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  • 催眠マナー教室における社会奉仕 最終話

    前の話 目次

    
    
    
     校長室の奥にある扉から、そのままベッドルームへと通じている。
     そこに舞歌を寝かせた校長は、さっそくのように服を脱ぎ、美しい肉体を味わう作業に取りかかる。寝そべる舞歌は、生まれて初めての本番に明らかに緊張して、全身を強ばらせている様子だが、そんな初々しさにこそ校長は燃えた。
    「さて、こういう時にもマナーがあるね」
    「そ、そうですね……その……私の肉体を……ど、どうぞ、ごゆっくりお召し上がり下さい…………」
     教えてはいない作法だが、これから肉体を召し上がる男に対し、気持ち良く貪ることができるようにと言葉を選ぶ。
    「召し上がるのは当然だけど、ここでもフェラを頼むかもしれないし、体位を変えたり、上で動いてもらうこともありえるわけだ。君はただ寝そべって過ごすだけとは限らない。もう少し言い方を変えるか、言葉を加えるかしてみようか」
    「では、そうですね。私の肉体をごゆっくりお楽しみの上、ご希望のプレイがありましたら、遠慮なくお申し付け下さい。それではどうぞ、ご自由にお召し上がり下さい」
     もはやサービス業の店員がマニュアル通りの台詞を唱えるようでもあるが、まあこんなところだろうと、ひとまず校長は納得する。
    「では頂きます」
     校長はにこやかに両手を合わせ、舞歌の肉体を撫で回した。
     胸を揉み、腰を撫で、乳首に吸いつきながら性器に触れる。膣に指を出し入れして、感じた舞歌のアソコから、いやらしい蜜が糸を引き、校長はまるで大きな手柄を立てたような微笑みを浮かべていた。
     唇を近づけると、舞歌は静かに目を瞑り、キスに応じて舌まで受け入れる。校長は好きなように唇を貪り尽くし、満足ゆくまで唾液を送り込んだところで、今度は乳房に吸いつき、ベロベロと舐め回す。
    「んっ、んぁ……!」
     緊張しきった面持ちで、初めての体験に耐える舞歌は、それでも股を蜜に濡らして、官能的な悩ましげな表情を浮かべている。さながら頬に化粧を付けたかのように、桃色がくっきりと浮かんでもいた。
    「挿入するからな?」
    「ど、どうぞ……」
     緊張の気配が濃くなった。
     肉棒を近づければ、舞歌の顔はさらに強張り引き締まり、これから始まる行為に対する感情で満ち溢れる。マナーや礼節のために処女を捧げる心境が、果たしてどのようなものなのか、校長には想像もついてはいない。
     ただ、決してケロっとした気持ちなどではない。
     もう始まるのだという緊張と、しなくてはならないという覚悟が、顔や肩ばかりか、心の中まで固めていることだけは見て取れた。
     ぴたりと、先端を当てる。
    「…………」
     言葉はなく、舞歌はただただ緊張の色を強めた。
    「ではでは頂きますかねぇ」
     校長は腰を押し込む。
    「んっ、ぐぅ……うっ、うぁ…………」
     苦し気な声を上げ、舞歌は額に脂汗を浮かべていた。
     まだ誰にも使われたことのない、過去に出入りしたのはせいぜい舞歌自身の指だけの、処女の膣穴に校長の肉棒が入り込む。剛直が根元まで埋まっていき、完全に一つとなって、校長は両手に舞歌の頬を掴んだ。
     手と手のあいだに、舞歌の顔を挟んで捉え、さらには自分の顔も近づけ見つめあう。見つめ合うように促して、お前の処女を奪ったのは私だと目で教え、その証拠のように少しばかり腰を動かす。
    「ふっ、ふはぁ……あうっ、ど、どうでしょうか…………」
     初めての感覚に苦しみながら、自分を美味しく食べてくれているだろうかと、舞歌は気にかけて来るのだった。
    「もちろん、気に入ったよ」
    「それはっ、よかった……です…………」
    「このまま楽しませてもらうよ」
    「どうぞ、ごゆっくり…………」
     校長は深いグラインドで抉り抜き、叩きつけるたびにヒクっと反応する膣が、出迎えのように締め付ける。引いていく時には、逃がしたくないようにして、締め付けのままに蠢くが、数センチも動けば脱力して、肉棒を穴の中から解放する。
     ずんっ、と、突けばそのたび、ぎゅっ、とした締め付けが返ってきた。
    「んっ、んぁっ、あっ、あぅぅ……! んぅぅ……!」
     苦しげに喘ぐ舞歌は、痛みなのか苦しみなのか、よがる両手でベッドシーツを掴んだり離したり、顔を左右に振り乱す。白いシーツに髪が広がり、額や頬にべったりと浮かんだ皮膚の上にも髪はくっついているのだった。
    「んんっ、ん! んぁっ、くぅ……んっ、あぁ…………!」
     初めてで気持ち良くなるのは難しいか。
     しかし、どうあれ出ている膣分泌液がまとわりつき、滑りをよくした肉棒は、校長の腰振りに合わせてスムーズに出入りしていく。
     なるべく長く遊んでやろう。
     そう思った校長は、そこでぴたりと腰を止め、手慰みに乳房を揉む。
    「はぁ…………はぁっ、はぁ…………………………」
     舞歌は安心したように息を落ち着かせ、胸を大きく上下させていた。乳房を揉むために置いた両手が、呼吸に合わせて押し返され、揉みしだくための手も一緒になって上下する。もしも両手に体重をかけたなら、呼吸で肺が膨らむことを妨害して、どれだけ苦しめることになるだろうか。
     射精欲を鎮めるための休憩を挟みつつ、また動き、しばらくすればまた休む。
    「どうかね。初めてセックスしている気分は」
     乳を揉みながら尋ねてみる。
    「はい。とても貴重な体験をしています。最初は緊張しましたが、しだいに馴染んできている気がします」
    「ほう。馴染むかね」
    「――その……お、おチンチンの、味わいといいますか……覚えていきますことで、私自身も気持ち良くなることが出来そうですし、そうすれば、感じた姿を披露して、男性も視覚的に頼めるのではないでしょうか」
    「じゃあ、ここで気持ち良くなることを覚えないとな」
    「はいっ」
     ピストンを再開した。
    「あっ、んぅ……んぁっ、んっ、んぅ……んぅぅ…………!」
     といっても、今日中に感じやすい肉体になるわけではないだろう。
     じっくりと仕込めば良い。
     雪乃城舞歌は何度でも抱ける。
    「さぁて、出すよ?」
     射精感を蓄えた校長は、このあたりで満足しようと、白濁の放出に向けたペースで舞歌の子宮を突き回す。
    「んっ、んぁっ、ど、どうぞ……!」
     そして、コンドームをいいことに、根元まで差し込んだまま吐き出した。ドクンと弾ける射精の快感に、校長はうっとりと目を細め、ぐったりとした舞歌から引き抜いていく。足をだらしなく投げ出し、放心じみた顔で天井を眺める舞歌は、ここまで長く続けた疲弊感に浸っているようだった。
    「少し休んだら掃除をしてもらうよ」
    「……はい」
     数分後には、コンドームを外したばかりの肉棒を頬張って、舞歌はまたしてもお掃除を開始していた。
     胡座をかいた校長の隣に座り、横から身体を倒している舞歌は、横合いからのフェラチオで精液を拭い取り、吸い上げて、舐め取っている。手を伸ばせば尻に手が届き、丸くふっくらとした部分を撫でていられる体勢は、とても気持ちのいいものだった。
     さらに数日後には、セックスにおけるマナーも考えた。
     ベッドの上で全裸土下座、服は女の手で脱がしてやる、シャワーを一緒に浴びつつ乳房をスポンジ代わりに使う。どんな作法を考え出し、講習の内容にしてやろうか。あらゆる作法を学んだ舞歌のことは、オナホールとして活用しつつ、外部から来る顧客の接待用にも使って、まさしく社会の役に立って貰う。
     まあ、政治的な機嫌を取り、校長にとって都合の良い話を上手く取り付けるといったものなのだが、それとて社会を回す行為の一つだ。
     社会の役に立てて、お嬢様も本望だろう。
    
    
    


     
     
     


  • 催眠マナー教室における社会奉仕 第3話

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    【完成具合の確認(校長による味見)】
    
     聖ローズマリー女学院の校長を務める男は、そのために用意した部屋に雪乃城舞歌を呼び出していた。
     ここは『社会奉仕』の実演テストを行う場で、大富豪や政治家の娘といった人間が通うお嬢様学校なら、当然のように設備や調度品も高級なものが揃っている。洋式なこの部屋など、四隅の部分はギリシャ神殿を模した柱を取り付けてあり、壁には数千万円の絵画が並べられ、西洋の鎧までもが置かれている。
     大理石の床に赤い絨毯を敷いている。
     絨毯が続いて行く先の、中世の王様が座るためにあるような、金銀の装飾を施した高級なソファに校長はいた。
    「さて、君を呼び出した要件だが」
     校長は目の前の肢体にニヤけ、今から行う楽しみを想像するに、既にズボンの内側では勃起していた。
     舞歌は美しい。
     皺一つなく、埃もつかないブレザーやスカートを着こなして、艶やかできめの細かい美白肌は、剥きたてのゆで卵を彷彿させる光沢に輝いている。
    「さっそく、全裸になってくれたまえ」
     校長は命じた。
    「はい?」
     そして、急な命令にむしろ舞歌はきょとんとしていた。
    「どうした? 早くしたまえ」
     それが当然であるように振る舞う校長は、従う様子のない舞歌に少しばかりムっとしている。対する舞歌は、校長の常識を疑って、眉間に眉を寄せながら、何かおかしなものを見つめる視線を送っていた。
     一体、どちらが正常な反応か。
     事情を知らない一般人を呼び出して、今の一連のやり取りを切り抜いた上で尋ねれば、間違いなく舞歌が正常であると答えるだろう。
    「……あの、いくらご冗談だとしても、教員が生徒に手を出したという事件は実際に起きています。先生がそうだとは言いませんが、そうした発言は、たとえ本気ではなくとも、いらぬ誤解やトラブルを招くと思います」
     全裸発言がジョークで済まされるような、よほど砕けた仲の男女なら、まだしも許されるところだろう。そうでなければ、発言一つでセクハラと罵られ、あまつさえ訴えると言い出す女性が現れてもおかしくはない。
    「おっと、そうだそうだ」
     校長はふと思い出したようにポケットの中身を探り、スマートフォンによく似たタッチ画面式の端末を取り出していた。
     電源を入れ、画面を起こし、指によるタッチとスライドを行った途端である。
    「っ!」
     ツバでも詰まらせたような、妙な呻き声を舞歌は上げた。
     そして、次の瞬間だった。
    
    「し、失礼致しました! 今のはとんだ失言でございます!」
    
     舞歌は急に謝り始めた。
    「校長先生が私を呼び出した要件は、先日から学んでいる社会奉仕のマナーについて、きちんと身につけられているかの実演をするためですよね。そんなことも忘れていただなんて、本当にうっかりしていました。言い訳のしようもありません」
    「ははっ、いいよいいよ? その代わり、きちんと奉仕してもらうからな?」
    「はい! 懸命なる奉仕をさせて頂くつもりです!」
     舞歌は校長のすぐ目の前まで、校長にとっては触ろうと思えばすぐにでも触ることが出来る距離感まで一気に歩む。校長の目を少しでも楽しませるように、よく見えるようにブレザーのボタンを外し、ブラウンの厚い生地が左右に開けていく光景を披露した。
     ワイシャツが覗けて見え、白い生地の露出面積が広がっていく。
     舞歌は非常に恥ずかしそうにしていた。
     当然だ。
    
    【設定>羞恥心】
    
     校長はタッチ画面をトントンと、モールス信号でも打たんばかりに叩いている。
     それにより、画面上の数値が変化していた。
    
    【羞恥心――LV10――LV20――LV50――LV70――】
    
     ……LV100――。
    
     最大値まで引き上げた場合の羞恥心は、パンツを見せるだけでも顔が赤らみ、頭から蒸気が吹き上がらんばかりとなる。ここまで上げて、ようやく端末をポケットに押し戻した校長は、まるで生まれて初めて脱ぐように初々しく、可愛らしく躊躇う舞歌の、どことなくいじらしい仕草を鑑賞した。
     美白肌の顔だったのが、トマトか茹で蛸のようになっている。
     スカートのホックを外そうとする指は、ホックの位置を探して彷徨い、探り当てても外すことに苦戦する。ようやく外れ、チャックを下げれば、まるで何百メートルの高さから飛び降りる覚悟でもするように、恐怖と緊張に息を呑み、スカートを脱ぎ去った。
    「うぅ……!? ど、どうしてでしょうか……慣れてきたはずなのですが……!」
     自分の羞恥心を操作されているとは、さしもの舞歌も思いはするまい。
     必死になってワイシャツを下へと伸ばし、下着を隠そう隠そうとしているが、剥き出しの太ももはどうにもならない。しゃがみ込み、スカートを折り畳み、そうしているあいだは安全とばかりに丁寧にしていたが、衣服を畳む行為に時間をかけるのは、社会奉仕で相手を楽しませる上では立派なマナー違反である。
     それをわかっている舞歌は、そう長々と座り込んでもいられずに、たった数秒しか安全を保つことなく立ち上がる。
     ワイシャツのボタンに指をかけ、外し始めた。
     ボタンが外れるごとに覗ける素肌を隠そうと、前が左右に開けないように押さえている。肩を内側に丸めつつ、一つ一つ外しきり、ついにはワイシャツも脱いだ下着姿は、大人の官能美を強調したセクシャルなものだった。
     黒いブラジャーから、内側の素肌と乳首が透けている。
     穿いているショーツも、前の部分さえT字に近いまでに布は少なく、上手くすれば肉貝がはみ出て来るだろう。
     いずれも、経験豊富な女が挑発的にほくそ笑み、男の興奮を誘うのなら、それほどよく似合う下着はない。セクシーな女にこそ着せたいものだったが、それを生真面目なお嬢様が着ているとなると、ギャップはとてつもないものだ。
     卑猥な下着を着ることなど、考えつくことすらない真面目な少女が、罰ゲームで無理に着せられたようにさえ見えて来る。
     必死になって目をつむり、拳を震わせている舞歌の様子は、実にそそるものがあった。
    「とてもエッチだ。見ているだけでチンチンが苦しくなるよ」
    「あ、ありがとう……ございます……」
    「お尻も見せてね?」
    「……はい」
     舞歌の背中が校長を向く。
     腰まで長い髪の毛先が、尻たぶの上端にかかりそうでかかっていない。Tバックの紐は大きな尻肉に埋没して、見えているのは腰をぐるりと一周する部分のゴムと、それから尾てい骨のあたりにある非常に小さな三角形だけだった。
    「可愛いお尻だ」
     校長は手の平をべったりと貼り付けて、可愛がらんばかりに撫でてやる。
    「ど、どうぞ……ご自由に、お触り下さい…………」
     張りの良い感触で、表面を滑らせるように撫でていると、サラサラとした肌触りが手の平に心地よい。揉んでみても指が沈んで、急に手を離せばプルっと、元の形に戻ろうとする反動で小さく揺れる。
     両手で尻たぶを掴み、親指で割れ目を左右に広げる。
     埋もれていた紐が見え、さらには肛門の色合いも、左右に伸びた皺でさえもあらわとなり、わざと手を離してみる。プルっと揺れる。また掴み、左右に開き、尻の穴を紐越しながらも覗き込む。
    「お尻の穴が見えてるよ?」
    「い、嫌っ! そんなところ!」
     舞歌の手が後ろ側にやって来て、視線を阻止したがっていた。自分の尻を手で守ろうとしかけていたが、隠すことはマナー違反である事実が、ただ尻の近くで手を彷徨わせるだけに留めていた。
    「自分で開いて、よーく見せてごらん?」
    「そ、そんな……」
     舞歌はどんな思いでか、腰をくの字に突き出して、自らの尻たぶを両手に掴む。恥ずかしさで沸騰しているに違いない頭で、それでも握力を込めて広げていき、黒い紐だけが唯一の遮蔽物となって、尻の穴は丸見えとなった。
    「綺麗だねぇ? 桃色で黒ずみがなくて、生まれたての赤ん坊なんかは、こういう感じなんだろうねぇ?」
    「肛門の感想なんて……恥ずかしいです……」
     だから許して欲しいような気持ちが、声の震えに存分に籠もっていた。
    「記念に写真を撮ろうねぇ?」
     校長はスマートフォンを取り出すなり、まずは紐越しの肛門にピントを合わせる。薄桃色の皺の窄まりの、その皺が左右に伸びているせいで、紐の太さから存分にはみ出たものにシャッター音声を鳴らしてやる。
     さらには紐を指でどけ、またシャッターを押す。
     こんな恥部を記録に残され続ける心境を思うと、それだけで股間の膨らみは限界以上に、このまま肉棒のサイズには収まりきらない血流が詰め込まれ、竿の血管が破裂するような予感さえしていた。
    「はい、いいよ?」
     すぐに正面に向き直る舞歌は、顔が赤いどころか、発熱によって周囲の温度を変えそうなほどになっていた。
    「下着も脱ごうか」
    「…………はい」
     腕で乳房が見えないように、隠しながらブラジャーを外していくが、そうしたところで舞歌は両手をだらりと落とす。ショーツも脱ぎ去り、畳んだ征服の上に丁寧に、二つの下着がよく見えるように置いていた。
     もちろん、クロッチの少しだけおりものの痕跡を残した面が上向きだった。
     そして、舞歌は正座をする。
    
    「それでは、これより日頃お勤め頂いている校長先生への感謝の気持ちを込め、私なりの奉仕を致したいと思います」
    
     綺麗な土下座を行っていた。
     ソファに脚を広げた内側に、舞歌の額はくっついている。頭を踏もうと思えば踏めるばかりか、足の親指を舐めさせることも簡単だ。腰まで長い黒髪は、姿勢のために左右に広がり、胴体からいくらかがずり落ちていた。
     折り畳まれた身体が持ち上がり、舞歌は校長のベルトに手をかける。
     ズボンとトランクスを脱がせての、飛び出んばかりにそそり立つ肉棒に、舞歌は少し驚いた顔をしながら、やがて恐る恐ると手を伸ばす。根元を握り、玉袋に触れ、まずは手による奉仕を始めた。
     右手の柔らかい感触が、校長の肉竿を包んでいる。左手は玉袋を優しく包み、五指をくにくにと動かしながら、軽い軽いマッサージで癒やしている。
    「ちゅっ」
     キスもしてきた。
    「それでは失礼致します」
     今度は玉を口に含んで、アメ玉のように口内で舐め転がし、もう片方の玉を左手で揉みしだく。右手は手コキに使ったまま、ちゅば、ちゅぶっ、と、睾丸を口から出し入れもしていた。「ちゅむっ、じゅれろっ、レロレロ――れじゅっ、じゅぅ…………」
     玉袋が口腔の生温かさに包まれて、舌のねっとりとしたザラつきが這い回る。唇の力で噛まれもしながら、時折フェラチオの前後運動のようにして睾丸を出入りさせている。そんな唇の外に出た瞬間の睾丸は、唾液を纏った上から大気に触れ、少しばかりひやりとした。
    「ぢゅぶぅっ、ふじゅっ、ふっ……じゅぅぅ…………」
     もう片方の睾丸にしゃぶりつき、右手と左手が入れ替わる。
     どちらの睾丸も唾液に濡れ、袋がまんべんなくぬかるみを帯びていた。
     そして、両手で袋を包みつつ、さらには根元から先っぽにかけて舐め上げる。
    「はむぅっ」
     ここで咥え、頭を前後に動かし始めた。
    「はぢゅっ、ぶるぅ……ちゅっ、ちゅぱっ、ちゅりゅぅ……すじゅぅぅ…………」
     気づいてみれば、耳が赤いままである。
     まだまだ肛門を視姦された余韻が深いのだろうが、恥部をまじまじと見られた上、その相手に奉仕している気分はどんなものだろう。
     射精感が込み上げる。
     舞歌の顔が前後すればする分だけ、むずむずとした快感が肉棒の中に膨らんで、やがては暴発しそうになっている。
    「射精なさいますか?」
     その時、尋ねてきた。
     口を利くためにフェラチオを中断して、ものを尋ねる際も、手は肉棒から離さないことを作法として学んでおり、舞歌はそれをきちんと守っている。右手で軽い手コキをやり、左手では玉袋を揉んでいた。
    「ああ、そうしたいけどね。まだまだ楽しみたいというか」
    「わかりました。少しでも長く楽しみたい場合は、できるだけ加減なども致しますので、なんなりとお申し付け下さい」
    「そうだね。そうさせてもらうよ」
    「では続けます――……ちゅっ、ちゅぱっ、ちゅりゅぅ……じゅずぅぅ…………」
     少々、ゆっくりになったか。
     舞歌はフェラチオをじっくりと、時間をかけてこなしていた。射精感を引き出しすぎないようにペロペロと、先端を舐めるだけの刺激に留め、また咥える。少しばかり激しくして、また緩める。
     しかし、いつかは射精の時が来て、校長は突如として放出した。
    
     ドクン!
    
     出ることを予告はしなかったが、舞歌はすぐさま反応して、顔を前に押し出し少しでも奥まで咥える。唇に力を込め、吐き出さないようにしっかりと締め付けながら、精液を喉の奥で受け止めていた。
    
     ドクゥッ、ドクドク――ピュル――……。
    
     脈打つ肉棒から全てを吐き出し、もう一滴も出ない段階に至った時、舞歌はこぼさないように気をつけながら頭を引く。
    「ちゅぅぅぅぅぅ………………!」
     吸った。
     中に少しでも残っていれば、その全てを吸い出すため、まるでストローの先端に吸いつくように音を立て、舞歌はキスの唇から吸い上げる。
    「ちゅぱ」
     唇が離れ、唾液と精液の混ざった糸が引く。
     そして、口を大きく開いて中を見せてきた。
     ただ見せるのでなく、乳房を使ってぎゅっと肉棒を抱き締めて、心地良い乳圧に挟みつつ、上半身を少し持ち上げて開いた口には、唾液と混ざった白濁がたっぷりと溜まっていた。舌の根が精液に浸り、下顎の歯も沈んでいる。
     それから、唇を引き締める。
     喉を鳴らして嚥下して、そのあいだには軽いパイズリで刺激を与える。
    「私の奉仕によって気持ち良くなって頂き、本当にありがとうございます」
     飲み干した後は掃除を始め、舌を使ってペロペロと拭き取っていく。
    「それでは清掃を致します」
     竿を持ち上げ覗き込み、汚れの残った場所を探して、見つけるたびに舌を使い、キスで吸い上げることもある。
    「ぺろっ、れちゅぅ……ちゅろっ、ねろぉ……」
     肉棒の角度を手で変えて、いたる部分に吸いつきながら、あるいはペロペロと舐めながら、校長の股間に付着していた白い汚れは消えていく。もはや表面にまとわりつくのは、お掃除フェラのためについた舞歌の唾液だけである。
    「綺麗にさせて頂きましたが、二度目の奉仕はなさいますか?」
    「奉仕どころか、君をベッドに連れていくよ」
     舞歌にかけた改変の内容では、社会奉仕の際、相手が女性をベッドに連れて行きたいかのような発言をした場合、奉仕側はそれを光栄に思い、受け入れることがマナーとなっている。
     さて、舞歌の反応はどうか。
    「ありがとうございます。喜んでベッドを共にしたいと思います」
     出来るだけ笑顔を浮かべていた。
     入試や就職の面接マニュアルには、できるだけにこやかに、爽やかな笑顔を浮かべるように書いているものがあるが、舞歌はそれを守っているようだった。
    
    
    


     
     
     


  • 催眠マナー教室における社会奉仕 第2話

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    【催眠実験記録 マナー教育2】
     前回の後、よく復習をしておくようにと、極めて本物に近い感触の、実にリアルなオチンポ様を託している。さらに演習として、どこまでマナーを会得できたかのテストとして、政治家に元に赴き奉仕するというシチュエーションの設定を説明した上、雪乃城舞歌にそれをやらせた。
     このように演習を数回やり、より完璧に仕上げた上で、今回はマナー教室を開催する。
     他ならぬ雪乃城舞歌を講師として、聖ローズマリー女学院の校長が集めた『お気に入り』を出席させ、社会奉仕の作法を身につけさせる。
    
         *
    
    【『宿題』の様子】
     自分が宿題に取り組む様子をビデオカメラに撮影するよう指示したため、机に立てたペニスに向け、習った通りの奉仕を行う姿は映像で確認できる。
    「では宿題として、今日のマナー講習でお教え頂いた作法の復習を致します」
     画面に映るのは、上半身裸の、椅子に座った舞歌である。おそらく、マナーとして教えたパンツ一枚の姿であり、机の下が映ればTバックが確認できるだろう。映り込んでいる木目と、高級な家具を置いた部屋の様子から、やりやすいテーブルを使用していると判別できた。
    「入室の際のマナーは受験面接などで習う基礎的なものと同一のため、ここでは割愛していきますが、入室後はオチンポ様への土下座を行います。これから奉仕を行う相手に、自分はあなたに従う召使いであることを伝えるのです。その場限りの上下関係ではありますが、きちんとした動作によって形にすることで、相手を安心させ、お互いの立場をより明確化することにも繋がります」
     講義のように述べていた。
     もっとも、出題側はそういえば奉仕の部分の復習しか言い渡していないので、改めて土下座の練習をすることにはなっていない。
     ところが、自主的にやっていたのだ。
    「一度カメラを移動致します」
     映像を見ている相手に向かっての礼を行い、カメラを動かす。
     そうして、舞歌が行ったのは、椅子にペニスを立て、奉仕の相手が椅子に座っている仮定の上で、自らの土下座を映していた。椅子と自分が映せるような、部屋のどこかの位置にカメラをセットし直したようだった。
     あとは咥えるのみである。
    「改めて移動致します」
     しかし、土下座を映せるアングルと拡大率では、口元の様子がわかりにくい。口を奉仕に使っている細かな舌使いがわからない。映像を見る人にも、唇や舌遣いがわかりやすいようにと、先ほどよりもカメラを近づけた状態で奉仕に移った。
     きっと、もう一つ椅子があり、それをカメラ台代わりにしたのだろう。
     横合いから覗き込むフェラチオの様子がよく映っていた。
     キスを行い、ペロペロ舐める。竿を咥える。玉袋にもフェラチオして、裏筋を舐め上げ続ける方法も、ハーモニカの真似事をする方法も、何もかもの姿を披露した上で、最後のオチンポ様のお礼を述べて、キスをしてから別れる瞬間までをこなしていた。
    
         *
    
    【マナー教室の様子】
     女子生徒が十人は並んでいた。
     ブラウンカラーのブレザーを着た横並びの十人は、それぞれスカート丈の長さが違う。膝の近くまで伸ばしているのが五人ほど、もう少し短いのが二人ほど、きっちりとミニにして、太ももの露出度を上げているのが三人ほど。
     この三人にとっては、脚を長く見せたいためのミニスカートだが、そんな視覚効果のことなど知らない男にすれば、ただ露出度が高いだけだろう。
     それぞれの髪型の後ろ姿で、ポニーテールが背中にかかっていた。金髪の毛先が肩甲骨の下まで届き、ショートヘアーの子もいれば、ウェーブカットの姿もある。
     この十人の前に、雪乃城舞歌はいた。
    「皆さん。おはようございます」
     正しい角度に腰を折り曲げ、清らかな挨拶を行う舞歌は、これから自分が学んだマナーを他の生徒達にも教えていく。
    「今日は社会奉仕のマナーを学ぶため、こうしてお集まり頂き、誠にありがとうございます」
     舞歌は謝辞を開始した。
    「今日の日差しも心地よい中、日々の勉学に励み、部活動に励み、今しかない大切な日常を謳歌していることでしょうが、そうした中でも、今回学んで頂く社会奉仕のマナーは大変に意義のあるものであり、必ずや皆様の将来を支えるものとなるでしょう」
     舞歌が背筋を伸ばす姿勢の良さと、清純な声の質感は、もっと大きな会場の、各界の大物が集まる現場に出しても恥ずかしくはない。さほど経験を積んではいないにも関わらず、もう何百回もこうした挨拶を繰り返してきた洗練さがそこにはあった。
     さらにいくらか言葉を紡ぎ、しだいにマナー教室の内容へ移っていく。
    「では、こちらが今回の相手役となる――――」
     と、先生を紹介すれば、先生もまた自己紹介を始めとして、今日初めてこの学校を訪れた感想として、挨拶がとてもしっかりとしていて気持ちがいいこと、綺麗で可愛い子が多く、さすがは聖ローズマリー女学院であることなどを明るく述べた。
    「さて、皆さん。ここで学ぶべきマナーは、女性が男性に行う奉仕であることは、事前に聞いていらっしゃるかと思います。その意義についても存じているものとして割愛し、さっそくですが、この私が披露致しますお手本と共に、学んで頂きたいと思います」
     舞歌はマナーにまつわる説明を開始した。
     入退室の作法については、今回は省略すること。裸になる意味、土下座にどんな意義があるかまでを克明に語り、それらの話に耳を傾ける十名の女子は、誰もが真剣に受け止める。
    「なお、見学なさっている男性方が、皆様に手を触れることがございます。多少のことは軽く受け止めるのもマナーの一つですので、どうか過剰な反応はなさらないようにお願いします」
     舞歌が言うなり、一人の後ろ姿へ迫ってみる。
     金髪を背中にかけた少女に近づくと、どことなく肩が強張っているのがわかる。これから触られるのだと気づきつつ、何も知らないフリをしながら、前だけに集中している。そんな金髪少女のスカートに手を乗せて、尻を撫でてみた。
     ぴくりと反応するが、何を言うでもなく、手を払いのけることもしない。
     ただただ、何もされてなどいない風を装って、正面だけに集中していた。
    「では始めます」
     舞歌が脱衣を開始する。
    「まずは服を脱ぐ行為ですが、男性は基本的に恥じらいを好みます。経験豊富でセクシーな女性が好みという男性もいらっしゃいますが、私達は相手の好みを必ずしも把握しているわけではありません。よって、基本的な作法として、羞恥心を大切にしましょう」
     まるで生まれて初めて男に裸を見せるようにして、舞歌はたっぷりと顔を赤らめ、たどたどしくブレザーのボタンを外している。
    「裸を見せることは単純に恥ずかしいことなのですが、慣れてしまうと、ケロっとした顔で脱ぐことも可能になってしまいます。できるだけ、過去に裸を晒した経験などないように自分を騙して下さい。あるいは周りに何十人何百人もの男性がいらっしゃり、衆人環視の中で脱ぐのだと想像するのも有効です」
     ワイシャツを脱ぎ、躊躇いをたっぷりと宿した手つきでスカートのホックも外す。
     脱いだ衣服は折り畳み、ブラジャーを取り去る際には、片腕で胸を隠していた。乳房を見せまいとガードを固め、腕と胸の隙間から引き抜く形でブラジャーを脱いだ後、舞歌は両腕のクロスでより強く固めてしまう。
     しかし、椅子に座った男性の前で、やがて諦めたように力を抜き、両手を下ろしていた。
     形の良い乳房を晒し、男は思う存分のそれを眺めて楽しんでいた。
    「ご覧ください」
     舞歌はTバックの尻を向け、尻で女子達に視線を集める。
    「男性によって下着の好みは様々で、シンプルな無地の好みや、アニメキャラのプリントが入ったマニアックなものなど、実に多岐にわたっています。相手の好みを把握している場合、それに合わせた下着選びは大切ですが、やはり私達は必ず把握しているわけではありません」
     だから、基礎的な作法としては、できるだけいやらしい下着を選ぶ。Tバックを持っていればTバックを、持っていなくとも、所持している中でもっともセクシャルなものを身に着け、何もなければ事前に購入しておく。
     そういった説明を舞歌が行う一方で、十人の女子生徒達は次々とお尻を触られていた。
     一人ずつ順番にスカートを捲っていき、下着を確認するなり撫でまわす。ひとしきり揉みしだけば次へ行き、また次へ行き、十人が横並びになった端から端まで楽しむと、そのまま往復に入っている。
    「最後の一枚は穿いておくのがマナーですが、実は脱いでも構いません。ただし、脱ぐ場合の作法がありまして、クロッチの部分が必ず見えるようにする必要があります」
     舞歌はTバックも脱いでいき、靴下だけを残しつつ、全ての衣服を床の上に畳んでいた。
    「お気づきでしょうか。衣服を畳む際、ブラジャーとショーツは必ず上に、そしてショーツはクロッチが見えるようにしておきます」
     舞歌は椅子の男を向く。
    「いよいよ土下座を行います」
     全裸の舞歌が膝を付き、背筋をピンと伸ばした正座となり、上半身を前へ前へと倒していき、床に指を置いての土下座を行う。垂れた前髪が床に触れ、額もおそらくついている。きっちりとした土下座を数秒保ち、顔を上げると、すぐさま舞歌は男のベルトに手を伸ばす。
    「土下座によって、相手が上、自分は下という、お互いの立場の明確化を行った後は、きちんとした断りを入れながら男性器を取り出します」
     椅子に座った相手からズボンを脱がせ、トランクスも下げるには、一瞬だけ尻を浮かせてもらう必要がある。舞歌の説明はそれにも入れ、相手にお手間をかけさせる際の言葉遣いについても語りつつ、勃起したペニスへと取り掛かる。
     ぱくりと咥え、フェラチオを開始した。
     ただ顔を前後に動かすばかりでなく、先端をペロペロとくすぐっている。玉袋を手に包んで揉んでいる。竿の根元から亀頭にかけて舐め上げている。お手本を見つめる女子十人は、果たしてどんな心境か。
     あれと同じことを自分もするのだと、そのことに対する感情はそれぞれあるはずだ。
     フェラチオを前にして、金髪少女は瞳だけを横に背ける。二つ結びの少女が、少しだけ首を下に傾けている。生真面目そうな眼鏡の娘は、同じく下に傾きつつ、瞳まで床に落としている。
    「では皆さんも、実際に服を脱ぎ、目の前に相手の男性がいると思いながら予行演習をやってみて下さい」
     舞歌の言葉に、すぐには誰も動かなかった。
     二秒、三秒、四秒と、沈黙が続くあまりに、舞歌の言葉が無視されてしまっていそうに思えたところで、一人の少女がブレザーのボタンを外す。するとまた一人、さらに一人と、全員が脱衣を始め、ワイシャツの白い姿が数秒後には十人分並んでいた。
     それぞれの足下に折り畳んだブレザーが置かれていき、さらに十秒、十五秒と経つ頃には、ワイシャツが折り畳まれる。スカートも畳んで置かれ、下着姿となった生徒達が、今度はブラジャーを外している。
    「今回はショーツも脱いで下さい」
     舞歌の一声で、最後の一枚も畳んで置かれ、それらはきちんと、クロッチを上にしてあるのだった。
     全裸の女子高生が十人、並んでいる。
     そして、それぞれが目の前の相手を頭に浮かべ、膝を折り畳むように正座をしていく。背筋を伸ばした正しい姿勢で土下座に映り、額を床につけている光景は素晴らしかった。
    「では最後に、一人ずつ順番にこちらに来て、実際にフェラチオを体験して頂きます」
     十人もいれば、全員が体験を済ませるには時間がかかる。
     一人あたりはせいぜい一分、そう時間はかけないが、十人が一列に並んでの、正座と土下座をこなしてからのフェラチオを、講師の男は味わっていく。一人が済めば、舞歌がウェットティッシュで肉棒から唾液を拭き取り、また次の一人がそれを咥える。
     最後の十人目が済んでも、生徒達は服を着ない。
     勝手に服を着るのは失礼とされており、だから許可が出るまで全裸なのだ。
     舞歌が射精まで奉仕に励み、精液を飲んだところで、ようやくのところで服を着ても構わない許可が出る。マナー教室は解散となり、しかし舞歌だけは、二度目のフェラチオに応じて教室に残っていた。
    
    
    
    


     
     
     


  • 催眠マナー教室における社会奉仕 第1話

    目次 次の話

    
    
    
    【催眠実験記録 マナー教育】
     我が『機関』は電波による催眠や常識の改変など、いわゆる催眠アプリに必要とされる機能やシステムを開発しているが、今回はその試作品を活用して、実際に常識を書き換えた『講習』を実施したものである。
    
         *
    
    「失礼致します」
    
     高級な板材を使ったドアの向こうから、ノックの音が聞こえて来るに、ソファに座して待ち構えていた男は「どうぞ」と告げる。それに応じてドアノブが回転して、開かれたドアの向こうからやって来るのは、ショーツ一枚だけを身につけた少女であった。
    「東京都立高等学校・聖ローズマリー女学院一年、雪乃城舞歌です」
     気品があった。
     腰まで長い黒髪をなびかせて、一歩ずつ歩んでくる雪乃城舞歌は、ただ歩くだけがシンデレラのダンスのように美しい。おしとやかな性格が窺える表情に、裸の恥じらいを頬に浮かべて赤らんでいる。髪飾りのリボンが似合った舞歌は、政治家と大企業社長が結婚して生まれた子供だそうだ。
     偏差値も学費も極めて高い、一般庶民には異世界とさえ思える女学院で、実に良いものを食べて、良い教育を受けて育ったであろう十五歳の肉体がそこにはある。
     かなりの美白肌だ。
     純白の雪を積もらせた世界が、光の反射で白銀を広げて見えるかのような、この世の穢れを何一つ知らない美貌が輝いている。大きなお椀ほどある乳房は、半球ドームと変わらない丸っこさで、そこに桃色の乳首を咲かせていた。
     ショーツは黒だ。
     漆黒の布地に赤い薔薇の刺繍を加え、華やかに飾り付けた下着の布面積は、アソコを隠すのに最低限の量しかない。三角コーン、二等辺三角形、そんな形のクロッチから、腰の両サイドに向かって伸びる紐は、左右でリボン結びになっていた。
    「いいパンツですね」
    「はい。セクシーなものを穿くのがマナーと聞いておりましたので、恥ずかしながら布を少なめにしたTバックで参りました」
    「後ろを見せてもらえる?」
    「……はい。ご覧下さい」
     本当に単なるTだ。
     紐と紐をつなぎ合わせて、布と呼べるものが尻側には少しもない。純然たるTの文字が、たっぷりと膨らんだ尻の厚みに埋まって隠れている。なかなかの巨尻を鑑賞して、ひとまず満足した男は、ソファの柔らかさに背中を埋め、肘掛けに両手を置いていい気になった。
     大企業の社長か、世界の大富豪が持つような、実のところ何千万という値段のつく最上の革を使ったソファの座り心地で、これまた美しいお嬢様の裸を拝む。さすがは『機関』の研究成果で、途方もない資金を稼いでいるだけのことはある。
    「戻って、こちらに」
    「はい。失礼致します」
     こちらに向き直る舞歌は、ただ男に近づくだけで、腰を深々と折り曲げての、正しい角度で頭を下げた礼の動作を披露する。手を伸ばせば触れられる至近距離にまで来てもらい、おもむろに手を伸ばして胸を揉む。
    「んっ…………」
     固いような柔らかいような、弾力が力強く指を押し返す乳房の感触を味わうと、舞歌は静かにまぶたを閉ざす。そうするのが礼儀のように、抵抗するでも、抗議するでもなく、そして嫌がる顔をすることもなく、ただただ静かに揉まれている。
    「ここにはなんて聞いてきている?」
    「これから社会に出る上で、女性に必要とされるマナーについて、先生にご指導頂けるものと聞いております」
     顔が胸元を意識して、モミモミとした五指の踊りを明らかに気にしているが、表面上では揉まれてなどいないかのように振る舞っている。
    「そうだね。男というのは女を性的に従えたいもので、そんな男の願望に答えてやるのが、君の学ぶべきマナーになる。肉体的にも精神的にも、相手を気持ち良くするための作法を学ぶことは大切だ」
    「はい」
    「しかし、体を売るための奉仕ではない。ただ肉体を捧げるだけでは娼婦やそこらの性接待と同じだ。だがね、君が行う奉仕は、社会的に有用な人間に、日頃の労いをすることで、やる気に満ちた人物達はよりよく社会をまわしていく。それが庶民にも還元され、すると消費が活発になり、経済も活性化する。いわば個人への奉仕でありながら、立派に社会全体に対する奉仕でもあるのだよ」
    「心得ました。社会のために立派に務め、殿方を癒やして差し上げたいと思います」
    「では初めに、正座をしなさい」
     舞歌は片方ずつの膝を床につけ、丁寧に軽やかに膝を畳んで背筋を伸ばす。きちんとした正座の姿勢で、舞歌は次の指示を待ちつつ男を見上げた。
    「土下座をしてもらう」
    「……土下座、ですか」
     少しばかり、抵抗の色合いを顔に浮かべた。
    「何故だと思う?」
    「先ほど、男性は女性を性的に従えたいものと仰いました。でしたら、この私を裸にして、土下座をさせるのは、男性にとってとても面白いことではないでしょうか」
    「正解だが、まだ半分だね」
    「ではこう考えます。まず一つは、社会奉仕といっても、性行為とは個人と個人で行うものです。つまり、その時に奉仕を行う相手。今はあなた様が私のご主人様であり、自分はあなた様にお仕えさせて頂いているのだと、形に表す意味合いもあるのでしょう」
    「もう一つは?」
    「今回、ご主人様――と、呼ばせて頂きますが、ご主人様のご教授よって、マナーを学ばせて頂く立場です。お願いをしている立場ですから、お聞き入れ下さるための誠意を見せるのもまたマナーなのでしょう。きっと、ご主人様は既にマナーを教え始めて下さっているのですね」
    「大正解。完璧だ」
     男はニヤニヤとした笑みを浮かべて、脇の小さなテーブルからタブレットを手に取った。
     それが単なるタブレット端末ではなく、『機関』が開発した特殊な電波を人間の脳に向けて放出する特殊機材だとは、この舞歌も知ってはいない。他者の脳に都合の良い情報を送りつければ、その通りの内容を喋らせることも可能であったが、今はそのような操作はしていない。
     舞歌の脳に施したのは、これが『講習』であり、また『受けて当然』『人権云々といった疑問は抱かない』といった処理のみで、決まった台詞を喋らせる操作は行わない。常識改変に沿った本来の人格は、どのような反応を示すかのレポートを取るのが男の指名だ。
     だからこの一連の回答は、全て舞歌自身の頭で導き出したものである。マナーにはどんな理由があるか、それぞれ『設定』は考えていたが、舞歌の回答は『設定』丸ごと一致していた。
    「それでは、このたびはご指導の場を設けて頂き、ありがとうございます」
     ピンと伸ばしたままの背中を倒していき、頭を床に近づける動作は、いかなる礼儀作法の場に出しても恥ずかしいことがない。流麗な動作で身体が折り畳まれ、肉厚な巨尻が見栄え良く景色を飾る。
     腰まで伸びた黒髪が左右に広がり、隠れていた背中の肌が薄らと、細やかな隙間に透かしたように見えていた。
    「そのまま、そのままでいてもらおうかな」
    「はい」
     タブレットに搭載された撮影機能で、大きな音でパシャッと、シャッター音声が鳴り響き、しかし舞歌は動じない。
     パシャッ、パシャッ、と、撮ってやり、何枚にも渡って土下座を収め、タッチスワイプで写真を眺める。映りの良い、気に入ったものは取っておくとして、ブレてしまったり、質の悪い写真は削除しても良さそうだ。
    「今のはね。思い出として大切に取っておくよ」
     などと言いつつ、さらに何度もシャッター音声を鳴らし続ける。
    「恥ずかしい……です、が……お喜び頂けるのなら…………」
     尻がかすかに、凝視していなければ気づかないほどさりげなく、本当に小さくフリフリと、加えて肩も強張っている。
     撮られて、本当に恥ずかしいらしい。
    「写真を撮られても、それを嫌がってはいけない。あくまでも、ご主人様にお喜び頂けて光栄だと思うのが、大切な心がけになる」
     あとで本人にも見せてやろうと、男はタブレットの画面を閉じる。
    「はい。よく肝に銘じておきます」
    「では顔を上げる際についての作法だけどね。早速、こちらの股間に奉仕を始めてもらうことになる」
    「はい」
    「まずは君の手でおチンチンを取り出して、手で触れることから始めてみようか。それなりの挨拶も忘れないように」
    「はい。ではご主人様。この私めが今宵の奉仕に努めさせて頂きます」
    「よろしい。始めてくれ」
     男の言葉に応じて、舞歌の身体が持ち上がる。
    「失礼致します」
     丁寧な言葉をかけ、男のベルトを外しにかかると、チャックを下げてズボンを脱がせる。ズボンを下にやりたい時も、尻を一瞬浮かせて欲しいことについて「お願いします」と一言を忘れずに、同じくトランクスも下げてしまう。
     脱がせたものは丁寧に折り畳み、しかしそこに時間をかけることはなく、手早いことまで評価に値した。
     こうしたマナー教室が実在すれば、舞歌は生徒のお手本に相応しいだろう。
    「っと、男性経験は?」
    「……ありません」
    「そういえば、書類でも処女とあったか。実物のおチンチンを始めて見るのは緊張するね?」
    「……はい。申し訳ありません」
     舞歌はうなだれ、謝罪した。
     セックスの経験がなく、恋愛さえ未経験でキスも知らない乙女には、本当なら目の前に男性器が出ていることさえ刺激が強い。触れようと近づけた手が、緊張や躊躇いから引っ込んで、恐る恐る指先でそーっとつつく触れ方しかできないのは、素人なら当然だろう。
    「構わないよ。まずは慣れてもらう必要もあるからね」
    「お気遣い、ありがとうございます」
     舞歌は意を決して両手に包み、全ての指を巻き付ける。肉棒の黒ずみに対して舞歌の指の白さは際立ち、柔らかい手の感触が男に至福の喜びを与えていた。
    「こうしてフェラチオするのがマナーだけど、手コキやパイズリがあってもいい。相手に要望があればそれを聞き入れ、特に要望がなければ作法の型に沿うのがわかりやすいね。ただ、サービス業ではないけど、人と接する行為だからね。無理にとは言わないが、トークによって楽しませることができるのなら、そうした方がいいだろう」
    「例えば、その――ではご主人様、フェラチオなどはいかがでしょうか? といった具合に提案してみるとか。あまり要望を口になさらない方も、いらっしゃるでしょうから」
    「そういった心がけは大切だね」
     褒め称えんばかりに頭を撫で、舞歌は嬉しげに目を細める。
    「……ありがとうございます」
     それから、舞歌は肉棒に慣れることに努めていた。
     じっと手の平に包み込み、揉むような指圧を与えながら、しだいに手コキを試し始めて、軽やかな手首のスナップを利かせていく。玉袋の方も気にかけ、触ってみる。亀頭のプニプニとした部分に指をやる。
    「ご主人様。口を付けてもよろしいでしょうか」
    「もちろん」
     許しを得た舞歌は、ごくりと緊張の息を呑み、人生初の挑戦に汗を浮かべながらも、亀頭の先に唇を近づける。薄桃色の、見るからにもっちりとした膨らみは、キスの形に窄められ、やがて肉棒と触れ合った。
    
     ――ちゅっ、
    
     まだカウパーも出ていなかった先端に、唇から移った僅かな唾液が、凝視しなければわからない程度に濡れた痕跡を残す。
     たった一瞬で唇は離れていた。
     接した途端に何を感じてか、咄嗟に離れた舞歌の様子は、手で触れることには慣れてきても、口でなど、まだまだ考えられないための、抵抗感からのようだった。
    「もっと慣れなくてはいけませんね」
    「そうだね。もっと続けて」
    「はい」
     再び唇を近づける。
    
     ――ちゅっ、ちゅっ、ちゅっ、
    
     これから口に咥えるのだから、唇で触れるくらいは平気になろうと、懸命な表情でキスを繰り返す。
    
     ――ちゅむっ、ちゅれろっ、れろっ、ぺろっ。
    
     キスに加えて、舌も伸ばすようになり、チロチロと先端をくすぐった。
    「咥えてもよろしいでしょうか」
    「もちろん」
     今度は思い切って頬張っていた。
     太いものを無理に迎えた苦しげな表情で、試すように前後してみて、上手くできない気がして吐き出した。チロチロ舐め、キスをして、また咥えて挑戦するも、しばらくすれば、どうもまた吐き出してしまう。
    「抵抗が、凄いですね……やはり、お付き合いの末に肉体関係に至った殿方に……というのが普通でしょうから、そうでない異性にはなかなか……」
    「上手くできないのは、そのあたりもあるみたいだね」
    「おそらく、そうだと思います」
    「まずは吐かずに、一秒でも長く口に含んでみることだ」
    「わかりました。やってみます」
     舞歌は唇を押し進め、入りきる限りを飲み込み、残る竿の半分は両手の柔らかさに包んでいる。男の肉棒は口腔の熱気に包まれ、舌の貼りつく感触がわかる。唇の締め付けに、鼻息がペニスの皮膚に当たる感じも、全てがわかる。
    「そのまま動かず」
    「……」
     返事を返すことの出来ない舞歌は、咥えたままに目で頷く。
    「顎が苦しくなったら、先っぽにキスしている状態に戻って」
    「ずりゅぅぅ…………………………」
     舞歌の唇が後退した。
     肉棒を包んでいた口腔から、よく唾液の染みた肉竿があらわとなり、舞歌は亀頭とキスをした形のまま止まっていた。そのまま固まっているのもどうだろうかと、思い出したように口づけの雨を降らせていた。
    
     ――ちゅっ、ちゅむ、ちゅぷっ、ちゅっ、ちゅっ。
    
     そして、
    「はむぅぅぅぅぅぅ…………」
     奥まで咥え、抵抗感を抑えて停止する。
     口に含んで維持することで、迅速に慣れようとする舞歌は、言わずともキスの形になるまで交代して、再び唇を前進させる。
    
     ――ちゅっ、ちゅちゅっ、ちゅぷっ、 
    
     必ずキスの雨を降らせた。
     数秒はそうしてから、奥まで咥え、また戻り、その繰り返しが淡々と繰り返される。
    「あの、慣れてきました。もう抵抗はありません」
    「ではフェラチオらしいフェラチオを試してもらうけど、知識はあるんだったね」
    「はい。メジャーな方法は全て知っています」
    「やってみてくれ」
    「では、失礼致します」
     改めて一言入れて、舞歌は本格的にフェラチオを開始した。
    「じゅっ、じゅむぅぅぅぅぅぅぅ………………」
     キスの形から、顔を前進させていき、男からすれば根元に向かって迫って来る。前後運動が開始され、拙いもののそれなりに動いて刺激して、手コキ混じりに水音を立てている。
    「じゅっ、じゅずぅぅ……ずぅ……ちゅぢゅぅぅ…………」
     男の肉棒に集中力を注ぎ、快楽を与えることに尽力している。
     蠢く舌で撫で回し、吸い上げんばかりにカウパーを取り込みながら、唇を駆使した力で締め付ける。
    「どうでしょうか」
     口を離して問いかける舞歌は、肉棒を握った手はそのままに、左手は玉袋に移して包み込み、くにくにと軽い力でほぐしていた。
    「とてもいい。話を聞く際も、そうやって手で握ったまま、玉まで触ってくれるのは、とても良い作法だよ」
    「ありがとうございます」
    「フェラチオといえば、咥えたまま前後に動くのが基本になるけど、他にも色んな刺激の与え方がある。一通り覚えていこう」
     次に男が命じたのは、玉袋を舐めることだった。
     竿よりも低い場所に顔をやるため、正座の位置や上半身の倒し具合を調整した舞歌は、どうにか根元の高さに口を近づけ、手始めのようにキスをした。
    
     ―――ちゅっ、
    
     と、唇で玉に触れる。
    「ちゅむっ、れじゅぅ……ずぅ、ちゅるぅ……ちゅぱっ、んぢゅっ…………」
     片方の玉を咥え、唇に出入りさせた。
     竿が顔に当たって邪魔にならないように、手コキで角度を持ち上げて、右手でのしごきを続けつつ、ちゅぱちゅぱと音を鳴らしている。玉を出入りさせるフェラチオは、むずむずとした刺激を与え、男は腰を震わせる。
    「おおぉぉっ、素晴らしい。もう片方もだ」
    「はい――ちゅぱっ、くちゅっ、ずっ、ちゅむぅ……」
     左右の玉が唾液を纏い、ぬるりとした光沢に覆われると、男はさらに裏筋を舐め上げることさえ教えた。
     れろぉぉぉぉぉぉぉぉぉ――――と、下から上へと、べったりと舌を這わせて亀頭と竿の境目に到達して、また元の根元の位置に戻って上へ向かう。
    
     れろぉぉぉぉぉぉぉ――れろぉぉぉぉぉぉぉ――――――。
    
     舌先でくすぐられているような、細やかな快感が男を楽しませ、他にもありとあらゆる部分を舐め、あらゆる角度から刺激することも教えていく。ハーモニカを吹くようなやり方も、思いつく方法は何でも教えた。
     男の肉棒には、すっかり唾液が染みついていた。
     舞歌のおかげで、もはや光る棒である。
     ここまで励んだ舞歌には、特に何も言わずに、急に射精してみるが、驚いた顔をして目を広げ、動揺の色を瞳に浮かべるも、コクコクと喉を鳴らして飲み始めていた。教えずとも飲み干して、こぼさないようにした上に、肉棒に残った精液の汚れをペロペロと舐め取ることさえ行っていた。
    「はい、とても気持ち良かったよ。今回学んだマナーは基礎的なもので、形式を絶対視する必要はない。土下座なんて求めない人もいるだろうけど、まずは礼儀作法の型を重んじて、社会奉仕の経験を積んでいくうちに、相手によって方法を変えていくことを覚えるといい」
    「はい」
    「今回はこれにて終了するけど、ここまで君に教えてきたのは、他ならぬオチンポ様だ。ご指導頂いたオチンポ様に対して頭を下げ、お礼を言い、キスをする。それからしまってやり、立ち上がった後、本人にも礼をする」
    「わかりました」
     と、舞歌はすぐに土下座を開始した。
     ゆったりと、優美な動作で床に両手をつけながら、真っ直ぐに伸びた上半身を倒していく。オチンポ様への感謝を告げるため、舞歌はお礼の言葉を口にした。
    「今日はこの私、雪乃城舞歌のため、大切なお時間にならびご指導を頂いたこと、心より感謝を申し上げます。ありがとうございました」
     確か、華道やら茶道やら、畳の上でやるものにも、何かしら作法があっただろうか。正直よくは知らないが、そういった世界に出ても、何ら恥ずかしくない、ただ平服するよいうよりも優美な作法にしか見えない土下座をこなす。
     言葉遣いのゆったりとした具合に、声の質感の柔らかさまで、全てが完璧だ。
    「――ちゅっ」
     舞歌はオチンポ様の亀頭にお別れのキスを捧げた。
     トランクスとズボンを穿かせ直し、それからもっこりとしたズボンの膨らみをさわさわと、優しく可愛がるように撫でてから、やはりオチンポ様に向かって言う。
    「では、これにて失礼致します」
     そして、舞歌は立ち上がった。
    「ありがとうございました」
     礼を行う際、腰を曲げる角度の正しい作法があった気がするが、何の理由もないのに、この舞歌の礼は作法通りの角度に違いないと確信させられる。
     退室の際、ドアを開いて、閉めていく時の、会釈をしてから姿を消すマナーに至るまで、舞歌は何もかもこなしていった。
    
    
    
    
    
    


     
     
     


  • 催眠マナー教室における社会奉仕

    【催眠実験記録 マナー教育】
     我が『機関』は電波による催眠や常識の改変など、いわゆる催眠アプリに必要とされる機能やシステムを開発しているが、今回はその試作品を活用して、実際に常識を書き換えた『講習』を実施したものである。
     
     
    第1話
    第2話
    第3話
    最終話
     
     


  • 最終話「後日の性交」

    前の話 目次

    
    
    
     指導完了から数ヵ月が経った。
     あれから、豚山は担任なので顔は毎日合わせるが、もう性的なことは何もない。単なる生徒と教師に戻り、そして洋とは良好な関係が続いていた。
    「入れるよ?」
    「うん。来て? 洋っ」
     今日は洋を家に誘っていた。
     初めからそのつもりで、連れ込むなりシャワーを浴びると一言入れ、洋にも浴びてもらい、すぐにでもベッドの上にいた。
    
     ちゅにゅぅぅぅぅぅぅぅぅ………………。
    
     正常位で受け入れて、奥まではまった洋の形をよく味わう。
    「ヒクヒクしてるね」
    「え、もうっ、言わなくていいっ」
    「ははっ、ごめんごめん」
     下腹部がキュッと引き締まり、全身に満ち溢れる喜びで、膣壁をヒクヒクと蠢かせてしまうことを指摘され、柚葉はひどく赤らんだ。少しだけ怒ってみせれば、よしよしと頭を撫でられ、そんなことで気が済んでしまうのだから、我ながら自分はチョロい。
     いや、まあ、洋だからいいのだが。
    
     ちゅくっ、ちゅつっ、じゅぷ――つぷ――ずぷっ、ずぷ――――。
    
     洋は丁寧に動いて来る。
     まるで激しく動けば壊れることを恐れるように、まったりとしたリズムで行うピストンは、柚葉の肉体を静かに味わおうとするものだ。
    
     ちゅにゅっ、じゅにゅ――ずぷっ、つぷ――にゅぷっ、ちゅぷ――。
    
     動きながらも、柚葉の肢体に手を這わせ、腰のくびれを撫で回す。その手を胸まで運んでいき、乳首を責めつつ揉みしだく。
     しかし、何よりも洋は視線を絡めてくるのだ。
    
     じぃ…………。
    
     と、柚葉の顔を真っ直ぐに覗き込み、愛おしくてたまらない表情でどこもかしこも愛撫してくる。時折、思い出したように唇を近づけて、頬に額にキスまでくれる。
     とてもとても、柚葉のことを大切そうにしてくるのだ。
    「あぁ……柚葉ぁ……」
     うっとりと浸った目つきで、柚葉とこうして過ごせることを心から喜んでいることが、洋の全身から伝わって来る。
    「洋っ」
    「柚葉」
    「ふふっ」
    「はははっ」
     名前を呼び合い、苦笑し合い、お互いの瞳には、お互いのことしか映っていない。
     しだいにピストンは早まった。
    「あっ、あふっ、んっ、んん! んっ、いい! そ、そこ!」
     軽やかにリズムを刻む洋の腰は、柚葉の感じる部分を知り尽くし、思うままに喘がせる。
    「いい顔」
     少し意地悪な笑みを浮かべて、洋は両手で柚葉の頬を包み込み、どこにも顔を逸らさせないように軽い力も加えていた。
    「――ば、ばかっ、みないでよ――あっ、あん!」
     見ないでと訴えても、やめてくれない。
     そんな洋の意地悪も快感で、感じた顔を好きなように鑑賞されてしまうことになる。
     幸せなセックスに他ならなかった。
    「あっ、ちょっと、もう!」
     洋のことを押し退けようと、厚い胸板に触れて力を込める。女の子の力ではどうにもならず、あっさりと手首を掴んで押しつけられ、両手を封じてピストンを続けて来るのも、カップルとしてのじゃれ合いだった。
    「ひっ、あ――あっ、あうぅ――んっ、ん――――」
     顔を横向きに背け切れば、真っ赤な耳が洋を向く。
     洋はその綺麗な耳に口を近づけ、食んで耳穴に舌を入れ、うなじにかけて口での愛撫を施した。
    「ひっ、ひろっ、しぃ……!」
     すると、柚葉はキスを求めて前を向く。
     正面から唇が重なって、何度も繰り返し触れ合わせていくうちに、やがてディープキスに没頭した。
    「…………」
    「…………」
     急に時の流れが変わったように、ピストンが一度は止まり、その動きはまろやかなものとなっていく。
     あたかも時の止まった二人きりの世界にいるように、柚葉は静かに舌を伸ばし、そこに洋の舌先が触れてくることを楽しむ。
    「ぬちゅっ、ちゅぅ」
    「ずっ、れろぉ」
     柚葉は全身で洋を感じていた。
     這い回る両手が、尻から腰のくびれにかけて撫で回し、肩やうなじも愛撫して、胸に辿り着けば少し夢中で揉みしだく。けれど、またどこか別のところへと、脇下の肉や腹のあたりを撫で、また尻やくびれに移っていき、そのうち乳首に戻って来る。
     柚葉の舌を自分の口内に吸い込んで、味わい尽くした挙句に、今度は洋の舌が柚葉の口に潜り込む。前歯をなぞり、舌先で突きを繰り出し、唾液を吸い上げ、そして自分の唾液も送り込む。
     アソコに埋まる洋の形状がよく馴染み、軽くのんびりとしたピストンの突きは、ほどよい甘味の痺れを生む。
     この幸せの中で、柚葉の肉体は高まっていた。
     頭の上から爪先にかけ、全身に生まれる甘い痺れが、アソコに向かって一点に集中していく。それが何の予兆であるかを知る柚葉は、期待とも焦りともつかない、しかしそうなりたい欲に煽られ、表情を変えていた。
    「イク時の顔、見せてもらうよ」
    「…………うん」
     頬が両手に包まれて、再び軽い力に固定されていた。
     これでもう、右にも左にも向けず、洋と目を合わせているしかない。
    
     ――ずん!
    
     力強く叩き込まれて、柚葉の足がビクっと弾む」
    「んっ、ん! あ! あ! あん! あぁん! あっ、はげしっ、やっ! あん! あ! あん!」  
     自分の顔がどうなっているか、柚葉自身には想像もつかない。
     ただ、見られている。
     大きな喘ぎ声を吐き出し続け、表情の筋肉が力んだり、弾んだり、目尻も歪んで涙も流れる。
     絶頂を待つしかできない柚葉の顔を、洋は視線によってよく味わい、その興奮でより一層のことピストンに力を入れる。
    
     ずん! ずん! ずん! ずん! ずん! ずん!
     ずん! ずん! ずん! ずん! ずん! ずん!
    
     ベッドもぎしぎしと軋んでいた。
    「あん! あっ、あ! やっ! あっ、だ、だめ! だめ! ひろしっ、ひ、ひろっ! ん! んん! なっ、んは! は、あん! ふあっ、うう! んんん! あん! あ、あ! あ! ああん! あん! あ、い、イク! イク! だめ! も、もう! もうだめ! だめ! イク! いっちゃう――いっちゃう! いっちゃう!」
     柚葉の中で何かが弾けた。
     どこまでも火力が上がるようにと、アソコの奥で爆弾を膨らませ、それがとうとう破裂して、全身くまなく快楽電流が四散する。脳まで痺れて焼き切れるほどの絶頂に、肉体が発火したような気さえしていた。
     洋も射精していた。
     柚葉がイクと同時に放っていたのが、膣内のコンドームを膨らませ、さらにビクビクと吐き出している。
     一緒にイケたことの喜びに、二人は思わず見つめ合う。
     そして、余韻に浸った。
    
     ――ちゅっ。
    
     ちょっとしたキスの中でも、二人の気持ちが通じ合う。とても気持ち良かったよ。うん、私もすごくイっちゃった。イク時の顔、最高だったよ。もう、馬鹿。一緒にイケたね。うん、幸せ――。
     言葉の詰まったキスと共に、未だ勃起から萎えない肉棒も、柚葉の中で脈打っている。
     柚葉もまた、ヒクヒクとアソコを蠢かせ、締め付けを与えていた。
     余韻を楽しむ時間に長らく浸り、やっと結合を解いたのは、それから何分後のことになるかもわからない。
     その後も、プレイは続いた。
     フェラチオを頼まれて、じっくりと奉仕しているうちに、自然とパイズリやパイフェラまで試していく。二度や三度に渡る射精を全身で浴び、その末の二回戦ではバック挿入を行った。
     風呂場でもプレイを続け、汗と精液を流した矢先に、壁に両手をついての背後位で三度目のセックスに打ち込んだ。
     もう交わる気力を使い果たし、終わりにしようかという空気になってもなお、ベッドの中のピロトークではお互いの性器を触り合う。
    「柚葉のイク顔、よく見せてもらったよ」
    「やだなー。もー」
    「居られて喜んでだ」
    「そんなこと…………なくもないけど………………」
     そういう会話に浸っていた。
     いつまでも幸せに、そして時間の経過を名残惜しく思いつつ、やがて着替えを済ませてしまう。
     よかった。とてもよかった。
     これからも、ずっとずっと……。
    
     そして、豚山武は次なるカップルに指導を行う。
    
    
    


     
     
     


  • 第8話「最終指導」

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     今日は最後の勉強だった。
    「いいかい? これは気持ちを学ぶための指導でね。性教育委員会の方針で、立派なカリキュラムとして定められていることなんだ。ま、そのくらいのことは、ネットでもわかるし、保健の教科書にも載っている。言わなくても知っているだろうけどねぇ?」
     あれから、何度かの感度開発を行い、洋との回数もこなしていき、健全な肉体関係を築けている。もちろん普通の勉強も疎かにはしておらず、趣味の読書で同じ小説を楽しんだり、難しい本を読み合ってみることも忘れていない。
     勉強も、デートも、セックスも、二人は全てをこなしていた。
     文句のつけようがないカップルだが、いくら評価が高くても、方針で義務付けられた指導を教師個人の裁量では省略できない。
     先生に行う性奉仕も、セックスも、心のどこかには嫌がる気持ちが残っていて、柚葉は本当の意味では合意していない。そういう決まりだから、制度だから、ルールだからしたのであって、仕方がないという諦めの感情で交わったことは確かであった。
     豚山とのセックスがどれほどの天国でも、彼氏以外と行うセックスは健全なセックスではない。
     小学生の頃から、あらゆるメディアによる発信からも、そう刷り込まれて生きて来た柚葉である。
     もう豚山と性交する必要がなくなるのは、正直にいって望ましい話である。
     ただ、最後だから良い評価は得たい。
     それは例えるなら、勉強が嫌いで宿題なんてやりたくなくても、取れるものならテストでは良い点数を取りたいような、どこか相反するものがある。
     しかし――――。
    
     洋に見られながら性行為をするというのは…………。
    
     柚葉は既に丸裸だ。
     ブレザー姿の、背が高くスタイルのすらりとした洋と、1メートルの距離を離した向かい合わせで、すぐ傍らに立つ豚山が、柚葉の肩に触れて来ている。
     豚山もまた、全裸で股間を勃たせていた。
     これではまるで、洋に向かって「こいつは俺の女になった」と、元彼氏を相手に勝ち誇っているような、そんな構図が脳裏を掠める。
     違う、自分は先生の女ではない。
     洋への愛は変わらないことを訴えたくてたまらない目で、わかってほしい気持ちをいっぱいにした表情を投げかける。柚葉の心境を言葉もなく受け止めて、洋はそれに静かに頷いてくれていた。
    「柚葉ちゃん。今の気持ちはどうだい?」
    「――そ、それは――ひゃっ!」
     尻を触られ、とっくに慣れ切ったはずの行為で柚葉は肩を弾ませた。
     苦痛に歪む洋の前で、お尻を撫で回されている。尻肌にぴったりと張り付く手の温度が、実に上手に皮膚を快感で泡立たせ、恋人を裏切ることがどういうことか、柚葉は身をもって体験していた。
    「……洋に悪い、嫌だっていう、そんな気持ちだと思います」
     豚山はさらに柚葉の手を掴み、股間の元へ導き握らせる。手コキまですることになる柚葉は、気乗りせずにしごき始めた。
    「どうしてだい?」
    「やっぱり、洋は恋人で、先生はそうじゃないから……」
     それ以上も、それ以下の答えもない。
     指導の名目とはいえ、教育によって推奨されるのは、あくまでも恋人と行う健全なセックスだ。豚山との性行為は、教育課程におけるカリキュラムに過ぎない。
    「では洋くん。君はどうだい?」
     洋への問いかけと同時に、尻を撫で回す手つきが、ぐにぐにと指を喰い込ませ、揉みしだくものに変わっていた。どうすれば柚葉が感じるか、知り尽くした指の動きに捏ねられて、下腹部は熱く引き締まった。
    「もちろん、柚葉が他の男に触られているのは、とても嫌だと感じています。本当に、辛いです……」
     歯を食い縛り、拳まで震わせている。
    「ひ、洋……」
    「これも勉強だ。恋人以外とするのは、本当は不健全なセックスにあたるタブーだからね? 教師としては、指導以外の理由でそういうことになるのは防止したい。だから気持ちを体験させるカリキュラムが組まれているっていうわけだねぇ?」
     学習内容の一部なのは知っている。
     だが、わかっていても辛い。
    「柚葉ちゃん。騎乗位しようか」
    「…………はい」
     肩を抱かれる形でベッドへ歩み、わざわざ洋の前で行う騎乗位は、恋人同士で向かい合い、視線を合わせた形式となっている。
     豚山が寝そべった。
     さながらベンチに座るかのように両足を下ろし、その状態から上半身は仰向けに、雄々しい肉棒を天に向かってそそり立たせる。柚葉はそこにゴムをかけ、自ら跨ることになるのだ。
     唇を噛み締め、胸の痛みを堪える洋の前で……。
    「洋…………」
     柚葉の胸も、万力で締められているような苦痛に見舞われ、じきに心臓が張り裂けそうなほどである。
    「さあ、おいで? 柚葉ちゃん」
     跨る柚葉は、股下の肉棒に触れ、亀頭の位置を自分に合わせて、切っ先に膣口を重ねていく。腰を沈めるにつれ、子宮まで届く長大な一物が穴を抉って、すぐに根本まではまっていた。
     そして、動く。
    「んっ、ん、んぅ……うっ、んくっ、くっ、んぅ……んあっ、う……く……くふっ、んぐっ、ぬっ、あぅ…………」
     自分自身で腰を弾ませ、上下運動に合わせて視界も動く。
     豚山のサイズを受け入れるのに、もう少しの痛みや苦しみもない。初めてを思えば、想像以上にすんなり入る。それだけ慣れても大きな存在感が引力を放ち、腹の内側まで意識を引っ張る。
     いつもなら、感度開発の指導で感じたり、喘いだり、絶頂するのは当たり前なので、特に我慢はしなかった。
     今回は洋の前だ。
     他人の肉棒が入っているところを見せるだけでも、洋には拷問じみた苦痛を強いている。柚葉自身だって辛い。せめて柚葉に出来るのは、出来るだけ感じないよう、イカないように気をつけて、必要以上の思いをさせずに済ませることだ。
    「んっ、んっ、んっ……ん……あっ、んくっ、んう…………」
     豚山の方からは動かないから、気持ち良さは柚葉の方で調整しやすい。感じ過ぎず、良い部分にも当たらないように気をつけて、しかしそれでも感じる快感に、静かな喘ぎは漏れてしまう。
    「………………」
     洋は顔を苦悶させ、表情の筋肉をいたるところまで強張らせ、そこまで辛い思いに耐え忍ぶ。
    (私も耐えるからね。洋っ!)
     同じ苦悶を顔に浮かべて、アソコに生まれる快楽など、封殺しようとばかりに心を強く引き締めた。
    (あっ、ん、んっ、だめ……声が……どうしても…………)
     いくら豚山の肉棒が気持ち良くても、そのセックスの上手さは性教育に関わるプロだからだ。これからも指導を行い、他の女子といくらでも交わる男の、指導用のおチンチンにいつまでも悦んでいてはいけない。「んっ、んふぁ……あっ、くっ…………くっ、ううっ、うぅ…………」
     他の男で感じる声も、洋には聞かせたくない。
     本当なら、交わっているのも見られたくない。
    「んっ、んんぅ――――――――」
     手で口を塞ぎ、聞かせまいとしながら、柚葉は初めて快感を心の底から拒もうとしていた。気持ち良くなりたくない、絶頂なんてもってのほか。アソコに溢れる甘い痺れは、洋を傷つけ自分も傷つく、恐怖の刃でしかなくなっていた。
    (これが……! これが、洋を裏切るセックス……!)
     決してあってはならないことだ。
     絶対に浮気はしない。
     そもそも、別の男という発想すらなかった柚葉が、わざわざ一途でいようと決意を固め、洋だけを愛そうと、結婚まで夢想する。
     しかし、このカリキュラムは豚山を射精させるまで続く。
     いつまでも緩い刺激だけでは、肉棒の方が精液を出してくれない。柚葉は快感を拒否したくても、豚山の方には感じさせる必要がある。
     こうなったら、柚葉は俯いた。
     少しでも感じた表情を隠し、洋には見せないため――。
    
     あっ、あっ、あ! か、硬いのッ、奥にあたる! 子宮にぶつかる!
    あうっ、あん! あん! あん!
    
     柚葉は動きを速めていた。
     精液を絞り出し、この時間を一刻も早く終わらせるため、下腹部に力を入れてキュゥキュゥと締め付ける。
    
     んっ! あん! だ、だめ! 良すぎる! なんで!?
     が、我慢したいのに――できない――!
    
     腰を落とすたび、極大な槍でも使って股から脳天にかけてを串刺しにされてしまうような、激しい快感が身体を貫通していく。下から上へと、快楽の電気が頭から天井に放出されているのではないかと思うほど、痺れは強くなっていた。
    
     ぬっ、く! こ、こんなの! すぐに抜いて――。
     あっ、あん! あん! あん! あん!
     少し……は、激しくすれば……。
     髪とか揺れまくるし、オッパイもプルプルすると思うけど。
     でも、早く終わった方がいい!
     あ! あん! あん! あん! あん!
    
     それは洋を苦しみから解放して、性教育に決着をつけるための動きであった。
    
     ずん! ずん! ずん! ずん!
    
     叩きつけんばかりに腰を落とし、喘ぎ声はあくまで噛み締め、しかし腰は快楽にくねくねと動いてしまう。
    
     イケ! 早くイっちゃえ! 精液出しちゃえ!
     早く、早く――あっ、あ、あん! あん! あぁ――!
     せ、精液っ、精液!
     射精っ、してぇ……!
    
     そして、彼氏のためを思えばこそ、けれども必死になって豚山を射精させようと頑張る姿がそこにはあった。
     
     ずん! ずん! ずん! ずん!
    
     手で口を塞いだ内側は、歯も強く食い縛り、荒げた息が最低限聞こえる以外は喘ぎ声を漏らしていない。俯くことで垂れる前髪の影が、感じた顔を洋の目から隠している。
     
    (洋ッ! 私は、早く洋のところへ――――)
    
     コンドームが内側からドクンと熱く膨らんで、たっぷりと射精してきた気配が膣内に感じられた。
    
     よかった……。
     これで……私は洋とだけ……。
    
    
    
    


     
     
     


  • 第7話「成功報告」

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    「それで、彼とのセックスは上手くいったかい?」
    「はい。とっても」
    「習ったことが役に立ったね?」
    「そうですね。処女を失くしておいたおかげで、余計な痛みもなく、気持ち良くなれました」
     柚葉はこの日も豚山の指導を受けていた。
     ベッドの上で、膝のあいだで子供でもあやすかのようにして、柚葉は豚山に抱き締められている。
     もうとっくに慣れてきて、先生の前で裸になることには、何らの抵抗も感じない。それは指導や授業という意識から、生徒として抱く意識であり、だから恋人としてラブホテルに入ることを要求されれば、やることは同じでも肌中が戦慄するに違いない。
     豚山の肉体も、決して好きなものではなかった。
     筋肉というより脂肪に満ちた胸板の膨らみと、腹筋の逞しさなど皆無のたるんだ腹が、体育座りの柚葉の背に、べったりと密着している。指まで脂肪で膨らみ気味で、顔立ちも醜いオッサンとあらば、思春期の女子が生理的な拒否反応を示すには十分すぎた。
     慣れだから、指導だからとしか、ごく普通に愛撫に身を委ね、快感に浸れる理由は説明できない。
    「一緒にシャワーを浴びたってことは、洗いっこもしたのかな」
     豚山の右手が乳房を包み、触れるか触れないかといった具合で、手の平全体で胸の皮膚をさすっている。左手の指はアソコのワレメをよくなぞり、滑らかな愛撫で愛液を掻き取っていた。
    「はい。お互いの体にボディーソープを塗り合って、途中からオッパイで洗ってあげました。そしたら洋も、『ありがとう』『気持ちいいよ』『とても嬉しい』って、何度も言ってくれて、私もやる気出たんで、パイズリまでしちゃいました」
    「じゃあ経験しておいてよかったね」
    「はい」
    「洋くんは、ちゃんと射精の直前に一言入れたかな」
    「入れましたよ。だから、私もどこに出したいか聞いてみて、顔っていうから顔で受け止めました。洋、私の汚れた顔、すっごく嬉しそうに見て来て、それで私もそのまま洗わないで眺めて貰って。いや、まあ一分くらいしたら洗ったんですけどね」
    「ラブラブでいいねぇ?」
     豚山の両手は気ままに動き、左右の胸を同時に揉みしだく。腹をさすっていくように、皮膚の表面を這っての移動でアソコに手をやり、膣口とクリトリスを同時に責める。
     そのうち右手が乳房に移り、気でも変わったように乳首を摘まむ。
     右手と左手が後退して、今度は左側の乳房が揉みしだかれる。
    「顔を洗ったあとは、いっぱいキスしました。私も夢中になって、やめられなくて、出来るだけ唇をくっつけながら、タオルで体を拭いていましたね」
    「で、いよいよベッドに行ったんだね」
    「はい。洋くんの愛撫で、いっぱい濡らされちゃいました。凄く優しくて穏やかなタッチで、私が『あ、ソコ』って思ったら、顔を見ただけでわかってくれて、私がいいと思う場所を重点的に攻めてきたり、私の方からも洋の体をまさぐったり」
    「ぼちぼち、挿入に移っていくわけだ」
     豚山は静かに柚葉を寝かせ、コンドームの袋を破き、肉棒に被せ始めている。
     あと何回もない感度開発で、柚葉はよりイキやすくなる。
     つまり、洋の肉棒で導いてもらうため、幸せな時間を過ごすための、未来への投資を意味するセックスだ。
    「『心の処女』を捧げる相手ですから、洋も私との時間を凄く大切に考えてくれました。コンドームの袋、一緒に破いたんです」
     指導での性交は、物理的には確かに処女を失っているものの、現代教育における貞操観念上、恋人との性交でなければ『心の処女』を失ったうちにはカウントされない。
     もちろん、レイプといった『心の処女』を無理矢理奪う事件も、世の中あるにはあるが、そういった例外でもない限り、恋人がいなければ『心の処女』を失う機会はどこにもない。
    「へえ?」
    「私が袋を手に取ったら、洋は私のこと抱き起して、キスして。それで自然とっていうか、見つめ合いながら、洋と二人で破きました。まあ、やりにくい破き方なので、ちょっと苦戦しましたけど、コンドームの装着も二人でしたんですよ?」
    「先生もちょっと挿入するからね」
    「はい、どうぞ」
     柚葉は股を左右に開き、正常位でしようとしてくる豚山の挿入を受け入れる。肥満の体格のせいかは知らないが、洋のものより太い一物は、やはり微妙にきつく苦しい。
     しかし、こうして根本まで入って来れば、この太さの有難みが身に染みてよくわかる。太いもので肉体の処女を散らしたから、先生よりも少しだけ細い洋の肉棒で、苦しい感じがしないで済んだ。
     キュっと締め付けるまでもなく、柚葉の穴より太いくらいの肉棒は、良い締め具合を味わっていることだろう。
    「お、いいね。柚葉ちゃんのアソコがセックスに慣れてきているのが、何となく伝わるよ」
     豚山の腰が動き始める。
     たった数センチもないピストンの、本当にゆったりとしたピストンで、ちゅくちゅくと愛液の音が鳴る。
    「ありがとうございます」
    「それで、装着も一緒にしたんだね」
    「はい。洋が自分で上に乗せて、私もそこに手をやって、二人の手で一緒に被せていきました」
    「それはいいね。とても充実した時間になっただろうね」
    「はい。とにかく一緒に過ごすってことを大事にして、挿入も見つめ合いながらやりました。洋はこう、私のこと、熱い感じの目で見て来て、私も似たような感じて視線を重ねて、だから手元の方で、ここだよっていう具合に、亀頭の部分をアソコの中に導いたんです」
    「お互いに協力し合って、本当にいい時間を作ったみたいだね。まさに百点満点。理想のあるべきセックスだ」
     洋との行為を全面的に肯定してくる豚山の言葉に、柚葉は嬉しそうに目を細め、ご機嫌になって今の肉棒に浸っていく。
     本当に充実した時間だったのだ。
     挿入を済ませた途端に、感激に震えた表情を浮かべた洋は、何度も何度も「ありがとう」と口にして、キスをしながらピストンした。柚葉と交わることが出来たのが、心の底から嬉しいのだと伝わって、それが柚葉の心を大いに高めた。
     だから、洋とのセックスではイクことが出来た。
     ゴム越しの射精を感じた後は、イカせてくれたお礼にフェラチオをしようと思い、仰向けになってもらって奥まで咥えた。精液は飲み下し、済んだ後も亀頭の周りをペロペロと舐め取った。頑張って奉仕に励む柚葉をよしよしと、頭を撫でて可愛がってくれたのが最高だった。
     まだ元気を残した肉棒を見て、もう一度挿入して欲しくなり、コンドームを被せるなり正常位で迎える姿勢となって、そのまま三回は本番をしてしまった。
     裸のまま抱き締め合い、余韻に浸り、シャワーを浴びた後はホテルを出て、手を繋ぎながら帰っていく。
     ――今日は本当に良かった。凄く良かった。ありがとう。
     家まで送ってもらっての別れ際に、耳元に囁かれ、赤らんだところに唇が重なって来たことには、一体どれほどドキリとさせられたか。
    「楽しんだねぇ? また洋くんとしたいねぇ?」
    「はっ、はい……! し、したいですっ、あっ、あっ、あん!」
     いつしか柚葉は全てを語り、そして喘いでいた。
    「じゃあね。いい指導が出来たわけだし、生徒としては先生にお礼をしないとね? だから今日は、ちょっとばかり楽しむためのセックスをさせてもらうよ?」
     いつからピストンが激しくなっていたのかわからない。
     それほど柚葉は夢中で語り、惚気続けて、自分は喘がなくてはならないことに今頃になって気づいたように、巨大な快感に貫かれていた。
    「へ? あ、はっ、はいっ! あっ、あん! あん!」
    「はぁぁぁっ、いいなー! 心まで奪うより、気持ちは本命の彼に向いたままの女の子が好きなんだ! 心の底からは合意してない、でも感じちゃってどうしようもなくなってる感じの!」
    「あっ、あぁぁ――――――――――――――――っ!」
     股から脳天にかけてを貫通する、鋭い槍に串刺しにされるがごとき快楽に、肺の酸素を絞り切ってなお喘ごうとしてしまう。そんな呼吸の苦しみを超え、やっと空気を吸い込むと、次なるピストンがまた柚葉に酸素を吐かせる。
    「おっと、少し責め過ぎたねぇ? 手加減しないとねぇ?」
     いずれは白目を剥いて失神しそうな勢いから、急に快楽が緩んだことに安心しつつも、未だ四肢には激しい電流が走っている。
    
     ずん! ずん! ずん! ずん! ずん! ずん!
     びく! びく! びく! びく! びく! びく!
    
     リズミカルなピストンに一致して、太ももから足首まで、下半身の筋肉が全て強張り、ビクつく反応を繰り返す。
    「あっ! あっ! やっ、あふっ、んん! ん! ん! んぁっ、あああん! あん! あん! あん!」
     巨大な壁が聳えるごとき、大きな快感の津波が迫っては、柚葉の脳から余計な思考をどこか遠くへ流していく。
    「あん! あん! あっ、いっ、いい! いい!」
    「バックになってごらん?」
     肉棒を引きながら、豚山に言われるなりだ。
    「は、はい!」
     柚葉はすぐさま姿勢を変え、どうぞ挿入して下さいと言わんばかりに尻を突き出す。
    「あ…………!」
     背後からの挿入で、豚山の腰が柔らかな尻山を押し潰した。
    「あっ! うっ、ん! ん! ん! あん! あん!」
     尻たぶを波打たせ、大胆なグラインドで突き込む豚山の腰は、子宮にぶつかるほどの奥まで切っ先を刺している。
     豚山は楽しむと言ったが、これが感度開発になることはわかっている。
     指導の一環と思って快楽を受け入れて、気持ち良さのままに喘ぐ柚葉は、ベッドシーツを強い握力で握り込む。跳ねる背中で綺麗なカーブを成しながら、髪を左右に振り乱し、全身から噴き出す汗でシーツを濡らす。
     気持ち良すぎる! 気持ち良すぎるよ!
     頭の上から爪の先まで、皮膚が細やかに弾け飛ぶような快感に、このまま屈服しそうな自分がいる。ただひたすらに圧倒的で、抗いようのない快楽の暴力に、力ずくで打ちのめしてものにする。そんな豪快なピストンの中で、柚葉は必死に洋の顔を浮かべていた。
    「ちゃんと洋くんのことを考えているかい? ははっ、駄目だよ? いくら気持ち良くても、快感に流されて心まで奪われたら、真に一途とは言えなくなる。きちんと彼氏を想い続けるんだ」
     豚山が語っている言葉など、脳神経までやられるほどの快感で、ろくに聞き取りも出来ていない。
     しかし、それでも柚葉は「洋! 洋!」と、心に浮かべた彼氏にしがみつき、離すまいと懸命になっていた。
     
    「――――ああぁ! イク! イク! せ、せんせ――いっ、イキます――も、もう! もう! あ、あああああん!」
     
     絶頂の波に晒され、柚葉は全身を痙攣させた。
     イキ果てた柚葉は、朦朧とした虚ろな瞳で余韻に浸り、上半身をぐったりとさせていた。愛液を存分に漏らした尻だけが高らかに、肛門のヒクつく光景は、女としてはあまりに無様なものである。
    「ひ、洋ぃ……」
    「そうそう。そうでなくちゃ。合意しているようでいて、本当は罪悪感を抱いていたり、腹の底にほんの欠片でいいから嫌がる気持ちが残っているのが好きなんだ。そういうセックスが、先生には一番気持ちいいからねぇ?」
     豚山は醜い笑みを浮かべて尻を撫で、豊満な曲線を大いに愛でる。
     この日、柚葉は休憩の末にフェラやパイズリくらいの体力は取り戻し、ひとしきりの奉仕をしてから、指導終了のハンコを貰って帰宅した。
    
    
    


     
     
     


  • 第6話「デートをして」

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     それから、破瓜の負担をかけたアソコに休憩を与えるため、しばらくの指導は休みになる。
     それを機に、佐矢野柚葉は休日の待ち合わせの場で、20分も早く来てしまって彼氏を待つのに、必要以上にキョロキョロと周囲の人の往来を見渡していた。
     駅前に建つ芸術品らしいオブジェの前で、ワンピースの上に薄手のカーディガンを羽織った私服姿で、安藤洋を待ち侘びている。時間が早すぎたのは自分の方だというのに、こうなると似たような体格の男を見て、それが通行人として近づいてくるたびに、洋ではないかと期待を抱いては肩を落とし続けていた。
     柚葉のすぐ近くにも、同じようにこの場所を待ち合わせ場所にしていた見知らぬ女子が、やって来た彼氏に抱きつき、デート先へ向かって離れていく。
    (いいなー……)
     実に羨ましい気持ちでカップルを眺め、改めてスマートフォンで時間を見るに、まだ待ち合わせよりも15分早かった。いつも5分前到着の洋を考えると、あと10分も待たなくてはならないのだ。
    (早く会いたいよ。洋、洋……)
     どうせ会えることはわかっているのに、どうしてこんなにも気持ちが焦るのだろう。
     スマートフォンの画面で、さらに1分立った時だ。
    
    「お待たせ」
    
     小走りで駆け寄って来る少年に、柚葉は目を輝かせた。
     背が高く、細く整った腰つきや足の長いスタイルに、とびきりのイケメンとまではいかないが、十分に格好いい顔立ち――いや、けれど好きすぎてアイドルにさえ見えてしまう。
     寡黙らしい彼の静で落ち着いた声質に、耳が溶けてなくなりそうな思いで興奮しながら、柚葉の方からも洋に向かって駆けよった。
    「洋……!」
    「おはよう。その服、似合うね」
     開口一番、今日のために密かに選んで買って置き、是非とも次のデートにと思っていた私服を褒められ、ドキリと心臓が弾んで顔が赤らむ。
    「あ、ありがとう……」
    「髪もいつもよりツヤツヤしてて、肌もなんか……綺麗で……」
     褒め言葉を言うのが本当は恥ずかしくてたまらない、照れ隠しが丸わかりの赤らんだ顔つきで、それでも褒めずにはいられずに、柚葉のことを称えてくる洋の声に、心まで溶かされていく。
    「そんなこと……!」
     柚葉も照れを隠しきれずに、顔をどこかに背けてしまった時、ゴクリと生唾を飲んでいる気配を確かに感じた。改めて洋の顔を見てみると、いかにも美味しそうでたまらないものを見る獣の目つきで、しかしそんな自分に気づいてハっと理性を復活させている様子に、間違いなく性欲を向けられたことがわかってドキドキした。
     愛している以上、柚葉にも性欲はあり、そのうち一つに繋がりたい。
    「行こうか」
     洋は手を差し出してきた。
    「う、うんッ」
     そして、柚葉は手を繋ぎ、デートコースへ向けて歩み出す。
     プランといえば、別にただ映画館のある駅まで電車に乗り、二人で見ようと決めた映画の感想を、ファミレスで一緒に食事をしながら語り合う。デザートを一口ずつ交換したり、意味もなくテーブルの上でお互いの手を触り合って過ごしていく。
     あとはデパートで買いもしないグッズを眺め、買うわけでもない洋服を選んでみて、一緒に読みたい本についてはおこずかいを用意している。色んなところを見て回って、アイスクリームなんかも食べてみて、充実した時間を過ごしていくうちに、デパートを離れた通りに入る。
     そして、ホテルの並んだ道を歩いて、洋はさりげなく切り出した。
    「なあ、ちょっと休まないか?」
     ラブホテルの建つ場所で、休憩と称した誘い方があることは、性教育でも習っている。
     教科書の授業の際は、おおっぴらには誘いにくいので、そういう言い回しでさりげなくセックスに持ち込みましょうと教えていた。性交渉に持ち込む指南であると同時に、そんな気のない男性から誘われたら、ホテルに連れ込むテクニックであると警戒せよとも教えている。
     洋は彼氏だ。恋人だ。愛している。
     警戒も何もない。
     それに、付き合いの長さでお互いの気持ちはわかる。教科書の知識や妙な雑誌の知恵がなかったとしても、洋が柚葉としたがっているサインは感じ取れていたはずだ。
    「そ、そうだね! 私も、ちょっと疲れたかも……」
     声が上ずった。
     何せ、こうなると休憩を取ることへの合意が、ホテルへ行くことの合意になる。
    「行こう。柚葉」
    「……うん」
     手を握られ、されるがままに引っ張られ、連れられるままにホテルの入口で部屋を取り、エレベーターにまで入っていく。
     その時が、着実に迫っていた。
    (……どうしよう! どうしよう! どうしよう! こ、これから洋とするんだ! や、やばい! やばいよ! 凄い緊張する! 心臓もこんなにうるさいものだっけ? やばい! どうしよう!)
     何が始まったわけでもないのに、エレベーターで部屋の階まで上がっていくだけで、必要以上の赤面が耳にまで及んでいた。
     頭が沸騰しかかっている。
     心臓の鼓動は、胸が破裂せんばかりだ。
    (お、思い出そう! 豚山先生と散々してる! もう処女じゃないから痛みもないはず! それに、あとは、そうっ、コンドーム! 洋のことだから、誘うつもりでいたなら用意してるだろうし、なかったとしても部屋に置かれてるだろうから避妊はOKだよね)
     必死になって学んだことを思い出し、頭の中で復讐していく。
    (手コキ、フェラ、パイズリ、パイフェラだって、頼まれさえすればみんなできるし……あ、でも……。頼まれなかったら? 洋だって、初めてで頼みにくいだろうし、気を遣って私の方からする? ううっ、そういうのは個別の問題だから、先生の指導でどうにかっていうものでもないし……)
     肝心なところがわからない。
     しかし、洋だって女教師の手ほどきを受け、もう童貞ではなくなっているはずである。性奉仕は体験して、愛撫も習い、避妊の責任についても改めて学んでいることだろう。
    (お互いに素人じゃない。だから、気軽に……気軽に……)
     気軽に行こうと、深呼吸で息を落ち着ける。深呼吸で大胆に肩を上下させているうちに、エレベーターは開いて廊下に出る。部屋番号のドアノブに鍵を差し、とうとう部屋まで到着した。
     清潔な純白のシーツが敷かれたダブルベッドに、ここでするのだという覚悟なのか思いなのか。そういったものが胸に込み上げ、緊張による体の強張りと、心臓の激しい動悸はなかなか解けない。
    「柚葉」
     洋は黙って、柚葉の背中に腕を回して抱き締めた。
    「ひ、洋……」
     頑として離すまいと、誰にも渡すまいとする腕力に、呼吸が苦しいほどに感じるのが、むしろ愛されていることの実感となって心を満たす。柚葉の方からも抱き返し、あらん限りの腕力をかけ、いっそ締め潰すつもりで密着した。
     見上げれば、真剣に射抜こうとしてくる熱意の瞳がそこにある。
    (なんでだろう? 生まれて初めてセックスする気がする……)
     指導であろうと、処女を散らしたことは散らしたはずだ。
     それなのに、洋の熱い体温と、柚葉の心を焼き尽くそうとする勢いの情熱に、胸の内側さえ沸騰を始めている。ここまで気持ちが高まれば、もう生涯かけても洋を嫌いになることが出来ない気がして、好きになりすぎることが恐ろしくさえあった。
    「ずっと大切にする。一生、柚葉と一緒にいたい」
    (ああ、結婚しちゃうんだね。私達って……)
     高校生で、まだ成人後の未来など決まってはいないのに、何故だか確信してしまう。ここまで心の波長が合う相手は、きっと世界のどこを探しても二人はいない。
     指紋や遺伝子の一致よりも細やかに、心の波紋が重なってしまったのだ。
     柚葉の柔らかな頬に、温かい手が触れて来る。
    「私も同じ気持ちだよ。洋、大好き」
     目を瞑り、捧げんばかりに顎の角度を上に突き出す。
     すぐに唇が重ねられ、甘いキスに心を溶かされていきながら、うっとりと目を細め、永遠に酔いしれていくかのような時間に浸る。舌を突き出そうとして来る気配に、柚葉は舌を差し出して、お互いに絡め合わせて深いキスにまで発展した。
    「んじゅっ、ん、ずっ、じゅぅ――――」
     大きく開いた口で貪り、洋は舌を捻じ込んで来る。柚葉の舌は洋によって絡め取られ、流れ込む唾液の味を感じ取る。前歯をなぞり、歯茎を責めてくる舌先に、こちらからもと柚葉も同じことをやり、洋の口内を蹂躙する。
     逃げられないよう、後頭部が掴まれていた。
     柚葉とて、そうして洋の口が逃げないように手で掴み、自分自身の唇に洋の口を押しつけている。今度は自分が大口を開き、洋の唇を貪るように食べ始め、しばらくのうちに洋も改めて貪った。
    「んずっ、じゅむっ、ずっ」
    「ずずっ、にゅじゅぅ……ちゅっ、チュゥ……」
     攻め合っているうちに、洋の手は動いていた。肩に乗せられた手の平から、胸を揉みたい意思を感じ取り、柚葉は少し後ろへ引く。胸板へ密着させていた乳房を離し、途端に洋の手が取りついた。
     指導を受けた経験があっても、本当に緊張してしまっている。まるで慣らさず、いきなり胸を揉まれていたら、どれほど驚き、戸惑うことになっていたか。
     とても静かに、柚葉は胸を揉ませていた。
     キスで二人の世界に没入していることもあり、幸せに身を浸している表情で、柚葉の方からも洋の胸をまさぐり返す。その手をしだいに下へやり、腰を撫で、腹を撫でていきながら、ズボン越しの膨らみに這わせていた。
    「柚葉……」
     嬉しそうに、気持ち良さそうに、目を細めて洋は快感に浸っている。
    「洋……」
     今一度、唇を絡め合わせる。
     そこに何かの合図でもあったかのように、二人はおもむろにシャワールームへ進んでいき、まずは洋が柚葉のカーディガンを脱がせていく。
     次は柚葉が洋のシャツをたくし上げ、剥き出しの上半身はなかなかに筋肉で締まっている。インドア派としては意外な逞しさにドキリとして、柚葉はムラムラと胸板は腹筋を眺めてしまう。
    「スカート。たくし上げてみて?」
    「……うん」
     気恥ずかしく染まり上がって、柚葉はワンピースのスカート丈を持ち上げる。あらわとなる白い脚から、続いて純白のショーツが洋の目を奪い、熱意を帯びた視姦に柚葉は隠したそうにモジモジする。
    「可愛いよ。柚葉」
    「も、もう……!」
     怒ったような照れた顔で、ショーツを隠してしまう柚葉だが、ワンピースを脱がそうとしてくる洋の手つきに、大人しく身を委ねる。
     下着姿になったところで、洋は柚葉を抱き締めた。
     それはブラジャーのホックを外すためだと、柚葉にはもうわかっている。柚葉の手も、自然とベルトの金具へ這っていき、指先でカチャカチャと弄って外しにかかる。
     お互いが下着一枚。
     あとは順番に最後の一枚を下げ合って、恥ずかしながら、柚葉と洋は全裸となった。
     シャワールームへ入っていき、プレイが始まる。
     指導を受けている関係上、二人は処女でも童貞でもない。だというのに二人の心は新鮮で、生まれて初めてセックスを行う心境そのものの、ウブな恥じらいに満ちた時間を過ごしていった。
    
    
    


     
     
     


  • 第5話「初めての本番」

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      ベッドの柔らかさに背中が沈み、頭を乗せた枕も柔軟に変形して、白いシーツの全てが佐矢野柚葉を受け止めている。
    
     くちゅり、
    
     愛液に濡れたアソコから、そんな音が聞こえたような気がするほど、柚葉の下腹部は温まっていた。
    「えっ、こんな……! うそ……!」
     指先で軽やかにワレメを引っ掻き、くすぐるようになぞる愛撫が、瞬く間に汁を掻き出してしまったことに、柚葉は動揺さえして瞳を震わせていた。
    「それはっ、気持ちいいですけど、えっ、えっ……!?」
     何が起こっているのかわからないと言わんばかりの表情で、性器の表面に愛液を溢れさせ、色白の肉貝をヌラヌラと輝かせる。
    「あっ、あぁ……あぅ……ふっ、んぁ……!」
     確かにオナニーの宿題を真面目にやった。一日も欠かすことなくアソコを弄り、満足するまで快感を味わって、たった一週間でこんなにも成果が出るのだろうか。
    
     ち、違うっ、先生が上手いんだ!
     プロの指導者だから……!
    
     指が挿入されて来て、甘い痺れがますます膨らむ。
     二本、三本と指は増やされ、柚葉の穴はそれをしっかりと咥え込み、押し広げようとする圧迫に愛液を撒き散らす。
    「確かに宿題はやってるらしいね。三本も入ってしまった」
    「あっ! あぅ――せ、先生ェ――!」
     髪を振り乱し、両手でよがり、喘いでいるうちに脚が広がり、いつの間にか柚葉はM字開脚で太ももを強張らせている。それを前から指で犯され、正常位で挿入されたらこういう気持ちに違いない刺激に、アソコで何かが膨らんでいた。
     オシッコに行きたいのとは違う、しかし尿意に似ているような、言い知れない未知の何かが下腹部で育っていき、その感覚の正体がわからず柚葉は顔を歪めていた。
    「せんせっ、せん――な、なにか! なにかヘンです!」
    「それでいい。そのままだよ」
    「そんな――あっ、あん! あっ、ダメ! ダメダメ! こんなっ、このままじゃ――あっ! あっ!」
     脳まで何かにやられてしまっているように、柚葉は未知の快感に飲み込まれ、もはやそうなることは時間の問題だった。それも数分後の遠い未来でなく、たったの数秒後にさえ迫っているのだ。
     脚の筋肉が極限まで硬直して、天井を蹴散らしたいように両足でよがって暴れ、足首を反り返す。
    「あっ、あ――あ――」
     もう、ダメだった。
     これ以上は破裂するとわかっている風船に、なおも空気を注入して、弾け飛ぶまで膨らませているようなものだった。
    
    「――――――――――――――――っ!!!」
    
     声にならない絶叫。
     佐矢野柚葉は絶頂していた。
    
     高圧電流でも全身に流されているように、手足を痙攣させながら、背中も高く反り返し、腰を弓なりに弾ませる。
     さもアソコから霧吹きの噴射をしたように、愛液の潮が飛び跳ね、その滴が豚山の顔に胸に付着した。
     四肢の力が抜けていき、起き上がりたい気がしない。
    「今のが絶頂。オーガズム。イクってことだね」
    「絶頂……」
    「イった体はね。さらに開発を行うことで、どんどん絶頂しやすくなって、彼氏との時間を充実したものにしやすくなるんだ」
    「洋との……」
     柚葉はごくりと息を呑んだ。
     今のは、そもそも恋愛対象ではない男によって与えられた絶頂だ。同じイクでも、彼氏でイクか、違う男にイカされるかでは、心の満足感は大きく違ってくるだろう。
    「実際にイってみて、どんなことが勉強になったと思う?」
    「どんな……うーん……」
    「自分の感じるポイントがわかったんじゃないかい?」
    「あ、そうですね。だから、洋にもそれを伝えられれば、今みたいにイけるんでしょうか」
    「もちろんだとも。ま、それにはもう少し経験を積んで、感度を磨いた方がより確実だけどね」
     再びアソコに指が置かれ、イカされるのだろうかと柚葉は強張る。
    「せ、先生……」
    「大丈夫。無理はさせない。次はまろやかな感じでいってみよう」
    「……はい」
     塗って広げるような、ぐるぐるとした滑らかな愛撫によって、豚山は穴の周りを丁寧になぞっていく。何周もかけてじっくりと、実に丹念に行う刺激の甘味は、柚葉の脳を少しずつ溶かしていた。
    「今頃は洋くんも、こういうテクニックを習っている頃だからね」
    「……うそ、楽しみです」
     叶うのは時間の問題の、楽しみでならない夢が、数日か一週間後か、そのあたりに迫っている。
    「ところで柚葉ちゃん」
     若干ニヤけていた豚山が、少しだけ真面目な面持ちで、急に真剣な話題を出そうと空気を切り替える。
    「……はい」
     来るのだろうか。
     あの話が。
    
    「そろそろ、本番してみようか」
    
     やっぱり、と柚葉は思った。
     愛する彼氏に、痛がる姿を見せるわけにはいかない。せっかく肌を重ねるのなら、お互いに気持ち良くなることが理想である。処女とはそれを阻む壁なのであり、適切な指導者の手で取り払うべきと、現代の教育方針によって定められている。
     つまり、これは準備。
     彼氏とセックスという、夢の現場へ向かうための、必要な切符を手に入れる手続きなのだ。
     実際、柚葉の心の中には洋の存在しかありはしない。
     目の前にいる豚山など、手続きの係員か何かにしか見えていないくらいである。
    (だけど、痛くてもいいから初めては洋がいいかな。本当は……)
     それは許されていない。
     痛がる姿を見せるのはタブーであると、現代教育による刷り込みを受けている柚葉は、相応の悲しみを抱きながらも、諦観の表情を浮かべてため息を吐く。
     結局、一番の望みは一時的な試練より、その先にある彼氏とのセックスである。
    「はい。お願いします」
     柚葉は自ら指導を望む。
    「事後避妊薬を使うから、生で挿れるよ? 仮に妊娠しても、報告さえくれれば早期に堕胎手術を受けさせてあげるからね?」
    「は、はいっ」
     豚山が覆い被さり、視線を絡め合わせて来た。
    (今から……するんだ……)
     M字となった柚葉の股に、豚山のペニスが近づいている。むわっとした熱気の固まりが、ジメジメとした湿気の固まりのようにアソコに触れ、肉棒の気配は如実なものとなっていた。
     見なくてもわかる。
     雄々しく血管を浮き上がらせ、ピクピクと脈打って、自分の中に入りたいとする欲望を大いに醸し出している。エサを見つけてヨダレを垂らす獣のように、亀頭からカウパーを滴らせているのだ。
    「洋くんのためだ。我慢しようねぇ?」
    「は、はいっ、大丈夫です!」
     声が震えた。
     緊張している。
    「ひッ!」
     怯えたように肩が縮んでしまったのは、ワレメの上にフィットさせんばかりに肉竿を乗せられて、熱気がアソコに伝わったからだった。
    
     ぬるぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅ……………………。
    
     やけにスローな動きで腰を動かし、まるで形をわからせようとしているように、竿全体をワレメの上に這わせている。腰の後退につれ、切っ先がわずかに触れるのみとなっていき、そのぴったりと接触している位置が膣口のところへ合わさった。
    
     ぬりぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃ……………………。
    
     再び竿全体がワレメの上に乗るように、豚山は腰を前に動かして、柚葉のアソコは切っ先と裏筋によってなぞられた。
    「や、あぁぁ…………」
     亀頭でアソコのラインをなぞり、今度は挿入しようと位置を合わせる豚山は、たった1センチだけ先端を差し込んだ。
    「ほら、わかるかい?」
    「……はい」
     もう、入って来るのだ。
     これまで、たくさん気持ち良くなってきた。奉仕もした。しかし、柚葉にとっての豚山は、所詮は好きではない男だ。これでも何の葛藤もなかったわけではない中で、挿入はやはり心苦しいものがある。
     だが、洋のためなのだ。
     洋のため、洋のため。
     これを済ませなければ、洋にはさせてあげること自体ができない。
    「いくよ? 柚葉ちゃん」
    「はい……」
     豚山の肉棒が埋まり始めた。
    
     ずにゅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅ――――。
    
     1センチだけ入っていた亀頭が、処女の小さな穴幅を押し広げ、だんだんと膣口に身を埋める。1ミリずつ侵攻していく、実にゆったりとした挿入は、一秒でも長く処女を味わうためのものだった。
    「あっ、あぁぁ………………」
     やっとのことで亀頭が入り、どれほど時間をかけるつもりでいるか、柚葉には想像もつかない。処女膜が裂ける痛みで血が流れ、穴を強引に拡張してくる圧迫感の苦しさにも柚葉は喘ぐ。
    「うっ、いぃぃぃぃぃぃぃ…………………………」
     カリ首まで入って来た。
     あとは竿の部分が少しずつ、本当に少しずつ、柚葉の中に何秒も何秒もかけて入っていく。今はどこまで入っているのか、まだ半分なのかどうかもわからない。
     しかし、亀頭は確かに子宮に近づいていた。
     ピストンが始まれば、子宮の入口を直接ノックされるに違いない予感に、それは一体どんな感覚なのかという未知への想いに頭の中が満たされていく。
    「あ、あっ、あぁ………………」
     そして、豚山の陰毛が密着して、ぴったりと根本まで収まった。腹の内側に感じる肉棒は、やはり子宮まで届いていた。射精されれば直接流れ込むのは間違いなかった。
    「どうかな? 初めておチンチンを受け入れた感想は」
    「い、痛くて……緊張もして……」
    「彼氏の前では、痛みは無しでリラックスもできた方がいいよね?」
    「それは……はい…………」
    「でも、せっかくの初挿入だ。いきなり動いたりはしないから、今はじっくりと先生のおチンチンを意識してごらん?」
    「……はい」
     意識しようとするまでもなく、肉棒の存在感が柚葉の集中力を引きずり出し、嫌でも形や大きさを想像させてくる。散々見て触った経験のせいかもしれないが、膣の触覚が脳に正確な形状を伝えてくるようで、頭の中にはありありとフォルムが浮かぶ。
     きゅっ、と。
     下腹部に力が入ってしまうと、より如実に感じ取れた。
    「これで、もう私……」
    「そうだね。これで柚葉ちゃんも経験済みだ」
     豚山はにっこりと柚葉の顔を覗き込む。処女を破られたことの驚きや感傷に浸った表情に、ニタニタと頭を撫で、髪を弄び、胸まで楽しげに揉んでくる。
     自分という存在が釘付けに固定されている気がした。
     豚山という男の前から放れられないようにされ、こうして処女を散らした思い出は、良かれ悪しかれ一生かけても消えることはないだろう。
    「洋とも……」
    「そうだね。これで彼氏とセックスすることが出来るようになったけど、まずは先生の相手を済ませないとね」
    「は、はいっ」
    「さーて、動くよ?」
     豚山は腰を前後に動かし始めた。
    
     ぬるぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅ――――。
    
     1ミリずつゆっくりと、静かな動きで肉棒は後退していく。亀頭だけが埋まった状態から、再び子宮を目指して来た。
    
     ぬぎゅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅ――――。
    
     と、閉じ合わさった膣壁の狭間に潜り込み、ゆうに何秒もかけて最奥まで到達した。
    
     ずにゅぅぅぅぅぅぅぅ――――ずるぅぅぅぅぅぅぅぅ――――。
    
     一度のピストンにどれほど時間をかけているのか。竿の部分が抜け出るだけで、果てのなかったものがようやく終わりを迎え、押し込まれる時にも半ば永遠を感じてしまう。
    
     ずにゅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅ――――――。
     ずるぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅ――――――。
    
     処女膜の裂けた傷口にも擦れていて、性交痛に脂汗が滲んでくる。
    「あっ、ぐ…………くぅ…………んっ、くっ………………」
     苦しげな声も、どうしても出てしまう。
     表情も、きっと痛がっているのがありありと伝わるはずだ。
     確かにこんな姿を彼氏には見せたくない。気を遣わせそうで、それに肉棒を萎えさせてしまわないかの恐怖もある。せっかくするなら、少し恥ずかしいが、気持ち良くて喘ぐ姿を見せてあげたい。
     自分の手で喘がせている実感を持つ方が、男としては喜ぶはずだ。
    
     ずにゅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅ――――――。
     ずるぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅ――――――。
    
     少しマゾ的な思いだが、いいように喘がされ、そのことで調子付く洋が見てみたい。柚葉のことを満たしたり、イカせたりしたのは自分だと、満足な気持ちに浸って欲しい。
     お前をイカせたのは俺だという、征服的な気持ちをぶつけられたい。
    
     ずにゅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅ――――――。
     ずるぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅ――――――。
    
     洋とする際の欲望が膨らめば膨らむだけ、こうして出入りしている肉棒が豚山のものであることに、初めから諦めているしかない悲しげな気持ちが蘇る。
    
     ずにゅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅ――――――。
     ずるぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅ――――――。
    
     それでも、両手で乳首を弄り回し、遊んでくれている快感で、下半身の痛みから少しは気が紛れている。性交痛は個人差があるというが、トラウマにはならずに済みそうだ。
    「んっ、ぐっ、ぐぅ……あっ、くっ…………」
     愛液を挟んでの膣と肉棒の密着は、棒の太さに対する穴幅の狭さのせいで、少しの締め付けでピストンを停止しそうなほどなのだが、活性油による滑りの良さで、それでも自在に出入りする。
    
     ずにゅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅ――――――。
     ずるぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅ――――――。
    
     変わることのないペースが続き、いっそ機械のようだと感じていると、しだいしだいにピストンの速度が上がり始めた。
    
     ずにゅっ、ずぷっ、じゅにゅっ、ずぬっ、ずぷっ、にゅぷっ、ちゅぶっ、つぷっ、ずにっ、ぐにっ――――。
    
     まだまだ、ゆっくりと動いている。
     しかし、揺すりつけるように柚葉にぶつかり、軽い振動を与えてくる豚山の腰は、着実に膣を性交に慣らしている。
    (こうやって、準備が整って行くんだ…………)
     彼氏とのセックスが本番。先生とのセックスは本番に向けての練習という意識の下で、だから柚葉にとっては筋トレや走り込みがハードで辛いようなものともいえる。
    
     ずにゅぅ! ずにっ、ずに! ぐにっ、じゅぬ!
    
     さらにペースが上昇した。
    「ぐっ、ん! あっ、あくっ、くっ、ぐっ、ぐぅっ、んん!」
     苦しげな喘ぎの声を吐きながら、こうして肉棒が出入りしてくる感覚に身を沈め、まぶたを閉ざして延々と耐え忍ぶ。
     やがて――。
    
    「出すからね?」
    
     豚山の唇が耳に触れ、ねっとりとした声で囁いてきた。
     その瞬間だ。
    
     ドクッ、ビュク! ドック! ドクドク! ビュクン!
    
     膣内で脈打つ肉棒から、熱い白濁が放出され、柚葉は膣内にそれを感じて顔色を変えていた。
    (あ、やだ……な、ナカに……!)
     アフターピルの用意があるとはいえ、本当なら妊娠確定としか思えない射精の量が、子宮に注ぎ込まれている。入りきらずに溢れ出し、肉棒と膣壁が密着している隙間の無い道のりをなお通り、結合部から漏れる白色が破瓜の出血と混ざり合う。
     なお勃起したままの肉棒が抜かれた時、急に穴の内側が寂しくなり、何も挿入されていないことの方に違和感を覚えてしまった。
     最初は挿入の方が違和感で、じっと異物感に耐え続けていたはずなのに、あれだけ時間をかけたせいなのか。膣穴が空っぽであることの寂しく悲しい感覚に飲み込まれた。
    (でも、体力的にちょっとな……アソコも痛いままだし……)
     おかげで、さすがに二回戦目はしたくない。
     しかし、この痛みが取れて、アソコがセックスに慣れ切っていたのなら、果たして一度で物足りているだろうか。
    「お掃除フェラ。お願いね」
     豚山は柚葉の背中に腕を回して抱き起し、ぐったりと座り込んでいる正面に肉棒を突き出した。
    「……かぷっ」
     歯は立てないが、唇で噛みついた。
     ヌルりとした青味ある味をペロペロと舐め取って、静かなフェラチオの時間を過ごして、柚葉は今日の指導を終えていく。