チナの妄想





 イオリくんの手……。

 スケッチブックにえんぴつを走らせて、ガンプラのパーツを弄るあの手が、大会で活躍しているビルドストライクを作ったのだ。デッサンも上手いし、手際の良さに関心する。
 そんな器用なイオリくんの手を想像して、コウサカ・チナは自分の秘所に触れていた。
 あの手で触ってもらえたら、どんな気持ちがするのだろう。
 ショーツ越しの縦筋をなぞり、指を上下に往復させ、しだいに愛液を滲ませる。ショーツがしっとり濡れてきて、チナはずらすようにして脱いでみた。
(あの手が私のここを触って……)
 ぬるりとした秘所をまさぐり、じっくりと快楽を貪る。

 ――委員長のココ、とても感じやすいみたいだね。これだけ感度が高ければ、クリトリスもすぐに突起すると思うよ。

 イオリくんの声を想像して、チナは指先で愛液をかきあげる。突起した肉芽に粘液をまぶすようにして、優しく撫でるように刺激した。

 ――これだけ分泌液があれば、男女のパーツを結合させても大丈夫だよね。

 チナの頭の中のイオリくんが、ズボンのベルトを外し始める。入り口に亀頭を押し付けられ、自慰行為の手はより活発に動き回った。
(だ、駄目っ、イオリくん……!)
 クリトリスを集中的に刺激して、声が出ないよう片手て口を押さえ込む。

 ――イオリ・セイ! いきます!

 チナは背中から思い切り、勢い良くベッドに倒れて仰向けになり、指先を膣口へ移して先端を挿入した。
(あっ、そんな……! イオリくん……!)
 激しい手つきで指を出し入れし、よがるように髪を振り乱す。
(駄目! 駄目ぇぇえ!)
 快楽のあまり絶頂し、押さえた口から喘ぐような悲鳴を漏らす。
 こうして果てたのは何回目か。
「私って、やらしいのかな」
 自分の性癖を気にかけつつ、チナはティッシュでアソコを拭き取る。出した愛液の後始末を済ませてから、やはりイオリくんを思い浮かべる。
「でも、いつかそういう事するくらい、仲良しになれたらいいな」
 イオリくんと自分の仲に想いを馳せ、夢みがちに頬を朱色に染めながら、明日はどんなお喋りができるだろうか、お店へ行ってみようか、なんてことばかりを考えてしまっていた。