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  • ボディチェックの権限 女刑事の羞恥体験

    
    
    
     壁に両手をついた男は、どこかのマスコミの記者らしく、しかしカメラの持ち込みは制限されて、紙とペンだけを持ち込むことになっている。
     ボディチェックを行う田中と山田は、気乗りはしないが男をまさぐり、仕事なので嫌々ながらも尻すら触る。二人はホモでも何でもなく、それなのに男の尻を触って調べるなど、生理的に辛いものでしかない。
     金属探知機には特に反応はなく、あとは形式的なチェックをすれば済むため、早々に切り上げて、二人は男を奥に通した。
     これが田中と山田の仕事である。
     科学研究所の警備員として配属され、ボディチェックを任された二人は、専用のチェックルームで外部の人間を調べてから、この先にある廊下へ通す。その廊下を渡った先の、各研究室や資料室には、決して外部に漏らしてはならない内容でてんこ盛りだ。
     もしも小型カメラでも持ち込まれ、隠し撮りでもされ、それが世間に発表されれば、田中と山田はたちまち首になるだろう。
     責任のある仕事に、しかしやりがいを感じる時もある。
    
     ――女だ。
    
     田中と山田には、ここを出入りする予定の名簿リストが与えられ、今日は一体何人のボディチェックを行うかが早くとも数日前には判明する。もろもろの仕事遅れ、連絡遅れや急なアポイントなどあれば、当日にリストが完成することもあるのだが、そんな名簿の中に女の名前があると、二人はやる気に満ち溢れる。
     今日のリストにも、佐波英子という名があった。
     確実に、女だ。
     じっくりと、たっぷりと、時間をかけて調べてやろうと、二人は既に邪念を膨らませていた。
     その時である。
    
    「田中くん。山田くん」
    
     一人の所長が、恰幅のよい体格に白衣を着込み、カールした立派な髭を生やした顔で、実に楽しみそうな表情を浮かべてやって来た。
    「所長!」
    「おはようございます!」
     二人は一斉に敬礼する。
    「うん、今日はわかっているね?」
     何かの意志を含んだ笑みに、二人はにたりとした思いを目に浮かべる。
    「はい!」
    「もちろんですとも!」
     田中と山田は、ますますのやる気に満ち溢れた。
     実のところ、この部屋には監視カメラが仕掛けられており、壁、天井、床にもそれぞれ複数箇所、あらゆる角度から映像を残している。それはもちろん、防犯を目的とした必要性あってのものなのだが、さらに別の意図も含まれる。
    「女性の刑事だそうだが、とても美人だよ。よろしく頼むよ」
    「はい!」
    「はい!」
     二人が同時に答えると、満足の笑みを浮かべて頷いて、所長は背中を向けて去っていく。両開きの自動ドアが左右にスライドして、その向こうに所長の白衣姿が消えて行くと、二人は改めて邪悪な微笑みを浮かべあった。
    「へっ、美人か」
     田中が悪巧みの顔を浮かべる。
    「どこまで行く?」
     と、山田。
    「そりゃあ、所長がわざわざ来たくらいだ」
    「ってことは、全部か」
     ここに出入りする人間は、必ず同意書へのサインを行っている。多少のことでも、法的に不利になることはない。加えて所長はコレクションを増やし、二人は鑑賞室でそのおこぼれに預かることも出来るのだ。
     全く、いい仕事だ。
     こんなことなら、毎日のように女が来ればいいのに。
    
         *
    
     拳銃や手錠といったものは、一度テーブルに置いてもらい、他にも金属類があるなら、全て一旦取り外す。
     ひとしきりテーブルに並んだら、室内設置の金属探知機を通ってもらう。
     女刑事、佐波英子。
     頭の高い位置でポニーテールを結んだ英子は、その毛先を背中の肩甲骨あたりまで垂らしている。一七〇センチを超える長身で、パンツスーツを履きこなしたスタイルで、長い足のラインが際立っている。
     いかにも気の強そうな、強靱な意志を宿していそうな切れ長の瞳は、勇敢にも何かに立ち向かっていく凜々しさに溢れている。
     いい尻をしていた。
     パンツスーツを内側から膨らませ、大きな山の丸みを帯びさせている英子の巨尻は、しかもパンティラインまで浮かべている。
     金属探知機を通過していく英子の尻を、田中は後ろからじっくりと視姦していた。
    
     ビィィィィィィ――。
    
     その瞬間、ブザーにも似た警告の音が鳴り響く。
     英子に表情を見られる心配がないのをいいことに、田中はにたりとほくそ笑み、口角を釣り上げていた。
    「ああ、すみません! 誤作動の可能性もありますが、何か小さな金属なんか身につけてはいませんか?」
     全てをわかっていながら、いかにも自分でも驚いているような顔をしている山田は、そこに少しの怪しげな表情も浮かべていない。なかなかの名演技を披露しつつも、さらにこの場合の説明事項について口にしていく。
    「万が一にも、許可のない撮影機材・録音器具等の持ち込みを許してしまうと、全て我々の責任になってしまいます。失礼とは思いますが、こちらの指示に従って戴けますか?」
     衣服の着脱についで指示する場合があるとの同意書に、この佐波英子はハンコを押してしまっている。身体への接触、胸や尻など恥部への接触について理解を求める文面もあり、つまりお尻を撫でても二人は罪には咎められない。
    「ええ、構いません。そちらのお立場も、理解はしているつもりです」
     そして、マイクロカメラや小型録音機を使った情報窃盗の数々について、刑事とあらば具体的な事例も把握していることだろう。いかに研究所の警戒心が強く、田中と山田はどんな小さな小道具の存在も見落としてはいけないか、厳しい立場は真実なのだ。
    「頭の後ろで手を組んで頂けますか?」
     山田の指示に英子は従う。
     田中がバックに回り、山田は前から、それぞれの手で所持品のチェックを始める。山田は両手で腰に触れ、オフィスジャケットのポケットを確かめつつ、しだいに脇下にかけて、上から下へとポンポンと、軽い力で叩いていく。
     田中は背中をまんべんなくそうしてから、すぐにしゃがんでパンツスーツの足首から太ももにかけてをポンポンと叩いていく。そのあいだにも巨尻を眺め、ここまで間近で観察しての迫力に興奮しながら、田中は尻まで撫で回す。
    「え、あの……」
     驚くような、戸惑うような表情が、尻しか見ない田中にも如実に伝わる。
     山田の様子を見れば、あちらも乳房のチェックを始めているようだった。露骨に揉みはしないだろうが、軽く手を触れ、包み込み、あくまでも何かを隠し持っていないかの確認のためと言わんばかりの手つきでいる。
     巨尻の素晴らしい膨らみを撫で回すのも、あくまで手早く、揉みすぎない。
     むっちりとした弾力を数秒間で味わう田中は、早いうちに手を離し、山田も同じく乳揉みを切り上げた。
    「特に目立つものはないようですが、ジャケットのボタンが金属ですね」
    「ええ、そうだと思います」
    「これに反応している可能性がありますので、脱いで頂いてもよろしいですか」
    「え? ええ、構いませんが」
     本当は抵抗がありそうな、若干の戸惑いを帯びながら、オフィス用ジャケット一枚を脱いでも、白いワイシャツ姿しか晒さない。特別に恥じらう理由もなく、ボタンに指をかけて外し始める英子は、実にあっさりと一枚目を脱いでいた。
     山田がそれを預かり、改めて手で探り回してポケットの中身も調べる。警察手帳やボールペンといったものは事前にテーブルに置いてあるため、文房具が出てくる余地もないジャケットは、あくまでもボタンが金属製なだけのようだった。
    「ではこれでもう一度」
     田中の言葉に促され、英子は再び金属探知機を通過する。
    
     ビィイィィィィイ――。
    
     鳴るように仕掛けてあるから、当然鳴る。
    「今度はそちらに両手を突いて下さい」
     壁に手を突かせた上、足は肩幅程度に開き、尻も少し突き出してもらっている。映画やドラマでボディチェックのシーンを見かければ、大抵はこのポーズではないだろうか。
     巨尻が目立つ。
     パンツスーツを膨らませ、大きな尻山にパンティラインも浮かべている。見れば見るほどむっちりとした感触が手の平に蘇り、欲望のままに触り尽くしたい衝動に駆られるが、ここは押さえてボディチェックに徹していく。
     もっとも、田中は自分のズボンの膨らみを近づけた。
     バック挿入を連想しながら、両手でがっしりと腰を捕らえ、触れるか触れないかといったギリギリの具合まで、勃起したものを迫らせる。辛うじてスリスリと、お互いのズボンとパンツスーツで、生地の表面が擦り合っていなくもない、本当に微妙な距離感を維持する田中は、そのまま腰のくびれをまさぐった。
     特に、何もない。
     ワイシャツのすぐ下に、張りのよいスベスベとした質感の素肌があり、直接触れればとても気持ちいいであろうこと以外には、特にわかることはない。
     上へ、上へと、肋骨の部分に触れる。
     この辺りで、指がブラジャーの生地に触れたとわかる。
     脇下の位置まで手を動かし、指先が横乳に届くようにしてやりながら、あくまで揉むのは皮膚の表面である。服の内側を調べるだけで、乳房に悪戯をしたいわけではない。そんな建前を通すための手つきで、横乳に当てた指は少ししか動かさず、脇下の肉ばかりに集中した。
    「髪は何で縛っていますか?」
    「普通のゴムですけど」
    「ピンなどは?」
    「ありません」
    「ブラジャーに金属のワイヤーなんかが入ってはいませんか?」
     と、これを尋ねた瞬間、ゴムとピンについては即答だったことに比べて、何秒もの間が開いていた。
    「それは…………たぶん、入ってます………………」
     声だけで、何かを諦める思いがひしひしと伝わってきた。
    「ではワイシャツを脱ぎ、ブラジャーも外して下さい」
     山田は容赦なく、かつ事務的に告げていた。
     脱いでいる瞬間は見せたくない、そんな恥じらいからか、二人には背中を向けたままにボタンを外し、背中越しにワイシャツを預けてくる。それを受け取る山田は、体温が残っているであろうワイシャツを探り回し、調べ上げ、丁寧に畳んでからテーブルに置いていた。
     もちろん、剥き出しの背中を視界のフレームから外してはいないだろう。
     背中のホックに手が回り、後ろ向きのままパチリと外され、やはり英子は背中越しに下着を手渡す。白いブラジャーを手にした山田は、ニタニタとしながら探り回し、それを田中にも渡してくる。
     受け取った田中は、やはり体温の残ったブラジャーの、カップの部分を弄り回し、タグを確かめるとE80と書かれていた。トップバストが一〇〇センチ、アンダーバストが八〇センチの乳房に合うことまで記されており、つまり英子の胸はこれと同じか、数センチの誤差があるかといった大きさらしい。
     英子が振り向き、胸を腕のクロスでがっしりと覆い隠した状態で二人を向く。
    「やはり金属ワイヤーですね」
     ここぞとばかりに、田中は英子の見ている目の前で、このブラジャーを調べてみせる。ワイヤーの感触を確かめるばかりか、カップの裏側にあるポケットにも指を突っ込む。厚さがほんの何ミリかの、柔らかなクッションが入っていた。
     しかも、田中はこれを山田に手渡し、そうすることで男同士で人の下着を共有しているところを見せつける。
     英子はいじらしくも顔を背けた。
    「では通ってみて下さい」
     田中が告げ、すると英子は胸を強く抱き締めての、肩を内側に丸めたたどたどしい足取りでアーチをくぐる。
    
     ビィィィィィィィィ――――。
    
    「そんな……」
     これで、いよいよ生の乳房を拝むことになる。
     両手を頭の後ろに組むように告げるのだが、もちろん英子はありありとした抵抗の色を顔に浮かべる。腕のクロスを解くどころか、むしろ力を強めたのは、ほとんど反射的なものだと田中には読み取れた。
    「………………」
     言葉などなかった。
     ただ黙って、本当に心の底から仕方がなさそうに、英子は腕のクロスを解き、どことなく震えながら後頭部に両手をやる。おなじみのポーズとなって、もはやEカップの大きな乳房は隠すことができなくなり、事務的な表情を装いながら、田中と山田は二人してそれを見る。
     なかなかの乳房だ。
     さすがの大きさで手前に突き出て、焦げ茶色の乳輪から、丸っこい乳首が硬く突起しているようだ。
     田中は横目で山田を見る。
     すると、山田は目で頷き、次の説明を開始した。
    「えー。諸外国の事例ですが、手術によって体内に盗聴器を仕込み、情報を盗み出したという事件があるそうです。これを受けまして、当研究所においても、下着類を外してなお金属探知が反応する場合、取り決めとして乳房への接触を行うものとなっています」
    「胸を……揉む気ですか……?」
     キッ、と、一瞬だけ、視線が鋭くなった。
     警戒しきった表情でいて、英子にとっては仕方がないことでもある。今のところ、騙されていることには気づいておらず、しかも同意書のことがあっては、諦めるしかないのは自分の方だと、英子もよくよくわかっているのだろう。
     瞳に恨めしそうな色が浮かぶも、ぐっと堪えてか、睨まんばかりの先ほどの視線は、まるで気のせいだったかのように、本当に一瞬で消えていた。そこにあるのは、ただ自分がこれからされることを思い、緊張と恥じらいを浮かべるだけの表情だった。
     真っ先に山田が揉みに行き、田中はというと、大好きな巨尻を眺めに行く。
    「同じ理由で、お尻への接触も増えますので、ご了承下さい」
     尻、胸。
     痴漢やセクハラを訴えやすい、そうした場所に物を隠すことの強みは、わざわざ解説するまでもないだろう。本当にそうされると厄介だから、調べることが可能なように、同意書の内容は男女問わずに同じ文面としており、職務上は必要性に応じて男の恥部さえ調べなくてはならない身だ。
     ペニスに盗聴器を埋め込む猛者など、さすがに存在しないだろうが、想定はしなくてはならないのが二人の仕事だ。
     女にありつく楽しみがなくては、男の尻を触る羽目になる仕事などやっていられない。
    「んっ、ん………………」
     前では胸を揉まれている。
     調べているに過ぎない手つきを徹底して、生真面目な顔で乳房の内部を探り込み、ありもしない盗聴器を見つけ出そうと揉みしだく。そもそも、手術痕がないので、この刑事にそんな恐れはないのだが、それでも揉むのが男だろう。
     刺激でも受けているのか、かすかで小刻みだが、巨尻が左右に動いている。
     ずっと眺めていたいものだが、調べるためにも田中は手を付け、左右の尻たぶを同時に揉みしだく。肉の内側に何かが隠され、手術で埋め込まれていることを疑う建前の、探している手つきを心がけ、ぐっと指を押し込み撫で回す。
    「どうだ?」
     田中は山田に問いかける。
    「いいや、こっちは何もない」
    「こっちもだ。すると留め具か」
    「パンツスーツの方も脱いで頂きますね?」
     もはや山田は有無も言わさず、すぐにしゃがんでパンツスーツの留め具に手をかける。あちらの視点からすれば、チャックを下げる瞬間の、ズボンがV字に開くことによって覗けるショーツが見えているはずだった。
     英子は後頭部に手を組んだまま動かない。
     もう、諦めているはずだ。
    「下げてくれ」
     山田が、田中に言う。
    「了解」
     じっくり、たっぷりと眺めていたい田中は、パンツスーツの左右に手をかけて、だんだんと下げ始めるにあたって、少しでも時間をかけていた。しだいしだいに、一ミリずつ丁寧にずり下がり、真っ白なショーツに覆われた巨尻が見えてくるのを楽しんだ。
     二人の男の顔が近づき、下半身を前後で挟み撃ちにされながら、間近で凝視される気持ちはどんなものであろうか。
     田中は尻を、山田は前を眺めている。
     尾てい骨のあろう位置まで下がり、さらにショーツ尻の面積は広がって、布地のしっかりと食い込んだ光景が広がっていく。パンツスーツの上からでも、尻の丸い形状はありありと見て取れたが、ならばショーツ越しにもよく浮き上がっているのは当然だった。
     純白ショーツの巨尻は、そのゴムによって少しだけ、おそらくは一ミリかその程度、尻山を凹ませている。尻の下限の、垂れ目にあたるラインは深い影を刻んでおり、プリプリとした魅惑のボリュームは田中の視線を吸引した。
     英子はショーツ一枚のみの姿となる。
    「ではお願いします」
    「はい」
     悲しいやら悔しいやら、そんな思いを抱えて、きっと今度こそという思いをいっぱいにして金属探知機をくぐっていた。ここまでボディチェックを受け続け、ここまで脱いで、これで駄目なはずはないと、だから本当に次こそはと、そんな気持ちが感じられた。
    
     ビィィィィィィィィ――――。
    
     もう泣きたい。
     英子の顔から、そんな思いが伝わって来た。
    
         ***
    
     佐波英子に命令を下し、同意書へのサインも行うように告げたのは、この町を守る警察署長の男である。彼はパソコンに取り込んだその映像を見てほくそ笑み、またとない優越感に浸っていた。
     科学研究所の所長から預かった大切な『資料』である。
     警察として、頂いた資料を入念にチェックするのは当然であり、誰もいない所長室で、背後の窓ガラスにはきちんとシャッターをかけていることまで確認してから、音量にも注意して動画を見ている。
     特に気に入っている部分はこれだ。
    
    『ではショーツをこちらにお渡し下さい』
    『さすがに……どうしてもですか……?』
    『お願いします』
    『そう言われましても……』
    
     ショーツ一枚だけの姿になりながら、それだけはさすがに脱げず、今まで以上に抵抗を示す英子の可愛らしさといったらない。顔は赤らみ、涙ぐみ、それでも同意書へのサインや取り決めなどの関係から、結局は英子が諦める。
     やがてショーツを下げていくのだが、アソコばかりは見せまいと、右手で秘所を覆いながら、左手だけで下げたのだ。
     すっかり腰をくの字に折り曲げ、そんなポーズだからこそ、巨尻の丸いフォルムが際立つワンシーンの良さといったらない。まるで全裸のへっぴり腰になりながら、泣きながら下着を差し出しているかのような場面の滑稽さ、情けなさ、この時の英子の心境を思うと興奮する。
     自分がどれだけ情けのない、格好悪い姿を晒していたか、英子に自覚はあっただろうか。
     ショーツを手渡した後の英子は、左手もアソコにやり、両手を使って秘所を覆い隠していたのだが、それでいて腰もくの字に折り曲げて、お尻をしっかり突き出している。その姿を例えるなら、オシッコが漏れそうで漏れそうで仕方のないポーズというべきか。
     トイレの方向を指してやったら、全速力で走って行きそうだ。
     さて。あのチェックルームの素晴らしいところは、床にも壁にも天井にも、ありとあらゆる位置に無数のカメラを仕込んでいながら、見た目では決して存在を見抜けない。その上、さらに、三六〇度の全方向からの映像を統合して、自由に角度を変えたり、位置やアングルをマウスで操作可能な動画を作ってしまう技術が導入されている。
     つまり、オシッコが漏れそうなポーズを真横から眺め、くの字に折れ曲がった身体の、巨尻のフォルムが際立っているところを楽しんでもよし。角度を変え、巨尻を画面いっぱいにアップすれば、まるで英子が知らず知らずのうちにレンズに尻を近づけて、そうして出来上がった絵であるようで興奮する。
     二人の男がショーツを調べ、生地の手触りや温もりを確認しつつ、布のどこかに何かが仕込まれていないかの調査も行っている。
     そんな男二人の場面を確かめてから、警察署長はクリックで映像を巻き戻し、今度は英子の表情をアップする。
     素晴らしいの一言だ。
     自分の見ている目の前で、無残にもショーツを悪戯されている。何としても阻止したいはずであろう光景を、ただ無力にも眺めているしかない気持ちは、歯がゆいどころの問題ではないだろう。
     武力行使さえ行えば、英子にとってそこらの男二人など相手にならない。
     全裸のまま戦っても、格闘なら英子が勝つだろう。
     しかし、理由もなく武力行使などできはしない、するわけにはいかない英子が、ただただ顔を赤くして、頬から炎でも噴き出しそうなほどの、羞恥にまみれた表情で、涙目でそれを見つめているのだ。
     そう、オシッコが漏れそうなポーズで。
     これほどみっともないことがあろろうか、こんな体験をして、よく生きていられるものだとさえ、警察署長は思っている。確かに、署長の命令で英子はこうなったのだが、女のここまで惨めな姿を見ることができて最高だ。
     そして、その英子がここに来る。
    
     こん、こん、
    
     あらかじめ時間を決め、そろそろ英子が来るとわかっていた警察署長は、動画から音を消しつつ、凜然とした英子がドアの向こうから入ってくるのに目をやった。
     一時停止した動画の中では、こんなにも惨めを晒しているのに、まるで何事もなかったかのように振る舞って、堂々たる姿勢で仕事の報告に来ているのは、さすがの精神の強さと言えるだろうか。
     しかし、見比べるとますます楽しい。
     そこに立っている英子は肌が白いが、動画の中では首から上が綺麗に赤い。同じ人物とは思えないほどの、涙目の潰を大きく育てた可哀想な表情さえ浮かべている。
    「どうだったかね」
    「はい。署長が仰る通り、あちらの機関では極めて重要な研究を行っており、その情報を探り出そうと、諸外国の組織や暴力団が狙っています。現状のボディチェック体制なら、そう簡単にスパイが入り込む余地はないのでしょうが、あれほどの宝庫とわかれば、犯罪組織もそうそう諦めはしないでしょう」
    「内部から、そういった連中に売り込みをして、手引きしてしまうこともありえるわけだ」
    「ええ、可能性としては」
     署長はさらに話しを聞き出し、かねてからの捜査関連――いくつかの組織が研究所を狙おうとする動きについての、英子が現状得ている感触を聞いていく。今後の警察の動きに関わる重要な内容は、もちろん耳に入れつつも、器用な所長はパソコンの画面を同時に楽しむ。
     映像を再生させ、肛門まで探られる場面を見た。
     動画内の英子は自分で自分の足首を掴み、尻だけが高らかとなる恥辱のポーズで、男に肛門を晒していた。ご丁寧なことに、カメラにきちんと映るよう、男は自分のポジションを気にかけながら、ちょうど横合いから、ジェル塗りの指を肛門に挿入していた。
     桃色の菊皺が指を飲み込み、羞恥で尻ごと震えるかすかな具合が、画面いっぱいにアップすることが可能だった、
     こんなことまでされて来たか。
     しかも、指を挿入するばかりか、二人して尻たぶを撫でている。肛門の内側を探られるばかりでなく、無駄にお尻を触られている英子の悲劇には、まったく勃起した逸物がズボンの中で破裂しそうだ。
     英子はひとしきりの報告を済ませ、さも自分はクールにこなしてきたような顔をして、署長に背を向け去って行く。
     その際の巨尻を目で追うが、あのパンツスーツの中身がこれか。
     署長は今一度画面に目をやって、両側から撫で回され、肛門にも指が出入りしている光景を楽しんだ。
    
    
    


     
     
     


  • 中学剣道少女~恥ずかしい穴まで身体検査~

     
     

     第1話「剣道少女、麗華」  
     第2話「世にも屈辱なドーピング検査」(2012/09/01)
     第3話「そして羞恥の発育検査へ」(2012/09/08)
     第4話「視姦と測定」(2012/09/20)
     第5話「ノギス測定とデータ撮影」(2012/12/18)
     第6話「アナルのシワシワ検査」(2012/12/24)
     第6.5話「検査結果」(2012/12/25)
     第7話「検査のその後」(2012/12/28)
     第8話「止まらない疼き」(2012/12/30)
     第9話「トイレに行けない!」(2012/12/31)
     第10話「エッチなマッサージ」(2013/01/26)
     第11話「次なる検査へ」(2013/02/05)
     第12話「キャンパスを歩く」(2013/02/20)
     第13話「学習材料になって頂きます」(2013/04/14)
     第14話「衆目の中の脱衣」(2013/04/16)
     第15話「おびただしい医学生の手」(2013/04/17)
     第16話「オナニーインタビュー」(2013/05/02)
     第17話「麗華の公開オナニー」(2013/05/05)
     第18話「私は堕ちてない!」(2013/06/22)
     第19話「最後の検査へ」(2013/06/23)
     第20話「ペニス測定について」(2013/06/23)
     第21話「麗華のペニス測定」(2013/06/27)
     第22話「部員たちのペニスを測れ」(2013/07/09)
     第23話「射精に導けない」(2013/07/13)
     第24話「股を拭き拭き」(2013/07/14)
     第25話「かけられまくり」(2013/07/17)
     第26話「イきたくない・・・」(2013/07/17)
     第27話「崩れゆく麗華」(2013/07/18)
     第28話「絶頂」(2013/07/19)
     最終話「黒崎麗華」(2013/07/21)
     
     おまけ(2013/07/27)
     あとがき(2013/07/27)
     
     


  • 優良健康生徒審査会の記録


     
     
     
    もう本当に羞恥作品以外のなにものでもありません。傑作です。
     
     
    健康生徒審査会というタイトルに嘘はなく、学校の代表として選ばれた少女達に恥ずかしい審査が課せられていく内容です。

    元ネタは昭和で実際に実施されていたという「優良健康児」でしょうか(詳しくは検索して下さい)

    運動能力テストや健康診断、面接といった診断が行われていくわけですが

    体格チェックという理由で運動テストは上半身裸

    健康診断はパンツ一枚

    面接も当然ハダカ!

    もう羞恥の連続です。

    黒塚が気に入っているシーンは面接のところなのですが、女の子達はパンツ一枚という格好でスピーチを行い、面接における自己アピールをしていきます。

    そして・・・・

    審査員「ではパンツを脱いでください」

    面接の中で最後の一枚まで手放し、全裸にされた少女達に向けて次々に審査上の質問が行われていくのです。

    ・胸の膨らみ始めた時期
    ・陰毛の生え始めた時期
    ・初潮の時期
    ・オナニー経験の有無

    そういった内容を詳しく話さなくてはならず、「胸が膨らんだのは~くらいの時でした」「初潮の時期は~」と、 恥ずかしい質問内容に全て全裸で答えていくのです。

    さらには全身検査として全身をくまなくチェックされ、胸はもちろんアソコやお尻の穴も広げられ、各部位について審査員達は淡々と少女の体を品評していくのです。

    そんな自分の体を「品評」される少女の気持ちがフルボイスで聴けるという傑作なわけです。

    しかも、彼女達は立場上「よろしくお願いします」「ありがとうございました」といった、 きちんとした挨拶をしなくてはなりません。

    尿検査さえも男の前で実施され、放尿をじっくり見られます。

    オシッコを見られた挙句、その相手に「ありがとうございました」と礼儀上のお礼を述べる。

    果たしてそれはどんな気持ちか。

    想像するだけでたまりませんね。 もちろん、ここまで羞恥に重点を置いている以上は無意味な本番シーンはありません。

    逆に言えば挿入がないと満足できない人には向いていないわけですが、羞恥作品としては絶対に見逃せない一作だと思います。
     
     
     
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  • XVI ~塔の町のリズ~


     
     
     
      サークル自体は普通にチェックしている場所だったので、
      発売日からして、もっと早くレビューできたのですが、
      少々出遅れてしまいました。

      勝気な性格のヒロインが、その割りにチョロいというのは、
      もう同人サイトのレビュー覧や感想ブログなんかで言われていますね。
      ゲーム性についても、他のレビューで十分に触れられているので省略。

      というわけで、羞恥要素についてあげていくと

      ある場所を通るための検問!

      ボディチェックなんですから、当然脱がなくてはいけませんね。
      当然裸になって、強気な性格だから反応も面白くて。

      あとは覗き放題の温泉でしょうか。

      男湯と混浴は屋内なのに、何故か女湯は屋外。
      覗きやすい。
      案の定、覗きが沸いてくる。

      もっとも、羞恥だけを期待した購入には向いていません。

      微妙のチョロいという通り、段階的に落ちていったり
      普通に需要の高いエロを抑えているので羞恥マニア向けには特化していない。

      ただ、羞恥シーンについては間違いなく羞恥。

      ハプニングでおっぱいを見られたときの「ななななな!」という反応。
      検問に対する、従ってはいるけど文句たらたらな反応。

      リズの性格に関しても、お金に釣られてセックスをしてしまうとき

      「いいからさっさと済ませて下さいよ」
      「イったりしませんから!」

      といった、性交中にもキャラクター性の見え隠れする台詞があったのが良かったです。
     
     
     
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  • 感染!medical check

      なんと検査羞恥!!

      同人販売ページにある作品内容紹介文の時点でも、

     ・お尻の穴で保菌検査
     ・全身洗浄
     ・恥ずかしい部分のサイズや色まで確認される
     ・採尿

      といった検査羞恥には欠かせない項目が並んでいます。

      保菌検査のシーンでは、ギョウチュウ検査シートに似たあのフィルムで
      肛門にぺったんグリグリと、羞恥作品の絶対数自体が少ないので、
      まさか、こんな描写をしてくれるエロ同人ゲームが出てくるとは思いませんでした。

      特徴としては、ヒロインに囲まれた男主人公が細菌感染に巻き込まれ、
      男女別という配慮もなしに、主人公もろとも検査を受ける展開です。
      だから、男視点の文面でヒロインたちの恥ずかしがるシーンがよーく描写されていく。

      だから、全ての検査は男主人公の目の前で展開されます。

      ヒロインは、男主人公に見られながらアソコや肛門をチェックされるのです。
      複数人の検疫官もいますから、衆人環視の中を全裸で過ごし続けるわけですね。

      1部のシーンだけですが、こうして各部を順番に「見る」場面もありました。
      肛門を選べば色合いに言及して、股間を選べばビラはどうだといった描写がされる。

      画像の該当シーンで「顔を見る」を選んだ時は、

      ――大きく開かれた目には涙が浮かび、口は小刻みに震え、
      ――まるでこの世の終わりでも来たかのような表情をしている。

      などと描写され、赤面チックなイラストだけでなく、
      テキスト部分によってもヒロインの恥ずかしがる様子をくまなく表現。

      検査が始まる前の、プロローグの舞台である無人島ですら
      ちょこっとだけ羞恥シーンがあったのは非常に萌えた。

      アイドルだろうと採尿するし、排便も強要する。

      導尿カテーテルを介してコップにちょろちょろ出すのですが、
      放尿を見せる羽目になるCGでの恥じらい顔も、
      心境が覗けて見えるような台詞や主人公視点の描写も素晴らしい。

      スカトロは好きではないのですが、
      該当シーンのときに
     「さすがに見るのはかわいそうだ」
      の選択肢を選べばスキップできるようです。

      ウィルスの症状は、目がハートになってエロくなっちゃうというもの。

      だから、最終的には本番有りになりますが、

      羞恥の身体検査という点に一切の嘘偽りがありません。

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  • 空港の出国審査ゲートでドッキリ羞恥身体検査

     空港にある金属探知のゲートを通ると「ピー!」と音が鳴る。

    ボタンが反応しているかもしれないので上は一旦脱ぐことに!

    脱ぎ脱ぎ

    だけどやっぱり引っかかる。

     スカートのボタンかもと言われて、スカートまで脱ぐことに・・・・・。

     それでも、やっぱり金属反応が残っているようです。
     仕方ないので、次もそのまた次も、どんどん脱いでいきましょう。
     最終的には目の前でパンツまで脱がされちゃいます。


     ↓この肩の縮まっている感じが、恥じらいの表れって感じでいいですねぇ。

     しかし

     全裸にまでなったのに何故かそれでも反応するので、こんなポーズまで取らされて・・・・・

     このように、複数の女性が金属探知機を理由に目の前で脱衣を要求されます。
     一枚脱いではゲートを通り、また脱いでは通り抜け、最終的に全裸にされる。
     それでも通り抜けられない女性には、さらなる試練が待っているといった内容です。

     羞恥としては一応面白いのですが、サディスティックヴィレッジのシリーズがやってくれているような、恥じらいが表れて見える表情や仕草の描写が足りていません。脱いで通り、脱いで通りの繰り返しの段階では、確かに「え?何が引っかかってるの?」「まだ通れないの?」とでも言いたがっている戸惑いの反応が見られますが、全裸になったあとはちょっと謎のことをやっていたりもします。

     ポーズを取りながら通ったところで、果たして何の意味があるのか・・・・・・・。

     とはいえ、全裸のまま色々とやらされるのは屈辱に違い無し。
     アソコや肛門を見られたり、触られているシーンもあるので素晴らしいです。

     されども、この三人組は謎のテンションの高さをしすぎていて・・・・・。
     羞恥を目的にして見るにはちょっと萎えてしまいますねぇ・・・・・。
     笑ってないでもっと恥じらいましょうよ(憤怒)

     脱がされていく段階では、どの子もきちんと嫌な事をさせられて我慢している雰囲気が出ています。
    (ギャル達は普通にテンション高すぎるのでその辺はアウト)


     このように、検査の名の元に脱がされていく姿はたまりません。
     所持品の有無を確かめるため、画像のようにお尻を触って確認するシーンが有り。
     アソコを覗いたり、肛門を確かめてしまうシーンも有り。
     一人目や二人目の子もパンツの上からアソコを触られたりしていました。

     しかし、羞恥に該当するのはそれらのシーンのみ。
     一から十まで全て羞恥という内容ではなく、陵辱シーンによる本番やフェラチオなんかもありました。
     機内には持ち込めない所持品を持っていたので、脱がされた格好のまま別室へ連れて行かれ・・・・。
     そこでペニスを舐めさせられたり、本番行為に移るといった具合でした。

     DMMのレビュー内容は☆が少なめですが的は射ていると思うので、あれは参考になると思います。

    (羞恥作品に対して「本番シーンが無い」などという的外れにもほどがある批判を見たことがありますので・・・・)

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  • 町に出入りの検問所 リーゼ陵辱

    
    
    
     ギルド登録所で行われる手続きでは、性別や生年月日といったプロフィールの記入はもちろんのこと、さらには男女を問うことなく全裸となり、全身の写真を撮影する。カメラと呼ばれる魔法道具で取り込んだ絵は、個人登録データの作成に使われ、登録した人間の情報は電波水晶によって各地に送信されるのだ。
     ギルドカードを持つ冒険者は、あらゆる国や町に出入りする際、検問所にカードを提示しなければならない。
     カードを受け取った検問兵は、電波水晶からデータを取り出し、冒険者の肉体を写真と照合する取り決めである。
     つまり、全裸にして、撮った写真と見比べる。
     看破魔法で嘘を見抜くだけでは物足りず、そこまで厳しくした原因は、擬態能力を持つ魔物の増加や変化魔法の悪用にある。特に看破魔法が効かずに、嘘をつき通せる手合いは厄介で、検問所でルール改正がなされる前は、随分と魔物や悪人の通行を許してしまった。
     しかし、写真照合の取り入れにより、これは激減する。
     何故なら、擬態や変化では、本人が知っている姿にしか化けられない。顔だけを知っていて体格を知らない相手に化ける場合、おっぱいのサイズが本物とは異なってしまう。服の下に隠れたアザを再現できない。といったことが起こるのだ。
     まして肛門のシワの数など把握する機会はないものだから、尻の穴を見れば偽物と本物の区別は一発で可能である。。
     もちろん、戦闘に負けるなり、捕まるなりした冒険者が、裸をじっくりと観察されてしまえば、肛門の形に至るまで正確な変化が行える。肉体関係の男女なら、服の下に隠れた身体敵特徴を知ることができるから、女を騙くらかす男や、ハニートラップ的な手口がないでもない。
     絶対完璧、というわけではない。
     看破魔法で嘘を見抜く手もあるが、対看破の魔法を身につけた奴には通用しない。
     しかし、たとえ抜け道を通っていくプロが存在しても、過去のザル状態に比べれば、水準は驚くほど上がっている。恐るべき確立で魔物の擬態を平和な町に通していた過去の現状は、おかげで可愛いものになったわけである。
     今を上回る優れた身体検査方法が登場しない限り、現状のやり方が続くだろう。
     そして、そんな検問所での身体検査が俺の仕事であった。
    
    「いいオッパイだな」
    
     俺は全裸となった女剣士の前に立ち、直立不動を保つ姿を、手元のページに載った写真と見比べる。
     ここで使うのは『登録情報の書』だ。
     この書物は普段は白紙のページしかないのだが、電波水晶が受信した情報を取り込むと、直ちに写真や文章が現れる。そこに基本プロフィールやギルドでの評定を記す項目と、それから裸を撮るだけ撮った裸体続きのページに差し掛かる。
     薄い胸だが、ぷっくりと控え目に膨らんだ形が可愛いもので、だいぶ好みだ。
     俺は乳房をしばらく眺め、写真との比較に相違がないことを確かめる。乳首の大きさや色合いも、特に問題はない。股間のアップもあるが、毛の具合もビラのハミ出た形も一致。
    「肛門を見せろ」
     女剣士は何も喋らず、ただ粛々と背中を向け、腰を折り曲げていた。
     自分で自分の足首を掴むポーズを取らせれば、尻の割れ目は左右に広がり、肛門は自動的に丸見えになる。俺は遠慮なく手を乗せて、存分に撫で回してやりながら、放射状の皺の窄まりを観察した。
     皺の本数に、色合いも一致。
     看破魔法を使った質疑応答でも問題はなく、この女剣士は善良な冒険者であると、この時点でとっくにわかりきっていた。
     普通はここで服を着せ、そのまま町に入れるのだが、どうも最近の権力者様は、俺達に甘い汁を吸わせてくれるらしい。検問兵にいい目を見せ、それがどんな政治的な意味合いを持つのかは知らないが、吸えるものは吸わせてもらう。
    「なお、ここで脱いだ衣服、持ち物、武器や防具など装備一式は、検問審査の手数料として一時的に押収され、所定の業務を済ませたのちに返還ということになっている」
    「……そう。噂通りね」
    「なに、長くとも一時間か二時間。中には三時間って奴もいるが、仕事さえ済めばアンタは無事に通れるよ。何なら温かいベッドに空きがある、一晩休んで出発してもいい」
    「丁重なおもてなしをありがとう。その手をどけてくれる?」
    「はいはい」
     俺は尻から手を引くが、ついでのようにペチンと、一発ばかり叩いてやると、姿勢を戻した女剣士は、肩越しに露骨に睨んできた。恨めしい視線の下では、頬が熱く燃えたぎり、顔から火が出るとはこのことかと言いたくなるほどの恥じらいに歪んでいた。
     この瞬間を待ちに待ち望んでいた俺の部下は、俺が目で許可を出している様子を見るに、女剣士を別室に連れて行く。
     どんなお仕事かは、想像にでも任せよう。
    
     次も女剣士だった。
    
     リーゼという名で、茶髪をゴムで束ねた彼女は、腰のベルトを取り外し、背中にかけていた弓矢もテーブルに並べていく。グローブに、革の胸当てに、次々に装備を外していき、シャツとスカートを残すのみとなったリーゼは脱衣を始める。
     ここの実態を知っている顔だった。
     そして、この実態を作り上げた権力者も、冒険者がここを利用せざるを得ないことをわかってやっている。
     俺が務めるこの検問所を出入りしなければ、冒険者はロクに稼げない。高額な依頼の現場は、そのことごとくがここを越えた先で、逆にギルド本部付近は平和過ぎて仕事がない。ないことはないが、稼ぎの少ない雑魚モンスター狩りの仕事を大勢で奪い合うより、魔物が多く生息している危険地帯へ出向いた方がいい。
     そして、危険な地域へ続く場所には検問があるのが普通のことで、他の村や町へ行ったところで変わらない。検問の設置がされていない村などは、自衛しなければ定期的に魔物が襲撃に現れ、自衛しきれなければ滅ぼされる。
     検問を越えなければ、大きな仕事はほとんどない。
     徒歩で半日程度の遠出せざるを得ず、必然的にここを通過してく必要があるのだ。
     身体検査を嫌って迂回して行こうにも、俺の地域の場合は、険しい剣山と、そこに住まう巨竜の群れが遠回りを阻止している。空でも飛べれば話は別だが、飛べたとしても巨竜とやり合う覚悟がいる。
     冒険者にでもなって、剣や弓の腕前で稼ぐしかない連中にとって、検問所の出入りは死活問題である。たとえ実態をわかっていても、嫌でも通らざるを得ないところに、権力者はこういう実態を作り出したのだ。
     もう何度でも出入りしているベテランなら、実態に
    噛みしつつも、そうそう恥じらうことなく脱いでしまい、中にはあっけからんとした顔でお勤めをこなす奴もいる。逆に初めて通る者、いつまでも羞恥心の強い者は、なかなかに躊躇いの宿った手つきでシャツを上げ、下着を脱ぐのだ。
     余談だが、男の通行に関しては、痴女か同性愛者が審査を行う。痴女を相手にお勤めを果たせるのなら運の良いもので、そちらの気もないのに男同士など苦行もいいところだろう。もちろん俺も苦行は真っ平だ。
     リーゼは初めての通行だった。
     だから、恥ずかしい体験をしたのはギルド登録時の写真撮影のみで、オッパイどころか肛門までパシャパシャと撮られる気持ちはどんなものであっただろう。
     シャツを脱ぎ、スカートも脱いだ純白の下着姿で、リーゼは太ももにナイフを巻き付け隠し持っていた。
    「なるほどな」
     書類通りだ。
     脱いだブーツを改めれば、こちらにもナイフが隠れていた。盗賊や他の悪質冒険者を警戒して、見えない場所にも武器を潜ませているわけだ。戦闘で剣を失うなり、宝箱をこじ開けるなり、まあ色々と汎用性はあるだろう。
     こうした隠し持つ武器に関しても、書類への記入を行わせ、俺や他の検問兵で検める。だから身体検査で危険物が出てきても、申告通りのものなら問題にはならない。
     テーブルに並んだ剣、弓矢、ナイフの本数は申請通りだ。
    「確認した。下着も脱げ」
    「ええ、脱げばいいんでしょう? ついでに余計なお勤めを免除する方法は?」
    「金だな」
    「よくわかったわ。いい仕事ね」
    「ああ、いい仕事だ」
     下着まではどうにか平気でいられたリーゼの様子も、ブラジャーを外したところで朱色へと変わっていき、ショーツを脱げばしっかりと顔は赤らみきっていた。
     さて、あとは『登録情報の書』に電波水晶の中にある情報を取り込んで、ページの中に浮かび上がる裸体と比較する。
     乳首、問題なし。
     乳房の大きさも写真と一致、毛の生え具合については、写真の方が濃く、現在は剃ってあるものの、毛の具合くらいはいいだろう。根本的な毛質が違っていれば問題だが、そんなこともなさそうだ。
    「見ろ、お前の尻の穴だ」
    「――っ!」
     肛門をアップにしたページを見せつけると、リーゼは口元を歪ませ、引き攣って、悔しげに拳を握り締める。
    「見比べてやる。後ろを向いて、肛門が見えるようにしろ」
    「……くっ」
     リーゼは俺に背中を向け、豊満な尻の割れ目が開ける姿勢へと、腰を二つに折り畳んだ前屈の、自分で自分の足首を掴んだポーズを取る。開けて見える肛門の、灰色に黒ずんだ皺の窄まりをじっくりと観察した。
     ページに浮かぶ肛門と、パっと見た限りは一致している。
     皺の数を数えても一致、色合いは言うまでもない。
     作業に慣れた俺は、肛門の一致も素早く確認できる。細かな皺の具合から本数まで、数秒で判別がつくまでになっているが、せっかくの上玉である。ロクに触りもせずに検査を終わる手などない。
     俺はぺたりと、尻に手を乗せてやり、意味もなく撫で回す。
     いい感触だ。
     スベスベしていて、いつまでも撫でていたくなる。
    「うっ、あの……」
    「誤判定があったらまずいからな。慎重にやらせてもらう」
    「どうせ触ってるだけ……」
    「触るだけ? んなわけない、ここをじっくりと確かめてんだよ」
     俺は皺の窄まりをつついてやり、尻がぴくりと、穴もヒクっと反応する。
     さらには、いかに肛門をよーく観察しているか、肌でしっかりと感じてもらうため、俺は息がかかる距離まで顔を近づけ、至近距離から執拗に視姦した。
    「ど、どうせ済んでるんでしょ……!」
     声が震えていた。
    「そうとも限らない。間違いは誰にでもあるからな。皺の本数が合っていたか、確認のためにもう一度数え直さないとな」
    「最悪…………」
     耐え忍んでいることだろうリーゼの尻穴に、俺は指の腹を押し込みグニグニと、凝りでもほぐさんばかりに揉んでやる。
    「最悪ついでに、こことアソコなら、どっちをジロジロ見られるのが恥ずかしい?」
    「どっちも同じでしょ…………」
    「そうか。ところで、登録情報では処女とあるが、今でも処女のままか?」
    「……そうだけど」
    「なら、性器の穴の形も確かめないとなぁ?」
    「絶対もう十分でしょ」
     震えた声には、どことなく怒りさえ籠もっているが、激情に任せて暴れでもすれば、自分が犯罪者として扱われ、逮捕されるとわかっているのだろう。冷静に自分を抑え、何とか耐えている女は実にそそる。
    「テーブルで仰向けだ。アソコがよく見えるようにM字開脚になれ」
    「本当に……」
     テーブルに上がり、開脚を披露するリーゼは、俺とは目も合わせられないご様子で、顔を背けた赤い耳だけをこちらに向ける。
    「なるほどな」
     俺はさっそく指で開いて覗き込み、桃色の肉ヒダにある膣口を拝んでやる。やはり『登録情報の書』とは色合いも何もかも一致しており、穴の周りに張った白っぽいものが処女膜か。
    「これで……さすがに検査は終わったでしょう……!」
    「検査はな」
    「うぅ……それで、お仕事ってわけ……」
    「わかってるじゃねーか。話が早い」
     俺はベルトを外し、ズボンの中から滾った逸物を解き放つ。
     なに、避妊魔法は使ってやる。
    「今は順番待ちがいないからな。俺が相手してやるよ」
     こちらに目も向けようとしない、耳の染まり具合が目立った横顔を眺めつつ、俺は亀頭を押しつけ腰を沈める。
     いい具合じゃないか。
     何と例えるべきか、熱々に熱せられたスライムかパン生地あたりで、潰れるわけもないのに肉棒を強く圧して、潰そうとしてくるような強い締め付けと、ヒクつく蠢きが至福の快感を与えてくる。
    「最悪…………」
     安心しろ、避妊魔法は使ってやる。
     というわけだから、遠慮なく中出しさせてもらう。
    「うっ、ぐぅ……くっ、ふぅ…………」
     初めての痛みに、少しばかり苦しそうだ。
     穴の大きさに合わない俺の太さで、挿入によって裂けた部分から、いくらかの出血をしているわけである。痛みには個人差があるものだが、リーゼは痛がっているらしい。こんな場所で初体験を済ませ、さらには痛いだなんて、俺がヤっといてあれだが気の毒な話である。
     親切な俺は治療呪文で裂傷を直ちに直し、さらには感度上昇の魔法までかけ、初体験でも楽しめるようにしてやった。
    「よっ、余計な――真似……!」
    「ははっ、せめて気持ちいい方がいいだろう?」
     俺はせっせと腰を動かした。
     呪文一つで、あったはずの痛みが消え、スイッチでも入れ替えたように快楽に翻弄されるリーゼの有様は傑作だ。本当に溢れる快感に、明らかに戸惑った顔をして、慌てたように口をパクパクさせながら、歯を食い縛って声を抑えるのだ。
    「んっ! んぁぁ……ぬっ、うぅ……んぅ………………!」
     まるで苦痛に耐えるような顔で、喘ぎ声を我慢していた。
     打ちつけるたびにギシギシと、テーブルの板と脚が軋んだ音を立て、リーゼの胸も上下にぷるぷると揺れている。
    「んっ、ぐぅ……んぅ……ぬっ、んぅ……んぅ…………」
     よほど声だけは抑えたいのか。
     その我慢している表情が最高だと、本人は気づいていないのか。
    「唇をよこせ」
     確かキスも未経験と、登録情報にはあったのだが、俺は遠慮なくリーゼの顔を両手に掴み、問答無用で顔を近づける。キスを拒んで左右に暴れ、唇だけでも守ろうとする耳元に、逆らうと牢獄行きであることを囁けば、簡単に大人しくなっていた。
    「本当に……最低………………」
     涙ぐんだ目で、俺を睨んでいた。
     そんな睨み顔に向け、唇を一気に覆い被せてファーストキスを奪い取る。頬張り、舌をねじ込み、俺の口内にリーゼの呼気が入り込む。鼻息も当たって来る。伸ばした舌を踊らせれば、歯の硬い感触と、歯茎に触れた感じから、さらにはリーゼの舌とも絡み合った。
     口を離すと、唾液の糸が引いていた。
    「……ご満足?」
     さらに鋭く、俺を睨んでいた。
    「ああ、その顔が快感でヒイヒイいったら、もっと満足するな」
    「いわないから」
    「そうか? ま、試してみるさ」
     俺は固定魔法の呪文を唱え、リーゼの顔をこちら向きに固定した。固定といっても、加減によって数ミリから数センチの稼働は可能だが、基本的な方向から完全に顔を背けることはできなくなる。
     俺とリーゼの、睨めっこが始まった。
    
     ずるぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅ……………………。
    
     じっくりと、時間をかけて腰を交代させていく。
     ぬるり、ぬるりと、俺の肉棒に密着している膣壁は、この股から少しずつ遠ざかる。やがて亀頭だけがはまった状態になり、俺はここから前進させた。
    
     ずにゅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅ……………………。
    
     閉じ合わさった壁の狭間に、亀頭の切っ先を進めて割り開く。
     こんな時間をたっぷり続けて、急に激しくパンパンと、俺の肉棒に慣れきった膣壁を大胆に抉り抜く。
    「んっ! んっ、んぅ――んぁ……うっ、んぅ……んぃっ、あっ、くぅ…………!」
    「我慢するのも大変だなぁ?」
    「くぅっ、んっ! くっ、んんっ、ううっ、ん、ん!」
     睨み続ける目つきは立派でも、下の口はだらしないヨダレを撒き散らし、ピストンで密着させた俺の股には、陰毛にはリーゼの愛液がたっぷりと付着していた。テーブルも汚れ、腰振りだけで卑猥な水音も鳴っていた。
     しかし、続けていれば射精感も限界を迎えてくる。
     かれこれ、十分以上は責め立てても、結局は喘ぎ散らすことのないリーゼの中に、俺は堪えきれない射精を行った。
    
     ドクン!
    
     遠慮なく、中に放出した。
    「な……!」
    「避妊魔法はかけてやっただろ?」
    「そうだけど……!」
     それでも、膣内射精には慌てた顔になるものらしい。
    
     ドクっ、ドクン! ビュクン!
    
     わかっているはずだ。
     別に孕む心配はないというのに、それでもリーゼの焦燥に満ちた表情と、子宮に注がれたことへの不安の顔立ちが、孕んではいないかと切実に気にかける心境が見て取れた。条件反射というべきか、子宮の中に熱い液体が入っていると、そんな顔にもなるらしい。
    「最後までアヒアヒ言わなかったな。お前の勝ちだ」
    「……ふん。喜ぶもんでもないけどね」
    「勝者へのプレゼントとして、あと三回は注いでやる」
    「――は? えっ? ちょ!?」
     傑作だった。
     再びピストンを開始する直前の、いかにも慌てた「え? え?」とばかりの様子から、思い出したように歯を食い縛り、必死をこいた声の我慢に入る姿は、これほど楽しいものはない。
     三回と言いつつも、俺はあと四回も射精した。
     リーゼとのセックスにどれほどかけたかは数えていないが、一時間以上はしていただろう。通行人のいない、暇な時間帯の検問所とはそういうもので、暇なうちに楽しまなければ、行列を捌くときまで遊んでいる余裕はない。
     そう考えると、冒険者は何百人もの列を組んで押し寄せれば、こうした俺達の作る実態を回避出来そうだが、まあ無理だろうな。
     おっと、忘れてはいけないのが写真撮影と記録の更新だ。
     登録情報にあったキス未経験の欄を書き換え、処女だった膣口の写真の次のページに、新たな経験済みとなった穴の写真を挿入する。精液がこっぽりと溢れているバージョンと、指で書き出し、綺麗にしたバージョンで、二種類を用意しておいた。
     どんな気持ちだったことか。
     ヤられた挙げ句、ヤった後の穴も記録として撮影される。
     冒険で恐怖の魔物に囲まれるのと、今回の経験なら、果たしてどちらがマシだろう。さすがに残酷な死に方と天秤にかけたら、ここてちょっと気持ち良くなる方が良さそうだが、言葉の上では魔物の群れに喰われながら殺された方がマシだと言い出す手合いはいくらでもいるのかもしれない。
     リーゼはそれから、検問所を去って行く。
     元の町に戻る時、またここを通るわけなのだが、次はどうしてやろうか。
    
     おっと、来ないと思った次が来た。
     しかも上玉らしいが、俺は満足したばかりだ。
     さて、ならば誰に譲ってやろう。
    
    
    
    


     
     
     


  • 〈失禁・潮吹き・ハメ潮〉測定によるオーガズム研究科


     
     

     CMNF作品です。
     
     
     タイトルにもオーガズム研究とある通り、挿入シーンもありますが、
     しかし確実に羞恥やCMNFを好む人に響くであろう構成で作られています。
     
     
     
     まず、この作品は三つのステップに分かれているのです。
     
     
     ①性に関する意識調査・面談
     

     
     
     ②写真撮影
     

     
     
     ③オーガズムの研究測定
     

     
     
     面談では初潮の時期や初めてのセックスについて質問し、初体験の相手とはどこでどのようなプレイをしたか。その時の痛み・快感はどうであったか。といったように、性行為にまつわることを詳しく聞きだし、女性はそれらの質問に答えていきます。生理周期、セックスの好きな体位、セックスの頻度や経験人数など、かなり詳しい面談シーンになっているので、話の内容はH関係でありながら、とても調査らしさがあります。
     
     裏を返せば、面談シーンは本当に喋っているだけなので、この時点では裸は一切ありません。
     
     

     写真撮影の直前になると、まずは服を脱いで全裸になるシーンから入ります。
     
     女性はこの時からCMNFに、自分だけが裸という状況の陥り、そんな中でカメラを向けられ、胸・尻・アソコの全てにフラッシュを焚かれるのです。
     

     
     
     そして、研究の名の下に全身をさわさわしていきます。
     
     

     
     やる方に他意はなく、本当に研究目的のために愛撫を施しているのです。しかし、その研究内容がオーガズムである以上は乳房や陰部への刺激を欠かすことは出来ず、しかも資料を残すためにビデオカメラを手にした研究員までもが立っています。
     
     ひとしきり女性を感じさせ、最後には挿入を行うといった構成で通されています。
     
     
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  • スパイ容疑 フォトの身体検査

    
    
    
    
     *第二十巻「夫婦の話」のあと
    
    
         ***
    
    
     オレの名前はソウ。モトラドだ。
     小型車のトランクに積んで持ち運べるように設計された、ちょっと特殊なモトラドだ。もともと車体が小さいが、ハンドルやシートを折り畳むと、さらにコンパクトになる。まあ、速度は出ないけどな。
     オレの乗り主の名はフォト。性別は女。年齢は十七。黒い髪は背中まで長い。
     つい先日、とある夫婦からの仕事を引き受けた。記念写真が欲しいらしかったが、カラー写真の現像が終わる前に、夫の方は亡くなってしまった。依頼主が亡くなるだけでも驚きなのに、実は夫はスパイだったとかで警察が捜査にやって来た。
     そして、奥さんまでもがスパイだった。お互いがお互いに、スパイだと気づかないまま社会的身分を保つために結婚して、スパイ同士で夫婦生活を営んでいたのだ。
     さて、大事なのはここからだ。
     奥さんが逃亡したあと、フォトの鞄からいつの間にか、試し撮りした白黒写真だけがなくなっていた。代わりに鞄のポケットには、何故か大金入りの封筒が入っていた。わざわざ説明するのも野暮な話だが、まあ何だかんだで記念写真は欲しかったのだろう。
     この先が問題だ。
     そう、捜査は終わったはずだった。
     何もかも、めでたしめでたし。
     良い話だったなーと、締め括られたはずだったのに、どういうわけかフォトの体に、再び捜査の魔の手が伸びてきたのだ。
    
    
     あれから、数日後のことだ。
    「フォトさん。ちょっとお話いいでしょうか」
     店の前に一台の車が止まり、チャイムが鳴らされ、フォトが玄関を開けると偉そうな警察がずかずかと踏み込んできた。
     背後に二人。若い部下を引き連れた偉そうな警察は、顔立ちが醜いので醜男とでもしておこうか。
     こいつらは普通の警察ではない。もっとヤバイ連中だ。
     巨大な犯罪や、重大な事件――、それこそ、国家を揺るがすような事件を取り扱う連中。この国ではなんと呼ばれているかは知らないが、いわゆる公安警察だ。
    「あなたから奥さんのもとへ、何かが渡っていることが判明しました」
     白黒写真がバレたわけではないのか?
     いや、もしかしたら、わかっているが余計な真実は伏せているのかもしれない。
     ――え、あの写真が?
     なんて、うっかり口にしようものなら、
     ――おかしいですね。写真、とは一言も言ってはいませんが。
     といった具合だろう。
    「ええっと、ですね。あなたがスパイと断定されたわけではありません。あくまでも容疑の段階ですが、つきましては――」
     醜男はつらつらと用件を述べる。
     つまりはこうだ。
     フォトから奥さんへと、『何か』が渡ったことが判明したので、実はフォトもスパイで、グルだったのではという疑いがかかっている。我々はあなたを疑っていますと、わざわざ伝えに来るなんて、どうぞ警戒して下さいというようなものだ。もしも本当にフォトがスパイで、しかも今から逮捕されるわけでも、軟禁されるわけですらないのなら、逃亡の猶予が出来るというわけだ。
     まあ、本当に逃げるかどうか試そうって腹なのだろうが。
     さらに話を聞いてみれば、どうもそういう目論みではなさそうだった。
    「疑いがかかっているわけですが、確認さえ済めば容疑が晴れるか、もしくは確定します」
     まとめるとこうだった。
     逃げた奥さんを追って情報収集をしていると、この国には過去にもスパイがいたことが明らかとなり、その特徴はフォトとよく似た容姿の少女だったとか。一度は捕らえて、身体検査によって隅々まで調べたが、どうも逃げられてしまったらしい。
     そして、見た目の特徴が似ているフォトがここにいる。
     そりゃあ、調べないわけにはいかない。
     服を脱がせて、以前捕らえた過去のスパイと同じ特徴はないか。つまり、同じ場所にホクロがあったり、そういったことを誤魔化すための整形手術の痕跡があればアウトってわけだ。
     フォトの生い立ちから考えれば、どこにもスパイをやる暇なんざない。
     別に逮捕とはならないだろうが、容疑を晴らす方法が問題だ。
     身体検査。
     全裸にして、隅々まで観察して、穴の奥まで特徴を確かめる。恥じらいある乙女ってものをある意味では殺しにかかっている。
    「おい。違法じゃないのか?」
     と、オレは言った。
    「裁判所から既に令状も出ています」
     ってことは、無理に逆らえばこっちが違法扱いか。
    「わかりました! その検査。受けます!」
     おい、いいのか?
     もちろん、良くないとは言っても、令状には逆らえないが。
    「どうぞ調べて下さい。自分の無実を証明したいです!」
     なんて馬鹿正直な。
     フォトの生まれた国では、『人類皆仲良し』とか、『愛は世界を救う』とか、現実離れした用地な戒律がたくさんあって、おおむね皆がそれを信じていた。
     だからフォトも、真面目に人を神事、人を疑わず、人を騙さず、人を傷つけず、全ての隣人を愛していれば、素敵な人生になるとしんじていたのだ。
     他意のない誠実な身体検査だと信じているのだろう。
     そりゃ、公安のやることだ。屑が素直な人間を騙して、いいようにしてやろうとしているわけではないが、もしも女の裸を見たいだけの屑が公安の中にいたとしても、フォトはその人を信用してしまうだろう。
    
    
     フォトが連れていかれた施設の部屋は、シミ一つない真っ白な壁に床に天井が広がって、いるだけでぼーっと心が病みそうだ。
    「では身体検査を開始します」
     醜男が言う。
    「はい!」
     フォトは素直に返事をしている。
    「ここで全裸になって下さい」
    「わかりました」
     茶色のチノパンに、薄手のセーターを、フォトは何の疑いもなく、だけど恥ずかしそうに脱ぎ始めた。
     醜男以外にいるのは、検査に関わる白衣の男が数人だ。
     醜男はここに立ち会うだけで、女の裸を医学的な意味で観察できるのは、白衣の男達だけなのだろう。
     セーターを脱ぐと、ブラジャー付きの上半身が現れる。チノパンを脱げば、白いショーツの尻が現れる。
    「いひ」
     醜男の奴、嬉しそうに顔色を変えやがった。
    「…………」
    「…………」
     対して白衣の連中は、実に事務的な真面目人間の表情で、フォトの裸を見ても欠片も興奮していない。
     ブラジャーを外して乳房を出すと、パンツ一枚の格好に。
     パンツも脱ぐと、いよいよ一糸纏わぬ姿だ。
     せめて大事な部分は手で隠していたいのが人情だろうに、フォトはバカ正直な気をつけの姿勢で全てを晒している。胸は丸見え、アソコの毛まで見られ放題。白衣どもは真面目だが、醜男の顔つきは、だんだんと言い訳の聞かないいやらしさになっていた。
    「うーむ。いいオッパイだ」
     ぐっと顔を近づけて、醜男はフォトの乳房を品評する。
     隠す気もないとは恐れいるが、フォトもフォトで、それが職務上の必要行為だとでも信じているのか。顔を真っ赤に染め上げて、恥ずかしいのも我慢しながら、どうぞご覧下さいとばかりに背中を反らし、胸を突き出している有様だ。
     どうしたものかとオレは迷ったが、醜男の下心など知らない方が幸せだろうか。
     しかし、こんな奴が公安警察で権力を持っているなんて、スパイが紛れ込んでいるよりも恐ろしい真実じゃないか?
     ポチっと。
     ボタンでも押すみたいに、醜男は人差し指をフォトの乳首に押し込んだ。
    「……ん」
     何やら我慢の声を漏らしたフォトは、醜男のご立派な職務行為を真摯に受け入れ、好きなように乳首を触らせている。
    「さて、調べろ」
     権限は醜男にあるわけだ。
     指示が出てから、初めて白衣の男達は動き出し、今度こそ『仕事』のためにフォトの裸を観察する。ほとんど点検だ。機械整備の人間がメンテナンスを行ったり、出荷前の商品チェックで破損がないかを確かめたり、そういう光景と変わらない。
     いたるところを触られていた。
     うなじに指を当て、肩の肉を掴み、背中を撫で回す。あらゆる部位に顔を近づけ、至近距離から観察する。
    「ホクロの一致は」
     その隣で一人だけ、書類を片手に突っ立っている男がいた。
    「背中、腕、いずれも一致無し」
    「手術の痕跡無し」
     検査を行う面子がそう言うと、そいつは書面にペンを走らせた。
    「乳房を確認します」
     そう言って、白衣の一人が両胸を鷲掴みにして揉みしだいた。
     実によーく確かめていやがる。細やかな指使いで、もっとじっくりいくかと思えば、用など一瞬で済んだとばかりに、すぐに揉むのをやめてしまった。
    「どうですか」
    「豊胸などによる胸ではありません」
    「触感の一致は」
    「書面にあったスパイの乳房の感触と酷似して、もっちりとした弾力にあたるものの、乳首の色合いが異なります」
    「では脚をお願いします」
    「了解」
     どれだけ事務的なやり取りだ。
     それはそれで嫌なものだと思うのだが、フォトは真面目な顔であり続けている。この光景を眺める醜男だけが、楽しいものを見て喜ぶ表情でおいでなわけだ。
     太もも、膝、ふくらはぎ、足の甲から裏側まで、くまなく観察と触診を行うが、スパイとのホクロやアザの一致とやらはいずれも無し。
     しかし、どこまでフォトは正直なんだ。
     だんだんと、体全体が硬直して、表情も見るからにこわばって、まるで痙攣してるみたいに震え始めた。顔の染まりっぷりも、いつの間にか耳まで及んで、もうジュワっと顔から蒸気が噴き出ておかしくない勢いだ。
     それでも、フォトは素直に耐えている。
     真っ直ぐに姿勢を保って、検査を妨げないように背筋もピンと伸ばしている。恥ずかしがったり、手で隠したり、身じろぎすれば、検査がやりにくいはずだと思っているからだ。
    「下腹部に移ります。自分の足首を掴んで下さい」
     本当に配慮がないな。
     フォトがどんな気持ちかわかっているのか。ひょっとして、こいつらは本当に商品か何かの点検と同じつもりでやってるのか。真面目さが勢い余って、恥じらいだとか、人の尊厳といったものを忘れてはいないか。
     しかも、ポーズもまずい。
     全裸の女が自分の足首を掴むってことは、体を前屈状態に折り畳んで、丸出しの尻を高らかに掲げることになってしまう。
    「わかりました」
     言うまでもなく、フォトは素直に従うだけだ。
     尻の割れ目が左右に開ける姿勢だから、フォトの肛門が視線に曝け出されている。醜男はわざわざポジションを移動して、好みのアングルから眺め始める。
    「肛門の皺の数は」
     書類片手の男が尋ねる。
    「確認します」
     と、白衣の一人が尻の穴に顔を接近させた。
     さすがにフォトもやばいだろう。
     あれだけ至近距離に顔があったら、呼吸の息もかかってくるし、じっくりと観察してくる視線の気配も如実に違いない。
     一本、二本などと声に出し、本数をカウントして数えている。
    「本数不一致。色合いも一致しません」
     カウントした本数に対して、書類持ちの男はデータを確認しながら答えた。
    「性器を開きます」
    「サーモンピンクと一致しますか」
    「一致しますが、膣口の形状が異なります」
    「スパイの膣口は数センチ程度の極小の穴でしたが、サイズが違うと」
    「はい。それよりは広く、指が二本以上入ると思われます」
    「了解した」
     とはいえ、これで終わったか?
     顔の目や鼻から始まって、手足の指の一本ずつから、穴の中まで確かめたんだ。しかも不一致が多いのなら、もう十分なはずだろう。
     オレはそう思ったが、
    「待て」
     醜男が余計な思いつきを顔に浮かべた。
    「私がそれを確かめよう」
     なんと、醜男の奴。
     本当に指が二本以上入るかどうか。確かめるために挿入しやがった。
    「んくぅ……!」
     準備無しでの挿入だ。
     フォトは苦しそうな声を上げた。
    「なるほど、まずは一本目」
     醜男はご丁寧に左手を尻に置き、丹念に撫で回しながら、右手の中指を出し入れする。それが済んだら一度引き抜き、人差し指と中指を同時に挿れ、ピストンを行いやがった。
    「あっ、くぅ……!」
     畜生、フォトが嫌がっている。
     もう耐えることはないんだぞ?
     もう我慢しなくていいんだぞ?
    「ほうほう。これはいけない穴ですなぁ?」
     ほれみろ、醜男は下心を隠してもいない。
    「ま、まだ……私の無実は……」
    「ああ、もうちょっとで晴れるよ」
    「あっ、あぁ……ありがとう……ございます……んんぅ……!」
     ありがとうじゃないだろう。
     そいつがやっているのは、もうただの手マンじゃないか。尻をナデナデと可愛がっていやがる左手の動きも、おかしいとは思わないのか。
    「おい!」
     たまらずオレは声を上げた。
    「なんだね?」
    「何もかも不一致。指も入った。別人だってわかっただろう」
    「ま、それもそうだ」
     醜男は不満そうに切り上げて、フォトの膣内から指を抜く。
    「おめでとう。これで君の無実は晴れたよ」
     何がおめでとうだ。
     最後まで偉そうなやつめ。
    「よかった。私、スパイじゃないって!」
     そんなこと、オレは初めからわかっているが。
     最後までフォトは誰一人疑わず、本当に容疑が晴れたことを喜ぶ顔で、この場所から去ることとなったのだ。
     ったく、なんであんな男が公安に?
     この前の連中は、もう少し良心的だったはずなんだが。
     案外、あいつもスパイか?
     というより、組織を内側から腐らせるガンかもしれないな。本当に味方な分だけタチが悪い。いっそ敵か何かの方がマシだろう。
    
    
    


  • 入国身体検査の国-キノ-

    
    
    
     森には一本の道があった。
     広大な緑を二つに等分するように、真っ直ぐ通った長い道は、頭上が葉っぱの天井で覆われている。快晴の木漏れ日が暖かく降り注ぎ、風がそよいで心地良い道となっている。
     一台のモトラド(注・二輪車。空を飛ばないものだけを指す)が、道を真っ直ぐに進んでいた。後輪の両脇と上に、旅に持つを満載している。かばんの脇に引っ掛けられた、銀色のカップが揺れていた。
     運転手は白いシャツに、胸元を開けて黒いベストを着ていた。腰を太いベルトで締めて、右腿にはハンド・パースエイダー(注・パースエイダーは銃器。この場合は拳銃)のホルスターがある。腰の後ろにも、細身の自動式をつけていた。
     黒髪の上に鍔のある帽子をかぶり、ゴーグルをしていた。
     その下の表情は若い。十代の半ばほど。
    「城壁が見えてきたね。キノ」
     走りながら、モトラドが突然言った。
    「ああ、見えた。もう少しで着くみたいだな。エルメス」
     国を取り囲むための城壁が、森の中からドンと大きく聳えている。最初は遠く小さく見えた城壁が、今はだんだん近づいていた。
    「あの国は身体検査が厳しい。だっけ?」
    「厳しくしておくことで、スパイとか悪人の入国を萎縮させる効果がある。とか、前の国にいた人は言っていたな」
    「裸にされて、尻の穴まで探られて、最後は写真もパシャパシャ撮られるってね。すごく恥ずかしそうだけど、キノは受けるの?」
    「……まあ、嫌だとは思うけど、そうしないと入国できないだろうから」
     キノと呼ばれた運転手は、城門へ向けて速度を上げた。
    
    
    「人権侵害よ! 女性にまで全裸を要求するなんて、どうかしているわ!」
     城門外側にある小さな詰め所で、番兵兼入国審査官と、一人の女が言い争っていた。
    「規則は規則ですので」
    「だったら! その規則を作ったのは誰よ!」
    「我が国の政治です」
     女は気性の荒い様子だが、審査官の男は冷静で淡々としている。
    「どうせ政治家が民意を無視したんでしょう? でなければ、そんな横暴で下品でハレンチな身体検査がまかり通るわけがないわ!」
    「規則は規則ですので」
    「じゃあ、どうしろっていうのよ! 他に行ける国もないのに、野宿でもしろっていうの?」
    「ですから、人権や羞恥心などへの配慮のため、旅人にご宿泊頂くための宿が、城壁の外の方にございます」
    「何よそれ! 外で寝ろってこと?」
    「そちらの宿では十分な施設を提供し、料金の方もお安くさせて頂いております」
    「ふん! いいわ! 今日のところはそっちに泊まらせてもらうけど、また抗議に来させてもらうんだから! 待ってなさいよ?」
     怒った女はぷいっと振り向き、すたすたと審査官から去っていく。
    「あら、あなたもこの国はやめた方がいいわよ? とんだ変態なんだから」
     キノに向かって、女はそう言い残した。
    
    
    「移住希望ですか? それとも、旅の途中の一時滞在ですか?」
     女と入れ替わるようにして、キノは審査官の元へ歩み寄る。
     自分達は後者で、三日間の滞在を希望すると伝えた。
    「この国が、精密な身体検査を実施して、衣服や所持品はもちろんのこと、全裸のボディチェックを実施していることはご存知ですか?」
     審査官が、念を押すように尋ねて来る。
     キノは頷いて、
    「何故厳しいのか。理由を聞いても構いませんか?」
     と、尋ねた。
    「旅人が危険な人でないかを調べるのはもちろんですが、主な理由としては、スパイや犯罪者など、悪質な入国者の入国を萎縮させるためですね。この国から数キロほど離れた場所には、我が国を敵視する敵対国がありまして、たびたび工作員を送ってきますので」
    「なるほど」
    「さきほどの女性にも伝えましたが、人権上の配慮という問題もあります。もし全裸で細かい部分まで調べる身体検査を拒否なされたい場合は、城壁の外にも宿を設置しております」
    「わかりました。一日目はそちらへ行ってみようと思います。一日考えて、決心がつくようならまた来ます」
    
    
    「いい宿だな」
     キノが、エルメスから荷物を下ろしながら言った。
     部屋の中は、ふんわりとしたソファに、清潔で柔らかそうな真っ白なベッド。壁には電気スタンドと扇風機が置かれている。
    「そう? なんか普通だけど」
     部屋の隅にセンタースタンドで立つエルメスが答えた。
    「そう、普通なんだよ。普通に綺麗で、ベッドとソファは使い心地が良くて、掃除も行き届いているし、料理も美味しい。普通に充実している」
    「つまり?」
    「城壁の外に建てたにしては、十分に整っているってこと。下手をすれば、他所の国のホテルよりも高級だ」
    「あ、なるほど。身体検査なんて受けられない、って人を外に放り出しておくための宿だから、もっとオンボロで壁も床も穴が開いてて、ベッドもしちゃくちゃで黄ばんでて、そこらじゅうにネズミとか、ゴキブリとかがいるのを期待いてたんだね。残念」
    「いや、別に期待はしてなかったけれど……」
     キノは荷物をベッド脇におろし、ホルスターを外してベストを脱ぐ。
     その時だった。
    「離して! 離しなさいよ!」
     隣の壁の向こうから、さっきの女の声が聞こえてきた。
    
    
     キノが大きな音を気にして部屋を出ると、さきほど審査官に文句を言っていた女が、両脇を二人の番兵に抱えられ、廊下から連れ去られている最中だった。
    「何よ! 何だっていうのよ!」
     女は髪を振り乱して、ひたすら吼えている。
    「あなたにはスパイ容疑がかかっています」
    「スパイ? そんなのデタラメよ!」
    「話はあとで聞きましょう。その際に弁護士を立てることも可能です。一旦、留置所まで同行して頂きます」
     淡々と言って、二人の番兵は女を引きずって行く。
    「どうなされたんですか?」
     もう一人の番兵が廊下が、女の部屋から出てきたのを見て、キノは尋ねてみた。
    「どうもこうもスパイだよ。ま、まだ容疑段階なんだけどな」
     番兵は肩をすくめて呆れながら答えた。
    「先程、入国審査官の方に文句を言っているのを見ましたが」
    「ああ、そういう奴なんだよ。ここから西にある国が、領土を拡大しようと隣国に工作員を送り込むんだ」
    「続けて下さい」
    「服も所持品も全てチェック。全裸になった体にもボディチェックをするような厳しい検査があったら、敵国の工作員にとって都合が悪いから、女性団体のフリをして廃止させようって魂胆なんだ」
    「なるほど」
    「アンタも身体検査は無理って口か? たまにいるんだよな。ま、スパイなのかただ恥ずかしいのかは知らないが、この宿からでも旅に必要な品物は注文できる。注文雑誌みたいなリストがあって、そこから選んで受付に頼めば、わざわざ国の中から商品を運んできてくれる仕組みというわけさ」
    「それは便利ですね」
    「ああ、便利だろう? スパイを萎縮させる上、旅人への対応もきちんとできる一石二鳥だ」
    「中はどんな国なんですか?」
    「どんなって、普通に平和な国だよ。この国では歴史ある建造物が観光地になっていて、それなりに楽しめる酒場とか風俗宿があって、商店街はそこそこ賑やか。これといった特徴らしい特徴は別にない」
    「そうですか」
    「俺は他に仕事があるから、忙しいからこの辺でな。あばよ」
    
    
     二日目の朝。
    「入国してみるよ」
     キノはエルメスに言う。
    「へえ! てっきり、恥ずかしいからもうやめたのかと思ったよ」
    「まあ、そうなんだけれど……。全裸になるなんて、本当は受けないにこしたことはないけど、必要な品物はちゃんと自分の目で見て選びたい」
    「粗悪品なんて掴みたくないからね」
    
    
     入国審査官の元を訪れると、キノは検査用の別室へと案内された。
    「所持品を全てチェックすることになりますので、まずはそちらのモトラドと、かけてある荷物を拝見することになります」
    「分解とかしないでよね」
     エルメスが言った。
    「理由がなければ分解はしないでしょう」
    「武器の持ち込みは制限されていますか?」
     きっぱりと答える審査官に、キノは尋ねた。
    「護身用に携帯自体は許可しています。ただし、種類や口径など、所持している種類に関しては全てチェックし、書類にまとめ、国内で犯罪が起きた時のための捜査資料として、ここに記録が置かれることになります」
    「わかりました」
     キノは持っていたパースエイダーとナイフを全て渡した。
    「こちらへどうぞ」
     さらに別室へ案内された。
    
    
     キノは全ての衣服を脱いで、一枚一枚をテーブルに置く。
     全裸になって、両手で胸とアソコをそれぞれ隠した。
    「特に何もありませんね」
     審査官はシャツやベストを調べていき、ポケットの中に何か仕込んではいないか。布を二重にすることで、危険物をこっそり持ち込もうとはしていないか。そういうことについて、一枚ずつ丁寧に確かめている。
     さすがに時間がかかるため、衣服を調べているあいだ、キノはずっと全裸のまま両手で恥ずかしい部分を隠し続けていた。
    「こちらはどうでしょう」
     審査官は目の前でショーツを持ち上げ、その柄や色についてコメントを口にする。堅苦しい論評を読み上げるような口ぶりで、地味めなグレーの無地、リボンがついている、まだ少し体温が残っているなど、キノにとっては恥ずかしいことばかりを述べてきた。
     裏返しにして、おりものの染みまでじっくり観察され、キノは真っ赤に染まってしまった。
    「身体を調べます。両手を横に下ろして下さい」
    「……はい」
     キノは気をつけの姿勢を取ると、審査官は肩やうなじに触り始める。腰に太もも、ふくらはぎやアキレス腱。いたるところを撫でたり揉んだり、皮下に何かが隠されていないかを調べ始めた。
     口や鼻、目や耳などにもライトを当てる。
     そして、審査官の手の平はキノの乳房を包み込んだ。
    「あ、あの……」
    「何でしょう?」
    「いえ、早く終わるといいなと思いまして」
    「ええ、じっとして頂ければ、可能な限り早く終わります」
     審査官はあくまで事務的な顔をしているが、キノの控えめな膨らみにべったりと手の平を這わせたまま、何度も何度も指に強弱をつけて揉んでいる。やがて乳首が突起して、審査官の手の内側をつつき始めた。
    「あの……」
    「乳首が立っていらっしゃいますね」
    「……そうでしょうか」
    「はい。とても硬くなっています」
     審査官は乳首をつまみ、つねるようにして弄ぶ。人差し指で何度も上下に弾き続けて、また乳房全体を揉みしだく。しばらく揉んだら、再び乳首に集中して、審査官は十分以上かけてキノの胸を触り続けた。
    「とても、時間をかけるんですね」
    「はい」
    「下心を疑われたりはしませんか?」
    「そうですねえ、女性団体を名乗る声はありますが、敵国にとって都合の悪いものを潰そうとする工作活動でしょう」
    「……そうですか」
     次に性器を調べるというので、審査官の指示に従って、キノはテーブルの上に横になる。天井にM字開脚を向けるようにして、審査官はキノのワレメを指で開いて観察する。
    「よい色合いですね」
    「そう言われましても……」
    「指を入れますので、動かないで下さい」
    「はい」
     審査官は中指を立て、キノの膣口へ挿入する。男の指が膣内へ侵入してくる異物感に、キノはなんとなく身をよじり、恥ずかしさで顔をみるみる赤らめた。
    「血色の良さから、健康的な肉ヒダと言えますし、中身もとても温かい。キノさん。これは名器ですよ」
     といって、審査官は指を出し入れする。
    「あの……」
    「膣壁を調べています」
     審査官は探るような顔つきで、膣内を指の腹で擦っている。
    「……そうですか」
     何かを言いかけていたキノは、諦めた表情で耐え忍ぶ。審査官は指をグリグリと回転させ、膣壁のいたる部分を触りながら、何度も何度もゆっくりと、時間をかけて指を出し入れさせ続けた。
    「四つん這いになって下さい」
     キノは黙って従う。
     審査官は突き出された尻たぶを両手で鷲掴みにして揉み始める。手の平全体に強弱をつけ、丁寧に揉みしだき、尻の感触を味わい続ける。最初は指先で何かを探り、皮膚の内側に隠されたものがないかをチェックしている動きに感じたが、だんだんと単に揉みしだいているだけの手つきになっていた。
    「……うぅっ」
     キノは静かに耐えた。
    「張りがあり、弾力も強く、とても良いですね」
    「……褒められても、困ります」
     それだけ言って、耐え続けた。
     審査官はなおも揉み込んで、しばらくすると撫で回す。手の平全体が触れるか触れないかの加減で、丸い尻の表面を何度も何度も、撫で回す。
     キノの顔は赤かった。
    「さて、ワセリンを塗って……」
     そして、肛門に指を挿入した。
    「あぅぅ…………」
     キノは異物感に声を上げた。
     にゅぷり、にゅぷりと、審査官の指が出入りして、肛門の中身を探っている。
    「いま、お尻にキュっと力が入りましたね?」
    「……いえ」
    「いいえ、確かに入りました。キュンといった具合に引き締まり、あなたの肛門括約筋が私の指を締め付けました」
    「……」
    「さて、これから肛門の皺の本数を数えます。動かないで下さいね?」
    「……はい」
     審査官は指を引き抜くと、四つん這いの尻たぶを両手で鷲掴みにして、ぐっと穴に顔を近づけ至近距離で視姦して、声を出して数え始めた。
    「いーち、にーい――」
     とても元気にカウントを重ね始めた。
    「うぅ……」
    「さーん、しーい」
     無邪気な笑顔で、とてもとても楽しそうに、審査官はキノの肛門の皺の本数を数えていました。
     それが終わると、今度はスリーサイズの測定が始まった。審査官はメジャーを伸ばして巻きつけて、バスト、ウェスト、ヒップの順に計った数値を「○○センチ!」と、いちいち大声で読み上げた。
     ノギスで乳首と乳輪のサイズを測った。
     アソコの割れ目と、クリトリスのサイズも測った。
     肛門の直径も計った。
     写真撮影に移ると、まずは直立不動の姿勢で正面から一枚撮り、その次に左右から撮り、背面からの写真も撮ると、乳房、アソコ、お尻のアップまで写し撮り、肛門さでもを写真の中にきっちり収めた。
    「キノさんのスリーサイズは上から○○センチ・○○センチ・○○センチ」
     審査官は書類に書き込んだ内容を読み上げる。
    「…………」
     キノは全裸のまま、自分の測定データの発表を聞かされていた。
    「乳首は○○センチで、乳輪は○○センチ」
    「……」
    「性器の割れ目は○○センチ! クリトリスは○○センチ!」
    「うぅ…………」
     俯いたキノは真っ赤な顔から煙が出そうなほど、激しく恥らっていた。
    「肛門の直径は○○センチ! 皺の本数は○○センチ!」
    「す、全て知られた……。ボク自身も知らなかったことが全て……」
     やっとのことで服が返され、キノは元の服装に着替えていく。
     その目の前で、審査官は書類をまとめ、カメラを持って検査部屋から出て行った。これらの書類は写真と共に保存され、特に理由がない限り、国が滅びでもしない限り、永遠に破棄されることはないのだとも言っていた。
    
    
    「あなたは旅の人?」
     パースエイダーを腰に吊るした強そうな女の人が、エルメスを引いて歩いていたキノを見つけて声をかけた。
    「ええ、まあ」
    「その通りだよ!」
     キノとエルメスは同時に答えた。
    「ということは、あなたも検査を受けたのね?」
    「……ええ、一応」
     女の旅人は半ば怒っている様子で、
    「私もなの。旅をしていて、補給が必要で、しょうがないから入国を求めたら、あんなに厳しいとは知らなかったわ」
     プンスカと撒き散らす。
    「隣国のスパイ対策と聞いていますが」
    「たぶん、この検査はずっとなくならないでしょうね」
    「といいますと?」
    「そう、スパイ対策よ。だから厳しくしているの。なのにそれを撤廃させようとして、女性団体のフリをした工作員が、声を高々に上げていつもいつも抗議しているのよ?」
    「なるほど、よくわかりました」
     それだけ聞いて、キノはすっかり納得していた。
    「え? キノ。どういうこと」
     エルメスが尋ねる。
    「つまりね、エルメス。こちらの国は女性団体が工作員の集まりだって見抜いているから、撤廃させようとする抗議が続いている限り、ずっとずっと撤廃されないと思う」
    「ほうほう」
    「もし、あの検査方法が緩むとしたら、抗議の声が鳴りを潜めて、スパイへの警戒を緩めてよしと判断が下されて、それからになると思う」
    「じゃあ、そんな日は来ないね!」
    「さあ、わからないけど。来るとしても、ボク達には関係ないくらいの未来だろうね」
    
    
     さて、その国の帰りだった。
    「出国時にも検査はあるというわけですね」
     キノは再び全裸にされ、審査官に体中を触られていた。腰を撫で、胸を揉み、尻へのタッチを行う審査官の手は、全て検査のためのものなので、反発することはそのまま国に逆らうことと同じになる。
    「確かにキノさんですね。いえ、これは本人確認ですので」
     といって、審査官はずっとキノの身体を触り続けた。
    「あの、早くして欲しいです」
    「いえいえ、慎重に確かめる必要がありますから。あ、それとスリーサイズと乳首と乳輪とアソコと肛門のデータを照合しないといけませんね」
    「…………」
     ずっとずっと、イタズラは続いた。
    
    
    「ボクはわからないという言い方をしたけど」
    「うんうん」
    「あれは訂正する。撤廃の日は永遠に来ない」
    「だね! あれじゃあね!」