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  • フィリアの奉仕

    
    
    
     騎士団就任の日。
     国家への忠誠心を証明する儀式に呼ばれ、騎士フィリアは神聖なる王座へと足を進めていく。
     フィリアは妖艶だった。
     白銀の長い髪は、まるで一本一本に輝きをまぶしたように、歩むリズムで揺り動くたび、煌きが散らされている。
     肩章を掲げた騎士装束に身を包み、スカートから眩しい太ももを曝け出すのは、それが指定の服装であり、城内の規則として着用が義務付けられるからである。運動に適さない格好など戦闘上好ましくないのだが、男の思う服を着せるところが、ある意味では女騎士の扱いを象徴している。
     王のほとんど目の前まで辿り付くと、フィリアは膝をついた。
    「このフィリア――これより国家に身を属する騎士として、その覚悟と忠誠心をここに表明致しましょう」
     そして、王のズボンに手を伸ばした。
     忠誠の儀と呼ばれる昔からの風習だ。
     剣に命を捧げて育った女が、男根への奉仕によって魂の証明を行うのは、遡れば伝説の女騎士が残した逸話にまで遡る。
     今よりもっと女性の権利が低かった時代において、より多くの女性の身を憂い、権利の向上を求めるとき、ならば覚悟を示されよと、王は女騎士に奉仕を要求した。我が身と引き換えに大勢の女性の権利が高まると考えた彼女は、まだキスもしたことのなかった唇で男根を慰め、いつしか子まで宿したという。
     確かに女性市民の権利は向上して、女の発言力が当時と比べて随分高いが、一度法制化されてしまった儀式については、そんな今でも撤廃されていない。
     それでも、フィリアは騎士を目指してきた。
     この世界は絶えず侵略者に脅かされている。
     幼い頃、自分の住む区画に攻め込んだ魔物に殺されかけ、急な出現に対して辛うじて出動を間に合わせた女騎士が、身を挺して五歳だったフィリアを救った。あの時の騎士は生きているのか死んでいるのか。
     いずれにせよ、戦慄と共に痛感した。
     自分達の平和は誰かの血によって成り立っているのだと……。
     死に掛けて、守られて、騎士の流血を目の前で見てしまった体験は、世界の平和や安全について大いに考えるきっかけとなり、やがて騎士など目指すようになっていた。その途中で伝統の儀式とやらについて知っても、それ以上に平和に貢献したい気持ちが強かった。
     修行は苦しかった。
     基礎体力をつける走り込みでは半日以上走り続けて、もう脚が壊れて二度と動かないような気がするほどに筋肉を痛めつけることを繰り返し、剣術を習うより先に格闘術の訓練もさせられた。剣がなければ何もできないのでは話にならず、そもそも剣とは手の延長と考えられ、格闘能力を身につけた土台の上に剣を生やしていくイメージだ。
     生死の危険に関わる訓練は幾つもあった。魔物とも戦わされた。
     その果てにあるものが肉棒なのかと思うと、フィリアには自分の気持ちを言葉にできない。
     ズボンの中から取り出すと、立派なまでの剛直が目を引いた。
    「ではそなたの奉仕を見せるがよい」
     重々しい王の言葉が耳に染み込む。
     一物は一物でも、それは王の肉棒だ。
     騎士団の維持に経費をかけ、装備を整える物品経路や訓練場に、高級な宿舎といったものまで揃える王政は、そんな国防政策によってある意味では人々を守っている一人である。最高権力者から生えた棒だと思うと、どことなく権威の象徴にも見えてきた。
    「このフィリアの心意気。どうかお受け取りください」
     顔を近づけた分だけ、血管の浮き出た太さが視界を占め、ムラムラとした淫気が漂い、蒸れた蒸気の塊が顔を包んでくるかのような心地がした。
     相手は王だ。
     圧倒的な身分の違いからして、こうして膝をつくのは礼儀として当然にしても、これら行う奉仕を思うと、一体どれほど深い忠誠が求められるものなのかと、今一度考えさせられる。
     とにかく触ろう。
     天に向かってそそり立つ肉棒に指を触れ、そっと舌を伸ばしたフィリアは、竿と袋のおよそ境目あたりに当てていた。
     竿の熱気が顔にぶつかる。
    
     れろぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ――。
    
     と、舐め上げていきながら、首の角度をだんだん上げると、フィリアを見下ろす王の威厳ある顔立ちが目に入った。
     沸騰のごとき勢いで胸に沸き立つ感情は、さしずめ従属感とでも言うべき、自分が権力に跪いていることへの実感だった。
     フィリアにはもっと、平和への願いや騎士としての使命感があるはずだった。
     これはそのための儀式であり、どんな形にせよ忠誠を誓うための場なのだと、騎士たる魂を王に認めて頂くための神聖な執り行いだと心得ていた。そういう試練の一部と捉え、あえて性奉仕を求めることで、心を試されているのだと考えていた。
     そんな数々の考えが消し飛ぶほど、フィリアには肉棒の刺激が強かった。
     まして、キスだってしたことのない唇だ。
     口奉仕のために教わったのは、歯を立てたり、噛んではならないことだけで、具体的な舌使いだとかいったことは何も知らない。
     だから、まずは舐め続けた。
     下から上への繰り返しが、直線状に唾液を馴染ませ、亀頭に滲むカウパーに気づいてからは鈴口をよく舐めた。
     もしも権威に味があったら、これなのだろうか。
     王は上からフィリアを見て、フィリアは下から王を見上げる。文字通りの目上に対する奉仕に励んでいると、広がりゆく従属感が、もう足の先にも染み渡っている心地がした。舐めれば舐めるだけ、全身がそれで満たされている感覚が確かにあった。
    
     私は王に従う騎士。
     これしきのこと――。
    
     いつまでもペロペロと、舌先ばかりで動いていると、亀頭の約半分だけが唾液に濡れ、竿の根元に染みた部分はやや乾き始めていた。
     まだ王のお許しは出ない。
     お許しが出るまで続けるのが、この儀式の作法である。
     だからとて、何をどうしたら男は嬉しいものなのか。荘厳なる顔つきのまま表情を変えない王の顔色など伺っても、自分がどれほど王を喜ばせているわけか。まるでわからないフィリアとしては、わからないなりに続けているしかできなかった。
     また根元から亀頭にかけ、下から上への舐め上げに励んでみる。
    
     れろぉぉぉぉ――ねろぉぉぉぉぉぉ――。
    
     ぎこちなく、たどたどしかったフィリアの動きは、慣れるにつれて少しは活発になっていき、やがては竿の裏面にべったりと、まんべんなく唾液のぬかるみが染み込んでいた。
     そして、鈴口を唇で包み込む。
    「――ちゅっ、チュチュ、ちゅぅっ、ちゅぶぅっ」
     そこから飲料でも吸い上げたいかのように、先走りの汁を口内に迎え入れ、唾液とカウパーの見分けがつかないまでに亀頭を濡らす。
     もわっとして、蒸れっぽくもある熱い淫気が、心なしか増しているような気がした。
     はち切れそうなほどの怒張から、血管がより濃く浮き出て、一層のこと立派に硬く天を貫く姿勢である。まるで肉棒の存在そのものが、フィリアに対して奉仕を命じているかのようで、ついには亀頭の赤みを飲み込んだ。
     ぷっくりとした唇の輪で、締め付けているのはカリ首の部分である。鈴口とのキスになるまで頭を引いて、それから前に押し出す前後運動は、柔らかに閉じ合わさった唇の合わせ目に、絶えず亀頭を出入りさせていた。
     少しでも唇が離れると、透明な糸が引く。
     咥え直して、また亀頭を出入りさせ、糸を引かせては鈴口にキスをする。繰り返しているうちに竿まで咥えるようになり、そのうちに肉棒の半分までを口に収めていた。
    「んじゅぅ……ちゅっ、ぬじゅるぅぅ――――」
     牡の香りっぽさが、口内にまんべんなく満ちている。
     こうしていると、占領によって自分の口内領地を王に取られているような、王と自分が勝者と敗者に分かれてしまった気持ちが沸いてきた――無論、フィリアが敗者側だ。
     身分の違い、立場の差。
     あらゆるものを文字通りに味わっていた。
     大きく口を開けていなければならない顎の負担も、口呼吸が出来ないので鼻で息をしていることも、太さのあまり意識せずとも舌が竿に張り付くのも、全てが王に自分を征服されていることの一部な気がしていた。
    「もっと顔をよく見せるがよい」
     王の言葉に従うフィリアは、上下に動かしていた顔の角度を上向きにして、肉棒の収まったままの表情を謙譲した。
    「ふむ」
     威厳ある王は、実に満足げな顔をして、フィリアの顔をよく眺めた。
     顔面に視線を浴びるフィリアは、ただひたすらに大事なものを差し出す気持ちで、肉棒入りのこの顔を王の視界に与えていた。
     どんな面白い気持ちでいることだろう。
     咥えたままの顔立ちは、いやらしいと映るのか、間抜けと見えるか。どうなのかはわからないが、王が視覚的にもフィリアを楽しんでいることだけは間違いない。そう考えるだけでも皮膚が疼いて泡立つ感じがする。それはまるで、顔の皮膚さえ王の領地に変えられているようだとフィリア感じた。
     フィリアにある従属感とは正反対の感情が、王の中には沸いているはず。
     そうやって、上下関係が構築される。
     これが、儀式。
     自分は配下。王に仕える従者であり、その忠誠心を示すからには、肉体を差し出せと言われれば黙って抱かれる。奉仕を求められれば奉仕する。女騎士の身分に課せられた雑務というのもおかしいが、そんな気がしてきていた。
     忠義の証明方法が、もうこんなことであっても構わない。
     騎士として戦場に赴き、人々を守れるのなら……。
    
     ぺろっ、ぺろっ、ぺろっ、ぺろっ、ぺろっ、ぺろっ……。
    
     溢れ続けるカウパーを舌に舐め取り、そうしている顔も王に捧げた。口付けのごとく先端に唇をそっと当てている顔も、根元から先端まで舐め上げる顔も、咥えて前後に動くのも、何もかも王に捧げた。
    「……出すぞ。飲め」
     重々しい命令にフィリアは従う。
     今に来る射精に向け、その精を解き放って頂くために顔を振り、肉棒の脈打つ予兆を感じ取たフィリアは、ここぞとばかりに唇に力を込めた。ぴったりと隙間を閉じて、一滴たりともこぼさないために死力を尽くした。
     
     ――ドクン!
    
     まず一射が、喉奥に弾のような塊をぶつけた。
     すぐにヒクヒクと、脈打ちを繰り返すごとに――。
    
     ――ドクッ、ビュル、ドピュン!
    
     一つ一つの射撃が口内のどこかに命中して、上顎や頬の内側を流れ落ちては、舌の上に溜め込まれる。
     ここで口を開けば、フィリアの下顎は白い水溜りになっているはずだ。
     そして、その白濁に舌がどこまでか浸されているはずだった。
     射精が止まったと見たフィリアは、こぼさないように気をつけながら頭を引き、唇の中に全てを閉じ込めた。
     喉を鳴らして、飲み干した。
     飲み下す瞬間の表情も、きっと王に謙譲せねばならない一つとして、フィリアは顔の角度を上向きにしていた。
     感覚でわかった。
     喉の内側に、食道の壁にこびりついているものが、下へ下へと流れて、腹の内側を目指している。これが胃袋で消化され、フィリアの全身に行き渡るのだ。
    「大儀であったぞ」
    「お褒めに預かり、光栄にございます」
    「うむ。今日は下がってよい」
    「はっ、それでは――」
     いずれまた、申しつけを受けるのだろう。
     果たして、それはセックスか。それとも別の奉仕になるか。
     フィリアは今、国家の所有物となったのだ。
     その真実をよくよく実感して、フィリアは王の間を後にした。
    
    
    


     
     
     


  • 女騎士の陵辱

    
    
    
     計り知れないほどの感情が俺に伝わる。
     王国の姫君に仕えている女騎士は、この俺を呪わんばかりに睨みつけ、音が聞こえそうなほど激しい歯軋りで表情を険しくしていた。
    
     ベッドの上――。
    
     俺に体を差し出した女騎士は、俺に乳を揉まれているのだ。
     魔王直属の敵勢力を率いる俺は、捕えた姫君を人質に女騎士を抱いている。姫君の安全を保証し、純潔を守る約束と引き換えに、女騎士が魔王配下の俺に体を明け渡す。
     抵抗すればどうなるか。
     土壇場になって拒んだり、ましてや拳でも奮おうものなら、姫君の運命はどうなるか。
     賢い彼女は、とてもよくわかっている。
     だから、女騎士は逆らわない。
    「下衆め……」
     逆らわない代わりに、例え体がどうなろうとも、心だけは渡していないと、彼女は態度で示している。どんなに乳房を揉みしだこうと、魂までは渡さない。そんな彼女の意思が、顔にありありと浮かんでいる。
     素晴らしいと思った。
     堕ちることのない、その高潔なる魂。
     いかに快楽と絶頂を与えようとも、きっと折れはしないであろう心の強さ。
     故に、俺は彼女を気に入った。
     心地良いのだ。
     屈辱に打ちひしがれ、しかし意地でも心は渡すまいとするプライドの高い女を犯すことが、堪らなく楽しい。折れない心を感じながら、その柔肌をまさぐることが好きなのだ。
     俺はその豊満な乳に指を躍らせ、弾力と柔らかさを存分に手で楽しむ。
    「…………」
     されるがままの女騎士は、ただ俺を睨む。
     強く、強く、睨む。
    「いい胸だ」
    「…………黙れ」
     俺の言葉に、女騎士は小さく応えた。
     きっと、本当なら今すぐに剣を片手に、俺に斬りかかりたい殺意を抱いている。人質の命を思えばこそ、溢れんばかりの殺気を強引にでも胸に抑えて、武力だけは行使しないように我慢している。
     今にも暴力を奮いそうな自分を抑えるべく、女騎士はシーツを強く握って己の心を封じていた。
    「下はどうだ?」
    「――っ!」
     そんな女騎士の秘所へ触れると、彼女はビクンと肩を弾ませた。
    「ほう? 感じるようだな」
     俺には女を感じさせるための魔力がある。いかに強引にねじ伏せたとて、強制的に快楽を引き出す魔術を会得している。女騎士は己の意思に関係なく喘ぐのだ。
    「……くっ、こんなものっ」
    「どうかな? 顔が赤いようだが」
    「元からそういう色だ!」
    「そうか。あんなに白い肌だったのにな」
     いい気になって、笑ってみせる。
    「……ぐっ」
     女騎士は面白いほど顔を顰めた。
     彼女の感情が体で伝わる。
     こうして肌を重ねていると、女騎士の肉体から震えが通じてくるのだ。全身を硬直させ、筋肉を軋ませたようなプルプルとした震えが、彼女の肌から俺に伝わる。
     恐怖でもなく、悲しみでもなく。
     それは怒りと屈辱。
     忠誠を誓う姫君を捕え、人質としたばかりか、俺は女騎士の肉体まで要求しているわけだ。彼女の抱く、俺に対する憎悪は並大抵のものではない。
     もしも彼女が俺に反撃できたなら、俺の血肉を全て細切れにして、残酷に死なせなければ気が済まないほどだろう。塵も残したくないに違いない。
    「さて、そろそろ欲しいんじゃないか?」
     そんな女騎士の入り口に、俺は亀頭を沿え当てる。
    「誰が欲しいものか!」
    「だが、立場はわかっているだろう?」
    「貴様ァ……」
    「下さいと言ってみろ」
     亀頭の先端を塗りつけながら、俺は言葉を要求する。
    「……い、言ってみろだと? 黙って快楽だけを貪っていればいいものを、私自らに要求させたいのか!」
    「人形を抱いてもつまらんからな。夜の情事とは、少しは言葉を交わすものだぞ」
    「痴れ者め……」
    「さあ、言ってみろ」
     さぞかし、俺が憎いだろう。
     もやは、凶眼だった。
     視線だけで俺を射殺すつもりかと思うほど、憎しみの篭ったおぞましい目で、女騎士は俺を睨む。
     そして、実に震えた声で。
    「…………下さい」
     女騎士は小さく言った。
    「何をだ?」
    「ぐっ、貴様! わかっていながら……」
    「何が欲しい」
    「だから! 貴様のその……男根が秘所に欲しい!」
     ゾクっとした。
     実に気分が良かった。
     この高潔な騎士を相手に、俺は淫らな言葉さえも要求できる立場にいる。
     最高だ。
    「ははっ! そんなに欲しいか!」
    「言わせておいて……」
    「仕方が無い! ならばくれてやろう! この俺の一物を!」
     ずぷり。
     押し込んだ。
    「――んんっ、んぬぁ……!」
     女騎士は快楽に仰け反って、ベッドで背中を弾ませる。よがった己を恥じるように、俺の与える快楽を憎むように、顔を歪んで睨む視線の鋭さを緩めない。
    「どうだ? どこがいい」
     腰を振る。
    「――んっ、んん――んぁ……んんん……」
     女騎士は必死になって歯を食いしばり、声など出すかと言わんばかりに憎悪の眼差しを向けてきた。
     ――伝わる。
     とてもよく伝わってくる。
    「くぁっ、あっ、ああん!」
     憎い俺に感じさせられ、不本意によがるその表情が最高だ。
     一物に吸着して絡む膣壁、俺なんかには聞かせたくないであろう喘ぎ声。
     彼女の何もかもが俺を興奮させていた。
     ああ、最高だ。
    
    「き、貴様ァ……! よくもナカで……」
    
     おぞましげに俺を見る、彼女を奴隷として扱う。
     果たして、なんたる魅力的なことであろうか。
    
    「舐めろ」
    
     膣内射精に対して、怒り心頭であろう女騎士に俺は命じる。
     耐え抜く以外の道がない彼女は、全身が震えるほどの激しい感情を懸命に抑えながら、まるでおぞましい汚物でも見るような目で、俺のを咥える。
     睨む視線は鋭くしたまま、口を大きく開き、唇の輪で俺の肉茎を締め付ける。舌をぺったりと当てて頭を前後し、この俺に快楽を与えるための奉仕をした。
    「上手いぞ? なかなかだ」
     煽るような言葉をかけ、頭を撫でる。
     女騎士はますますムキになり、願わくば噛み切ってやりたいような、反撃の衝動を顔に表す。
     そして、それを抑えて口を使う。
    「ちゅっ、ちゅる……じゅるぅぅ……ぴちゅぅ」
     こうさせたいのだろう? こんな風にしないと、どうせ文句を言うのだろう? と。そんな台詞を言わんばかりの反抗的な表情で、不本意は口奉仕をこなしている。
     彼女なりに、俺に快楽を与える努力をしているが、それがいかに屈辱を堪えてのことなのか。悔し涙を滲ませて、赤面しきったその顔を見れば、その感情量が理解できた。
    「出すぞ? 吐き出すなよ」
     ――ドクドクッ! ドクッ……ビュクビュクっ……
     柔らかく温かな舌に亀頭を乗せた上体で、俺は女騎士の口内へ精を注いだ。彼女の舌一面には白濁がびっしりと敷き詰められ、俺の味がむわりと広がっているはずだ。
    「よーく噛んで、それから飲み込め」
     命令してやる。
     すると、女騎士は唇を閉じた内側で歯軋りして、さらに鋭く俺を睨みつつ、口をもごもごと動かし始める。十分に噛み潰してから、ゴクリと喉を鳴らして腹に収めた。
    「これで満足か?」
    「まだまだだ。四つん這いになれ」
    「くっ……」
     女騎士は尻を差し出し、俺はその丸みを撫で回して、秘所に押し当て挿入する。
    「くっ……あぁぁっ……!」
     よがり、背中を仰け反らせた。
     彼女は永遠に俺の奴隷だ。
     いずれ堕ちるその時まで、俺の人形であり続ける。
    
    
    


     
     
     


  • 女エルフの村

    
    
    
      エルフ!
     人間よりも剣や魔法に長け、寿命も長いその種族はそれ故に個体数はとても少ない。希少な存在であるエルフは人里離れた森奥の里で平和に暮らしていた。
     だが、そこに一人の男が現れる。
     彼の名はマルス!
     邪悪な微笑みを持った男の侵入には当然女エルフ達も警戒し、一斉に剣を手にしてその男を取り囲んだ。
    「貴様、何奴だ!」
     銀髪のエルフ――レミリアがマルスの喉元へ切っ先を突きつけ、激しい剣幕で問い正す。エルフは余所者への警戒心が強いのだ。
    「俺はマルス」
    「マルスだと?」
    「お前達を俺のモノとするため、はるばるやってきたのだ!」
     マルスもまた腰の鞘から剣を引き抜き、喉元に突きつけられた銀髪の長剣を薙ぎ払った。
     素早い動きだ。
     普通、剣を引き抜き反撃するよりも、既に喉へ突きつけた剣をそのまま差し込む方が遥かに速いはずである。にも関わらず、マルスはあまりにも速い剣速で銀髪の長剣を打ち上げ、余裕の素振りで剣を構えたのだ。
    「くっ、かかれ!」
     レミリアが声を張ると、マルスを取り囲んだ女エルフ達は一斉に飛びかかる。
     その数、ゆうに十人。
     それぞれの剣がマルスに向かって振り下ろされる。
     しかし、そのおびただしい剣撃の数々さえもマルスは素早く受け流し、見事の防御しきっていた。
    「わ、我々の攻撃が届きません!」
     隊をなすエルフの一人が焦りの声をあげた。
     マルスは迫り来る周囲からの剣に向かい、とてつもないスピードで自分の剣を振り回す。剣と剣をぶつけ合い、マルスは相手の剣を弾くのだ。
     さながらそういう結界でも張られているかのように、マルスへの攻撃は振るった瞬間に全て弾かれ、勢いのためにエルフの剣は腕ごと打ち上げられる。再度構えて斬りつけるも、同じ現象が繰り返されるばかりだ。
     そして――。
    「<イケ!>」
     マルスは言葉を唱える。
     すると、奇妙なことが起こった。
    「あっ! いやぁぁ! ああぁぁああぁぁああん!」
    「ひゃぁああぁあああ!」
     マルスを取り囲んでいた女エルフ達は一斉に喘ぎ出し、己の股下を手で押さえながら絶頂でくず折れる。熱を帯びた感じたメスの顔になりながら、ハァハァと息をあげて倒れて行くのだ。
    「何!? 何が起こったというのだ!」
     レミリアは動揺する。
     マルスを包囲したエルフ隊は全滅し、全ての女が地に倒れていた。
     死んだわけではない。
     ただ、さも性的絶頂を迎えたかのようにイキ声を張り上げ、そして力尽きて行ったのだ。
    「魔導だよ。俺には女をイかせる能力がある」
    「イかせる……魔導だと?」
    「そう。それが俺の魔導騎士として発現した能力なのだ! <イけ!>」
     マルスが唱えた途端だ。
     レミリアの股元は疼き出し、みるみるうちに激しい快楽が膨れ上がる。
     それはまもなく爆発し――。
    
    「いぁぁあ、いやぁぁああああぁあ!」
    
     レミリアは仰け反りながら絶頂し、股からはポタポタと、お漏らしでもしたように愛液を垂れ流す。
     そしてバタリと倒れていった。
    
         *
    
     緑の深い森林の中を一人の女騎士が歩いていた。
     女騎士――リリアは長い金髪をなびかせ、凛とした目つきで遠くを見据えている。甲冑を身に纏ったリリアの胸元、乳房を覆う胸当てが丸い双山となっていることから、彼女がいかに巨乳であるかを物語っている。スカート状の腰の鎧からはむっちりとした太ももが覗いていた。
     まさしくリリアは金髪の美貌の騎士であった。
    (この先が確か女エルフの村だったはず)
     リリアは進んでいく。
    (食料を補給できるといいが)
     手持ちの荷物を思いながら、リリアは村へ向かってつき進んでいた。旅をして暮らすリリアにとって、荷物に食料が足りているかどうかは死活問題だ。長い旅路で携帯食料を消費している今、この先で何も補給できなければ苦しい思いをすることになる。
    (もっとも、この森で獣を狩るという方法もあるが……)
     そう、食料は狩りによっても補給できる。木の実や食べられる野草を探す手もあるが、やはり村の食事にありつけるのにこしたことはない。村や町の方がおいしい料理にありつける可能性は高かった。
    
     やっとのことで、木を切り開いた開けた土地へ辿り着いた。
     こじんまりとした一本の木も生えていない土地空間には、ぽつぽつといくつかの木製の家が立てられている。せいぜい一人か二人が暮らす程度の小さな家と、奥には一回り大きな家がある。おそらく大きな家こそ町でいう王宮のようなもので、村で最も偉い者――村長あたりが暮らしているのだろう。
     ここがエルフの住む村なのだ。
     エルフ達もリリアの気配に気づいたのだろう。
     女エルフ達がどこからともなく駆け出して、一斉にリリアを取り囲む。十人のエルフ隊が抜き身の剣をリリアへ向けた。
    「何者だ」
     一言、重々しく尋ねてきた。
     なるほど、ここは侵入者に対して当たりが厳しいらしい。
     警備隊であろうエルフ達に包囲され、リリアは四方八方から剣の切っ先を向けられる。少しでもおかしな動きを見せれば、またたくまに八つ裂きにされるのだろう。
    「私はリリアという。旅をしてここまでやって来た」
    「何の目的だ」
     様子がおかしい。
     警戒されているのだから、普通とは違う態度を取られるのは当然だ。しかし、それにしても、やけに紅潮した顔で、首に首輪を巻いている。アクセサリーとは言い難い。安っぽいエルフ達の首輪は、むしろペットにでも巻き付けるべきもののように感じられた。
    「旅の中で食料が尽きかけている。どこかで補給したいと思っていただけだ。それ以外に用はない」
    「よかろう。くれてやるから、早く立ち去れ」
     エルフの一人が木の実の詰まった袋を投げてきた。リリアの足元へ落ち、中の胡桃が何個かこぼれる。
     それを持ってとっとと帰れ、という意味だ。
     とことん歓迎されないらしい。
    「十分だ。礼を言う」
     ここまで余所者への警戒心が強い村にいても仕方がない。
     無理に居座ったところで良いことはなさそうだとリリアは判断した。
     リリアは木の実の袋を広い、素直に立ち去ろうと思った。森のどこかで野宿をすれば夜は過ごせる。これだけの木の実があれば、また次の村や町へ辿り着くまでは食いつないでいけるだろう。
     しかし、背中を向けたリリアを呼び止める声があった。
    「待ちたまえ」
     そこには男がいた。
     やって来た男に道を開けるようにして、エルフ達は隊を割る。
     その間をくぐって、男はリリアの元へ歩み寄ってきた。
    「あなたは?」
    「俺はマルスという者だ。リリアといったかな? この者達の無礼を許して欲しい」
     どういうわけか、人間がエルフ族を仕切っている。
     何かあるに違いない。
     リリアは眉をひそめた。
    「余所者に警戒するのは当然だ。そんなことより、ここはエルフの村のはず。何故、人間がこの村を仕切っている?」
    「それには色々とまあ事情があってな、追々話してやろう。みんな、この者を歓迎してやれ」
    「はい! ただいま!」
     ただの人間の命令に、エルフ達は一斉に声を返した。
    (どういうことなのだ?)
     エルフは人間に従う種族ではない。
     仲間同士でひっそりと暮らし、普段は人里には姿を見せない希少な種族のはず。
     何故、人間であるマルスの手下のようになっているのだろうか。
    
         *
    
     マルスは村で最も大きな家に住み、まるで王の玉座のような椅子に腰かけエルフの女をはべらせていた。両手に抱いた女を肩に抱き寄せ、股元には銀髪のレミリアを従わせている。
    「この単時間で随分上達したな、レミリア」
    「好きで上達したわけではない」
     レミリアは乳を露出し、マルスの肉棒を挟みしごいていた。谷間に深く挟みこむようにして捏ねあわせ、ペニスにはもっちりとした心地良い乳圧がかかってくる。擦り合わさる乳の狭間でマルスは乳悦に浸っていた。
    「俺には女を自由にイかせる能力がある。逆らえないのも無理はないだろうな」
     その力によって、マルスはこの村を支配したのだ。
     女はイかせてしまえば果てていく。
     誰もマルスの力に逆らえる女はいなかった。
    「くっ……」
     悔しそうに顔を歪めながらも、レミリアはその乳をペニスのために使っていた。
     レミリアはいい。
     村ではもっとも腕の立つ剣士らしく、銀色に輝く髪はしなやかに風になびく。さらりと指の溶け込んでいくような髪質と、透き通るような綺麗な肌、凛とした強い目つきが溜まらない。乳と尻も大きく膨らんでおり、最高のボディを兼ね備えていた。
     そんなレミリアが乳房を交互に上下させ、ペニスに乳悦を与えてくる。男根は限界まで勃起を極め、弓なりの反りながら今にも爆発しそうな勢いでぶるぶる震えていた。
     乳摩擦による乳肌の心地良さ。
     股間の奥から沸騰した欲望の塊が沸きあがり、亀頭の先から精の噴水をあげる。
    「おら、顔で受け止めろ」
     噴き上げる精液の噴水はレミリアのアゴにべったりと張り付き、顔面の口元を中心に白濁で濡らしていった。
    「私の顔に……。こんな……」
     さぞかし悔しいことだろう。
     だが、女というだけでマルスに逆らうことはできないのだ。
    「尻を向けろ」
    「己……」
     レミリアはマルスを睨みつつ、屈辱を噛み締めながら四つん這いになって尻を持ち上げ、白く丸い肉の丘をマルスに差し出す。
     マルスはその細い腰をがっしり掴んで、亀頭を秘所へあてがい挿入した。
    「くぁあ!」
     奥まで突き刺すと、レミリアは仰け反る。
    「ふははは! いいぞ? レミリア!」
     埋め込んだ肉棒は生温かいぬるりとした感触に包まれ、絞るような締め付けをレミリアの穴は与えてくる。その締め付けが刺激となり、腰を振るたびにマルスは絶好の快楽に興奮を増していった。
    「くはぁぁ! あぁ! あぁっ!」
     熱い膣壁が柔らかくペニスを抱きしめる。包みこんでフワリと絡みつくような気持ち良さにマルスは激しく腰を振り、レミリアの尻を打ちつけた。
     ペチッ、ペチッ、ペチッ。
     腰を振るたびに尻の打ちつく音が鳴る。
    「いいぞ? 最高の快楽だ!」
    「ひぁぁあああ! あ! あ!」
     絡みつく膣の快感にすぐに射精感が沸きあがり、根元から精が噴き出そうとする。
    「よし、イかせてやる。<イけ!>」
     唱えると同時に、
     ドビュゥゥゥン!
     マルスは中へ射精して、その熱くドロリとしたものを感じながらレミリアも絶頂する。
    「いやぁぁああぁぁあああぁぁぁぁああああ!」
     引き抜くと、レミリアはその場にばったりと倒れる。
     膣口からはこっぽりと白い液体をこぼしていた。
     マルスが王座に座りなおすと、奴隷となった二人のエルフがマルスの股へ顔を摺り寄せ、濡れたペニスを舌で掃除し始める。まぶされた膣液とこびりついた白濁の跡を二人は丁寧に舐め取っていた。
     猫でも可愛がるかのように、マルスは満足げに二人の頭を撫でる。
    「さて、せっかくお客さんが来ているところだ。リリアにも味合わせてやろう」
     マルスはじゅるちと舌なめずりをした。
    
         *
    
     村に招かれたリリアは一人のエルフの家へ連れられ、テーブルで料理を振舞われていた。
     マルスの指示を受けたエルフが、礼儀正しい従者のようにリリアを歓迎してくれたのだ。
     振舞われているのは鹿の肉と木の実を合わせて作られた極上のスープに、スライスされた燻製ハム、野草を盛って仕上げたサラダといった品々だ。
     どれも携帯食料などとは違う格別の味だ。
     リリアはおわんのスープを啜る。
     食えるときに食っておこうと遠慮なく料理に手をつけるが、この状況はとても怪しい。エルフが人間に従い、人間を村長のように扱っている。ペットのように安物の首輪まで付けられ、どう考えてもおかしな事態がこの村で起こっている。
    「何故、エルフが人間などに」
     リリアは尋ねた。
     聞いた噂ではエルフは個体数がとても少なく、それ故に普段は安全な森の奥に身を隠すという。人間は争い、戦争を起こすからだ。そのためにエルフの高い身体能力を利用したがる人間がいるから、仲間の数が減ることを恐れた大半のエルフは人里離れた土地で暮らしている。
     と、旅する先々の村や町では聞いていた。
    「それは……」
     目の前の金髪エルフは言葉を濁す。
    「はっきりと教えて欲しい。マルスとは何者だ? 奴は何故、このエルフの村で偉い立場についているのだ」
     リリアは追求する。
    「……奴はゲスだ」
     屈辱に歪んだ顔で金髪エルフは答えた。
    「どういうことだ?」
    「奴は我々を支配している。おぞましい手を使うあの男に、我々は抗えなかった。だからこうして我々は……」
     金髪エルフは悔しそうに拳を握り締める。
    「どういうことだ。奴は一体……」
    「リリア。今すぐ村を出るのだ。ここにいれば奴は必ず――」
     金髪エルフが言いかけた。
     その時だった。
     コンコン、
     ノックの音と共に返事も待たずに戸が開かれ、ずかずかと男が部屋へ上がりこんでくる。
     ――マルスだ。
     やけにニヤニヤしたマルスはテーブルの前へ、リリアの座る前までやって来た。
    「リリアさん。あなたは旅の人間なのでしょう?」
    「その通り、旅で暮らしている」
    「女が一人で旅をしているとあらば、きっと剣の腕も相当なものなのでしょうな」
     マルスはリリアの腰に刺さった剣を見やってきた。
    「かもしれんな」
     答えると同時に、金髪エルフが慌てた声を上げる。
    「いかぬ! リリア! こいつはおそらく――」
     いいかけた言葉は、しかしすぐさま遮られた。
     マルスの一睨み。
     その目つき一つが彼女を怯ませ、口を閉ざさせてしまった。
     ――知りたい。
     一体、この男の何がエルフを支配しているのか。何故、人間がエルフの中で上の立場に立てているのか。謎に対する好奇心がリリアを?き立てていた。
    「何か用事があるのだろう? マルス」
    「いかにも、わたくしは剣の立ち合いを見物するのが趣味でしてね。是非、うちの村でも最も腕の立つエルフと手合わせをして頂きたいのですが」
    「エルフと手合わせ、か」
     高い身体能力を持つエルフ族。
     それを相手にどこまで自分の力が通用するのか、試してみるのも悪くない。
    「どうです? リリアさん」
    「よかろう。受けて立つ」
     リリアは席を立ちあがった。
     できるだけマルスと接触してみるのだ。彼の近くにいることによって、彼の何がこの村で支配力を発揮しているのかがわかるかもしれない。
     行ってはならない。
     とでも言いたげな金髪エルフの目がリリアを見ていたが……。
     しかしリリアは、それでも好奇心を抑えることはできなかった。
    
     村の真ん中、開かれた土地に呼ばれたリリアの前に、一人の美貌のエルフが立っていた。エルフとはこぞって美しい種族だが、しかし他の誰よりも彼女は輝いて見える。
     長い銀髪を風になびかせた凛々しいエルフの女騎士だ。
    「彼女はレミリア、この村の最高の剣士です」
     マルスはやけに丁寧に喋る。
    「レミリアだ! お手合わせ願いたい」
     彼女は高らかに名乗り、剣を引き抜いた。
     首元をみれば、やはり安っぽい首輪がついていた。
     この村のエルフには何故か全員、同じ首輪が付けられている。
    「リリアだ! あなたと手合わせできることを光栄に思う」
     自分もまた剣を抜き、お互いに構えをとった。
     緊迫の空気。
     張り詰めた静寂の中、二人はまず睨み合っていた。
     その道の手練というのは、相手の動きを先まで読める。どんな時、どのように動くのか。積み上げられた経験によってある程度の予測が可能なのだ。
     リリアが見立てる限り、レミリアの経験量はとてつもない。ただならぬ覇気のオーラからすれば、おそらく筋一つでも動かせばその瞬間に先の先まで手の内を見透かされるだろう。
     だが、それはリリアも同じだ。
     もしレミリアが下手な動きを見せようものなら、リリアとて相手の動きを先まで読む。どのような動きで剣を振るうのかを読み取って、それに合わせた動きを取ればあっというまに完勝というわけだ。
     読み合いが続いている。
     こうしていても、お互いにらみ合ったままで何も展開は変わらない。いや、それどころか先に集中力が切れ、心に隙を作った方の負けとなる。するとあっという間に虚を突かれ、たちまち負けることになるだろう。
     寿命の長いエルフにとって、集中力の持続では人間より遥かに有利だろう。
     ならば――。
     リリアはわずかに切っ先を揺らしてみる。
     あえて自分の動きを読ませ、隙を晒し、誘いをかけるのだ。
     瞬間、レミリアは地面を蹴って踏み出してきた。
    「はぁ!」
     ガキィイン!
     激しい金属音と共に剣と剣が混じり合う。
    「やるな、人間」
    「あなたこそ」
     リリアは相手の剣を押しのけ、突きを繰り出す。レミリアはそれを弾き、続けざまに円を描くように切りつけてくる。リリアは背中をそらして回避を行い、剣を大振りしたレミリアの隙を狙う。が、レミリアはすぐさま構えを取り直し、リリアの剣を受け止めた。
    「人間がここまでやるとは」
    「甘くみていたのだろう? だから簡単に踏み込んできた」
     リリアは混じり合う剣をなぎ払い、打ちつける。剣を叩かれたレミリアの腕は横に開かれ、ボディががら空きとなった。
     その瞬間を狙い、リリアは剣を突き付ける。
    「わ、私の負けだ……」
     リリアの切っ先はレミリアの喉元に触れる直前で止まっていた。
     いや、かすかに食い込んでいる。巻きつけられた首輪にほんの少し、わずかながらに切っ先が食い込み、首輪の装飾を傷つけている。
     立ち合いはリリアの勝利に終わった。
    「はっはっはっは! さすがですな!」
     マルスはぱちぱちと拍手しながらリリアに歩み寄る。
     どこまでも怪しい奴め。
    「お世辞はいい。聞きたいことがある」
     リリアはその切っ先をマルスへ向けた。
    「ほう、なんですかな?」
    「私の目は誤魔化せない。あなたから感じる覇気の強さは騎士のもの。あなたがこの村を支配しているのは、その剣の腕ゆえか!」
    「剣、というのは違いますな」
    「何?」
    「あなたにも体験させてあげましょう。快楽を――<イけ!>」
     その瞬間だった。
     リリアの秘所が熱くなった。子宮の奥から込み上げるような欲望の熱が沸騰し、吹き上がり、穴の先から愛液が噴出する。
    「こ、この感じは一体――! あっ! あ! あぁっぁぁぁぁぁぁぁあああ!」
     スカート状の鎧の下、覗けて見える太ももから滝のような愛液を流しながら、魔力によってリリアは絶頂に果てていった。
    
     目が覚めると、リリアは椅子の上にいた。
    「ひゃあ! あぁぁん! あぁあぁぁ!」
     そして目の前では全裸の男女が――マルスとレミリアが交じり合っていた。マルスが正常位で腰を振り、奥を突かれるレミリアは喘ぎ仰け反りよがっている。人間を相手に、気高いエルフがあらぬ痴態を晒している光景がリリアには信じられなかった。
    「マルス! 何をしている!」
    「見ての通りセックスだ」
     マルスは先ほどまでの丁寧語などなかったように、調子付いた男口調でレミリアを突き上げる。
    「ひぃあぁあ! あぁあ! いやぁぁあ! あああ!」
     レミリアは腰をくねらせるようにして、甲高い喘ぎをあげている。突かれるたびに豊満は乳房が上下に揺れ、口元からはだらしなくヨダレが垂れていた。
    「今すぐやめろ!」
     リリアはいきり立った。
     何故なのか、リリアは拘束されていない。気絶したところを捕らえたのなら、腕の一つも縛られていてもいいはずだが、どういうわけかリリアは椅子に座らされていただけで自由の身だ。おまけに腰には武器まで残っている。これでは抵抗してくれと言っているようなものだ。
     何か裏があるに違いない。
     拘束を必要としない理由が何かあるのだ。
     ふと気づけば、首にはあの例の首輪が巻かれていた。安っぽい首輪の微妙な締め付けを皮膚に感じ、リリアは自分の首に触れてみる。やはり皮製の家畜やペットにでも巻くような程度の代物だ。
     そんなものを巻かれるなど、屈辱を感じる。
     リリアはゆっくりと剣の柄へ手を伸ばし、ぎゅっと強く握り締めた。
     ――瞬間。
    「<座っていろ!>」
    「うあ!」
     マルスの言葉と同時に、リリアは見えない重力に襲われた。まるでいきなり空気が重くなり、それが肩から圧し掛かってきたかのように重さに立っていられなくなり、リリアは膝を折り曲げ、尻餅でもつくように椅子へ戻った。
    「これは……! 何かの魔法か!」
    「ああ、そうだとも。その<隷属の首輪>を巻かれた者は所持者の命令を何でも聞く。お前は俺に逆らえないというわけさ」
     つまり、拘束はされていた。
     手足を縛るのでなく、呪いの首輪を巻きつけることで抵抗を封じているのだ。
    「ゲスめ! これでエルフの村を支配していたのか!」
    「そうだ。俺は魔導騎士だからな――<イけ!>」
     マルスが唱える。
    「ひゃぁぁぁぁああああ!」
     レミリアはたちまち絶頂し、力尽きたように動かなくなった。
    「それも魔導の力か」
    「魔力の才能を持つ騎士には能力が発現する。俺に備わっているのは女をイかせる力だ」
    「破廉恥な能力だな」
     女を自由に絶頂させるということは、果てさせることができるという意味だ。もし、戦いの最中に強制的な絶頂を迎えさせられれば、戦闘は不利では済まされない。勝ち目がない。まさに女殺しの能力だ。
     その力でもってエルフ達に絶頂を与え、力を失ったところへ<隷属の首輪>を巻く。戦いでも勝てないというのに、加えて魔法の呪縛で捕らえられるのだ。二重の見えない拘束がエルフ達を縛り、今はリリアさえも捕らえられている。
    「俺は女を支配する。俺だけのハーレム帝国を作り上げる! そのために旅先で女しかいないエルフの村があると噂を聞きつけ、こうして支配しに来てやったというわけだ! くはははははは!」
     マルスは怒張したそれを剥き出しにしながら、リリアの前に立ちすくんだ。
    「とことんゲスだな。そんなことのために魔導を使うか」
    「ふん。魔導騎士は魔力の維持に儀式行為が必要となる。体を傷つける、絶食する、瞑想する。魔導を発現させた騎士達には様々な儀式行為が能力と共に宿ってしまう。魔力を維持するために必要な俺の場合の儀式行為は――セックスだ」
    「なんという奴だ」
     それでは、まさしく性行為のためだけに生まれたようなものではないか。
     まぎれもない女の敵だ。
     下らぬ野望を持ったマルスを野放しにするべきではない。
    「リリアよ。貴様に抵抗手段はない。まずは俺の一物でも咥えてもらおうか」
    「何だと? 誰がそんな――」
    「おいおい、<隷属の首輪>があるんだ。お前は咥えないわけにはいかないんだよ。ふふっ、悔しいだろうがやってもらうぞ? <咥えろ!>」
     首輪の魔力がリリアの全身を蝕み、神経の内側からリリアを支配する。
    「くっ! 体が勝手に……」
     力で抵抗するも、むなしい行為にすぎなかった。
     リリアあえなくマルスの元に膝をつき、その亀頭先端へ唇を近づけることとなった。
    
     目の前にそそり立った肉棒が、しだいしだいにリリアの顔へ近づいてくる。
     いや、リリア自身が動いているのだ。
     リリアのぷっくりとした唇がペニスへ迫り、やがて太く長く隆起した亀頭の先と接触寸前になっていく。
    「うっ……くっ……」
     首に力を入れて抵抗し、なんとか頭を後ろへ下げようとする。だが、それができない。そもそも抵抗のために筋に力を入れること自体ができず、まさに己の体が勝手に操作されている。
    「観念するのだな」
    「おのれ……」
     リリアに唯一できた抵抗は、マルスを睨み上げることだけだ。
     睨みながら、リリアの大きく開いた口がマルスの亀頭を包みこむ。
    「う~ん。いいじゃないか」
     リリアの口へ少しずつ、太い肉茎が埋め込まれる。長かった棒の半分近くまでがリリアの口内へ隠れていき、プルプルの熟れた唇が肉棒を締め付けた。
    (おのれ! こんな奴のを……)
     リリアの舌は勝手に動いた。口内でべろべろと這いずり回り、肉棒へまんべんなく唾液をまぶしていく。
    「上手だ上手だ」
     やらせているのはマルスだろうに、煽るかのようにリリアの金髪を撫でてくる。
    「んじゅるっ、じゅるぅぅぅ」
     相手の腰を抱くような口奉仕でリリアは頭を前後に振るう。引き抜くように、そして押し込むように、前後運動と共に舌と唇で肉棒の表面をなぞり摩擦し、唾液を塗りつけるようにねっとりとした刺激を与える。
    「おら、出すぞ?」
    (や、やめ……!)
     これだけでも堪えきれない屈辱なのに、飲まされるのだけはまっぴらだ。
     リリアは必死の思いで頭を後ろへ動かそうと気を張るが、決して体は自由にならない。リリアの肉体はリリア自身の意思を離れ、やりたくもない口技を披露するばかりである。
    「んじゅぅ、じゅるぅぅぅ」
     卑猥な水音をたて、鈴口を吸い、そして貪る。
    「おらおら、いくぞ? 発射だ!」
     マルスはリリアの口内に精を弾けさせた。熱いザーメンを左右の内頬に撒き散らし、口内を白いコーティングで覆い尽くす。ムワ……と舌に染み入る青臭い味に満たされ、リリアは表情を歪めた。
     ゴクン。
     喉が勝手に精を飲み込み、食道を通じてマルスの白濁が胃袋に収められる。
    (く、悔しい……)
     こんな男の汚液が体内で吸収され、リリアの肉体に取り込まれてしまうのだ。
    
    「ほら、今度はその胸を使え」
    「このっ……」
     腕が勝手に動く。
     リリアは鎧の胸元から金具をぱかりと外し、甲冑のあいだから豊満な乳房を露出する。乳の狭間に肉棒を誘い込み、挟みこんだ。しごくように摺り合わせ、リリアはマルスに快楽を与えていく。
    「う~ん。上手じゃあないか」
     マルスはご機嫌にリリアの頭をポンポン叩き、撫でまわして髪をくしゃつかせる。
    「貴様……」
     悔しながらのパイズリがマルスに優越感を与えていき、それに比例するかのようにリリアの屈辱感も増していく。出したばかりで縮みかけていたマルスのソレだが、みるみるうちに硬く膨らみ元の元気を取り戻していた。
     剛直の熱さを乳房の間に感じ取る。乳圧をかければかけるほど乳房の肌に肉棒の熱を感じ、ビクンと脈打っているのまでもが伝わってくる。
     こんなにも熱く硬いものだなんて、リリアは生まれて初めて実感していた。
     最低な男を相手に……。
    「ほれ、いくぞリリア」
     ぺニスがドクンと唸りを上げ、乳の中からびくびく仰け反る。
     白い噴水がその先端から噴きあがり、アゴから顔が白濁にまみれていく。顔射されたリリアの顔にはドロドロとした精の塊がこびりついた。
    
    「さあて、寝そべるんだ」
     とうとう穴の入り口にマルスの亀頭があてがわれ、それがゆっくり埋め込まれる。
    「うっ、く……。こんな奴に……」
     熱く太いものにねじ込まれ、太い亀頭がリリアの膣口を押し開く。狭い膣道を拡張しながら侵入され、リリアは熱い鉄棒でもねじ込まれたような心地に突き上げられる。
    リリアは純潔を奪われた悔しさに打ちひしがれた。こともあろうに女を性玩具のようにしか考えていないマルスの肉棒が、自分の中に出し入れされているのである。体内で、膣内で動く硬い感触が嫌というほど伝わってきた。
    「ぐぅっ、抜け! 抜けぇ!」
     マルスは無慈悲に膣壁をえぐり、最奥を突く。
    「どうだ? 気分は! 言ってみろ!」
    「最悪に決まっている!」
     リリアは顔中の筋肉を引き攣らせた。
    「ふはは! 俺は気分がいいぞ!」
     マルスはリリアの腰を掴み、リリアの悔しがる顔を上機嫌に見下ろしていた。腰を打ち付けることで乳を揺らし、上下に弾む乳房の有様を眺めて目で楽しみ、それでいて肉棒でのピストン運動だ。
    「ひきぃぃぃっ」
     破瓜の痛みにリリアは喘ぐ。
    「いい声だ。このまま俺の味を覚え込ませてやる」
     膣口はまるで粘土だ。硬く熱い肉塊の出入りで穴の形は変形し、膣壁がマルスの形に合わせて拡張される。自分がこのままマルス専用になってしまうような恐ろしさが込み上げて、リリアは必死で無意味な抵抗に打って出た。
    「抜け! 抜けぇぇえ!」
     わめきあげ、押し出そうと腹に力を入れる。
     だが、下腹部への力は膣口をキュっと引き締めペニスを締め付ける。かえってマルスを悦ばせるだけになり、抵抗の意味をなしてはいなかった。
    「ほれ、ほれ!」
    「や、やめ! もうやめろ……!」
     猛々しかった女騎士は涙を浮かべ、屈辱に引き攣った顔でマルスを睨む。ロクに抵抗も出来ないリリアの悔しがる表情は、それこそマルスを悦ばせるためのエッセンスであった。
     マルスは調子付いたにやけ顔で腰を振る。
    「ふぁぁぁ! やめろぉ……」
     何度も奥を突かれ続け、リリアの声は弱りはじめていた。
    「ほれほれほれぇ!」
    「ひぃぁぁぁ……」
     リリアはその金髪を振り乱す。
    「さあ受け取れ!」
     そしてだ。
     最奥に亀頭をあてがった肉棒はビクビクと脈動し、熱い精を膣内に吐き出す。胎内に広がるドロリとした白濁の熱に、リリアは自分が何をされたのかを深く実感した。
    「き、貴様……。中に出すなど……」
    「ようこそ女騎士リリア、俺の村へ」
    
     その後、周辺の村や町にはある噂が広がっていた。
     森の奥にある村を訪れ、二度と帰った女はいない。
     そこへ行った女は必ず奴隷にされてしまうと。