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  • 第14話「えっ、それだけ?」

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     案の定というべきか。
     初めは普通に抱き合いながら、私達はベッドに入った。
     お互いの温もりを伝え合うように、ギュウゥゥゥゥっと抱き合う心地良さ――すっごく気持ちいい!
     だけど、時間が経てば経つほどレンの手つきは怪しくなる。抱き締めて、優しく私の髪を撫でてくれていた指先は、さーっと背筋を通り抜け、私のうなじをくすぐり始めた。愛するよいうより、もっといやらしい指遣いで、私の肌を敏感に狂わせようとする。
     唇を撫で、耳を揉む。
     くびでを撫で上げ、お尻に触る。
     ……どうしよう。
     そんなにされたら、変なスイッチが入っちゃうじゃない。
     今日こそ、ちゃんとシてくれるわけ?
    「……アズキ?」
     眠っている私にそーっと、寝ていることを確かめるような声のかけ方。
     私は返事はせず、眠ったフリをし続けた。
    「寝ちゃった?」
     うん。
     寝た寝た。
    「起きないと、触っちゃうよー」
     ――え?
     きゃあ! ちょっと、いきなりおっぱい?
     レンは私を仰向けにさせて、上から両手で鷲掴みにする。人が寝ているのをいいことに、大胆なまでに堂々と、グニグニもみもみ、指をたっぷり躍らせる。優しくいたわるような揉み方が私の快感を刺激して、下着の中で乳首が硬く突起して……。
     やだ。気持ちいい――。
     レンはどこまでしてくれるんだろう?
     ボタンを一つ一つ外して私の胸を剥き出しに、ブラジャーをずらし上げ、レンの手の感触がダイレクトに乳肌に伝わってくる。ビンビンになった私の乳首をつまみ、クリクリと優しく捻るようにして、私の乳房は甘い痺れに包まれる。
     ツン、と。
     乳首をつつかれるだけで、まるで静電気の弾けるような快感が乳房の神経を循環して、ジンジンとした麻痺っぽい感覚が乳房の中に充満する。
     すっごく、気持ちいい。
     どうしよう……。
    「可愛いよ。アズキのオッパイ」
     そんなことを囁きながら。
    
     モミモミモミモミモミモミモミモミモミモミ――。
     モミモミモミモミモミモミモミモミモミモミ――。
    
     も、揉みすぎ! 夢中すぎでしょ!
     あぁ……。どんどん気持ちよくなって……。
     眠気と快感が入り混じって、なんだか天国にいる気分――。
     これ、けっこう幸せかも?
    
     もみっ、もみっ、もみっ、もみっ、もみっ、もみっ……。
     もみっ、もみっ、もみっ、もみっ、もみっ、もみっ……。
    
     もうずっと揉んでて欲しい。
     そうよ。アンタは私に夢中でいて頂戴よ。
     子供がママに甘えるみたいに、ギューっと私にしがみついて、いつまでも私の胸に夢中になっていて欲しい。
    
    「チュゥゥゥゥゥゥゥゥゥ――」
    
     ああん! 吸ってる!
     レンが私のオッパイ……!
     本当に子供みたいなんだから、全く!
    「――ちゅっ、ちゅるっ、ちゅぅぅぅ」
     私の乳房はレンの口内にしゃぶり込まれて、母乳でも飲みたいかのように吸っている。片方が終わるともう片方に吸い付いて、私の乳首がどんどんレンの唾液でまみれていく。
    「ぺろっ、れろん」
     ああん! 舐めてるぅ!
     もっと、もっとシなさいよ。
    「ぺろっ、ぺろん! レロッ、レロレロ――」
     私の乳首がレンのヨダレでふやけるくらい、もっともっと、たくさん舐めて……。
     ああっ、すっごくいい。
     そのうち、レンは私のおなかに跨って、ズボンの中からアレを出す。私の胸に挟み始めて、私の胸の狭間にはアレの硬さと熱さが伝わってきて……。
     これって――。
     ぱ、パイズリよね?
     うう~!!
     こんなことされちゃってるんだ! 私――。
     でも、私で興奮してくれているみたいだし、悪くはないかも? 私のオッパイを一生懸命使っちゃって、腰を揺すって、本当に男の子ってしょうがないわよね。
     このまま、かけられちゃうのかな?
     出すんだもんね。
     私の顔とか、胸とか。
     汚されちゃう?
    「――っと、ティッシュティッシュ?」
     え? ちょっと?
     レンは私にかけずにティッシュの上に出している。
     なんで? 嘘!
     しかも、要が済んだらレンはずらしたブラを戻し、パジャマのボタンを締め直す。何事もなかったように眠り始めて、レンは自分一人だけ満足してしまったらしい。
     私はまだ満足していない。
     もうちょっとこう……。
     色々とすることがあるはずなのに!
     なんで! なんでよ!
     もーう! 馬鹿!
    
    
    


     
     
     


  • 第13話「アズキのヤキモキ」

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     私がエッチな動画の存在に気づいたのは、ごくごく単純な話。
     レンの部屋で一緒に過ごしている最中、レンが途中でトイレに行くから、その隙に悪戯心でベッドの下でも漁ってみたら、恐ろしい事に本当にたくさんのブルーレイがありましたっていうわけ。
     一昔前の少年漫画にあったシーンでは、ベッドの下にエッチな本っていうのが、よくあることみたいに書かれていたから……。
     まさか、本当にあるなんてね。
     机に自分用のパソコンが置いてあるから、ひょっとしたらとは思ったけど。
     あー、腹立つ。
     私がいながら、こんなもん見て済ませてるんじゃないかっていうのが腹立つ。
    「えーっと? 露出強要? 野球拳? ふーん?」
     健康診断以外にも、どうやら女の子が恥ずかしい目に遭う内容のタイトルがいっぱいだ。衆人環視の中で野球拳をして、男達に見られながら服を脱ぐとか。ノーパンで街へ繰り出し、赤面しまくる姿を撮影したとか。
     もしかして、そういう趣味?
     恥ずかしがって欲しいとか、そういうわけ?
    「っと、そろそろ潮時ね」
     トイレを流す音が聞こえたので、私はベッドから取り出したブルーレイの山を元の場所へと隠し直して、ドアを開けて戻ってくるレンを、何事もなかったかのように私は迎えた。
    「あれ? アズキ」
     レンは唐突に首を傾げる。
    「ん。何」
    「なんか怒ってる?」
    「――へ? い、いや? 別に?」
     私は慌てて首を振った。
     もしかして、顔に出ちゃっていたのかな……。
     ちょっとトイレに行って戻って来たら、いきなり私が怒っていましたなんて、そりゃレンも不思議がるって話か。
    「うーん。じゃあ、何かなぁ……」
     と、レンは私の顔を見ながら。
     う、うわぁ……。
     もう完全に何かあると思われてる。
     でもねえ。
     あなたのAVを発見しましたとか、言えるわけないし……。
    「なんでもないってば」
    「本当に?」
    「本当よ!」
    「うーん。何か誤魔化してる。けどなんだろうなぁ……」
    「ああっ、考えなくていい!」
     あまりしつこく考えられても困るから、私はレンの頭を叩いてやった。
    「いったいなー」
    「アンタが悪いのっ」
    「理不尽なり」
    「ふんっ」
     そっぽを向いてやった。
     そうやって、怒った態度を見せてあげたのに、レンは構わず私の腰に手を回す。勘違いされなくなったのはいいけれど、そのせいなのか、レンは私が本当は嫌がってなんかいないことに気づいてしまい、セクハラにも遠慮がない。
    「ちょっと?」
     私は腰の手を注意するけど、レンは気にせずくびれを撫でてくる。
    「いいじゃん、いいじゃん」
    「良くないし……」
     だって、こういうことはするくせに、それ以上はしてくれないんだもの。
     どうすればもっとこう……。
     してくれるわけ?
     もうちょっと、こう……。
     私から、誘ってみた方がいいのかなぁ……。
     よ、よし!
    「あのさ。今日……」
     私は言った。
    
    「一緒に寝ない?」
    
     言っちゃった!
    
    
    


     
     
     


  • 第12話「何よこれ!レンって変態?」

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     ――なっ、なな! 何これ!
     ――エロ動画!? 健康診断の?
    
     そのエッチなブルーレイを発見したのは、私がレンの家へ上がった時なのでした。
    
          *
    
     私と九条レンが付き合い始めて一週間。
     初日でセックスをしちゃったせいなんだろうけど、レンってばずうずうしくも私の肉体を求めようとしてくるから、ここ数日のあいだに何発か殴ってやった。あれは初めて恋人になる記念みたいなもんで、本当だったら、あんなに軽々しく体を捧げてたまるかって話よ。
     だから、あれからエッチはしていない。
     だって、そうそう簡単にさせてやったらつまんないじゃない?
     こちとら物じゃないんだから。
     私達が今までしたのは、一緒に登下校したり、夜遅くまでメールをしたり、それくらいのことばかりだ。真夜中まで電話でお喋りを続けたのは楽しかったし、毎日一緒に過ごせるだけでも面白いけど、エッチだけはさせてやんない。ぜーったいにね。
     きっと、そのうち根を上げるわ。
     私みたいに胸が大きくて顔も可愛くて、完璧な女が彼女なんだもの。
     絶対、絶対、根を上げる。
     そうして、シたくてシたくてたまらなくなって、お願いしますさせて下さいアズキ様とでも懇願してきたら、ようやく考えてあげよっかなーというのが私の予定。
     ふふっ、これから一週間でも一ヶ月でもお預けを食らわせてやる。
     あ、こういうアイディアもいいかもしれない。
     例えば、きちんと私をデートで楽しませて、キュンキュンときめかせてくれたなら、仕方ないから頑張って計画を立てたご褒美をあげてやろうって考え方。
     って、思ってたのにさ……。
     なーんで、全っ然根を上げないわけ?
     あれから一週間!
     いきなりセックスをした私達が、一週間は何も無し!
     男は所詮、下半身でものを考えるところがあるんだから、それだけ時間があれば、我慢に我慢を重ねてギブアップ。お願いします、させて下さいアズキ様。って、いい加減になってもおかしくない頃合だと思うんだけど、まーったくその気配がないのはどういうことよ!
     バカなの? 種無しなの? 不能なの?
     だっ、だ、男性器はついてないの?
     信じられない! いい加減にちょっとは私に興味を示しなさいよ!
     もちろんメールはしたがるし、電話もしたがるし、登下校は一緒だったり、日曜日にデートの誘いとかもあったけど……。
     もっとこう……。
     ないっていうの?
     だって、私達は勘違いしていた間柄よ? お互いに自分は嫌われてるかもって思い込んで、そのせいで今までずーっと一緒になれなくて、やっとのことで誤解が消えて私達は付き合うことが出来ている。
     それって、つまりさ。
     本来なら、もっと早く付き合えていたはず。ってことでしょ?
     今まで、損してたのよ?
     例えばスーパーで買ったお肉が三十分後に半額になっていたら、絶対に大損したって感じるでしょう? つまんなそうだなーと思っていた映画が実は最高に面白かったり、不味そうだと思っていた料理が美味しかったり、なんかそういう損をしてたって思わないのかしら?
     そりゃ、もっと早く告白したり、ああして話し合っていればってのもあるけど……。
     遡って考えれば、私達は中学で初めて出会ったあの時点からお互いのことを考えてて、かれこれ何か月分以上の損をしているのかって考えたら、もうたまんない! バっカみたい! 死ねばいいのに!
     だから私はメールで言ったわ。
    
    「今日、アンタの家って空いてる?」
    「今日? 明日だったら、親がいなくてちょうどいいけど」
    「じゃあ明日でいいわ! 行かせてもらうから!」
    「本当? 楽しみだなー」
    
     ってね。
     そういうわけで、うちの両親には友達の家に泊まるとでも言っておいて、私は彼氏の家に泊まるという大冒険に挑戦したの。
     えへへっ、それなら少しは疼くでしょ?
     私とシたいって思うでしょ?
     でも、簡単にはさせてやんなーい。
     って、思ってたのよ。思っていたのに……。
     奴のベッドの下にはアダルトAVが置かれていて、しかもそれって、目茶苦茶にマニアックな内容っぽくて、軽く衝撃を受けたわ。
    
     健康診断? 身体測定?
    
     そういうのがエロ動画になっちゃうの?
     パッケージの裸の女の子なんか見ていると、どうも体を検査するって理由で裸にさせて、胸とかアソコとかを調べちゃうっぽいし。
     うぅっ、世の中にはそういう趣味が存在したのね……。
     ふん!
     なーにが『サ○ィスティック○ィレッジ』よ!
     なーにが『羞恥! 健康診断』よ!
     ――青少年発育身体測定?
     ――男尊女卑の健康診断?
     ああ、マニアすぎてやってらんない!
     つまりあれでしょ?
     レンの奴、こういう動画とか見て欲求を抑えていたから、せっかくの彼女にあんまりがっついて来なかったってことなんでしょ? セックスをせがまれたのは最初の数回きりで、こっちが嫌がってみせたらすぐに引いて、そのままずーっと、本当に何も求めて来ないんだから、バカ以外になんて言えばいいのかわからない。
     しかも、こういうマニアなもので!
     女の子がお尻の穴を調べられて、恥ずかしがってる姿なんかみて、何がいいのかしら全くわけがわからない、ワカラン、ワカラン、ナゾスギル!
     男の手でギョウチュウ検査を行って、女の子はお尻の穴をグリグリされるとか。そんなこと本当にされたら、屈辱すぎて死んじゃうじゃない!
     ま、ともあれ事情はわかったわ。
     あいつ、こういうの見て済ませてたのよ!
     信じられない!
     認められないわ!
     私がAV以下なんて絶対にありえない!
    
     絶対に! 死ぬほど! 懺悔させてやるんだから!
    
     そんな決意を固めた私は、ふと恐ろしいことを思い出した。
     私達は高校一年生で、割とまだ入学したばかりで、身体測定は済んだものの、まだ少しだけ検査が残っている。
     ギョウチュウ検査シートが今日になって配られている。
     つまり、今持ってるのよ……。
     ギョウチュウ検査に使うあの青いフィルム……。
     んで、レンはそういうマニア趣味?
    
     ど、ど、どうしようかしら?
     どうしようかしら?
     どうしよう…………。
     あ、あはは…………。
    
    
    
    


     
     
     


  • 第11話「これから、よろしく」

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     それは事後。
     情事を済ませた僕達は、お互いに服を着なおし、そのままマットの上で休んでいた。隣同士に並びながら、体育倉庫の綺麗とはいえない天井を眺めつつ、隣にアズキがいることを肩で感じる。
    「あーあ、変態ッ。いきなり本番って、そんなの有り?」
     アズキはぷっくりむくれていた。
    「だって、アズキが何でも言う事を聞くって言ったんだよ?」
    「それは言ったけど、もうちょっと遠慮ってものはないわけ? 馬鹿バカばか! このボケマヌケ!」
    「うぅっ……」
    「ま、よっぽど私が魅力的だったんだろうし、仕方ない部分もあるけどさー。あんな発情期の犬みたいになるなんて、汚らわしいったらありゃしないじゃない!」
    「……面目ない」
     なんかすごい非難されているぞ?
     僕がいきなりシちゃったから、仕方ないのか?
    「九条レンなんか。だーいっ嫌い!」
    「えー……。またそういう……」
     嫌いなんかじゃないくせに、わざわざ嫌いだなんて言葉を使う。
    「嫌い嫌い! 大っ嫌い!」
     それも、甘えきった女の子が無邪気に自分の愛を伝えるような、ちょっと幼い口調で、言葉の上では嫌いと言う。
    「僕は好きなんだけどなー」
    「バカ!」
    「大好きだよ? だーい好き」
    「だーかーらー。そういう言葉はそんなにはっきり言わなくていいの」
     アズキはきっぱりとそう言っちゃう。
     好きって言葉が使えないから、わざわざ逆の言葉を使う。
     そんなところが気に入った。
    「どうしてさ」
     しかし、僕はわざと理由を尋ねてみる。
    「だって……」
     アズキは口をつぐんで言いよどんだ。
    「……」
    「…………」
     待っていれば再びアズキは口を開き、何か言葉を語るだろうと待ってはみるが、なかなか沈黙は終わらない。静寂ばかりが流れてゆき、この場が静まるあまりに倉庫の外の喧騒が聞こえてきて、耳鳴りまでうるさくなって、やがて僕の方から追求した。
    「だって?」
    「うぅ……」
    「教えてよ」
    「ばかぁ…………!」
     アズキは露骨に嫌そうな顔をして、少し顔を赤らめる。
     しかし、観念したように口を開いた。
     ゆっくりと、小さな言葉で。
    
    「だってね? だって……」
    
     アズキはそのぷっくりとした唇から、躊躇いの篭った小声を放つ。
     そこにはまるで、告白前の緊張にも似た特有の震えが混じっていた。
    
    「だって…………。恥ずかしいじゃない……………………」
    
     それが答え。
     すぐにアズキは僕のいる反対側へ顔を向け、目が合わないようにしてしまう。
     そんなアズキに僕はドキリとしていた。
    
     そっか、恥ずかしいか。
     そりゃそうだよね。
     気持ちがバレるのは照れくさいというべきか。なんとなく隠したくなる気がするし、こうして通じ合っていてもなお、僕だって平然と「好き」と口にしているわけじゃない。告白じみた緊張を胸に抱えて、それでもアズキに気持ちを伝えたくて、僕はわざわざ言葉にしたのだ。
    「アズキ?」
    「……何よ」
    「僕は中学で初めて会ってからアズキのことが気になってて、本当に同じ高校になっちゃってからは、もうずっと好きだった」
    「私から嫌われてるって、勘違いしたくせに?」
    「そうだよ。好きだった」
     僕はきっぱりと言ってみせた。
     アズキが素直に言葉に出来ない分、僕の方から言ってやるのだ。
    「ばっかみたい。絶対ふざけてる……」
    「真面目だよ」
    「いいえ、バカよ。それで好きでいてくれたなんて、本当にバカみたい……」
    「だって、仕方なかったもん。一度好きになってしまったら、後から嫌いになるのも、無関心になることも、思うようには出来なくて。そういう切り替えが効かなくて、だからずーっとアズキのことは気にしていた」
    
    「…………ありがとう」
    
    「え?」
    「なんでもない」
     いきなりの謎のお礼で、意味合いがわかりかねて僕はきょとんとしてしまったが、考えてみれば簡単じゃないか。
    
     私のことを嫌いにならずにいてくれて、ありがとう。
     って、そういう意味だ。
    
    「アズキこそ、僕を嫌いにならないでくれた」
    「ふん! きーらーい」
    「すーき」
    「バカ! 勝手に人の言葉を訳すな!」
     ははっ、やっぱり合ってるんだ。
    
    「これからよろしくね」
    「ふん。よろしく」
    
     僕達は、こうして恋人同士になった。
    
    
    


     
     
     


  • 第10話「アズキのナカ」

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      す、すごい! 気持ちいい!
     晴れて初めての体験を得た僕は、アズキの膣内の心地良さに感動して、ウキウキ気分で目を輝かせながら腰を動かした。温かいお湯の中のような熱の心地と、肉棒がとろけて溶解するかと思うほどの快感が、僕の根元を支配する。
     貫くたびにおっぱいが上下に揺れ、アズキの身体が揺すられる。視覚的にも素晴らしい光景がそこにはあって、僕は本当にたまらなかった。
    「き、気持ちいいよ! アズキ!」
    「ふん。どれくらいよ――んぁっ!」
     アズキはもっと、ふんぞり返った態度を取ろうとしたのだろうか。そんな口調で話そうとはしたものの、僕のピストン運動があるせいで、アズキは喋る途中で喘いでしまう。
    「すっごく!」
    「すごくって――あっ、だから――んんんっ、んふぁっ、どれくらい……」
    「すごくったらすごく! 一人でするより百倍いい!」
    「ふっ、ふあっ――。ふ、ふーん? ま、まあ――アッ、当たり前だけど――」
    「アズキは感じてる?」
    「ば、ばか! そんなわけ――んんァ、ない――れしょお!」
     そんな事を言いながら金髪を振り乱し、エッチな声を漏らしている。感じていないと言い張る強がりな表情に僕は見惚れて、ますます感じた姿を見ていてやりたくなる。僕はアズキに感じてもらおうと、どうすればよがるのかを手探りするようにして、腰の微妙な動かし方を試して行く。
     まずはゆっくり、そして素早く。
     あるいは弓をゆったり引いていき、狙いを定めて一気に貫くような方法で、僕はアズキの膣をえぐった。
    「どう? 感じてる?」
    「んっ! んなわけ――――」
    「僕じゃ感じない?」
    「何よっ、そっ、その聞き方――。別にっ、あっ、そういうわけじゃ――なっ、いいん!」
    「じゃあ、感じるんだ」
    「うるさいわよぉ! ばかぁあ――!」
     アズキってば、もう可愛い!
     ちょっと前まで、ついさっきまでは、アズキのそんな言葉遣いが僕に誤解を与えていたのに、今は不思議と真意がわかる。素直によがれず、狂った姿を見せられず、強がりながらも喘いでいるアズキの姿は、アズキらしいとしか言い様がない。
     その甘い鳴き声で耳を癒して、僕は一旦ペニスを引き抜く。
    「さあ、四つん這いになって?」
     アズキに体位を変えてもらい、今度はお尻を鷲掴みに、大胆に腰を振るった。巨乳の乳房に負けず劣らず、肉厚のボリュームを持った尻たぶを撫で回し、揉みしだき、パンパンと打ち鳴らしてはよがらせる。
    「――あっ、ああん! アァっ、ああぁっ!」
     完全に背中は反り返り、綺麗な仰け反り方でアズキは鳴いた。
    「アズキっ、アズキ!」
     僕はたまらず上を脱ぎ、上半身を晒してアズキの背中へしがみついた。背後から抱きすくめるようにして乳房を掴み、揉みしだきながら腰を振るった。犬の交尾はちょうどこんな感じだろうかと頭の片隅では思いつつ、だからといって引き返せない。僕はこのまま動物のように腰を振り、欲望のままにアズキという存在を貪った。
     抱きつきたかった。
     邪魔な衣服など脱ぎ去って、この肌に直接、アズキの生肌を感じたかった。
     そうして、僕のおなかと胸板には、背中全体のアズキの皮膚が密着している。体全体を使ってアズキの存在を感じ取り、そして胸を揉みつつ腰を振る。この快感に僕は完全に病みつきになり、僕はアズキとの交わりに熱中しきった。
     確かに僕は、肉欲に溺れている。
     だけど、ただの性欲じゃない。
     いや、性欲は性欲だけれど……。
     アズキの体で、アズキを感じるということにとても大きな意味を覚えた。技巧を駆使してアズキに刺激を与えてやれば、アズキはアズキらしい反応をする。きっと、アズキでなければ見れない色んな顔を、僕だけが拝めるのだ。
    「レン! レン! そっち向きたいぃぃ! 向かせてぇえ!」
    「わっ、わかった!」
     また、一旦引き抜く。
     アズキは身体を仰向けに戻し、正常位で挿入し直した。
    「こっち! こっち着なさいよォ!」
     アズキも僕と抱き合いたいらしい。
     僕を求めるかのように腕を伸ばして、僕のうなじに腕を絡めて引き寄せる。僕はアズキの腕に従うままに、アズキの上半身へと身体を沈めて密着させ、捕えるように抱き締めたまま小刻みに腰を上下する。
    「――んっ、んううっ、ううぁっ! あん! ああぁっ、あうっ!」
    「アズキぃ……!」
     僕はアズキの唇を塞ぎ、するとアズキは僕の口内へ舌を押し出す。僕達は舌を絡め合うようにして、激しく求め合うような交わりを繰り返した。
     やがて――
    
     ドクン!
    
     僕はアズキの中に多量の精を放っていた。
    
    
    
    


     
     
     


  • 第9話「初体験」

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    「うへぇ、なんてもん飲ませんのよ」
     アズキは露骨に嫌そうな顔をして、僕を咎めた。
     僕が射精した瞬間、アズキはこぼれないように慌てて飲み込み、ゴクゴクと喉を鳴らして頭を引いた。苦しかった息を整えて、僕に怒った顔を向けてきたのだ。
    「ごめん。嫌だった?」
    「そんな場所から出る液体よ? 嫌に決まってるでしょ? イチイチそんな事も聞かなければわからないほど、アンタはバカなの?」
    「……すみません」
     頭が下がった。
     欲望のまま、少し暴走しすぎただろうか。
     まずい、今度は本当に怒られる。
     と、思った。
    「……まあ、別にいいけど」
    「え?」
     だけど、アズキはいじけて見える表情でぼっそりと呟いていた。
    「あんなもの! 誰かさんのものじゃなかったら、嫌いな人のもんなんて飲む羽目になったら私は絶対に自殺するわよ!」
     その遠回しな言葉の意味合いぐらいは感じ取れて、僕はアズキにドキリとした。
     か、可愛い……。
     もちろん、金髪巨乳のこの美少女は、言うまでもなく最高のルックスを備えているわけなのだけど、外見とは関係なく今の言葉を可愛く感じた。
     可愛くてもう、どうしよう!
    「アズキっ」
     僕はたまらず、アズキの頭をくしゃくしゃ撫でた。
    「ああもうっ、なんなのよぉ」
    「だってアズキが可愛いから」
    「もぉーうっ!」
     撫でようとする僕の手を掴み返してくるアズキの仕草は、まるで撫でている猫が愛らしくじゃれ返してくる姿によく似て思えて、僕はますます活発に、その金髪を撫で回す。――全く、とか。――バカなんだから、とか。不満めいた口調で口ではそう呟きつつも、もっと撫でてもらおうと頭を差し出す。
     そうやって、撫でてやっている最中に。
     もみっ。
     と、不意に乳房を揉んでみた。
    「――ひっ!」
     その反応は、虫が苦手な女子が悲鳴を上げる瞬間とそっくりだった。
     アズキは感じたのだ。
     僕の手で、アズキが……。
    「あっ、ああ……あぁぁ――。れ、レンってばあ……」
     僕は今一度アズキをマットに寝かせ、乳首に刺激を与えてやる。アズキは電撃が痺れるかのようにビクンとしながら身をよじり、みるみるうちにとろけたような眼差しとなっていく。濃厚に息を荒げ、興奮しきった顔つきは、僕にいけると確信を与えた。
    「下の方も、触るから」
     僕はおもむろにスカートを捲り上げ、秘所を触った。
    「――あん!」
     アズキは喘いだ。いやらしく腰をくねらせ、背中を仰け反らせた。
     支配の実感が僕に沸く。
     指で優しくショーツを擦れば、それだけアズキは反応する。僕の指に応じて、愛撫を続ける限り腰をくねらせ、中断するとよがりを止める。また触れば淫らに喘ぎ、丁寧にすればするほと気持ち良さそうな顔をする。
     コントロールが可能だった。
     刺激が強いとアズキの喘ぎは激しくなるが、控えめに抑えると声は大人しいものへ変わっていく。
     触り方一つでアズキを巧妙に操れる。
     なんて楽しい遊びだろう。
    「感じてる?」
    「べっ、別に?」
     尋ねてみれば思った通り、アズキは強がる。
    「辛いなら、やめようか?」
    「ふん! 平気だって言ってるでしょ? やればいいじゃない」
    「じゃあ、遠慮なく」
     濡れ濡れになったショーツは脱がさないとね。
     僕はショーツに両手をかけ、さっと膝まで引き下げていく。アズキは一瞬だけ慌てるが、すぐまた強がった顔をして、勝手に脱がせば? とでも言いたげな表情で、僕が取り去っている自分のショーツを黙って見送る。
     そして、丸出しとなったアソコを触った。
    「――ひっ、ひや! だ、駄目っ、ああん!」
    「駄目なの?」
    「だ、だめじゃ――あっ、ひやあああ!」
     すごく、ヌルヌルしていた。
     熱い粘液でアズキのアソコは温まり、汗で蒸れっぽいかのようなホカホカとした絶妙な温度と、指に絡みつくような糸を引く愛液が、僕の手に伝わってくる。
    「嬉しいなぁ、こんなことができて」
     僕の中に沸く満足感はすごかった。
     女の子のおっぱいはもちろん、アソコだなんてよほど深い仲でなければ、手を出す権利はどこにもない。そこに到達するまでには、仲良くなって告白して、恋仲になってからさらにまた先まで進んで……。といった、長い長いステップが必要なはずのところを、僕は既に触っているし見てもいる。
     オリンピックでメダルを取れたら、まさにこんな達成感があるだろうか。
     あるいは宝くじで一億円が当たったら、これほど歓喜したくなるだろうか。
     それだけ大げさな例えをしなければ、僕の喜びは言い表せない。
     だが、僕も欲張りだ。
    「もらうよ? アズキの全部を」
     僕はアズキの秘所にペニスを当てた。
    「へ? へえええ!? そ、そこまで? いきなり? 本気で?」
     さすがに動揺しているだろうか。
     正直、暴走しかけた僕だが、そんなアズキの表情を見て、少しばかり正気に戻る。
    「駄目かな?」
     平静なうちに僕は尋ねた。
    「え? ええと、駄目というか、その……。だって命令なんでしょ?」
    「いや、もし本当に嫌ならやめるよ?」
     確かにアズキをコントロールして楽しんだり、欲望のままにここまで来たけど、アズキを嫌がらせたいわけではない。アズキの中に拒否の気持ちがあるのなら、ここで挿入することは我慢したい。
     欲求を堪えてみせるのも、男の見せる愛情表現になるのかなぁ?
     なんてわけで。
    「ばっ、ばか! そういう遠慮はいいの! 私はアンタに命令権を上げたんだから、これもそのうちなのかどうかを答えなさいよ!」
     でも、やっぱり。
     アズキは本番を前にしてもこういう感じのようだった。
    「じゃあ、命令」
    「だったら逆らえるわけないじゃない! や、やりなさいよ!」
    「いいの?」
    「だって、レンはもう私の彼氏で、それで……。彼氏がシたくてシたくて仕方のなさそうな顔をしていたら、こっちだってしょうがないなーって気になるでしょうが! あんまり我慢させるのも可哀想だから、私の広い心で受け入れてやろうってことよ!」
     なんと強気な。
     これでこそアズキだと思う。
    「じゃあ、入るよ? このまま、アズキの中に」
    「き、来なさいよ!」
     僕は腰を押し進め、アズキの中に挿入した。
    
    
    


     
     
     


  • 第8話「パイズリ」

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     もにゅっ。
     僕は取り出したペニスを双乳の狭間へ沈め、もっちりと張り付くような肉の柔らかさに包み込まれる。乳肌の快感に溶かされて、すぐにでも根元から精が込み上げ、さっそく出るものが出てしまいそうな予感にかられた。
    「んなっ、え?」
     アズキは驚いていた。
     肉棒を前に目をぱちくりさせ、慌てたような顔をしながら、僕のすることに文句は言わない。
    「んあっ、アズキっ、気持ちいいよ?」
    「し、仕方ないわねっ。変態っ」
     本当に仕方のなさそうな顔をしてみせ、ムスっとしつつ、目を閉じる。乳を揉む僕の手と、挟んでいる肉棒に意識を集中して、静かに僕を感じようとしていた。
     どこまでも僕を受け入れている。
     ならば、僕のすることをアズキにもっと感じてもらおう。
     この感触を乳房に教えて、染み込ませようという一心で、僕は掴んだ乳房で肉棒をしごいてモチモチとした厚みを感じ取る。左右の手をそれぞれ上下に、肉棒を擦る摩擦の感覚を得るために動かし続け、ただ自分が感じるだけでなく、肉棒の硬さや熱さを与えたい一心で僕はそれ機械のように繰り返した。
    「……はあっ、はぁっ」
     興奮で息の荒い僕は、次は唇に興味を持って抱き起こす。
    「な、何よ」
    「口でして?」
     ぺったりとマットに尻を置いたアズキの顔へ、僕はペニスを近づける。
    「仕方ないわね。ばか」
     アズキは恐る恐る僕のを握って、ゆっくりと目を瞑る。躊躇いを振り切るようにん、思い切ったように口を開け、一気に肉棒を頬張った。
    「んおっ」
     口腔の熱い湿気と内頬の肉、舌の唾液に包まれて、僕のペニスはビクンと跳ねた。こうでいいのか。これで合っているのか。気にした視線で僕を見上げ、僕の様子を気にかけながら、頭を前後に揺り動かす。
     気持ち良すぎた。
     ねちゃりと張りついた舌が、頭の前後運動によって往復する。リング状に大きく広げられた唇は、ふんわりとした柔らかさで肉棒を軽く締め付け、根元は優しい手の平によって包まれている。
     最高すぎる!
    「――ちゅるっ、ぢゅるるっ、ちゅぷっ」
     唾液の音を聞くだけですら、耳が気持ちいい。
    「じゅっ、じゅぱっ、ちゅぱっ」
     何よりも、あのアズキが僕の股座で、僕のこんなものを口に咥えている。食べ物を入れるはずの場所に男の汚いものを迎え入れ、アズキが僕に奉仕しているなど、まさに女をものにしたのだという満足感が湧き上がる。
     ただペニスが気持ちいいだけじゃ済まされない。
     精神的にも最高だ!
     アズキは僕のものなんだ!
    
     ――ドクン!
    
     尿道を焦がされるような熱い射精感が込み上げて、ペニスが大きく跳ね上がった。
    「んぅっ!?」
     アズキが目を丸めた。
    「で、出るよ?」
    「ふぁっ、ふぁって!」
     待って、と言いたいのだろう。
     しかし、待てない。
     もう出るのだ。
     何よりも、僕はアズキに飲ませたい。
     僕のここから出るものを飲んで欲しい!
    「出すから! 出すからね?」
     そう言って僕は、精を放った。
    
    
    


     
     
     


  • 第7話「アズキのおっぱい」

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     ところで、抱き合い密着するということは、アズキの肉体の色んな部分が僕に接触してくることを意味している。まず、おっぱいは丸ごと全て僕の胸板へ押し付けられ、顔もぶつかるのでお互い横顔の頬を触れ合わせ、脚もぶつかり合っている。
     あぐらをかいた僕の股にアズキの身体は乗っている。
     つまり、僕達の股間が接触しているのだ。
     ムクムクと成長した僕のペニスが、ズボンの中で極限まで硬くなり、アズキのショーツ越しの秘所に密着している。下半身へ意識を集中すると、まさにアズキのアソコがイメージできて、僕の中の欲望は膨らんだ。
     シたい。シてみたい。
     だけど、僕達は今日から付き合い始めたばっかりで、初日でキスをしただけでも、本当は早いんじゃないかと僕は思う。
    「ねえ、レン。今の気持ち、教えてよ」
    「すごく嬉しい」
     僕は即答した。
    「本当? どれくらい?」
    「すごくったら、すごくだよ。子供の頃のプレゼントとか、くじ引きが当たるとか。そんなものがどうでもいいくらい、すっごく嬉しくてたまらない」
     それは僕の素直な気持ちだった。
     僕の心はキスに酔っていた。お酒の酔っ払いじゃないけど、甘い気持ちで意識も視界もぼやけていき、夢見心地な気分に陥っちゃう。
     そんな中で、股間の接触だ。
     シたい、このまま先へ進みたい。
     甘く酔いしれた僕の心は、アズキを押し倒してしまおうと考える。それと相反する僕の理性は、それを辛うじて、本当に辛うじて押さえ込み、僕はアズキのアソコを感じ取るに留まっていた。
    「私もさ。なーんか嬉しいというか。嫌なわけがないのよねー。ほら、私はレンのことを嫌いではないわけだし」
     あくまでも、ダイレクトに『好き』という言葉は使わないらしい。
    「僕も、好き」
    「ふーん?」
     アズキはまたそうやって、不機嫌に見える顔をする。僕はアズキのそんな表情を誤解していたわけだけど、今になってわかってきた。どうも素直になれなかったり、照れていたり、気持ちを堂々と表に出せない時の誤魔化しがかった表情なのだ。
     今までの睨んだ顔も、冷ややかな視線も、怒った風な表情も、みんなそうだ。
     まるで魔法でもかかったかのように、さっきまでの僕にはわからなかったであろうアズキの顔が、不思議と見抜けてしまうのだった。
    「まだ、あるでしょ? お願い……。何でも命令しなさいよ」
     アズキの口調は本当にぶっきらぼうで、だけど頬は真っ赤に染まっていた。
     どうだろう。
     いけるだろうか?
    「……胸」
    「胸が、何?」
    「触りたい」
     恐る恐る頼んでみる。
    「……そう。命令なら仕方ないじゃない」
     触れば? とでも言いたげに。というより、そういう風に強がった顔で、触りやすいようにと、アズキは少しだけ体を離した。
    「触るよ?」
    「や、やってみなさいよ」
     僕はアズキの両腰を掴み、上へ向かって手を這わせる。下乳へと接近して、接触寸前になるにつれ、アズキの顔は緊張したように強張っていき、僕達のあいだに流れる空気が変わる。ピンと糸でも張ったような緊張感に溢れた空気が、僕にゴクリと息を飲ませた。
     そして、掴んだ。
    「っ!」
     アズキは驚いたように目を丸め、自分の胸をぎょっと見下ろす。僕の手が自分の胸を下から覆い込んでいるのを見て、自分が胸を揉まれていることを目で確かめ、アズキは唇を丸めて耐えるような顔になる。
     す、すごい!
     感動するほど柔らかい。
     下からそーっと触った僕は、すぐに手の平いっぱいに包み込み、存分に指を踊らせマッサージを開始した。
    「んっ、うぅんっ」
     アズキの顔は切なげに歪んでいた。
     きっと、女としての何かを堪えているのだ。男に触れられ、女の子として感じる何かがあって、アズキはそれを耐える顔をしている。
     そう感じた僕はみるみるうちに揉み方を大胆に、遠慮がちだった指の踊りを活発にして、マシュマロのような柔らかさをたっぷり味わう。
    「……ううっ~」
     恥ずかしそうに、困ったように、アズキは耳まで染まっていた。
    「柔らかいね」
    「へ、へえ?」
     声もすっごく、上ずっている。
    「ボタン外すから」
    「ふん! は、外したければ、勝手に外せば? べ、べ、別に私は平気だし?」
    「じゃあ遠慮しないよ」
     いよいよ僕も大胆だ。
     ワイシャツのボタンを上から一つずつ、おっぱいが丸々と飛び出るように外していき、青色のブラジャーを剥き出しにする。ブルーをベースにした上に、煌びやかに輝く糸で刺繍を縫い込んだその柄を、僕はそーっと指でなぞった。
    「んんっ、んん……」
     ビクビクと震えるようにアズキは堪えた。
     しばらくはカップの上から触った僕は、覗けて見える谷間をツンとつついて確かめる。
    「ひあぁっ」
    「中身も見せてもらおうかな」
    「そ、それも命令……?」
    「うん」
    「だったら、仕方ないわね。好きにしなさいよ」
     僕は再び背中へ手を回し、背中で止められているホックを上から探る。ワイシャツ越しに苦戦しながらパチリと外し、緩んだブラジャーを上へ持ち上げ、アズキのおっぱいを丸出しにさせた。
    「わあ……!」
     感激してしまった。
     驚くほど丸い膨らみが、相応のボリュームをもってプルンと揺れる。まるで自重を支える力でもあるかのように、無駄に垂れることなくツンつ張り、桜色の尖った乳首を初々しく咲かせている。
     すぐに僕は鷲掴みにした。
    「ひっ、ああ……」
     生の乳房を手で味わい、揉みしだく。こちらの手が溶ける気がするほど、乳肌のスベスベさと柔らかさはたまらなくって、指が夢中で止まらない。
    「ひあっ」
     いつしか僕は、アズキを押し倒した。
     アズキのアソコにズボンの膨らみを強く押し当て、擦りつけ、そんな風にしながら指で乳輪を押し込んだ。乳首を摘んだ。
     僕はアズキの腹に跨り、ベルトを外してペニスを取り出すのだった。
    
    
    


     
     
     


  • 第6話「僕達は結ばれて」

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     も、もも、も、も……。
    
     と、僕は緊張しながら「も」を連呼。
     しかし、本当に「揉ませて」と言い出す勇気は出せない。緊張して緊張して、胸の内側がおかしな状態になっていき、もうたまらない。だいたい、ついさっきまでは誤解し合っていた間柄なのに、いきなり先を望みすぎては、今度は本当に嫌われるのではと不安もあった。
     結局。
    「ブレザー! 脱いで?」
     まず僕が頼んだのは、たったのブレザー一枚という、まだまだ無難の域を出ない範囲内。
    「ふん。そんだけ?」
     余裕だといわんばかりにボタンを外し、アズキはワイシャツの白い肩を剥き出しにして脱いでいく。別に裸になるわけでもないというのに、ただ女の子が脱ぐ動作をしているだけで、僕にとっては目に毒だ。
     ま、まともに見れない……。
     いっそ後ろでも向いていたいほど、衣擦れの音と共に白い姿が見えてくるのは、刺激の強い光景に思えてしまった。
    「で?」
     アズキは上目遣いで僕に顔を近づける。
     いつまでも無難な場所ばかりを指定していては、なかなか先のことはできない。
     ここは思い切って――。
    「え、えとっ、その……。こ、腰とか。触っていい?」
     無難なようでそんな事は全く無い、無断で触れれば一発で痴漢かセクハラにされそうな、かといって胸やお尻に比べれば、ずっと危うさの低い部分を指定する。
    「……うん。触れば?」
     照れながらもぶっきらぼうにアズキは答えた。
    「失礼します」
     僕は両手で腰を掴み、くびれの部分を上下にさすった。
     すごく、興奮した。
     アズキの肌を守っているのはたったのワイシャツ一枚。ブレザーの上から触るより、薄い布越しの方が、よっぽど生肌の触感が伝わるのだ。
     何よりも、アズキは僕を受け入れている。
     いくら胸でも尻でもない、まだまだH度合いの低い箇所とはいえ、腰のくびれ一つとて、単なる友達だったりクラスメイトの関係だけでは、触る機会などありはしない。もっとスキンシップの許される、それこそ友達以上の存在か、はたまたは恋人同士でもなければ、男が異性の腰を撫で回す権利などありはしない。
     だが、アズキは僕にそれを許している。
     ただ女の子に触る面白さだけでなく、僕とアズキは本当に仲が深まり、これから二人でやっていくのだという実感が沸いてくるのだ。
     アズキの体に触る権利が僕にはある。
     そんな権利をくれたアズキは、僕のことをそれだけ想ってくれている。
     そういう実感。
    「なんか。くすぐったいというか」
     何かを我慢した顔で、アズキは腰をよじり始める。
    「くすぐったい?」
    「とでもいうか。なんというか。変な感じが」
     どうもアズキは火照っている。
     僕はそんな顔に惹かれた。
     きっと何かを感じているに違いない、どこか色っぽいような、熱の篭った表情がもっと見たくて、僕はより活発にくびれを探る。揉むように指を動かし、背中の腰まで撫でてやろうと手の平をスライドさせ、アズキの背後へ手をやったことで、僕の身体はよりアズキに接近する。
    「ちょっ、ちょっと……」
     アズキは困ったような嬉しそうな、どちらともつかない声を上げた。
    「駄目?」
    「駄目ではないけど……」
    「次は背中だから」
    「……うん」
     僕はさらに体を接近させ、こちらの胸板でアズキの乳房が潰れるほどに、しかし完全に密着するわけでもない、かなりギリギリの状態へ持ち込んだ。
     ちょっと腕に力を入れれば、ぎゅっと抱き締め合えてしまう。
     胸板に意識を集中すれば、押し当てられた胸の感触がよくわかる。
     顔もすっかり接近していて、息がかかってくるほど間近で、アズキは僕をじっと見ている。
    「撫でるから」
    「いいよ」
     僕は胸の柔らかさに意識をやりつつ、アズキの背中を撫で回し、アズキのワイシャツ越しの素肌を存分に味わう。まんべんなく這い回ると、アズキは身をよじるかのような反応をみせ、顔をどんどん赤くしていた。
     背中を上り、うなじのあたりを指でくすぐる。
    「ひんっ」
     可愛い声で鳴きながら、アズキはびくんと肩を跳ね上げた。
     ならば、ブラジャーはどうだろう。
     肩甲骨を撫で回し、ブラジャーの肩紐を見つけて指を置き、下着のラインをすーっと指でだどっていく。
    「んっ、んん……」
     アズキは唇を丸め込み、くすぐったさにでも耐えるような我慢の表情をした。
     では、これは?
     まるで指でそーっとさすっていくような、優しい手つきで背中をくすぐる。くすぐったい刺激を与えるための怪しい指で、背中を縦横無尽に駆け巡り、やがてはうなじの生肌をくすぐり始める。
    「ひゃあっ、ああ! ちょっと……! 駄目ってば……!」
     アズキは途端に肩を持ち上げ、首から背中にかけてを強張らせ、色っぽく何かを堪えた艶かしい表情を披露する。
     触る場所、触り方。
     それによって、アズキは色んな反応をしてくれる。
    「次は耳ね」
     耳を触って、裏側を撫でてみる。
    「ひうっ、うぅぅぅ」
     可愛い声で耐え始める。
     なんか反応を楽しめる感じがして面白いぞ?
    「レン? アンタさっきから遊んでるでしょ」
    「ごめん。ちょっぴり」
    「……もうっ、ばーか」
     むくれた顔も正直可愛い。
     もう、いっそ抱き締めたい。
    「アズキ……!」
     僕は腕に力を入れ、アズキを抱き寄せ締め付けた。アズキも僕を抱き返し、背中を掴み、離れまいとしてしがみつく。
     温かい。すごく落ち着く。
     僕もアズキを離したくない。
     ずっと、こうしていたい……。
    「ねえ、レン……」
     求めるような顔をして、アズキは僕を見上げながら、そっと目を閉じていく。顔を上向きにした唇を差し出して見える頭の角度は、もうそのためのサインとしか思えない。勘違いこそしたけれど、これだけわかりやすいサインまで疑ったり、見落とすほど、僕はそこまで鈍感じゃない。
     僕はアズキに唇を重ねた。
     初めてのキスだった。
     ふっくら、まろやかな唇の感触がこちらに伝わり、抱き締め合った身体を通じて全身の温もりが僕に伝わる。
     そして、背中を掴んでくる手の力から、僕に想いを捧げるアズキの気持ちが伝わってきた。
     僕もアズキが好きだ。
     それを伝えたい。
     この好意が伝わって欲しい。
     気持ちが通じるようにと念じながら、僕は重ねた唇をさらに押し付け、抱き締める腕にも力を込めて、さらにアズキを締め付けるのだった。
    
    
    


     
     
     


  • 第5話「そしてエッチへ?」

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    「まあ、これで? 勘違いは解消されたし、お互い気持ちもわかったし?」
     妙に遠回しな告白を交わし合い、琴宮さんは恥ずかしそうな顔で僕に背中を向けてしまい、今は後ろを向いたまま話している。僕もなんだか同じ気持ちで、まともに琴宮さんの顔を見れない気がして反対側の横を向く。
    「あとはあの時のお礼くらいよね」
    「え、お礼?」
    「そうよ。傘とか色々してもらって、私はまだ何も返してないし」
     そっか。
     琴宮さんはあの雨の日のことを覚えていてくれたのだ。恩を忘れずにいてくれた嬉しさに顔がほころぶ。
    「別にお礼なんて……」
    「だめ。私の気が済まない」
    「うーむ。そういうものか」
    「そうよ。それに、勘違いさせちゃっていたお詫びもあるし、だから九条君のお願いを今から何でも聞いてあげる」
     ごくり。
     男女密室でこれだ。
     正直、よからぬリクエストが頭をよぎってくるわけで。
    「その代わり、私は今からアンタをレンって呼ぶから。アンタも私のことはアズキと呼ぶようにしなさい」
     肩越しに僕を見ながら、そう言った。
    「あ、アズキ……」
    「……レン」
     なんか照れくさい。
     気恥ずかしいあまりにお互いに苦笑して、なんとなく目を逸らしつつも、逸らした視線をもう一度ゆっくりとアズキへ向け、するとばっとりと目が合ってしまう。
     なんだかドキンとして、僕達はそのまま見つめ合った。
    「あ、アズキ? 何かをお願いすればいいんだね?」
    「そうよ。その……。何でも聞くから……」
     アズキは恥じらいきった真っ赤な顔で、自分のお腹へ手をやって、ブレザーのボタンの一つにそっと指をかける。何かを期待した表情で、色っぽく見つめられると、本当によからぬ願いの内容ばかりが頭に浮かんでたまらない。
     大丈夫なのか? そんなことを頼んでも。
    「何でも?」
     確認するべく、僕は尋ねる。
    「うん。何でも」
     あまりにも微熱の篭った目で頷くものだから、僕の衝動が刺激され、頭が痺れる。もう下半身でしかものを考えられなくなり、僕はアズキにどんなお願いから始めようかとばかり考え始めてしまう。
     ああ、僕って……。
     自分は所詮男であると我ながら感じつつ、だけどこのドキドキした空気をもう少しだけ楽しみたい気持ちもあり、僕は初めに告げる言葉はこうだった。
    「もっと近くに来て? 僕の隣に」
    「……この辺?」
     アズキは尻を持ち上げて、肩がくっつくほどの密着距離で、体育座りになりながら僕に体重をかけてきた。肩同士が押し付け合い、二の腕が触れ合い、お互いの太ももまでもが触れ合う自体に発展して、僕は緊張のあまりに全身を強張らせる。
    「そ、そう! この辺この辺!」
    「えへへっ。ナ、ナ、ナニシチャッテンダローネー? 私達って」
    「だね。ナンダロウネー」
    「オカシイデスネー」
     どうしてカタコトになっているのか。
     自分でもわからない。
     緊張感というべきか、ドキドキ感というべきか。アズキとの間にできた甘酸っぱい空気の流れが、僕に平常心を許してくれない。妙に胸がときめいて、心臓が高鳴って、そして全身も緊張で強張りきって、もう精神的に普通じゃない。
    「他には? これだけってことはないでしょ?」
    「う、うん」
    「言ってみなさいよ」
    「えーと、手を出して?」
     ちょうど僕の膝の上へとかざされる形で、アズキは手を運んでくる。僕はその手に自分の手を重ね、手の甲から指を差し込むようにして、上から握った。アズキの温度が手の平から染みるように伝わってくる。
     僕らはお互いの体温を感じ合った。
    「レンの手って、温かいね」
    「アズキこそ」
     ついさっきまでは、こんな空気じゃなかったはずだ。
     もっと、重大な会議でも開く直前の真剣で重々しい雰囲気というべきか。あの空気からは想像もつかない甘い気持ちが、今の僕には流れている。
    「あのね。手、だけでいいの? 他の場所は?」
    「でも、いいの? なんかいきなりだと思うけど」
    「いきなりって、どこまで触る気よ」
    「い、いや……」
    「色々とあるじゃない。色々……」
     ふて腐れたように唇を尖らせて、アズキは僕を睨んでくる。それは今までと変わらない目つきなのだが、頬の火照った表情からなる、上目遣いでこちらを見上げるような形でのアズキの顔つきは、やっぱり今までとは別物に思えた。
     もっと甘い味をブレンドしたような、熱っぽい表情にも見えなくない。
    「こっちを向いて?」
    「こう?」
     僕達はお互いに腰を動かし、膝をつき合わせる形で正面から向かい合う。
     肩に触った。
     両手を伸ばし、やや抱き寄せるようにして、しかし完全に抱き締めるわけでもない微妙な距離感で、アズキの肩を上下にさすった。
     柔らかいなぁ、アズキって。
     お肉がふんわりというか。
     手も、肩も、触れているこちらの指が心地良くなってくるほど、すべすべとした肌触りと肉の柔らかさが伝わってくる。もちろん肩はブレザー越しの触感だけれど、例え服の上からでも、それが肩なんていう無難な箇所でも、女の子に触るというのは面白いことに思えた。
     とはいえ――。
     やっぱり、アズキの胸に目がいっちゃう。
     よく見るとすごいよ。
     何がすごいって。
     紺色のブレザーと首のリボンの狭間、つまりはワイシャツの白いエリアが、あまりの胸のボリュームに内側からパンパンに膨らまされている。皺一つなく生地は伸ばされ、内から外へとブラジャーの色が押し付けられて、今は青色をつけているらしいことが、透けて薄っすらとわかってくる。
     そのブラジャーはブレザーの内側からはみ出るように透けていて、プルンとした丸みをカップで持ち上げ、寄せ上げているのであろうことが想像できる。二つの乳がくっつき合って、この服の中ではプニっとした谷間が待ち構えているのだ。
     そもそも、ワイシャツってやつは中の肌色の気配をごくごくうすーく見せている。
     ブラからなる谷間の肌色が、僕の目の前にはある。
    「さっきから、どこ見てんのよ」
     ギクッ。
     僕は胸から目を逸らした。
    「いえ、別に……」
    「エッチ、変態」
    「……ごめんなさい」
     この至近距離で見つめていたら、そりゃバレるわけだ。
    「そんなに気になる?」
     怒った声だ。
     まずかったかな……。
    「いや、そんな。大丈夫」
    「はあ? 気になるかどうかを聞いたの。大丈夫ってなに? イエスかノーでしょ?」
     すごく、有無を言わさない勢いだ。
     誤魔化しは許さんぞと言いたげな強い目つきで、僕はやっぱり睨みつけられているわけだった。
    「い、イエス……」
    「変態っ」
    「……ごめん」
    「スケベ」
    「……申し訳ない」
    
    「――け、けどっ。そこまで気になるんだったら? アンタがそんなに、死ぬほど気になって仕方が無いって言うんだったら、何かお願いしてみなさいよ」
    
    「へ?」
    「いい? 二度も同じことは言わないから。レンはどうするの?」
    
     ど、どうする?
     どうするの僕!