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  • 媚薬ガス作戦とモモレンジャー

    
    
    
     黒十字軍の次なる目論見は媚薬開発。
     その強力な媚薬ガスにより、たちまち女性を無力化して奴隷とする。これは人身売買や奴隷商品の調教に役立つもので、闇の商売で利益を得ることが目的だ。
     不穏な動きを察知したというイーグルからの連絡で、ゴレンジャーは調査に出るが、もっとも早く媚薬研究所に辿り付くのはモモレンジャーであった。
    
    「モモレンジャー!」
    
     マントを羽織る桃色の戦士は、戦闘員であるゾルダー達を相手に立ち回り、ほとんど当たり前のように打ちのめす。
     しかし、モモレンジャーにとってそれは突然だった。
    「んっ! な、何!?」
     急に股で電流が弾けたような、静電気の爆発でも起こったような衝撃的な快感が、何らの前触れもなくモモレンジャーの秘所を襲っていた。
     戦闘の最中に、敵に囲まれている状態で。
     負けじとゾルダーの打撃を絡め取り、返し技によって一人を投げ、また一人にはキックを決めて倒していき、今はまだいつもの戦闘力を発揮していた。
     それが、だんだんと鈍っていく。
     キレがなくなり、速度は落ちて、モモレンジャーの力は目に見えて落ちていた。
    「っ!」
     その驚きは、直撃させた自分の拳が全く効いていなかったためだ。
    「ホイ!」
     そして、ゾルダーが行う反撃は、胸へ向かって手を伸ばし、殴るのでも蹴るのでもなく、揉むという行為であった。
    「あぁっ!」
     大きく喘いだモモレンジャーは、慌てて何歩も後ずさり、正面の敵から距離を取る。
     本来の調子であれば、次にそんな不覚を取ることはなかっただろう。
     そもそも、ゴレンジャーが掴んだ情報は怪しい開発というだけで、媚薬の証拠にはまだ誰も辿り着いていない。どうしてアソコが気になって、甘い痺れで胸を揉まれて感じたのか。戦闘中にそうなったのか。モモレンジャーは気づいていない。
    「ホイッ!」
     背後から抱きつくようにして、身体に腕を巻きつけられたモモレンジャーは、ただの戦闘員の手で動きを封じられてしまっていた。
     しまった――と、思う頃にはもう遅い。
     背中に敵が密着していることを利用して、いつもであれば背負いの投げ技に出ていたが、今のモモレンジャーではその判断も動きも遅れ、そうするより遥かに早く、手という手の数々が殺到して身体のいたるところをまさぐった。
    「いやぁ! や、やめなさい!」
     必死になって首を振り、身じろぎによって逃れようとしているが、胸を揉みしだく指の動きが抵抗を封じている。腰のくびれを撫でるいやらしい手つきが、アソコを愛撫している指が、太ももをまさぐる手が、ありとあらゆる手がモモレンジャーを喘がせて、火照るカラダはますます感度を高めていく。
     モモレンジャーの股は濡れていた。
    「あっ、あぁっ、あっ、あぁぁ……!」
     まるでお漏らしをしてしまったように、ピンク色のスーツに愛液が染み出ていて、濡れることによる変色が広がっている。触れた指先から銀色の糸が引き、やがては抵抗しようとする動きも弱まって、喘いでいることしかできなくなった。
    「うっ、んんっ、やめ……なさい……! これ以上は……!」
     まずかった。
     それ以上されたら何かが来る。
     アソコに何かが集まって、今に爆発しようとしている未知の感覚は、きっと絶頂に違いないと予感して、モモレンジャーは急に力を取り戻したかのように抵抗を激しくする。
     しかし、本当に力が戻ったわけでもない。
     ただ焦りに焦ったおかげで残された力が表に出て、手足をバタつかせることができただけの話であり、もうそれ以上は何もできなかった。
     すぐに快楽で抵抗を塗り潰され、予兆はますます膨らんで、モモレンジャーはもうされるがままでいるしかない。
    
    「――あっ! あぁぁあ! あぁぁぁああああっ!」
    
     イった。
     モモレンジャーはイった。
     敵にイカされた事実はモモレンジャーの心によく効いて、おまけに視認不可の媚薬ガスは未だ排出されている。媚薬成分が身体に溜まり続けて、休む暇もなく次の絶頂を求めて疼いている肉体は、モモレンジャー自身の意志ではどうにもならない。
    (私の体なのに……)
     弄ばれ、またイって、ゾルダーの手であと十回は絶頂させられた。
     もうモモレンジャーに立ち上がる力は残っていない。
     その後、残るゴレンジャーの仲間が彼女の救出に来ることを恐れ、黒十字軍は拘束したモモレンジャーを別の秘密基地へ移送した。
    
         ***
    
     目を覚ましたモモレンジャー――ペギー松山は密室に監禁されていた。
     朦朧としていた意識が覚醒して、直後にペギーは戦慄した。自分が取らされている格好に赤面して、目の前にはカメラが設置されていることにも表情を染め上げている。
    「……そう。私、捕まったのね」
     気を失う直前までの記憶が蘇り、何度もイカされたことが脳裏を掠めて己を恥じる。
     ペギーはM字開脚の姿勢で固定されていた。
     高い背もたれのイスに背中を預け、尻には固い木製の感触があたっている。下着すらない状態で脚は左右に広がって、その両脚は手錠やロープを駆使して肘掛に固定されている。どう努力しても脚を閉じることはできそうにもない。
     両腕も封じられていた。
     ロープを胴体に巻きつけて、腕を縛られているペギーには、しかも手錠もかかっているので四肢の全てに自由はない。
     もっとも、手は前側にある。
     アソコを手で隠すことだけは自由だ。
    「………………」
     だから、隠した。
     隠してすぐに気づくのは、自分のアソコがいかに濡れているかということで、一度でも自分の感度を気にすると、全身のどこもかしこも疼いていたことをペギーは初めて思い出す。体の芯から指先まで、甘い痺れが行き交って、こうして空気が流動して皮膚に擦れるだけでもどことなく気持ちがいい。
    
    『おはよう。ペギー松山くん』
    
     それは放送音声だった。
    「どちら様かしら」
    『君に私の正体を言う必要はない。君は自分が実験台にされていることこそを気にするべきだ』
    「実験ですって?」
    『君の部屋には媚薬ガスが流れている。やがて性欲が抑えきれずに、君はそこでオナニーを始めることになる』
    「お、オナ……!? 何をおっしゃるの!」
     急に恥ずかしい単語を使われ、ペギーは顔を赤らめる。
    『それが媚薬ガスの力だ。そこに置いてあるカメラは、黒十字軍の開発した媚薬の効果を示す宣伝用ビデオとして、そういうものを欲しがる買い手どもにご覧頂く予定だ』
    「……そう。けど残念ね。監視されているとわかっていて、目の前にカメラもあるのに、そんなはしたないことをする女はおりません」
    『そこを突き崩すのが媚薬だ。その理性で性欲を抑えきれなくなるから素晴らしいのだ』
    「そんなことにはなりません」
    『いつまで強がっていられるか。私はここで時間でも計っていてあげよう』
     その言葉を最後にして、放送音声が入ることはなくなった。
     通信を切られたのか。
     それとも、繋がっているが言葉をかけることはやめたのか。
     どちらにせよ、今のペギーは媚薬に耐え、どうにかここから脱出しなければならない。試しに身じろぎしてみるも、そんなことで手錠もロープも外れはしない。やがてペギーは諦めて救援を待つことにしていた。
    「…………」
     そうなると時間は長い。
     ペギー一人で、もう何の言葉も発することはなくなった。
    「………………」
     そして、時が経つにつれ、媚薬成分はペギーの身体に蓄積している。誰に愛撫を受けているわけでもないのに、ただ座っているだけで気持ちよさが増していき、アソコを隠す手の平にも愛液が広がっていく。
    (まずいわ。本当にムラムラして……)
     きっと、この拘束方法はわざとだ。
     両手が手前側に置かれていて、アソコを隠すことだけは自由で、オナニーを始めるのにも支障はない。
     自らの穴に指を入れ、快感を貪ってしまいたいと、少しでも考えてしまったペギーは、敵地でオナニーなど淫乱この上ないと頭を振って、自分の欲望を否定する。いくら媚薬のせいとはいえ、オナニーを撮らせてやるわけにはいかない。
     もしオナニーをしてしまえば、ペギーが恥をかくだけではない。
     媚薬効果を示す宣伝の種にもされてしまい、黒十字軍の利益となる。
     だから、我慢していた。
    (我慢しないと耐え切れないだなんて……)
     そんな事実に気がついて――ヌリッ、と。
    「……うっ! 嘘ッ!」
     不意に腕が動いてしまって、そんなつもりはなかったのに、少しは指でアソコを撫でてしまったペギーは、そのあまりの気持ちよさに驚愕した。
     かなりの快感だった。
     本当にたまたま、意図せずして表面を一ミリ程度撫でてしまっただけで、まるで天国にでもいるような幸せに呑まれかけ、媚薬の威力がいかに強いものかと実感する。
    (まずいわね。これ)
     このままでは座っているだけで狂ってしまう。
     かといって、脱出の糸口は見つからない。
     ただただ、じっと座っているしかない。
    (し、したいわ……嫌だわ私……敵地でこんな気持ちになるだなんて……)
     それはペギーにとって拷問だった。
     時間が経てば経っただけ、秒刻みで強まっていく肉体感度は、逆に大胆に性を貪り発散しなければまずいような気がするほど、疼きが溜まりに溜まっていく。愛液が流れてイスにシミを広げれば、どこかお漏らしと区別がつかない有様で、もうシたくて仕方がない。
    (オナニー……したい……駄目……したいけど……敵の思い通りよ!)
     そのうち必死に戦っていた。
     自分自身の欲望を相手にして、アソコに乗った両手を決してオナニーのためには使わない。ただカメラから隠すためだけに使うのだと気を張って、我慢に我慢を重ねて苦悶する。耐えることだけに苦心するペギーの顔は、もはや顎の筋力が許す限りの力でもって、全力で歯を食い縛っている有様だ。
     我慢だけでこれだ。
     そうなると――。
    
    『おめでとう。ペギー松山くん。一時間も耐えた君には素晴らしい愛撫を与えてあげよう』
    
     そうなってしまうと、一人のゾルダーがドアを開け、ペギーに愛撫を施すためにやって来るなど恐怖でしかない。
    「い、嫌よ! 必要ないわ! 来ないで頂戴!」
     より必死だった。
    「来ないでったら!」
     欲望に負けないため、今の状態で触られたらどうなってしまうかという怖さのため、慌てふためいた顔で声を荒げるペギーだが、ゾルダーが待ってくれるはずもない。
     ポン、と。
     肩に手を置かれた。
    「あぁぁ……! あっ、そんな……!」
     それだけで声が出て、その事実にペギー自身が驚いた。
     まさか、肩に触られたぐらいでこれなんて、じゃあ胸を揉まれたらどうなるか。アソコを愛撫されたらどんなに狂わされてしまうのか。
    「あぁぁっ、あっ、やめっ、あっ、あぁぁ……!」
     胸を揉まれ、ペギーは絶叫に近い喘ぎを上げた。
     もはや狂った金切り声だ。
     まるで後ろから肩を揉んでやるような背後の位置から、両手を乳房に伸ばしているゾルダーは、両方を鷲掴みに指に強弱をつけている。
    「だめっ! あっ、て、手が……! 手がぁ……!」
     ペギーの手は動いていた。
     あれだけ我慢していたはずのオナニーなのに、こうも簡単に限界を超えさせられ、目の前のカメラに記録が残るとわかっていながら、自ら媚薬の商品価値を高めてしまっていることも知りながら、だというのにペギーの手は止まらない。
     膣口に埋まったペギーの指が、大胆に出入りして水音を掻き鳴らす。
     イクまで時間はかからなかった。
     噴水じみて潮を吹き、巻き上がった滴の数々が床を汚して、その時点でゾルダーは胸を揉むのをやめていたが、ペギーのオナニーは続いていた。
     一度堕ちたら抜け出せない。
     何度も何度も、ペギーはオナニーでイキ続け、この狂った肉人形は疲れ果てるか失神するまで止まりはしない。
     やがて意識が薄れるまで、ペギーの指は延々と動き続けた。
    
         ***
    
    『どうだ。これが君の姿だ』
    「び、媚薬のせいだわ!」
    『そうだ。君は立派にその力を証明してくれた。ありがとうペギー松山くん』
    
     ペギーは自分自身の映像を見せられていた。
     ついに我慢の限界を超え、オナニーせずにはいられなくなった途端に、憑き物にでも憑かれたように一心不乱に指で穴を貪った。淫ら極まりない姿を目の前で放映され、目を瞑ったり逸らした途端にゾルダーが鞭打ちを仕掛けて来る。
     イスに拘束されているペギーは、だから最後まで自分の恥の記録を鑑賞した――させられた。
    『どうだね。ご感想は』
    「あんなに品のないことになるなんて、あなた達が作ったのは悪魔の薬です」
    『ご感想どうも。ではご協力頂いたペギー松山君には、黒十字軍からのささやかなプレゼントを贈らせてもらおう』
    「結構よ」
    『遠慮をするものではない。皆の者、やれい!』
    「ホイ!」
     ゾルダー達はこぞってペギーに群がって、一人の女を大人数で押さえ込む。イスに縛り付けるための拘束をわざわざ解くのは、ペギーの身体をベッドまで運ぶためであり、このまま自分がどうされるかの予感にペギーは戦慄した。
    「いや! いやよ! やめなさい!」
     必死になって暴れるも、すぐに手足を押さえつけられ、ペギーはベッドの上にX字状にされて動けない。
     愛撫の手が殺到して、ペギーはみるみるうちに悶絶した。
     胸を揉む手が、アソコを貪る指が気持ちよすぎて、膨れ上がる快感をどうにもできない。
    「ホイッ!」
    「ホイッ!」
     一人のゾルダーが一物を取り出して、それに伴い脇の仲間がペギーの脚を開かせて、より一層の危機感にかられるが、媚薬のまわった体はペギーの思う通りに動かない。抵抗むなしく入り口に亀頭がぶつかり、もうそれまでだった。
     ズン!
     と、あまりにも呆気なく挿入された。
    「あぁぁっ! あっ、あん! ああん!」
     ゾルダーが腰を振り、ペギーは髪を振り乱す。
     あとはもう変わる変わるだ。
     一人目のゾルダーが膣穴を貫いて、射精感と同時に引き抜くと、ペギーの裸体に白濁を放出する。他のゾルダーと交代して次の挿入が始まって、また数分は腰を振り、白濁をかけると三人目だ。
    「あぁあぁああ! あっ! あぁぁ! ああ!」
     ペギーにはものを考える余裕などありはしない。
     ただ、喘ぐだけだ。
     喘ぐ穴として何本もの肉棒を受け入れて、絶頂で潮を吹き、その身におびただしい量の精液を浴び続ける。
     最後はまるで廃人のような有様だった。
     目は虚ろで、髪の奥まで精液が染み込んで、中出しまでされた膣から白いものがドロリとこぼれ落ちている。
    
    「……こいつは酷いぜ」
    「許せんたい!」
    
     その後、救出されたペギー松山の復帰には、長い時間を要したという。
    
    
    
    


  • ペギー松山の全裸検査

    
    
    
     女だてらに爆弾に強く、彼女のアクセサリーは全て爆弾だと見ても良い。
     それに女だと思って侮るな。
     特に、彼女のキック爆弾は恐るべき破壊力がある。
    
     それがペギー松山。
     モモレンジャーである。
    
     彼女を捕らえた黒十字軍としては、慎重な身体検査で身につけているもの全てを調べ、危険物は取り上げてしまう必要がある。
    「逮捕の理由はなんなの!?」
     ペギー松山は鉄格子を掴んで訴えかけた。
     警察に扮した隊員を使い、パトカーまで出動させ、黒十字軍は逮捕によって彼女を牢屋に閉じ込めたのだ。
    「この町に無断で入った」
     それが偽警察官の答えである。
    「馬鹿馬鹿しい。アンタ達じゃお話にならないわ。所長を呼びなさい所長を!」
     その時だった。
    
    「ふははははははははは――」
    
     警察を本物だと思っている松山が、おかしくてたまらないかのように笑う。
    「私に用かね? モモレンジャー」
     彼女の前に姿を見せ、偽警察を従える声の主は――。
    「三日月仮面……!?」
     松山は初めて自分を逮捕した者達の正体を知る。
     ハメられたのだ。
    「この町は黒十字軍の町だったのね!?」
    「ただいま狼部隊を養成中でな? 君もさっそく入隊してもらおう。さぞ勇敢な兵士になるじゃろうて?」
    (狼の仲間入りなんてゴメンだわ)
     三日月仮面はそこで一度は立ち去った。
     しかし、牢屋で過ごして数十分ほどが経過すると、再び戦闘員を引き連れて、松山の様子を確かめに戻ってくる。
     鉄格子の鍵を開いてから、そのうち二人が牢屋へと入り込む。残る戦闘員は銃を構え、少しの抵抗も許さないように威嚇している。手錠の鍵まで外されて、養成所とやらに連れていかれるものかと思ったが、次の三日月仮面の一言で全く別の目的を悟ることとなる。
    「脱げ」
    「なんですって?」
    「モモレンジャー。お前が何を隠し持っているかわからんからな」
     両脇に従えられた戦闘員が、さらに一歩前へ踏み出て、いつでも発砲する用意があることを見せつける。
     状況は不利だった。
     逆らうのは、決して得策ではない。
    「いいわ。いくらでもお調べなさい」
     松山は靴と靴下から脱いで裸足になり、冷たい床にぺたりと素足を置く。次に一枚目のイエロージャケットを脱いでしまえば、残るはボタン付きの青いシャツと、同じく黄色のホットパンツだけであり、もうどちらを脱いでも下着が見える。
     シャツのボタンを上から外し、左右にはだけて脱ぎ去ると、一気に肌色の面積は広がった。
     ホットパンツも脱いでしまえば、下着以外に彼女の身を守るものは何もない。
     あとは丸裸となるだけだ。
     ブラジャーのホックを外し、パンツまで脱いだペギー松山は、敵を警戒する眼差しで大事な部分を手に隠す。手の平でアソコを多い、腕一本で胸のガードを固めるだけが、もやは彼女に残されたか弱い防壁だ。
     そして、その防壁を崩すのはたったの一言。
    「何を隠している」
     それだけで、そうせざるを得ないように松山は両手を下げる。乳房の膨らみも、毛をはやした乙女の園も、黒十字軍の視線に曝け出される。
    「…………」
     何の言葉もなく、彼女が浮かべるのた敵対者に向ける視線だ。本当ならすぐにでも戦って、モモレンジャーとして三日月仮面を倒してみせる。そうする意志の宿った表情は、しかしながら十八歳の乙女が持つ当たり前の恥じらいによって大いに赤色を帯びていた。
    「足を肩幅に開き、頭の後ろで両手を組め」
     それは取り調べを受け、身体をまさぐってもらうための姿勢に他ならない。
    「調べろ」
    「ホイッ」
     すぐに一人の戦闘員がしゃがみ込み、人のアソコをよく観察しようとする高さで、一本の指を使ってワレメを撫でる。
    「んん……!」
     刺激に脚が震えてしまった。
     膣分泌液を出させるため、軽やかで柔らかい指遣いによって、戦闘員は松山のアソコをよくほぐす。肉貝に施すマッサージで、すぐに愛液が輝いて、準備の整った膣口目掛けて中指が天を貫く。
    「んぁ……!」
     指が、入った。
     思わず下腹部に力を入れ、股を緊張させた松山は、膣壁で指を締め上げることとなる。自ら密着度を上げるということは、指の形状をアソコの穴で確かめることに繋がり、指の太さから間接部の骨の膨らみに至るまで、全てが記憶として膣に焼き付いてしまった気がした。
     探し物を求める指使いが彼女にはわかる。
     指先に目でも付けているかのように、奥まで覗こう覗こうと蠢いて、けれど松山はここに何も入れていない。
    「どう? 何も出てこないはずよ?」
     彼女は気丈に振舞った。
    「よかろう。少し遊んでやれ」
    「ホイッ」
     指示に従う戦闘員は、その指使いをたただた性的なものへと切り替えた。もう何の所持品も探していない。刺激を与えるためだけの上下の抜き差しで、軽妙なまでのテクニックで股に痺れを与えていく。
    「ん……んん……っ……んっ……うっ、っ、んんぅ…………」
     平然としてみせようとしている松山だが、その都度その都度、身体が細かく左右にくねり動いて、真っ直ぐに伸びていた膝も、これから内股気味に折れそうに震えている。耐え難い恥辱に顔も強張り、いつしか耳まで朱色に染まっていた。
    「その赤面ぶり、変身せずともモモレンジャーだなぁ?」
    「からかわないで! もう十分のはずよ!?」
    「いいや、まだもう一つの穴が残っている。今度はこちらに背中を向け、自分で自分の足首を掴む姿勢でその尻を高らかにするのだ」
     そんな屈辱のポーズを彼女は取った。
     まるで尻を自由に撫で回し、肛門を観察するだめだけにあるような、角度によっては性器まで視姦しやすい姿である。
     尻の割れ目は解放され、放射状の皺は鉄格子の外までよく見える。
    
     ジィィィィィィ……。
    
     当然のような視姦がペギー松山を襲っていた。
     あたかも皮膚にそういう感覚機能があるかのように、肛門に突き刺さる視線が肌でしっかりと感じ取れてしまう。目によって綺麗な尻を撫で回し、三日月仮面も戦闘員も、皺の形状を頭の中に焼き込んでいる。
    「……うっ、うぅっ」
     指先によって皺の窄まりを撫でられた。
     ひんやりとしたゼリー状のヌルヌルは、滑りを良くして指を出し入れしやすくするために塗り込むジェルだ。よく馴染ませようと指の腹が押し込まれ、執拗なまでに強弱を付けてから、ぐるりぐるりと回転しながらなぞり込む。
    「さて、そろそろ君の顔色もアカレンジャーといったところか」
    「お、お生憎様。モモレンジャーで限界よ」
    「ではモモレンジャーの肛門を我が黒十字軍が解き明かす。中身をじっくりと調べてやれ」
    「んっ、ん……!」
     肛門の皮膚感覚でわかる嫌な気配。
     それは穴に指を押し込もうと、真っ直ぐに立てられた人差し指が、肛門の向こう側へと狙いをかけているものだ。
    
     ずにゅぅぅぅぅ……。
    
     指先から間接にかけ、さらには根元までがゆっくりと、穴の幅を押し広げていきながら進入する。人差し指が完全に収まると、またここでも探し物を求めて蠢いていた。
    (このくらい、何ともないわ……!)
     脂汗と共に耐える彼女の顔は、もう桃色程度と言い切ることは不可能だ。
     お尻の穴で遊ばれている。
     そして、ペギー松山のそんな有様を黒十字軍によって鑑賞されている。
     しばらくすれば抜き差しが始まって、検査ではない指使いが松山を辱めた。にゅぷり、にゅぷりといった音が鳴り、静かに鑑賞している面々のあいだにジェルの水音は流れていた。
    「さて、まだその姿勢を崩すことは許さんぞ」
     指が抜けても、松山はポーズを維持することとなる。
    
     パシャ!
    
     すぐにカメラフラッシュが尻を映した。
    
     パシャ! パシャ!
    
     無防備な尻に向け、好きなだけレンズを近づけ、肛門の皺をあとでゆっくりと数えられるほどの接写で何枚分ものシャッターを落としている。
    (写真まで撮るというの!? それもお尻の穴だなんて……)
    「変装の名人でもある君のことだ。万が一にも君がここから脱出して、再び仲間と合流を果たしても、また黒十字軍に捕まれば調べられるという寸法だ。顔を自由に変えられても、肉体全てを別人に変えるわけにはいかないからな」
     お尻の穴どころの問題じゃない。
     執拗なシャッターからやっと解放されたと思えば、次は仰向けのM字開脚を要求され、アソコの写真も撮り尽くされた。性器だけでも、ワレメの閉じた状態と、指で中身を開いた二種類を撮り続け、挙句の果てには顔まで映した全体像もフィルムに収まる。
     最後に撮るのは直立不動だ。
     正面から、横から、背面から、あらゆる角度から撮り続け、ペギー松山を取るだけでフィルムを使い切ってしまったらしい。
    「衣服はこれからじっくり調べる。それまでは裸でいることだ」
    「そう。女に布きれ一枚すら寄越さないのね」
    「ちなみに下着は返さんぞ? この三日月仮面がパンツとブラは頂いておこう」
    「ええ、どうぞ。私は何も気にしません」
    「そう強がるなモモレンジャー。いや、顔はやっぱりアカレンジャーだな?」
     勝ち誇ったように背中を向け、三日月仮面は松山の前から去っていく。
     あらためて手錠をかけ直された松山は、再び鍵のかかる鉄格子の向こうを見つめ、一糸纏わぬ姿でいさせられる心もとなさに俯いた。
     やがて、衣服は帰ってくる。
     三日月仮面の言った通り、そこに本当に下着はない。ノーブラでシャツを着て、ノーパンのままホットパンツを穿き直すと、着替えのために外れた手錠はやはりまたかけ直された。