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  • 校長の脅迫/フェラチオ 01

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     黒崎麗華の所属する剣道部は、当たり前だが女子部員も多くいる。麗華の凛々しい容姿は可愛らしさよりも格好良さが際立って、高い学力と全国優勝の実力を誇っている。そんな美人な先輩に憧れが集まるのも自然なことだ。
     例えばバレンタイン。
    「あのっ、先輩! これどうぞ!」
    「私からも!」
    「私もこれ、作ってきたんです!」
     麗華は下手な男子よりもチョコレートを獲得する。無下にするのも失礼だが、部員だけでなくクラスメイトからもチョコは集まり、十個も二十個も渡されては食べきれない。やむを得ず弟や妹に分け与え、家族で食べるという方法でしか腹に収めきれなかったりする。
     例えばラブレター。
    『先輩は男の子なんかよりも勇ましくて、とっても素敵で憧れます』
     女の子が切ない気持ちを綴った文面が、ある日下駄箱に入れられていた事がある。やはり無下にするのは悪くて手紙は読むが、同性愛の気がない麗華は女同士では付き合えない。嬉しい事は嬉しいが、手紙で指定されていた体育館裏での告白は断らざるを得なかった。
     それから、部活動。
    「すみません先輩! ちょっとコツをお聞きしたいんですが!」
    「待って! 私が先よ!」
    「えー。あなたこの前二人っきりで指導受けてたじゃない!」
     麗華一人に女子部員が殺到し、教えてもらう権利を巡って言い争いを繰り広げる。
     困らされる事はしょっちゅうだが、慕ってもらえるのは悪くない。自分が素晴らしい先輩になれている実感に繋がるし、後輩に恥じぬようより精進してやろうと、自己を高めるきっかけにもなる。
     だから、本当のところ嬉しかった。
    
    「あの、相談があるんですけど……」
    
     悩みを抱えた一年生が麗華を頼ってきた時、真っ先に自分のところへ来てくれたのが妙に嬉しく思ってしまった。きっと本人は真剣に悩み、考えていることがあるからこそ、相談をしにきたのだろうに。それを嬉しく感じる不謹慎さを我ながら戒めた。
    「どうした? なんでも聞こう」
     思い切って悩みを打ち明けようというのだ。親身になり、できる事があれば力になるのが筋というもの。
    「それなんですけど、他の人にはどうしても秘密にして欲しくて……」
     よほど言いにくいことなのか。一年女子は躊躇って、詳細を語るよりも先にそう言った。表情にも元気がなく、いかにも深刻といった雰囲気が気にかかる。
    「わかった。秘密にする」
    「あ、ありがとうございます。それでその、相談なんですけど。セクハラが……」
    「セクハラ?」
     麗華は瞬時に目を細めた。
    「信じてもらえないかもしれませんが、校長先生がその……あの……」
     思春期の少女が暗い面持ちとなって、本当に言いにくそうにしながらも、重い口を動かして話そう話そうと頑張っている。勇気を振り絞っているに違いなかった。
    「うん。私は何でも信じる。私が味方だぞ?」
     麗華は相手に目線を合わせ、できうる限りの優しい声で肩を叩く。
     これはデリケートな問題だ。
     いつもハキハキしている少女が、傷ついて元気を失った顔をしている。校長というのは確かに信じがたい部分だが、淫行を働いた教師の事件を何かのニュースで見たことがある。頭ごなしに否定するわけにはいかない。
    「あの……私、その……えっぐ、うっ……」
     話すどころではない。
     涙ぐんだ少女は瞳に溜め込んだ雫を放出し、声を上げて泣き出した。
    「お、おい! 何があったんだ!」
     宥めるのに必死になった。優しく肩を抱き寄せ、頭を撫で、傷心の少女を包んで言葉の限りを尽くして慰めた。泣き止むまでには時間がかかったし、泣き止んだからすぐに話ができるというわけでもない。実際に相談内容を詳しくきけたのは、さらにしばらく時間が経ち、落ち着きを取り戻したあとのこと。
     初めに話を切り出されてから、一時間以上は経ってようやく本題に触れかけていた。
    「校長先生に呼び出されたと思ったら、いきなり体を触られました。嫌な事をいっぱいされたんです」
     言葉の上では、触られた、嫌な事をされたとしか言っていない。
     しかし、その深刻な顔を見れば察せられる。
     彼女はおそらく、軽いタッチでは済まないような酷いことをされたのだ。内容を詳しく想像したいとは思わないが、胸やお尻は揉まれただろうし、服を脱がされた可能性もある。犯された可能性さえ頭をよぎるが、本人が詳しく語らない以上は想像の余地を出ない。
    「わかった。私が力になる。約束しよう」
     麗華は小指を差し出して、指切りを結んで誓いを立てた。
     部長として、大事な後輩は必ず守る。
     だが、相手は校長。
     少女が語った言葉以外に何か証拠があるでもなく、そもそも話してもらった内容自体が受けた被害の詳細をぼかしている。詳しく喋らせる必要を感じた反面、そんな事を口にするなど辛いだとうとも思えてしまって、聞くに聞けずに終わってしまった。
    
     その翌日のことだった。
    
    「えーと、麗華。校長先生がお前に話があるそうだぞ」
    
     担任から呼び出しが告げられたのは……。
    
    
    


     
     
     


  • 黒崎麗華シリーズ

    黒崎麗華とは
    このサイトで掲載している『中学剣道少女~恥ずかしい穴まで身体検査~』の主人公です。
    作品としては2013年07月20日をもって完結としましたが、作者としてもお気に入りのキャラクターであるため、今後はサイドストーリー、if展開、後日談のような形で続行していくことに決定しました。

    といっても、やはり本来は完結した作品ですので、新作エピソードの公開は完全に不定期です。
    また、身体検査という縛りは無くすので、新作は検査羞恥とは限りません。
    第一作と関連性のあるストーリーとも限りません。

    麗華について知りたいこと、見てみたいエピソードがあればリクエストにて受付。
    (もちろん必ず答えられるわけではありませんが)

    中学剣道少女~恥ずかしい穴まで身体検査~
    全てはここから始まった・・・!
    というと大げさですが、これが公式原作のようなポジションになっていきます。
    所詮ネットの個人作品なので、「公式」というほどオフィシャルっぽさはないでしょうが。
    基本的なキャラクター像、スリーサイズなどのプライベートな数字情報は全てこちらに。

    黒崎麗華のオナニー生活
    麗華はどんな時に自分のアソコを触っているのか。
    いや、そもそもこの子はオナニーなんてするのか。
    性生活が明らかになる短編です。

    始に攻められる麗華
    本編登場の竹内始に色々されまくる麗華の話です。
    麗華はその後どうしているのか、正式な後日談に当たります。

    校長の脅迫
    時間軸は本編後ですが、if展開なので正式な時間軸というよりパラレルです。
    淫行を働く校長によって脅迫され、いいようにされてしまいます。


  • 催眠マナー教室における社会奉仕

    【催眠実験記録 マナー教育】
     我が『機関』は電波による催眠や常識の改変など、いわゆる催眠アプリに必要とされる機能やシステムを開発しているが、今回はその試作品を活用して、実際に常識を書き換えた『講習』を実施したものである。
     
     
    第1話
    第2話
    第3話
    最終話
     
     


  • 第3話「お風呂場プレイ」

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      お互いに熱いシャワーで身体を濡らし、この浴室は湯気の白さで満たされている。息を吸えば熱い水蒸気が流れ込み、吐いた息はきっと湯気の一部に変わっている。鏡はすっかり曇って顔も見えない。
    
     むにゅるぅぅぅぅ――。
    
     健太の背中には、麻里の柔らかい乳房が押し付けられていた。張りの良さでか、皮までは硬く丈夫で、しかし中身の肉はふんわりと潰れやすい。揺らせばプルプルと変形するも、元の形を維持しようとする皮膚の力がとても強い。
     そんな健康的な乳房が、白い泡の塊をたっぷりまとい、スポンジ代わりとなっていた。
    「これ面倒臭い」
    「まあそう言うな」
     背中の肌に意識をやれば、半勃ちほどの硬さとなった乳首が、皮膚をつついてくるのが感じ取れる。
    「だって、どうせセックスするんでしょ? 最初からベッドでいいじゃん」
     肩に両手を置いて、しがみつくように身体を押し当てている麻里は、肩甲骨から背中の中央のあたりにかけて、乳房を上下に往復させている。
    「それじゃあ、ソーププレイにならないだろう」
    「お父さんが気持ちいいだけで、親子の交流にはならないと思います」
    「なんだ。お前も気持ちよくなりたいのか?」
    「そういうことを言ってるわけじゃないし……」
    「わかっている。父から娘への愛は、きちんとベッドで表現してやる」
    「愛は愛でも、娘に欲情する変態愛ね」
     麻里としては、文句を言いたいばかりに耳を近づけてきたのだろうが、密着度合いが増すことにより、ゴムボールじみた弾力が背中の上で潰れてくる。声を放った息は耳の後ろへと吹きかかり、かえって健太は興奮した。
    「変態はないだろう」
    「娘にこんなことをさせて、変態じゃなかったらエロオヤジ?」
     麻里は両手で肩を洗い、すぐに両脇へ移ってからは、腋毛に泡を与えるようにくすぐった。
    「そういうな。お前のおこずかいは給料制なんだからな」
    「はいはい」
     両手は胸板へ回ってきて、手の平が胸筋を這い回る。耳の後ろにある顔から、熱い吐息が吹きかかり、背中にあたる乳首の突起はもう少しだけ硬くなっていた。
     麻里のおこずかいシステムは、基本料金の上に稼いだ金を上乗せしていくものだ。性処理を行うごとに給料ポイントが増えていき、それに合わせて支払ってやる。システム上は働かなくても一定額は貰える麻里だが、健太の方から頼んでやらせるので、結果的には毎月支払う給料は上がっていく。
     基本料金に関しては、定期テストで九十点以上を取った枚数によって変動させる。わかりやすく勉強にやる気を出してもらうためだ。元よりきっちしりている麻里なので、必ずどれか一教科では満点を取っていた。
     腹の上まで洗い終わると、今度は両腕に泡が塗られる。二の腕を両手に包んで下へ下へと、やがて指の一本一本にかけてまで丁寧に洗ったあとは、椅子から尻を浮かせて臀部も洗う。
     足を洗う段階になると、麻里は健太の前側に移り、お仕えする家来のように太ももから膝にかけてをマッサージしてくれる。すねとふくらはぎもよく洗い、足の裏と指の隙間にも泡を塗り込んだ。
     そして、最後に残るペニスへと両手が移ってきた。
    「ふぅー……。やっぱり、金曜日はこれに限るなぁ?」
     睾丸をくにくにと揉み回し、その手が竿を洗い始める。
    「十三日の金曜日に限ってお風呂プレイだよね」
    「そうか? そういえば今日は十三日か」
     泡のヌルっとした滑りによって、麻里の右手がよく動く。
    「んで、明日はお父さんとのデートに付き合わされて、挙句の果てにはラブホテル」
     根元を握り支える左手が、揉むような指圧を加えている。右手の親指と人差し指で出来たリングがカリ首かかり、つまずきがちに上へ動いて、またカリ首を締める位置に戻ってくる。
    「好きな洋服でも買ってやるから」
     少しは機嫌を取らないと、フェラチオのときに歯を使いかねない。
    「あー……。それと、日曜日は許してね。友達と会うから、これ以上プライベート潰したらマジで出てくから」
    「わかったわかった。日曜日は好きにしなさい」
    「よかった。たまには呪縛から解き放たれないとね」
     呪縛とはあんまりだが、麻里は乳房を押し付けて、柔らかい谷間にペニスを挟む。泡だくの乳房で丹念にしごいてくれるので、快く許すことにした。
    「はぁー。快楽快楽」
     二つの弾力に圧せられ、抱き込まれた健太のペニスは、上下のしごきに合わせて谷間の亀頭を見え隠れさせている。
     とても活発な奉仕といえた。
     いつもの面倒臭そうなしごきと違い、もう少しだけやる気を持って、挟み込む圧力に強弱をかける刺激を行っている。
    「ねえ、口も使うの?」
    「ああ、頼む」
    「おこずかい。頂戴ね」
     要はそういうことだ。
     お金を持って自由に遊べる日曜日が待っているから、おかげで気力が沸いて来て、今日は機嫌が良いわけだ。
     麻里はお湯で泡を流して、湯濡れの肉棒をぺロリと舐める。
    「おぉ……」
     感嘆したくなるほどの刺激。
    「んっ、んじゅぅ――」
     麻里は自分自身の乳房に顔を埋め、亀頭を咥えながら乳圧をかけていた。大きく横に広がる舌が、赤黒い下弦を包み、小刻みな乳奉仕に合わせて上下している。
    
     ――ぺろっ、ぺろっ、ぺろっ、ぺろっ、ぺろっ、ぺろっ、ぺろっ、
    
     技のバリエーションを変え、鈴口を丹念に舐め続ける。唾液がしだいに塗られていき、思い出したようにパイズリに集中して口を離しては、またしばらくすると舐め始める。
    「ちゅっ、ちゅぅぅぅぅ――」
     カウパーを吸うことも忘れない口技を堪能しながら、健太はふと思い返していた。
     娘と風呂に入らなくなったのは、麻里が小学校に上がった頃から、しばらくの話である。父娘としての馴れ合いが減るのは寂しいが、いずれ身体の成長が始まっても一緒に入り続けるわけにはいかなかったので、名残惜しいがだんだん回数を減らして自然消滅的にやめていた。
     本来なら、娘の裸を最後に見たのは六歳あたりということになる。
     ペドフィリアなどいるらしいが、当時の健太には女児の体に欲情する発想自体が存在していなかった。
     単なるどこの家庭でもある親子風呂。
     だが、今となっては麻里の美乳の育ち具合も、尻のサイズも把握している。乳首は綺麗な桜色で、アンダーヘアーの手入れは丁寧。使い込んでもビラがなかなか醜くならないアソコも艶かしい。
    「ねえ、お父さんってなかなかイッてくれないよね」
    「すぐに出したら勿体無いからな」
    「違う違う。天国」
    「なんだって」
    「っていうのは冗談だけど、こっちはさっさと済ませたいっていうのに……」
     麻里にとってのセックスの位置づけは、非常に面倒な家事といったところか。普通はもっと虐待に苦しみ、悩み、塞ぎこむのかもしれないが、健太がDVなど行えば、迷いなく児童相談所に行きかねない性格の麻里が、ただ不貞腐れ気味の顔になるだけで済ませている。
    「早く本番がしたいか?」
    「んなこと言ってないし。噛むよ?」
    「……すまんすまん」
     軽く謝ると、麻里は完全なフェラチオに移った。
    「んじゅるぅ――ずるぅ、じゅずっ、むじゅるぅぅ――――」
     ヨダレの音のよく聞こえる口使いで、健太のペニスは上下にしごかれ、より一層の快楽が根元から溢れてきた。
    「おおっ、麻里……!」
     ぺったりと張り付く麻里の舌が、裏筋を前後に這っている。筋肉を駆使した唇の締めが、しごきに伴い根元から亀頭にかけてを往復して、時折先走り汁を啜っていた。
    「ほんと、硬すぎ」
     一旦口を離した麻里は、鈴口にチュっとキスをした。
    「麻里が可愛いからな」
    「ふーん」
    「中学の頃よりスタイルも良くなった。勃起しない方が失礼だろう」
    「まあいいけど」
     アイス棒を舐めるようにして、ペロリペロリと舌を這わせる。その舌遣いは根元から先端にかけて、さーっと舐め上げ、さらに左右側面まで舌先でくすぐっていく。よく味わっている姿に健太はますます興奮して、息を荒げるままに全ての神経を肉棒に集中した。
    「レロォ……れろっ、れろん――」
     舌に続いてついてのように下唇がぶつかって、皮に唾液を塗り残す。
    「猿みたくヨガっちゃってさ」
    「麻里だってエッチだぞ?」
    「ふん。ばか……じゅっ、ぐじゅ――ぢゅぅぅぅ――――」
     大きく開いた口を亀頭に被せ、ぐるぐると素早い回転の舌遣いで舐め込んだ。
    「――ちゅるぅぅ――れろれろっ、ちゅるん!」
     ヨダレの分泌が増えている。
     お湯でうるおっていたはずの肉棒皮膚は、いつしか唾液ばかりをねっとり纏い、ヌラヌラとした光沢を放っていた。
    「あむっ」
     今一度竿まで咥え、上下にしごく麻里の頭は、椅子の高さもあって位置が低い。それを上から眺める角度では、黒髪のつむじから背中にかけて、さらには尻の曲線さえもがよく見える。
    「んむぅ――ふじゅぅっ、ずちゅっ、ズリュゥゥ――ぢゅむぅぅ――」
     健太は麻里の頭を撫でた。
    「ああ、麻里……」
     こんなことをしていながら、決して父として子に抱く愛情がないでもない。我が子を大切そうにする手つきでいて、しかし性的な征服欲求を満たすためでもある撫で方は、軽くであるが麻里の頭を逃がさないように押さえていた。
     父と娘だからすれ違うことはたびたびあるが、日頃こうしているから通じること。
     健太がどんな性的奉仕を望んでいるかは、ちょっとした仕草のサインで伝わることもある。
    「ねえ、あと何分やらせる気?」
    「もうしばらくだな」
    「……わかった」
     面倒だが仕方がないと言わんばかりに、不貞腐れ気味に諦めた表情を浮かべる麻里は、大人しく舐め続けた。
     舌のざらつきを押し当てる方法で、力強く鈴口を舐めて舐めて、そればかりを繰り返していたかと思えば、おもむろに吸い付いた。
    「ちゅぅぅぅぅ――」
     ストローで吸い取るように、出てきたカウパーを吸い上げている。先端部がほとんど歯の隙間に吸引され、チュポンと音を鳴らして吸い終れば淡々とした舐め込みに戻る。
     亀頭の先を半分だけ、優しく唇に包んでからだ。
    
     ――チュロッ、チュロッ、チュロッ、チュロッ、チュロッ、チュロッ。
    
     猫が水をのむような素早く小刻みの舌遣いで、口内に含んだ先の部分をくすぐった。
     肉棒が芯から燃え上がり、内側から爛れていくような快感が、根元から先端にかけて行き渡り、やがて射精欲求を迎えていく。
    「飲んでくれ」
    「えー……」
    「頼む。下着も新しいのを買ってやるから」
    「ふーん? どうせお父さんが好きな奴を選ぶんだろうけどね」
     悪態をつきつつ、麻里はいつ精液を飲んでも構わない状態に移っていた。
     肉竿を約半分ほど口内に収め、両手で根元を支えながら、舌と唇で揉むような刺激を与えている。そんな麻里の姿を例えるなら、赤ちゃんごっこで哺乳瓶からミルクを飲もうとする瞬間に見えなくもない。
    「さあ、パパのミルクだ」
     健太な熱い白濁を打ち込んだ。
    
     ――ドクゥ! ドック! ビュクン! ビュルルン!
    
     脈打つごとに塊を発射して、口内に注ぎ込むたびに、うっと呻きを上げながら、麻里はそれを嚥下する。
    「ぶはぁ――」
     射精が済むなり、やっとのように頭を後ろへ引っ込めた麻里は、さぞかし文句でいっぱいであろう恨めしい視線で見上げてきた。
    「……出しすぎ」
    「いやぁ、すまんな。気持ちよくって」
    「せっかく風呂場なんだし、その辺に出してくれればいいのに……」
    「飲ませたいものなんだよ」
    「いい迷惑だし」
    「だが、これも親孝行だ」
    「はいはい。下着買ってね。ついでにシャンプーも」
     さりげなく追加されてしまったが、まあそれも構わない。
     次は麻里に気持ちよくなってもらう番なのだから――。
    
    
    
    


     
     
     


  • 第7話「下須井との体験」

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     翌日から、神谷沙織は早速のように大河内ショウの元へ訪れ、今すぐにでも特訓を始めるつもりで動きやすいジャージに着替えていた。
     コーチの住む別荘は海の手前。
     大金持ちならではの大屋敷の窓辺からは、どこまでも広がる青い景色が美しく、また裏手には大きな山がそびえている。沙織はそんな豪奢な部屋に招かれ、そこでこれからの方針を告げられることになる。
    「まずは自分の敗北を認める必要がある」
     並行一番、ショウはそう言った。
    「敗北か……」
    「思うところはあるだろうが、言い訳をしたって意味はない」
    「……わかっている。それでどうする」
    「録画映像がある。まずは試合を振り返るんだ」
    「…………」
     沙織は閉口した。
     案内された部屋には大画面のテレビがあり、サイズでいえば体操マットや座布団数枚分には匹敵する。明かりを落として映画作品でも再生すれば、ちょっとした劇場気分が味わえることだろう。
     ショウが再生の準備を済ませ、それから二人は並んでソファに座る。リモコンによって画面がつくと、まず出てくるのは沙織自身が股を広げたあの場面だ。
    
     ――どうだ! 見ろぉ! これが神谷沙織の愛液よォ!
    
     映像の中にいる下須井は、鬼の首でも取ったように勝ち誇っている。指には沙織の愛液が絡みついており、あの恥辱が蘇るようで画面から目を背けてしまう。
    「神谷。しっかり見ろ」
     沙織は膝に置いた拳を震わせながら、苦しい思いで顔を持ち上げ、そこに映る自分自身の耳まで赤い表情に目をやった。あの時は指で顎を掴まれ、逸らしていた顔を強制的にカメラ向きにさせられたのだが、自分のしていた表情を見ると何も言えない。
     いかにも許して欲しそうな、これから泣いて命乞いをしてもおかしくない顔つきは、とても自分のものとは信じられない。
    え それに、あのリングで受けた屈辱はこれだけではない。
     沙織はあのあと、さらに酷い仕打ちを受け、その全てを実況され、丸ごと映像に収められてしまっている。
     四つん這いにさせられた。
     マットに顔を押し付けられて、あのときの沙織には、下須井が後ろでどんな顔をしていたのかは見えなかった。見たくもなかった。ただ尻だけを高くした姿勢で、情けなくも目を瞑り、震えながら耐えることしかできなかった。
     画面の中にいる下須井は、高らかに腕を振り上げている。
     そして――
    
     ――スパァァァン!
    
     叩いた。スパンキングだ。
     黒スパッツの中に響いた衝撃が、ヒリヒリとした痛みの記憶が蘇り、尻に意識をやった沙織は恐る恐るといった視線で隣を伺った。
     叩かれたときも最悪だったが、そんな自分の姿を別の誰かと一緒に鑑賞するなど、これは何の罰ゲームであろうか。
    
     ――パァン! パァン! パァン!
    
     無抵抗に平手を浴びる画面中の沙織は、マットに顔を埋め込み頭頂部をこちら側へ向けた姿勢で、尻は下須井側である。高い位置にあるスパッツ尻はよく映り、左右交互に打たれるたびに良い音を鳴らしている。
    『なんと無残! これが最強のクイーンの姿か!』
     改めて聞く実況の煽りも、勝てるのに勝てないことの歯がゆい気持ちを刺激して、余計に悔しくさせてくる。
    
     ――へへっ、次はケツを丸出しにしてやる。
    
     スパッツがずり下げられ、剥き出しの尻肌を鷲掴みにされた。その指が強く食い込む感触も、高らかに実況されたのも、全ての記憶が沙織の身体には残っている。さらに生尻にまでスパンキングを受け、ほんのりと手形がついたのは間違いない。
    『今度は開帳! 赤ん坊のように抱き上げたァァァァァァ!』
     さらには股を抱き上げて、M字開脚の形に持ち上げ、アソコと尻の穴まで大きく画面に映し出されてしまった。
    『これは! 本当に毛が生えていない! 剃ってあるぞぉぉぉぉぉ?』
     実況が羞恥を煽る。
    『ビラが少しもハミ出ていない綺麗な割れ目に、お尻の穴は綺麗なアスタリスクのような六本の皺で出来ている! 黒ずみの薄い清潔感には驚きだぁぁ!』
     性器の形や肛門について、こうも細かく指摘された画面中の沙織は、両手で顔を覆い隠し、その内側で表情を歪めている。これで全ての恥部についての説明が、大衆に向けて行われてしまったことになるのだ。
     恥ずかしさで気が狂いそうだったのは言うまでもないが、そんな自分自身の映像を確認するなど、あのリングで浴びた何千何万からの視姦が蘇り、肌中にあった視線の感触が今にも生々しく素肌を走る。
     尻の穴という自分では確認できない部位の情報さえ、大衆に知れ渡っているのだ。そう思うだけでむずかゆい。
    「有料チャンネルでは胸までは放送されたが、下半身はこの通り修正されている」
     ショウの言うように、大きな黒丸で肝心な部分は塗り潰していた。アダルトであればもっときわどく、無修正の性器を見せないだけのモザイクに留めただろうが、尻も腰も丸ごと隠す勢いの修正は、かなりの意味で卑猥さを激減させる。
     その方が、沙織にとってはマシではあるのだが……。
    「とはいえ、現場では全部丸見えだったようだからな。パシャパシャ撮った奴が何人いたか。流出した画像を悪いが俺も見させてもらった」
    「……そうか」
    「確かに綺麗なアスタリスクだ。確認するといい」
     と言ってショウは、テーブルにノートパソコンを立ち上げ、あらかじめ保存していた下腹部の画像を出す。
    「――うっ」
     沙織は思わず目を背けた。
    「ちゃんと見るんだ」
     そして、苦しい思いで目を向けた。
     大きく映し出される性器と肛門は、M字の股をアップにしているだけあって、卑猥なこと極まりない。尻穴は本当に『*』のマークと変わらない放射状で、皺の本数も一目で六本あるとわかりやすい。
     ――黒ずみの薄い清潔感には驚きだぁぁ!
     実況の雄たけびが頭の中で今一度再生され、若干桜色じみているのが、まさに驚きの清潔感を証明しているようでなんともいえない。
     初々しい十七歳のワレメも綺麗なもので、白くきめ細かい肌をぷっくりと膨らませた中央には、ぶれない直線が滑らかに通っている。
    
     ――さあお前ら! こいつのアソコの中身が見たいか!
    
     下須井は観客に対して呼びかける。
    
     ――うおぉぉぉおぉぉおおお!
    
     歓声がそれに答えた。
     下須井の手は下へ下へと、秘所のところへ映っていき、大切な乙女の園を容赦なくぱっくりと、左右に大きく開いてしまう。
    『これは環状処女膜だ!』
     実況は専門的な言葉を口にした。
    『知識ある方はご存知のように、処女膜とは膣口の内側にある粘膜のヒダ。必ずしも本当に膜が閉じているとは限らず、指が一本かあるいは数本入る小さな穴が初めからあるわけですが、沙織選手の処女穴は、まるで星型のように少しだけギザギザじみた丸穴です』
     ノートパソコンの画面を見るに、全くその通りの形状をしている上、愛液が泡立った残りまで付着している。
    『濡れたあとなのは言うまでもない!』
     改めての指摘が羞恥を煽り、沙織は頬を硬く強張らせた。
    「これが今のお前だ。わかるな?」
    「ふん。わかりたくもないがな」
    「どんな理由があろうと、ああなったものはなったんだ。お前が決して負けを知らずに育ったわけでないのは記録でわかるが、ここ数年以上は負けを知らない。この辺りで、もう一度敗北と向き合うことが、今のお前のスタートラインになる」
     あらかじめ下須井ヒロマサと連絡をつける手はずは整えてあり、もしも沙織が頷けば、今日中に呼び出せる予定だったという。決定的な瞬間を今から待つことになり、覚悟や緊張の中で沙織はシャワーを浴びていた。
     本当に強くなるには、それこそ生死に関わる危険な特訓はざらにある。軟弱な精神で世界は取れないとはその通りだが、まさかメンタルを試す方法が、自分を負かした男に抱かれろとなるとは想像すらしなかった。
     まずはそれだけ、泥水でも啜るほどのどん底を味わえということか。
     好きでもない男の身体を洗い、清潔にしておくだなんて、既に良い気持ちがしていない。生け贄にでも選ばれた気分だ。コーチもコーチで、自分で抱くのでなく他の男をわざわざ呼び、そいつのためにホテル代まで用意していた。
     そう、ここはラブホテル。
     シャワーを済ませた沙織は、指示通りにバスタオル一枚だけで出て行き、大河内ショウに扇情的な姿を見せる。
    「ほう?」
     品定めの視線に晒されて、途端に気恥ずかしくなった。
     谷間が一センチだけ覗けるタオル姿は、高身長のせいか丈の長さが頼りない。ほとんど丸出しになっている太ももから、ほんの数センチほど持ち上げるだけで、尻やらアソコやらが見え隠れするはずだ。
     腰のくびれたボディラインも、当然のように浮き出ている。
    「奴はもう来るのか」
    「ああ、まもなくだ。すぐに来るだろう」
     ソファにかけていたショウは、重い腰を持ち上げるように立ち上がり、ゆさゆさと肩を揺らして部屋を出る。きちんと相手をするようにとだけ言い残された沙織は、これからに対する色んな思いを抱えながら、ベッドに腰を沈めていた。
     初めての相手が、下須井ヒロマサで決定してしまった。そのどんよりと重くなる気持ちもさることながら、自分をあんな目に合わせた最低漢が、これからもっと調子に乗り、さも楽しげに微笑むのかと思うと煮えくり返る。
    (あんな奴が……あんな奴と私は…………)
     本当に泥水を啜ってみせる。頭から酒をかけられる。土下座をする。他に思いつきうる屈辱の方が、いくらでもマシな気がしてくる。
     やがてして、ドアノックの音が聞こえた。
    「よお、本当にいるのか? 神谷よぉ」
     下須井ヒロマサの声だ。
    「ああ、入れ」
    「へへっ、失礼するぜぇ?」
     あのゲスな微笑みを浮かべて、無遠慮に踏み込んできた。
    「本当に来たんだな」
    「来たぜぇ? 面白いこと考えるコーチもいたもんだなァ? 確かにお前は精神を鍛えないと、今まで調子に乗りすぎたからなァ?」
    「お前が人に鍛錬の必要を説くとはな」
    「鍛えてやれと、他でもないお前のコーチから頼まれちまったもんな。俺もはりきって調教してやるから、せいぜいお前も頑張れや」
     下須井は手荷物を置き、さっそくシャワーを浴びに行く。
     しばし待ち、楽しみで仕方のない顔の下須井を迎えると、柄でもない緊張感が押し寄せ全身が強張った。
    (今からするのか……)
     しかも、下須井と。
    「楽しかったなァ? この前の試合はよぉ」
     隣に座ってくる下須井は、遠慮もなしに沙織の肩に手を回し、しっかりと抱き寄せる。ゾッと鳥肌が広がって、沙織はブルっと身震いした。
    「何が楽しいものか」
     声も怒りと緊張で震えていた。
    「楽しかったじゃねえか。おっぱいもマンコも、尻の穴まで大衆に見てもらってよォ」
    「楽しかったのはお前だけだ」
    「いいんだぜ? 素直になれよ。未知の体験は女として最高だったろ?」
    「……なッ! ふざけるな!」
     沙織は本気で怒った。
     バトラーとしての厳しい修行を経て、沙織は生死の危険や怪我と隣り合わせの体験を今までしている。だから一般人とは比較にならない丈夫な精神を持ち合わせ、あんな目に遭っても一応のところは今まで通り生きている。
     だが、普通なら人生が終わったような絶望に苛まれ、飛び降りるなり引き篭もるなり、そういう反応があってもいい。いや、むしろそれが正常な反応ですらある。あれで完全には心が折れていないなど、常識的な視点からすれば怖いとすらいえる。
     もっとも、二人とも常識を逸脱した者同士だ。
     沙織から見れば下須井は雑魚だが、その下須井にしても一般男性が何人束でかかって勝てる相手でもない。
    「おいおい、楽しくもねェのに濡れる女がいるか?」
    「黙れ! 馬鹿にするな!」
    「っつってもな。これからヤる相手だしよ」
     下須井は沙織の頭を指で掴み、くいっと動かし自分を向かせる。
    「貴様ぁ……!」
    「いい顔だ。たっぷり楽しませてやるよ」
     手始めとばかりに下須井は唇を押し付けて、沙織のファーストキスを奪い取る。
    (……お、おぞましい!)
     腐敗した生ゴミでも食わされようとしているがごとく、沙織は全身全霊で唇を閉ざした。そんな沙織の硬い唇に対して、下須井の唇はリング状に大きく開き、沙織の唇をこれでもかというほど激しく貪る。
     下須井の舌先が、沙織の唇の合わせ目をべろべろ撫でる。自然と頭が後ろへ逃げようとしていくが、がっしりと後頭部を掴まれて、やっと息継ぎのために二つの口が離れた頃には、沙織の唇は唾液濡れの光沢を帯びていた。
    (私のファーストキスが……)
     戦いの道に生きすぎた沙織の乙女心は一般的な少女と比べて薄い。メンタルが強いので傷ついても変わらないという見方も可能だが、何にせよ初めてはきちんと恋人と、という常識的な夢想くらいは普通にあった。
     まして、相手は下須井なのだ。
    「ご馳走になったな。神谷よォ」
     それを奪った男の顔は、いかにも下品な表情を浮かべている。欲望の権化が何かを満たしてせせ笑っているそのものの表情だ。
    「ふん。もう少し上品に出来ないのか」
    「セックスに下品も上品もあるか?」
    「人としての品があれば抱き方も変わる。お前は最悪だ」
    「処女がよく言うぜ」
     指摘され、沙織は目を伏せた。
    「……黙れ」
    「へん。黙々とやってたって楽しくねーのさ。お前の方からも、俺にキスしろ」
    「誰がするものか」
     沙織は目を背けたまま、じっと壁でも見つめていた。
    「おい、コーチに言われなかったか? お前は俺に奉仕する義務があるんだよ」
    「…………」
    「あんまり言うことが聞けないようなら報告しろとも言われている。へへっ、なかなか厳しい奴のとこに行ったもんだな」
    「まあいいだろう。死にはしない」
     意を決するしかない沙織は、両手に下須井の顔を包んで見詰め合う。が、視線が絡んで気持ちのいいことは何もないので、さっさと目を瞑って唇を近づけようとするのだが、心理的な抵抗から沙織の顔はそう簡単には動かなかった。
     もしも汚物を食べろだとか、飲尿しろと言われたら、それを口に運ぶまでにはどれほどの心理的な労力がいるだろう。
     向こうからキスをされるのと、自分からするのでは違う。
     磁石の反発じみて後ろへ逃げようとする自分自身の頭を制し、無理をしてまで唇を接近させていく労力は、華奢な腕で重量物を持ち上げることにも匹敵する。そうまでしてキスを行う沙織の全身には、当たり前のように鳥肌が広がっていた。
    (……とんだ拷問だ)
     ただ重ねるだけのキスをしていると、下須井は何も言わずに口を半開きに、舌を極限まで伸ばしてくる。ディープキスを求めた露骨な合図だ。
    (やるしかない、か)
     どん底を味わえ、汚物を喰らえ。
     下須井マサヒロという男は、自分が糞味噌の代替品だということを知っているのか。はたまた別の言い方をされ、のこのこやって来たわけなのか。沙織には与り知らぬところだが、これはそういう試練なのだ。
    (やってやる。このぐらいは何ともない)
     沙織も舌を伸ばして絡め合った。
     唾液をたっぷりとまとった舌の感触が、そのまま沙織の舌にまとわりつく。さながら親鳥が子にエサを与えているような、啄ばむようなキスの応酬は、遠慮とたどたどしさばかりで、いかにも仕方なくやっているのがよくわかる。
     嫌いな食べ物を我慢するより、ずっとずっと嫌だ。
    「はむぅ……んぷぅ…………」
     それでも、沙織は自分の唇に下須井の舌を挟み、お互いの舌先を触れ合わせたり、啄ばんだりと色んな方法を試していく。
    「咥えろ」
     その一言で、沙織はバスタオル巻きの下半身に目をやった。天を貫くような勃起が、タオルをテント状に持ち上げている。キスだけでも糞尿を食わされる気持ちがしたのに、ペニスを口に入れるだなんて出来るのだろうか。
    「て、手で……」
    「おう? 天下の神谷沙織様も、さすがにフェラチオの度胸はないってか?」
     咥えたら咥えたでいい気になり、勝ち誇った笑みで沙織のことを見下ろすだろうに、やらなければやらないで馬鹿にしてくる。
    「くそっ、やればいいんだろう!」
     ベッドの横に両足を下ろしている下須井。その大きく開いた股元へ、床に膝を下ろして座る沙織は、下須井のバスタオルを取り外し、生まれて初めて直視するペニスに大きく表情を歪めていた。
    
         ***
    
     沙織の目と鼻の先。視界の中央を占めているのは、嫌に立派な太さの勃起ペニスだ。はち切れんばかりに膨らむ肉棒は、天井へ向けてそそり立ち、皮の下から血管を浮かせている。
     少し視線を上げていけば、よく鍛えられた腹筋に肉厚の胸板。それから、ニヤニヤといやらしい笑みを浮かべた下須井の顔が、沙織をよーく伺っている。
    (こんなものを口に入れるのか……)
     沙織は視線をペニスに戻した。
     性的な知識がないでもなく、男性器に刺激を与えるにも色々と方法があるのはわかる。その中には口でする方法があるのも知っている。
     しかし、相手は下須井。
     いざ口を近づけようと思ったなら、想像を絶するほどの心理的抵抗が働いて、顔が前に進むどころか後退した。
    「おいおい。ビビってるのか?」
    「馬鹿な。気持ち悪いから躊躇うだけだ」
     というのは事実に過ぎない。汚物、生ゴミ。あるいは蛾だのナメクジだの、そういうものを口に入れろを言われて、平然と頬張ることのできる人間がいるだろうか。
     これが恋人のペニスか何かなら、まだしも愛おしく思えただろう。女にだってそういうことに興味は持つし、好きな人とのセックスについての夢想もする。下須井のペニスであるという事実こそが、最大限の躊躇いを与えているのだ。
    「ほらほら、まずは両手で握ってみな」
    「……こうか」
     根元を手の平に包み込むと、異様に硬い肉の感触が伝わってきた。生温かい温度が手肌に染みて、ピクっと脈打っているのもわかる。
    「いいぜぇ? 亀頭の口に優しくキスしな」
     命令口調が気に食わない。
     だが、自動的に後ろへ下がる頭を無理に押し出し、前へ前へと唇を近づけて、沙織はそっと亀頭に口付けした。
     その瞬間、鳥肌が広がった。
     唇のまわりが、顎が、頬が、みるみるうちに毛穴を広げて冷や汗を噴き出し、肌中がSOS信号を放っている。
    「したぞ」
     たまらずに、ほぼ反射的に唇を離した沙織は、嫌悪感を隠しもしない顔で下須井を見上げた。
    「もっとだよ。舐めろ、咥えろ、たくさんしろ。フェラチオらしく努力しろ」
    「くぅ……やればいいんだろう…………」
     コツも何もわかりはしない。
     ほとんど手探りで、まずは再び唇を押し当て、生理的拒否反応を抑えて亀頭の約半分を揉み潰す。舌を伸ばし、先端をペロペロ舐め、またキスをする。単純なキスと、唇を駆使した亀頭マッサージと、舌先で舐める行為の三つをとにかく繰り返した。
    
     ぺろっ、ぺろっ、ぺろっ、ぺろっ、ぺろっ、ぺろっ…………。
    
     つむじあたりに注がれる下須井の視線を感じつつ、拙く舐める沙織の舌には、亀頭の味ばかりが染みていく。舌の根にまで鳥肌が広がって、嗚咽しかけてなおも舐め、また唇を使って噛みほぐす。
    「はっはっは! いい気分だぜ!」
     下須井は沙織の頭をポンポン叩いた。
     沙織の胸にじわじわと広がるのは、決定的な敗北の気持ちである。勝者と敗者の関係をわかりやすい構図に変え、こんな風に奉仕をして、下須井が喜べば喜ぶほど、沙織の胸にある屈辱は、まるで破裂する限界が存在しない風船のように、永遠に膨張していく。
    「神谷ァ! お前はどうだ? 俺のチンポは美味しいかァ?」
    (……黙れ、まともな味がするものか!)
     沙織は睨み上げ、下須井は楽しげにする。
    「おら、もっとしゃぶれ! 咥えろ! 一生懸命、この俺を感じさせな!」
     頭をポンポン叩かれ続け、ますます敗北感に呑まれていく。
     顔を前に進めた沙織は、肉竿の約半分までを飲み込んだ。太さのあまりに口内のほとんどが肉棒に占領され、舌もやむなく密着している。
    (くそ! 私がこんなことを!)
     沙織は頭を前後に動かし始めた。
     前へいくにつれ、亀頭が喉を塞がんばかりになる。頭を引けば唇の裏にカリ首がぶつかり、貼りつく舌は前後に肉竿を刺激する。
     ――レロォォ……ズルゥゥ…………。
     口内にものが入っていることで、生理的に分泌される多量の唾液が、肉棒の表面をコーティングしてぬかるみに包んでいく。唾液が泡立っているためか、非常にかすかではあるが、泡のプチプチと潰れる音もしていた。
     癒着した舌と肉棒のあいだに、たった一ミリでも隙間が出来る際には、二つを粘着させていた唾液が濃密な糸を引く。そして、すぐに舌は竿に張り直され、密着のままに前後へ這い続けることになる。
     とっくに心が悲鳴を上げていた。
     岩盤に少しずつヒビが入っていくように、プライドに亀裂が走り、今にも砕けそうな心を気力だけで繋ぎとめている。
    (そうか。そういう鍛錬か)
     尊厳を足で踏みつけ、プライドに泥を塗る。恥辱という名の苦行に耐え、傷つきながらも茨の道を通り抜けてみせることこそ、下須井との性交渉に隠されたテーマだ。そうでもなければ、自分がこんなものを頬張っている事実に納得いかない。
    (そうだ。下須井など踏み台だ。私が前に進んでいくための――)
     ――ジュッ、ジュルッ、ジュジュゥ……。
     屈辱に味がついたとでも思って、沙織は甘んじてそれを啜った。肉竿の角度を支えるために両手に、指圧的な力を加え、全ての吐き気を堪えて一生懸命に奉仕する。
    「お? やる気が出てきたじゃねーか」
     いい子いい子とばかりに頭を撫でる手つきには、当然のように沙織を馬鹿にしたい気持ちが込められている。いい気になっている。調子に乗っている。全て沙織の口で気持ちよくなっているからだ。
    「好きに穢せばいい。それでも、私はかつて以上の輝きを手に入れ、今日のお前を見返して余る功績を残す!」
    「ほーう?」
     決意の熱を帯びた睨み顔と、相手を値踏みする調子の良い表情で、お互いの視線が絡み合っていた。
     睨み上げたまま……。
     一旦離れた口を近づけ直し、そっと押し付けるようなキスから、少しずつ唇の輪を広げていくようにして、今一度亀頭を飲み込んだ。色気のない怒気ばかりの表情で、口にはペニスを含む沙織の顔は、果たしてどこまで下須井を興奮させているものか。
    「ズチュ、ンジュゥ……ずるっ、ずりゅぅぅ…………」
     どれほど興奮されようと構わない。己の心にヒビが入れば入るほど、それはより高く飛ぶためのバネとなるのだ。
     ――悔しい! 悔しい! 悔しい!
     だからこそ、いくらでも奉仕してやる。
    「パイズリはわかるか?」
    「ふん。さしずめ、こういうことだろう?」
     自分のバスタオルを脱いだ沙織は、恥じらいはあるものの全裸を晒す。常識的な羞恥心から耳の先まで染めながらも、プルっと弾力の強いゴムボールじみて硬い乳房で、しっかりとペニスを包んで刺激を与えた。
     胸板の中央に硬い感触が埋まり、乳房で覆って逃がさない。勃起の熱量ばかりか、今まで沙織自身がまぶした唾液のぬかみもあり、その全てが肉棒との接着部位に広がっている。
    
     ――むにっ、むにっ、
    
     睨み返す視線は変わらないまま、胸でペニスをしごき始めた。
    「どうした? 急に覚悟なんか決めちゃってよォ」
    「ふん。どん底の泥水に浸かって鳴れただけだ。お前という泥水にな」
    「言うねぇ? 処女の神谷沙織ちゃんよォ」
    「どうせ最後までするつもりだろう。その処女も今日でくれてやる」
     両手掴みの自分の乳房を上下させ、無心にしごいている沙織は、やがて身体ごと上下に揺すって刺激を与える。
     いつ射精するのか。精液とは臭いのか。
     どうしようもないことを気にしながら、両手で強く乳圧をかけ、それだけ強く肉棒の熱気を皮膚に感じる。
    
     ――むにっ、むにっ、
    
     真下を見れば、谷間から見え隠れする亀頭がある。
    「ヤらせろ」
     と、一言。
     そして沙織は仰向けになった。
    
    
    


     
     
     


  • 第1話「性奉仕の指導」

    目次 次の話

    
    
    
     高校担任を勤める豚山武が、教師生活の中で何よりも楽しみにしているのが、カップルに対する特別指導だ。
     未成年の交際において、実践的な性教育を義務付ける。
     歯止めの利かない少子化をきっかけに、女の子がより子作りに興味を持つような教育を導入すべしと、大胆な意見まで登場しての大議論で、ここ十数年のあいだに教育の価値観は激変している。
     実践を交えた性教育の実施権が導入され、さらには未成年の性交にも所定の指導を行った上で許可証を発行する制度まで確立された。
     つまるところ、セックスに興味があって、エロいことをしてみたい女子を増やしはしたいが、誰にでも股を開く淫乱を育てたいわけではない。ただ恋に積極的になり、きちんとした交際の上で行う『健全なセックス』こそが推奨される。
     エッチなことに興味を持たせつつ、自己判断の能力も磨かせるには、まず大人の手でセックスとは何かを教え込む。男女の営みを理解させ、経験の上で判断力を培うべきとされ、制度の存在はとっくに一般的なものと化していた。
     自動車を運転するには免許がいる。バイクにも、フグの料理にも、危険物の取扱にも免許がいる。
     未成年同士のセックスに許可証が必要なのは、もはやそういった感覚と変わらない。
     考え方は個人しだいだ。
     そんなのは嫌だから18歳になるまで待とうとするか。たとえ指導を受けることになっても、少しでも早く繋がり合いたいか。パートナー同士でしか決められない。
     佐矢野柚葉は後者であった。
    「て、手コキをするんですよね?」
    「最初はそうだ。で、パイズリやフェラもしてもらう。チンコとの触れ合いに体を慣らさないとな」
    「……わかりました」
     高校には性交指導のための小さな棟が建てられており、防音性の高い部屋なので、隣の壁に耳を当てても中の様子は聞き取れない。シャワールーム完備の教育施設で、豚山はベッドから足を下ろして、まるでベンチに腰かけたように座っていた。
     そんな豚山の目の前の、床の上に柚葉はいる。
    「意気込みを聞かせてみろ」
    「はい。やっぱりその、男性器に触るっていうのは抵抗があります。洋のなら触れるとは思うんですけど、もし、その。あくまで万が一なんですけど、好きな人のものなのに抵抗で触れなかったら、凄く傷つけるんじゃないかって思うんです」
     柚葉にも彼氏がいる。
     安藤洋という寡黙で背の高い男子は、そこそこのルックスと細身のスタイルを兼ね備え、頭も良いので気にかけている様子の女子はいくらかいる。
     もっとも、柚葉という彼女がいるせいか、積極的に仲良くなろうとする子は、豚山の把握している限りでは見かけていない。
    「いい意気込みだ。やっぱり、彼氏にはいい思いをさせたいもんな」
    「そうですね。それに、未成年でのセックスには許可証がいりますし、きちんと取得して、気兼ねなくしたいです」
    「いいだろう。ではさっそく、手で握ることから始めるんだ」
    「はい」
     柚葉は緊張に満ちた面持ちで、赤らみながら肉棒を見つめる。太いフォルムに目を奪われ、そーっと、恐る恐る指を近づけつついている。うっかり近づいて襲われやしないかと、警戒すらしている様子で慎重に、柚葉は肉棒というものを確かめていた。
     入学間もない頃の柚葉は、もっと垢抜けない子だった。
     長い黒髪はぼっさりとしているというべきか、ボリュームによって頭が膨らみ、飛び出た枝毛が目立たなくもない。長い前髪が目を隠し、おまけに黒縁眼鏡という地味で暗い印象は、それだけでイジメに遭いそうな気がしたものだ。
     幸い、豚山のクラスにイジメをやる生徒はいなかったが。
     ある日突然、髪をばっさり切り落とし、毛先が肩にかかる程度の長さに変え、ありすぎたボリュームもすっかり調整されていた。オシャレな眼鏡にかけかえた顔立ちは、まるで別人にように見違えていた。
     安藤洋と仲良くしている様子から、彼と付き合っているせいか、はたまた好意を抱いてのアピールか。男の影響に違いないことに気づいて、その頃から楽しみにしていたのだ。
     一体、いつ頃になったら交際申請を出して来るのか。
     期待の書類を受け取ったのは七月半ば。
     豚山は嬉々として柚葉を性教育棟に呼び出して、さっそくのように指導を始めた。
    「……硬い」
     何度もつつき、手を引っ込め、恐れを成してさえいた柚葉は、ようやく右手に包み込み、左手では玉袋を触ってくれる。
    「硬いだろう」
    「はい。熱くて、太くて、こういう感じなんですね」
     どこか関心している柚葉だが、好きでもない男の一物に触れていることは変わらない。心の中に隠れた抵抗感が、汗の形で浮き上がり、よく見れば表情にも強張っている部分がある。
    「手コキをしてみるんだ」
    「こうですか?」
     柚葉の右手が上下に動き、豚山のペニスをしごいて慰める。
    「そうそう。気持ちいいぞ?」
     嫌がる心がどこかにはあるのだろうが、それ以上に学ぼうとする眼差しで集中して、柚葉は少しでもこういうことに慣れようとしている。
    「どれくらい気持ちいいんでしょうか?」
    「そうだな。本番はもちろんだが、手ぐらいじゃ、フェラチオやパイズリにも敵わない」
    「やっぱり、そうですか」
    「だが、触ってもらえれば男は喜ぶ。まず嫌がるってことはない。恋人同士でするのが大前提だからな。他にも色んな触り方を試してみるといい」
    「こことか、ですか?」
     右手でのしごきは続けつつ、左手の指で亀頭をさする。鈴口への刺激は肉棒が芯から燃え上がっていくようで、その心地にしだいにカウパーが滲み出た。
    「ふぅ、それがカウパーだ」
     そして、柚葉はそれを指に取り、糸を引かせて、不思議そうにまじまじと見つめていた。
    「カウパー」
    「透明だろう? 興奮すると精液が出るが、まあ射精よりも前の段階に出るやつだな。一応、そこにも精子は含まれている」
    「気持ちいい証拠なんですよね」
    「そうだ」
    「もうちょっと、色々と試してもいいでしょうか」
    「もちろん。試してくれたまえ」
     豚山は初々しい手つきに浸り、様々なタッチを試す柚葉のやり方を目で楽しんだ。
     可愛がるように指腹で亀頭を撫で、カウパーの滑りを利用してクリクリと鈴口を苛め抜く。親指と人差し指でリングを作り、カリ首の段差に引っかけるようにして、そこばかりを上下に擦って刺激する。両手で玉袋を包んで温め、優しく揉んでくれもした。
     じっくりと集中して、亀頭を手の平に包みもする。
     豚山は手慰みに頭を撫で、髪を掴んで弄び、耳にも触る。
     淡々とした時間の中で、柚葉は何分もかけて肉棒を弄り続けた。
    「あの」
     それから、数分ぶりに口を開いた。
    「なんだい」
    「男の子って、やっぱりフェラとか、パイズリもさせたがるんですよね?」
    「そうだね」
    「……試しても、いいでしょうか?」
     どことなく嫌悪感を胸に抑え、何かを堪えてでもやってみようと思う決意の顔がそこにある。
    「彼女としては、彼氏に喜んで欲しいです。洋が喜ぶことなら、フェラでもパイズリでもしてあげたいです」
    「いい心掛けだ。フェラからやっていこうか」
    「はい」
    「手で触るのにはもう慣れたかな?」
    「一応、慣れたと思います」
    「そうしたら、今度は口に入れることに慣れなくてはいけないね」
    「どうすればいいですか?」
    「まずは口紅を塗るみたいにして、先っぽを口にくっつけるんだ」
    「はい。やってみます」
     柚葉は早速のように顔を近づけ、唇を際どく接近させるも、土壇場の抵抗感に押し返されて、首を後ろに引っ込める。
    「うぅ……」
     再チャレンジとばかりに改めて近づけて――ちゅっ、と、今度はキスまではいくものの、その途端に反発作用のごとく顔が離れる。
    「どうしたんだい。彼氏相手でも、そうやって嫌がるみたいな反応を見せるのかい?」
    「そ、そんなことありません!」
    「だけど、いくら好きでもチンコを口に入れるんだ。自分ではそう思っていても、いざとなるとそうなるかもしれない。嫌がる素振りを見せてしまったら、彼氏を傷つける。そうだろう?」
    「……はい」
    「さあ、頑張ろうじゃないか」
    「はい」
     ちゅっ、チュ、ちゅぅ――顔を前後に往復してのキスがされ、亀頭と唇のあいだに糸が引く。抵抗感を取り払い、慣れようと慣れようと懸命に行うキスは、やがて強く吸い付くものとなる。
    「ちゅぅぅぅぅ――」
     ストローから吸い取りたいかのように、カウパーを口内に迎え入れ、さらに口紅として塗りつける。手で塗るというよりは、顔の方を肉棒に押しつけて、唇の端から端へ首を左右に振っていた。
    「キスしたまま顔を見せて?」
    「はいっ、んちゅぅ……」
     肉棒と口付けを交わしている顔が、上向きとなって豚山を向き、醜い顔立ちの視線と柚葉の上目遣いが重なり合った。
    「唇で亀頭を揉む」
    「んっ、んむっ、むっ、むぅっ、んっ、ん、ん」
     言われたままを覚えようと懸命に、柚葉は唇を歯の代わりに、まるで亀頭を咀嚼して食べようとしているように揉み込んだ。
    「んむっ、あむっ、むじゅっ、んむぅっ、んっ」
     唇の筋肉を駆使した圧をかけ、亀頭が唾液を帯びていく。心無しか先っぽを舌で突かれる気配を感じるが、励んでいるうちに当ててしまっているらしい。
    「先っぽをペロペロしてごらん?」
    「はい」
     柚葉は舌先で鈴口をくすぐり始めた。
     小刻みに上下している舌が、絶えず唾液を先に塗りつけ、滲み出るカウパーをその都度拾って糸を引かせる。
    「まわりの部分も満遍なく、全体に唾液が行き渡るくらい、色んなところを舐めまくるんだ」
    「はい」
     顔の上に肉棒を乗せてしまうようにして、根本から先端にかけ、ねろぉぉぉ――と、舐め上げる。手で肉棒の角度を変え、陰毛の中まで唇を突っ込んでは、竿の側面に舌を塗りつけ、先端にかけて唾液を広げる。
     とても頑張っていた。
     よほど彼氏を喜ばせたいのか、本番に備えての練習は熱心だ。
     そう、これは本人にとって、愛する彼との本番を迎えるための、教育という名の練習に過ぎない。スポーツの練習試合より、大会での勝利の方が重みがあるのと話は同じだ。
     しかし、負けても大会の進出に影響がないからと、果たして練習を適当にやるであろうか。
     柚葉は一生懸命になって舐めることに励んでいる。
    「れろっ、れじゅっ、じゅむぅ――ずっ、れろぉぉ……」
     ハーモニカでも吹くように、右の側面を咥えた状態で、首を左右に動かし刺激する。左の側面も同じく唇の力で咥え、モミモミと圧を加えて舌で唾液を塗り広げる。
     豚山の肉棒は、柚葉の唾液によってヌラヌラと輝いていた。
    「れろぉぉぉ……べろぉぉぉぉ……」
     なおも舐め上げることが繰り返され、一度唾液が染みた皮膚へと、さらにねっとりとした層が塗り込まれ、部屋の明かりを反射して輝く光沢を肉棒全体が纏っていた。
    「パイズリをしてもらう。上は全部脱いじゃおう」
    「はい」
     ブレザーのボタンを外し、一枚ずつ脱ぎ去っていく柚葉には、明らかに裸への躊躇いが浮かんでいた。ふとすれば手が止まり、ワイシャツのボタンを外すにも時間をかけ、どれだけの抵抗感を抱いているのか、ひしひしと伝わった。
     柚葉の乳房はメロンサイズだ。
     制服の上からでも、どれだけ丸く形の良い、ボリュームに溢れた胸であろうかと期待はしていた。ブラジャーが外されて、プルンと解放された柚葉のオッパイは、豚山の大きな期待に応えるだけの、サイズもあれば美乳でもある極上のものだった。
     そんな乳房の中に肉棒を迎えていき、谷間の内側に挟む柚葉は、どうすればいいのだろうといった具合に、やや困惑の表情を浮かべていた。
    「こう、でしょうか」
     とりあえず自分の胸を使い、手で圧をかけ、上下にしごく。
    「そうそう。それでいい。そうやって胸だけを手で動かしたり、上半身ごと上下したりしながら刺激するんだ」
     張りの良い乳房の感触は、弾性の強いゴムに似ている。もっちりとした触感に肉棒は包み込まれ、乳圧によって圧迫され、とろけるような快感がカウパーを分泌していく。
     肉棒が纏っていた唾液のコーティングが、しごきによって谷間の肌にも浸透して、さらにカウパーも付着していく。
    「いい気持ちだ。彼氏も必ず喜ぶぞ?」
    「本当ですか?」
     柚葉の表情が明るく輝く。
    「本当だとも。だから色々と試してごらん?」
    「はい!」
     モチベーションを高めた柚葉は、全身で上下に弾み、身体ごと動いて肉棒をしごいてきた。
     さらにカウパーが溢れ出し、乳肌へ絡んでいく。
     突起した乳首が腹に擦れ、上半身の弾みが止まると、今度は乳圧の強弱をかけてくる。両手で自分自身の胸を捏ね、そのついでに肉棒まで揉まれていた。
    「あむっ」
     自分の谷間に顔を埋め、亀頭を咥えた柚葉は、パイフェラにまで励んで舌を奮い、胸を駆使して刺激してくる。
    「射精するよ。いいね?」
    「は、はい!」
     乳房の中から、噴水のような白濁が噴き上がり、柚葉の顎を打ちのめしては、谷間に流れて溜まっていく。
    「それが精液だ」
    「これが……」
    「知識にはあっただろうが、実物は初めてだろう?」
    「はい。匂いとか、感触とか、特徴的ですね」
    「これで随分と男を学べただろう」
    「そうですね。奉仕とか、精液とか、知識でしかわかりませんでしたけど、やってみると色々と参考になった気がします。洋にしてあげるのが楽しみです」
     これは『教育』である。
     性行為を体験させ、彼氏との本番に備えさせる。予習や練習試合的な意味合いの強い、体験学習において、女子の心が本命から剥がれることはない。
     本命のことが好きなままの女体。
     それこそが、豚山猛が求める至上の色事であった。
    
    
    


     
     
     


  • 性交実習 海城マサ美

    
    
    
    
     フェラチオかぁー……。
    
     20XX年の性教育では、中学校からより実践的な方法を導入して、模型を利用した性行為の練習なども行われる。加速する少子化を受け、かなりの改革がなされてのとらしい。あまりの状況に、子作りの義務化といった提案さえ上がっての、それをやむなしとする論調と、あくまでも反対する勢力が起こした『戦争』は、教科書にも載る常識革命を巻き起こし、世間を巻き込み価値観を一変させた。
     戦争前の当時なら、決してありえなかったとされる『授業』が今では普通のことである。
     フェラチオもそう。
     保健体育の授業が男女別に分けられて、女子のみとなった教室では、そんな実践的な授業が開始されていた。
     海城マサ美の目の前にはペニスがあった。
     模型だ。作り物だ。
     マサ美だけでなく、他のクラスメイトの女子全員にも、本物を切り取ってきたようにしか見えないほどの、とてもリアルで触感も実物に近い、授業用のペニスの模型が配られている。未だ性交経験がなく、彼氏は数ヶ月前に出来たばかりのマサ美にとって、ペニスとはネットか教科書の写真でしか見たことがない、少しばかり幻の存在だった。
     本物に触れた経験はない。
     しかし、人間の皮膚と同じ感触に、皮袋の中にある睾丸の具合も触ればわかる。竿に浮き出ている血管から、亀頭の部分は勃起中でもプニリと柔らかいところまで、実物のペニスとはこういうものに違いないと、関心さえ覚えていた。
    「へぇ」
    「やだぁ……!」
     関心を持つ女子、興味を示す女子、照れ臭そうなふざけた調子に、どことなく引いている、気持ち悪がっている子も中にはいるのだった。
     マサ美にとっても、ある意味では気持ち悪い。
     性的な好奇心は大きい方だが、この作り物にしてはリアルなところは、まるで生きた人間から魔法で切り取り、永遠に勃起を維持したペニスを用意してきたかのようで、実は持ち主がいそうな気持ち悪さというべきか。
     バラバラ殺人で切り取ったパーツを持って来られれば、怖いし引く。生きたままのパーツにナイフで傷をつけてみれば、もしや血さえ流れてきそうではないか。
     怖い都市伝説か何かで、実は本当に切り取ったペニスを使っていたなど、そんな話があったら嫌だなと、妙なことさえ思ってしまう。
    
    「よーく触っておくんだぞ?」
    
     担任教師が、生徒に向かって声を張る。
    「いずれ誰かと付き合って、本物に触る機会もあるだろう。いや、それ以前に性交実習も行われる。今のうちに慣れておけば、本番で慌てずに済むからな」
     これは練習だった。
     いつかは誰かと性交渉を行うであろう、子供達の正しいセックスを促進するため、積極的に興味を持たせるようにしながらも、その一方ではきちんと信用できる相手としかしてはいけないことを、厳しい口調で伝えてくる。
     そういう授業を何度も経て、中学二年の教室では、こうした光景が広がっていた。
    「まずは手コキ!」
     女子達が真剣に、生真面目にペニスを握り、机の上で上下にしごく。
     マサ美も肉棒を握ったものの、あくまでも竿と睾丸だけの模型である。人間から生えたわけではないものに手コキをするには、左手で根元を押さえ、机からずれないようにする必要があった。
     そうして、マサ美は手コキをしていた。
     右手の上下に合わせて皮も動いて、ずり上げるたびに亀頭が隠れる。
     本物への経験などないというのに、こんなところもリアルだなどと、マサ美はつい関心してしまう。何時間かけたとしても、ここから精液が出ることは永遠にないと思うと、どこか不思議でさえあった。
    「フェラチオ!」
     そう指示が飛んだら咥えてみて、初めてながらのつたなさで、どうにか顔を上下に動かすのだ。
    「んずっ、はじゅっ、ふじゅるぅ…………」
     どうも、やりにくい。
     ペニスの太さで口は塞がり、模型だから相手の反応も存在せず、上手に出来ているかどうかがわからない。ただ、慣れることが授業の目的、という担任の言葉に従い、わからないままにこなしていた。
    「ずぅ……ずりゅっ、ちゅりゅぅ…………」
     頭を上下に動かして、視界の大半を占めるのは机の木目だ。机が目の前で前後に動く。
    「ずっ、りゅじゅぅぅ……ずりゅぅぅ…………」
     実物が相手なら、こうしていると精液が飛び出して、顔射か口内射精か、はたまたは身体のどこかにかけるか、ティッシに出してもらうこともあるだろう。しかし、模型からは出て来ない。カウパーの知識もあるが、生身の人間でなければそれすら出ない。
     決して満足することのない、単なる模型に向かっての、教師の「終了」の言葉を待つばかりの練習は。いっそ部活動の素振り練習をしているように思えてきた。
    「実習日も近いからな。しっかり慣れておけよ?」
     担任の言葉に、もう次の日曜日が自分の番だと、マサ美はすぐに思い出す。
     本物のペニスを咥え、男を射精させる体験を通して、肉体交流を学ぶ実習である。学んだあとは彼氏のために活かしてやり、仲を深めてみたいと思いつつ、一対一の個別実習となると緊張してならなかった。
    
     ――日曜日。
    
     個別実習に呼ばれたマサ美は、休日にも関わらず制服を着て登校して、担任の待つ職員室に顔を出す。
     この学校には、そういう授業をするためのベッドがいくつもあり、マサ美が案内される先の教室も、戸に鍵をかけることの可能な、カーテンを閉め切った個室である。男性教師は除菌ペーパーでペニスを拭き、女子生徒はうがい薬で口内除菌を行い、衛生を意識してから取り組む流れとなる。
     マサ美がうがいのために廊下に出て、蛇口を使った後に戻って来れば、担任教師は既に全裸となっていた。
    「うぅ…………」
     わかっていたので、裸の男がいたからと悲鳴は上げない。
     ただ、本当にするのだという実感が強まった。
    「では服を脱ぐように」
     ベッドに上がると、それが最初の指示だった。
    「はい」
     そう言われれば脱ぐしかなく、口しか使わないのなら脱衣はしなくて済むと思っていた希望は砕ける。脱ぐといってもどこまでか、下着姿で手を止めると、ブラジャーも外すように言われて、ショーツ一枚のみとなる。
    「では早速、フェラチオの実習を開始していく」
    「はい」
     直立した担任の前で、マサ美は自然と正座になり、顔の高さとぴったりと一致した正面で、勃起した逸物が真っ直ぐ前に向かって突き出ていた。
     ……立派だ。
     先日の練習授業はもちろん、画像でなら見たことがある程度には、マサ美には性的な好奇心がある。何よりも実習の場で、ペニスが出るのは当たり前の中で、直視できずに目を背けるようなことはなかった。
     ただ、少しは恥じらいも湧き、チラチラと瞳だけが横へと動く。
     裸が恥ずかしいのか、ペニスを見るのが恥ずかしいのか、マサ美自身にもよくわからない、ただただ気恥ずかしくて照れ臭い心境だった。
    「彼氏は?」
    「います」
    「どこまでいってる?」
    「キスと、服の上から触られたくらい」
     チェックシートに記入を行う担任の前で、質問がどこか淡々としているので、セクハラと感じる気にもならずに、マサ美も静かに答えていく。そもそも、そういう場なのだから、日常的に聞かれたらセクハラになる質問も、今なら許容しなくてはならない。
    「裸になるのはこれが初めてか」
    「……そうですね」
     彼氏ではない男に見せることになってしまうのは、さすがに悔やまれるところである。
     実践教育が普通化して、授業で処女が散るのは仕方がない考えさえ広まっても、完全にあっけからんとした表情で、蚊に刺される程度の気持ちだけで性交実習さえこなす女子など、この世に存在するのだろうか。
     大胆に背筋を伸ばし、マサ美のことを見下ろす男の前で、自分はぴったりと膝を閉じ合わせた正座でいる。ショーツ一枚と靴下だけの、裸を晒して、まるで目の前の男にお仕えするかのような絵を、彼氏が見たらどう思うか。
     ずきりと、胸に針でも刺される痛みが走る。
     罪悪感だ。
     何故、どうして、悪くもないのに、こういう気持ちを感じなくてはいけないのか。
    「まずは手でしていこうか」
    「は、はい……!」
     手を伸ばし、恐る恐ると触れながら、右手の指を巻き付ける。作り物にはなかった体温の、ピクピクとした脈と熱気が手の平に広がっていた。
     作り物と違って、生身の相手に手を動かす。
    「どうかな。抵抗はあるかな」
    「少し……」
    「好きな相手なら、もう少し好奇心が出やすいかもしれないけど、彼氏であっても最初は抵抗を感じてしまうこともある。この抵抗感というのが厄介で、女の子が期待に応えてくれないと、それがそのまま関係性を気まずくしたり、最悪は別れるきっかけになる。手コキやフェラチオを行う際の抵抗感は、こうした実習を通して除去していかないとね」
     話はわかる。
     性的なコミュニケーションを円滑にする手助けのため、何年も前から実践教育は導入され、出生率の向上が期待されている。ここで練習しておけば、マサ美も彼氏のために奉仕をしてやれるかもしれない。
     性行為の実習を済ませたから、試してみようと、それとなく話題に出し、先へと進むきっかけにする。
    「ではそろそろフェラチオしていこう」
    「はい」
     マサ美は唇を近づけて、試しに先端に触れてみる。亀頭とキスをしてしまった直後に身を引っ込め、唇に残る男性器の感触を噛み締める。除菌ペーパーの成分なのか、薬っぽい気配がかすかにあったような気もして、衛生的には問題がないことはよくわかる。
     ただ、何となく汚い場所とされるものを、口の中に入れるのだ。
     さすがの抵抗感に、唇を近づけ、咥えようとしてみるも、キスをした途端に身体が引っ込んでしまうのだった。
     近づいて、離れていき、また近づいては離れていく。
     キスさえしない顔の前後に、やがて唇を肉棒への接近に慣らしきり、ようやく咥え始めたマサ美は、生まれて初めて口内に迎えていた。
    「技術的なことは求めない。とにかく、まずはやってみることだ」
    「ずむっ、じゅむぅ……じゅむっ、ちゅむっ、ちゅずっ、りゅずぅ……じゅずぅ……ずっ、ずずずっ、んずぅ……ずぅ…………」
     太いものを咥えるため、顎に負担を感じるほどに口を開いて、少しばかりの苦しさに耐えながら前後していく。大きな亀頭が喉にぶつかり、舌はべったりと裏筋を這い、口で息をすることがやりにくい。
    「そうそう。いいよ?」
     担任はマサ美の頭を撫でる」
    「はじゅぅ――ずぅ――ずちゅっ、にゅずぅぅぅ――――」
    「彼氏くんにしてあげることを考えて」
     そう言われると、マサ美はより励む。
     あいつにしてやるため、あいつのためと、舌を振るわせ活発に、スムーズにやろうとしていくうちに、フェラチオ熟れたものになっていく。元より模型を使った練習の授業もあったおかげで、上半身ごと前後に振るう身体の使い方は、純粋な素人というわけではなかった。
    「にゅちゅぅ……じゅぅ……ずじゅぅぅ……じゅっ、ずりゅぅ……」
     咥えているうち、しだいに何分経っていったか。
    「ちゅにっ、ちゅむぅ……じゅりゅっ、れろぉっ、れろっ、ぺろっ、ぺろっ、れろぉ……れろぉ……れろぉぉ…………」
     ただ咥えて前後に動くばかりでなく、時には先端をペロペロと、竿の横合いもペロペロと、裏筋を舐め上げていくこともこなした。
    「はい。この辺りで射精をしていくので、飲んで下さい」
    「はむっ、じゅぅぅ…………」
     そう聞けば、あとは咥えての前後運動だけに集中した。
     やがて肉棒がぴくりと脈打ち、亀頭から弾ける青臭い味が、マサ美の口内に撒き散らされる。唇の締め付けを強め、どうにかして喉を鳴らすマサ美は、危うく吐き出しそうになった精液を何とか飲み込む。
     唇を離した時、唾液と精液の混ざった糸が、長く長く、何センチにも渡って伸びて、U字型のアーチを成した挙げ句に、やっとのことでぷつりと千切れる。喉に流れ落ちたものが腹に溜まって、自分はこの人の体液を取り込んでしまったのだとマサ美は深い実感を味わった。
    「ではね。これでひとまずは終わったわけだけど、せっかく彼氏がいるということだし、ここは挿入もしていこうか」
    「……えっ」
     マサ美は困惑した。
     挿入? 今から?
     フェラチオ実習だとしか聞いていない、口だけのつもりでいたマサ美は、さらに先まで進むつもりの担任に戸惑い、オロオロしているうちに押し倒される。愛撫が始まり、胸を揉まれ、アソコにも指が来る。
    「あのっ、ちょっと――あの――」
    「セックスもするでしょう? なのでね、今のうちに体験しておきましょうか」
    「いや、でも――」
    「はいはい。脱がすからね」
     有無を言わさぬ担任は、マサ美のショーツに両手をかける。本気で最後までするつもりで、済ませない限りは帰してくれない。そう感じたマサ美は諦めて力を抜き、手足をだらりと、されるがままに脱がせてもらう。
     初めては彼氏と出来ると思っていたのに……。
     諦めるしかなかった。
     全裸となったアソコに指が来て、担任は手慣れたピストンでほぐし始めた。
    「こうした前戯で準備を行い、膣分泌液が出るようにしつつ、必要があればローションも使っていくから、痛みは必ず最小限になる」
    「あっ、うぅ……ぅっ、んぅ…………」
     指使いの上手さに喘ぎ、愛液がシーツに染み出す。
     コンドームの装着を始めた担任は、それでも肉棒にローションをまぶした上で、脚を開いたマサ美に性器を突き立てた。
     あとは腰を前にやれば、マサ美の処女は破られる。
    「初体験の痛みは厄介なもので、個人差があるからね。あらかじめ除去しておかないと、痛みのあまりにセックスに集中できず、彼氏も挿入を楽しめない。トラウマとなり、セックスが苦手になる。彼氏側がトラウマになって、また痛がらせるのではないかと挿入できなくなる。そういったケースを阻止するため、他の学校では挿入まで行っている。今回は彼氏とのセックスに備えて、特別に実施しよう」
     この学校ではフェラまでとされてはいるが、教員ごとの裁量で、場合によっては挿入することが認められていると担任は語った。
    「では――――」
     担任の腰が迫って来る。
    
     ずにゅぅぅぅぅぅぅぅぅ――――――――。
    
     穴の大きさよりも太い肉棒は、それでも強引に潜り込み、幅を広げてでも奥まで進む。生挿入と同等の快楽を得られることを謳うコンドームで、担任は熱気に満ちたぬかるみの、膣のきつい締め付けを感じている。
     マサ美は痛みと苦しさに苦悶を浮かべて、額から一気に脂汗を噴き出した。穴の広さを拡張してくる圧迫感に、子宮に続く洞窟の形が、担任の肉棒フォルムに合わせたものに変形していくような、内側から型を取られている感覚に見舞われていた。
    「痛みはどうかな」
    「は、はい……痛いっ、です…………」
     破瓜の血も流れている。
    「トラウマのような激痛?」
     そんなことを聞きながら、担任はバインダーのチェックシートを構え、マサ美の答える言葉を書き込もうとしていた。
    「いえ……」
     途端にボールペンが紙を引っ掻き、その音が耳に伝わる。
    「どれくらい痛いと感じる? かなり、少し?」
    「トラウマではないけど、かなりです…………」
     長さも間違いなくあった。
     腹に届いてくる異物感で、中身が潰されている苦しさは、きっと亀頭が子宮に届いているせいだ。
    「オナニーはしたことあるか?」
    「…………はい」
     急な恥ずかしい質問に、マサ美は顔を背けながら小さく頷く。
    「どのくらいするかと、指を膣に入れていたかどうかも教えてくれ」
    「えっ、と……指は入れれて、回数は月に一・二回…………」
    「そうか、月か。少ないね。保健の授業ではオナニーを推奨していたと思うけど、もう少し回数が多ければ、膣が挿入に慣らされて、初めての痛みも軽減できていた。といっても、先生のは平均よりも太いから、経験人数の多い子でも、たまに痛いというけどね」
     そんな恐るべき太さということは、脳裏にちらつく彼氏の肉棒は、きっと担任のものより細い。先生の肉棒に合わせて形が変わり、整ってしまったマサ美のアソコは、これから彼氏用の形になれるのだろうか。
    「それじゃあ動くからね」
    「はい………………」
     出入りが始まった。
     担任の腰が動くと、何かを引きずり出される苦しさに顔が引き攣る。指では気持ち良くなれたのに、太すぎるものの辛さで、快楽などは得られない。
    「最初はね。気持ち良くないと思うけど、二回、三回としていくうちに、膣が経験を積むほど快楽を得られるようになっていく」
     ずにっ、ぐにっ、と、ピストンによって膣が捏ねられ、子宮も突かれて潰される。苦しみしか感じられない性交に、これで本当に快楽を感じる時は来るのか、マサ美は疑問になりながらも悩ましく髪を振る。
    「今回は快楽を得られないけど、そこは先生が協力しよう」
    「え……」
    「一週間後、もう一度学校に来てもらうよ。二回目なら、少しは気持ち良くなるはずだからね」「え、あぁ……はい…………」
     本当に、諦めるしかなかった。
     担任が射精するまで耐え忍び、ようやく終わった実習から解放されると、アソコの中に太いものが入り続けた苦しい余韻が残っていた。思い出そうと思えば、肉棒の出入りしていた感触はいとも簡単に蘇り、つい股を手で押さえてしまっていた。
     感想文を書き、提出する。
     一週間後のセックスは、本当に少しだけ気持ち良く、けれど少しだけ苦しさが残り、またさらに一週間後も呼び出しを受け、三回目はきちんと快楽を感じられた。
    「これで彼氏とのセックスも心配ないな」
     その言葉を最後に、四回目の呼び出しはなかった。
     聞けばあの担任は、他の彼氏持ちの女子にも『実習』を行って、恋人の挿入時にきちんと気持ち良くなれるための『手助け』をしていたらしい。
     確かに上手だった。
     正直、彼氏よりも……。
     とはいえ、だからセックスが上手い男に流れるほど、この時代の女子の貞操観念は緩いものではなく、いくらかの訓練で、感じやすい肉体さえ出来上がれば、あとは彼氏側の上達を待つのみというのが、少なくともマサ美の周囲では主流であった。
     そう、呼び出しはなかった。
     しかし、彼氏とのセックスを何回しても、担任との四回目にはあった絶頂を体験することが出来なかったので、彼氏の上達を待つよりも先生に鍛えてもらうことを選び、五回、六回、七回と、マサ美は自ら『実習』をお願いした。
     七回きりで、打ち切りにした。
     彼氏の肉棒でイケたからだ。
     ただ、マサ美が受験して合格した高校は、挿入実習を年に一度行うらしく、教師との性交はまだいくらか繰り返されることになりそうだった。
    
    
    


     
     
     


  • フローラの学術調査 前編

    次の話

    
    
    
      ペニシア神は人間界とは異なる階層の住人だ。
     人はそこを神界と呼び、教会という特別な施設の中から祈ることで、それぞれの抱く想いや願いを神界に届けて来る。実に様々なものが日々神界に流れているが、ペニシア神はその特に信心深いものに良き力や運勢を与えていた。
     人の信心深さは心地よい。
     だから、ペニシア神はそれに応える。
     特に祈りによって得た魔力を人々のためにこそ使い、あなたのおかげで大勢の人々を救うことが出来ましたと、お礼の祈りも捧げてくれる神父や神官といった種類の人間は、とても気に入っているのだった。
     神とは概念。
     神界とは概念によって形成される非物質の階層だ。
     なればこそペニシアは、より多くの人々の信仰心を得ることで、概念体として生き永らえている。誰しもが神を信じず、その存在が人類の記憶から風化していく時こそが、神の死ということになる。
     信仰心を捧げて貰えることが、そのまま生きる栄養を与えてもらうも同然である。
     より良い信仰を味わいたい。
     祈りの強さは形によって、それぞれ味わいが異なるために、ペニシアはより自分好みの祈りを見つけ、己の意思を神父に伝えた。
    
    「なんと! そのようにして祈る心を示させよというのですか!」
    
     神父は驚き、しかし従う。
     そして、上質な信仰をより多く得るためにも、己の意思に従うものにはより大きな力を与えた。
    
    「で、君のような、聖職者を志すわけではない少女が、あえてペニシア様への祈りを体験してみたいというわけだ」
    「はい。各地域の文化、宗教、民俗や風習について調査を行い、学術的な論文を書いたり、書物を書いて出版することが私の仕事ですから、是非とも取材の意味合いも兼ね、許可を頂けましたらと」
    
     教会に勤める中年神父の前にいるのは、ローブを纏う金髪の眼鏡少女なのだった。
     魔術や宗教活動は、信仰や文化と密接に絡み合う。それらの調査を行うなら、自らも魔術の修行を行い、魔力の扱いを心得るのが、きっと職業柄重要なことなのだろう。
     名前はフローラ。
     17歳で各地を周り、時にはギルドで冒険者のパーティに加わりつつ、時には傭兵を雇いつつ、はたまた公認の学者団に加われば、国軍の護衛付きで学術調査に出ていける。
     そうして転々としてきたフローラは、この国が信仰しているペニシア神に興味を抱き、教会の扉を叩いて取材を申し込んで来るに至った。
    「許可を出すことは、もちろん可能なのですが。ペニシア様は特別なお祈りを求める男神でして……」
     困り果てた表情を隠しも出来ず、中年神父は言葉にも迷って口をつぐんでしまっていた。
    「大丈夫です。恥ずかしながら、ペニシア神にまつわる神話、信者達によって紡がれた歴史の数々は、少しばかり勉強させて頂いています。何をすることになるのか、承知の上です」
    「それが本当ならいいのだがね。本当に承知かね」
    「はい。二言はありません」
     フローラはきっぱりとしていた。
     一時の恥より、学問での成果の方が大切なのか。眼鏡をかけた淡々とした面持ちは、むしろ知識欲旺盛で活発な若者のものと見えてきた。
    「いいでしょう。祈りの間へ案内します」
    「ありがとうございます。神父様」
     しかし、いいのだろうか。
     いや、相応の知識の上で、承知の上で来ているからには、多少のことは覚悟しているはず。何より中年神父としても、ペニシア神についての理解を広めるちょっとした機会である。
     かくして、中年神父はフローラを祈りの間へと連れていく。
     そこで行われる神への祈りが、性的な奉仕や性交であることをわかっていながら……。
    
    
     そもそも、世界は物質界と概念界の二階層に分かれており、物質で構成される世界を人間界とも呼んでいる。人間達の持つ邪念、正義感、疑惑、信愛といった清くも汚くもある心の数々が、物質界から発散されて概念界へと届いていき、神々の存在を構成していく。
     全ての神にとって、人間とは自分達を生み出した源である。
     だから神々の多くは人間に興味を持ち、自分に祈りを捧げる者とあったなら、信心深さによっては何かの力を与えたり、その者の運勢を良くすることもしばしばだ。
     祈りの間には、ペニシア神に信仰心を届けるため、概念界への繋がりを発生させる魔術上の装置を仕込んでいる。もちろんお互いの世界を行き来は出来ないが、二つの世界を繋ぐゲートがあれば、より直接的にペニシア神への祈りを捧げることが可能となる。
     ペニシアを象った石像を飾り立て、床と壁には無数の象形文字が刻まれている。
    「祈りの儀式において、一種の見立てを行います。あちらをご覧ください」
     中年神父が指した先には王座があった。
    「あの場に座る者をペニシア神であると見立て、仮想の神に対して奉仕を行う。それは魔術的なプロセスを経て、実際のペニシア神にまで伝わっていく」
    「そうです。王座の後ろ側にはベッドがありますが、あちらも同様。ペニシア様と交わり、快楽を捧げるためのもの」
    「神の代役を務めるのは」
    「及ばずながら私です。つまり、実体験を兼ねての調査となると、私がフローラさんの相手ということになるのです」
    「承知しました。実際に祈りを捧げさせて頂けますか」
    「ええ、あなたがご承知であれば」
    「ありがとうございます。神父様」
    
    
     祈る際には衣類の着用は許されない。
     一糸まとわぬ姿となったフローラは、全裸で男の前に赴く恥じらいに頬を染め、王座への階段を一つずつ上がっていく。
     神の代役を務める中年神父も、衣類は身に付けていなかった。
    (立派ですね……)
     天に向かってそそり立つ肉棒に目を奪われ、黄金の輝きを放って見える神々しさに固唾を飲む。神聖なるものが神父の肉体に降り立って、性器をここまで雄々しく立たせているのがフローラには伝わっていた。
     まるで部屋全体に黄金の色合いを広めていき、大気全体をかすかに鳴動させているような、圧倒的な存在感に、自分はこの肉棒よりも格下なのだと、見ただけで痛感させられる。
     肉棒の皮膚に接した空気が、異なる世界のものへと変質を遂げ、それが徐々に侵食のように広がって、この祈りの間全体を人間界とは切り離した異空間へと変えている。
     単に儀礼上の作法のはずが、フローラは心の底から跪いてしまっていた。
    (お、男のものを、こうも輝かしいものに感じる日が来ますとは、こうして調査に訪れた意味はあったようですね)
     冗談でなく、今この一物を振り回せば、魔族がひしめく闇を光で切り裂くことが可能だろう。聖剣が魔王を破った史実でも、別の神様が同質の魔力を剣に宿したとされている。
     神は己の意識を切り取って、神父の中に植え付けることができる。神の心の破片を宿した神父への奉仕は、神そのものへの奉仕と同義となり、そうして信仰心を示した女性には見返りが与えられる。
     神界(概念界)の魔力によって勃起している肉棒は、深い敬意を持って接するべき神秘的な神器も同然だ。
    (本当にこれほどまでとは……来て良かったです……)
     歴史や文化にまつわる調査を生き甲斐として、論文の発表や書物の出版を収入源としているフローラは、歴史的・宗教的・魔術的価値の高い品物には目がなかった。
     冒険者なら誰もが聖剣に触れてみたい、魔王を討って大物になってやりたい願望を抱くのと同様に、ならば学者は価値ある碑文に触れたい。素晴らしき発掘品の数々、尊敬する学者の著書、文化や風俗に密接な関わりを持つ品物を調べてみたい。
     その道の人間なら、誰しもが抱く欲求が大きく膨らみ、フローラは肉棒に手を伸ばす。
    (硬く、熱い。触れるのは初めてですが、誰の男性器も似たような感触がするのでしょうね。問題は流れている魔力。人間のものではない、神界から流れ込んだものが直接性器を勃起させ、このように立派に見せているというわけですか)
     両手で包み込むように握り締め、実にたどたどしい奉仕を始める。
     手の平に神秘の魔力が染みわたり、自分がいかに高位なものに触れているかを実感した。
    (ペニシア神の意識の一部が、彼の魂には宿されている。私は今、神の身体の一部に触れているものと心得なくてはならないわけですね)
     自分は神に従属する身であるという気持ちが、否応なしに胸の内側に湧いて膨らむ。
     王座に座る者の前で膝をつき、性的に尽くしているのだ。
     単純に神という存在は大きすぎるのも一つだが、王者と召使いの構図を打ち立てる舞台装置も、フローラの中に従属感情を育てている。
    (かなりの神威ですね)
     指圧のように揉みながら、軽くしごいて玉にも触れる。
    (こうした神々しさで人をかしずかせ、権力を手にしてきた王の歴史は数多いですが、ここまで立派ですと……確かに……)
     少しばかり目上なだけでは済まされない、遥かに次元の異なる存在感に満ち溢れる。ペニシア教においての価値の高さは確かであり、いかに学問的に有意義な体験であるかも明らかだ。
    「ちゅっ」
     思わず唇を重ねてしまっていた。
    (ど、どうしましょうっ。レポートの文面には、こうしてキスをしてしまったことも、まあ少し官能的な表現にはなってしまいますが……)
     亀頭に唇を当てては離し、当てては離しの、キスの応酬が唾液を付着させていく。
    (こういうことは初めてですが、神性が高いおかげでしょうか。思ったよりも抵抗は少なく、何とか続けていられそう)
     不潔なものに触れる不快感など、まずもってあろうはずもなく、むしろ神聖なものに触れる有難みさえ感じるのだ。
     フローラは手を活発に動かした。
    「ちゅっ、ちゅむ……チュ、チュッ、ちゅ、ちゅ……ちゅ……りゅちゅ、れちゅぅ……ちゅっ、ちゅぷ、はぷっ……」
     キスと手コキの奉仕によって、唾液の糸が引いては千切れ、その唇にはカウパーも付着していく。
     高位のものを前にして、励まずにはいられない。
    「ちゅ――ちゅぅ――」
     唇を押しつける長さもまちまちに、手の平にはピクピクとした脈打ちを感じ取る。
    「ちゅっ、ちゅむっ、はむっ、あむぅ――りゅちゅ――ちゅ――チュッ、チュチュ――」
     いつしかフローラが行うキスには、先っぽを軽く啄むような動きも加わって、つたなかった手コキもしだいに慣れの気配を見せる。
    「ちゅっ、あむっ、むじゅぅ……」
     こうしているあいだにも、この体験を文面にまとめ、書物や論文として書き記すための文章が頭の中に沸き溢れ、神性たっぷりの肉棒とはどんなものかを表現するための言葉を組み立てている。
    「はむぅぅ……」
     顔を前に押し進め、亀頭を口内に閉じ込める。リング状に丸まる唇がカリ首の段差にかかり、フローラはそのまま舌で亀頭を攻め立てる。
    「ずりゅぅぅぅぅぅ……ずぅぅぅ――じゅむっ、んぅ――」
     さらに奥まで咥えていった。
     亀頭で喉が塞がりそうな気配に止まり、頭を後退させていく。唇がカリ首に引っかかるところで、再び前に進んでいき、じっくりと前後運動を繰り返した。
    「じゅちゅっ、じゅぅ……ずぅ……ちゅっ、ちゅるぅ……じゅじゅっ、にゅじゅぅぅ……ちゅぅ……」
     肉棒の内側にある神聖な魔力の流れが、フローラの奉仕によって徐々に活性化していた。すればするほど輝きが増すようで、それがやりがいを煽ってくる。
    (もっともっと、いっぱいシて差し上げないと。という、高みの存在に対する奉仕意欲を刺激されてしまうようですね)
     フローラは眼鏡のレンズを介した上目遣いで、中年神父の表情を見上げてみる。神の意思の欠片を宿す器に過ぎない中年神父は、ただ静かに佇むだけの表情で、フローラの咥え込んでいる表情を眺めていた。
    
     ――何を願う?
    
     誰かが問いかけて来たわけではない。中年神父もそんな言葉を発していない。
     しかし、フローラには伝わった。
     この奉仕と引き換えに、お前は私に何を望んでいるのかと、ペニシア神はフローラに尋ねている。何の言葉や動作も介さずして、フローラの頭に直接念じたとでもいうべきだろうか。
    
    (知的好奇心を満たすこと。学術的に価値ある体験を手にすること。私と同じ、文化や宗教の研究を志す仲間のため、知りえたことを書物で広めていきたいこと。それが私の望みです)
    
     ――よかろう。
     ――さすれば、その胸も奉仕のために駆使するのだ。
    
     フローラの知識にはパイズリという言葉もある。
     胸を腹部に押し当てるようにして、フローラは自分の豊満な膨らみの中に肉棒を閉じ込める。
    (ペニシア神がお喜びになっている)
     まるで新しい知識が勝手に書き込まれて来るように、神はお喜びだという真実が、どういうわけだか把握ができる。
    (神のご意思を受け取るというのは、多くがこういう感覚なのでしょうか。パイズリの経験もありませんが、やってみるしかありません)
     自分で自分の胸を揉みしだき、柔肉の変形に肉棒を巻き込んでいく。
    (楽しまれておいでなのですね。私のこの、初めてこういうことをしている感じ。コツもわからず、こうすれば気持ちいいだろうかと試している私の姿が、ペニシア神にとっては面白いもののようですね)
     挟みつける力を強め、上下のしごきを行った。
     乳肌が寄り合わさっての、密閉された谷間の中から、存在感に溢れた亀頭が見え隠れを繰り返す。散々に染み込ませてきた唾液が乳房に移り、ヌルヌルと滑りを良くしていた。
     きっとカウパーも乳肌に付着している。
     見え隠れを眺めるうち、おもむろにペロリと舐め、青っぽい味を舌先で救ってしごきを続けた。
    「んっ、んぅ……」
     中年神父の腹に乳首を擦りつけてもいるせいか、しごいているうちに刺激を感じ、甘やかな快感を覚えて突起する。
    「れちゅっ、んちゅ」
     またしても亀頭に吸い付き、フローラはパイフェラをしてしまっていた。慣れない奉仕に、いいところで口を引き下げ、ただのパイズリに戻っていくも、そのうちにまた舐めたくなって、ペロペロとカウパーの味を確かめる。
    「れるっ、ちゅっ、ちゅむぅ……ちゅるっ、れろっ、れろぉ……」
     舐めながらも乳圧の強弱をかけ、肉棒をしごいている。どうしてなのかヨダレが溢れ、唇を被せた亀頭と口の隙間から、谷間にかけてゆっくり流れ落ちていく。
     下腹部がヒクついていた。
    (とても男性的な神であり、色欲に溢れているけれど、女性信者が行う奉仕に対しては誠実に対応しているのでしょうね。それにこの感じ、アソコが熱くなってくるのは、私がいやらしいんでしょうか。それとも、ペニシア神の覇気があまりにも偉大だから……)
     かつてここまで性器の挿入を想像して、アソコが疼いたことはない。肉棒の現物に触れているせいかとも思ったが、ペニシア神の偉大さ故に湧き上がる感情ではないかとも考えていた。
     自分が淫らなだけか、否かによって、書物への書き方も変わっていくことになるが。
    
     ――射精。
    
     これから精液を飲まなくてはならない使命が脳裏に溢れ、ペニシア神がそういうご意思を送ってきたのだと理解するフローラは、再びフェラチオに集中していた。
    「ずっ、ずぅ……じゅぅっ、じゅっ、つっ、ちゅぅ――じゅじゅっ、りゅむぅぅ――じゅっ、にゅむぅ――」
     肉棒の熱かった余韻を乳房の肌に残しつつ、フローラは顔を前後に振り動かす。
    「ずむっ、じゅむっ、じゅぅ――ずぅ――ずりゅぅ――」
     来る。もうすぐだ。
     フローラはさらに舌を震わせて、懸命なまでに竿を磨く。
    (神の一部を取り込むことには、宗教的に大きな意味を持っています。その神秘を実際に体験するほど貴重なことはありません。ここは一滴も残すことなく……)
     気を引き締めると、自然と唇にも力が入る。太い血管の脈打ちが舌に伝わり、込み上げている射精感が気配でわかる。
    「ずっ、ずずぅ――じゅるっ、ちゅむっ、ちゅるるぅ……じゅっ、はぷっ、っぷ、にゅぷぅ――ちゅぅぅぅ……」
     すぐそこだ。もう来る。
     あと数秒。
     来た!
    
     ――ドクゥゥ! ドクッ、ドクン! ドクドク! ビュク! ビュルルル! ビュックン!
    
     漲る精力の爆発が口内に四散して、いたるところに青っぽい味の香りが付着する。
     フローラはそれをこぼさず飲み干した。
     何度も喉を鳴らして腹に収め、それでも舌や歯にはヌルヌルとした感触が残っている。
     顎を後退させていき、肉棒が口の外へと出ていくにつれ、やがては切っ先にキスをしている形となる。
    「ちゅむぅぅぅぅぅぅぅぅ――――」
     気がつけば、フローラは強く唇を押し当てていた。
     まるで吐き出すことが名残惜しいかのように、ゆっくりと唇を遠ざければ、白濁が伸びた銀糸が引く。
    「ぴちゅっ、くちゅぅ……」
     精液汚れの残った亀頭をペロペロ舐め、静かに掃除していると、中年神父がおもむろに立ち上がった。
     セックスだ。
     ペニシア神は本番まで望んでいる。
    (貴重な……体験……)
     もはや中年神父自身の意思は見受けられない。神の降りた肉体は、欠片でしかないペニシア神の意識が動かしている。フローラを抱こうとしているのは、まぎれもなく神なのだ。
     フローラは処女だった。
     乙女として、ここで初めてを捧げていいのか迷いはある。
     しかし、学術的には極めて貴重な体験であり、人間の身分で神のご意思には逆らえないことも重なり、セックスを拒むことなどできようはずもない。
     中年神父――否、ペニシア神に導かれるまま、フローラはベッドの上に沈んでいった。
    
    
    
    


     
     
     


  • 第5話「口内射精」

    前の話 目次

    
    
    
     ちゅっ。
     亀頭の唇と優奈の唇が触れ合った。不慣れな優奈はすぐさま口を離してしまうが、すぐに再び近づけて、ほんの先っぽを唇でかすかに食む。唾液を帯びたふんわりとした温もりが、そのまま亀頭の約半分を飲み込んで、唇周りの筋肉を持って圧してくる。
    「うぉぉぉ……」
     言い知れぬ何かが迸り、それは肉棒の芯を通って根元へ溜まる。優奈は唇だけを使ってパクパク齧り、亀頭を食べるかのようにしていった。それはまるで、魚が口をパクパクと開閉しながら食事をするシーンのように、差し出されたエサを優奈は齧り続けている。
     まだ咥えてもおらず舌も使われていないが、それでも俺の亀頭は唾液にまぶされていき、ぬらりと光を反射する。
    「どう?」
     優奈の上目遣いが俺を見た。
    「すっごくいいよ。特にいいのは、優奈が俺の息子を世話してるっていう優越感」
    「むー……屈辱……」
     じっと俺を睨み上げ、それから口淫を再開する。今度は舌を真っ直ぐに伸ばして亀頭の先端をちょんちょん突き、優奈は味を確かめる。チロチロと舐め始め、俺の亀頭先端は集中的に刺激され、亀頭の口だけがみるみる疼く。
    「こ、これは……」
     気持ちいいような、苦しいような。尿道口を通じた芯が熱く疼いて、舌先から塗られる唾液がさらにまぶされ水分が増えていく。じわりじわりと肉棒が内側から熱される快感に襲われ、なんだか脚までムズムズしてくる。
    「何? たまんなそうな顔しちゃって」
    「いやぁ、ジンジンするもんで」
     俺が答えるなり優奈は俺のを握ったままにんまりして、なにやら満足げな表情を浮かべてくる。
    「ふーん? そうなんだぁ」
     悪者が何かをたくらむ顔である。
    「スイッチでも入ったか?」
    「かもね。なんか私もゾクゾクする。これ、歯を当てないようにすればいいんだよね」
    「そうそう。歯が当たったら絶対に痛い――と思う」
     過去に経験があるわけではないのでなんともいえないが、肉竿は男にとってこれ以上ないほど大切な器官だ。傷ついたり、ましてや歯で皮を食い切られたらと考えると、それだけで恐ろしくて縮み上がる。
    「ま、やってみるよ。私にこんなことをさせるんだから、アンタは本当に私に忠誠を誓ってくれないと困るんだからね」
    「もちろんですとも、女王陛下」
     ペニスなぞ出しながら格好はつかないだろうが、俺は冗談めかして紳士的な騎士を演じてみせる。
    「ふふっ、ではそなたに褒美を与えようぞ」
     優奈は大きく口を開き、口腔へ俺の肉棒を受け入れる。口内の強い湿気と熱気に包まれて、唾液でぬめりとする舌が裏筋へぴったり触れる。右手で根元を握った余り、肉棒の約半分を口内へ覆い込み、優奈は唇を丸くして竿を締め付けた。
    「んじゅ……んっ……んも……もっふ……」
     頭が前後へ動き出し、口腔のぬめっとした生温かさが肉棒をまんべんなく撫で始める。前後運動に合わせて、裏筋に張り付いた舌がぬめぬめと這い、肉棒全体が優奈の唾液にまみれていく。
    「ふっむ……むふっ……はふ……はふっ、んちゅぱ……」
     その快感を例えるなら、肉棒が丸ごと灼熱に包まれて、性感という名の炎で皮から内側の芯までかけて焼け爛れていくようなジンジンとした気持ち良さだ。俺の肉棒は優奈の口内でビクンビクンと何度も跳ねて、早くも射精感が込み上げていた。
     やばい、快感に焼かれているといっても過言ではない。
     生理的な気持ち良さもさることながら、さらに俺を心地良くされるのは、女に自分の一物をしゃぶらせているこの状況そのものだ。仁王立ちする俺の股元では、当然優奈の頭が前後に動いているわけで、上から見るとその往復運動による頭部の動きがよくわかる。つむじの見える頭が前へ後ろへ交互に動き、この俺へ一生懸命ご奉仕をしてくるのだ。
    「す、すごい……フェラチオがこんなに良いとは……」
    「ちゅぷ――へ、へえ? そんなにいいんだ?」
     嬉しそうな、照れたような顔を優奈はしていた。
    「すっごくいい。こっちを見ながらやれるか?」
    「え? いいけど」
     優奈は俺のを咥え直し、今度は顔をこちらへ向けながら、俺と視線を交わし合いながら頭を動かす。他でもない俺の一物を含んだ顔を見ると、まさにこの女は自分に尽くしているのだという実感がみるみる沸き、所有欲求が満たされる。
     ニヤけてしまう。
     ただエロい夢が実現している嬉しさだけではなく、女という生き物に対する征服欲求が叶ええられている事への喜びが顔に出て、頬や口元が緩んで俺の表情に出てしまう。あまりに感情が溢れるため、ポーカーフェイスは気取れなかった。
    「ばーか」
     そんな俺を見て、優奈は可愛らしく言葉を投げてきた。さしずめ、俺を自分の物としなければ、ただただ征服されるのは気に喰わないという気持ちからなのだろう。
     それは一瞬。
     とりあえず一言だけ発しておけば満足だったようで、あとは言われた通りの咥え方を実行する。頬の火照った照れくさそうな表情が、俺のを含んだまま前後する。
     ペニスを肉棒全体をジンジンと焼き尽くす快感が、根元を通じて内股の周囲にまで広がって、脚の痺れさえも強くなる。
    「んちゅぱ……ちゅちゅ……んっ……んっふ……ふふぁっ……」
     水音を立て、口が塞がっている分だけ鼻息の音を立てながら、優奈は懸命に俺の表情を伺っている。どうなの? イクの? まだ出ないの? と、そういった挑戦的な言葉が目から発され、俺はそれに表情で返してやる。
     ――もう出るかも。
     ――嘘っ。
     視線だけのやり取りで、そんな会話が成立した。
    「え、えと――じゃあ、どうすんの? ティッシュ? それとも……」
     これは判断を俺に委ねているわけか。
    「飲んでもらってもいいですか」
    「うーん……どうしよう……」
     優奈は迷う。いきなり、慣れないうちから精液を飲むのは抵抗が強いだろうか。
     しかし、唸った挙句に腹を決め、優奈は言う。
    「いいよ。飲んであげる」
    「ありがとうございます」
    「はいはい。とっとと済ませて私に順番を回してね」
     優奈は咥え込み、拙いなりにも十分に頭を振る。
    「ふっ――んっ――むふっ――」
     その刺激で、もはや俺の肉棒は溶けていた。実は優奈の口内で快楽のあまりに溶解して、とっくに液状化してエグいことになっているのでは。なんて有りえない想像をさせてくれるほど、この快感は堪らない。
     そして、俺は達した。
    
     ――ドク! ドクドク! ビュルン!
    
     俺は射精した。
    「ごくん」
     それを優奈は飲んだ。
     一体、どんな気持ちなのだろう。
     俺のは優奈にとってどんな味がしただろう。
    
    「次、私の番だよね」
    
     そして優奈は、靴を脱ぎながらにったりほくそ笑んでいた。
    「そのようでございますね。女王陛下」
     やはり足を舐める羽目にはなるらしいが、まあいいだろう。要するに主従は交代制で、俺が尽くす時と優奈が尽くす時がある。
     それだけの事なのだ。
     やはり足を舐める羽目にはなるらしいが、まあいいだろう。要するに主従は交代制で、俺が尽くす時と優奈が尽くす時がある。  それだけの事なのだ。