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  • 森川千夏 ホテル行き

    
    
    
     森川千夏はその口に一物を含んでいた。
     ホテルの一室。
     制服でこんなところに来るのはまずかったが、相手が制服プレイを望むので、荷物として持ち込んで、シャワーを浴びたあとでわざわざ着替えた。
     仁王立ちする男の肉棒を手で勃たせ、それから咥えた千夏は、ロクに経験もないフェラチオに励んで、どうにか射精させようと苦心している。
    「千夏ちゃーん。なかなか頑張るじゃない」
     別に、さっさと終わらせたいだけだ。
     だいたい、好きでこんな場所にいるわけではない。
     千夏はバイトをやめさせられた。学校で問題を起こしたことが伝わって、週五でシフトを組むことになったはずのバイトは、その日が最後となったのだ。
     そして、俯きながら帰ってみればだ。
     家に帰れば、暗い面持ちの父親が、母親に自分のリストラを打ち明けているところを見てしまった。仕事が軌道に乗ったら、きっと初めからお払い箱にするつもりだったのだと、陰鬱な顔で口にしていた。
     つい先日、いつもより早く家を出た父が、千夏の隣で言ったばかりだ。今の仕事が上手くいけば、主任に昇進できそうで、給料が上がれば千夏の学費も、と。そのときの父はもう少し明るい顔をしていた。
     そのあとだ。
     夕方の公園で、小さな女の子とバトルをして、その際にコインを使った後だ。
    
     ――君、森川千夏ちゃんだよね。
    
     男に声をかけられた。
    
     ――実はさ。君のお父さんの借金、まだ帰って来ていなくてさ。
    
     急いで家に帰った。
     父親を問いただした。
    
     ――すまない。千夏……。
    
     それが答えだった。
     だから、千夏はこうしている。
    
     ――そうだね。十回。
     ――十回もヤらせてくれれば、チャラにしちゃおっかな。
    
     さっさと終わらせれば済む話だ。
     終わらせれば……。
    
    「じゅっ、じゅむぅ――ずりゅぅ――ちゅるぅぅぅ――」
    
     拙い口技で、千夏は頭を前後に動かす。
     好きでもない男の、汚いものを頬張る不快感と、太くて長いものを口に詰め込むことの息苦しさに眉を顰めて、この男から教わったコツを駆使する。
    「ちゅむぅ……んむぅ……ちゅっ、じゅむぅぅ……」
     これはアイスだ。変わった味のアイスクリームだ。
     そう思っていなければ、やっていられない。
    「おっ、そろそろ出しちゃうよー」
     当然のような口内射精で、飲むことを強要された。
     白濁が喉を通って、胃袋に収まる感覚が、嫌なほどによくわかった。
    「じゃあ、初めてのセックス。してみようか」
     あとは身を委ねるだけだった。
    「汚れ、つけないで下さいね」
     千夏から言うのはそれだけだ。
     適当に寝そべって、いいように千夏に触れる手に耐える。頬やうなじを撫でる指を堪え、ブレザー越しの胸を揉む愛撫も、スカートに手を入れて、ショーツ越しにアソコをなぞる指も、我慢ゲームだとでも思って静かに過ごした。
    
     ――ちーちゃん。がんば!
    
     何を、頑張る。この我慢ゲームか。
     壁や天井に模様があり、数でも数えていれば時間が経つだろうと気がついて、一つ二つと数えていくうち、ブレザーのボタンが外されていく。ワイシャツが開かれる。いつしか生乳を愛撫され、ショーツも取られていた。
     手馴れた指先によって、よく濡らされたアソコは、あとは挿入を待つばかりだ。
     そして、入ってきた。
    「くぅ……!」
     初めての痛みに顔を歪めて、小さな穴を無理に広げてくる太さに耐えながら、千夏はピストン運動によって揺らされていた。
     これでもう処女じゃない。こんな形で失った。
    「うーん。やっぱいいねぇ? 高校生は」
     ただ、黙々と耐えた。
     男は千夏を道具としてしか見ていない。性処理の玩具で、性奴隷というわけだろう。だったら千夏も、毛虫やゴキブリでも我慢して、気持ち悪さに耐えるゲームだと思ってやるまでだ。
     長らく耐え、やっと時間が経つ。
    「よし、そろそろ出すかねぇ」
     コンドーム越しの射精が済んで、解放されるかと思ったが、もう一度抜いておきたいと言い出す男の一物を手に握り、千夏は右手でしごいてやった。
    
    
     少し日を開け、二回目は全裸での騎乗位だった。
     今日は自分から跨ってみるよう言われ、数分ほど手コキをやって勃たせてから、千夏は自ら上に乗る。肉棒を指に絡めて、自分の秘所に位置を合わせて、しっかりと膣内に収まるように腰を沈めた。
    「んっ、んぁ……! あぁ……!」
     跨った千夏が上下に動くと、男は寝そべった姿勢から、まだ二回目の経験に過ぎない千夏の努力を見上げてくる。
     だが、ゲームだ。
     たかが我慢ゲーム。
     その日は途中で体位を変え、バックでも正常位でも貫かれた。
    
    
     三回目は体操着とブルマに着替えた。
     マニアックなコスプレだけでなく、紺色のブルマが尻の厚みによって膨らんで、ゴムから肉をはみ出しているのが嬉しいらしい。ついでにショーツも何ミリか微妙に見えて、そんなブルマ尻を必要以上に撫で回す。
    「へへっ、いいよ? 千夏ちゃん」
     脱がせてはコスプレの意味がない。
     その日は必要な分だけ下げるだけで、男は千夏に挿入した。
    「あぁ……!」
     正常位で覆い被さる男は、両手で体操着の胸に食らいつき、揉みしだくことに熱中しつつも腰を振る。
    「あっ……く……! くふぁ……! んぁぁ……!」
     快感に慣らされた千夏は、しだいに喘ぎ声を上げるようになっていく。
    
    
     四回目はスクール水着で奉仕した。
     だいたい、一度に最低でも一時間以上はやる羽目になる。挿れて出して、それで終わりというはずがなく、大抵は手や口でさせられる。
     ひとりきりしゃぶったあとは、やはり千夏の尻を楽しむ。
     やがて愛撫が始まると、アソコが濡れて、ずらし挿入となってあらゆる体位で突き込まれ、男の満足いくまで肉体を使われ続けた。
    
    
     五回目はソーププレイ。
     六回目は性感マッサージで快感を教え込まれ、七回目ではパイズリを行った。八回目と九回目では長く時間を取り、前半と後半でコスプレの衣装を変えた。
    
    
     十回目ともなれば、休日の丸々一日を使う日程が取られていた。
     朝から夜まで、千夏は淫らな時間を過ごした。
     朝から手で勃させたあとは、口に咥えて射精させ、精液を飲んだあとでプレイが始まり、全身に愛撫を受けて千夏自身の性感は高められる。また体操着と言い出すので、着替えたあとでの挿入となり、数分後とに体位を変えながらの性交となっていた。
    「あーあ。このマンコともお別れか。約束だもんなー」
     いかにもわざとらしく、大げさに悲しむ素振りを見せるが、男は既に別の性交相手を見つけている。千夏とは違う境遇だが、間違いなく不幸に付け込んで、誰かの性を搾取した日々を過ごし続けるわけなのだろう。
     やっと、終わる。
    「あっ、くふぁ……! あっ、あんん!」
     終わる。終わるのだ。
     必要なだけブルマを下げた四つん這いで、尻の穴など丸見えであろう後ろから、腰のくびれを掴まれながら、千夏はピストンを受けている。
    「おっと」
     射精感を覚えてか。急にペニスを抜いた男は、思いついたようにブルマを引き上げ、食い込ませ、可能な限りTバックに近づけてから、はみ出た肉を撫で回した。
     さっきから、こうだ。
     射精の気配があれば引き抜いて、手で触るだけの楽しみに切り替えて、また時間が経ってから挿入し直す。
     やっと終わるという日にこれだ。
     男は一秒でも長く楽しもうとしてきている。
    「次はスク水ね」
     と、男がそういうので、千夏は体操着を脱いで、また着替えた。
     スクール水着になった途端に押し倒され、胸を集中的に愛撫してくる男は、乳首の突起を見てニヤリと微笑み、集中的に指で苛める。
    「うっ、くぁ……あぁ……!」
    「可愛い感じで乱れちゃってさ。君も俺のチンポが恋しい?」
    「そんなわけないです」
    「へえ? ま、いいけどさ」
     男は股間の布地をずらし、アソコの割れ目を晒してから、今一度肉棒を千夏の膣内に納めて腰を振る。
    「んっ、んぁぁ……!」
     ずっと調教されてきた肉体は、否応なしに敏感な反応を示していた。
    「せっかく感度も良くなったんだ。彼氏が出来たら楽しめるな? 感謝しろよ?」
     感謝ときたものだ。
    「ん! んぁ! あっ、あふぁ……! あん! あぁん!」
     きっと、千夏はひたすら、ただ喘ぎ散らして見えるだろう。
     男の目には、そんな乱れた千夏しか映っていない。本当はどれだけ我慢して、ゲームの終了時間を心待ちにしているか。女の子を性処理道具としてしか見ない、そんな男を今でもどれだけ見下しているか。こいつにはわからない。
    「あぁ! あんん! ふぁあ……!」
     何度も体位を変更した。
     騎乗位になり、側位になり、結局は正常位に戻ると思えば、また今度はバック挿入。スクール水着の上からワイシャツを羽織ってみて欲しいと言われ、眼鏡やメイド服、ランドセルなんてものまで用意して、楽しくもないコスプレ大会を交えて、休憩を挟んでは繋がった。
     最後は制服だった。
     学校のブレザーとスカートを着て、その内側には男が選んだ下着がある。
    「バックな」
     そう言われ、千夏はベッドシーツに両手をつき、静かに尻を突き出した。
     スカート丈が持ち上がり、ショーツの尻が丸出しになると、すぐに下着はずり下げられ、とっくに濡れている膣穴に挿入が行われた。
    「ぬぁ……!」
     本当に、最後のはずだ。
     壁掛け時計の時間が、とっくに夜をまわっているのを見て、これが最後の辛抱だと千夏は歯を食い縛る。
    「あぁ! あ! あぁ……! あん! あぁん!」
     そして、最後に絶頂した。
    
     ――ちーちゃん。がんば!
    
     頑張ったよ?
     こんな汚いことをね。
    
    
    


  • 墨田/腹いせ すず子陵辱

    
    
    
     セレクターとして選ばれた人間は、記憶の象徴となる五枚のコインを賭け、必ず誰かとバトルをしなくてはならない。
     バトルをしなければ、やがてコインは黒く染まっていく。
     全てが染まればその人間は消える。
     自分の存在がかかった以上、ならば墨田壮という男は、グズ子という名のルリグを従え、なるべく弱そうなセレクターを狙っていた。弱ければ弱いほど、しかも初心者であればなおさらいい。
     妙にオドオドした女子高生を見つけたとき、こいつはカモだと、墨田は早速近づいていた。
    
     ――こんにちは。君もセレクターだよね。
     ――そんなに怖がらないでよ。
     ――僕もそうなんだ。
     ――なんていうか急にこんなことになってどうしたらいいか。
     ――ずっとバトルしないわけにはいかないみたいだし……。
    
     いかにも人が良さそうで、しかも経験も少ない風を装い、きっと初心者に違いない穂村すず子をバトルに引き込む。
     ビンゴだった。
     まさしく、すず子は初めて入るバトルフィールドの様子に戸惑っていた。
     おまけに怒鳴れば、終わったらターンエンドだろうがと煽ってやれば、本当にターンを譲ってくれる有様だ。
     そのとき、墨田のコインは既に四枚。
     すず子に勝てば五枚となるはずだった。
     なのに負けた。
    
    「畜生! 何で俺があんな奴に!」
    
     敗北の苛立ちと怒りは、当然のこと自分を破った穂村すず子へと向けられる。
    
    
         **
    
    
     朝起きれば、既に父親は仕事に出かけている。
     そして、誰もいないリビングのテーブルには、夕食代が置かれていて、いざ父親の分までご飯を作れば、帰りが遅くなるとのメールが来る。結局一人で食べて、一人で一日を過ごして終わることなど珍しくもない。
     その日だった。
     その日、学校から帰って家に着いた時である。
    「来る。セレクター」
    「……え?」
     玄関に鍵を差し込み、これからドアを開こうといていたとき、ルリグカードであるリルの声が聞こえたのだ。
    「近づいてくる。後ろ!」
     リルの警告から、そう間もないあいだに、既に穂村すず子の背後に気配はあった。
    「へえ? ここがお前の家かよ」
     振り向けば、そこには初めてのバトルで勝ったばかりの男がいた。
    「あなたは……!」
    「偶然だねぇ? この前は負けちまったけど、今回はそうはいかねえ。もう一度俺とバトルしろよ」
     墨田壮が迫って来る。
    「え、ええっと……」
    「っていうか。親とかいんの?」
    「い、いえ……」
     墨田の荒々しい言葉遣いに対して、気の小さい性格であるすず子は、すっかり萎縮して小声で答えてしまっていた。
     その直後だ。
    「すず子!」
     返答してしまったことを叱責するリルの声が、カードの中から雷の勢いで放たれるが、こうなってはもう遅い。
    「へえ? それじゃあ、お邪魔しまーす」
     墨田は何の遠慮も無しにドアノブを掴み、すず子の許可を得ることもなく、勝手に上がり込んでは靴を脱ぎ散らかし、ずかずかと踏み込んでいた。
    「あの! 困ります!」
    「うるせえ! これからバトルすんだからいいだろ?」
     意味のわからない理屈で、怒鳴ることで強引にすず子を黙らせる。
    「あのぉ……女の子の家に上がる込むのは……」
     恐る恐ると、墨田のルリグカードであるグズ子が声を伸ばすも、「グズ子も黙ってろや」と、弱弱しい意見は一蹴されて終わりである。
    「で? お前の部屋ってどこ? 二階?」
    「あ、あの……! 本当に……!」
    「お前の部屋でバトルすんだよ!」
     手前勝手に階段を上がっていき、すず子の部屋を確かめるため、見つけたドアを次々に開いて覗き始める墨田に対して、すず子はたどたどしく背中を追うことしかできずにいる。もっと強気にものが言えれば違うだろうが、小さな声で「あの……」や「やめてください……」を繰り返すだけがすず子の限界だった。
    「すず子。警察」
     と、リルの声。
    「うん……!」
     オドオドとした気持ちばかりでいたすず子は、リルの指摘によって初めて、通報すればよいのだと当たり前のことに気づいて電話機へ駆けようとする。
    「させるかよ」
     しかし、墨田にもリルの声は聞こえてしまった。
     階段を駆け下りるつもりで振り向いて、すぐさま駆け出そうとしたすず子の動きは、墨田に腕を掴まれることによって停止され、さらにはそのまま引っ張られる。
    「嫌っ……!」
     抱きつくように後ろから、強い力で口を塞がれ、もう大声を上げて近所に気づいてもらうことさえできない。
    「オラ! 大人しくしろ!」
    「女の子に乱暴は!」
    「グズ子は黙ってろ!」
     ほとんど引きずり込まれるようにして、半ば以上強引に部屋へともつれ込み、ベッドの上に押し倒されたすず子は、これから起こる身の危険に戦慄して、必死なまでの抵抗を行った。がむしゃらに手足を暴れさせ、何としても逃れきろうと、パニック任せに墨田の体を乱打するが、すず子の腕力で男に与えるダメージなど決定打にはなりはしない。
    「だから暴れんなよ! 大人しくしろよ!」
     墨田も墨田で、いくらか弱い少女とはいえ、必要以上に暴れるものを押さえ込むのは苦労する。両手の力ですず子の動きを止めるのは簡単でも、服を脱がそうと手を移せば、自由になった腕がそれを阻止しようと墨田を叩く。
    「嫌! やめて! やめて下さい!」
    「うるせえ! お前みたいなド素人が俺に勝つなんておかしいんだよ!」
     明らかに腹いせだった。
     弱い人ばかりを狙って、見下して、そんな風に戦ってきたらしい男が、いざ負けたとあらば女の子相手に報復する。
    (やだ! なんで! なんでこんな人……!)
     すず子の決死の抵抗も、せいぜい時間を稼ぐ意味しかなかった。
     ブレザーのボタンは全て外され、ワイシャツも前がはだけて、既にブラジャーが露出している。スカートの中からショーツも下がり、それが膝の位置にあることで、両足を使いにくくされている。
    「そうだ! こうすりゃいいんだ!」
     墨田はすず子の首からリボンを引き抜き、やがてすず子の両手を縛り上げた。
     頭上に両手を拘束され、いよいよ抵抗が意味を成さなくなったすず子は、絶望に顔を染め、涙ながらの声を絞り出す。
    「お、お願いします……やめて下さい……」
    「ははっ、やめねーよ」
     いかにも下品としかいえない笑みを浮かべて、墨田はじっくりと、視線によってすず子の肉体を舐め回す。
     引き千切らんばかりにブラジャーを剥ぎ取ると、存分に乳房を揉みしだいた。
    「ほーう? なるほどなぁ?」
     採点とばかりに揉み心地を確かめて、点数までつけ始める。
    「うーん。八十点はあげすぎか? 七十点? 六十ってことはないよなぁ?」
     好きなように乳首を摘み、指先で乳輪をぐるぐる撫でる。
    「お願い……」
    「うるせーな。九十点やるから静かにしろ」
     と、墨田はデコピンで乳首を弾く。
    「痛っ……!」
    「へへっ、次はアソコの方も採点してやるよ」
     すぐにスカートへ手を突っ込み、毛の生えた一体を指腹で撫で回す。指先でクリトリスを探り当て、割れ目をなぞり、自分勝手な愛撫を始めてせせ笑った。
    「やめっ、やめて……! そこだけは……!」
    「あぁ? ド素人の分際で俺に勝っといて何言ってんだ」
    「だって! そんなこと……」
    「大人しく感じて喘いどけよ。いい具合に濡らしてやるからよ」
     墨田の乱暴な手つきは、力強い摩擦となって、痛いほどに皮膚を擦る。とても気持ちいいなどいえない愛撫に、それでも性器を保護するための粘膜が分泌され、墨田はそれをれっきとした愛液か何かと思い込む。
    「やめて……!」
    「はッ! 感じといて何言ってんだ」
    「感じてなんて……!」
    「どうせ期待してんだろ? 早いとこ挿れてやるよ」
     墨田がベルト金具を外し始めて、すず子はさらに表情を一変させた。
    「お願いします! それだけは! それだけは……!」
    「へっ、いいからいいから」
     聞く耳など持ちはしない。
     墨田は我が物顔でペニスを出し、すず子のことなど考えもせずに挿入した。
     一物の太さが、穴幅の狭い処女の膣口を押し広げ、ロクな経験もありはしない下半身に痛烈な電気を走らせる。
    「いやぁぁ……!」
    「可愛い喘ぎ声じゃねえか」
     喘いでなどいない。痛いのだ。
    「あっ、あぁ……!」
    「おらおら」
     だが、どちらにしろ墨田は、お構いなく腰を振る。
     すず子が嫌がっていようとどうでもいい。
     いや、むしろその方が、墨田にとっては腹いせになるのだ。
    「ほーら、俺の精子をくれてやるよ」
    「駄目っ! ナカは……!」
    「知るか」
     容赦ない射精が、すず子の膣内に熱を広げた。
    「そんな……!」
    「いい気持ちだったぜ? ありがとよ。次のバトルも楽しもうぜ?」
     楽しむだけ楽しんで墨田が帰ると、後には放心しきったすず子が残されていた。
     自分の初めて――。
     それが、あんな人に――。
     こんな形で――。
    
     ――次のバトルも楽しもうぜ?
    
     次? 次ってなに?
     もう私はこんなバトルなんて――。
    
    
    


  • るう子の淫らな夢

    
    
    
     すごく、ヌルヌルする夢だった。
     えっちな夢だった。
     私は何も見えない真っ暗な闇の中にいて、深い海の底にいるみたいに、暗いばっかりの空間にふんわりと浮かんでいる。
     それで、たぶん『手』だと思う。
     たっぷりとゼリーをまぶしたみたいな、ヌルっとした手が、私のお尻にぺたって、どこからともなく、くっついてくる。お尻に塗ってくるみたいにして、手は私のお尻をいっぱいに撫でてくる。
     胸にも、ぺたり。
     もう片方の胸にも、同じような手がくっついてくる。
     腰に、唇に、お腹に、太ももに……。
     そして、アソコにまで……。
     何本ものたくさんの手に、全身をヌルヌルと撫で回されていた。
     どこもかしこもまんべんなく、ゼリーをまぶした手がいっぱいくっついてきて、いたるところを揉んだり撫でたりされてしまう。手がべったり張り付く感触が、私の肌中を余すことなく覆い尽くして、まるで人間の手を何十本も詰め込んだおぞましい海の中にでも落とされたみたいに、手という手に包み込まれて、すごくいやらしい感じを味わった。
    
     るう、気持ちいい…………。
    
     私はうっとり目を細めている。
     指が口の中に入ってきて、アソコやお尻の穴にも入ってくる。
     三つの穴をみんな塞がれて、全部の穴に指が出入りして、ずぷずぷと音が鳴る。すごく恥ずかしい場所を触られているのに、なんだか心地良いマッサージみたいでとろけてしまった。
     とっても、とっても気持ち良くて――。
    
     るう、イっちゃう! イっちゃうよ!
    
     絶頂の瞬間に目が覚めて、私はバサっとベッドで体を起こすのだった。
    「はぁ……はぁ……夢ぇ……?」
     そう、夢だ。
     私はあんなにエッチな夢を見て、夢の中で絶頂を覚えてしまった。夢だから記憶はおぼろげではっきりしない部分は多いけど、確かに無数の手に触られたのは気持ちよくって、穴をみんな塞がれたのも最高だった。
     それで、るうはイっちゃった。
    「んん? なんだろう。アソコが……」
     ちょっと、違和感。
     恐る恐るパジャマを脱いで、私は自分の股を確認してみる。履いていた白いショーツのアソコの部分が、濡れたように変色していて、私は自分で自分が恥ずかしくなった。
    「嘘ぉ、これって……」
     信じられない。
     だけど、確かにそれはオシッコとかじゃなくて、あっちの汁だったりする。
     るうはエッチなお漏らしをしてしまった。
     こんなにたくさん濡れてるなんて……。
    
    「随分いい夢を見たみたいね」
    
     その女の声に、私はとてもビクっとした。
    「……イオナさん」
     私の机の上に置いてある一枚のルリグカード。
     そのイラスト面の中に、イオナさんはいる。
    「夢はその人の心を現すともいうわ。るう子。あなたもしかしたら、とても卑猥なことに興味があるんじゃないの?」
    「そ、そんなこと……!」
     まるで淫乱だと言われているような気がして、私は少しムッとした。
    「何もおかしいことじゃないわよ。きっと、あなたには色んなことがあったから、少しおかしな夢を見てしまった」
    「でも、だからってあんなこと……」
     私は俯く。
     確かに今、私はタマを失っていて、再びセレクターとなった晶さんと出会ったり、ウリスである伊緒奈の手元にタマのカードが渡っていたり、色々なことが私の心に積み重なっている。
     でも、ストレスが溜まるとか、衝撃的な出来事が続くとか。
     そういうことで、人はエッチな夢なんて見るものなんだろうか。
    「ねえ、私としてみない?」
    「するって、何を?」
    「もちろん。エッチなこと」
     そんな事を真顔で言われて、自分の顔がみるみる熱くなるのを感じた。恥ずかしいようなムカついたような、よくわからない気持ちが込み上げて、私は怒鳴った。
    「るう! そんなことしないもん!」
     そう言って、さっさと着替えて私は部屋を出ていった。
    
         *
    
    「本当はあなただって興味があるはずよ」
    「したいんでしょう?」
    「自分の欲望と素直に向き合おうとしないから、夢という形で性がるう子を蝕もうとしてきている。ちゃんと見るべきではないかしら? るう子自身の心の中身を……」
    
     その日、イオナは執拗に言葉を投げかけてきた。
     学校へ行く途中、授業中の静かな時……。
     とにかく、隙を見つけては何度も同じようなことを繰り返して、イオナは私をエッチなことに誘おうとしてくるのだった。
     そんなこと、するわけないのに……。
     だいたい、女の子同士なのに。
     カードと人間で、どうやって絡み合えばいいっていうのか。
     わからない。
     どうして、イオナさんがあんなに私を誘ってくるのかも、どうして私にエッチなことをさせたがってくるのかも、全然わからない。
    
     わからないけど、うずうずして……。
    
     その日も、私は夢を見た。
    
     私は硬くて大きい男の人のものを口の中に咥えていて、一生懸命になって舌を動かして、ソレをたっぷり味わっている。十分にヨダレを使って頭を前後に振り動かす。そうしているうちに口の中でどんどん大きくなってきて、やがて男の人が私を押し倒してくる。
     それで、男の人は私の中にソレを入れてきて――。
     私に向かって、腰を振る。
     すごく、すごく、腰を振る。
    
     ――いい! すごくいい! るう気持ちいいよォ!
    
     物凄い快楽に貫かれているみたいで、あまりの気持ち良さに私はよがって、大きな声で喘いでいる。腰が来るたびに仰け反って、背中をビクンって弾ませて、いっぱい貫かれているうちに私は四つん這いになっていた。
     いつの間にかもう一人の男の人が現れて、また口の中に入っていて。
     私は前と後ろの両方から責められて、たくさんシた。
     夢だったけど、覚えている。
     硬くて太くて、きっと本物もこういう感じなんだろうなというのが、私のアソコに出入りしてきて、口に入っている時は太すぎて口を開けているのも辛かった。腰が動くたぼに、アソコの壁と男の人のが擦れあって、まるで摩擦が刺激になるみたいに、出ていく時も入ってくるのも両方とも気持ち良かった。
     やっぱり、そんな夢のせいなんだろうか。
    
    「うわぁ……」
    
     起きたら、パンツが濡れていた。
     何か違和感があると思って、ズボンを下げて確認したら、アソコの部分がエッチなお汁でべっとりと、まんべんなく濡れてしまっていた。
     どうしよう、これ……。
     また、下着替えなきゃ……。
     それに私、夢の中でこんなにいやらしいお汁を漏らしちゃったんだ……。
     どうしよう……。
    「また喘いでいたわよ。あなた」
    「……イオナさん」
    「眠っているるう子の声、とてもいやらしかった」
     そっか。
     エッチな夢を見てたから、寝ているあいだも嫌らしかったんだ。
     物凄く恥ずかしいことを指摘された気がして、顔がカァァァって熱くなって、耐え切れなくなったように私は言う。
    「もう! どうしてそういうこと言うの?」
    「事実だもの」
    「事実って、でも夢だし……」
     と、言い訳のように。
     だけど、そんな夢を見てしまった私は、やっぱりまるで自分が悪い子のように思えていて、なんだか後ろめたいのだった。
    「シましょう? るう子」
    「だ、だから! 何言ってるの? イオナさん」
     私は激しく赤らむ。
    「シたいんでしょう?」
    「…………そんなことない」
     自信のない声が出た。
     もっと、思いっきり否定しようと思ったのに。なんだか、自分に嘘をついているような、後ろめたそうな声が出てしまった。
    「シたいんだ」
     断言された。
     私の心を見抜いた言葉が、私の胸を貫いた。本当のことを言われて、もう隠しようがなくなってしまった気がして、否定したい気持ちが私の中でどんどん弱まっている。
     そして、私は言ってしまう。
    
    「……………………シたい」
    
     懺悔のように私は認めた。
    「……るう、シたい」
    「そうなんだ。やっぱり」
    「でも! だからって、そんなエッチなことが出来るほどの……なんていうか、恋人とか別にいないし……できないよ……」
     私はそう俯いた。
     シたいからって、するわけにはいかない。
     例え誰構わずってなったとしても、誰でもいいから誘っちゃおうなんて度胸、るうにはない。
    「できるわ」
    「……え?」
    「私と、シましょう? るう子」
    「……でも、イオナさんはカードなんだよ? するって言ったって、何をどうやってするのかわかんないよ」
    「できるわ。私の言う通りにすればいい」
    「言う通りに……?」
    「さあ、脱いで? 全て、一枚残らず」
    「…………うん」
     私はイオナさんに言われるまま、その言葉に取り憑かれるようにして、パジャマのボタンを一つずつ外し始めた。上を脱ぎ、下着を外し、パンツまで脱いで、私は生まれたままの姿になるのだった。
    「さあ、見せて? るう子のカラダを」
    「こ、こう?」
     私はカードを手に取って、イラスト面を自分の胸に向ける形で、イオナさんに裸を見える。
    「とっても綺麗」
     体のことを口に出されて、私は熱く赤らんだ。
    「駄目、イオナさん。恥ずかしいよ……」
    「いいえ、もっとよ。もっと私に見せるの。もっともっと、私をるう子のそばへ近づけて?」
    「うん……」
     なんだかもう、逆らえない。
     どうしてなんだか。
     私はイオナさんの言う通りに、カードを胸元へ近づけて、おっぱいがより見えやすいように位置を調整してあげる。
     この辺かな。
    「よく見えるわ」
    「うぅ……」
    「るう子の乳首、綺麗」
    「言わないでよ。イオナさん」
     イオナさんとするっていうのは、こういうことなんだろうか。触り合ったりはできないけど、こうして見せてあげることはできるし、そうしたらイオナさんは恥ずかしい言葉をたくさん私に言ってくる。
    「突起してるわ」
    「そ、そんなこと……」
    「だったら、自分で確かめてみなさい」
    「だって……」
    「さあ、確かめて」
     強制されるようにして、イオナさんの目の前で、私は指を乳首へ運ぶ。本当は硬くなんてなっていないと否定したかった私だけど、こうして自分自身で確認して、確かに突起しているのがわかってしまうと、もう何も言えなくなる。
     乳首、硬くなっちゃったんだ。
     イオナさんに見られて……。
    「いいわ。るう子」
     イオナさんは窓に身を乗り出すような姿勢を取って、イラスト面の境に顔を近づけ、じっと私の乳首を見る。
     私や指で乳首を弄って、摘んだり弾いたりしながら刺激していた。
    「イオナさん……」
    「下も見せなさい?」
    「下って……」
    「アソコに決まっている。さあ、見せなさい」
     イオナさんは有無を言わさぬ強い口調で強要してきて、私はまるで大人の言う事に逆らえない子供のように、しぶしぶながら見える位置にカードを運んだ。
    「……どう?」
    「駄目、見えない。ちゃんと脚をM字に開くべき」
    「そんな……」
     それじゃあ、本当に丸見えだ。
     だけど私は従って、枕を壁にしてカードを上手く立てかけたその前で、大人しく脚を開いてアソコを見せる。
    「よーく見えるわ」
    「うぅ……恥ずかしい…………」
     イオナさんにこんな場所を見られてしまって、もうどうしていいかわからない。
     顔がどんどん熱くなる。
     恥ずかしくて、死んじゃいそう。
    「中身も開くの」
    「嘘、そんなことまで……」
     私は太ももの付け根を掴むようにして、両手でぱっくりとアソコを開いて、中身のお肉を見えやすく。
     すると、イオナさんはやっぱりこちらに身を乗り出す。壁に両手を付けた姿勢で、顔をぐいっと近づけて、見よう見ようとじっくり覗き込んでいる。
     その視線は、私のアソコの一番奥に――。
    「るう子、濡れてる」
     興奮した表情で、イオナさんは言った。
    「濡れてない……」
    「濡れてたでしょう? 起きた時から」
    「でもっ、もう濡れてないもん」
    「だったら、触ってみなさい?」
    「そんな……また…………」
     私はアソコを指で撫で、確かにヌルヌルした汁が出ているのを確認してしまう。
     何も否定できなくなって、認めるしかなくなっちゃた。
    「答えて。濡れてるの?」
    「……はい。濡れてます」
    「どうして?」
    「エッチな夢……見たから……」
    「そう。るう子はエッチがしたいの。だから、オナニーしてみなさい?」
     私はぎょっとした。
     だって、そこまでするの?
     裸だって見せたし、アソコの中まで開いたのに、まだ許してくれないの?
     イオナさんの意地悪……。
    「しなきゃ駄目?」
     許しを請うように、尋ねてみる。
    「駄目」
     一蹴されてしまうのだった。
     なので、私は仕方なくオナニーを始めてみる。
    「もう、こんなことって……」
     恥ずかしさで死ぬような思いにかられながら、真っ赤な顔で指を動かした。アソコをたくさん指でなぞって、出ているお汁を塗りつけるみたいにして、イオナさんの見ている前でいっぱいいっぱい手を動かす。
    「いいわ、るう子……! 素敵よ。すっごく素敵」
    「そんな褒められても……」
    「乱れるの。もっともっと、私の前で」
    「うっ、んんん…………」
     アソコがどんどん気持ちよくなってきて、私は夢中で指を動かした。
     イオナさんの前なのに、こんなに恥ずかしいのに、それでも指はいっぱい動いて、穴の中からお豆の部分まで、両手で存分に触ってしまう。右手の指は出入りして、左手の指はお豆をつついて、私はたくさんした。
     イオナさんの言葉と視線に乱されながら、いっぱいシた。
    
     そっか……これがイオナさんとのエッチ……。
    
     乱れきった私は絶頂して、潮を吹いてくたりとした。
    
    
    
    


  • 一衣とるう子のお風呂

    
    
    
    「ねえ、るう子。お泊りしない?」
    
     植村一衣がそう言ったのは、せっかくできた友達と、もっと友達らしいことをしたいと思ったからだ。
     お出かけしたり、メールで夜更かしをしてみたり。
     色んな楽しいことはしてきたが、もっともっと繋がりたい。るう子という友達と今よりずっと仲良くなりたい。ずっと友達同士でいたい。そんな欲張りな自分がいて、いつしか一衣は今以上の関係を願うようになっていた。
     たぶん、一度は願いがマイナスに働いたせい。
     再びセレクターになった影響でか、ウィクロスパーティーの際にマイナスを乗り越えて、るう子とはもう一度友達になることが出来た。しかし、そのほんの少し前までは、本当なら二度と友達なんて出来ない状態にいてはずで、一衣はそのあいだ、途方もない孤独感に陥りながら過ごしていたのだ。
     マイナスを振り切って、それまでは恐ろしいほどの寂しさの感情に呑まれていた反動で、一衣は少し欲張りになっていた。
     お泊り、したい。
     もっともっと長い時間、一日でいいから過ごしてみたい。
     わがままな自分を一衣自身も自覚する。
    「お泊りかぁ……」
    「……駄目、かな?」
    「ううん。ちょっとおばあちゃんに聞いてみるね」
    「わかった。じゃあ、またね」
    「うん! また明日!」
     その日はるう子と道を別れて、二人はそれぞれの家へ戻っていく。
     帰り道、その道中。
    
    「OK出るといいね」
    
     胸元から女の声が聞こえてくる。
     首からネックレスのように吊り下げたルリグカードを手に取って、一衣はそのイラスト面の中にいる遊月と向かい合う。
    「うん。出るといいなー」
    「絶対大丈夫だって! るう子のばあちゃん優しいからさ」
     遊月は強い。
     自分自身がカードになってしまったのに、今では何も気にしていないかのように、すっかり今の状態に馴染んでいる。
     遊月のそんな打たれ強さと、元気いっぱいの励ましを聞いて、少しばかり遊月に甘えたくなってしまう。
    「うん。そうだけど、いきなり誘っちゃったし。ちょっと驚かせちゃったかな……」
     と、一衣は俯く。
     迷惑だったらどうしようという不安が、少しある。
     お泊りは実現するか。
     そんな些細な不安で、一衣の表情は曇っていた。
    「だから大丈夫だって! るう子だって誘われて喜んでたよ?」
    「本当?」
    「ホントホント! だいたい、るう子も一衣も少し遠慮がすぎるんだからさ。たまには、ああやってガツンと誘った方が刺激になるよ」
    「……そういうものかな」
    「そうそう。一衣だって友達が欲しいのが願いだったんだし、女の子同士ならお泊り会ぐらい普通やってるし、何も罰は当たらないよ」
     力強く、前向きな励まし。
     まるで心の中の曇りに向かって、強い風でも吹かせてくれているかのように、不思議なほどに不安が薄らぎ、なんとなく安心めいた気持ちになる。
    「ありがとう。遊月」
    「いいってことよ」
     遊月はえへんと、威張るかのように背中を逸らしていた。
    
         *
    
     一衣ともっと仲良くなりたい。
     お泊りの誘いを受けた帰り、るう子は一人でステップでも踏んでしまいそうなほどにウキウキして、嬉しい気持ちで家に戻った。
     一衣と一晩過ごしたい。
     ――ねえ、るう子。お泊りしない?
     あの瞬間の一衣の顔には、るう子の方もドキンとした。
     まるで恥じらいある乙女のように、顔を赤らめながら誘われて、さながら愛の告白でもされたぐらいに心臓が弾みあがった。うっかり変な気持ちが沸きそうなほど、あの一瞬の一衣が可愛らしく思えてしまって、るう子は今でもドキドキしていた。
     お泊り、したい。
    「ねえ、おばあちゃん」
     帰宅したるう子は、すぐに切り出す。
    「今度、友達の家に泊まりたいんだけど……」
     と、言ってみる。
    「いいよ? るう。約束はもう決まっているのかい?」
    「うん! あのね。次の土曜日とかどうかなって」
    「それじゃあ、お菓子をいっぱい持っていかないとね」
    「うん! ありがとう! おばあちゃん!」
    
         *
    
     そして、土曜日。
    「お邪魔しまーす」
     玄関から一衣に迎えられ、るう子が一衣の部屋へ向かって行く。
    「よかった。今日は一日一緒だね」
     と、微笑む一衣。
    「今晩は一緒に寝ちゃおっか」
    「……う、うん! そうしたいな」
     るう子の冗談めいた誘いに、恥じらいながらも一衣はまんざらでもない様子だ。
     少し、羨ましくなった。
     ルリグとなって、今ではカードの内側にいる遊月は、るう子とも一衣とも、友達でこそ有り続けはしているが、決して肌で触れ合うことはできない。カードの中という空間を隔て、イラスト面の壁を境に、そこから現実世界に手を伸ばすことが決してできない。
     二人は手を繋いだり、一緒に写真を撮ったりできるのに……。
     遊月にはできない。
     正直、それだけは寂しいし羨ましい。
     しかし、それ以上にルリグとなって思ったことは、他のセレクター達に同じ運命を辿らせてはいけないという事だ。既になってしまった自分はともかく、一衣やるう子が同じ目に遭うなんてことは想像もしたくない。
     ましてや、自分がルリグになればあの白い部屋に行けるかもという、一度はるう子が考えていた黒幕への接近方法だって、遊月としては絶対に反対だった。
     ルリグでいるのは寂しいが、慣れればどうにかやっていける。
     触れ合えることが羨ましいからこそ、それを主張して二人の仲をぎくしゃくさせてはいけないような気がしている。逆に応援してやるぐらいに大っぴらで、前向きにならなくては、カードの中の空間でなんて生活はしていられない。
     それに――。
     願いがマイナスに働いたことのある一衣。
     自らルリグになることを選びかけていたるう子。
     一度は危うい道を歩んだ二人には、きっちり安心できる仲になって、見ていて安心できるような友達同士であって欲しい。
     そうでなければ、遊月の方がハラハラするし、心配にもなってしまう。
     だから、るう子がお泊りに来れて本当に良かったと思っている。
     自分の感じる寂しさ、羨ましさについて、何も感じないわけではないが、遊月だって二人とは友達に間違いない。
     少なくとも、今はこれでいい。
     笑い合う一衣とるう子の二人の笑顔を、遊月は微笑ましく見つめていた。
    
         *
    
    「あちゃー。またるう子の勝ちかー」
     プレイマットの上に置かれた遊月は、何度目かわからない一衣の敗北に苦笑い。
    「るうだって何度か負けたし……」
    「でも、るう子の方がずっと勝ってる」
     あまりにも負けが込んで、一衣は少しばかりムキになる。
    「じゃあ、もう一回シよっか」
    「うん。次は勝つから!」
     二人はデッキを切り直し、手札を揃えてバトルを行う。
     一衣の手でフィールドに出ることで、この二人のバトルに遊月も混じり、結果的に三人でバトルを楽しんだ。
     セレクター同士のバトルでも、普通の戦いはできる。一衣が遊月を出す変わりに、るう子はイオナを出さない条件で勝負しているので、何のプレッシャーもない、ただの純粋なバトルを楽しむことができるのだった。
    「ずっとこんなバトルができればいいのにねー」
     るう子は言う。
    「そうだよね。セレクターとしてのバトルだったら、こんな風に楽しくなんてやっていられないっていうか……」
     一衣もそれに同調していた。
     この話になると、少し空気が沈んでしまう。
     るう子はずっとタマのことを気にかけているし、できることならセレクターバトルに関わった全ての少女を救いたいとも思っている。
     そのために必要なのは、黒幕へ近づくこと。
     だが、未だその方法はわからない。
     せいぜい、るう子が自分を犠牲にする道を一切放棄してくれているくらいで、マユに関する謎は何一つわかっていない。
     今は何も情報がないのだ。
    「やめやめ! この話は今日は無し!」
     遊月は大声を出して話題を止めた。
     別に今このタイミングでなくとも、こんな話はいつでも出きる。せっかくのお泊りなのだから、もっと普通に楽しく過ごさなくては損ではないか。
     と、遊月は思うのだ。
    「あはは……。ごめんね。遊月」
     今度はるう子が苦笑い。
    「同じカードばっかりじゃ飽きるもんね。次はトランプとかにしよっか」
     一衣の提案で一対一のババ抜きをすることに。
     トランプを用意して、二人は自分達の手札をそろえた。
     ウィクロスではるう子の方が強かったが、カードが変わったせいか一衣の方が順調に手札を減らして、あっという間に手札は二枚。
    「うう……」
     このタイミングでババを引きたくはないるう子は、一衣の握る二枚の手札を相手に、長い時間を迷い続けた。
    「どうする? るう子」
     笑顔の一衣。
    「こっち!」
     るう子が右側のカードに決め、そちらを引きかけたその時だ。
    「いいのかなー? そっちで」
     遊月がからかうように言ってくるので、るう子はカードを取るのを躊躇って、再びどちらか迷い始めてしまう。
    「いいもん! こっちで!」
    「はい、ざんねーん」
     思い切って引いたるう子を、遊月は大いにからかった。
    「あー! うそー……」
    「はい。次は私の番ね」
     ここで一衣がババを取れば、勝負はまた同じ状況に戻ってしまうが……。
    「あーん。負けたー」
     るう子はがっくりと肩を落としていた。
     ババ抜きは、一衣の勝ちだった。
    
         *
    
     そうして、二人は遊んで過ごして……。
    「ねえ、お二人ともさー」
     夜を周って、夕食も済んで、時間のことを思った遊月は二人に対してこんな提案を持ちかけるのだ。
    
    「一緒に風呂でも入ってくれば?」
    
    「――ふぇえ?」
    「……るう子と一緒に?」
     二人は同時に顔を赤らめ、気まずいような恥らうような、微妙な空気をたちまち醸し出すのだった。
    「別に友達同士なら普通だって。男同士だって温泉とか行くだろ? 女の子のお泊りもさ、だいたい一緒に風呂とか入るんだよ」
     遊月は案外適当に言っているのだが、二人はそれを見抜けない。
     元々、友達が欲しいと願いを抱くほど、これといった相手のいなかった一衣と、本人は気にしていなかったが人間関係の希薄だったるう子である。お泊り会がどういうものか。何が普通で何が行き過ぎか。二人揃ってそのラインを知らないので、遊月の言葉を二人は完全に鵜呑みにしてしまう。
    「ふ、普通なんだ……」
    「じゃあ、るう子。入ってみる?」
    「……どうしよう。入る?」
     二人は目と目で見つめ合い、モジモジしながら迷った挙句――。
    
     ――入ってみよっか。
    
     二人は心を決めるのだった。
    
         *
    
     ――ちゃぽん。
    
     るう子と一衣は湯船に浸かる。
     ちょうど良いお湯の温度に肩まで使って、全身をくつろぎで満たしながらも――。
    「なんか変な感じだね」
    「うん」
     るう子も、一衣も、肩の触れ合いそうで触れ合わない、微妙な距離感を保って体育座りで背中を丸めていた。
     体育やプールの授業で着替える時は、肌を見せずに着替えるテクニックを使うので、おおっぴらに体を見せ合う機会はない。
     つまり、人前で丸裸なんて初めてだ。
     恥ずかしいような、気まずいような、おかしな気持ちにるう子はなり、一衣も赤面したまま湯面に向かって俯いている。
     しかし――。
    
     チラッ、
    
     一衣の視線が向いてきて、るう子は全身で緊張した。
     お互い、体が気になるのだ。
     るう子もやはり、一衣の体の方に目がいって、例えばどんな胸をしているのかなんて、ついつい確かめたくなってしまう。
     興味があるのだろうか。
     一衣の体に。
     大きくはなく、かといって膨らみがないでもない。膨らみかけとしかいえない、るう子と同じくらいであろう胸が、体育座りの膝に隠れている。湯面を通して、その潰れた横乳がるう子の視線を引いていた。
     一衣の視線もるう子の同じような横乳に、体育座りの膝と身体の狭間にチラチラと向いていた。
    「るうね。今、少しおかしいかも……」
     そんなことを、ぼっそりと言ってみた。
     すると――。
    「私も、ヘンかも」
     一衣は再び、るう子の胸にチラリと視線を寄せかけて、真っ赤になって逸らすのだった。
     お互い気になってしまうらしい。
     だからというわけではないが、るう子はふと思いつく。
    「ねえ、一衣。洗いっこしない?」
    「背中流すの?」
    「うん。背中とか。あと、前も……」
    「前も? どうしよう」
     一衣は迷う素振りを見せながら、悩み初めて……。
    
    「うん。いいよ?」
    
     恥ずかしそうに、一衣は頷いてみせるのだった。
    
    
         *
    
    
     手の平に泡を乗せ、一衣はるう子の背中に触ってみる。
    「うひっ」
     るう子はビクッと肩を弾ませて、ピンと背筋を真っ直ぐ伸ばした。
    「大丈夫? くすぐったい?」
    「ううん? 平気」
     一衣はその肩から背中にかけて、腰にかけてまで泡を塗りたくり、くびれたカーブを両手で掴んで左右でさする。ふんわりとした肌の柔らかい触り心地と、石鹸で滑りのよくなった感触が混じり合い、手の平へ返ってくる気持ちの良さが一衣の手つきを活発にした。
    「脇まで綺麗にしてあげる」
     一衣は悪戯に微笑んで、その手を脇下へスライドさせる。
     脇の内側を指先で虐めると、るう子は既に伸ばしていた背筋をより硬くして、腰をくねらせるようにして抵抗する。
    「ひゃあ! 一衣、くすぐったいよぉ!」
    「駄目だよ。ちゃんと洗わなくちゃ」
    「そうだけど、くすぐったい……!」
     るう子の抵抗がやや強まる。
    「動いちゃダメっ」
     もがくるう子を捉えるように、一衣はその体をるう子の背中へ押し付けて、ぎゅっと抱き締めるようにして押さえ込んだ。
    「ひ、一衣……」
    「洗いっこって言ったの、るう子だよ? ちゃんと洗わせて」
    「うん。動かないから、くすぐらないで」
     るう子は懇願してくる。
    「じゃあ、前も洗うよ?」
    「前……?」
    「前もって言ったのるう子だから、このまま洗うね?」
    「……うん」
     るう子は恥ずかしそうな顔をしながら、大人しく一衣の手つきを受け入れる。
     一衣は背中へ胸を押し付けて、るう子の白いお腹を触り、円を描くようにして撫で回す。腹一面に泡を塗ると、今度は下へ手をスライドして、太ももの上を揉み始めた。
    「一衣……」
     もがくでもなく、何を言うでもなく、るう子は静かに口を結んで一衣に脚を触らせる。
     一衣はるう子の太ももを、付け根から膝にかけて、手を前後にスライドさせるようにして洗い始めた。揉むような手つきで感触を味わいつつ、前後往復で何度も行き来し、るう子の太ももをじっくりと堪能する。
    「洗いっこって、普通だもんね」
    「う、うん! まだまだ普通だよね」
     お互いに言い訳のように確認して、普通だと言い合った。
     既に二人の心の中には、おかしなスイッチが入ってしまっているのにだ。
    「次の場所、洗うね」
     一衣はさらに手を移動させ、ついには小ぶりな乳房を揉んだ。
    「一衣ぇ……」
     るう子は目を細め、甘い声を漏らして一衣を呼んだ。
    「……るう子」
     一衣もるう子の耳に顔をくっつけ、名前を呼ぶ。
     泡を塗るために胸を揉み、表面をぐるりと撫でる。真っ白な泡の粒が乳房の皮膚全体に引き伸ばされ、もう十分に塗りきったにも関わらず、一衣はそれでも揉み続けた。何かに取り憑かれたかのように一心に、夢中になって手を動かし、やがて乳首まで摘み始める。
    「一衣ぇ……」
     懇願のような声が一衣を呼んだ。
    「るう子の胸って、柔らかい」
    「そうかな」
    「うん。すっごく」
     揉んでいるうちに、しだいに一衣の体が動き始めた。背中へ押し付けた乳房を擦り付けるようにして、身体を上下に動かす。
     尖った乳首が、るう子の背中を突いていた。
    「一衣……?」
     るう子の乳首も硬く突起しきっている。
    「るう子、私……」
     一衣の手がスライドした。
     胸を揉んでいた片手が下へ下へと、肌の上をべったりと移動して、るう子のお腹を通過していく。やがてヘソの下の下腹部へ、大事なアソコへ向かっていき……。
    「――だ、ダメ!」
     さすがに慌てた声を上げ、るう子は一衣の手首を掴んだ。
    「ご、ごめん! るう子!」
     一衣も慌てた声で謝る。
    「う、ううん? 怒ったわけじゃなくて……」
    「でも、私……」
     気まずくなりかけた。
     妙な沈黙が重い空気で圧し掛かり、気まずくなった。
     そんな空気を一掃するように、るう子は言った。
    「次! 私の番だから!」
    「そ、そっか。それじゃあ、お願いします」
     そうして、二人は椅子の上を入れ替わって、今度はるう子は泡を手に取る。
     るう子の手が、一衣の背中に触った。
    
         *
    
     るう子は少し、興奮していた。
     同じ女の子の手だというのに、一衣の手で背中からお腹まで、そして太ももと乳房を丹念に洗われて、全身を愛撫された心地良さにうっとりと目が細くなっていた。気持ちも体も、ほんのりと熱くなり、るう子は活発な手つきで綺麗な背中を撫で回した。
    「んっ、るう子ぉ……」
     くすぐったいというよりも、まるで別の何かが込み上げているかのような、快感を堪える声を喉の奥から搾り出す。
    「んん……つはぁ…………」
     そんな甘く熱い吐息を聞き、るう子の気分も変わっていき、
    「さっきのお返し!」
     るう子は一衣の背中に抱きついた。
    「えっ、るう子……!」
    「るうだって、揉むもん」
    「るう子ってば……もう……」
     乳房を揉まれ、背中には押し付けられ、一衣は驚いた顔をしていた。しかし、一衣だって同じことをしているのだから、すぐに諦めたような顔をして、仕方ないかと言わんばかりにるう子の指を受け入れる。
    「えへへっ、一衣のおっぱいも柔らかいね」
     もはや、洗いっこという建前はない。
     るう子はただ一衣の胸を揉み、手の平いっぱいにその感触を味わっている。平べったいようでいて、ほんのりと膨らみのある乳房に指を踊らせ、手の内側に乳首の突起を感じ取る。るう子はそれを摘んで刺激して、指先で弾きまわした。
    「ああん! もう、るう子ぉ――」
    「一衣だって変な触り方したもーん」
    「し、してないって……」
    「嘘。絶対したよー」
     それこそ、仲良し同士のじゃれ合いのように、るう子の愛撫に一衣はひたすら身悶えする。
    「んんー……許してー……」
    「だーめー」
    「そんなー」
    雰囲気のままに気分を傾け、大胆になったるう子は一衣の太ももにまで手を伸ばし、自分がされたのと同じように膝から付け根へと手をスライド往復する。一衣の気分もどんどん変わり、このまま何をされてもいいような気持ちになっていた。
     そして、るう子は欲望と好奇心にかられていた。
     このまま一衣の秘密を暴きたい。
     この子の大事な部分はどうなっていて、その時一衣はどんな顔をするのか。
     不意に全てが知りたくなった。
     まるで欲望に操られるようにして、るう子はやがて秘所へと手を伸ばす。その割れ目へと沿うように、指を差し込んでいった時、一衣は静かにビクっと肩を弾ませて、驚いたような戸惑うような表情を浮かべつつ、るう子の愛撫を静かに受け入れていた。
    
         *
    
     なんだか、いけないことをしてしまっている。
     女の子同士なのに、駄目だとは思っているのに、一度スイッチの入ってしまったるう子の指はそう簡単には止まらないし、一衣の気持ちにもなんだかおかしなスイッチが入っていて、るう子のやる事に抗えない。
     タブーを犯すことが面白いことのように思えてしまった。
    「あぁ……るう子ぉ……嘘ぉ……」
     人の指が自分の大事なところをなぞってくる、たまらない刺激と快感に、一衣は甘い声を出してしまっていた。
     気持ちいいのだ。
     るう子の細く柔らかい指が、自分のこんな場所に触ってくる。
     気持ちよくて、もっとしたくて、一衣は言う。
    「私も、るう子のところ……洗う…………」
     もはや、別の意味でしかなくなっている「洗う」という言葉。その言葉が示すままに、一衣はるう子に体を向け、今度はお互いの手がお互いの股へと伸びて、秘所をまさぐりあうような形となった。
    「……綺麗にしないとね。一衣」
    「うん」
     二人はそれでも泡を使ってヌルヌルと、周囲を何周も回る形で愛撫し合う。ただ石鹸のぬめりだけでなく、しだいに別の液が膣奥から滲んできて、二人の顔はさらにとろけた。
    「お風呂って気持ちいいね」
    「うん」
    「なんか、ヘンなことになってるけどね」
     そうるう子は苦笑する。
    「すごく仲良くなっちゃったね。私達」
     一衣は言った。
    「うん。私、一衣と友達になれてすごく嬉しい。嬉しくて、なんか、ちょっと調子に乗っちゃってるのかな。今……」
    「乗っていいよ? るう子なら構わない」
    「本当?」
    「うん!」
     二人はおもむろに抱き合って、お互いの乳房を押し付け合うような形で、そのままの形でお尻を揉み合う。小ぶりな肉に指をくねらせ、食い込ませ、撫でるようにして泡を塗る。一衣はるう子の、るう子は一衣の、それぞれの尻肉の具合を丹念に確かめて、手に覚え込ませんばかりにじっくりたっぷり揉み続けた。
     その下では脚を絡ませ合った。
     熱烈に強く抱き合い、お互いの体温を感じ合った。
     そうしているうち、激しく求め合っているその最中に不意に目と目が重なって、お互いに見つめあった瞬間――。
    
     ちゅっ、
    
     二人とも、本当に無意識のうちに、何かに流されるかのように自分の唇を相手の口へと近づけて、それが自然であるかのように口付けを交わしていた。
    
    「ねえ、一衣。私達って……」
    「友達、だと思う。すっごく、すっごく仲良しの」
    「そうだよね。これからも、友達でいい?」
    「うん。また、お泊りに誘うから、来れたら来てね」
    「行く。いつでも行くから」
    
         *
    
     風呂上りの二人が手を繋いで戻ってきて、遊月は少々目を丸めた。まるで風呂に入る前と出た後で、この二人の関係に何か変化でもあったかのような、少し前までとは雰囲気の違うるう子の微熱を帯びた顔と、一衣のいじらしさがそこにはあった。
    「なんだなんだ?」
     やけに仲良しな二人を見て、遊月はだいぶ首を傾げた。
    「さーて、寝よっか。一衣」
    「一緒に寝ようね。るう子」
     このやり取り。
     一体なんだ?
    「お二人とも、何かあったのかー?」
     遊月は尋ねる。
    「べっつにー?」
    「なんでもないよー」
     るう子と一衣は、それぞれ答えた。
    「おいおい、私だけ仲間外れじゃん。ちゃんと教えろよー」
     と、文句を言ってみる。
    「どうする? 一衣」
    「どうしましょう」
     二人は悪戯に微笑み合い、それから悪戯っぽく二人揃って遊月を見る。
    「じゃあ、遊月も一緒に寝ようか」
     と、るう子。
    「三人で、ね」
     一衣も一衣で、らしからぬ意地悪な笑み。
    
     なんだ? この嫌な予感は!
     大丈夫だよね。
     私、カードだし。
     別に何かされたりとかするわけないよね?
    
     妙な不安に顔を引き攣らせ、その晩、二人の抱き合う枕元に遊月は置かれた。
     そんな遊月の運命を知るのは、遊月自身と三人だけ。
    
    
    「…………私は仲間外れというわけね」
    
    
     その晩の出来事を、イオナだけが知らずに終わった。
    
    
    
    


  • 見つけてしまった伊緒奈の夜

    
    
    
     特別不幸だったわけでもなく、幸せだったわけでもなく、けれど伊緒奈は知ってしまった。
    
     バトルすることの快楽を――。
    
     そして、見つけてしまった。
    
     小湊るう子という存在を――。
    
     彼女と、したい。
     たくさん、したい。
     あの時、初めてるう子としてから、もうずっとるう子のことばかりを考えてしまっている。
     朝起きた時も、寝る前も、ふとした拍子になんとなく思い出すのは彼女の顔だ。
     また、したい。
     あの子としたい。
     気がつけば、伊緒奈はるう子を求めていた。
     この街中のどこかに、自分の歩く道にるう子はいないか。読者モデルの仕事を終えた帰り道にるう子はいないか。人混みの中にるう子はいないか。
    
     気がつけば、彼女がそこにいないか探してしまう。
    
     るう子としたい。
     そればかりが伊緒奈の頭を占め、下手をすれば授業でも仕事でもぼんやりしてしまう。伊緒奈はその都度気を引き締め、きちんと集中すべきことにはしてきたが。
     夜、寝る前にもなれば、もう好きなだけ妄想できる。るう子の顔、るう子の声、肌触りを想像しながら、それだけでは物足りずに秘所へ触れ、布団の中で淫らな行為に身を落とす。あの可愛らしい顔を思い浮かべて陰部をなぞり、声を思い出しながらかき乱す快感には全身が震えてきた。
    「るう子……るう子……」
     ひたすら、彼女を想像する。
     例えば、この手で乳房へ触れたらどんな顔をするのか。スカートの中へ手を入れたら、どんな焦った表情をして、顔を赤らめるのか。
     キスをしたら、その唇はどんな感触か。
     るう子の指で触れてもらったら、自分は一体どうなるのか。
     あらゆる想像を膨らませ、頭の中のるう子と重なり合って蜜をかきとる。
     アソコがほってり熱くなり、伊緒奈はいつになく興奮した息遣いで快楽に目を細めた。
     なんて心地がいいのだろう。
     夢見心地になりながら、ただるう子だけを思ってまどろみの中へ落ちていく。
    
    「るう子……」
    
     その名を呟きながら、伊緒奈は眠った。
     そうだ、セレクターに呼びかけよう。
     そうすれば、あの子は必ずやって来る。
    
    
    


  • アキラッキー輪姦

    
    
    
    
      *アニメ第8話
       警官が駆けつけ逃亡後
    
    
     願いは二度と叶わなくなった。
     顔に醜い傷がつき、業界に居場所もなくなり、蒼井晶はもうモデルとして活動できない。自分にあったはずの撮影の予定も立ち消えになっており、もはや復帰は望めなかった。
     冗談じゃない。
     これでは誰も破滅できない。
     浦添伊緒奈を敗北させられないのだったら、こうなったらもうヤケだ。せめて腹いせに、あの二人の顔を自分と同じにしてやろうと思って呼び出した。連中だけでも目茶苦茶にしてやれれば、この腹の立った気分と顔に傷のついた惨めさを少しは晴らせるような気がしたのだ。
     だが、それも邪魔が入って未遂に終わった。どこの誰が通報なんてしたのか。それとも、たまたまパトロールしていたのかは知らないが、途中で警官が駆けつけてきたせいで、晶はやむなくその場を逃げ出す。
     小湊るう子も、紅林遊月も、どちらも傷つけられなかった。
     そして、伊緒奈も……。
     このやり場のない怒りはどうすればいいのだろう。
    「畜生!」
     落ちていた空き缶を蹴飛ばす。
    「どいつもこいつも調子こきやがって! いいよなぁ! あのモサい眼鏡は友達できねーだけだし、るう子はバトルゾッコンで遊月は禁断ラブラブチュ~でよォ!」
     転がる小石を見つけ、また蹴飛ばす。
    「笑いたきゃ笑えってんだよ畜生が!」
     行き場もなく彷徨っていた晶は、そこに廃墟の壁を見つけて蹴り始める。意味はない。ただ、何もかもに対する八つ当たりで蹴り続けた。
    「糞が! 糞が!」
     晴れない恨めしさを晴らすために、足裏で執拗に蹴りつけ、晶自身の脚が消耗するほど八つ当たりを繰り返す。コンクリート製の壁はそれを淡々と受け止め、いくら蹴っても心のモヤはむなしく漂い続けた。
     そんな時である。
    「お? なんか声がすると思ったら」
    「女はっけーん!」
     ガラの悪い、いかにも素行不良といった男の群れがゾロゾロとやって来て、晶の周囲を取り囲む。一人喚き散らしていた女の声を聞きつけ、不良グループが興味本位で寄ってきたのだ。
    「あぁ? なんだテメェら」
     晶は醜く顔を歪ませ、彼らを睨んで威嚇した。男達に囲まれた事実に対する恐怖はない。本来なら感じるべき恐怖より、自暴自棄になって誰かを傷つけたい思いの方が先行している。自分によからぬ暴力を企む男達を前に、恐れるよりもまず先に敵意や苛立ちのような荒い感情が剥き出しになっていた。
    「おぉ、怖い怖い」
    「なーに? この女」
    「顔に傷あるんだけど」
     せせ笑うようにして、一人の男が傷を笑う。
     プチンときた。
     晶の中で感情的何かが切れ、気がついたら咄嗟にナイフを取り出していた。
    「笑ってんじゃねェ! 糞チェリー共がァ!」
     気に入らない女の顔を抉るはずだった刃物で、自分をこき下ろす男に制裁を加えようとした。晶は好きでこんな顔になったわけではない。全てあいつらのせいなのだ。
    「テメェら! その粗末なもん切り落としてやんよ!」
     晶はナイフを一閃させ、正面にいた男のその部分に真っ先に狙いを定める。
    「うおっ――ぶねぇ!」
     だが、男は飛び退いた。ナイフは空振りに終わり、左右の男が晶を取り押さえようと飛び掛る。腕を伸ばし、掴みかかろうとする挟み撃ちを、晶もかわした。身を屈め、低めた姿勢から地面を蹴り、脚力の限りを込めて前へ飛ぶ。
    「ウオラァア! 死ねやァ!」
     まさに、飛んでいるというべき勢いだ。猛獣が獲物を追うがごとく迫っていき、一瞬で間合いを詰めて突きを繰り出す。腹部を刺そうとしたのだが、男もまた手首を叩き、ナイフの軌道を逸らすことで回避した。
    「ははっ! いいぜぇ? 元気な女はチョー好みだ!」
    「ほざいてんじゃねーぞチェリー軍団がよォ! アキラッキー様が捌いてやるってんだから動くんじゃねーよ!」
     晶は腕をムチのようにしならせて、軽やかなスナップでナイフを一閃二閃。何十にも攻撃を繰り返し、男は後方へステップを踏んでいきながら避けていく。
    「ほーら、こっちだこっちだ」
     男は余裕の表情で晶を煽る。
    「おーう! いけいけ!」
    「そんなナマクラじゃ切れないぜぇ?」
     周囲も観戦ムードになり、そこにナイフを持って暴れている人間がいるにも関わらず、軽いノリで応援を始めている。
    「死ィィねェエエエエ!」
     雄たけび共に鋭い突きを繰り出す。
     だが――。
    「うらぁ!」
     男はつま先蹴りを繰り出して、極めて正確にナイフを狙う。握り締めていたその手からナイフを弾き出し、宙へ放り出されたナイフは遠くの地面へ突き刺さった。
    「おいお前ら! いい加減ヤっちまおうぜ!」
    「おーう!」
     男達はテンションを上げ、遊びにノリノリになるような気持ちで晶を囲む。
    「はぁああ? 寄るんじゃねぇよ童貞軍が! あたしに触りたきゃ一億出せや!」
     晶は喚き、伸ばされる手という手の数々に抗い暴れる。爪を付き立て、誰構わず引っ掻き、噛み付こうとする勢いだが、男達の力はそれを難なく抑えている。抵抗むなしく衣服を引き剥がされていき、晶が下着姿になるまでそう時間はかからなかった。
    「んだテメェら! 汚ェ手で触ってんじゃねーぞ!」
    「へいへい。っていうか、こいつ蒼井晶じゃね?」
    「うわっ、本当だ!」
    「すっげー! ホンモンじゃん!」
     著名な読者モデルを前に男達は一層テンションを上げていくが、中でも最も興奮しているのは、今の今まで晶と戦っていた男である。
    「ウッヒャー! 俺もアキラっていうんだぜ? こーんなところで蒼井晶に会えるなんて、アキラッキー!」
     アキラは女のぶりっ子ぶった真似をわざとやる。
     晶を煽るために。
    「ああん? 舐めてんのかオイ!」
    「晶さーん。どうちたんでちゅか? そのお傷ぅ。アキラとっても心配ですぅ?」
    「はぁああ? キメェんだよキモメンが!」
    「キモいって言われちゃった。アキラはとーってもショックですぅ」
     男達は晶の両腕を押さえ、アキラは正面から覆いかぶさる。アキラは下着に包まれた乳房を揉み、ぐにぐにと指を躍らせ堪能し始めた。
    「てんめぇええ! 揉んでんじゃねーぞ糞野郎!」
    「ひゃーこわーい」
     そんな事を言いながら、アキラはブラジャーを剥ぎ取り生乳を露にする。
    「おおっ、ぷるぷるじゃねーの」
    「モデルさんは乳も別格じゃのう!」
    「どれ、アキラさんが揉んでやるのじゃ」
     晶の胸を鷲掴みにして、弾力を味わうように指に強弱をつけていく。
    「っざけてんじゃねーぞ! 性犯罪者どもがァ!」
    「大丈夫大丈夫、アキラッキーが気持ち良くしてあげるから。ねっ、晶ちゃん」
     アキラは下へ手をやり、ショーツの中へその指を潜り込ませた。
    「テメェエエ!」
     晶が激高する。
    「ふへへ! いい顔」
    「迫力あるねぇ」
     喚く晶の声にニヤニヤして、周りの男達も晶の全身を撫で回す。何本もの腕がまずは乳房を掴み、腹や腰を撫で、二の腕を触り始める。さらにアキラの指が秘所を愛撫し、体のいたる部分をマッサージされていく。
     その触り方は優しくねちっこく、晶を感じさせようとしている動きだ。
    「やめろォ! 輪姦こいてんじゃねーぞ糞共がァ!」
     晶は顔を赤くしていた。男に見られ、触れられている事実とそれに対する怒りで、二重の意味で顔が染まって、晶は脱出しようと身をよじる。だが、どう体をくねらせても、幾本もの男の手を相手に脱出など不可能だ。
    「ねぇねぇ、晶さんはその傷どうしたんですかぁ? そんな顔でモデルやっていけるんですか?」
     と、アキラ。
    「っるっせぇ! 殺すぞ!」
     その晶の言葉に、男達は笑った。
    「っははははは! 殺すってよ?」
    「あれじゃね? ライバルに傷つけられたとか」
    「怖いねー」
    「けどよくね? 中二病じゃんその傷!」
    「言えてる言えてる!」
     好き勝手に傷のことを口にされ、それは晶の逆鱗に触れた。目をこれ以上ないほどに大きく見開き、全てを射抜かんばかりの凶眼で周囲を睨む。
    「アァン? だったらテメェらの顔にも同じファッションくれてやんよ! 喜べよ! 最強にカッケーだろうがよォ!」
     だが、もちろん不可能だ。ナイフは遠くへ蹴り飛ばされ、それ以上凶器を持たない晶に彼らを切り裂く手段はない。ただ強がり、威嚇するためだけに吼えている状態だ。
    「アキラ遠慮しまーす」
     そう言って、彼は晶の秘所を嬲る。
    「――っ! テメェ!」
    「何? 感じたの? 感じちゃったの?」
    「ハァ? 何が悲しくてテメェの臭ェ指でよがるっつーんだよオイ! 下手糞すぎて痛ェくらいなんだよ!」
     その言葉に笑うのは、胸を揉みしだいている男である。
    「その割には乳首が立っちゃってるねー」
    「あぁん!?」
    「ほれほれ、どうなのよ? コレ」
     その指が乳首を弄る。硬く突起したそれをねちっこく摘み上げてはピンと弾き、捏ねるようにして刺激する。
    「このぉォォオ……!」
     晶は低く呻き、何かを堪えるような顔で歯を食いしばった。
    「お? 耐えてる耐えてる」
    「こっちはどうかな?」
     アキラはさらに秘所への愛撫を活発化し、丁寧に縦筋をなぞり、肉貝を揉む。蜜が滲んで、少しずつ湿っていき、しだいにアキラの指に愛液が絡み始めていた。
    「……や、やめろォ!」
    「んなこと言って、濡れちゃってるんだぜ?」
    「濡れてねェよタコが!」
    「じゃあ、これは何かなぁ?」
     指先に絡め取った滴る汁を見せ付けて、わざとらしく晶の頬へ塗りつける。
    「やめろっつってんだろうが!」
     その指に、晶は食いつく。噛み付いて、あわよくば食いちぎることまで考えたのだ。
    「おっと」
     しかし、アキラは即座に手を引っ込める。
     そして。
    「さーて、ではいよいよ! おパンツを脱いじゃいましょうかねぇ?」
     アキラがパンツに手をかける。
    「っざっけんじゃねーぞ性欲モンキーが!」
     晶は足をじたばたさせるが、両足首を掴まれる。そのあいだにアキラの手で引き下ろされ、ついに晶は一糸纏わぬ姿となるのだった。
    「晶ちゃんご開帳ー!」
     両足を広げられ、腕も押さえられているので、大事な部分を隠せない。舐めるように見てまわされ、羞恥と屈辱が晶の胸に膨れ上がった。
    「てんめぇえええ! 殺されてェのか!」
    「ははっ、やれるもんならやってみろよ!」
     アキラはご機嫌な顔で入り口へ当て、晶の膣口へ亀頭を塗りつける。
     晶は強張り、顔を真っ赤にしながら怒鳴り出す。
    「野郎ォォ! 殺す! ゼッテー殺す!」
    「おうおう、やってみろ! 早くしないと入っちゃうよ?」
     腰が押し出され、亀頭の先端が膣へ埋まる。
    「やめろっつってんだろうがよォ! ああん!?」
    「やめましぇーん」
     アキラは有無を言わさず腰を沈めた。
     あっさり入った。
     蜜のたっぷり溢れたソコに肉棒はにゅるりと入り込み、根元まで埋まり込む。
    「あーあー入っちゃいましたねぇ? 晶ちゃーん」
     満悦の表情を見せながら、アキラは腰を振り始めた。
    「ヤロォオオ! 抜け! 抜きやがれ!」
     挿入され、腰振りが始まったことで、晶の身をよじるような抵抗はより一層激しくなった。いくらもがいても、男の力を前に暴れることすら出来ていないにも関わらず、晶はそれでも身体をくねらせ続ける。
    「ほれ! ほれ!」
     アキラが腰を振る。
    「――んっ、んぁ……やろぉ……! あん!」
     晶は喘いでいた。男達に囲まれて、いいようにされているこの状況に反応し、こんな暴漢を相手に体がカッと熱くなる。
     その殺意にまみれた表情は、確かに敵の首元に食いつかんばかりの目つきではあるが、そんな表情の中にも微妙に瞳のとろけるような官能の気配が現れている。
    「――あっ、あぁ! やめ――このぉ……!」
     晶は感じていた。
     この状況に、犯されているという事実に。
    「あっははは! 感じてやんの!」
    「――ぬ、抜けぇ! テメェの粗末なモンなんか痛ぇだけなんだよ糞が!」
    「あ? 俺も気持ちいいよ? 晶ちゃんのナカはとってもヌプヌプでアキラブリーだよ? ははは!」
    「てめぇぇえ! ――ひっ、ひあぁぁ……あん!」
     弓なりに動く腰に貫かれるたび、晶はその都度仰け反った。
    「ほらほらぁ? こんなに感じちゃえるなんて、晶ちゃんもアキラッキーなんじゃないの?」
    「っるせえ! ――あ! あぁ……!」
     肉棒の出入りによる膣壁への摩擦で、晶の秘所は熱く熱く疼いていく。
    「――あっ……くっ……あぁ…………!」
     快感が溢れ出し、嫌でも声が出てしまう。感じていることを認めるのも、喘ぎ声を聞かれるのも堪らなく嫌で、晶は歯を食いしばって声を堪えた。
     決してこんなことを受け入れたわけではない。
     それなのに、体は素直に反応してしまうのだ。
    「おらおら、もっと楽しみなよ」
    「――ち、畜生! 畜生がァ――あっ、ああ! あぁ……!」
     晶は髪を振り乱す。
    「あ、そうだ! 晶ちゃーん。せっかくこうしてラブラブしてるんだから、俺ってばお金払っちゃおっかなー」
    「アァ?」
    「一人一万でどーよ。儲かるぜ?」
    「一万……? あっ、ふぁぁああ……!」
    「ははっ、今迷った! ゼッテー迷った! 一万なんて払うわけないじゃん!」
    「んだと? テメェ人からかって楽しいかよ!」
    「あーでも、一人百円くらいなら惜しみなく払っちゃうかもしれないなァ! ははは!」
    「――っのやろォ! おっ、おあっ、ああん!」
     アキラの腰振りは楽しげだった。執拗に喚き、吼えてやまない晶の声を聞きながら、愉快そうに腰を動かし快楽を味わっている。
    「ほーら出すぞ? どこに欲しい? 言ってみろよ!」
    「ざけんなァ……! 誰が――んなこと――」
    「じゃあ、中でいいな?」
     アキラは腰を速める。
     迫り来る射精の予感に晶は大いに慌てた。
    「て、てめぇ! ガキ出来たらどうしてくれんだ! 泣き寝入りしねーぞ! テメェら全員訴えんぞ!」
    「ざんねーん出しまーす!」
    「テエェ! テメェエエ! ヤメロォオオ!」
     絶叫だった。
     喉が張り裂けそうなほど、鼓膜から脳に響くほどの声が張り上げられ、晶は全力でもがいた。自分を抑える幾本もの手から脱出しようと躍起になり、それでも抵抗はむなしく、逃げる試みは叶わない。
     そして――。
    
     ドクン――ドクドク――ドピュン!
    
     それは顔射だった。
     アキラは咄嗟に肉棒を引き抜き、一物を顔に近づけ晶の顔を白濁で汚したのだ。
    「な……な……」
     晶は動揺したような安心したような、どちらともつかない顔で目をぱちくりさせる。本当に中に出されるものとばかり思ったが、子宮に注がれなかったことはよかった。だからといって顔にかけられたことを許せるわけでもなく、次に晶の中に沸き起こる感情はやはり怒りと憎悪であった。
    「人の顔に! テメェ!」
    「ははっ、中出しって思った? しないしない。だって、次の人が挿入するのに困るじゃねーか」
    「次だと? もう出したろうがよォ! ヤリチンが!」
    「え? 俺しか出してないけど? ま、全員の相手が済むまで頑張れや」
     そしてアキラは一物をしまい、後退して押さえつける係と入れ替わる。次の男がチャックを下げ、遠慮もなしに挿入した。
    
    「テメェらぁ! 許さねェ! ゼッテー許さねェ!」
    
     晶は最後まで、快楽に身悶えしながらも喚き続けた。体が感じることはあっても、自分にこんな仕打ちをする男達への敵意や憎しみが消えるわけではなかった。