れるか触れないかのタッチで撫で回し、不意に指をグニグニと食い込ませる。おや、よく見ると指でお尻の穴も狙っていますね。スーツ越しにほじくられ、嫌よ嫌よとばかりに首を振りたくるパトレン3号の様子ですが、やはり喜んでいるようにしか見えません。
     あ、男が立った! パトレン3号はうつ伏せに倒れている!
     男から逃げんばかりに、うつ伏せのままリングの外へ這っていくパトレン3号。その後ろでは男がパンツを脱ぎ、ふとましい肉棒を解き放つ。血管が太く浮かんだ極太チンポは、誰しもの目を引く反り返ったフォルムをしてますねぇ?
     這って逃げているパトレン3号。
     しかし、ちょっと歩けば簡単に追いつく――追いついて? 跨るかのようなポジションに立ち尽くすと、一気にしゃがんで一体どうする!?
     おおっ、尻コキだ!
     男はパトレン3号のスーツから、スカートのようになった丈の部分を持ち上げると、体重と共にチンポを押し当て、割れ目に挟もうとしながら腰を動かす! 尻コキに捕まったパトレン3号は逃げられない!
     ぷっくりと膨らんだフォルムの見事な尻に、極太の一物をどうにか挟み、男はセックスのごとく腰を揺り動かしています。
     おっと、ここで男は腰を持ち上げ、パトレン3号をうつ伏せから四つん這いに。犬のポーズとなったパトレン3号に腰振りを叩きつけ、これは完全にセックスごっこ。遠目に見れば完璧なバック挿入!
     男はここで射精! ドピュドピュと白濁を解き放ち、パワフルな粘り気をパトレン3号の尻に付着させていく!
     男はまだ萎えない! 勃起状態を維持している! そして立ち上がる!
     パトレン3号も立った!
     どうやら、パトレン3号はまだ戦う意欲を残しており、それを示さんばかりに構えておりますが、果たしてどこまで通用するか。
     お! 攻める! パトレン3号のパンチ! キック! 動きはいい!
     しかし、男は相手の体を掴み、力任せにねじ伏せた! またしても膝で腹ばいにさせ、お尻をペンペン叩きます!
     あ、解放した!
     お尻をペンペンしてから解放し、あえて逆襲のチャンスを与え、パトレン3号の攻撃を誘うようですね。
     攻めるパトレン3号!
     あ、捕まった! 今度は背中側から抱き着かれ、そのままリングロープへ突き飛ばされ、反射的に腕を前に出すパトレン3号! ポールに両手をつき、まるで壁に手をつけてバック挿入をしてもらうかのようなポーズになりました!
     すかさずスパンキング!
     パトレン3号! ビクっと反応! お尻を叩かれることで心身共に硬直してか、二度も三度もペンペン叩かれ、抵抗の様子を見せません!
     あ! 再び背後から抱き着く!
     おっぱいを揉み揉みしながらリングの中心まで引きずると、膝の上に強制的に座らせ揉みしだく! 実にモミモミとよく動く柔軟性のある指ですねぇ? 彼の指にはピアニストのような繊細さが宿されているのでしょうか。
     さらに男! パトレン3号の前側に回り込み、眼前にチンポを向けると――おっ、どうやら手首を掴み、性器を無理矢理触らせようとしています! 手コキをさせようというのか! しかしパトレン3号! 腕を払いのけ、これを拒否!
     すると男! パトレン3号の頭を大きな手で鷲掴み! ボールをドリブルで叩きつけるかのごとく、強引に突き倒し、パトレン3号のポーズを変更させる! 尻が高らかになったところで回り込み、スパンキングの応酬です!
     思い知らせるためでしょうか。
     さて、ひとしきりペンペンした後、再び男は前側に回り込み、同じように眼前にチンポを突き付け握らせようとしています――握った! ついに観念したパトレン3号! 手コキによって男のチンポをシコシコしている!
     まるで勝利を宣言せんばかりに、えへんとふんぞり返り、仁王立ちになって奉仕を受ける。
     確かに勝者と敗者そのものです。
     しばしは手コキ……より大勢の観客にお楽しみ頂くため、リングの下に設置しているカメラから、素晴らしいアングルの映像も重ねてお届けしましょう。膝立ちとなったパトレン3号のお尻を真下から見上げる映像です! 先ほどの精液がたっぷりとこびりつき、ピンク色のスーツが白濁に汚されています!
     さて、おチンポの方ではパトレン3号の5本の指が絡みつき、慣れない手つきで前後にシコシコ。
     ついに射精!
     マスクの黒いバイザー部分は、警察の帽子をモチーフとして、額にはなんだか警視庁のマークそっくりなシンボルが付いていますが、ちょうどその額を射精た打ち抜く! だらりと垂れる精液が黒い部分に流れていき、ヒーローのマスクがここに穢されている!
     なんという光景か。
     おっと、ここで男はリング外に指示を出し、嘘発見システムを持ってこさせると、どうやらパトレン3号になにか質問をするようです。
    「お前は俺に負けたか?」
     これは! なんと直接的な!
     果たしてどう答えるかパトレン3号!
    「私は……まだ……!」
     ブッブー!
     無残にも不正解を告げる音声が鳴り響く。これは口では強がっても、腹の底では敗北を認めている証拠になります!
    「負けたら俺とセックスをする約束をしたな?」
    「……し、した」
     ピンポーン!
     大正解です!
    「その前にここでオナニーしろ」
     なんと! リング上でオナニーしたい女に、その願望を叶えさせようとしている! パトレン3号は必死になって首を振り、嫌がる素振りを見せますが――さて!
    「オナニーをしたいだろう?」
    「それは……くぅっ、うぅ……!」
     パトレン3号!
     答えられない!
    「オナニーをしたいだろう? 今ここで」
    「………………したい」
     ついに答えた!
     大正解を告げる効果音が鳴り響き、これから始まろうというオナニーショーに観客は喝采の声を上げています!
     と、その前に?
     ああなんと! パトレン3号を押し倒し、股の部分を腕力で引き裂いている! なんという凄まじいパワーでしょうか! 超人血清の力は伊達ではありません! パトレン3号のお股が丸出しです!
     そして! M字開脚の形に持ち上げる!
     モニターはその有様を正面から映してみせ、全ての観客にパトレン3号ののオナニーを届けようとしています!
     あ、始まった!
     パトレン3号の指がアソコへ動き、活発な指の動きで自らを慰める! 穴にズポズボ出入りを始めた!
     というか、初めから濡れていましたねぇ?
     ズポズボ、グチュグチュ、いやらしい音が鳴り響き、それを拾ったマイクが客席の奥まで音を届ける!
     だんだん早く! イクのでしょうか!
     間違いありません。これは絶頂の予兆です。
    
     イったぁぁぁぁぁ!
    
     ビクビクと痙攣して、腰を震わせ、大胆に潮を吹く!
     衆人環視の前で絶頂しました!
     なんと恥ずかしい女でしょうか!
    
    「ここらでセックスといこうじゃねーか」
    
     男はパトレン3号を下に下して押し倒す!
     太い太いチンポを突き立て、今に亀頭が膣に埋まり始めている! そのまま男が腰を前に突き出し、一気に貫いてしまったところで、パトレン3号はセックスを許すことになりますが、敗者に抵抗の様子は見受けられない!
     挿入! 挿入しました!
     男は正常位でナカを抉り抜き、パトレン3号の背中がビクンビクンと持ち上がる! 腰を掴んでいた男の手は、おっぱいを揉みしだき、存分に欲望を満たしています!
    「あっ! あ! あ! あ! あ! あ! あっ! あん! あんっ、あ! あっ! ああ、ああ! ああ! あ!」
     もう「あ!」ばっかり言っている!
     精液濡れのマスクを振り乱し、手足全てでよがる姿は、なんと気持ち良さそうにしているのでしょう!
    「うるさい! だれが好きで!」
     好きでセックスしてるわけではないとでも言いたいのか!
     だが感じている! 喘いでいる!
    「あん! あん! あっ、あん! あぁぁ! あぁ……! あっ――あ――あぁ――あん! あん! あん!」
     似たような鳴き声の繰り返し!
    「あぁぁ! だめっ、イク! イク! いっ、いあぁぁ! あああああ! あっ、あっ! あん! あん!」
     ビクビクと痙攣!
    
     イッた! 衆人環視の前で惜しげもなく!
     パトレン3号・明神つかさは絶頂したぁぁぁ!
    
     チンポの抜けたメス穴から、桃色の肉ヒダから、中出しの精液がこっぽり溢れ、それでいてパトレン3号は肩で大きく息をしながら倒れている! この胸が上下に動く光景がまた私は大好きですが、皆さんどうでしょう!
    
    「まだまだこんなものじゃない! 次はバック挿入だ!」
    
     堂々宣言!
     パトレン3号の尻をぺチンと叩き、さっさとポーズを変えろと言わんばかりだ! それに従うパトレン3号! 自ら尻を差し出し、リングのマットに両手を突き、ただひたすらにおチンチンを待ち侘びている!
    「ところで正常位は気持ち良かったか?」
    「聞かなくていいだろう!?」
    「答えろ? 気持ち良かったか?」
    「……よ、よかった。よかったから、もう聞くな」
    「バック挿入に期待しているか?」
    「している……。だから、早く……」
     なんという質問攻め!
     未だ衰えを知らないチンポを突き立て、亀頭を穴に埋め込ませると、男はここで動くことなく腕を組んだまま――膝立ちの直立不動!
     パトレン3号! 自ら腰を叩きつけ、肉体を前後に動かし始める!
     パンパンと音が鳴り響き、グチュグチュと水音が聞こえている!
    「あぁぁ! あっ、あ! あん! あん! あっ、ふっ、ん! んんん! んっ、あ!」
     喘ぐ喘ぐ! パトレン3号! 喘ぐ!
     自分から動きまくって、どこか腰を左右にくねくねしつつ、やっぱり一気に貫かれたいのか尻を大胆にぶつけていく! 男の腰にパトレン3号の尻がぶつかるたび、お尻の肉がプルプルと波打っている!
    
     パァン!
     
     叩いたァァァ!
     まるで騎手が馬の尻を鞭打つように、男はパトレン3号にさらなるスパンキングを行い、なおも辱める!
    「どうした! 叩くと締まりが良くなったな? アナルもヒクついたぞ!」
     ペチペチとした平手打ち! どうやらアソコに力を加え、ぶたれることで肉棒をぎゅっと強く握り締めているようです!
     エロい! エロ女だ!
     やがて男も動き出し、素早いピストンが小刻みに貫きまくると、愛液の飛沫がリングマットに散りまくる!
     そして、そして!
    
    「あぁぁあ! あっ、あん! ああああん!」
    
     イクぞ!
     これは――これは――
    
    「――あ! ――あ! あっ、あぁぁぁん!」
    
     イったァァァァ!
     パトレン3号またしても絶頂!
    
     おっと、変身が解けた!
    
     セックスで消耗しちゃったパトレン3号! とうとう変身前の姿に戻り、そこに横たわるのは明神つかさ!
     ピンク色のジャケットを着た彼女を掴み、正座の姿勢へ起こさせると、その唇におチンチンを与えている! 咥えた! ここまで凌辱された敗者は、観念しきってフェラチオの要求に応えている!
     堕ちた!
     この子はもう堕ちたも同然だァァァ!
    
         ***
    
    「何が堕ちただ」
     穢すところまで穢し尽くされ、しかもこれがAVとして販売され、裏の商人から違法なものを買い取るような金持ちが、明神つかさ――パトレン3号のセックス動画を今後も楽しみ続けることになる。
     ここまで恥も外聞もなくなり、とうとう我慢できなくなっていた。
    
    「くっ、するしかない!」
    
     媚薬ガスの充満している部屋の中で、つかさは全裸となってピンクローターを手にすると、卵型の機械を自らの膣に埋め込みスイッチを入れた。
    
     ブィィィィィィィィィィィィン!
    
     無機質な機械振動の音が鳴り響き、つかさの膣内にブルブルとした刺激を与える。
     ベッドから足を下ろして、静かに座っているつかさは、まるで悪いことをした子供が大人の前で反省しながらうな垂れて、ずっと下ばかり向いているように、どこか後ろめたさを帯びた表情で快楽を貪っていた。
     この部屋の様子が撮られていることは知っている。
     どうせ見ているのだろう者の視線から、そっと胸を隠して太ももを引き締めて、大事な部分のガードを固める。
     がちゃりと、鍵穴に鍵を差し込む音が聞こえ、つかさは慌てた。
     しかし、問答無用で部屋に立ち入ろうとする男から、今更になって裸を隠そうとするには遅く、踏み込んで来る屈強漢の満面の笑顔に屈辱を煽られるより他はなかった。
    「どうだ? 敵地でするオナニーは楽しいか?」
    「黙れ。何かおかしいと思ったら、どうせ媚薬を使っているんだろう」
    「けど気持ちいいだろう?」
     屈強漢はつかさの前で服を脱ぎ、全裸となって肉棒を突き付ける。唇に触れんばかりに近づけてくる無言の要求につかさは応え、極太を咥えるために限りなく大きく口を開いた。
    「ずずぅ……じゅっ、ぢゅぅ……じゅじゅっ、ずじゅぅ……」
     顎が辛いほどの大口に収めつつ、頭を前後に動かしながら、つかさは屈強漢の腰に両手を当てて奉仕に励む。
    「お前も立派な玩具だな」
    「じゅぅぅ……はじゅるっ、ずりゅっ、ずずずず……はっ、じゅぅ……」
     ローターの快感を味わいつつ、玩具と言われて睨み上げ、何かを言い返したい瞳で屈強漢と視線を絡め合うものの、その瞬間にぶり返すのが、リング上で行った性交の記憶である。性処理用の玩具と言われて返す言葉が何もない。
    「――んっ! ずっ、ずぅ」
     射精によって、精液の味が舌に広がる。
     ドクドクと注ぎ込まれる白濁を呑み込むと、舌と亀頭のあいだに糸が引く。
    「これも試してみたらどうだ?」
     屈強漢のペニスほどあるバイブを突き付けられ、押し倒してくる腕に合わせて横たわると、ローターを引き抜かれる。自らの手で挿入を行うことを促すため、つかさはバイブを握らされ、そして人がオナニーを始める瞬間をニタニタと待ち構える屈強漢と視線を合わせた。
    「お前はもう堕ちている。そうだろう」
    「……そうだな」
     ピンポーン!
     それが正解だった。
     快楽に負けたことを心では認めたくなかったが、挿入を求めてやまないアソコの疼きに煽られると、我慢ならずにオナニーをしてしまう。セックスをされそうになった時、それを受け入れてしまう。
     バイブも入れた。
     本物のペニスではない、しかし酷似した感触のものが、スイッチと共に振動する。膣壁が奮わされ、出し入れするとますます気持ちよく、まるで刺激たっぷりのセックスのようで身が悶える。
    「あぁ……! あぁぁ……!」
    「あーあ。オナニーしちゃってるなぁ? つかさちゃーん」
    「お、お前が……私をおかしく……!」
     自分を淫らにしたのはこいつらであり、自ら狂ったわけではない。自己弁護を盾に快楽を貪るつかさは、バイブによってイこうイこうと、より活発なピストンで自分自身を犯し込む。
    「はっ、いい顔しやがって」
    「あっ、あぁ……! んっ、あぁっ、あっ、あぁっ、あぁ……!」
     喘ぎながら睨み返した。
     堕ちていないことのアピールはポーズに過ぎず、ニタニタとしながら両手で胸を揉まれれば、体も心も若干喜ぶ。
    「チンコ欲しいだろ」
    「うっ、くっ、す、するなら早くしたらどうだ!」
    「そうだな。セックスに興味津々みたいだし、挿入してやるからバイブをどけろ」
    「いいだろう。だから、早く……済ませればいい……」
    「へへっ、お望み通り」
     ずにゅぅぅぅぅぅぅ――と、長大な肉棒が潜り込み、根本までがつかさに埋まった。
    「おら、喘げや」
    「あっ! あん! あん! あっ、ん! ん! んぅっ、んくぁ! はっ、あん!」
     叩きつける勢いのピストンが、髪を弾ませながら身体を丸ごと揺らし、柔らかな乳房が上下にプルプル震えている。
     こうなるとつかさは悦んでいた。
     淫乱と化しているのを否定できなくなってしまうと、頭のどこかでわかっていながら、どうせ抑えきれるわけでもない喘ぎ声を大胆に吐き出していた。
    「お前は堕ちているか?」
    「あっ、うっ、お、堕ちて……る……!」
     ピンポーン!
     
          ***
    
     ギャングラーを追うべくして、それと繋がりを持つ犯罪組織をルパンレンジャーが調査。手がかりを掴んだ彼らは、匿名の市民を装い、パトレンジャーに情報を提供する。ついにアジトを突き止め、突入するまでに至ったパトレン1号とパトレン2号がみたものは、性的に堕とされきった仲間の姿と、とっくに行方を暗ましもぬけの空となっている建物だけだった。
    
    
    


  • 犯される花咲里あさみ

    
    
    
     花咲里あさみが銀行強盗に巻き込まれたのは全くの偶然だった。
     お金を下ろしに来て、偶然だ。
     約二体のウィルウェア装備と、八名あまりの銃器武装者による計十名にあさみ一人で対抗するのは不可能だ。直ちにダイハチに情報を送るものの、瞬く間に一般市民は制圧され、一人ずつ順番に手錠で拘束されていく。
     両手を腰の後ろに封じられ、あさみも抵抗の手立てを失っていた。
    「その制服。警察のものだろ?」
     マスクを被った男の一人が、にったりと微笑みを浮かべている。背後には二名の男が銃を構えて、妙な動きを見せれば発砲されかねない。
     だが、相手は卑劣な犯罪者だ。
    「ここはすぐに包囲され、ダイハチのウィルエアもやって来ます。今のうちに投降して下さい」
     あさみは一切、態度では引かない。
    「お? さすがは警察さんだ。えーっと、花咲里あさみちゃんねぇ?」
     ダイハチの紅色のスーツには、胸元に名札が刺繍される。そこから名前を読んだ男は、おもむろに片手を伸ばして、あさみの胸を鷲掴みにした。
    「NO! 何を!」
     反射的に、あさみは後方へ身を引いた。
    「おっと、抵抗したらどうなるか。教えてやるよ」
     男の合図に合わせ、一名の武装者が発砲する。銃撃音の直後に聞こえるのは、膝を撃たれた中年男性の甲高い悲鳴であった。
    「なッ! なんてことを!」
    「お前が動いたからなんだぜぇ?」
    「……くっ!」
    「警察ってのは正義の組織なんだろォ? お前、自分が抵抗したせいで、何の罪もない一般市民が一人ずつ撃たれちゃってもいいのかなァ? 次は殺すぜェ?」
     再び男の手が伸ばされ、今度は両胸ともが鷲掴みにされてしまう。
    「くぅぅ……!」
     自分の抵抗一つで重傷者が出た手前、我が物顔で揉みしだかれても動くに動けず、あさみは屈辱を噛み締める。
    「あさみちゃん。お前、処女か?」
    「…………処女です」
     決して相手を許さない目つきを浮かべながら、あさみは一言答えてみせる。
    「処女の警察か。よし、動くなよォ?」
     マスクに顔が隠れた奥からでも、男のニッタリとした表情がよくわかる。そんな男の手がボタンを一つずつ外しては前をはだけ、ワイシャツも同様に割り開くことで、白いスポーツブラジャーがあらわとなる。
    「ほーう? スポブラかよ」
     男は胸元のゴムに指を引っ掛け、スポーツブラジャーを持ち上げる。ツンと上向きの半球型の乳房が曝け出され、あさみは一層顔を歪めて頬も朱色に染め上げた。
    (悔しい……こんな奴に…………!)
     自分は若くして警部補に上り詰めたエリートであり、特例で研修期間を終了してはダイハチに配属された崇高な警察官だ。市民を守るべき立場にいながら、自分は犯罪者ごときに胸を見せてもいい存在じゃない。
     だというのに、無骨な五指が左右の乳房に食い込み踊る。衆人環視の前というのもあり、あさみは耳まで赤く染めていき、恥と屈辱とで頬の筋肉をピクピクと震わせた。
    「おい。お前、感じてるのか?」
    「はぁ? そんなわけ――」
    「だったら、この乳首はなんだ?」
    「ひゃぁぁ!」
     不意に乳首をつままれて、乳房に電流が迸る。あさみは腰をくの字に折るようにして、勢いよく動いてしまった。
    「お? 今のは抵抗か?」
    「ち、違ッ……!」
    「そうだよなァ? 感じちゃっただけだもんなァ?」
    「うぅ…………」
    「どうなんだ? 答えろ。感じたのか? それとも、やっぱり抵抗したのか?」
     あさみは俯く。
    「……感じました」
     負けを認めるかのように、悔しげに震えながら呟いた。
    「――ハッハッハッハッハ! 傑作だぜ! 警察が犯罪者におっぱい揉まれて感じたってよォ!」
    「うっ、ぐぅ……」
    「傑作ついでに次はチンコでもしゃぶってもらおうかァ!」
     男は楽しげに笑いながらチャックを下げ、怒張した太い肉棒をつまみ出す。あさみは反射的に目を背け、犯罪者が調子づいている事実に歯噛みした。
    「どうした? 言うことを聞かないのも抵抗のうちにしちまうぜェ?」
    「……わかりました。人質には手を出さないで下さい」
     あさみは男に跪き、はち切れそうなほどに膨らむ亀頭を口の中に含ませる。
    (私が! 私がこんなことをするなんて……!)
     大口を開けることで顎に負担感を覚えつつ、リング状に広がる薄桃色の唇を巻きつける。顔を押し進めていけば、口腔を押し広げる圧迫感は強く、口では息ができなくなって息苦しい。その太さが故に、特に意識しなくても、あさみの舌はべったりとペニスに張り付いていた。
    「んむぅぅ――んじゅるぅぅ――――」
     視線を上げれば、あさみを見下ろす男の顔は実に勝ち誇ったものとなっている。何十人もの市民が見ている前で、警察にフェラチオをさせるのは、さぞかし偉くなった気分だろう。
    (悔しすぎる……!)
     リング状の唇を往復させ、亀頭が口内の奥と手前を行き来する。ピクピクとした脈動が舌のざらつく面に伝わり、かすかなカウパーの味まで広がった。
    「んぅぅぅ――んむぅぅ――んんうぅぅ…………」
     亀頭と竿の境目に唇がフィットするまで頭を引き、そこから顔を押し出しては、喉が塞がる直前にまで飲み込んでいく。初めて咥える不慣れさもあって、歯を少しは当ててしまうが、甘噛み程度のそれでは幸い抵抗とは看做されない。
    「うぢゅっ、じゅむぅぅ……」
     両手は腰の後ろに封じられているため、上半身だけで前後運動を行うのも、あさみにとってはやりにくい話であった。
    「ほーら、出すぜ?」
     ――ビュクビュク! ドクン!
     暴発的な脈打ちで、肉棒は口内を跳ね回る。頬の壁に、舌床に、天井に、あらゆる場所に白濁を撒き散らし、あさみの口内は汚白に染められる。
    「飲め」
    「……ごくっ」
     喉を鳴らせば、粘り気のある白濁は食道の壁を這うようにして流れ落ち、やがて胃袋に到達するまでがよくわかった。
     犯罪者の肉棒から出たものが、自分の身体で消化され、栄養としてまわってしまう。嫌過ぎる事実に打ちのめされ、あさみは静かに俯いた。
    「さて、交代か」
    「へへへっ、次は俺の番だな」
     別の男と入れ替わり、四つん這いになれと言ってくる。手錠の関係上、両手を床につくということはできず、胸と頭だけた下につき、尻だけが高い姿勢となった。
     すると、あさみの巨尻が強調される。
     くびれた腰の細まりから幅の広い骨盤にかけてのカーブが、魅惑的なラインを形成し、腰つきと尻山のいやらしさは服の上からでもよくわかる。丸々と肉を詰め込んだ膨らみが、紅色のタイトスカートを高く押し上げ、男の視線を一身にかき集めた。
     ぐにっ、と。
     両手が尻たぶを鷲掴みにしては、男は思う存分に揉みしだく。床に頬を押し付けて、ただ尻を差し出しているしかないあさみは、歯を噛み締めながら耐え忍んだ。
    「へへっ、正義のケツを揉み放題ってか?」
     食い込む指は自由に踊り、弾力ある肉を掴み取っては力を緩める。やがてタイトスカートを持ち上げては、ストッキングとスポーツショーツを介した布二枚の上から揉みしだき、次にはストッキングが膝の位置まで下ろされる。
     ポーズだけでも情けないのに、一枚ずつ守りを失っていく心地は、恐ろしいほど心もとないものである。
    (どうすれば……)
     どんなに状況を打開したくても、できることは何もない。ただ少しでも早く助けが来て、警察隊が彼らを制圧してくれることを願うのみだ。
    (私だって、警察なのに……)
     本来なら、こんな場所ではない。自分は制圧する側に立つ人間なのに、ただ運が悪かったというだけで自分一人で武装集団の前に居合わせて、スポーツショーツのゴムにも指が入り込んでは下げられる。
    「はい。おケツ丸出しー」
     ずるんと、膝まで下ろされた。
    「くぅ……!」
     あさみの肉厚な尻は、滑らかな美白肌にほんの少しの赤みをまぶしたような、白桃の色合いによく似ている。見ているだけで甘い果実の香りが漂って思えるほど、瑞々しくも大きな大きな美尻であった。
    「尻の穴まで丸見えだぜ?」
    「そ、そんな場所を……!」
     言葉による指摘を受け、あさみの頭は恥ずかしさで沸騰する。顔全体がまるで茹で上げたように赤くなり、あさみは歯茎が折れそうなほどに力強く食い縛った。人質の視線だってある中で、こんな男にお尻の穴まで見られるのは、乙女心ある未成年には拷問に等しい。
    「ほーれ、ツンツン」
     指先のノックが、黒ずみの薄い清潔な皺の窄まりを刺激する。反射的に尻が力んで、放射状の皺がぎゅぅぅぅっ、と小さく縮んでいく。
    (く、悔しい! こんな……!)
     執拗に繰り返されるノックで、肛門はヒクヒクと収縮を繰り返した。
     そして、また尻たぶを鷲掴みにして、指全体を蠢かせる。沈んでは浮き、沈んでは浮く軽やかな五指は、突如として尻を離れて――
    
     ペチン!
    
     平手打ちが軽やかな音を鳴らした。
     波打つようにプルンと、弾力あるゼリーのような振動を、その巨尻は一瞬だけ披露していた。
    「What!?」
    
     ペチン! ペチン!
    
     太鼓だ。太鼓を叩く感覚で、左右の腕を順番に振り上げながら、二つの尻たぶを交互に叩き始めている。
    
     ペチン! ペチン! ペチン! ペチン!
     ペチン! ペチン! ペチン! ペチン!
    
     ワン・ツー、ワン・ツー。
     と、声に出しているわけではないが、明らかにリズムを取った打ち方で、あさみの尻はそのたびにプルンプルンと、柔らかくバウンドしている。
    
     ペチン! ペチン! ペチン! ペチン!
     ペチン! ペチン! ペチン! ペチン!
    
     元の形に戻ろうとする弾力が強くてか、波打つ尻が振動するのは本当に一瞬だが、やまない平手打ちが何度でも打ち揺らすので、結果的に継続してプルプルと、小刻みな揺れは続いているのだ。
    
     ペチン! ペチン! ペチン! ペチン!
     ペチン! ペチン! ペチン! ペチン!
    
    「いいのかなぁ? 警察さんよぉ?」
    
     ペチン! ペチン! ペチン! ペチン!
     ペチン! ペチン! ペチン! ペチン!
    
    「犯罪者からお仕置きを受けるだなんて、アンタに正義感はないのかい?」
    「自分で人質を盾にして……!」
    「ハハハハ! 人質さえいなけりゃ、こんなことなかったのかなァ? だったらなおのこと悔しいなァ? 抵抗できれば俺らなんかイチコロなのになァ?」
     そこでスパンキングを打ち止めにした男は、ペニスを出して尻の狭間に接着させる。チャックを下げる音が聞こえた瞬間から、てっきり処女を奪われることを悟ったあさみは、お尻に肉棒を挟むという思わぬ行動に目を見開いた。
    「お、お尻って……」
    「公僕様は尻コキを知らんときたか」
    (尻コキって……)
     男はあさみの脚を引っ張り、四つん這いから仰向けに変え、閉じ合わさった脚の上に跨りながら肉棒を押し付ける。その方が尻の割れ目が閉じるので、狭間にものを挟みやすいからだ。
     両手で尻肉を中央に寄せ上げ、肉棒に可能な限り巻きつける。そのまま前後に動き出し、割れ目のラインに摩擦する。肛門の上を何度も何度も、亀頭が往復通過して、あさみはこの肉棒の形を尻で存分に味わうこととなった。
    
     ペツっ、ペツっ……。
    
     前後運動の腰が尻山の突出にぶつかるたび、前後にプルンと揺れている。揉むように蠢く指は、肉を寄せ上げることで竿の側面に圧着させ、少しでも深い谷間を作って、その狭間をペニスは出入りする。
     押し合わさった山肉のぴったりと閉じた狭間を割り開き、亀頭が尾てい骨の向こうまで進行しては、また割れ目の下弦へと後退する。
    (変態! 変態すぎる!)
     あさみは拳を握り締めた。
     腰の後ろで手錠のかかった状態のうつ伏せなど、それこそ制圧される側のものだ。警察に属していながら、強盗集団こそが自分を制圧した挙句に、こうして尻を自由に使われる。こんな姿を一般市民の人質達に見られている。
    「お前、ケツでかいって言われるだろ」
    「……っ! 言われません!」
    「ああん? 嘘付け、デカいんだよ。刑事だけにデカケツですってか? プッハ!」
     またも男はお尻を叩き、大喜びで打ち鳴らした末に腰振りのペースを早める。馬乗りをやめて腰を浮かせたかと思えば、それは背中への射精であった。
     ――ドクゥゥ! ドックン! ビュルルン!
     紅色の背中に撒き散らされ、白濁が衣服に染みる。警察制服への射精など、それこそ侮辱を受けた気がして、あさみはさらに歯噛みした。
     そして、次の男。
    「んじゃあ、ケツ上げろ」
     あさみは尻だけが高い姿勢に戻る。
     すると、さっそくチャックの下がる音が聞こえて、秘所の割れ目に肉棒の接近してくる気配がわかる。
    (い、入れられる……!)
     あさみは動けなかった。
     完全に、硬直した。
     本当なら、強引に犯されるなど、もっと極限まで暴れて抵抗してもおかしくない。しかし、自分の抵抗一つで脚を撃たれた人質を思えば、これ以上被害者を増やしてはならない警察としての『使命感』も湧いてくる。
     それは複雑な心境。
     他の女性達の存在を考えれば、自分でなければ他の誰かがこうなるのだろう。だとしたら、ある意味自分を盾にして、一人でも多くの市民を守っていることにはなるのだが、その実態は武装集団をあさみだけで鎮圧するのは不可能だったため、一緒に人質にされただけなのだ。
     だが、どちらにしても、抵抗と同時に銃の引き金は引かれてしまう。
    (……受け入れるしかないというの?)
     亀頭が、あさみの縦筋を上下になぞっている。
    (そ、それしかない……私のせいで市民が何人撃たれるかわからない……)
     そこに肉棒の存在を感じながら、今に来る挿入の予感に、こんな形で処女を奪われることへの覚悟を固めていた。
    「お? もう濡れてんじゃん」
    「NO! そんなことは――」
    「いいや、濡れてるぜ? そんなに興奮したかよ」
    「……そんなわけありません」
     言葉で否定したところで、秘裂から染み出る甘蜜が亀頭の先に絡んでいるのは、紛れもない事実である。
    「へへっ、入れるぜ?」
     突き立てられた肉棒は、確かにあさみの膣口に狙いを定めた。
    (……悔しい! 悔しすぎる!)
     涙に肩を震わせるが、それはもう受け入れるしかないものだ。市民の命を思えばこそ、あさみはこのまま動くわけにはいかなかった。
     ずにゅうっ、と。
     亀頭が割れ目を押し開き、その先端を膣口に沈め始める。少しずつ、少しずつ、小さな処女穴を内側から押し広げ、拡張していきながら、亀頭の約半分があさみの膣内へ――そして、カリ首までが入って一気に――。
    
    「――――――――!」
    
     貫かれたあさみは、声なき悲鳴を上げていた。
     これで、奪われた。
    「うっひょぉぉぉぉ! 警察様の処女を頂いたぜ!」
    「――っぅぅぅうう!」
     内側からの圧迫感にあさみは呻く。
     根元までが入り込めば、押し付けられた腰が巨尻を柔らかにむにゅりと潰れる
    「んっ! んっ、ぐぅぅぅ……!」
     すぐにピストン運動が開始され、男の腰が尻山を打つたびに、プルプルと波打つような肉揺れが披露される。
    
     ――パン、パン、パン、パン、パン、パン、パン、パン!
    
     肌を打ち鳴らす音がよく響く。
     巨尻は面白いほどにプルンプルンと、大胆なバウンドを繰り返す。男のピストン運動が、まるで尻の弾力に腰を跳ね返されているようにさえ見えてくる。
    「――あっ! あぐぅぅぅ!」
     あさみは腰の後ろの両手でよがった。
    「警察様の正義のおマンコ! 最高だぜぇ!」
     下腹部全体が力んでか、膣壁が肉棒を握り潰さんばかりに収縮する。肛門の皺もヒクヒクと窄まりを繰り返し、そして尻は波打ち続ける。
    「――んっ、んぅっ! んぐぅ……んぐぁぁ……あぁぁ……!」
    「ハーッハッハッハ! 銀行強盗のチンコに屈服しましたかァ?」
    「そんなわけ――ひゃうん!」
    「ほれほれ、だんだん声が甘くなってるぜ? 感じた女の声になってるぜ?」
    「違っ――あぁっ、あふぁぁ……はあぁん! んあぁぁああ!」
     甘い電流が脚に背中に駆け巡り、あさみはいつしか快楽によがっていた。
    「――あっ! あん! あふぁぁああ! はああ! ひあぁぁあああ!」
    
     感じてる! 気持ち良くなっている!
     私がッ、私が……犯罪者の手で……!
    
    「――んふぁぁああっ、あぅっ、うぅん! んはぁぁ!」
    
     認められない! こんな奴で気持ちいいなんて!
     私は――私は――。
    
    「おっと、そろそろ射精の時間だ」
     それは膣内射精の危機。
    「嫌っ! ナカは――ナカだけは――」
     あさみは初めて、再び尻を暴れさせ、挿入を逃れようと抗い始める。しかし、根元まで埋まったままに腰をくねらせてみたところで、余計に膣内がかき回されるだけである。ただ無意味にお尻をフリフリする滑稽な姿でしかなかった。
     そして、その抗いは魔法の一言によって沈められる。
    「それは抵抗か?」
    「…………」
     まるで嘘のように、スイッチでも切ったかのように、あさみは抵抗を諦めた。
    (だ、出される――!)
     脈動を感じ取り、射精の予感にあさみはぐっと身を固めた。
    
     ――ドクゥン! ドクッ、ビュルン! ドックゥゥゥン!
    
     肉棒の引き抜かれた膣口は、こっぽりと穴の直径を広げたまま、まるでヨダレを垂らすかのように白濁を垂らしている。
    
     敗北した正義の姿であった。